地 域 団 体 商 標 活 用 事 例 地 域 団 体 商 標 を 活 用 した 地 域 ブランド 振 興 の 事 例 025 これまで 発 刊 しました 冊 子 地 域 団 体 商 標 2008 ~ 2010 では 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 展 開 ブランド 管 理 の 事 例 を 合 計 36 件 御 紹 介 いたしました 冊 子 を 活 用 された 都 道 府 県 関 係 機 関 等 の 皆 様 方 から 活 用 事 例 紹 介 のさらなる 充 実 を 図 ってほしいとの 御 要 望 がありました そこで 今 回 2011 年 6 月 末 日 までの 登 録 案 件 合 計 478 件 の 中 から 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 展 開 ブランド 管 理 の 事 例 を 5 件 御 紹 介 いたします 本 活 用 事 例 が 地 域 団 体 商 標 の 活 用 さらに 地 域 ブランドの 発 展 につながるこ とを 期 待 しております 活 用 事 例 1. 市 川 のなし 市 川 の 梨 市 川 市 農 業 協 同 組 合 2. 市 田 柿 みなみ 信 州 農 業 協 同 組 合 下 伊 那 園 芸 農 業 協 同 組 合 3. 奥 美 濃 カレー 奥 美 濃 カレー 協 同 組 合 4. 泉 州 タオル 大 阪 タオル 工 業 組 合 5. みやざき 地 頭 鶏 みやざき 地 頭 鶏 事 業 協 同 組 合
026 商 標 : 市 川 のなし 商 標 登 録 第 5066922 号 商 標 : 市 川 の 梨 商 標 登 録 第 5066923 号 1. 組 合 等 ( 権 利 者 )の 紹 介 権 利 者 名 : 市 川 市 農 業 協 同 組 合 住 所 : 千 葉 県 市 川 市 北 方 町 4 丁 目 1352 番 地 2 号 2. 地 域 団 体 商 標 及 び 使 用 する 主 な 商 品 役 務 の 内 容 地 域 団 体 商 標 名 : 1 市 川 のなし 2 市 川 の 梨 商 標 登 録 番 号 : 1 第 5066922 号 2 第 5066923 号 指 定 商 品 又 は 役 務 : 千 葉 県 市 川 市 及 び その 周 辺 地 域 産 の 梨 3. 地 域 団 体 商 標 出 願 に 向 けての 取 り 組 み ⑴ 従 来 におけるブランド 保 護 の 取 り 組 み 市 川 の 梨 の 歴 史 は 古 く 江 戸 時 代 より 栽 培 され 千 葉 県 の 梨 栽 培 発 祥 の 地 であり 産 出 額 は 県 内 第 1 位 であります 従 来 使 用 していた 千 葉 の 梨 出 荷 容 器 を 平 成 2 年 に 現 在 の 容 器 に 変 更 し 市 川 の 梨 の 差 別 化 と 独 自 性 並 びにイメージアップを 図 りました ⑵ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 動 機 市 川 の 梨 は 京 浜 市 場 を 中 心 に 出 荷 され また 撰 果 場 や 個 々の 直 売 所 から 全 国 に 発 送 されていました そういう 中 で 地 域 団 体 商 標 登 録 制 度 を 知 り 市 川 の 梨 の 商 標 の 保 護 と 更 なる 市 川 の 梨 のブランド 化 を 図 る
027 ため 出 願 に 至 りました ⑶ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 準 備 弁 理 士 に 出 願 方 法 を 聞 き また 特 許 庁 に 何 度 か 足 を 運 び 提 出 する 書 類 資 料 等 を 確 認 しながら JA 職 員 が 出 願 いたしました ⑷ 地 域 団 体 商 標 出 願 に 際 し 苦 労 した 事 項 及 び 注 意 した 事 項 京 浜 市 場 の 評 価 は 高 いものの 県 外 周 知 等 の 裏 づけ 資 料 を 揃 えるのに 苦 労 しました 4. 