社 会 保 障 税 一 体 改 革 における 年 金 関 連 法 案 について 年 金 機 能 強 化 法 案 (3 月 30 日 提 出 ) 国 会 提 出 時 の 法 案 の 内 容 1 基 礎 年 金 国 庫 負 担 2 分 の1の 恒 久 化 2 受 給 資 格 期 間 の 短 縮 (25 年 10 年 ) 3 産 休 期 間 中 の 社 会 保 険 料 免 除 4 遺 族 基 礎 年 金 の 父 子 家 庭 への 拡 大 など 5 短 時 間 労 働 者 への 社 会 保 険 の 適 用 拡 大 6 低 所 得 者 等 の 年 金 額 の 加 算 7 高 所 得 者 の 年 金 額 の 調 整 8 交 付 国 債 の 償 還 被 用 者 年 金 一 元 化 法 案 (4 月 13 日 提 出 ) 国 会 提 出 時 の 法 案 の 内 容 衆 議 院 での 修 正 内 容 修 正 なし 一 部 修 正 適 用 基 準 の 賃 金 要 件 (7.8 8.8 万 円 ) 施 行 日 (28 年 4 月 10 月 )などの 修 正 原 案 から 削 除 衆 議 院 での 修 正 内 容 1 2 階 部 分 の 統 一 公 務 員 私 学 教 職 員 も 厚 生 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 共 済 年 金 の 制 度 的 差 異 の 解 消 保 険 料 率 の 統 一 形 式 的 修 正 のみ 2 共 済 年 金 の3 階 部 分 ( 職 域 部 分 )の 廃 止 廃 止 後 の 新 たな 年 金 については 別 に 法 律 で 定 める ( 公 的 年 金 制 度 の 財 政 基 盤 及 び 最 低 保 障 機 能 の 強 化 等 のための 国 民 年 金 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 ) ( 1) 国 民 年 金 第 1 号 被 保 険 者 に 対 する 産 前 6 週 産 後 8 週 の 保 険 料 免 除 措 置 の 検 討 規 定 を 追 加 ( 2) 低 所 得 高 齢 者 障 害 者 等 への 福 祉 的 給 付 のための 法 制 上 の 措 置 を 講 じる 旨 の 規 定 を 追 加 ( 3) 高 所 得 者 の 年 金 額 の 調 整 は 引 き 続 き 検 討 する 旨 の 規 定 を 追 加 ( 4) 民 自 公 3 党 確 認 書 では 交 付 国 債 に 代 わる 基 礎 年 金 国 庫 負 担 の 財 源 については 別 途 政 府 が 所 要 の 法 的 措 置 を 講 ずる とされている ( 1) ( 2) ( 3) ( 4) ( 被 用 者 年 金 制 度 の 一 元 化 等 を 図 るための 厚 生 年 金 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 ) 1
特 定 年 度 ( 基 礎 年 金 国 庫 負 担 1/2を 恒 久 化 する 年 度 ) < 改 正 内 容 > 現 行 の 年 金 法 の 基 礎 年 金 国 庫 負 担 については 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 により 所 要 の 安 定 財 源 の 確 保 が 図 られる 年 度 として 特 定 年 度 を 法 律 で 定 めることで その 年 度 以 降 恒 久 的 に 基 礎 年 金 国 庫 負 担 割 合 1/2が 達 成 されることになっている 今 般 の 社 会 保 障 税 一 体 改 革 では 平 成 26 年 度 からの 消 費 税 増 税 (8%)により 得 られる 税 収 を 基 礎 年 金 国 庫 負 担 1/2の 維 持 に 充 てることとしており 特 定 年 度 を 平 成 26 年 度 と 定 める 改 正 を 行 う 1 2 約 36.5% 1/2 震 災 復 興 臨 時 財 源 財 投 特 会 の 剰 余 金 臨 時 財 源 鉄 建 機 構 の 剰 余 金 など 復 興 債 年 金 交 付 国 債 必 要 な 税 制 上 の 措 置 を 講 じた 上 で 1/2を 維 持 税 制 改 革 実 施 恒 久 的 に1/2 1 3 1/3 +272 億 16 年 度 ~ 19 20 