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3.HPS の 分 類 と 普 通 のアルビノや 眼 白 皮 症 との 関 係 など 眼 皮 膚 毛 髪 の 基 本 的 な3つの 症 状 の 強 さと HPS 特 有 の 症 状 ( 出 血 傾 向 や 肺 線 維 症 など)の 強 さとは それなりに 相 関 する( 単 純 に 色 素 が 少 ないほど HPS の 可 能 性 が 高 い というわけではありません)ものと 考 えられています また 出 血 傾 向 以 外 の HPS 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)は 成 人 期 になってから 30 代 ないし 40 代 までに 出 現 してく るものとされています したがって 基 本 的 な3つの 症 状 がさほど 強 くない 場 合 や 40 代 を 過 ぎても 出 血 傾 向 以 外 の HPS 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)が 認 められない 場 合 症 状 の 強 い HPS を 特 別 に 心 配 する 必 要 はありません 注 1) 出 血 傾 向 : 些 細 なことで 出 血 しやすく 出 血 するとなかなか 止 まらないこと( 血 小 板 が 上 手 に 働 かず かさぶたが 形 成 されにくいため) 女 性 では 月 経 時 の 出 血 が 増 加 することにより 貧 血 を 生 じることもある ただし 元 来 幼 児 は 鼻 血 を 出 し やすく( 特 に 発 熱 時 など/ 鼻 をこすったり 指 を 入 れたりするため/ 鼻 水 と 混 じる ため 量 が 多 く 感 じる/15 分 以 内 に 止 まる 鼻 血 は 正 常 /30 分 以 上 止 まらない 鼻 血 は 注 意 ) 転 ぶなどしてすねをぶつけて 皮 下 出 血 (いわゆる 青 たん)を 生 じること も 多 いので 出 血 傾 向 の 有 無 の 判 断 は 慎 重 に 行 う 必 要 がある 通 常 の 血 液 検 査 は 出 血 傾 向 の 有 無 を 判 断 する 決 め 手 にならない( 正 確 に 判 断 するために 電 子 顕 微 鏡 による 検 査 を 必 要 とすることもある) 各 種 の 手 術 ( 抜 歯 を 含 む)や 検 査 ( 及 び 女 性 は 出 産 )などの 際 に 出 血 を 防 止 する 薬 剤 の 使 用 ( 内 服 点 滴 他 )や 血 小 板 輸 血 を 考 慮 するが 種 々の 副 作 用 の 心 配 もあるため 必 要 かどうかは 出 血 傾 向 の 強 さ( 非 常 に 個 人 差 がある)や 出 血 する 可 能 性 の 強 さなどを 考 え 医 師 と 相 談 して 決 める 必 要 がある 年 齢 とともに 重 症 化 することはない 注 2) 肺 線 維 症 : 肺 が 徐 々に 固 くなり 息 切 れが 生 じ 呼 吸 が 難 しくなること 肺 の 組 織 に 特 有 の 物 質 が 溜 まることが 原 因 進 行 を 遅 らせる 薬 が 試 されている なお 国 内 外 から 様 々な 報 告 がありますが( 日 本 人 の HPS はアルビノ 全 体 の3 割 程 度

を 占 めると 推 定 する 報 告 もあります) 対 象 集 団 の 特 徴 を 十 分 考 慮 する 必 要 があります し( 大 学 病 院 の 受 診 者 は 一 般 に 症 状 が 強 いことが 多 いものと 想 像 されます) 人 種 差 も 考 慮 しなければならないため 海 外 の 報 告 ( 特 に 症 状 の 強 い HPS が 多 いプエルトリコ 人 の 報 告 )をそのまま 日 本 人 に 当 てはめることもできません 1) 症 状 の 薄 い HPS 普 通 のアルビノの 方 々が 持 っている 基 本 的 な3つの 症 状 である 眼 症 状 ( 視 力 低 下 や 羞 明 -まぶしがること-) 皮 膚 