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 管 理 及 びブランド 展 開 ⑴ ブランド 管 理 及 び 商 品 役 務 の 品 質 管 理 ( 管 理 手 法 体 制 等 ) 当 組 合 では JAいちかわ 果 樹 部 会 が 組 織 されており 各 地 域 より 役 員 を 選 出 し ブランド 管 理 並 びに 事 業 を 展 開 しています また 出 荷 容 器 へ 地 域 団 体 商 標 の 権 利 を 取 得 したことを 記 載 いたしました 出 荷 に 際 しては 共 同 撰 果 場 2 箇 所 を 含 め 出 荷 組 合 が15 組 合 あり それぞれの 組 合 に 検 査 員 が 設 置 され 毎 出 荷 時 に 品 質 検 査 を 行 なっています 今 後 も 生 産 技 術 を 高 め 品 質 管 理 及 び 出 荷 量 の 向 上 を 目 指 し 共 同 撰 果 場 の 効 率 運 営 を 図 る ため 取 り 組 んでまいります ⑵ ブランド 展 開 地 域 団 体 商 標 権 取 得 後 市 川 商 工 会 議 所 と 連 携 し ブランド 協 議 会 を 立 ち 上 げ 市 川 の 梨 のシンボルマークを 作 成 パンフ レット 並 びにのぼり 旗 や 梨 のシールとして PRに 活 用 しています それと 合 わせて 市 内 菓 子 業 組 合 と 協 力 し 市 川 の 梨 を 使 った 加 工 品 の 開 発 や 開 発 商 品 の 食 べ 歩 きマップ を 作 成 しました また 市 民 への 商 標 権 取 得 を 周 知 する 目 的 で 市 川 の 梨 の 無 料 配 布 と 試 食 会 を 毎 年 実 施 しています
028 5. 地 域 団 体 商 標 権 利 取 得 後 の 効 果 意 識 変 化 権 利 行 使 売 上 の 変 化 等 地 域 ブランド 市 川 の 梨 を 取 得 したことにより 今 まで 以 上 に 直 売 で の 地 元 消 費 量 はもとより 全 国 発 送 量 でも 目 覚 ましい 伸 びを 示 し 経 済 効 果 が 表 れています また シンボルマークの 使 用 による 市 川 の 梨 を 使 った 和 洋 菓 子 店 の どら 焼 き や スイーツ の 開 発 や 山 崎 製 パン の ご 当 地 ランチパック が 発 売 され 人 気 を 呼 ぶ 等 幅 広 く 商 標 が 有 効 活 用 され 地 域 経 済 に も 貢 献 できていると 思 われます このよう に 認 知 度 の 向 上 とブランド 力 が 強 化 され 市 川 の 梨 を 背 負 って 立 つ 若 い 後 継 者 の 人 たちが 自 発 的 に 市 川 の 梨 のブランド 推 進 計 画 の 検 討 をするなど ブランドに 対 する 意 識 も 向 上 しました 6. 今 後 地 域 団 体 商 標 を 出 願 する 者 に 対 してのアドバイス 出 願 に 際 し 関 係 者 ( 生 産 者 )の 理 解 がブランドの 維 持 並 びに 継 続 させる ためには 必 要 だと 思 います また 他 県 に 対 しての 周 知 度 を 証 明 する 資 料 収 集 が 重 要 な 商 標 権 取 得 条 件 となることから 下 準 備 をしっかりしておくこ とが 必 要 だと 思 います
029 商 標 : 市 田 柿 商 標 登 録 第 5002123 号 1. 組 合 等 ( 権 利 者 )の 紹 介 権 利 者 名 : みなみ 信 州 農 業 協 同 組 合 ( 長 野 県 飯 田 市 北 方 3852 番 地 22) 下 伊 那 園 芸 農 業 協 同 組 合 ( 長 野 県 飯 田 市 箕 瀬 町 1 丁 目 2454 番 地 3 ) URL :http://www.ja-mis.iijan.or.jp/ 2. 地 域 団 体 商 標 及 び 使 用 する 主 な 商 品 役 務 の 内 容 地 域 団 体 商 標 名 : 市 田 柿 商 標 登 録 番 号 : 第 5002123 号 指 定 商 品 又 は 役 務 : 長 野 県 飯 田 市 下 伊 那 郡 産 の 干 し 柿 3. 