年 度 21 年 度 22 年 度 23 年 度 24 年 度 ~ 特 定 年 度 =26 年 度 国 民 年 金 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 ( 平 成 24 年 2 月 10 日 閣 議 決 定 )で 交 付 国 債 の 発 行 に 関 する 規 定 を 措 置 ただし 交 付 国 債 の 償 還 に 関 する 規 定 は 衆 議 院 での 修 正 により 年 金 機 能 強 化 法 案 から 削 除 された 民 自 公 3 党 確 認 書 では 交 付 国 債 に 代 わる 基 礎 年 金 国 庫 負 担 の 財 源 については 別 途 政 府 が 所 要 の 法 的 措 置 を 講 ずる とされている 2 ~
受 給 資 格 期 間 の 短 縮 について < 改 正 内 容 > 納 付 した 保 険 料 に 応 じた 給 付 を 行 い 将 来 の 無 年 金 者 の 発 生 を 抑 えていくという 視 点 から 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 資 格 期 間 を10 年 に 短 縮 する ( 対 象 となる 年 金 ) 老 齢 基 礎 年 金 老 齢 厚 生 年 金 退 職 共 済 年 金 寡 婦 年 金 上 記 に 準 じる 旧 法 老 齢 年 金 現 在 無 年 金 である 高 齢 者 に 対 しても 改 正 後 の 受 給 資 格 期 間 を 満 たす 場 合 には 経 過 措 置 として 施 行 日 以 降 保 険 料 納 付 済 期 間 等 に 応 じた 年 金 支 給 を 行 う 税 制 抜 本 改 革 の 施 行 時 期 にあわせて 施 行 ( 平 成 27 年 10 月 ) ( 参 考 )65 歳 以 上 の 無 年 金 者 ( 約 42 万 人 )の 納 付 済 み 期 間 の 分 布 納 付 済 期 間 10 年 未 満 10 年 以 上 15 年 未 満 15 年 以 上 20 年 未 満 20 年 以 上 25 年 未 満 計 割 合 59% 19% 15% 6% 100% 端 数 処 理 のため 合 計 が 一 致 しない ( 平 成 19 年 ( 旧 ) 社 会 保 険 庁 調 べ) 3
< 改 正 内 容 > 次 世 代 育 成 支 援 の 観 点 から 産 前 産 後 休 業 を 取 得 した 者 に 育 児 休 業 同 様 の 配 慮 措 置 を 講 ずる 産 前 産 後 休 業 期 間 中 の 保 険 料 徴 収 の 特 例 産 前 産 後 休 業 期 間 ( ) 中 の 厚 生 年 金 保 険 料 を 免 除 する ( ) 産 前 6 週 間 ( 多 胎 妊 娠 の 場 合 14 週 間 ) 産 後 8 週 間 のうち 被 保 険 者 が 労 務 に 従 事 しなかった 期 間 産 前 産 後 休 業 を 終 了 した 際 の 標 準 報 酬 の 改 定 産 前 産 後 休 業 終 了 後 に 育 児 等 を 理 由 に 報 酬 が 低 下 した 場 合 に 定 時 決 定 まで 保 険 料 負 担 が 改 定 前 の ものとならないよう 産 前 産 後 休 業 終 了 後 の3ヶ 月 間 の 報 酬 月 額 を 基 に 標 準 報 酬 月 額 を 改 定 する ( ) 育 児 休 業 終 了 後 についても 同 様 の 措 置 あり 国 民 年 金 被 保 険 者 に 対 する 保 険 料 免 除 措 置 の 検 討 ( 衆 議 院 の 修 正 により 追 加 ) 国 民 年 金 の 第 1 号 被 保 険 者 に 対 する 産 前 6 週 間 産 後 8 週 間 に 係 る 国 民 年 金 保 険 料 の 免 除 措 置 を 検 討 現 行 と 改 正 後 の 保 険 料 負 担 のイメージ 産 休 期 間 中 の 保 険 料 免 除 就 業 産 前 産 後 休 業 中 育 児 休 業 中 復 帰 後 保 険 料 負 担 保 険 料 負 担 保 険 料 免 除 保 険 料 負 担 ( 標 準 報 酬 改 定 の 特 例 ) 保 険 料 免 除 産 前 産 後 休 業 を 終 了 した 際 にも 同 様 の 標 準 報 酬 の 改 定 4
