神 戸 地 方 裁 判 所 委 員 会 ( 第 27 回 ) 議 事 概 要 1 日 時 平 成 26 年 7 月 10 日 ( 木 ) 午 後 3 時 から 午 後 5 時 まで 2 場 所 神 戸 地 方 裁 判 所 第 1 会 議 室 3 出 席 者 ( 委 員 ) 麻 田 光 広, 池 澤 憲 司, 梶 川 龍 彦, 杉 本 直 己, 瀬 川 均, 髙 野 伸, 玉 森 たりほ, 陳 來 幸, 中 邨 清 一, 南 部 真 知 子, 野 口 勝 久, 野 﨑 弘, 野 原 神 川, 増 田 耕 兒, 村 田 泰 男 ( 五 十 音 順, 敬 称 略 ) ( 関 係 機 関 からの 出 席 者 ) 神 戸 市 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センター 長 藤 田 幸 俊 ( 敬 称 略 ) (オブザーバー) 稻 葉 重 子, 鈴 木 幸 男, 原 田 宗 輔, 高 次 秀 幸, 保 田 光 博, 宮 木 由 理 子, 坂 田 雄 一 ( 庶 務 ) 藤 田 敏 之, 笹 井 卓, 新 津 隆 弘, 小 切 俊 昭, 荒 谷 智 一, 安 達 正 広, 松 田 栄 司, 長 野 香 織 4 議 事 ( は 委 員 長, は 委 員 の 発 言 は 関 係 機 関, は 裁 判 所 からの 説 明 ) (1) 委 員 の 交 替 ( 退 任 委 員 及 び 新 任 委 員 の 紹 介 ) 退 任 委 員 として, 平 成 26 年 2 月 9 日 付 け 退 任 の 安 井 宏 委 員, 同 月 23 日 付 け 退 任 の 清 原 桂 子 委 員, 同 年 3 月 31 日 付 け 退 任 の 仁 田 裕 也 委 員, 同 年 4 月 1 日 付 け 退 任 の 中 浜 宏 章 委 員 及 び 細 井 正 広 委 員, 同 年 5 月 21 日 付 け 退 任 の 牧 田 隆 行 委 員, 新 任 委 員 として, 同 年 2 月 10 付 け 就 任 の 陳 來 幸 委 員, 同 月 24 日 付 け 就 任 の 梶 川 龍 彦 委 員, 同 年 4 月 1 日 付 け 就 任 の 野 口 勝 久 委 員 及 び 増 田 耕 兒 1
委 員, 同 年 5 月 22 日 付 け 就 任 の 池 澤 憲 司 委 員 及 び 中 邨 清 一 委 員 の 紹 介 があっ た (2) DV 防 止 法 に 基 づく 保 護 命 令 制 度 について( 鈴 木 幸 男 裁 判 官 ) 保 護 命 令 制 度 の 概 要, 裁 判 所 における 手 続 の 流 れ, 事 件 の 処 理 状 況 ( 件 数, 結 果 ), 保 護 命 令 の 種 類 とその 内 容, 保 護 命 令 制 度 の 特 徴, 保 護 命 令 の 申 立 権 者, 保 護 命 令 の 要 件, 手 続 を 運 営 する 上 での 留 意 点 及 び 関 係 機 関 との 連 携 につ いて 説 明 があった (3) 神 戸 市 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センターにおける 支 援 の 概 要 について( 神 戸 市 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センター 藤 田 幸 俊 センター 長 ) 神 戸 市 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センターにおける 支 援 内 容, 相 談 件 数, 被 害 者 が 裁 判 所 へ 保 護 命 令 申 立 てをするに 当 たっての 支 援 等 について, 説 明 があった (4) 裁 判 所 職 員 による 保 護 命 令 事 件 の 模 擬 審 尋 保 護 命 令 事 件 の, 申 立 てから 発 令 までの 手 続 ( 申 立 人 審 尋, 