地 域 団 体 商 標 出 願 に 向 けての 取 り 組 み ⑴ 従 来 におけるブランド 保 護 の 取 り 組 み 市 田 柿 は 長 野 県 の 飯 田 市 下 伊 那 地 方 で 約 600 年 前 から 栽 培 される 渋 柿 で 下 伊 那 郡 市 田 村 ( 現 在 の 高 森 町 )に 多 く 見 られた 在 来 柿 で その 後 優 良 品 種 の 選 抜 や 栽 培 技 術 加 工 技 術 の 研 究 が 進 められ 地 域 の 名 産 市 田 柿 として 生 産 されてきました ⑵ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 動 機 豊 富 な 食 物 繊 維 上 品 な 甘 さを 備 えた 市 田 柿 は 手 頃 な 大 きさが 食 べやすさを 増 し 機 能 性 にあふれた 美 味 しさに 年 々 人 気 が 高 まる 中 中 国 産 市 田 柿 と 称 して 中 国 産 干 し 柿 が 流 通 されるようになりました この ことは 市 田 柿 の 人 気 知 名 度 が 高 まった 証 とも 言 えますが 産 地 とす れば 市 田 柿 のイメージを 失 墜 するものであり 地 域 の 名 産 市 田 柿 を 行 政 をはじめとし 生 産 販 売 する 事 業 者 が 一 体 となって 守 らなければな
030 らないと 出 願 に 至 りました ⑶ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 準 備 平 成 17 年 2 月 地 方 公 共 団 体 が 主 催 する 市 田 柿 振 興 懇 談 会 において 地 域 ブランドづく りの 検 討 が 行 われ 10 月 には 商 標 登 録 にむけ て 弁 理 士 による 制 度 学 習 会 を 開 催 しました 以 後 みなみ 信 州 農 業 協 同 組 合 及 び 下 伊 那 園 芸 農 業 協 同 組 合 による 代 表 協 同 申 請 として 弁 理 士 に 依 頼 申 請 書 類 の 準 備 を 進 めました ⑷ 地 域 団 体 商 標 出 願 に 際 し 苦 労 した 事 項 及 び 注 意 した 事 項 出 願 の 手 続 き 関 係 については 弁 理 士 との 打 合 せを 実 施 し 進 めたこと から 特 に 大 きな 問 題 等 はありませんでしたが 周 知 性 を 証 明 する 関 係 資 料 の 収 集 には 苦 慮 しました 4. 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 管 理 及 びブランド 展 開 ⑴ ブランド 管 理 及 び 商 品 役 務 の 品 質 管 理 ( 管 理 手 法 体 制 等 ) 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 とともに 市 田 柿 商 標 の 適 正 な 管 理 を 行 な うための 市 田 柿 商 標 管 理 委 員 会 を 設 置 また 市 田 柿 の 生 産 出 荷 販 売 に 携 わる 事 業 者 が 連 携 協 力 し 生 産 体 制 の 向 上 及 び 品 質 維 持 管 理 に 努 め ブランド 価 値 の 維 持 向 上 を 目 的 に この 趣 旨 に 賛 同 する 事 業 者 ( 商 標 使 用 締 結 事 業 者 ) 関 係 機 関 による 市 田 柿 ブランド 推 進 協 議 会 を 立 ち 上 げました 市 田 柿 商 標 管 理 委 員 会 では 市 田 柿 を 生 産 販 売 商 標 の 使 用 を 希 望 する 事 業 者 に 対 しては 商 標 使 用 に 関 する 協 定 申 請 書 を 提 出 してい ただき 市 田 柿 地 域 団 体 商 標 の 使 用 基 準 に 基 づき 書 類 審 査 事 業 所 審 査 を 実 施 した 上 で 認 可 商 標 使 用 とブランド 化 に 向 けた 取 組 み 協 定 を 締 結 しています 市 田 柿 ブランド 推 進 協 議 会 では 市 田 柿 品 質 の 維 持 向 上 と 加 工 食
031 品 としての 衛 生 管 理 体 制 ブランドとしての 意 識 高 揚 のため 年 2 回 ほど の 研 修 会 を 開 催 するとともに 毎 年 衛 生 管 理 マニュアル 衛 生 管 理 チェック 表 を 作 成 し 生 産 者 事 業 者 への 徹 底 を 図 っている また ブ ランドとして 一 定 の 基 準 以 上 のものを 市 田 柿 として 流 通 するよう 市 田 柿 品 質 基 準 を 作 成 するとともに ブランドとしての 品 質 向 上 生 産 者 間 のレベルアップを 目 的 に 毎 年 市 田 柿 品 評 会 を 開 催 しています ⑵ ブランド 展 開 ブランドとしての 意 識 品 質 統 一 にむけ 産 地 での 事 業 展 開 は 行 なってきましたが 消 費 地 にむけた 展 開 アピールに 商 標 取 得 当 初 は 欠 けていました 中 国 産 市 田 柿 の 対 応 もふまえ 地 域 団 体 商 標 のロゴマークを 作 成 使 用 基 準 に 基 づ いて 生 産 された 市 田 柿 へ 表 示 し 差 別 化 を 図 るとともに ポスター リーフレット 作 成 により 市 場 小 売 店 を 通 じ 消 費 地 へブラ ンドとしての 市 田 柿 アピールを 進 めてい ます また 海 外 販 売 も 実 施 する 中 中 国 香 港 台 湾 への 商 標 登 録 申 請 を 進 め 平 成 21 年 4 月 には 香 港 平 成 22 年 7 月 には 台 湾 で 商 標 登 録 ができました 5. 