千 葉 農 林 総 研 研 報 (CAFRCRes.Bul.) 4:101-106(2012) 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないヒノキの 選 抜 小 林 沙 希 遠 藤 良 太 キーワード:ヒノキ, 雄 花 着 花 性, 選 抜, 広 義 の 遺 伝 率 Ⅰ 緒 言 ヒノキはスギと 並 んで 花 粉 症 の 原 因 となる 主 要 な 樹 種 で あり,スギ 花 粉 症 患 者 の64.7%がヒノキ 花 粉 にもアレルギ ー 反 応 を 示 すと 報 告 されている( 西 端 斎 藤,2002).また, ヒノキは 千 葉 県 における 人 工 林 面 積 の14.3%を 占 め,スギ に 次 いで 多 く 造 林 されている 樹 種 である.ヒノキの 苗 木 生 産 量 は,2009 年 度 で80 千 本 と,スギを 上 回 り 最 も 多 く 生 産 されている( 千 葉 県 農 林 水 産 部 森 林 課,2010).したがって, スギ 花 粉 症 対 策 と 同 様 に,ヒノキ 花 粉 症 対 策 も 重 要 である. これらの 対 策 として, 林 木 育 種 の 分 野 では 花 粉 の 少 ない 品 種 (クローン)の 選 抜 が 進 められている.2010 年 3 月 の 時 点 でスギでは 全 国 で135クローン, 関 東 育 種 基 本 区 で57 クローンが 選 抜 されている( 森 林 総 合 研 究 所 林 木 育 種 セン ター,2010). 千 葉 県 では1995 年 に6クローンと13 家 系 が 独 自 に 選 抜 され( 岩 澤 小 平,1995),1996 年 から 花 粉 症 対 策 用 の 種 子 が 生 産 されている.これに 対 し,ヒノキでは 全 国 で55クローン, 関 東 育 種 基 本 区 で15クローンが 選 抜 さ れている( 林 野 庁,2007).この15クローンの 中 で 千 葉 県 の 採 種 園 に 導 入 されているものは 新 城 2 号 のわずか1ク ローンであり,このクローンを 利 用 しても, 十 分 な 量 の 花 粉 症 対 策 用 の 種 子 を 生 産 できない.また, 新 城 2 号 以 外 の 選 抜 クローンについては, 県 内 における 成 長 等 が 未 検 定 であり( 増 田 ら,1991; 遠 藤 ら,2001; 遠 藤 小 平,2002), 雄 花 着 花 性 も 地 域 により 異 なる 可 能 性 があるため, 千 葉 県 における 花 粉 の 少 ないクローンの 選 抜 が 急 務 となっている. そこで, 採 種 園 に 植 栽 されたヒノキ 精 英 樹 の 雄 花 着 花 性 を13 年 間 にわたって 調 査 し, 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ない ヒノキクローンを 選 抜 した. いて,1968 年 に 造 成 されたヒノキ 採 種 園 で 調 査 を 行 った. この 採 種 園 の 面 積 は0.57haで, 精 英 樹 24クローンが 計 205 本, 単 木 混 交 で 植 栽 されている. 2. 調 査 方 法 1998 年 から2010 年 までの13 年 間, 毎 年 4 月 に 雄 花 の 着 花 状 況 を, 目 視 の 観 察 により0~3の4 段 階 の 着 花 指 数 で 評 価 した( 第 1 表 ). 調 査 は 採 種 園 内 の 日 照 条 件 の 良 い 場 所 の 植 栽 木 を 対 象 とし,1クローンあたり2~18 本 を 調 査 した ( 第 2 表 ).ただし, 採 種 園 管 理 により 秋 季 から 冬 季 に 断 幹 作 業 を 実 施 した 調 査 木 については, 断 幹 により 雄 花 が 着 第 1 表 着 花 指 数 と 雄 花 着 花 状 況 第 2 表 調 査 クローンと 本 数 Ⅱ 調 査 地 及 び 方 法 1. 調 査 地 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 センター 森 林 研 究 所 ( 山 武 市 )にお 受 理 日 2011 年 8 月 22 日 本 報 の 一 部 は, 第 122 回 森 林 学 会 大 会 (2011 年 3 月, 静 岡 市 ) において 発 表 した 101