短 時 間 労 働 者 への 社 会 保 険 適 用 拡 大 の 規 定 自 公 (19 年 ) 法 案 今 回 の 政 府 案 四 角 囲 みは 衆 議 院 修 正 1. 適 用 要 件 1. 適 用 要 件 週 の 労 働 時 間 20 時 間 以 上 賃 金 月 額 9.8 万 円 以 上 雇 用 期 間 1 年 以 上 学 生 を 除 外 従 業 員 数 301 人 以 上 の 企 業 に 適 用 2. 更 なる 拡 大 に 関 する 規 定 ( 該 当 する 規 定 なし ) 週 の 労 働 時 間 20 時 間 以 上 賃 金 月 額 7.8 万 円 以 上 8.8 万 円 以 上 雇 用 期 間 1 年 以 上 学 生 を 除 外 従 業 員 数 501 人 以 上 の 企 業 に 適 用 2. 更 なる 拡 大 に 関 する 規 定 施 行 後 3 年 以 内 に 対 象 を 拡 大 する 施 行 後 3 年 以 内 に 検 討 し その 結 果 に 基 づき 必 要 な 措 置 を 講 じる 医 療 保 険 制 度 で 適 用 拡 大 によって 主 に 短 時 間 労 働 者 の 多 い 業 種 の 健 康 保 険 組 合 に 生 じる 負 担 増 を 緩 和 するための 措 置 を 講 じる 3. 施 行 日 平 成 23 年 9 月 3. 施 行 日 平 成 28 年 4 月 平 成 28 年 10 月 1 日 4. 対 象 者 数 10 万 人 ~20 万 人 4. 対 象 者 数 45 万 人 25 万 人 5
民 主 自 民 公 明 3 党 確 認 書 における 低 所 得 高 齢 者 等 への 福 祉 的 給 付 衆 議 院 修 正 後 の 年 金 機 能 強 化 法 案 附 則 第 2 条 の2 社 会 保 障 の 安 定 財 源 の 確 保 等 を 図 る 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 を 行 うための 消 費 税 法 の 一 部 を 改 正 する 等 の 法 律 の 趣 旨 にのっとり 同 法 附 則 第 1 条 第 2 号 に 掲 げる 規 定 の 施 行 の 日 ( 平 成 27 年 10 月 1 日 )から 公 的 年 金 制 度 の 年 金 受 給 者 のうち 低 所 得 である 高 齢 者 又 は 所 得 が 一 定 額 以 下 である 障 害 者 等 に 対 する 福 祉 的 措 置 としての 給 付 に 係 る 制 度 を 実 施 するため 同 法 の 公 布 の 日 から6 月 以 内 に 必 要 な 法 制 上 の 措 置 が 講 ぜられるものとする この 場 合 に おいて その 財 源 は 同 法 の 施 行 により 増 加 する 消 費 税 の 収 入 を 活 用 して 確 保 するものとする 社 会 保 障 税 一 体 改 革 に 関 わる 確 認 書 ( 社 会 保 障 部 分 )( 平 成 24 年 6 月 15 日 )( 抄 ) 本 措 置 は 年 金 受 給 者 (65 歳 以 上 の 老 齢 基 礎 年 金 受 給 者 障 害 基 礎 年 金 受 給 者 遺 族 基 礎 年 金 受 給 者 等 )を 対 象 とす る 本 措 置 の 対 象 となる 低 所 得 高 齢 者 の 具 体 的 な 範 囲 は 介 護 保 険 制 度 の 保 険 料 軽 減 の 低 所 得 者 区 分 2の 範 囲 等 を 参 考 に 住 民 税 家 族 全 員 非 課 税 かつ 年 金 収 入 及 びその 他 所 得 の 合 計 額 が 老 齢 基 礎 年 金 満 額 以 下 の 者 とする 障 害 者 等 については 20 歳 前 障 害 基 礎 年 金 の 支 給 範 囲 を 参 考 として 決 定 する 低 所 得 高 齢 者 への 給 付 額 は 基 準 額 を 定 めた 上 で 保 険 料 納 付 済 み 期 間 に 応 じて 決 定 する( 基 準 額 保 険 料 納 付 済 み 期 間 /480 月 ) 基 準 額 は 月 額 5 千 円 ( 近 年 の 単 身 無 業 の 高 齢 者 の 基 礎 的 な 消 費 支 出 と 老 齢 基 礎 年 金 満 額 との 差 額 等 から 計 算 )を 基 本 に 定 める 保 険 料 免 除 期 間 がある 低 所 得 高 齢 者 に 対 しては 老 齢 基 礎 年 金 満 額 の6 