要 旨 ワーク ライフ バランス 推 進 をめざした 多 様 な 勤 務 形 態 の 導 入 国 立 大 学 法 人 徳 島 大 学 病 院 モデル 事 業 の 実 施 にあたり 看 護 職 の 確 保 定 着 とキャリア 形 成 を 目 的 として 看 護 ケ アの 質 向 上 と ワーク ライフ バランス( 以 下 WLB とする)の 理 念 のもとに 働 く 看 護 職 者 自 らとその 家 族 の 意 識 やスタイルの 変 化 を 目 指 した 事 業 開 始 前 のニーズ 調 査 では 5 年 以 内 に 妊 娠 出 産 育 児 介 護 により 支 援 を 必 要 とする 看 護 職 者 は 約 40%であった そ こで 本 事 業 で 導 入 した 多 様 な 勤 務 形 態 は 1 圧 縮 勤 務 時 間 2 限 定 勤 務 時 間 の 時 間 短 縮 制 3 勤 務 時 間 帯 調 整 である 1は 変 則 2 交 替 制 と 新 設 の 2 交 替 制 である 2は 3 種 類 で 育 児 短 時 間 勤 務 制 と 部 分 育 児 休 業 長 期 休 業 職 員 の 短 時 間 勤 務 である 3は 勤 務 時 間 帯 の 選 択 で 8 時 間 の 日 勤 勤 務 のうち 9 種 類 の 勤 務 時 間 パターンから 選 択 できるものである 実 施 体 制 は 1 人 事 支 援 プロジェクト 2ニーズ 対 応 プロジェクト 3 啓 発 研 修 プロ ジェクトの 3 つのプロジェクトを 結 成 し それぞれが 看 護 部 事 務 部 医 療 情 報 部 教 育 支 援 室 と 連 携 を 取 りながら 事 業 を 進 めていく 体 制 とした 啓 発 研 修 プロジェクトは モデル 事 業 の 目 的 である WLB の 考 えを 浸 透 させる 活 動 を 行 った 研 修 会 参 加 や 企 業 を 訪 問 し 知 識 を 得 た 上 で 院 内 で 研 修 会 を 2 回 と 地 域 の 医 療 従 事 者 を 対 象 に WLB 推 進 フォーラム を 開 催 した また ポスターの 掲 示 や 両 立 支 援 と キャリアの 継 続 支 援 のツールであるキャリア 開 発 支 援 システムの 機 能 拡 大 やインターネッ ト 上 での ハートフル 広 場 の 開 設 を 行 った ニーズ 対 応 と 人 事 支 援 プロジェクトの 活 動 は 勤 務 形 態 と 取 得 に 関 するニーズの 調 査 と 就 業 規 則 の 整 備 であり 平 成 21 年 1 月 1 日 に 育 児 短 時 間 勤 務 制 度 が 追 加 された 就 業 規 則 に 改 正 された また 2 交 替 制 についても 新 しい 勤 務 時 間 を 設 定 した 人 員 の 確 保 につ いては 部 分 育 児 休 業 者 を 見 込 んだフロートナースを 雇 用 した 看 護 職 者 が 気 軽 に 相 談 で きる 場 として WLB 支 援 センター を 開 設 し 制 度 が 活 用 できるフローを 明 確 にした 現 場 管 理 者 には 勤 務 形 態 選 択 の 権 限 を 与 えるとともに 現 状 の 勤 務 形 態 実 施 者 数 を 把 握 し ワークシェア 等 を 行 うための 業 務 整 理 の 実 施 を 指 導 した 取 り 組 みの 結 果 2 交 替 制 勤 務 は 5 部 署 が 実 施 育 児 短 時 間 勤 務 制 度 は 4 月 1 日 から 3 名 の 実 施 希 望 者 があり 部 分 育 児 休 業 は 5 名 が 実 施 長 期 休 業 職 員 の 短 時 間 勤 務 は 6 名 が 実 施 勤 務 時 間 帯 調 整 は 8 部 署 が 実 施 している 大 学 の 就 業 規 則 の 改 正 が 行 われ 仕 事 をしたい 働 きたいと 考 えている 職 員 に 仕 事 と 生 活 の 両 立 支 援 の 制 度 ができたということは 非 常 に 大 きな 成 果 であったと 考 える 今 後 の 課 題 としては フロートナースの 確 保 リリーフ 体 制 夜 勤 専 任 看 護 師 の 積 極 的 な 雇 用 と 業 務 改 善 や 業 務 の 標 準 化 と 復 帰 のサポートシステムの 構 築 子 育 て 支 援 体 制 の 確 立 がある 組 織 での 取 り 組 みと 個 人 での 取 り 組 みが 今 後 も 進 んで 行 くことで 看 護 部 がめ ざしているいきいきと 働 き 続 けられる 職 場 に 近 づいていくと 考 える 119
病 院 概 要 (2008 年 9 月 1 日 現 在 ) 施 設 名 設 置 主 体 徳 島 大 学 病 院 国 立 大 学 法 人 所 在 地 徳 島 県 徳 島 市 蔵 本 町 2 丁 目 50-1 病 院 の 特 色 特 定 機 能 病 院 脳 卒 中 センター 周 産 母 子 センター 地 域 がん 診 療 連 携 拠 点 病 院 集 学 治 療 病 棟 (ICU HCU 無 菌 室 感 染 病 室 ) 基 本 理 念 生 命 の 尊 重 と 個 人 の 尊 厳 の 保 持 を 基 調 とし 先 端 的 で かつ 生 きる 力 をは ぐくむ 医 療 を 実 践 するとともに 人 間 愛 に 溢 れた 医 療 人 を 育 成 する 病 床 数 710 床 2) 平 均 年 齢 34.6 歳 (2007 年 度 ) 入 院 基 本 料 7 対 1( 一 般 病 床 ) 2) 平 均 在 職 年 数 10.4 年 (2007 年 度 ) 1 日 平 均 外 来 1637.8 人 (2007 年 度 平 均 ) 2) 既 婚 率 43.28%(2007 年 度 ) 患 者 数 入 院 589.6 人 (2007 年 度 平 均 ) 2) 6 歳 未 満 の 有 子 率 12.21%(2007 年 度 ) 病 床 利 用 率 81.48%(2007 年 度 平 均 ) 10.16%(2005 年 度 ) 平 均 在 院 日 数 17.69 日 (2007 年 度 平 均 ) 3) 離 職 率 7.0%(2006 年 度 ) 1) 看 護 職 人 数 正 職 員 491 人 8.0%(2007 年 度 ) 非 正 職 員 34 人 