地 域 団 体 商 標 権 利 取 得 後 の 効 果 意 識 変 化 権 利 行 使 売 上 げの 変 化 等 商 標 権 取 得 により 生 産 者 及 び 生 産 販 売 する 事 業 者 間 での 連 携 ができ 産 地 が 一 体 となってブランドの 維 持 向 上 にむけ 意 識 統 一 と 事 業 展 開 が できるようになりました また 消 費 地 にむけてのアピールもあり 消 費 者 の 方 から 近 くのスー パーで 中 国 産 市 田 柿 が 売 られているが との 情 報 提 供 もいただき 消 費 地 においてもブランドとしての 市 田 柿 の 認 知 度 がより 一 層 高 まっ たものと 見 られます 中 国 産 市 田 柿 については 税 関 弁 理 士 弁 護 士 にも 相 談 し 行 政
032 的 行 使 は 見 合 わせておりますが 取 扱 い 市 場 小 売 店 等 には 地 域 団 体 商 標 の 説 明 と 名 称 について 消 費 者 が 混 同 しないようお 願 いしています 6. 今 後 地 域 団 体 商 標 を 出 願 する 者 に 対 してのアドバイス 地 域 団 体 商 標 を 出 願 するに 当 たって 苦 労 した 周 知 性 を 証 明 する 書 類 が 必 要 となり 市 場 量 販 店 等 への 依 頼 も 大 変 です 弁 理 士 と 相 談 する 中 早 めに 準 備 ができればと 思 います 出 願 までは 弁 理 士 等 に 相 談 して 進 められま すが 取 得 後 の 商 標 の 管 理 品 質 維 持 管 理 を どのように 誰 が 行 っていくのかが 大 変 かと 思 われます 出 願 準 備 と 併 せ 十 分 検 討 を 進 め ていくことも 必 要 かと 思 われます
033 商 標 : 奥 美 濃 カレー 商 標 登 録 第 5381834 号 1. 組 合 等 ( 権 利 者 )の 紹 介 権 利 者 名 : 奥 美 濃 カレー 協 同 組 合 住 所 : 岐 阜 県 郡 上 市 白 鳥 町 為 真 232( 事 務 局 ) 岐 阜 県 郡 上 市 白 鳥 町 中 津 屋 929( 登 記 上 ) URL :http://www.okuminocurry.com 2. 地 域 団 体 商 標 及 び 使 用 する 主 な 商 品 役 務 の 内 容 地 域 団 体 商 標 名 : 奥 美 濃 カレー 商 標 登 録 番 号 : 第 5381834 号 指 定 商 品 又 は 役 務 : 岐 阜 県 奥 美 濃 ( 郡 上 市 )における カレーの 提 供 3. 地 域 団 体 商 標 出 願 に 向 けての 取 り 組 み ⑴ 従 来 におけるブランド 保 護 の 取 り 組 み 1 店 舗 の 不 評 で 奥 美 濃 カレー 全 体 の 評 判 が 落 ちぬよう カレー 王 である パク 森 氏 をメニュー 開 発 顧 問 に 迎 え 厳 しい 認 定 制 度 を 作 り 品 質 向 上 に 努 めた ⑵ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 動 機 全 国 各 地 のグルメイベント 等 に 参 加 し 積 極 的 にPR 活 動 をした 結 果 知 名 度 があがったのだが 奥 美 濃 カレー に 似 た 名 前 を 使 う 業 者 が 増 え てきたため 保 護 しなければいけないと 思 った ⑶ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 準 備 品 質 の 維 持 管 理 はもとより さらなる 品 質 向 上 を 目 指 し 勉 強 会 等 を 開 いた さらに 知 名 度 アップのために 継 続 的 なマスコミリリースを 続 けた
