第 2 章 法 と 共 生 模 擬 裁 判 劇 づくり 授 業 発 千 葉 大 学 大 学 院 人 文 社 会 科 学 研 究 科 三 浦 朋 子 第 1 節 授 業 研 究 の 目 的 裁 判 員 制 度 の 実 施 を 目 前 に 控 え 模 擬 裁 判 や 裁 判 員 制 度 を 扱 った 授 業 が 増 え 始 めている 将 来 子 どもたちが 裁 判 員 に 選 ばれる 可 能 性 は 十 分 にあり 制 度 について 知 っておくこと も 当 然 必 要 となる 裁 判 員 制 度 に 関 するアンケート 結 果 ( 注 1)によると 裁 判 員 として 参 加 したくない 数 は6 割 を 占 める なかでも 参 加 意 欲 の 低 い 者 ほど 心 理 的 な 不 安 の 比 重 が 増 すという 特 徴 があげられる ここで 心 理 的 不 安 の 具 体 的 な 要 因 は 様 々 考 えられようが そこにはやはり 制 度 そのものの 認 識 不 足 とともに 裁 判 や 法 に 関 する 知 識 を 待 っていない ということ また 判 決 を 下 す 責 任 の 重 さなど 知 識 と 経 験 不 足 によるものが 大 きいのでは ないかと 考 えられる これまで 千 葉 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 社 会 科 教 育 専 攻 では 平 成 17 年 から18 年 まで の 二 年 間 法 に 関 する 関 心 を 高 め 法 的 資 質 を 育 成 することをめざして 事 件 の 設 定 が 異 な る 二 つの 裁 判 員 制 度 体 験 プログラムが 作 成 された これは 子 どもたちが 大 学 院 生 演 じる 模 擬 裁 判 をみた 上 で 裁 判 員 になったつもりで 判 決 を 考 えるというもので それぞれ 小 学 校 と 中 学 校 において 実 践 が 行 われた 二 つの 教 材 は 子 どもたちが 裁 判 員 としての 役 割 を 体 験 することによって 事 実 認 定 や 量 刑 判 断 の 難 しさといった 裁 判 がもつ 本 質 的 な 特 徴 をつかむ 授 業 内 容 となっている 本 研 究 授 業 では それらの 成 果 もふまえ 今 度 は 子 どもたちが 裁 判 員 の 役 割 体 験 をする のではなく 裁 判 となる 事 件 そのものを 創 作 し 模 擬 裁 判 の 劇 を 作 るという 授 業 を 行 う また 劇 は 他 の 生 徒 や 保 護 者 に 向 けて 発 表 し 参 観 者 が 裁 判 員 になったつもりで 判 決 を 考 え る 活 動 までを 含 めている 模 擬 裁 判 を 扱 った 授 業 の 多 くは 授 業 実 践 者 が 話 の 筋 や 証 拠 となる 材 料 論 争 点 を 事 前 に 準 備 し 子 どもたちは 出 された 事 実 に 対 する 判 断 を 行 う 立 場 であった だが 本 授 業 では 子 どもたちが 事 件 の 設 定 や 証 拠 証 言 内 容 を 創 作 し 裁 判 を 組 み 立 てていく 立 場 となる さらに 劇 発 表 時 子 どもたちは 模 擬 裁 判 進 行 役 に 徹 し 参 観 者 に 対 して 裁 判 員 制 度 や 裁 判 を 説 明 したり 裁 判 によって 事 件 を 伝 えることが 中 心 となる 本 実 践 の 意 義 は 以 下 の 三 点 にあると 考 えられる 第 一 に 社 会 認 識 育 成 という 側 面 である 事 実 を 創 作 するということは 事 件 に 関 わる 様 々な 側 面 を 考 慮 しなければならない 例 えば 事 件 発 生 当 時 の 状 況 犯 行 動 機 事 件 や 被 疑 者 に 関 わる 様 々な 人 々の 存 在 など 自 