症 状 ( 白 色 皮 膚 日 光 による 紅 斑 を 来 しやすい) 毛 髪 の 症 状 ( 白 色 ~ 灰 色 ~ 金 色 ~ 茶 色 ) または 普 通 の 眼 白 皮 症 の 方 々が 持 っている 眼 症 状 ( 視 力 低 下 や 羞 明 -まぶしがること-) 以 外 に 問 題 となる( 生 活 上 の 注 意 や 治 療 などを 必 要 とする)レベルの HPS 特 有 の 症 状 ( 特 に 出 血 傾 向 )を 認 めない HPS です つまり 普 通 のアルビノや 眼 白 皮 症 と 症 状 が 同 じなので 医 療 教 育 生 活 上 の 注 意 点 は 変 わりません アルビノの 一 部 や 眼 白 皮 症 のほんの 一 部 と 推 定 されます 原 因 となる 遺 伝 子 がどれであっても 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 形 式 (かX 連 鎖 劣 性 遺 伝 形 式 ) をとるため 次 のお 子 さんが 同 じになる 可 能 性 も1/4で 変 わりませんし 出 生 前 ある いは 着 床 前 診 断 も 現 実 的 に 不 要 なので 敢 えて 遺 伝 子 診 断 を 実 施 して 普 通 のアルビノや 眼 白 皮 症 と 区 別 しなければならない 理 由 は 特 別 な 場 合 を 除 いてありません なお 何 らかの 理 由 で 必 要 な 場 合 X 連 鎖 劣 性 遺 伝 形 式 をとる 眼 白 皮 症 の 多 くは 母 親 が 保 因 者 であるかどうかを 眼 科 的 検 査 を 用 いて 診 断 することによって 区 別 することが 可 能 です(もちろん 突 然 変 異 である 可 能 性 もありますし 眼 白 皮 症 の 中 には 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 形 式 をとるものが 一 部 にあるともされています) 2) 症 状 の 弱 い HPS 普 通 のアルビノの 方 々が 持 っている 基 本 的 な3つの 症 状 または 普 通 の 眼 白 皮 症 の 方 々が 持 っている 眼 症 状 に 加 え 問 題 となる( 生 活 上 の 注 意 や 治 療 などを 必 要 とする) レベルの HPS の 共 通 症 状 である 出 血 傾 向 を 認 める HPS です つまり 出 血 傾 向 に 対 する 対 応 が 必 要 となりますが 症 状 の 強 い HPS 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)の 心 配 はあまりありません アルビノの1 割 程 度 や 眼 白 皮 症 のごく 一 部 と 推 定 されます HPS の 診 断 は 出 血 傾 向 に 基 づき 臨 床 的 に 可 能 ですし 次 のお 子 さんが 同 じになる 可 能 性 や 出 生 前 あるいは 着 床 前 診 断 に 関 する 状 況 も 症 状 の 薄 い HPS と 同 様 ですので 敢 えて 遺 伝 子 診 断 を 実 施 しなければならない 理 由 は 特 別 な 場 合 を 除 いてありません 成 人 期 になってから 40 代 を 越 えるまで 念 のため 肺 機 能 検 査 などによる 定 期 健 診 を 続 けることをお 勧 めします 3) 症 状 の 強 い HPS 普 通 のアルビノの 方 々が 持 っている 基 本 的 な3つの 症 状 または 普 通 の 眼 白 皮 症 の 方 々が 持 っている 眼 症 状 に 加 え 問 題 となる( 生 活 上 の 注 意 や 治 療 などを 必 要 とする) レベルの HPS の 共 通 症 状 である 出 血 傾 向 を 認 め さらには 肺 線 維 症 などにも 気 をつける 必 要 があるかも 知 れない HPS です 確 かに 現 状 では 現 実 的 かつ 確 実 な 治 療 方 法 や 予 防 方 法 は 確 立 されておりませんが 肺 線 維 症 の 進 行 を 遅 らせる 薬 が 試 されていますし 腸 や 腎 臓 や 心 臓 などの 症 状 に 対 する 治 療 も 試 みられています 症 状 の 弱 い HPS の 半 数 程 度 や 眼 白 皮 症 のごくごく 一 部 と 推 定 されます