分 の1を 基 本 とする 給 付 を 別 途 行 う( 老 齢 基 礎 年 金 満 額 1/6 保 険 料 免 除 期 間 /480 月 ) 本 措 置 による 所 得 の 逆 転 を 生 じさせないよう 低 所 得 高 齢 者 の 範 囲 に 該 当 しない 一 定 範 囲 の 者 に 対 しても 補 足 的 な 給 付 を 行 う 障 害 者 等 への 給 付 額 は 上 記 の 基 準 額 とする 障 害 1 級 相 当 の 者 の 給 付 額 は 基 準 額 の1.25 倍 とする 給 付 金 は 国 が 支 給 するものとし 事 務 は 日 本 年 金 機 構 に 委 任 する 給 付 金 は 年 金 と 同 様 に2ヶ 月 毎 に 支 給 する 給 付 額 その 他 の 本 措 置 の 内 容 については 低 所 得 高 齢 者 等 の 生 活 状 況 低 所 得 者 対 策 の 実 施 状 況 等 を 踏 まえた 見 直 しを 行 う 6
( 参 考 )3 党 確 認 書 に 記 載 の 年 金 受 給 者 に 対 する 福 祉 給 付 金 (イメージ) 83 万 (6.9 万 ) 給 付 金 支 給 後 月 5000 円 納 付 済 月 数 480 を 支 給 6.4 万 +5 千 円 77 万 ( 年 金 収 入 +その 他 所 得 の 合 計 ) 具 体 的 な 仕 組 み ( 低 所 得 高 齢 者 の 範 囲 ) (6.4 万 ) 基 礎 年 金 満 額 低 所 得 である65 歳 以 上 の 老 齢 基 礎 年 金 受 給 者 ( 住 民 税 家 族 全 員 非 課 税 かつ 年 金 収 入 その 他 所 得 の 合 計 額 が 老 齢 基 礎 年 金 満 額 以 下 の 者 ) ( 給 付 金 の 額 ) 基 準 額 は 月 5 千 円 とし 保 険 料 納 付 済 み 期 間 に 応 じて 決 定 (5 千 円 保 険 料 納 付 済 み 期 間 /480 月 ) 保 険 料 免 除 期 間 を 有 する 低 所 得 高 齢 者 に 対 しては 老 齢 基 礎 年 金 満 額 の1/6を 基 本 とする 給 付 を 別 途 行 う ( 老 齢 基 礎 年 金 満 額 1/6 保 険 料 免 除 期 間 /480 月 ) ( 逆 転 防 止 措 置 ) 本 措 置 による 所 得 の 逆 転 を 生 じさせないよう 補 足 的 な 給 付 を 行 う ( 障 害 者 等 への 給 付 ) 障 害 者 等 (20 歳 前 障 害 基 礎 年 金 の 支 給 範 囲 を 参 考 として 決 定 )には 月 5 千 円 を 給 付 する ( 障 害 1 級 相 当 の 者 の 給 付 額 は1.25 倍 とする ) 7
被 用 者 年 金 一 元 化 < 主 要 項 目 > (1) 公 務 員 私 学 教 職 員 も 厚 生 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 に 公 務 員 及 び 私 学 教 職 員 も 加 入 することとし 2 階 部 分 の 年 金 は 厚 生 年 金 に 統 一 する (2) 負 担 と 給 付 の 統 一 共 済 年 金 の1 2 階 部 分 の 保 険 料 を 引 き 上 げ 厚 生 年 金 の 保 険 料 率 ( 上 限 18.3%)に 統 一 するとともに 共 済 年 金 と 厚 生 年 金 の 制 度 的 な 差 異 を 解 消 することで 同 一 保 険 料 同 一 給 付 を 実 現 する (3) 職 域 部 分 の 廃 止 共 済 年 金 にある 公 的 年 金 としての3 階 部 分 ( 職 域 部 分 )は 廃 止 する 公 的 年 金 としての3 階 部 分 ( 職 域 部 分 ) 廃 止 後 の 新 たな 年 金 については 別 に 法 律 で 定 める (4) 追 加 費 用 の 削 減 追 加 費 用 削 減 のため 恩 給 期 間 に 係 る 給 付 について 本 人 負 担 の 差 に 着 目 して27% 引 き 下 げる ただし 一 定 の 配 慮 措 置 を 講 じる < 施 行 日 > (1)~(3): 平 成 27 年 10 月 (4) 追 加 費 用 の 削 減 : 公 布 から1 年 を 超 えない 範 囲 内 で 政 令 で 定 める 日 8