034 ⑷ 地 域 団 体 商 標 出 願 に 際 し 苦 労 した 事 項 及 び 注 意 した 事 項 奥 美 濃 カレープロジェクト 実 行 委 員 として 活 動 してきた 5 年 間 の 活 動 を 示 す 資 料 の 収 集 や 各 認 定 店 の 地 域 ブランドに 対 する 意 識 の 高 揚 4. 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 管 理 及 びブランド 展 開 ⑴ ブランド 管 理 及 び 商 品 役 務 の 品 質 管 理 ( 管 理 手 法 体 制 等 ) 年 に 1 度 各 店 のカレーを 持 ち 合 って 味 の 確 認 をする 認 定 会 を 開 き 品 質 の 維 持 管 理 をしている 著 しく 味 が 落 ちている 場 合 は 認 定 を 取 り 消 す 事 もある ⑵ ブランド 展 開 取 得 前 は 個 々の 認 定 メニューを 中 心 に 売 っていたが 取 得 後 は 奥 美 濃 カレーひっちゃく 棒 等 の 共 通 メニュー を 開 発 し さらなる 知 名 度 アップに 繋 げている また 契 約 農 家 に 奥 美 濃 カレー 専 用 野 菜 を 栽 培 してもらい 地 産 地 消 を 目 指 したカレー 作 りに 心 がけている 5. 地 域 団 体 商 標 権 利 取 得 後 の 効 果 意 識 変 化 権 利 行 使 売 上 げの 変 化 等 加 盟 店 の 意 欲 が 高 まり 品 質 の 向 上 新 しいメニュー 開 発 が 増 えた マ スコミや 各 イベントからのオファーも 増 え PR 活 動 する 機 会 が 増 えた 地 元 の 人 からの 応 援 も 増 え 地 域 が 一 つになって 奥 美 濃 カレーを 全 国 にア ピールできるようになった 6. 今 後 地 域 団 体 商 標 を 出 願 する 者 に 対 してのアドバイス これから 地 域 団 体 商 標 に 登 録 しようとする 物 を 磨 き 関 係 者 等 の 意 識 を 高 める 意 識 改 革 が 必 要
035 また 近 隣 の 県 への 周 知 や いかに マスコミに 取 り 上 げてもらうかも 必 要 ではないかと 思 う
036 商 標 : 泉 州 タオル 商 標 登 録 第 5028951 号 1. 組 合 等 ( 権 利 者 )の 紹 介 権 利 者 名 : 大 阪 タオル 工 業 組 合 住 所 : 大 阪 府 泉 佐 野 市 市 場 西 1 丁 目 8 番 8 号 地 場 産 業 支 援 センター 1 F URL : http://www.os-towel.or.jp/ http://www.senshu-towel.jp/ 2. 地 域 団 体 商 標 及 び 使 用 する 主 な 商 品 役 務 の 内 容 地 域 団 体 商 標 名 : 泉 州 タオル 商 標 登 録 番 号 : 第 5028951 号 指 定 商 品 又 は 役 務 : 泉 州 産 のタオル 3. 地 域 団 体 商 標 出 願 に 向 けての 取 り 組 み ⑴ 従 来 におけるブランド 保 護 の 取 り 組 み 日 本 タオルの 発 祥 の 地 として 白 タオルを 中 心 に 発 展 し 産 地 では 品 質 管 理 や 標 準 タオル 等 規 格 品 の 基 準 を 設 けるなど 品 質 向 上 安 定 供 給 に 取 り 組 んできました 取 引 先 である 流 通 業 界 では 泉 州 産 や 泉 州 タオルと して 広 く 認 知 されていましたが 商 品 への 統 一 ブランド 表 示 は 無 く 取 引 先 商 標 や 個 々 企 業 がそれぞれで 商 標 表 示 を 行 っておりました そこで 平 成 17 年 に 地 域 名 泉 州 を 入 れた 統 一 的 なブランド 商 標 として 先 ずは 泉
037 州 こだわりタオル を 一 般 商 標 登 録 し 地 域 ブランドとして 具 体 的 な 取 組 み を 開 始 しました ⑵ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 動 機 輸 入 タオルが 激 増 し その 棲 み 分 けのために 産 地 の 統 一 商 標 の 設 置 が 急 務 となりました 輸 入 品 には 原 産 国 の 表 示 すらされていないものも 多 く 当 産 地 の 製 品 特 徴 をアピールするためにも 地 域 ブランド 化 が 重 要 であり 推 進 しました 平 成 16 年 度 に 産 地 商 標 ラベル 