相 手 方 審 尋, 保 護 命 令 の 発 令 及 び 相 手 方 と 書 記 官 とのやり 取 り)について, 模 擬 審 尋 を 行 った (5) DV 防 止 法 に 基 づく 保 護 命 令 制 度 についての 意 見 交 換 保 護 命 令 に 対 する 有 効 性 はどれくらいあるのか 世 間 では 殺 人 事 件 に 至 る ものも 報 道 されているので, 本 当 に 執 着 していたら, 裁 判 所 の 命 令 の 有 効 性 がどれだけあるのだろうかと 思 う 命 令 が 出 たうち,どれだけの 割 合 の 人 が 素 直 に 退 去 して 反 省 しているのか また, 悪 質 な 場 合 を 考 えると, 命 令 の 有 効 性 を 保 つためには, 違 反 に 対 す る 罰 則 が 軽 すぎるのではないかと 思 う 懲 役 何 年 などという 形 で, 被 害 者 か ら 引 き 離 すことが 必 要 ではないか ただし, 夫 婦 関 係 なので, 妻 の 側 も, 暴 力 がなければよりを 戻 してもよいと 考 えているから,この 程 度 になっている のだろうかとも 思 う 兵 庫 県 内 では, 昨 年 1 年 間 で 保 護 命 令 の 申 立 てがあった140 件 のうち, 2
8 割 程 度,100 件 超 については 申 立 てが 認 容 されている 状 況 である また, 兵 庫 県 内 で 保 護 命 令 違 反 で 検 挙 された 事 案 は 年 間 数 件 であると 聞 いている よって, 相 手 方 は, 保 護 命 令 に 対 してはおおむね 従 っているのではないかと 受 け 止 めている 今 の 検 挙 というのは, 保 護 命 令 が 出 るとそれが 警 察 に 連 絡 され, 違 反 があ れば 検 挙 されるという 仕 組 みになっていて,その 中 での 検 挙 数 ということか そう 思 う どれくらい 遵 守 されているかについて, 神 戸 市 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センタ ー( 以 下, 支 援 センター という )での 感 触 はどうか 罰 則 もあるし, 警 察 が, 加 害 者 本 人 に 注 意 するなど,ある 程 度 関 与 してい るのではないかと 思 う 保 護 命 令 が 発 令 された 時 は, 警 察 に 連 絡 している 警 察 は, 連 絡 があれば, できる 範 囲 で, 加 害 者 本 人 を 警 察 署 に 呼 んで, 誓 約 書 を 書 かせるということ を 事 実 上 しているとのことである その 際, 違 反 すれば 検 挙 されることも 説 明 していると 思 う これらのことも 効 果 があるのではないかと 思 う また, 保 護 命 令 の 相 手 方 になる 人 は, 今 回 の 配 偶 者 への 暴 力 で 初 めて 刑 事 事 件 になっている 人 もいるが,それもなく, 前 科 前 歴 が 全 くない 人 も 多 く, 家 庭 以 外 においては 社 会 生 活 を 普 通 にしている 人 が 多 いので, 裁 判 沙 汰 にな った, 警 察 に 呼 ばれて 注 意 されたということが, 相 当 の 抑 止 力 になっている と 見 ている 逮 捕 された 人 は,それで 収 まっているのか 逮 捕 された 後,またよりを 戻 して 再 び 暴 力 を 振 るったというような 事 件 はないのか 極 端 な 例 を 新 聞 など で 見 るが, 一 度 逮 捕 したらその 後 近 付 かないようにきちんとできるのか, 心 配 に 思 う 全 体 的 な 有 効 性 については 理 解 したが, 極 端 な 例 についての 有 効 性 についてはどうか 3