4) 年 間 休 日 数 120 日 5) 副 院 長 職 の 兼 任 無 有 給 休 暇 取 得 率 48%(2007 年 度 ) 看 護 部 長 の 6) 経 営 会 議 の 参 画 有 超 過 勤 務 時 間 9.4 時 間 (2007 年 度 ) 権 限 人 事 権 有 週 所 定 労 働 時 間 40 時 間 週 休 制 完 全 週 休 2 日 制 交 代 勤 務 体 制 3 交 替 + 変 則 2 交 替 1) 保 健 師 助 産 師 看 護 師 准 看 護 師 の 総 数 2) 正 規 の 看 護 職 員 対 象 3) 常 勤 看 護 職 員 離 職 率 ( 年 間 の 退 職 者 数 が 職 員 数 に 占 める 割 合 ) 例 )2006 年 度 の 離 職 率 :2006 年 度 退 職 者 数 /2006 年 度 の 平 均 職 員 数 100 平 均 職 員 数 は ( 年 度 始 めの 在 籍 職 員 数 + 年 度 末 の 在 籍 職 員 数 )/2 4) 有 給 休 暇 特 別 休 暇 は 含 まない 5)フルタイム 正 規 看 護 職 員 を 対 象 6)フルタイム 正 規 看 護 職 員 1 名 に 対 する 1 ケ 月 の 平 均 時 間 多 様 な 勤 務 形 態 導 入 の 概 要 内 容 1) 圧 縮 勤 務 時 間 変 則 2 交 替 制 :2 種 類 の 勤 務 を 組 み 合 わせ 3 日 分 働 くことになる 2 交 替 制 導 入 した 多 様 な 勤 務 形 態 その 他 働 きや すい 職 場 づくり に 向 けた 取 り 組 み 2) 限 定 勤 務 時 間 の 時 間 短 縮 制 育 児 短 時 間 勤 務 制 : 小 学 校 就 学 前 の 子 どもを 持 つ 親 が 4 種 類 の 時 間 休 業 か ら 選 択 できる 部 分 育 児 休 業 : 小 学 校 就 学 前 の 子 どもを 持 つ 親 が 30 分 から 2 時 間 までの 時 間 休 業 を 取 得 できる 長 期 休 業 職 員 の 短 時 間 勤 務 3) 勤 務 時 間 帯 調 整 :9 パターンの 日 勤 勤 務 から 選 択 できる 3 つのプロジェクトを 立 ち 上 げて 活 動 を 実 施 した 1 人 事 支 援 プロジェクト 2ニーズ 対 応 プロジェクト 3 啓 発 研 修 プロジェクト 120
ワーク ライフ バランス 推 進 をめざした 多 様 な 勤 務 形 態 の 導 入 国 立 大 学 法 人 徳 島 大 学 病 院 1. 多 様 な 勤 務 形 態 導 入 モデル 事 業 への 応 募 の 動 機 当 院 では 平 成 15 年 看 護 サービスの 質 の 向 上 を 目 的 に ISO9001 を 取 得 した それ 以 後 全 看 護 職 員 が 看 護 サービスの 質 の 向 上 に 力 を 注 いできた その 取 り 組 みの 過 程 で 患 者 重 視 の 看 護 サービスを 提 供 するためには 看 護 師 の 力 量 や 働 く 環 境 などが 重 要 なポイントと して 考 えた そこで 平 成 16 年 から 看 護 部 の 目 標 として 看 護 師 の 教 育 訓 練 の 仕 組 みや 職 場 環 境 について 様 々なアクションプランを 計 画 し 実 践 してきた 具 体 的 には ノー 残 業 デーの 実 施 新 人 看 護 師 のメンタルヘルスサポートの 取 り 組 み キャリア 開 発 支 援 システ ムの 開 発 などである このような 状 況 の 中 日 本 看 護 協 会 から 看 護 職 の 多 様 な 勤 務 形 態 導 入 モデル 事 業 の 公 募 を 知 り 応 募 した モデル 事 業 は 看 護 サービスの 向 上 を 図 るた めには 組 織 における 人 材 の 確 保 定 着 と 看 護 師 のキャリアの 継 続 は 必 須 である そのた めには 看 護 職 がワーク ライフ バランス( 以 下 WLB とする)を 実 現 しながら 就 業 継 続 で きることが 重 要 であり WLB を 支 援 する 1 つの 方 策 として 多 様 な 勤 務 形 態 は 有 用 である を 趣 旨 としており 当 院 の 取 り 組 みに 合 致 するものであった 2. 多 様 な 勤 務 形 態 導 入 に 当 たり 考 えたこと 平 成 18 年 度 に 全 看 護 職 員 に 希 望 する 勤 務 体 制 へのニーズ 調 査 を 実 施 した ニーズ 調 査 の 結 果 をみると 看 護 職 者 の 働 き 易 い 勤 務 体 制 は 時 差 出 勤 や 2 交 替 制 勤 務 時 間 数 の 短 縮 であった また モデル 事 業 を 実 施 するにあたり 今 後 5 年 以 内 の 状 況 を 調 査 したところ 妊 娠 出 産 育 児 及 び 介 護 のための 支 援 を 希 望 する 者 が 約 40%となることがわかった 年 齢 構 成 を 見 ると 妊 娠 出 産 を 控 えている 年 齢 層 が 多 いのもわかる( 資 料 1) また 病 気 等 長 期 療 養 者 の 復 帰 に 関 する 支 援 の 希 望 もあり 看 護 職 者 は 働 く 時 間 と 働 き 方 の 柔 軟 性 を 希 望 して いた 事 業 の 目 的 は 妊 娠 出 産 育 児 等 で 仕 事 との 両 立 支 援 を 必 要 とする 希 望 者 に 多 様 な 勤 務 形 態 モデルを 適 用 し 中 長 期 的 な 目 標 として WLB の 実 現 を 目 指 し 働 き 方 の 改 革 を 図 ることを 意 図 している 看 護 部 の 目 標 は 看 護 職 が 自 律 的 に 働 き 自 己 実 現 を 図 るために 多 様 な 勤 務 形 態 を 導 入 する 体 制 を 整 えることとした 具 体 的 に 取 り 組 む 内 容 は 妊 娠 出 産 育 児 および 介 護 負 担 の 軽 減 病 気 等 長 期 療 養 者 への 段 階 的 復 帰 支 援 新 人 教 育 復 帰 支 援 教 育 の 充 実 キャリア 開 発 のサポートである 当 院 での 看 護 職 員 の 一 般 的 な 勤 務 条 件 は 5 種 類 に 分 類 することができる( 資 料 2) 121