委 員 会 を 設 置 し 平 成 17 年 に 泉 州 こだわりタオル そして 平 成 18 年 地 域 団 体 商 標 制 度 ができ 直 ぐに 泉 州 タオル を 申 請 しました ⑶ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 準 備 商 標 出 願 は 全 て 事 務 局 で 行 いました そのため 特 許 庁 や 大 阪 府 特 許 情 報 センターなどに 相 談 指 導 をいただきました また 泉 州 タオル と しての 品 質 基 準 を 設 けるなど 地 域 ブランドの 環 境 を 整 えました ⑷ 地 域 団 体 商 標 出 願 に 際 し 苦 労 した 事 項 及 び 注 意 した 事 項 泉 州 タオル は 流 通 業 界 や 取 引 先 間 から 一 定 地 域 では 広 く 知 名 度 を 得 ておりましたが 法 人 需 要 やOEM 生 産 が 多 く その 周 知 性 を 具 体 的 に 証 明 するための 資 料 整 備 が 十 分 ではなく その 証 明 資 料 の 整 備 に 労 力 を 要 しました 4. 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 管 理 及 びブランド 展 開 ⑴ ブランド 管 理 及 び 商 品 役 務 の 品 質 管 理 ( 管 理 手 法 体 制 等 ) 平 成 16 年 度 より 組 合 委 員 会 として 設 けている 産 地 商 標 ラベル 委 員 会 により 泉 州 タオルの 品 質 基 準 と 商 標 の 使 用 規 定 を 設 け 安 心 安 全 で 高 品 質 なブランドへの 管 理 と 表 示 のあり 方 について 組 合 において 体 制 を 構 築 しました ⑵ ブランド 展 開 先 ずは 泉 州 タオル の 知 名 度 を 少 しでも 高 めるため 統 一 商 標 マーク により 組 合 員 が 商 品 に 表 示 ( 使 用 )することで 普 及 を 推 進 するよう 取 り 組
038 みました 丁 度 国 の 推 進 するJAPANブランド 育 成 支 援 事 業 に 大 阪 府 下 では 初 めて 採 択 され タオルに 添 付 するネームを 始 め シール( 証 紙 ) 梱 包 資 材 であるビニール 袋 やパッ キングケースに 泉 州 タオルロゴマークを 印 刷 したものを 作 成 し 組 合 員 の 一 斉 活 用 から 地 域 ブランドの 普 及 を 促 進 しました また 一 般 商 標 である 泉 州 こだわりタ オル は 泉 州 タオルのイメージ 向 上 のため こだわり を 基 準 に 加 味 し た 泉 州 こだわりタオルブランド 商 品 認 定 規 約 を 設 置 し プレミアムブ ランドとしての 品 質 基 準 を 設 置 し 展 示 会 を 開 催 するなど 市 場 からの 提 案 普 及 を 実 施 しています 5. 地 域 団 体 商 標 権 利 取 得 後 の 効 果 意 識 変 化 権 利 行 使 売 上 げの 変 化 等 組 合 員 の 共 通 ブランドとして 品 質 管 理 ブ ランド 育 成 意 欲 などへの 意 識 が 更 に 高 くな ると 共 に 泉 州 タオル の 知 名 度 が 上 が ることで 流 通 業 からの 指 名 も 多 くなり 現 時 点 では 年 間 約 2,000 万 枚 弱 の 泉 州 タオル の 商 標 表 示 で 出 荷 されており 現 在 も 増 加 しております また 泉 州 タオル の 普 及 から 地 域 ブランドとして 産 地 意 識 の 高 まりから 組 合 への 新 規 加 入 企 業 も 出 てき ました 6. 今 後 地 域 団 体 商 標 を 出 願 する 者 に 対 してのアドバイス 各 地 域 でこれまで 営 んでいた 優 れた 商 品 サービスであるからこそ 商 標 化 されるのであって 国 内 企 業 として 意 思 統 一 を 図 り 自 らが 商 品 の 特 徴 を アピールし 自 信 を 持 って 取 り 組 むことが 重 要 だと 思 います
039 7.その 他 地 域 ブランドの 推 進 は 地 域 の 活 性 化 まちおこしの 取 組 みです 今 後 とも より 良 いものづくりに 精 進 し 泉 州 タオル の 普 及 から 地 域 の 活 性 化 のために 取 り 組 みます 東 日 本 大 震 災 による 被 災 者 の 皆 様 には 心 よりお 見 舞 い 申 し 上 げます 被 災 地 の 一 日 も 早 い 復 興 と 被 災 者 皆 様 が 早 く 元 気 な 生 活 に 戻 れますこと を 心 よりお 祈 り 申 し 上 げま す