HPS の 診 断 は 出 血 傾 向 に 基 づき 臨 床 的 に 可 能 ですし 次 のお 子 さんが 同 じになる 可 能 性 や 出 生 前 あるいは 着 床 前 診 断 に 関 する 状 況 も 症 状 の 薄 い HPS や 症 状 の 弱 い HPS と 同 様 ですので 敢 えて 遺 伝 子 診 断 を 実 施 しなければならない 理 由 は 特 別 な 場 合 を 除 いてあり ません さらに 症 状 の 強 い HPS の 診 断 は 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)に 基 づき 臨 床 的 に 可 能 ですので( 早 期 発 見 早 期 治 療 が 望 まれますので 成 人 期 になってから 40 代 を 越 える まで 肺 機 能 検 査 などによる 定 期 健 診 を 続 けることをお 勧 めします) やはり 遺 伝 子 診 断 の 実 施 は 必 須 ではありません 加 えて 症 状 の 強 い HPS 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)がない 時 期 ( 特 に 乳 幼 児 期 )で の 発 症 前 診 断 の 実 施 には 後 述 のように 極 めて 慎 重 な 姿 勢 が 求 められています 4. 類 似 点 のある 病 気 など( 比 較 的 に 頻 度 の 高 いもの)との 区 別 ( 鑑 別 診 断 ) 1)フェニルケトン 尿 症 (PKU) 先 天 代 謝 異 常 症 ( 生 まれつきある 種 の 物 質 の 変 換 が 体 内 でできない 病 気 )の1つで 全 身 ( 眼 皮 膚 毛 髪 )の 色 素 が 低 下 することがあります 無 治 療 の 場 合 知 的 な 発 達 の 遅 れが 必 発 ですので 少 なくとも 生 後 半 年 を 過 ぎて 正 常 に 発 達 していれば 心 配 なく 何 よりも 生 後 数 日 で 実 施 する 新 生 児 マス スクリーニング 検 査 ( 足 の 裏 から 採 血 します) の 結 果 が 正 常 であれば 心 配 ありません 2)チェディアック 東 (ひがし) 症 候 群 (CHS) 全 身 ( 眼 皮 膚 毛 髪 )の 色 素 が 低 下 する 病 気 ですが 免 疫 機 能 が 低 下 するため 乳 幼 児 期 から 重 症 な 肺 炎 や 原 因 不 明 の 発 熱 などにより 入 院 と 退 院 を 頻 繁 に 繰 り 返 すこと になります 普 通 程 度 ( 風 邪 を 引 きやすい/ 中 耳 炎 になりやすい/ 普 通 の 肺 炎 や 気 管 支 炎 などで 数 回 入 院 した/など) 以 上 に 病 気 にかかりやすくなければ 心 配 ありません 3)ワールデンブルグ 症 候 群 (WS) 多 くの 遺 伝 子 が 原 因 となっているため 多 数 の 型 に 細 分 類 されていますが 頭 髪 の 色 素 低 下 が 部 分 的 で( 前 頭 部 が 多 い) 基 本 的 には 難 聴 をともないます 各 種 の 検 査 で 聴 力 に 問 題 がないあるいは 明 らかに 聞 こえているのであれば 心 配 ありません 4) 普 通 のアルビノまたは 眼 白 皮 症 と 出 血 傾 向 をともなう 別 な 病 気 との 偶 然 の 合 併 先 天 的 あるいは 後 天 的 な 出 血 傾 向 をともなう 別 な 病 気 のほとんどは 通 常 の 血 液 検 査 でそれぞれに 特 徴 的 な 結 果 が 認 められますので 診 断 ( 区 別 )が 可 能 です 5) 白 色 人 種 系 の 先 祖 の 影 響 皮 膚 や 毛 髪 の 色 素 が 少 なくなることはあっても 眼 底 ( 網 膜 )の 色 素 は 低 下 しません し 黄 斑 ( 網 膜 中 心 部 の 視 力 に 大 切 な 部 分 )の 形 成 にも 影 響 しませんので 眼 科 的 診 察 ( 眼 底 検 査 など)で 診 断 ( 区 別 )が 可 能 です 5. 