資 料 1 仕 事 と 生 活 が 両 立 可 能 な 職 場 作 りに 向 けたアンケート 結 果 配 付 数 537 枚 回 答 数 357 枚 回 収 率 66.4% 平 成 20 年 6 月 実 施 年 齢 別 構 成 今 後 5 年 以 内 の 状 況 年 齢 年 齢 別 記 入 なし 58 56 54 52 50 48 46 44 42 40 38 36 34 32 30 28 26 24 22 20 0 10 20 30 経 験 年 数 別 人 5 年 以 内 の 状 況 妊 娠 出 産 育 児 介 護 あり 162 161 164 198 なし 289 290 287 253 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 289 162 希 望 夜 勤 回 数 夜 勤 回 数 人 数 0 63 1~7 回 122 8 回 108 12 回 まで 109 13 回 以 上 16 その 他 5 記 入 なし 32 5 年 以 内 の 状 況 290 161 287 164 253 198 妊 娠 出 産 育 児 介 護 なし あり その 他 : 少 ないほどいい 現 状 でいい 何 回 でもいい 多 くてもいい 勤 務 年 数 勤 務 年 数 別 人 希 望 夜 勤 回 数 37 32 28 25 22 18 15 12 9 6 3 0 0 20 40 60 80 100 人 140 120 100 80 60 40 20 0 0 1~7 回 8 回 12 回 まで 13 回 以 上 その 他 記 入 なし 122
3.WLB 推 進 室 の 活 動 と 看 護 師 の 反 応 WLB 推 進 室 では 3 つのプロジェクトを 結 成 し 活 動 を 開 始 した( 資 料 3) 資 料 3 モデル 事 業 の 実 施 体 制 担 当 メンバー12 名 B ニーズ 対 応 プロジェクト 副 看 護 部 長 2 人 看 護 師 長 2 人 副 看 護 師 長 1 人 C 普 及 啓 発 プロジェクト 研 修 プロジェクト 副 看 護 部 長 1 人 看 護 教 育 支 援 室 師 長 1 人 プログラムアドバイザー1 人 看 護 師 長 1 人 助 産 学 専 攻 科 教 員 1 人 看 護 部 事 務 部 医 療 情 報 部 看 護 教 育 支 援 室 A 人 事 支 援 プロジェクト 副 看 護 部 長 1 人 事 務 部 2 人 看 護 師 長 1 人 1) 啓 発 研 修 プロジェクトの 活 動 当 院 が WLB のモデル 事 業 に 採 択 されたと 言 っても 何 がどのように 変 わるのか WLB と は 何 か WLB を 取 り 入 れると 自 分 たちの 働 く 環 境 や 働 くことに 対 してどのような 変 化 があ るのか 様 々な 問 題 点 がわきあがってきた 多 様 な 勤 務 形 態 を 活 用 するためにはモデル 事 業 の 目 的 である WLB の 考 えを 浸 透 させる 必 要 があった (1) 推 進 室 メンバーの 研 修 まず 推 進 室 メンバーの 研 修 及 び 先 駆 的 に WLB に 取 り 組 んでいる 組 織 の 訪 問 等 を 企 画 し た 研 修 会 は 1 官 民 連 携 子 育 て 支 援 推 進 フォーラム 全 国 リレーシンポジウム( 主 催 : 内 閣 府 )と2 仕 事 と 生 活 の 調 和 を 考 えるシンポジウム( 主 催 : 徳 島 労 働 局 ) 及 び3 医 療 従 事 者 に 選 ばれる 職 場 づくり( 主 催 : 日 本 看 護 協 会 )の 3 つに 参 加 した 1は 政 府 の 少 子 化 対 策 の 考 え 方 と 働 き 方 の 改 革 についての 講 演 を 聴 き WLB の 推 進 と 企 業 における 子 育 て 支 援 の 取 り 組 みの 具 体 的 な 内 容 を 聴 いた WLB を 進 めるためには 育 児 休 業 が 取 りやすい 環 境 作 りや 復 帰 支 援 が 重 要 であることを 確 認 した 2は WLB を 進 めるための 意 識 改 革 の 方 法 やパナソニック 電 工 のダイバーシティと 女 性 躍 進 活 動 の 取 り 組 みを 聴 いた WLB は 全 ての 人 にとって 必 要 なことであり 自 己 管 理 をすることが 大 切 であること そのためには 優 先 順 位 を 考 えることや WLB の 達 成 が 目 的 ではなく 手 段 であるということを 認 識 しておく ことが 重 要 であるということがわかった 3は 日 本 看 護 協 会 主 催 で 実 際 に WLB に 取 り 組 んだ 施 設 の 事 例 や 導 入 のポイント 等 について 研 修 を 受 けた 導 入 するにあたっては ど のような 理 念 を 持 って 行 うかということがとても 重 要 であることが 分 かった 企 業 の 訪 問 は 具 体 的 な 取 り 組 みと 現 場 を 見 せてもらうことを 目 的 とし 企 業 の 中 でも 124
WLB の 制 度 が 整 っている 資 生 堂 を 訪 問 した そこでは WLB として 仕 事 とそれ 以 外 の 生 活 の それぞれを 充 実 両 立 できるような 働 き 方 をめざして 取 り 組 みを 行 っているということ であった アクションプランに 基 づく 取 り 組 みの 実 際 等 を 聞 き WLB の 支 援 の 1 つとして 開 設 した 保 育 施 設 の 見 学 をさせてもらった 都 会 の 真 ん 中 での 保 育 施 設 ではあるが リス クに 対 する 視 点 を 持 って 管 理 されており 男 性 社 員 の 育 児 への 参 加 を 促 進 する 目 的 も 果 た せているということであった (2) 看 護 職 員 及 び 病 院 関 係 者 への 研 修 当 院 が WLB のモデル 事 業 に 採 択 されたという 報 告 を 看 護 部 運 営 会 議 にて 全 師 長 に 周 知 した 具 体 的 な 内 容 までは 理 解 できなかったかもしれないが 看 護 部 の 取 り 