暮 ら し 市 民 生 活 は 近 年 近 代 化 を 背 景 に 徐 々に 変 化 を 遂 げてい る 自 家 用 車 の 普 及 高 等 教 育 の 発 展 通 信 網 の 急 速 な 拡 大 若 者 の 流 行 が 多 様 化 する 一 方 で イスラムが 多 数 派 の 宗 教 や 数 百 の 民 族 がそれぞ れに 持 つ 文 化 などの 伝 統 的 な 価 値 観 も 依 然 人 々の 暮 らし に 根 付 いている
暮 らし 交 通 事 情 年 々 深 刻 化 する 渋 滞 交 通 網 整 備 追 いつかず ジャカルタの 渋 滞 は 年 々 深 刻 化 している 経 済 成 長 による 車 両 数 の 拡 大 に 交 通 網 の 整 備 が 追 いつ かない 2014 年 には 二 輪 車 四 輪 車 の 道 路 占 有 面 積 が 道 路 の 総 面 積 を 超 え 交 通 が 完 全 にまひする グリッド ロック 状 態 になると 言 われている 公 共 交 通 機 関 ではバス 専 用 レーンを 走 る トラン スジャカルタ や 電 車 バスなどがあるが 質 量 ともに 不 足 しており 移 動 の 主 役 は 小 回 りの 利 く 二 輪 車 政 府 は 首 都 内 の 移 動 に 重 点 を 置 いた 鉄 道 網 の 整 備 に 取 り 組 んでいく 方 針 だ 高 架 式 道 路 の 建 設 や 2016 年 の 完 成 を 目 指 すMRT( 大 量 高 速 交 通 システム)はその 一 例 であり MRTにはインド ネシアで 初 の 地 下 鉄 も 含 まれている ジャカルタ 特 別 州 が 主 体 をなって 進 めていたが 2011 年 9 月 に 打 ち 切 りとなったモノレール 計 画 を 再 開 させる 計 画 も 浮 上 している 38 ホテル インドネシア 前 ロータリーの 渋 滞 風 景
市 民 の 足 自 家 用 車 自 家 用 車 の 台 数 は 年 々 増 えてい る 大 家 族 主 義 がまだ 色 濃 く 残 る ことや メードを 雇 う 家 庭 が 多 い ことから 3 列 シートのワゴン 車 が 主 流 だが 近 年 は 都 市 部 の 若 者 を 中 心 に より 小 型 のハッチバッ ク 車 の 人 気 も 上 昇 している 日 四 輪 販 売 比 率 約 本 車 シ ェ ア 94% ( 出 所 :インドネシア 自 動 車 工 業 会 2012 年 7 月 ) 二 輪 車 渋 滞 に 強 い 庶 民 の 足 自 動 車 を 購 入 するまでの 金 銭 的 余 裕 がまだ ない 家 庭 を 中 心 に 普 及 している 最 も 売 れている 車 種 は 110 ~ 150 cc 程 度 の 排 気 量 で 1000 万 ルピ ア 台 前 半 の 車 種 子 どもも 乗 せて 4 人 乗 りする 市 民 の 姿 も 日 二 輪 販 売 比 率 約 本 車 シ ェ ア 99% ( 出 所 : 二 輪 車 製 造 者 協 会 2012 年 7 月 ) トランスジャカルタ 専 用 車 線 を 走 るエアコン 付 きバ ス 渋 滞 対 策 として 2004 年 に 開 業 し 現 在 11 路 線 が 運 行 料 金 は 区 間 内 3,500 ルピア 公 共 バス 区 間 内 2,000 ルピアのコパジャ や 遠 隔 地 と 都 心 部 をつなぐ 大 型 バ スが 運 行 どこでも 降 りられる タクシー 初 乗 りは 5,000 ~ 6,000 ルピア やや 割 高 の 高 級 タクシーも 定 着 し ている 電 車 郊 外 と 都 心 部 を 結 ぶ 路 線 が 中 心 市 内 の 鉄 道 網 は 整 備 が 遅 れ 気 味 日 本 の 中 古 車 両 が 走 る 路 線 も 三 輪 タクシー バジャイ と 呼 ばれ 最 近 は 圧 縮 天 然 ガス 車 両 もある 料 金 は 2,000 ルピアほどから 各 交 通 機 関 の 料 金 は9 月 初 旬 時 点 39