極 端 な 人 については, 制 度 として 対 応 しきれない 事 件 も 出 てきていると は 思 う 接 近 禁 止 の 申 立 てがあって 命 令 が 出 ても, 申 立 人 の 方 で 許 してあ げようということで, 取 り 下 げるという 例 もある 取 り 下 げたら, 暴 力 が 再 発 してまた 申 し 立 てたというケースもあるので, 全 てが 対 応 できている とはいえないかもしれないが, 大 方 の 事 件 には 対 応 できているのではない かと 考 えている 支 援 センターでは, 平 成 25 年 には, 相 談 総 件 数 が2,400 件 くらいあ り, 裁 判 所 の 書 面 提 出 請 求 に 回 答 したのが25 件 であるので, 保 護 命 令 申 立 てまで 至 らないで, 電 話 相 談 だけで 済 んだということか 支 援 センターの 支 援 内 容 として 最 初 は 電 話 相 談 があり,そこから 面 接 相 談 などに 至 る また, 住 民 基 本 台 帳 の 閲 覧 を 制 限 するためなどの 証 明 書 発 行 の ために,やり 取 りすることもある 重 複 してやり 取 りすることもあるので, 相 談 件 数 は 多 くなる 相 談 件 数 の 中 には, 本 人 からの 相 談 以 外 に, 区 役 所 な ど 関 係 行 政 機 関 からの 相 談 もある 命 令 の 期 間 は6か 月 ということだが,その 期 間 が 過 ぎた 後 に,また 同 じ 人 から 申 請 が 出 る 実 数 はどうか 6か 月 が 経 過 した 後, 新 たな 暴 力 等 がなくても, 更 なる 身 体 に 対 する 暴 力 によりその 生 命 又 は 身 体 に 重 大 な 危 害 を 受 けるおそれが 大 きいと 認 めるに 足 りる 事 情 があるときは, 再 度 の 申 立 てをして, 認 められるケースもある 神 戸 地 裁 本 庁 では, 平 成 21 年 は42 件 中 7 件,22 年 は44 件 中 2 件,23 年 は30 件 中 3 件,24 年 は50 件 中 10 件,25 年 は42 件 中 5 件 が 再 度 の 申 立 てである 模 擬 審 尋 でもそうであったように, 基 本 的 には, 強 い 男 性, 弱 い 女 性 を 前 提 としていると 思 うが, 最 近 では, 追 い 掛 けられる 男 性, 殴 られる 男 性 など, 逆 もあるのではないかと 思 う 法 律 はそれを 前 提 としているのか また, 現 4
実 の 件 数 はどうか 保 護 制 度 の 周 知 の 仕 方 として, 弱 い 女 性 を 救 う とい う 意 味 のみ 前 面 に 出 すぎているのはいかがなものか 妻 が 申 立 人 であることが 多 いが, 申 立 人 が 夫 の 例 もあり, 私 も 神 戸 で1 件 経 験 したことがある 数 は 少 ないが 実 例 はある 理 由 はどうあれ 暴 力 又 は 暴 力 的 言 動 があれば 認 容 されるということだが, 却 下 になっているものは,その 部 分 が 確 認 できなかったということか 暴 力 は 過 去 にあるということがほとんどである 一 番 問 題 となるのは, 更 なる 暴 力 により 重 大 な 危 害 を 受 けるおそれがあるかということである 暴 力 があったのは 大 分 昔 のことで,その 間 一 緒 に 生 活 をしているが 何 も 起 きてい ないというような 場 合 には, 更 なる 暴 力 のおそれがあるかないかというとこ ろで, 要 件 が 認 められないことがある 一, 二 回 の 暴 力 では, 命 令 は 出 しにくいということか どういう 状 況 で 暴 力 が 振 るわれたかということによる 突 発 的 に 何 か 重 大 問 題 が 起 きて 暴 力 が 始 まり,その 問 題 がなかなか 解 決 しないという 状 況 であ れば, 暴 力 が 始 まったのは 