組 む 方 向 性 を 早 急 に 示 すことにつながった その 後 WLB 推 進 室 メンバーが 知 識 を 習 得 し どのように 取 り 組 んでいくかという 方 向 性 を 検 討 した そして 看 護 職 員 はじめ 病 院 関 係 者 に 対 して WLB とは 何 か またどのように 取 り 組 んでいくか ということについて 研 修 会 を 3 回 開 催 した 1 回 目 は WLBの 基 本 的 な 考 え 方 と 看 護 部 の 方 針 について 知 ってもらうことを 意 図 して 外 部 講 師 による 研 修 会 を 実 施 した 最 初 にWLBの 定 義 や 柔 軟 な 働 き 方 の 具 体 例 について 講 演 をしてもらい 次 に 看 護 部 長 から 看 護 部 の 取 り 組 みについて 再 度 説 明 した 看 護 部 では 看 護 師 が 自 律 的 に 働 き 自 己 実 現 を 図 るために 多 様 な 勤 務 形 態 を 導 入 する 体 制 を 整 えるこ とをめざしていること 具 体 的 な 勤 務 形 態 についての 説 明 であった また 研 修 会 で 活 用 したDVD( ワーク ライフ バランスを 知 っていますか 内 閣 府 男 女 共 同 参 画 局 編 集 )を 内 閣 府 の 許 可 を 得 て 当 院 のキャリア 開 発 支 援 システム( 以 下 CDSSとする)のeラーニング の 教 材 としてアップロードした eラーニングは 研 修 に 出 席 できなくても 自 分 の 空 いた 時 間 を 使 って 学 習 することができるようにしたもので 当 院 の 看 護 師 はいつでもどこでも 見 ることができるようになっている CDSSのeラーニングを 活 用 し 研 修 会 に 出 席 できなかっ た 看 護 師 に 対 しても 広 くWLBの 考 え 方 を 周 知 した( 資 料 4) 資 料 4 第 1 回 WLB 啓 発 研 修 会 10 月 3 日 ( 金 )16 時 ~17 時 30 分 研 修 内 容 * 事 業 の 取 組 説 明 * 講 義 参 加 者 50 名 看 護 師 38 名 事 務 コメディカル 12 名 125
2 回 目 の 研 修 会 は ダイバーシティコンサルタントを 講 師 に 迎 えて 研 修 会 を 開 催 した この 研 修 は WLBの 実 現 に 向 けて 職 場 及 び 個 人 がどのようなことに 気 づき 行 動 したらよい か いきいきと 働 き 続 けることのできる 職 場 にするために 組 織 及 び 個 人 は 何 をすべきか ということを 個 々に 考 えてもらうために 企 画 した 講 義 の 後 簡 単 な 事 例 を 通 してグルー プワークを 行 い 発 表 してもらった グループワークを 通 して それぞれの 立 場 によって 考 え 方 や 見 方 が 違 っていること 人 それぞれに 多 種 多 様 な 形 でWLBが 存 在 することに 気 付 く ことができた また WLBを 進 めていく 上 では 組 織 がすること 個 人 が 出 来 ることについ て 改 めて 考 える 機 会 となった また WLBは 取 得 することが 目 的 でなく 手 段 であることを 再 認 識 した( 資 料 5) 資 料 5 第 2 回 WLB 啓 発 研 修 会 12 月 22 日 ( 金 )15 時 ~17 時 研 修 内 容 * 講 義 *グループワーク 職 業 人 としてどのように 意 識 を 変 革 させ 仕 事 に 取 り 組 んでいくか その ことが 個 人 の WLB にどのように 影 響 を 与 えるか 参 加 者 47 名 看 護 師 35 名 事 務 コメディカル 12 名 第 3 回 目 の 研 修 会 は 当 院 が 主 催 者 となり WLB 推 進 フォーラム を 開 催 した このフォ ーラムは 女 性 医 師 看 護 師 及 び 病 院 で 働 くすべての 職 員 の 働 き 方 の 選 択 を 拡 大 するため 全 ての 人 が 仕 事 と 仕 事 以 外 の 生 活 について 働 き 方 を 調 整 することで 生 活 の 質 を 高 め 仕 事 にも 良 い 影 響 を 与 える というWLBの 取 り 組 みをより 多 くの 方 に 知 ってもらうために 関 連 団 体 に 後 援 を 依 頼 し 地 域 社 会 との 連 携 と 協 力 により 開 催 した 基 調 講 演 として 厚 生 労 働 省 から 働 き 方 生 き 方 を 変 える 挑 戦 と 題 してWLBの 実 現 に 向 けて なぜ 仕 事 と 生 活 の 調 和 が 必 要 なのか 憲 章 と 行 動 指 針 及 び 厚 生 労 働 省 の 取 り 組 みと 今 後 の 施 策 展 開 について 講 演 があった 本 学 事 務 局 長 からは 大 学 の 経 営 戦 略 としてのワークライフバランス と 題 して 大 学 で 働 く 女 性 職 員 の 割 合 や 年 齢 構 成 から 戦 略 的 にWLBに 取 り 組 む 必 要 性 が 示 唆 さ れた 女 性 にとっても 働 きやすい 職 場 環 境 を 整 え 優 秀 な 職 員 の 採 用 定 着 を 図 り 生 産 性 と 競 争 力 を 高 める 組 織 を 目 指 すとのことであった パネルディスカッションは 医 師 の 立 場 看 護 師 の 立 場 看 護 部 の 取 り 組 み 女 性 医 師 支 援 の 取 り 組 みについて 院 内 のそれぞれ の 立 場 から 発 言 があった NPO 法 人 子 育 て 支 援 ネットワークとくしまの 取 り 組 みについては 126