暮 らし 宗 教 9 割 がイスラム 教 徒 国 家 公 認 は6 宗 教 国 是 に 多 様 性 の 中 の 統 一 を 掲 げる インドネシアではイスラム 教 徒 が 約 9 割 に 上 り 残 りの1 割 にプロテスタント カトリック ヒンドゥー 仏 教 儒 教 の 信 徒 が 混 在 している 政 府 はこの6 宗 教 を 国 家 公 認 の 宗 教 と 定 めている 東 西 貿 易 の 要 衝 とし て 発 展 してきたインドネシアには 世 界 の 主 要 な 宗 教 が 育 んできた 歴 史 がある 住 民 登 録 証 には 信 仰 する 宗 教 を 記 述 する 欄 が 設 けられている イスラム 教 イスラムの 教 義 では 豚 肉 の 摂 取 が 認 められていな い 企 業 の 側 でも 五 行 の 一 つである 1 日 5 回 の 礼 拝 に 配 慮 した 就 業 規 則 を 作 るなど 対 応 を 取 っている 礼 拝 は 夜 明 け 前 正 午 ごろ 午 後 日 没 後 夜 にそ れぞれ 行 う 女 性 はジルバブと 呼 ばれる 髪 や 顔 などを 覆 うための スカーフを 着 用 している 人 もいる イスラム 教 には 男 性 の 視 線 から 身 を 守 るために 女 性 的 な 部 分 を 隠 すべき カテドラル( 大 聖 堂 ) 世 界 遺 産 となっている 仏 教 寺 院 遺 跡 のボロブドゥール( 中 部 ジャワ) 40 宗 教 比 率 イスラム 教 87.18% ヒンドゥー 教 1.69% プロテスタント 6.96% 仏 教 0.72% カトリック 2.91% 儒 教 0.05% (2010 年 国 勢 調 査 ) 東 南 アジア 最 大 級 の 規 模 を 誇 るイスティクラルモスク 最 大 の 宗 教 イスラムは 13 15 世 紀 にインド ペ ルシア( 現 イラン)から 渡 来 した 商 人 たちが 伝 導 師 となり スマトラ 島 北 部 のアチェに 伝 播 し ジャワ 島 やカリマンタン 島 スラウェシ 島 など 各 地 に 広 まっ た 人 口 の 90% 弱 の 約 2 億 人 に 上 り 世 界 最 大 のイ スラム 人 口 を 抱 える キリスト 教 集 団 礼 拝 の 様 子 カトリックはスペインやポルトガルによってもた らされ 大 航 海 時 代 に 信 仰 されるようになった プ ロテスタントを 合 わせると 人 口 の 約 10%の 約 2,000 万 人 がキリスト 教 徒 北 スマトラのほか インドネ シア 東 部 のフローレス 諸 島 やマルク 北 スラウェシ パプアに 信 者 が 多 い 仏 教 とヒンドゥー 教 インド 商 人 が 伝 えたとされる 仏 教 は 人 口 の 0.72% ヒンドゥーは 1.69%で バリ 島 の 人 口 の 90%がヒンドゥー 教 だ ジャカルタでは 東 南 アジア 最 大 級 のモスク イ スティクラル モスクとオランダ 植 民 地 時 代 の 1901 年 に 再 建 された 由 緒 あるカトリック 教 会 カテドラ ル( 大 聖 堂 )が 向 かい 合 う 国 是 多 様 性 の 中 の 統 一 を 掲 げるインドネシアにおける 宗 教 の 寛 容 性 の 象 徴 でもある
流 行 キーワードは スマホ マンガ 健 康 フェイスブックやツイッターに 夢 中 ブラックベリーも インドネシアはSNS(ソーシャ ル ネットワーキング サービス) 大 国 だ スマートフォンが 人 気 で ブラックベリーユーザーはアジア で1 位 フェイスブックのユーザー 数 は 約 4,000 万 人 で 世 界 4 位 (2012 年 8 月 下 旬 米 ソーシャルベーカー ズ)となっており ツイッターでは 2012 年 6 月 のジャカルタからのツ イートが 世 界 全 体 の 約 2.4%で 世 界 一 となった 背 景 には 1カ 月 10 万 ルピア 前 後 でインターネットが 使 い 放 題 ネット 通 信 を 介 した 文 字 通 信 が 無 料 という 価 格 設 定 人 とのつなが りを 大 切 にする 国 民 性 があると 言 われている 週 末 になると モールのカフェ に 集 まり インターネットを 楽 し んだり スマホの 内 蔵 カメラで 撮 っ た 写 真 をフェイスブックやツイッ ターを 通 じて 公 開 し 友 人 とのコ ミュニケーションを 図 る 公 開 する 写 真 を 美 しく 撮 るため のポージング 研 究 や 写 真 スポッ トの 研 究 も 欠 かさない この 流 れ で 写 真 ブームも 起 こりつつある インドネシアで 普 及 率 が 高 いブ ラックベリー 日 本 のサブカルチャーが 人 気 マンガにコスプレ 大 規 模 書 店 には 必 ずと 言 っていいほどあるマンガ コーナー 比 較 的 大 きなスペースが 割 かれており