分 が 直 接 体 験 したことのない 事 柄 に 対 する 想 像 力 を 働 かせるとともに 土 台 となる 社 会 のしくみや 現 状 の 問 題 点 なども 考 慮 する 必 要 がある そうして 現 実 社 会 が 抱 える 問 題 に 目 を 向 けさせていくことによって 子 どもたちが 現 に 持 っている 知 識 や 経 験 の 枠 をさらに 拡 げることにつながるはずである 第 二 に 事 実 の 中 から 判 断 に 必 要 な 情 報 を 見 抜 く 力 である 裁 判 をつくる 過 程 では 裁 -37-
判 官 や 裁 判 員 が 事 件 を 判 断 する 際 に 何 が 重 要 となるのかを 理 解 した 上 で それを 証 拠 や 証 言 によって 一 つひとつ 論 証 し 説 得 力 のある 主 張 を していかなければならない そう した 経 験 は 裁 判 以 外 に 別 の 問 題 を 考 えていくときにも 応 用 可 能 な 力 となるといえる 第 三 に 参 加 者 全 体 での 知 識 経 験 の 共 有 という 授 業 方 法 に 関 わる 点 である 劇 の 参 観 者 は 裁 判 の 意 味 や 判 断 の 難 しさ 裁 判 員 制 度 などについて 考 えることで 司 法 に 対 する 認 識 を 深 められ 演 じた 子 どもたちにとっても 第 三 者 の 評 価 や 意 見 は 自 己 の 考 えにつ いて 再 認 識 し 評 価 する 判 断 材 料 となりうる 本 論 では 以 上 の 点 について 授 業 実 践 から 得 られた 成 果 および 課 題 について 明 らかにし ていきたいと 考 える さらに 大 学 院 研 究 授 業 の 裁 判 員 体 験 プログラム も 含 め これまでの 裁 判 や 裁 判 員 制 度 に 関 する 実 践 の 総 括 として 以 下 の 二 点 についても 検 討 していきたい 一 つめに こうした 授 業 の 取 り 組 みが 生 徒 の 司 法 全 般 に 関 する 認 識 にどのような 影 響 を 与 えるのかという 点 である 裁 判 の 意 義 や 裁 判 における 法 曹 三 者 ( 裁 判 官 検 察 官 弁 護 士 )の 役 割 判 決 を 下 す 責 任 の 重 さといった 司 法 に 関 わる 本 質 的 な 理 解 について 生 徒 の 認 識 がどう 変 化 していくかについて 明 らかにしたい 二 つめに 事 件 に 関 する 事 実 を 証 言 や 証 拠 から 論 証 し 話 し 合 いによって 判 決 を 考 える 経 験 は 裁 判 員 に 選 ばれたときだけのためではなく 様 々な 場 面 で 生 きてくる 可 能 性 があ るのではないかという 点 である これらの 課 題 は 実 践 後 に 生 徒 へ 対 するアンケート 結 果 を 参 考 として 生 徒 の 変 化 を 分 析 するとともに これまでの 研 究 成 果 報 告 書 の 内 容 ともあわせて 検 討 したいと 考 える 注 ( 注 1) 最 高 裁 判 所 裁 判 員 制 度 の 制 度 設 計 等 に 関 する 調 査 研 究 報 告 書 - 裁 判 員 制 度 に ついてのアンケート の 実 施 と 分 析 概 要 版 平 成 18 年 3 月 -38-