千 葉 県 農 林 総 合 研 究 センター 研 究 報 告 第 4 号 (2012) 花 しやすい 部 位 が 切 断 されたため, 翌 春 の 調 査 対 象 から 除 外 した. 調 査 本 数 が 少 なかったクローンについては, 林 野 庁 による 東 京 都 及 び 神 奈 川 県 の 着 花 調 査 結 果 ( 林 野 庁, 2007)と 比 較 し, 評 価 が 同 程 度 であったことから, 調 査 本 数 が 少 ない 場 合 でもクローンの 雄 花 着 花 性 を 示 していると 考 え, 解 析 に 用 いた. 3. 解 析 方 法 調 査 年 ごとに 調 査 した 個 体 すべての 平 均 着 花 指 数 を 算 出 し, 雄 花 着 花 性 の 年 次 変 動 を 明 らかにした. また, 調 査 年 ごとに 各 調 査 木 の 着 花 指 数 をデータとして, クローンを 要 因 とした 一 元 配 置 の 分 散 分 析 を 行 いクローン 間 の 分 散 を 求 め,その 分 散 の 全 分 散 に 対 する 比 率 として 雄 花 着 花 性 の 広 義 の 遺 伝 率 を 計 算 した( 大 庭 勝 田,1991). クローン 間 の 着 花 指 数 の 差 の 検 定 には 最 小 有 意 差 法 を 用 い ( 明 石,1978),これらの 結 果 に 基 づいて 花 粉 の 少 ないクロ ーンを 選 抜 した. Ⅲ 結 果 及 び 考 察 1.ヒノキ 採 種 園 の 雄 花 着 花 状 況 1 雄 花 着 花 性 の 年 次 変 動 調 査 木 全 体 の 平 均 着 花 指 数 と 前 年 の7 月 から8 月 の 日 照 時 間 の 年 次 変 動 を 第 1 図 に 示 す. 着 花 指 数 は 調 査 年 によっ て 大 きく 変 動 し, 最 も 低 かったのは2007 年 の0.24で, 最 も 高 かったのは2002 年 の1.44であった.この 結 果 から, 調 査 した13か 年 を 豊 作 年, 並 作 年, 凶 作 年 に 区 分 した( 第 3 表 ). 豊 作 年 と 凶 作 年 はおよそ3 年 ごとのサイクルで,13 年 間 の うち 豊 作 年 が6 回, 凶 作 年 が5 回 あり,2000~2002 年, 2008~2009 年 では, 豊 作 年 が 連 続 していた. ヒノキの 雄 花 量 は, 前 年 の7 月 から8 月 までの 日 照 時 間 と 特 に 強 い 正 の 相 関 が 認 められている( 山 本 ら,2005). 本 調 査 でも 平 均 着 花 指 数 と 前 年 の7 月 から8 月 の 日 照 時 間 の 年 次 変 動 は 一 致 しており( 第 1 図 ), 両 者 の 間 に 非 常 に 強 い 相 関 が 認 められた(r=0.92,P<0.01).すなわち, 雄 花 着 花 性 の 年 次 変 動 は, 主 に 前 年 の7 月 から8 月 までの 日 照 時 間 の 影 響 を 受 け, 日 照 時 間 が 長 くなるほど 雄 花 の 着 生 が 多 く なることから,7 月 から8 月 の 日 照 時 間 により 翌 年 の 豊 凶 を 予 測 できると 考 えられる. 2ヒノキ 雄 花 着 花 性 の 遺 伝 的 特 徴 雄 花 着 花 性 のクローンによる 違 いを 明 らかにするため, 調 査 年 ごとに 分 散 分 析 した 結 果,2006 年 を 除 いたすべての 調 査 年 でクローン 間 に 有 意 差 が 認 められた( 第 3 表 ). そこで, 各 クローンの 着 花 指 数 を, 凶 作 年 と 豊 作 年 の 平 均 値 で 比 較 した( 第 2 図 ).すべてのクローンの 着 花 指 数 の 第 1 図 調 査 個 体 全 体 の 平 均 着 花 指 数 と 調 査 年 前 年 の 日 照 時 間 の 年 次 変 動 注 ) 前 年 の 日 照 時 間 は 調 査 地 近 隣 の 横 芝 光 町 の7 月 から8 月 までの 日 照 時 間 ( 気 象 庁 アメダスデータ) 102