子 育 て 支 援 として 地 域 との 連 携 の 必 要 性 が 示 唆 された 各 パネラーの 発 表 後 約 20 分 間 の ディスカッションを 行 った( 資 料 6) 資 料 6 第 3 回 WLB 啓 発 研 修 会 WLB 推 進 フォーラムプログラム 徳 島 大 学 病 院 主 催 後 援 : 医 師 会 歯 科 医 師 会 徳 島 県 看 護 協 会 他 基 調 講 演 働 き 方 生 き 方 を 変 える 挑 戦 厚 生 労 働 省 ワークライフバランスをどのように 支 えられるか 徳 島 大 学 事 務 局 長 パネルディスカッション 女 性 医 師 の 立 場 から 見 たワークライフバランス 徳 島 大 学 病 院 医 師 ただいま 子 育 て 真 っ 最 中 看 護 師 の 立 場 から 徳 島 大 学 病 院 看 護 師 看 護 部 の 取 組 女 性 医 師 支 援 と 取 組 徳 島 大 学 病 院 看 護 部 長 徳 島 大 学 病 院 総 務 課 長 育 児 休 業 制 度 と 保 育 サービスと 親 支 援 NPO 子 育 て 支 援 ネットとくしま 参 加 者 は 387 名 ( 院 内 は 224 名 57.9%)であった 実 施 後 のアンケートは 274 枚 を 回 収 した 回 収 率 70.8%であった( 資 料 7) 院 内 の 参 加 者 224 名 のうちアンケートを 回 収 できた 143 枚 の 内 訳 は 資 料 8 の 通 りである WLB に 対 する 認 知 度 は 約 55%(79 人 )が 知 っていると 答 えており 導 入 時 (46%)に 比 べると 上 昇 していた 知 らなかったと 答 えた 人 は 導 入 時 の 35%から 15%(21 人 )と 減 少 していた 関 心 度 については 関 心 がないと 答 えた 人 は 導 入 時 の 52%から 11%(15 人 )と 大 幅 に 減 少 しており 様 々な 取 り 組 みの 効 果 があ ったと 思 われる( 資 料 9) また 当 院 の 看 護 師 からのアンケート 117 枚 を 年 代 別 に 分 析 し てみると 20 代 の 65%が 今 回 のフォーラムに 参 加 して 関 心 がわいたと 回 答 していた その 他 の 年 齢 は もともと WLB への 関 心 が 高 かったことが 窺 われた 年 齢 により WLB をどの ように 感 じているかが 分 かった( 資 料 10) 今 回 は 育 児 支 援 を 中 心 に 取 り 組 んだ 結 果 によ るものではないかと 思 われる フリーコメントによると 働 きやすい 職 場 づくりとして 休 みの 取 りやすい 職 場 づくり どのような 勤 務 形 態 を 取 得 しても 他 のスタッフに 迷 惑 のない 職 場 づくりが 必 要 マンパワーの 充 実 が 必 要 子 育 て 期 以 外 にも 適 応 させてほしい 等 の 意 見 があった 127
資 料 7 WLB 推 進 フォーラム: 参 加 者 及 びアンケート 回 収 数 参 加 者 387 名 院 内 224 名 (57.9%) 看 護 師 178 名 事 務 職 員 34 名 他 部 門 12 名 院 外 163 名 (42.1%) 看 護 協 会 3 名 他 施 設 48 名 学 生 94 名 一 般 18 名 アンケート 回 収 数 274 枚 ( 回 収 率 70.8%) 院 内 143 枚 院 外 111 枚 不 明 20 枚 資 料 8 WLB 推 進 フォーラム: 院 内 アンケート(143 枚 )の 内 訳 男 女 別 男 性 10% 未 記 入 1% 未 婚 既 婚 別 未 婚 45% 既 婚 54% 女 性 90% 50 代 24% 40 代 17% 60 代 1% 年 代 別 不 明 1% 20 代 30% 30 代 27% 140 120 100 80 60 40 20 0 看 護 師 コメディカル 職 種 別 事 務 医 師 不 明 資 料 9 WLB 推 進 フォーラム: 院 内 アンケート(143 枚 )< 認 知 度 関 心 度 > 認 知 度 関 心 度 知 っていた (55.2%) 79 以 前 から 関 心 があった 49 (34.2%) 知 らなかった 21 (14.7%) フォーラムに 参 加 して 興 味 がわいた 71 (49.7%) 言 葉 だけ 知 っていた 41 (28.7%) 関 心 ない 15 (10.5%) 未 記 入 2 (1.4%) 未 記 入 8 (5.5%) 128
資 料 10 WLB 推 進 フォーラム: 院 内 看 護 師 アンケート(117 枚 )の 分 析 30 28 年 代 別 関 心 度 ( 看 護 師 ) 25 20 17 15 10 6 5 0 関 心 があった 参 加 して 興 味 がわいた 関 心 がない 6 未 記 入 3 12 4 関 心 があった 参 加 して 興 味 がわいた 関 心 がない 未 記 入 1 11 6 1 0 関 心 があった 参 加 して 興 味 がわいた 関 心 がない 未 記 入 10 4 4 4 関 心 があった 参 加 して 興 味 がわいた 関 心 がない 未 記 入 43 人 34 人 18 人 22 人 20 代 30 代 40 代 50 代 (3) 啓 発 活 動 及 び 制 度 利 用 者 へ 働 きかけ 啓 発 活 動 としては 病 院 の 会 議 での 活 動 報 告 や WLB 推 進 ポスターの 掲 示 ( 資 料 11) ロゴマークの 募 集 ( 資 料 12)を 行 った 資 料 11 WLB 推 進 ポスター 資 料 12 ロゴマーク 129
また WLB はワークとライフの 両 立 支 援 が 基 本 であり キャリアの 継 続 支 援 が 不 可 欠 で ある 両 立 を 支 援 するツールとして いつでもどこでも 学 べる 環 境 や 情 報 を 共 有 できるこ とが 大 切 である そのために 当 院 が 独 自 で 開 発 した CDSS 内 に 復 帰 支 援 者 教 育 プログラムを アップロード( 資 料 13)し 休 職 中 でも 自 己 学 習 できるようにした また 看 護 部 のポ ータルサイトの 機 能 を 拡 張 し ハートフル 広 場 を 開 設 ( 資 料 14-1 14-2)した この 広 場 は 仕 事 と 生 活 をイキイキと 送 るために 情 報 交 換 をする 場 として 子 育 て 期 間 中 の 職 員 同 士 や 管 理 者 が 自 由 に 情 報 交 換 を 行 えるようにしたもので 職 場 復 帰 前 の 不 安 の 軽 減 につな げることができればと 考 えている また 制 度 を 活 用 する 場 合 の 申 請 書 をダウンロードで きるようになっている 今 後 は この 広 場 の 機 能 を 充 実 させていきたい また 子 育 て 孫 育 て 支 援 ( 資 料 15-1 15-2)として 当 院 での 出 産 の 有 無 に 関 係 なく 妊 娠 中 のすべてのスタッフ 及 びその 家 族 が 産 婦 人 科 外 来 で 行 っている 両 親 学 級 や 母 乳 外 来 等 を 受 診 することができるように 助 産 師 とタイアップした 取 り 組 みを 構 築 した 資 料 13 CDSS と 復 帰 支 援 教 育 プログラム 130