インドネシア 語 に 訳 された 日 本 のマンガが 主 流 だ インドネシアのマンガ 市 場 で 日 本 の 作 品 は 全 体 の 70%を 占 める 残 りは 欧 米 やタイ 韓 国 などの 作 品 だ NARUTO や ONE PIECE など の 最 新 のマンガのほか クレヨンしんちゃん や ドラえもん るろうに 剣 心 なども 根 強 い 人 気 で 若 い 世 代 を 中 心 に 愛 読 者 が 多 い イスラム 教 徒 の 割 合 が 高 いこともあり 高 いこともあり 風 俗 を 乱 し 得 ると 判 断 されたコマは 顔 をアップにしたり 身 体 に 泡 や 霧 をかけたりするなど 修 正 が 施 される アニメで 育 った 若 い 世 代 を 中 心 にコスプレも 人 気 マンガやテレビアニメのキャラクターのコス プレが 特 に 多 い 大 学 の 文 化 祭 などでもコスプレ ショーは 盛 り 上 がるイベントの 一 つだ ヘンシン( 変 身 ) センタイ( 戦 隊 ヒーロー) など 独 自 のコスプレ 分 類 も 作 られている 書 店 に 山 積 みにされて 販 売 されているマンガ コスプレをするインドネシア 人 女 性 41
暮 らし 健 康 ブーム 到 来 サイクリングにフィットネス 州 内 の 幹 線 道 路 で 導 入 が 広 がる 日 曜 日 の 歩 行 者 天 国 (カーフリーデー)には 多 くの 市 民 が 集 まる 人 口 が 密 集 するジャカルタは 歩 道 が 整 備 されていなかったり 公 園 が 少 なかったりしている 中 間 層 の 増 加 もあり 健 康 に 気 を 使 う 市 民 が 近 年 増 えており 歩 行 者 天 国 は 格 好 の 運 動 の 場 になっている 健 康 志 向 の 市 民 が 増 える 中 ブームになっているのが 自 転 車 だ 交 通 量 が 減 る 深 夜 や 日 曜 に 歩 行 者 天 国 を 走 る 市 民 が 増 加 している 販 売 店 も 至 るところに 見 られる ようになり 低 価 格 車 から 本 格 的 な 輸 入 品 のスピードバ イクまで 多 様 休 日 には 郊 外 で 運 動 や 趣 味 としてサイク リングを 楽 しむ 市 民 も 増 えてきた 富 裕 層 の 間 ではショッピングモール 内 に 入 居 する フィットネスクラブで 汗 を 流 す 習 慣 が 浸 透 ルームラン ナーやダンベルなどの 健 康 器 具 を 販 売 する 店 も 多 い ビ タミン 剤 などの 栄 養 補 給 剤 も 売 れている 庶 民 は 路 上 でバトミントン サッカーなどのスポーツを 行 い 楽 し みながら 運 動 している スディルマン 通 りのカーフリーデーでサイクリング を 楽 しむ 市 民 家 族 連 れや 友 人 グループが 多 い モールの 中 にあるフィットネスクラブ 若 者 多 く 教 育 熱 高 まる 人 口 における 若 年 層 の 比 率 が 高 く 所 得 水 準 の 上 昇 や 都 市 部 を 中 心 とした1 世 帯 における 子 どもの 数 の 減 少 を 背 景 に 教 育 熱 が 高 まっている 英 語 で 授 業 を 行 うインターナショナル 校 に 通 わせる 富 裕 層 が 増 加 し 塾 習 い 事 を 含 めた 教 育 市 場 が 急 速 に 拡 大 している 一 部 の 地 方 自 治 体 では 公 立 高 校 の 授 業 料 無 料 化 が 実 現 し 庶 民 の 間 でも 大 学 進 学 を 目 指 す 傾 向 が 出 ている 試 合 に 釘 付 け 屋 台 で 観 戦 も オランダ 統 治 時 代 のクラブ チームから 長 い 歴 史 を 持 ち 男 性 は 深 夜 生 中 継 される 欧 州 サッ カーの 試 合 に 釘 付 けになる ワー ルドカップなどの 大 会 では カ フェやワルン( 屋 台 )に 多 くの 人 が 集 まって 観 戦 する 様 子 が 見 られる 試 合 観 戦 をするファンたち 渋 滞 悪 化 でマスクの 販 売 増 進 学 説 明 会 の 様 子 朝 夕 のラッシュアワーでは 路 上 は 多 量 の 排 気 ガスが 排 出 さ れる オートバイやバスで 移 動 する 人 々にとっては マスクは 手 放 せないアイテムだ 無 地 の ものだけでなく 絵 や 模 様 入 り のマスクも 人 気 だ マスクをする 市 民 42