間 近 であっても, 今 後 も 続 く 可 能 性 があるかもし れない 暴 力 の 経 緯 が, 更 なる 暴 力 に 発 展 するかの 要 素 になると 思 う 私 自 身 は, 事 件 を 担 当 していないが, 担 当 している 弁 護 士 に 最 近 の 実 情 を 聞 いた 診 断 書 や 写 真 など, 裁 判 所 に 暴 行 を 認 定 してもらうための 証 拠 を 取 っていない 人 がいる そうすると, 申 立 てをしても 相 手 方 が 暴 力 を 否 定 する と, 命 令 を 出 してもらえない 可 能 性 がある その 辺 りを 悩 んで, 慎 重 に 申 立 ての 判 断 をしている 刑 事 処 分 の 判 断 につながるので,よほどはっきりした 証 拠 がないと, 代 理 人 として 相 談 を 受 けた 時 に, 申 立 てがしにくいというこ とである 模 擬 審 尋 のモデル 記 録 では, 中 身 がきれいに 整 っていて, 証 拠 もあるが, 裁 判 所 の 受 付 では 記 載 例 などを 置 いて, 本 人 はそれを 見 て 書 いているのか 5
本 人 が 書 きやすいように, 申 立 書 のひな 型 を 渡 している また, 申 立 書 の 書 き 方 について という 案 内 文 書 も 付 けている 窓 口 でも, 申 立 書 記 載 に ついての 教 示 をしている ただ,モデル 記 録 のようなサンプル 的 なものは, 配 布 していない 私 は 仕 事 の 関 係 で 実 際 のDV 事 件 を 調 べる 機 会 があった 模 擬 審 尋 のよう に 相 手 方 があっさり 暴 行 の 事 実 を 認 めるならスムーズにいくだろうが, 実 際 には,けがの 写 真 や 診 断 書 を 添 えて 申 立 てがあった 場 合 でも, 彼 女 は 転 ん だかほかの 誰 かに 暴 行 を 受 けたか 分 からないが, 私 には 一 切 覚 えがない と,トラブルがあった 事 実 そのものを 完 全 に 否 認 する 場 合 もある そのよう な 場 合,けがと 相 手 方 の 暴 行 行 為 の 因 果 関 係 を, 短 い 審 尋 の 中 でどのように 認 定 するのか また, 家 庭 内 暴 力 は, 被 害 者 が 加 害 者 の 支 配 下 に 置 かれ, 加 害 行 為 が 密 室 の 中 で 恒 常 的 に 行 われて,それがいつどういう 形 で 暴 発 するか 分 からないと いう 点 で, 極 めて 深 刻 だと 思 う スッとひいてくれる 相 手 ならこの 制 度 で 対 応 できるかもしれないが,メディアが 伝 えているような, 凶 悪 事 件 に 発 展 す る, 一 番 救 わなければいけない, 生 命 に 及 ぶ 危 険 が 差 し 迫 っているような 人 に 対 して, 保 護 命 令 制 度 がどこまで 実 効 性 を 保 てるのかと 疑 問 に 思 う そう いう 時 に, 差 し 迫 った 危 険 のあるDV 被 害 者 に 対 する 無 料 の 法 律 相 談 や, 一 報 を 入 れたら 弁 護 士 が 警 察 や 裁 判 所,サポートセンターへの 連 絡 を 含 めてガ ードに 入 るようなリーガルサポートは 存 在 するのか まず, 事 実 を 否 定 する 場 合, 裁 判 所 の 事 実 認 定 が 短 時 間 にできるのか, 実 際 にどのようにやっているのかということについてはどうか けがの 証 拠 があっても 自 分 の 暴 行 によるものではないと 否 定 されることは, まれにある そのような 場 合, 相 手 方 がけがの 発 生 に 直 面 してどう 対 応 した か,どう 認 識 しているか,どういう 状 況 でけがが 発 生 したと 考 えるのかなど, 6