第 2 節 教 材 研 究 1 事 前 アンケートの 概 要 および 分 析 結 果 今 回 扱 う 事 件 の 設 定 や 裁 判 および 裁 判 員 制 度 について 生 徒 の 考 えや 意 見 を 参 考 にする ため 法 と 共 生 ゼミを 受 講 する 生 徒 28 名 ( 一 年 生 19 名 二 年 生 5 名 三 年 生 4 名 ) を 対 象 に 事 前 アンケートを 実 施 した また 同 じアンケートを 大 学 生 (3 4 年 生 計 7 名 ) にも 行 った 質 問 項 目 は 以 下 の 通 りである 法 と 共 生 追 究 活 動 アンケート 模 擬 裁 判 の 劇 に 向 けて (1) 最 近 印 象 に 残 っている 刑 事 民 事 行 政 裁 判 や 事 件 はありますか その 中 でもし 模 擬 裁 判 劇 でやってみたいものがあれば をつけてください (2) 裁 判 は 難 しいと 思 いますか 思 う 思 わない( 理 由 も) (3)あなたは 裁 判 員 制 度 に 賛 成 ですか それとも 反 対 ですか 賛 成 反 対 ( 理 由 も) (4) 裁 判 員 をやってみたいですか やりたい やりたくない( 理 由 も) (1) 印 象 に 残 っている 事 件 で 多 かったのは 地 下 鉄 サリンや 飲 酒 運 転 和 歌 山 の 毒 入 り カレーの 事 件 を 挙 げている 生 徒 が 多 かった また この 時 期 ちょうどニュースで 取 り 上 げ られることが 多 かった 親 子 間 の 殺 人 事 件 について 回 答 する 生 徒 が 多 い 秋 田 の 畠 山 被 告 の 事 件 や 娘 が 父 親 を 斧 で 殺 害 した 事 件 などである 回 答 結 果 から 生 徒 の 中 に 強 く 印 象 に 残 るのは 日 頃 ニュースで 流 れる 事 件 の 中 でも 衝 撃 的 な 事 件 や 残 忍 なものなどが 多 い また 裁 判 判 決 よりも 最 近 起 きた 事 件 に 注 目 して いる この 点 大 学 生 の 回 答 は 冤 罪 になった 裁 判 など 判 決 に 注 目 した 回 答 が 多 かった これまで 模 擬 裁 判 を 扱 った 学 習 では 小 学 生 や 中 学 生 対 象 ということを 考 慮 して 殺 人 など 残 忍 性 の 強 い 事 件 については 扱 うことを 避 けてきた 傾 向 がある だが 最 近 親 子 間 の 殺 人 事 件 が 多 く 生 徒 も 注 目 していることから 家 庭 内 暴 力 を 扱 った 事 件 で 設 定 することを 選 択 肢 の 一 つに 考 えた (2) 裁 判 は 難 しいと 思 うか 思 う24 名 (1 年 生 16 名 2 年 生 4 名 3 年 生 4 名 ) 思 わない4 名 (1 年 生 3 名 2 年 生 1 名 ) < 思 う と 答 えた 理 由 として> 判 決 を 出 すことが 難 しい 被 告 人 の 人 生 を 決 めてしまうから 人 の 意 見 がふつうは 一 致 しないものなので 答 え( 罪 )はないから -39-
自 分 の 感 情 で 決 めず 真 実 を 見 出 さなくてはいけないから 被 告 人 と 被 害 者 の 気 持 ちを 考 えないといけないから 回 答 では 判 決 を 決 める 際 の 判 断 の 難 しさや 影 響 力 に 着 目 している 生 徒 が 大 半 であった これは 裁 判 傍 聴 や 弁 護 士 裁 判 官 と 直 接 交 流 した 影 響 が 大 きいのではないかと 考 えられる また 事 前 学 習 の 効 果 によって 用 語 などの 難 しさをあげている 生 徒 は2 名 のみであった (3) 裁 判 員 制 度 に 賛 成 か 反 対 か 賛 成 25 名 (1 年 生 17 名 2 年 生 4 名 3 年 生 4 名 ) 反 対 3 名 (1 年 生 2 名 2 年 生 1 名 ) < 賛 成 理 由 > いろいろな 人 の 意 見 を 取 り 入 れることはよい 偏 った 視 点 で 人 を 裁 くことがなくなる 裁 判 の 考 え 方 が 変 わるから みんなが 裁 判 の 大 変 さについてよくわかる 機 会 になりそうだから 見 落 としやすい 事 も 立 場 の 違 う 人 が 大 勢 いれば 気 付 