遺 伝 子 診 断 でわかることとわからないこと(できることとできないこと)など 1) どの 遺 伝 子 が 原 因 で 遺 伝 学 的 な 分 類 としては 何 型 なのか( 原 因 となった 遺 伝 子 に よって1~8 型 に 分 類 されています) がわかるかも 知 れませんが 遺 伝 子 診 断 の 完 璧 な 方 法 が 確 立 していない 原 因 となっている 全 ての 遺 伝 子 が 判 明 しているわけ ではない ので わからないことも 少 なからずありますし 遺 伝 子 に 変 化 ( 変 異 ) らしきものはあるがどのように 解 釈 すべきかわからない といったことも 少 なからず あります すなわち 少 なくとも HPS( 特 に1 型 と4 型 )ではない ということを

証 明 する 検 査 ではないのです 2) 遺 伝 子 診 断 というものは 複 雑 で 多 数 の 解 析 方 法 を 組 み 合 わせて 実 施 判 断 する 必 要 がある HPS の 場 合 多 数 の 遺 伝 子 を 同 時 に 解 析 する 必 要 がある ので 遺 伝 子 診 断 の 結 果 が 報 告 されるまで 数 ヶ 月 ~ 半 年 程 度 場 合 によっては 数 年 程 度 の 時 間 が かかります 例 え 出 生 直 後 に 結 果 を 知 りたいと 考 えたとしても すぐに 結 果 がわかる わけではありません 3)1 型 と4 型 に 比 較 的 に 症 状 の 強 い HPS が 多 いとはされておりますが 症 状 の 個 人 差 は 大 きく 例 え 遺 伝 子 の 変 化 の 状 態 ( 変 異 )が 同 じであっても 症 状 が 同 じと 限 らない ため( 兄 弟 姉 妹 でも 違 います) 遺 伝 子 診 断 の 結 果 のみで 将 来 を 明 確 に 予 測 すること は 世 界 中 の 誰 にもできません 4) 現 在 は 既 述 のような 状 況 にありますので(2の2と3 参 照 ) 症 状 の 強 い HPS 特 有 の 症 状 ( 肺 線 維 症 など)がない 時 期 ( 特 に 乳 幼 児 期 )での 遺 伝 子 診 断 は 国 内 の 医 師 や 研 究 者 に 遵 守 することが 求 められている 遺 伝 学 的 検 査 に 関 するガイドライン (http://www.jshg.jp/resources/data/10academies.pdf; 平 成 15 年 8 月 ; 遺 伝 医 学 関 連 10 学 会 ) において 発 症 前 診 断 に 分 類 されるものです したがって その 実 施 にあたっては 極 めて 慎 重 な 姿 勢 が 求 められています 成 人 の 場 合 十 分 な 情 報 提 供 を 受 けた 上 で 納 得 し 希 望 しているとき に 限 って 実 施 される 可 能 性 がありますが 乳 幼 児 を 含 む 未 成 年 者 の 場 合 本 人 の 知 る 権 利 と 知 らないでいる 権 利 を 擁 護 しな ければならないため ご 両 親 が 心 配 する 気 持 ちもわからないではないのですが 原 則 として 実 施 すべきではないとされています 5)HPS の 場 合 例 外 は 皆 無 ではないものの 患 者 のご 両 親 は 原 則 としていわゆる 保 因 者 ( 原 因 となる 遺 伝 子 の 変 異 を 片 方 のみ 受 け 継 いでいる 人 )ですので 敢 えて 保 因 者 診 断 を 実 施 する 必 要 がありません その 他 の 血 縁 者 が 保 因 者 である 可 能 性 はそれぞれ にありますが 血 族 婚 のような 特 別 な 場 合 を 除 いて 特 別 に 心 配 する 必 要 はありません ので やはり 保 因 者 診 断 は 原 則 として 不 要 です この 遺 伝 