周 辺 事 情 を 丹 念 に 聞 いて,けがが 相 手 方 とは 関 係 ない 状 況 下 で 発 生 したのか, 相 手 方 との 何 らかの 関 係 で 発 生 したかを 追 求 していき,けがと 相 手 方 の 暴 力 との 因 果 関 係 があるとの 心 証 が 取 れれば, 相 手 方 の 暴 力 によるけがと 認 定 す ることになると 思 う このような 場 合, 通 常 より 多 少 の 時 間 は 掛 かるが 心 証 は 取 れているのが 実 情 である 先 ほど 申 立 人 審 尋 の 中 で, 裁 判 官 は 申 立 人 に 夫 は 暴 力 を 否 定 するでしょ うかね と 聞 いていたが, 否 定 するかどうか 見 当 がつくものか 見 当 がつ けば, 申 立 人 から 細 かく 事 情 を 聞 いておいて, 後 で 相 手 方 審 尋 の 時 に, 相 手 方 に 細 かく 聞 いてみるということがあると 思 う 民 事 訴 訟 法 では, 対 質 というものがあって, 二 人 に 同 時 に これについて は,どうですか と 聞 いていけば 大 体 分 かってくるということがある 保 護 命 令 事 件 では 対 質 をしないので, 事 実 認 定 の 難 しさもあるのかと 思 うが, どうか 意 外 に, 完 全 に 否 認 する 人 は 少 なく, 多 数 回 殴 られたと 主 張 する 申 立 書 に 対 して1 回 しか 殴 っていないなどと 弁 解 するほうが 多 いように 思 う 同 居 し ていてこれだけのけがをしているのに 全 く 知 らないと 相 手 方 が 言 うとなると, これは 非 常 に 不 自 然 だということで,ある 程 度 心 証 が 取 れる 場 合 が 多 く, 心 証 が 取 りにくいものは 少 ない 心 証 が 取 れなければ,すぐに 決 定 せずに,も う1 回 申 立 人 に 事 情 を 聞 くということも,まれにある 本 人 が 納 得 せずに 不 服 申 立 てをするケースは,これまで 実 際 にあったか 保 護 命 令 に 対 し, 不 服 申 立 て( 即 時 抗 告 )をするケースは 僅 かながらある リーガルサポートについてはどうか 兵 庫 県 警 に,110 番 通 報 登 録 制 度 という, 事 前 に 登 録 しておいて,11 0 番 通 報 があった 場 合 に 迅 速 な 対 応 を 図 る 制 度 があると 聞 いている また, 兵 庫 県 警 にはストーカーDV 対 策 室 があり, 対 策 強 化 に 努 めていると 聞 いて 7
いる 住 民 票 の 閲 覧 制 限 や, 健 康 保 険 の 被 扶 養 者 から 外 すなど, 所 在 地 を 知 られ ないようにするための 方 法 もある ただし, 相 手 が 執 拗 に 迫 る 場 合 に100パーセント 防 げるかというと, 難 しいところはあると 思 う 市 や 県 の 相 談 センターは, 弁 護 士 会 又 は 弁 護 士 と 契 約 しており, 弁 護 士 が そこに 定 期 的 に 相 談 に 行 っている そこに 連 絡 があるとすぐに 相 談 内 容 が 弁 護 士 に 伝 わってきて 対 処 できるシステムになっている 相 談 センターは, 兵 庫 県 と 神 戸 市 にあるが, 順 次 広 がってきており, 県 下 の 主 だった 市 にはほと んどあり,そういう 所 で 相 談 に 入 ってくれば, 弁 護 士 などにつながる 率 が 非 常 に 高 くなっていると 聞 いている それから, 先 ほど 話 に 出 たように, 今 の 居 場 所 を 知 られたくないというこ とが 非 常 に 多 いようである 被 害 者 は, 逃 げ 出 してシェルターなどにいる 状 態 で 手 続 が 始 まることが 多 い 申 立 てがあると 申 立 書 などが 裁 判 所 から 相 手 方 に 送 られるが,その 時 に 居 場 所 が 相 