小 林 遠 藤 : 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないヒノキの 選 抜 第 3 表 着 花 指 数 の 分 散 分 析 によるF 値 と 広 義 の 遺 伝 率 第 2 図 凶 作 年 と 豊 作 年 における 各 クローンの 平 均 着 花 指 数 注 1) 図 中 の 実 線 はクローン 全 体 の 凶 作 年 及 び 豊 作 年 の 着 花 指 数 の 平 均 値 (0.31,1.27)と 原 点 を 通 る 直 線 2)クローン 名 の 号 を 省 略 平 均 は 凶 作 年 で0.31, 豊 作 年 で1.27であり,この 比 ( 以 下 豊 作 / 凶 作 比 とする)は4.10であった. 凶 作 年 で 着 花 指 数 が 低 いクローンは 豊 作 年 でも 低 い 傾 向 があり, 多 くのクロー ンの 豊 作 / 凶 作 比 は4に 近 い 値 であった.しかし, 丹 沢 6 号 及 び 久 野 2 号 の 豊 作 / 凶 作 比 はそれぞれ12.0 及 び10.8であり, 豊 作 年 で 着 花 性 がより 高 まる 傾 向 があった. これに 対 して, 西 多 摩 4 号, 西 多 摩 5 号, 箱 根 3 号, 箱 根 5 号 の 豊 作 / 凶 作 比 は そ れ ぞ れ 2.67,2.50,2.59,2.63であり, 豊 作 年 でも 着 花 性 が 高 まら ない 傾 向 があった. ヒノキの 雄 花 着 花 性 に 調 査 年 とクローンにより 違 いがあ ることは, 齋 藤 明 石 (2004)による4 年 間 の 調 査 結 果, 遠 藤 明 石 (2003)による5 年 間 の 調 査 結 果 で 報 告 されて いるが, 今 回 は13 年 間 という 長 い 期 間 の 調 査 データを 用 い て 検 証 できた. また, 調 査 年 ごとの 分 散 分 析 から, 広 義 の 遺 伝 率 は7.7~ 48.0%, 平 均 26.8%と 推 定 された( 第 3 表 ).この 中 で 豊 作 年 の 広 義 の 遺 伝 率 は 平 均 35.9%, 凶 作 年 の 平 均 は16.7% で 103
千 葉 県 農 林 総 合 研 究 センター 研 究 報 告 第 4 号 (2012) あり, 豊 作 年 の 広 義 の 遺 伝 率 は 凶 作 年 の 値 より 大 きくなる 傾 向 が 認 められた. 齋 藤 明 石 (2004)は 神 奈 川 県 におい て 豊 作 年 の2 年 とやや 凶 作 年 の1 年 のデータから, 広 義 の 遺 伝 率 を30~45%と 推 定 しており, 本 調 査 での 豊 作 年 の 値 はこれと 同 程 度 であった. 広 義 の 遺 伝 率 はその 形 質 の 発 現 程 度 を 示 す 指 標 であり,クローンが 遺 伝 的 に 持 っている 着 花 性 の 性 質 は, 豊 作 年 により 発 現 されやすいことが 明 らか となった.したがって, 豊 作 年 の 雄 花 着 花 状 況 から 花 粉 の 少 ないヒノキクローンを 選 抜 することがより 効 率 的 である と 考 えられる. なお,スギ 花 粉 症 に 対 する 疫 学 的 調 査 から, 年 毎 のスギ ヒノキ 科 の 花 粉 飛 散 数 と 花 粉 症 患 者 数 には 高 い 正 の 相 関 が あること( 西 端 斎 藤,2002),スギまたはヒノキ 花 粉 が 大 量 飛 散 する 時 期 のみ 出 現 する 症 状 があることなどから ( 岩 谷 ら,1994), 豊 作 年 のデータから 花 粉 の 少 ないクロー ンを 選 抜 することは, 花 粉 症 対 策 面 からも 効 果 が 高 いと 考 えられる. 2. 花 粉 の 少 ないクローンの 選 抜 豊 作 年 であった6か 年 のクローンごとの 平 均 着 花 指 数 を 第 3 図 に 示 す. 最 も 平 均 着 花 指 数 が 低 かったのは, 鬼 泪 4 号 の0.11であり, 続 いて 新 城 2 号 の0.31, 札 郷 2 号 の0.48だった.これらのクローンは, 豊 作 年 以 外 でもほ とんど 雄 花 が 着 いていなかった.そこで, 豊 作 年 において 最 も 平 均 着 花 指 数 が 低 かった 鬼 泪 4 号 を 基 準 とし,そ の 他 のクローンと 比 較 した 結 果, 新 城 2 号, 札 郷 2 号, 丹 沢 7 号, 秋 元 1 号 とは 有 意 差 が 認 められなかった ため, 鬼 泪 4 号 を 含 めた 上 記 5クローンを, 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないクローンとして 選 抜 した. なお, 選 抜 クローンのうち 新 城 2 号 は 林 野 庁 の 少 花 粉 ヒノキ 品 種 として 登 録 されている.また, 最 も 着 花 指 数 の 低 かった 鬼 泪 4 号 は,( 独 ) 森 林 総 合 研 究 所 林 木 育 種 センター 優 良 品 種 評 価 委 員 会 において,2010 年 11 月 に 新 たに 林 野 庁 の 少 花 粉 ヒノキ 品 種 に 追 加 された. 