子 の 変 異 は 基 本 的 に 先 祖 代 々 延 々と 受 け 継 がれてきたものですが あまり にも 昔 から 受 け 継 がれてきたものですので どこそこの 特 定 の 家 系 の 問 題 などでは なく 人 類 全 体 が 共 有 しているごく 普 通 のもので 決 して 少 なくない 人 々がこの 遺 伝 子 の 変 異 を 片 方 受 け 継 いでいる 保 因 者 なのです 因 みに 原 因 となる 遺 伝 子 を 区 別 せず に 保 因 者 の 頻 度 を 算 出 すると 100~150 人 に1 人 程 度 になります つまり 保 因 者 とは 珍 しくも 何 ともないごく 普 通 の 人 なのです 6) 様 々な 意 見 があり また 個 別 の 状 況 も 十 分 に 考 慮 しなければなりませんが 一 般 に HPS は 出 生 前 診 断 や 着 床 前 診 断 の 対 象 となる 病 気 ではない と 考 えられています したがって 国 内 で 出 生 前 診 断 や 着 床 前 診 断 を 実 施 している 施 設 はありません 7) 既 述 のガイドラインを 見 るまでもなく 遺 伝 子 診 断 の 結 果 に 基 づいた 総 合 的 かつ 継 続 的 な 医 療 の 提 供 は 遺 伝 子 診 断 の 実 施 における 大 前 提 であると 同 時 に 医 師 の 基 本 的 な 責 務 の1つ です 既 に 遺 伝 子 診 断 を 受 けた 方 々にも 当 然 にそのような 医 療 の 提 供 を 受 ける 権 利 があります 遠 慮 なく 主 治 医 に 希 望 を 伝 えて 下 さい( 同 意 書 などの 書 類 へのサインの 有 無 には 無 関 係 です) 主 治 医 に 難 しい 場 合 は 他 の 適 切 な 医 師 や 医 療 施 設 を 紹 介 する 責 任 があることは 言 うまでもありません 以 上 をよくご 理 解 の 上 個 別 の 事 情 も 加 味 し 遺 伝 子 診 断 を 実 施 するべきかどうかを

慎 重 にご 検 討 下 さい 少 なくとも 急 いで 遺 伝 子 診 断 を 実 施 しなければならない 理 由 は 全 くありません この 文 書 が 少 しでも HPS( 及 びその 仲 間 の 病 気 )の 患 者 さんとそのご 家 族 の 方 々の お 役 に 立 つことを 祈 っています 連 絡 先 : 260-8670 千 葉 市 中 央 区 亥 鼻 1-8-1 千 葉 大 学 医 学 部 附 属 病 院 遺 伝 子 診 療 部 ( 遺 伝 カウンセリング 室 ) TEL 043-226-2325(ダイアルイン) お 近 くの 適 切 な 専 門 医 療 機 関 をご 相 談 することも 可 能 です 注 )ご 要 望 に 応 じて 急 ぎ 作 成 したため 不 適 切 なところがあるかも 知 れません 修 正 致 します のでお 知 らせ 下 さい 2009.7.15 追 記 1 インターネットで 検 索 し 死 亡 例 や 剖 検 例 の 医 学 論 文 ばかりが 出 てきて 悲 しんでおら れる 方 も 少 なくないのではないでしょうか これは 当 然 ですが 症 状 の 強 い HPS ほど 診 断 されやすいために 医 学 論 文 として の 報 告 が 多 い 症 状 の 弱 い(または 薄 い)HPS は 診 断 されにくいために 医 学 論 文 と しての 報 告 が 少 ない ということにすぎません 出 血 傾 向 は 正 しく 理 解 することにより 対 処 が 可 能 ですし( 少 なくとも 亡 くなるような ことは 避 けられます) 全 ての HPS 患 者 が 肺 線 維 症 によって 早 期 に 亡 くなるわけでも ありません 合 わせて 正 しくご 理 解 いただけますよう 追 記 2 誤 解 を 恐 れず ざっくり 言 えば 遺 伝 子 診 断 の 結 果 に 関 わらず 出 血 傾 向 があれば HPS で なければ 普 通 のアルビノ(や 眼 白 皮 症 ) と 診 断 して 構 わないのです