資 料 14-1 ポータルサイト 資 料 14-2 ポータルサイト(ログイン 後 ) 131
資 料 15-1 子 育 て 孫 育 て 支 援 ( 産 婦 人 科 外 来 とのタイアップ)1 両 親 学 級 ( 木 曜 日 14:00~16:00 16:00) 内 容 第 1 回 ( 第 1 木 曜 ) 妊 娠 4~5ヶ 月 第 2 回 ( 第 2 木 曜 ) 妊 娠 5~6ヶ 月 第 3 回 ( 第 3 第 4 木 曜 ) 妊 娠 8~9ヶ 月 当 院 受 診 者 以 外 の 妊 婦 対 しても 解 放 妊 娠 中 の 整 理 と 保 健 母 乳 について 妊 娠 中 の 体 重 管 理 妊 婦 体 操 歯 の 衛 生 妊 娠 中 の 栄 養 保 育 と 育 児 用 品 の 整 備 お 産 の 準 備 お 産 の 経 過 お 産 のリハーサル 母 乳 育 児 とは 病 棟 見 学 ( 希 望 者 ) 資 料 15-2 子 育 て 孫 育 て 支 援 ( 産 婦 人 科 外 来 とのタイアップ)2 母 乳 外 来 ( 月 ~ 金 15:30 16:30) 内 容 : 乳 房 ケア 赤 ちゃんの 体 重 チェック 育 児 相 談 他 院 で 出 産 された 人 も 受 け 入 れ トコちゃんベルト 装 着 指 導 ( 月 ~ 金 15:00 以 降 ) 内 容 : 骨 盤 のゆがみを 矯 正 するためのベルトの 装 着 指 導 生 活 指 導 無 料 2)ニーズ 対 応 人 事 支 援 プロジェクトの 活 動 組 織 としては 多 様 な 勤 務 形 態 が 活 用 できる 取 り 組 みを 行 なった 看 護 職 者 が 働 き 続 け るためには ライフイベントである 結 婚 出 産 育 児 介 護 という 問 題 に 直 面 したときに どう 問 題 を 解 決 していくかがポイントとなる WLB を 進 めていくためには 看 護 職 者 が 勤 務 形 態 についてどのようなニーズを 持 っているのか また 多 様 な 勤 務 形 態 を 取 得 する 希 望 があるかどうかを 把 握 しておく 必 要 があると 考 え アンケート 調 査 を 9 月 に 実 施 した( 資 料 16) 勤 務 形 態 の 希 望 は 変 則 2 交 替 制 は 13%と 低 いが それ 以 外 は 27~30%という 結 果 となっている 今 後 5 年 間 で 育 児 短 時 間 勤 務 制 を 希 望 する 者 は 102 名 育 児 休 業 を 希 望 す る 者 は 62 名 となっている 同 時 に 看 護 職 者 の WLB についての 意 識 調 査 を 行 なった 結 果 は 半 数 近 くが WLB という 言 葉 を 知 らず 看 護 部 の 取 り 組 みについても 知 らないという 状 況 で あった しかし 自 由 記 載 では 結 婚 や 育 児 による 離 職 を 考 えていたが 導 入 されることで 勤 務 を 継 続 することができる という 意 見 や もっと 多 様 な 勤 務 形 態 を 導 入 して 欲 しい といった 意 見 もあり WLB を 進 めることに 対 する 期 待 感 を 感 じることができた 132
資 料 16 アンケート 調 査 結 果 勤 務 形 態 希 望 変 則 2 交 代 制 57 364 育 児 短 時 間 勤 務 制 126 295 3 年 の 育 児 休 暇 115 306 フレックスタイム 制 125 296 0 200 400 希 望 なし 希 望 あり 変 則 2 交 代 制 希 望 者 数 ( 平 均 年 齢 ) 介 護 11 (29. (29.4 歳 ) 育 児 16 (27.2 歳 ) 妊 娠 8 (24.9 歳 ) その 他 22 0 10 20 30 フレックスタイム 希 望 者 ( 平 均 年 齢 ) 平 成 20 年 度 取 得 希 望 者 介 護 育 児 妊 娠 15 15 (39.4 歳 ) 29 (28.5 歳 ) (25.5 歳 ) 変 則 2 交 代 制 育 児 短 時 間 勤 務 制 3 年 の 育 児 休 暇 5 5 11 (31.7 歳 ) (32.2 歳 ) (30.4 歳 ) その 他 66 0 20 40 60 80 フレックスタイム 制 11 (36.5 歳 ) 今 後 5 年 間 の 取 得 希 望 者 変 則 2 交 代 制 14 9 7 5 5 40 21 年 育 児 短 時 間 勤 務 制 17 21 20 20 24 102 22 年 23 年 3 年 の 育 児 休 暇 15 12 13 8 14 62 24 年 25 年 フレックスタイム 制 15 8 10 10 10 53 0 20 40 60 80 100 120 書 かれたも のを 読 んだ ことがある 16% 未 記 入 3% よく 知 らない 35% 取 り 組 みの 内 容 を 知 っ ている 6% 未 記 入 3% よく 知 らない 52% 言 葉 を 聞 い たことがある 46% 取 り 組 むこと を 知 ってい る 39% 多 様 な 勤 務 形 態 取 得 ニーズ 調 査 (2008.9 月 実 施 ) n=421 ( 配 布 数 533 枚 回 収 率 79%) 133