きやすいから < 反 対 理 由 > もっと 法 律 を 知 っていたほうがよい 裁 判 は 神 聖 なものであり 法 が 絶 対 の 社 会 に 無 知 な 者 をとりいれるべきではない 裁 判 に 時 間 がかかり 過 ぎそうだから 賛 成 が 圧 倒 的 多 数 であった 生 徒 は 法 律 を 知 らないことよりも 様 々な 意 見 を 取 り 入 れ ることによって よりよい 裁 判 になること 裁 判 員 制 度 が 裁 判 を 知 る 機 会 になることに 着 目 している これまでの 学 習 が 裁 判 に 対 する 壁 を 低 くし 直 接 参 加 することの 意 義 を 認 識 し ているといえる (4) 裁 判 員 をやってみたいですか やりたい22 名 (1 年 生 17 名 2 年 生 2 名 3 年 生 3 名 ) やりたくない6 名 (1 年 生 2 名 2 年 生 3 名 3 年 生 1 名 ) <やりたい 理 由 > 1 年 生 裁 判 がどんなものか 理 解 できるから 裁 判 官 の 立 場 になってみたい 裁 判 に 参 加 するとニュースとは 違 うことがわかると 思 うから 裁 判 をやってその 人 の 気 持 ちを 知 りたい よい 経 験 になる 現 場 をみたい 楽 しそうだから いろいろな 事 を 考 え 他 の 人 の 立 場 になって 一 緒 に 判 決 を 出 すのはためになると 思 う 自 分 の 判 断 と 相 手 の 判 断 の 違 いなどを 感 じたいから 法 にふれることができるから 事 件 のことを 真 剣 に 考 えられる 3 年 生 裁 判 に 興 味 が 持 てるし 参 加 できることが 何 かに 役 立 ってくれると 思 うから 政 治 や 世 の 中 を 考 えるいい 機 会 だから <やりたくない 理 由 > 被 告 人 の 人 生 を 左 右 し 運 命 を 決 めるとなると 荷 が 重 すぎるから 仕 事 などがあるから -40-
全 体 として 生 徒 の 司 法 に 対 する 興 味 関 心 は 非 常 に 高 い もともと 附 属 中 全 校 生 徒 の 中 か ら この 法 と 共 生 のゼミを 希 望 してきており 意 欲 的 な 生 徒 たちである さらに 前 時 ま でに 行 ってきた 裁 判 員 制 度 の 学 習 や 裁 判 傍 聴 の 果 たした 役 割 はとても 大 きい 二 回 の 傍 聴 を 経 て 早 く 自 分 たちで 裁 判 をやってみたいと 感 じる 生 徒 たちの 楽 しみにしている 様 子 が 見 てとれた そうしたことから (3) 裁 判 員 制 度 に 賛 成 (4) 裁 判 員 をやりたい と 回 答 している 生 徒 が 一 年 生 19 名 中 13 名 いる 2 年 生 1 名 と3 年 生 3 名 を 合 わせると 全 体 では28 名 中 17 名 である とくに 1 年 生 は まだ 公 民 分 野 の 学 習 をしていないが こう した 関 心 の 高 さが 逆 に 裁 判 を 安 易 に 考 え 判 断 の 難 しさなど 実 感 としてはとらえきれて いないのではないかとも 考 えられる 2 事 件 の 設 定 前 述 のアンケート 結 果 から 二 つの 事 件 案 を 考 えた 一 つは 両 親 が 家 庭 内 暴 力 をふる う 息 子 を 殺 害 した 事 件 である これは 実 際 に 起 きた 話 で 判 例 データベースなど 資 料 も 豊 富 に 揃 う もう 一 つは 娘 と 二 人 暮 らしで 生 活 苦 の 母 親 がはたらいた 万 引 き 事 件 である これも 似 たような 事 件 はたくさんある 実 際 の 事 件 や 裁 判 がいかに 重 く 判 断 が 難 しいか ということを 知 るには 前 者 の 殺 人 事 件 を 取 り 上 