花 粉 症 対 策 用 の 種 子 を 生 産 するためには, 少 花 粉 の 特 性 のみならず, 千 葉 県 の 気 候 風 土 に 適 し, 成 長 及 び 形 質 が 良 好 であることが 重 要 である. 鬼 泪 4 号, 札 郷 2 号, 秋 元 1 号 は 千 葉 県 産 の 精 英 樹 であり, 特 に 鬼 泪 4 号 は 成 長 等 が 優 れていることから, 関 東 育 種 基 本 区 の 推 奨 品 種 に 選 定 されている( 林 木 育 種 センター,2006). 新 城 2 号, 丹 沢 7 号 も, 次 代 検 定 林 の 調 査 から 地 元 産 のヒノキと 同 程 度 以 上 の 成 長 を 示 しており( 増 田 ら,1991; 遠 藤 ら, 2001; 遠 藤 小 平,2002), 今 回 選 抜 されたクローンは 少 花 粉 の 特 性 を 持 ち,かつ 千 葉 県 の 環 境 で 良 好 な 成 長 が 期 待 できる 林 業 用 優 良 品 種 である. 今 後 は, 選 抜 した5クローンを 活 用 して 花 粉 症 対 策 種 苗 の 供 給 に 取 り 組 んでいく.ヒノキの 雄 花 着 花 性 は 母 樹 から 十 分 に 遺 伝 することが 明 らかになっているため( 遠 藤 明 石,2003; 坪 村 ら,2009),2011 年 より 既 存 の 採 種 園 にあ る 選 抜 した5クローンから 選 択 採 種 を 開 始 し,2015 年 の 春 から 苗 木 が 供 給 される 予 定 である.また, 本 調 査 地 と 併 せ 第 3 図 豊 作 年 におけるクローンの 平 均 着 花 指 数 注 ) 鬼 泪 4 号 と 最 小 有 意 差 法 による5% 水 準 で 有 意 差 がなかったクローンを 白 抜 きの 棒 で 示 す 104
小 林 遠 藤 : 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないヒノキの 選 抜 て, 県 内 のもう1 箇 所 の 採 種 園 でも 着 花 調 査 を 継 続 してお り, 選 抜 数 の 増 加 を 検 討 していく.さらに, 花 粉 の 少 ない クローンのみで 構 成 された 採 種 園 での 早 期 種 子 生 産 方 法, 外 部 花 粉 を 考 慮 した 採 種 園 の 管 理 方 法 の 開 発 にも 取 り 組 ん でいく. Ⅳ 摘 要 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないヒノキを 選 抜 するため,ヒ ノキ 採 種 園 に 植 栽 されている 精 英 樹 24クローンの 雄 花 着 花 性 を13 年 間 調 査 した. 1.ヒノキ 雄 花 の 着 花 性 は 年 次 変 動 が 大 きく,13 年 間 のうち 豊 作 年 が6か 年, 凶 作 年 が5か 年 であった.また, 雄 花 着 花 性 には 調 査 年 及 びクローンにより 違 いがあることが 明 らかになった. 2. 雄 花 着 花 性 の 広 義 の 遺 伝 率 は, 豊 作 年 で 平 均 34.6%, 凶 作 年 で 平 均 16.7%と, 豊 作 年 の 方 が 雄 花 着 花 の 遺 伝 的 な 発 現 が 高 かった. 3. 豊 作 であった6か 年 の 平 均 着 花 指 数 が 最 も 低 かった 鬼 泪 4 号 を 基 準 とし,これと 豊 作 年 の 着 花 指 数 に 有 意 差 が 認 められなかった, 鬼 泪 4 号, 新 城 2 号, 札 郷 2 号, 丹 沢 7 号, 秋 元 1 号 の 計 5クローンを 千 葉 県 に 適 した 花 粉 の 少 ないヒノキとして 選 抜 した. Ⅴ 引 用 文 献 明 石 孝 輝 (1978) 次 代 検 定 林 のデータ 処 理 と 交 配 設 計. 147pp. 公 文 社. 東 京. 千 葉 県 農 林 水 産 部 森 林 課 (2010) 平 成 21 年 度 千 葉 県 森 林 林 業 統 計 書.197pp. 遠 藤 良 太 小 平 哲 夫 福 島 成 樹 (2001) 林 業 用 優 良 品 種 の 選 抜 と 導 入 関 千 4 号 検 定 林 の 定 期 調 査. 千 葉 林 試 研 報.13:14. 遠 藤 良 太 小 平 哲 夫 (2002) 林 業 用 の 優 良 品 種 の 選 抜 と 導 入 関 千 5 号 次 代 検 定 林 の 定 期 調 査. 千 葉 林 試 研 報.35:23. 遠 藤 良 太 明 石 孝 輝 (2003)ヒノキ 採 種 園 と 次 代 検 定 林 の 雄 花 着 花 状 況 から 推 定 した 遺 伝 率 と 育 種 効 果. 