手 方 に 知 られないように 裁 判 所 が 非 常 に 注 意 してくれていると 聞 いている ただ,このような 手 続 をすると 怖 いので, 相 手 方 に 居 場 所 が 知 られること を 恐 れて 手 続 をせずにひたすら 逃 げ 回 る 人 も 結 構 いるとも 聞 いている 神 戸 市 には, 外 国 人 同 士 又 は 一 方 が 外 国 人 である 夫 婦 も 多 い 日 本 語 が 不 自 由 な 外 国 人 に 対 する 対 応 はどうなっているのか 通 訳 が 配 されるのか, 又 は 外 国 人 コミュニティが 関 わったりしているのか また, 今 配 られている 支 援 センターのパンフレットには 市 や 県 による 外 国 人 の 生 活 相 談 のための 電 話 番 号 も 載 っているが,どこかに 言 ったら 全 てやっ てくれるようなワンストップサービスのようなものができているのか 過 去 に 通 訳 が 必 要 な 事 件 はあり, 現 在 も1 件 係 属 中 である 母 国 語 の 通 訳 8
人 を, 裁 判 所 が 選 任 して 対 応 している 支 援 センターでは, 去 年 は,10 件 ほどあった 神 戸 国 際 コミュニティセ ンターと 連 携 しており, 通 訳 派 遣 についての 相 談 に 乗 ってもらっている また, 今 配 っているパンフレットも, 数 か 国 語 で 作 っている 普 通 の 裁 判 だと 事 実 認 定 が 重 要 だが,この 手 続 は 暴 力 に 対 する 緊 急 避 難 的 な 要 素 が 大 きいので, 普 通 だと 疑 わしきは 罰 せず だが, 疑 わしきは 罰 す みたいな 感 じで, 事 実 認 定 は 置 いておいて,とりあえず 暴 力 から 避 難 したいという 部 分 を 優 先 するという 発 想 が 根 底 にあるように 感 じた 却 下 したから 逆 に 相 手 方 がヒートアップしたり, 暴 力 を 繰 り 返 して 再 度 申 立 てがされるケースはあるか 保 護 が 重 要 だから 事 実 認 定 を 緩 くして, 心 証 が 低 い 状 態 で 発 令 するという ことはあるか あくまでも 証 明 はされないといけないと 思 っている 迅 速 にやらなければ いけないという 条 文 があり, 迅 速 性 ゆえに 解 明 度 が 低 いということがあるか もしれないが, 暴 力 があったという 証 明 はなければいけないということで 運 用 されていると 思 う 却 下 後 の 状 況 は 分 からないが, 再 申 立 てがあったという 記 憶 はない 却 下 されたから,また 後 で 再 申 立 てをしたというケースは 把 握 していない 子 供 や 親 族 への 接 近 禁 止 命 令 には 本 人 への 接 近 禁 止 命 令 の 要 件 に 加 えて 独 自 の 要 件 があるが,その 要 件 を 満 たしていないのに 申 立 てをしようとする 人 がいる その 時 に, 受 付 の 対 応 としては, 明 らかに 却 下 になるだろうという 事 案 であれば, 申 立 てには 挙 がっているので, 相 手 にその 申 立 てをしたと いうことは 伝 わってしまう その 上 で 却 下 されれば, 何 か 副 次 的 な 被 害 が 親 族 や 子 供 にあるかもしれない という 説 明 をして, 申 立 人 の 判 断 に 任 せる が, 要 件 が 必 要 なことを 述 べて, 申 立 書 から 外 してもらうという, 事 前 の 抑 9
止 的 な 受 付 事 務 をすることもある 5 次 回 の 議 題 委 員 長 が 裁 判 員 制 度 について を 議 題 としたい 旨 の 提 案 をしたところ, 各 委 員 から 異 論 はなかった 6 次 回 期 日 平 成 27 年 2 月 9 日 ( 月 ) 10