事 業 計 画 として 提 示 した 勤 務 形 態 は 1 圧 縮 勤 務 時 間 2 限 定 勤 務 時 間 の 時 間 短 縮 制 3 勤 務 時 間 帯 調 整 である 1 圧 縮 勤 務 時 間 は 変 則 2 交 替 制 と 新 設 の 2 交 替 制 である 2 限 定 勤 務 時 間 の 時 間 短 縮 制 は 3 種 類 で 育 児 短 時 間 勤 務 制 と 部 分 育 児 休 業 長 期 休 業 職 員 の 短 時 間 勤 務 である 3 勤 務 時 間 帯 調 整 は 勤 務 時 間 帯 の 選 択 で 8 時 間 の 日 勤 勤 務 のうち 9 種 類 の 勤 務 時 間 パターンから 選 択 できる( 資 料 17) 事 業 開 始 時 の 就 業 規 則 には 9 種 類 の 日 勤 パターンと 変 則 2 交 替 制 子 どもが 3 歳 まで 取 得 可 能 な 部 分 育 児 休 業 が 定 められていた それ 以 外 の 勤 務 形 態 として 国 家 公 務 員 法 に 制 定 されている 育 児 短 時 間 勤 務 制 度 ( 資 料 18)を 新 しく 追 加 してもらえるよう 就 業 規 則 の 改 正 を 要 望 した これは 小 学 校 入 学 前 の 子 どもを 持 っている 職 員 が 4 種 類 の 勤 務 時 間 の 中 から 1 つを 選 択 するものである 看 護 部 の 取 り 組 みに 対 する 理 解 を 得 ることができ 平 成 21 年 1 月 1 日 に 就 業 規 則 が 改 正 された 就 業 規 則 の 改 訂 に 際 しては 利 用 する 対 象 者 が 看 護 職 だけではなく 全 ての 職 員 に 適 応 されるため 利 用 者 が 多 くなると 業 務 に 支 障 を きたすのではないかと 不 安 の 声 もあったが WLB を 推 進 する 必 要 性 を 理 解 してもらうこと ができ 改 正 の 運 びとなった この 制 度 の 設 置 と 同 時 に 部 分 育 児 休 業 の 取 得 時 期 も 子 ど もが 小 学 校 入 学 前 までに 延 長 された このことにより 小 学 校 入 学 までの 育 児 期 について は 複 数 の 勤 務 形 態 から 選 択 する 事 が 可 能 となった 変 則 2 交 替 制 は 117:00~8:30 と28:30~19:30 の 勤 務 を 組 み 合 わせることで 3 日 間 勤 務 したことになる しかし 1は 前 後 の 勤 務 との 引 継 の 時 間 がないことと 2の 勤 務 の 終 了 時 間 が 遅 いことから 延 長 勤 務 ができないので 2 交 替 ができない という 意 見 もあり 活 用 をすすめるには 支 障 があると 考 えた そこで 新 たに 引 継 時 間 を 含 め 単 独 で 使 用 することができる316:30~10:00 の 2 交 替 の 時 間 を 設 定 し 3 月 1 日 から 就 業 規 則 に 追 加 した また2と 同 様 に 活 用 できる47:30~18:30 を 4 月 から 就 業 規 則 に 追 加 した( 資 料 19) これらの 取 り 組 みの 結 果 により 2 交 替 制 を 導 入 する 部 署 が 多 くなってきている 環 境 面 では WLB を 推 進 していくために 看 護 職 者 が 気 軽 に 相 談 できる 場 として WLB 支 援 センター を 開 設 することができ その 利 用 に 関 しては 病 院 の 規 則 として 整 備 された 今 後 は 専 任 の 職 員 を 配 置 し 活 動 を 拡 大 していける 場 となるよう 活 用 していきたいと 考 え ている また 院 内 の 福 利 厚 生 施 設 であった 保 育 所 が NPO 法 人 となり 今 後 保 育 時 間 の 延 長 等 利 用 者 のニーズに 対 応 できる 可 能 性 が 高 い 状 況 となった 多 様 な 勤 務 形 態 の 制 度 が 活 用 できるフローも 明 確 にできた( 資 料 20) 希 望 者 が 自 分 の 状 況 や 部 署 の 状 況 を 踏 ま えた 上 で 申 請 を 行 う 申 請 書 を 作 成 した 多 様 な 勤 務 形 態 を 申 請 できる 対 象 者 は 16 歳 未 満 ( 小 学 校 入 学 前 )の 子 どもの 育 児 責 任 を 有 する 者 2 要 介 護 者 と 同 居 するもの 3 病 気 (1 ヶ 月 以 上 )で 条 件 として 請 求 する 日 までに 連 続 して 1 年 以 上 本 院 に 勤 務 しているこ ととした 希 望 者 は 申 請 書 を WLB 推 進 室 に 提 出 する WLB 推 進 室 では 申 請 者 と 面 談 し 部 署 の 状 況 等 を 把 握 した 上 で 申 請 の 承 認 を 判 断 する 制 度 を 活 用 するための 対 策 としては 部 分 育 児 休 業 者 の 休 業 時 間 を 計 算 し 不 足 分 をフ ロートナースとして 雇 用 した(21 年 度 は 2 名 ) また 21 年 9 月 の 新 病 棟 移 転 を 機 会 にリ リーフ 体 制 を 検 討 している 各 部 署 では 業 務 量 調 査 を 分 析 し 業 務 改 善 として 問 題 課 業 の 削 除 代 替 統 合 の 検 討 の 実 施 とワークフローの 見 直 しを 実 施 している 134
資 料 19 就 業 規 則 に 定 められている 勤 務 時 間 割 振 表 職 員 の 区 分 附 属 病 院 の 病 棟 及 び 手 術 部 に 勤 務 する 看 護 部 職 員 のうち 交 替 制 勤 務 に 従 事 する 職 員 割 振 り 単 位 期 間 4 週 間 休 日 当 該 部 局 長 が 指 定 する8 日 交 替 制 勤 務 名 始 業 時 刻 終 業 時 刻 休 憩 時 間 日 勤 A 8 時 30 分 17 時 15 分 12 時 15 分 ~13 時 00 分 日 勤 B 8 時 30 分 17 時 15 分 13 時 00 分 ~13 時 45 分 日 勤 C 10 時 00 分 18 時 45 分 14 時 00 分 ~14 時 45 分 日 勤 D 7 時 30 分 16 時 15 分 11 時 30 分 ~12 時 15 分 日 勤 E 9 時 00 分 17 時 45 分 13 時 00 分 ~13 時 45 分 日 勤 F 12 時 30 分 21 時 15 分 16 時 30 分 ~17 時 15 分 日 勤 G 8 時 30 