040 商 標 :みやざき 地 頭 鶏 商 標 登 録 第 5315957 号 1. 組 合 等 ( 権 利 者 )の 紹 介 権 利 者 名 :みやざき 地 頭 鶏 事 業 協 同 組 合 住 所 : 宮 崎 県 宮 崎 市 広 島 1 13 10 畜 産 会 館 URL :http://jitokko.net/ 2. 地 域 団 体 商 標 及 び 使 用 する 主 な 商 品 役 務 の 内 容 地 域 団 体 商 標 名 :みやざき 地 頭 鶏 商 標 登 録 番 号 : 第 5315957 号 指 定 商 品 又 は 役 務 : 地 頭 鶏 を 交 配 した 宮 崎 県 産 の 食 用 鶏 の 肉 3. 地 域 団 体 商 標 出 願 に 向 けての 取 り 組 み ⑴ 従 来 におけるブランド 保 護 の 取 り 組 み 平 成 8 年 に 生 産 者 行 政 等 により みやざき 地 頭 鶏 普 及 促 進 協 議 会 を 設 立 し 順 次 生 産 者 や 種 鶏 に 対 する 生 産 技 術 向 上 や 普 及 促 進 を 強 化 する とともに みやざき 地 頭 鶏 のひなが 部 外 者 に 流 通 しないようシステム( 規 約 等 )を 整 備 していった 平 成 20 年 度 からは 加 工 品 の 偽 装 表 示 を 防 止 するため 生 産 者 番 号 シー ル を 開 発 し 添 付 するとともに インターネットのホームページ 上 に 取 扱 店 ( 指 定 店 )を 記 載 することとした ⑵ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 動 機 みやざき 地 頭 鶏 は 平 成 2 年 にひな 供 給 が 開 始 されて 以 降 地 鶏 ブーム や 高 い 肉 質 の 評 価 を 受 けて 需 要 が 次 第 に 伸 びていった そのような 中 で 平 成 19 年 に 東 国 原 知 事 が 就 任 し 一 躍 宮 崎 県 の 地 鶏 が 注 目 を 浴 びるこ ととなったが 逆 に 多 種 多 様 な 商 品 が 市 場 に 出 回 ることとなり 県 内 外 に おいてみやざき 地 頭 鶏 の 偽 装 表 示 等 の 商 品 販 売 がなされる 危 険 性 が 大 きく
041 なった また 他 の 品 目 でも 偽 装 表 示 が 相 次 ぎ 一 方 では 外 国 産 の 野 菜 か ら 農 薬 が 検 出 されるなど 安 全 安 心 な 農 畜 産 物 の 生 産 供 給 が 喫 緊 の 課 題 となった そのため そのような 危 険 性 から みやざき 地 頭 鶏 ブランドを 守 り また 加 えて 有 利 販 売 を 促 進 する 目 的 から それまでに 商 標 登 録 ( 図 形 登 録 ) は 行 っていたが 地 域 団 体 商 標 を 出 願 することとなった ⑶ 地 域 団 体 商 標 出 願 の 準 備 農 林 水 産 先 端 技 術 産 業 振 興 センターが 主 催 する 農 林 水 産 知 的 財 産 講 習 会 に 参 加 したり 県 の 支 援 センター 等 に 相 談 した また 先 に 宮 崎 県 経 済 連 が 宮 崎 牛 の 地 域 団 体 商 標 を 取 得 していたた め 概 要 を 聞 き 取 りし 特 許 事 務 所 を 紹 介 してもらい 相 談 に 行 った ⑷ 地 域 団 体 商 標 出 願 に 際 し 苦 労 した 事 項 及 び 注 意 した 事 項 地 域 団 体 商 標 は 協 議 会 組 織 ( 任 意 団 体 )では 不 可 能 であり その 当 時 協 議 会 しか 組 織 がなかったため 生 産 者 の 協 同 組 合 組 織 を 作 る 必 要 が 生 じ 平 成 20 年 10 月 にみやざき 地 頭 鶏 事 業 協 同 組 合 を 設 立 した 地 域 団 体 商 標 出 願 のためには 隣 県 以 上 の 知 名 度 等 が 必 要 であるほか 種 々の 条 件 があり その 証 明 するものとしてどのような 資 料 を 提 出 すれば よいのか 苦 慮 した 4. 