日 林 誌. 85:241-244. 岩 澤 勝 巳 小 平 哲 夫 (1995) 千 葉 県 における 花 粉 の 少 ない スギの 選 抜. 日 林 関 東 支 論.47:55-56. 岩 谷 雅 子 高 柳 幹 尾 上 洋 一 村 上 巧 啓 岡 田 敏 夫 劔 田 幸 子 寺 西 秀 豊 槻 陽 一 郎 (1994)スギ 花 粉 症 患 者 における 花 粉 数 と 臨 床 症 状 との 関 連 性 についての 検 討 (1993 年 ). 花 粉 症 研 究 会.6:7-10. 増 田 勝 巳 小 平 哲 夫 遠 藤 良 太 (1991)スギ ヒノキ 精 英 樹 の 特 性 把 握 次 代 検 定 林 の 定 期 調 査. 千 葉 林 試 研 報.25:102. 西 端 慎 一 斎 藤 洋 三 (2002) 都 市 部 ( 東 京 都 )の 一 診 療 所 におけるスギ 花 粉 症 患 者 の 受 診 動 態. 日 耳 鼻. 105:751-758. 大 庭 喜 八 郎 勝 田 柾 (1991) 現 代 の 林 学 5 林 木 育 種 学.337pp. 文 永 堂 出 版. 東 京. 林 木 育 種 センター(2006) 関 東 育 種 基 本 区 ヒノキ 推 奨 品 種 特 性 表 ( 平 成 17 年 度 ).24pp. 森 林 総 合 研 究 所 林 木 育 種 センター(2010) 平 成 21 年 版 2009 年 報.174pp. 林 野 庁 (2007) 平 成 18 年 度 花 粉 の 少 ない 品 種 選 定 に 関 する 調 査 報 告 書.157pp. 齋 藤 央 嗣 明 石 孝 輝 (2004)ヒノキの 着 花 性 のクローン 間 変 動. 林 木 の 育 種.211:1-7. 坪 村 美 代 子 中 田 了 五 武 津 英 太 郎 (2009) 人 工 交 配 家 系 を 用 いたヒノキ 雄 花 着 花 性 の 遺 伝 性. 関 東 森 林 研 究. 60:97-100. 山 本 茂 弘 袴 田 哲 司 近 藤 晃 (2005) 静 岡 県 産 ヒノキ 精 英 樹 からの 少 花 粉 系 統 の 選 抜. 静 林 技 セ 研 報.33:1-7 105
千 葉 県 農 林 総 合 研 究 センター 研 究 報 告 第 4 号 (2012) SelectionofJapaneseCypress(Chamaecyparisobtuse) ProducingScantPoleninChibaPrefecture SakiKOBAYASHIandRyotaENDO Keywords:Japanesecypress,maleflowerseting,selection,broad-senseheritability Summary ToselectJapanesecypressproducingscantpoleninChibaPrefecture,westudiedthemaleflower-settingof24treeclonesinaseedorchardovera13-yearperiod. 1.Theannualchangeinmaleflower-setingratewaslarge.Sixofthe13yearsweregoodcropyearsand fivewerepoorcropyears.thereweresignificantdiferencesinmaleflowerproductionbetweenyears andbetweenclones. 2.Themeanbroad-senseheritabilityofmaleflower-setingwas34.6% ingoodcropyears,and16.7% in poorcropyears,andthecloneefectofmaleflower-setingwashigheringoodcropyears.wetherefore selectedjapanesecypressproducingscantpolenfrom maleflower-setingsingoodcropyears. 3.Weselectedfiveclones(Kinada4,Shinshiro2,Fudagou2,Tanzawa7andAkimoto1)asaJapanesecypressproducingscantpoleninChibaPrefecturebasedonKinada4.Kinada4hadthelowestaverage flower-setingingoodcropyear. 106