分 19 時 30 分 12 時 00 分 ~12 時 30 分 16 時 00 分 ~16 時 30 分 日 勤 H 8 時 00 分 16 時 45 分 12 時 00 分 ~12 時 45 分 日 勤 I 7 時 00 分 15 時 45 分 11 時 00 分 ~11 時 45 分 日 勤 J 12 時 00 分 20 時 45 分 16 時 00 分 ~16 時 45 分 日 勤 K 9 時 30 分 18 時 15 分 13 時 30 分 ~14 時 15 分 日 勤 L 7 時 30 分 18 時 30 分 12 時 30 分 ~13 時 30 分 準 夜 A 16 時 30 分 1 時 15 分 19 時 00 分 ~19 時 30 分 22 時 00 分 ~22 時 15 分 準 夜 B 16 時 30 分 1 時 15 分 19 時 30 分 ~20 時 00 分 22 時 15 分 ~22 時 30 分 深 夜 A 0 時 30 分 9 時 15 分 4 時 30 分 ~ 5 時 00 分 7 時 00 分 ~ 7 時 15 分 深 夜 B 0 時 30 分 9 時 15 分 4 時 00 分 ~ 4 時 30 分 6 時 45 分 ~ 7 時 00 分 夜 勤 A 17 時 00 分 8 時 30 分 20 時 30 分 ~21 時 00 分 0 時 30 分 ~ 1 時 00 分 4 時 30 分 ~ 5 時 00 分 夜 勤 B 16 時 30 分 10 時 00 分 22 時 00 分 ~23 時 00 分 4 時 30 分 ~ 5 時 00 分 137
資 料 20 制 度 活 用 の 流 れ 看 護 職 の ニーズ 申 し 出 書 に 記 入 承 認 マニュアル 作 成 ワークライフ 推 進 会 議 受 付 相 談 申 請 書 NGSで 人 員 配 置 把 握 CDSSで 看 護 師 の 力 量 把 握 (キャリア 開 発 支 援 システム) 部 署 勤 務 適 応 業 務 調 整 面 談 対 象 者 との ヒアリング 評 価 4. 多 様 な 勤 務 形 態 の 実 施 状 況 今 回 の 取 り 組 みによる 多 様 な 勤 務 形 態 の 実 施 状 況 は 平 成 21 年 1 月 では 2 交 替 制 の 実 施 は 5 部 署 である 実 施 した 意 見 として 準 夜 の 翌 日 が 日 勤 ということがなくなったこと や 前 後 に 夜 勤 がないフリーの 休 みができたこと 夜 中 の 通 勤 がなくなる 等 が 良 かった 点 と してあげられた また 勤 務 時 間 が 長 い 分 心 にゆとりができ 患 者 さんとゆっくり 話 がで きるとの 意 見 もあった 育 児 短 時 間 勤 務 制 度 は 4 月 1 日 から 3 名 の 実 施 希 望 者 がおり 申 請 書 を 提 出 し WLB 推 進 室 での 面 談 も 終 了 し 実 施 について 承 認 を 得 ている 部 分 育 児 休 業 は 5 名 が 実 施 し 長 期 休 業 職 員 の 短 時 間 勤 務 は 6 名 が 実 施 中 である 勤 務 時 間 帯 調 整 は 8 部 署 で 実 施 している 5. 今 後 の 課 題 今 後 の 課 題 としては 多 様 な 勤 務 形 態 を 利 用 する 場 合 の 現 場 のフォローをどうしていく かが 課 題 となる フロートナースの 確 保 リリーフ 体 制 夜 勤 専 任 看 護 師 の 積 極 的 な 雇 用 と 業 務 改 善 や 業 務 の 標 準 化 をすすめ いつでもだれでもが 応 援 に 来 ても 業 務 が 出 来 るよう にしておく 必 要 がある また 復 帰 者 へのサポートとして 離 職 期 間 でも 研 修 機 会 を 作 るこ と 職 場 復 帰 プログラムの 構 築 子 育 て 支 援 として 病 児 保 育 も 検 討 することが 課 題 である 今 回 の 取 り 組 みでは 妊 娠 出 産 育 児 介 護 に 焦 点 をあてたものであったが WLB はそ 138
れ 以 外 の 事 項 についても 必 要 である そのために 個 人 ができることとしては 生 き 方 やラ イフスタイルをイメージして 時 間 制 限 の 中 で 働 き 方 の 意 識 を 変 えることであると 考 える 一 方 組 織 ができることは 多 様 な 勤 務 形 態 等 制 度 の 導 入 多 様 なライフスタイルや 生 き 方 を 受 容 すること 等 があると 考 える( 資 料 21) 資 料 21 ワークライフバランスの 実 現 ( 個 人 ができること 組 織 ができること) 個 人 ができること: 生 き 方 ライフスタイルをイメージ 時 間 制 限 の 中 で 働 き 方 の 意 識 を 変 える 趣 味 結 婚 出 産 子 育 て 介 護 家 族 のイ ベント ワークライフバランス 研 修 組 織 ができること: 多 様 な 勤 務 形 態 等 制 度 の 導 入 多 様 なライフスタイルや 生 き 方 を 受 容 フロートナース リリーフ 体 制 仕 事 管 理 時 間 管 理 業 務 改 善 等 仕 事 WLB インデックス 調 査 の 結 果 では WLB を 重 視 している 病 院 の 項 目 が 低 い 値 となって おり 今 後 も 取 り 組 みを 続 けていく 必 要 があると 考 える その 結 果 として 笑 顔 が 溢 れる 職 場 の 実 現 が 最 終 ゴールであると 考 えている 139
多 様 な 勤 務 形 態 推 進 プロジェクトメンバー 一 覧 執 筆 者 氏 名 所 属 部 署 役 職 大 岡 裕 子 看 護 部 看 護 部 長 石 山 由 紀 子 看 護 部 副 看 護 部 長 鈴 記 洋 子 看 護 部 副 看 護 部 長 久 米 博 子 看 護 部 副 看 護 部 長 川 西 節 子 看 護 部 看 護 師 長 大 西 節 子 看 護 部 看 護 師 長 森 玲 子 看 護 部 看 護 師 長 近 藤 佐 地 子 看 護 部 看 護 師 長 竹 内 美 恵 子 看 護 部 スーパーバイザー 坂 東 健 一 人 事 課 課 長 補 佐 河 野 信 幸 人 事 課 第 二 係 係 長 140