地 域 団 体 商 標 の 権 利 取 得 後 のブランド 管 理 及 びブランド 展 開 ⑴ ブランド 管 理 及 び 商 品 役 務 の 品 質 管 理 ( 管 理 手 法 体 制 等 ) みやざき 地 頭 鶏 の 素 ひなは 畜 産 試 験 場 川 南 支 場 で 種 鶏 の 管 理 をして 県 内 3 ひなセンターを 経 由 して 生 産 者 に 譲 渡 して おり 肥 育 出 荷 後 に 出 荷 報 告 を 各 生 産 者 から 毎 月 報 告 することになっているので 偽 物 が 流 通 する ことはない 出 荷 は 各 生 産 者 が 独 自 のルートで( 主 に 居 酒 屋 が 多 いが) 販 売 しているが その 際 の 鶏 肉 の 販 売 品 質 管 理 規 定 が 統 一 していないので 当 組 合 としては 今 年 度 出 荷 管 理 規 定 を 作 成 するこ とにしている
042 ⑵ ブランド 展 開 地 域 団 体 商 標 登 録 後 の 平 成 22 年 度 に 地 域 ブランド 戦 略 会 議 を 開 催 しプロジェクトを 作 成 し 生 産 から 販 売 まで 各 生 産 者 が 責 任 をもって 経 営 するよう 平 成 23 年 度 から 販 売 流 通 委 員 会 を 中 心 に 具 体 的 活 動 を 開 始 した 1 品 質 管 理 規 定 プロジェクトでは 飼 養 管 理 簿 の 整 備 ワクチンの 接 種 状 況 たい 肥 舎 の 整 備 状 況 鶏 肉 の 出 荷 状 況 の 悉 皆 調 査 を 実 施 し 飼 養 管 理 マニュアル とおりの 飼 養 管 理 を 指 導 すると ともに 出 荷 時 の 管 理 規 定 の 素 案 を 作 成 する 2 地 頭 鶏 ふわふわ 親 子 丼 プロジェ クトでは 宮 崎 市 内 の 指 定 店 の 親 子 丼 の 提 供 状 況 を 調 査 し 親 子 丼 マッ プを 制 作 し ホテル 旅 館 等 に 提 供 する 3 地 頭 鶏 2 羽 とりプロジェクトでは 1 m2 2 羽 という 広 々とした 飼 養 環 境 で 飼 われていることをアピールする 新 しいポスター パンフレッ トを 作 成 し 販 促 資 材 として 利 用 する 5. 地 域 団 体 商 標 権 利 取 得 後 の 効 果 意 識 変 化 権 利 行 使 売 上 げの 変 化 等 平 成 17 年 に 商 標 登 録 平 成 19 年 に 宮 崎 県 のブランド 商 品 に 認 定 され ているので 大 きな 意 識 の 変 化 はないが 平 成 20 年 度 に 行 政 主 体 の 協 議 会 に 加 えて 事 業 協 同 組 合 を 立 ち 上 げたのに 伴 い 自 主 的 な 販 売 体 制 が 出 来 上 がり 法 人 格 の 生 産 者 団 体 になり 全 国 展 開 により 売 上 が 伸 びてきてい る 6. 今 後 地 域 団 体 商 標 を 出 願 する 者 に 対 してのアドバイス 商 標 取 得 は 販 売 を 増 やすための 一 手 段 と 考 えて 本 質 的 には 良 質 の 物 を 生 産 する 各 生 産 者 の 日 常 的 努 力 組 織 力 を 活 かした 販 売 戦 略 が 不 可 欠 で
043 あり 東 日 本 大 震 災 の 影 響 で 景 気 が 下 降 して 行 く 中 でも 自 らの 商 品 に 自 信 を 持 って 生 産 販 売 を 行 っていく 意 識 行 動 があれば 自 ずと 地 域 団 体 商 標 の 効 果 は 出 てくると 確 信 している ブーム 性 を 狙 うのではなく 販 売 の 対 象 ( 職 業 地 域 男 女 年 齢 )を 明 確 に して 販 売 戦 略 を 立 て 緩 やかで 確 実 な 販 売 の 上 昇 を 狙 う 手 段 として 地 域 団 体 商 標 を 利 用 する 7.その 他 平 成 21 年 1 月 21 日 に 出 願 書 を 提 出 したが 登 録 されたのは 平 成 22 年 4 月 9 日 であった その 間 平 成 21 年 9 月 25 日 に 特 許 庁 より 拒 絶 理 由 通 知 書 が 示 され 11 月 4 日 に 意 見 書 を 提 出 したが その 間 拒 絶 理 由 である 商 標 の 周 知 性 がない ことへの 反 論 資 料 の 収 集 にかなりの 時 間 と 労 力 を 要 した 幸 い 宮 崎 県 庁 組 合 員 指 定 店 の 協 力 と 特 許 事 務 所 の 多 大 な 尽 力 により 地 域 団 体 商 標 を 取 得 することができた