げてみるのもよいのではないかと 思 われ る しかし 最 終 的 には 後 藤 先 生 と 相 談 の 結 果 生 徒 にとって 考 えやすく 現 実 の 社 会 事 象 との 関 連 などとも 結 びつけて 考 えられるテーマとして 後 者 の 万 引 き 事 件 を 選 択 した 前 者 は 親 子 間 の 関 係 について 考 えさせるという 要 素 を 持 っていたが テーマがあまりに も 重 く また 殺 人 事 件 は 生 々しく やはり 扱 うことが 難 しいという 判 断 の 結 果 であった よって 今 回 の 模 擬 裁 判 劇 づくりでは 窃 盗 罪 に 関 わる 万 引 き 事 件 を 取 り 上 げることとした 3 教 材 の 準 備 作 成 教 材 として 以 下 のものを 準 備 し 活 用 した (1) 千 葉 県 弁 護 士 会 作 成 裁 判 ウォッチングテキスト (2) 平 成 17(2005) 年 度 大 学 院 授 業 研 究 において 使 用 した 模 擬 裁 判 用 台 本 (3) 万 引 き 被 害 に 関 する 資 料 ( 出 典 : 東 京 都 万 引 被 害 実 態 調 査 アンケート 結 果 ( 修 正 版 ) 平 成 16 年 7 月 より 抜 粋 ) (4) 母 子 世 帯 の 生 活 状 況 に 関 する 資 料 ( 以 下 の 参 考 資 料 をもとに 作 成 ) 1 厚 生 労 働 省 白 書 平 成 18 年 度 母 子 家 庭 の 母 の 就 業 支 援 策 の 実 施 状 況 2 ワーキングプア= 母 子 家 庭 の 実 情 を 知 ってください! 平 成 18 年 3 月 13 日 実 施 の 参 議 院 議 員 会 館 院 内 集 会 発 言 資 料 3 厚 生 労 働 省 生 活 保 護 制 度 の 現 状 等 について 生 活 保 護 費 及 び 児 童 扶 養 手 当 に 関 す る 関 係 者 協 議 会 における 提 出 資 料 平 成 17 年 4 月 20 日 ) (5)ワークシート1 事 件 の 基 本 設 定 と 大 まかな 事 実 を 考 えよう (6)ワークシート2 具 体 的 な 事 実 を 考 えよう (7)ワークシート3 裁 判 での 証 言 内 容 を 考 えよう (8) 模 擬 裁 判 台 本 <セリフ 作 成 用 > (9) 模 擬 裁 判 台 本 < 本 番 用 > (10) 評 決 の 流 れおよび 判 決 用 紙 -41-
第 3 節 模 擬 裁 判 劇 づくり 学 習 指 導 案 単 元 名 模 擬 裁 判 劇 づくり 1 単 元 について 本 単 元 は 生 徒 たちが 事 件 の 内 容 を 考 え 模 擬 裁 判 劇 を 作 り 上 げていくという 活 動 を 中 心 とする 生 徒 は 前 時 までに 裁 判 員 制 度 の 学 習 や 裁 判 傍 聴 を 二 回 行 っており 裁 判 に 関 する 手 続 的 な 流 れ 法 曹 三 者 の 役 割 など 司 法 に 関 する 基 本 的 な 知 識 は ある 程 度 理 解 して いることを 前 提 とする そこで 本 単 元 では おもに 事 件 の 内 容 や 裁 判 でのセリフをグルー プごとに 話 し 合 いながら 裁 判 を 組 み 立 てていき それらを 通 して 事 件 の 背 景 となる 社 会 事 象 の 理 解 や 事 件 の 様 々な 場 面 を 想 定 する 中 で 裁 判 において 重 要 となる 事 実 や 主 張 す べき 点 はどこかを 考 えさせていきたい 事 件 は 生 徒 が 一 から 考 えるのではなく 生 徒 に 対 する 事 前 アンケートの 結 果 を 考 慮 した 上 で 万 引 き 事 件 を 題 材 としている 事 件 の 概 要 については 授 業 者 からいくつかのキー ワード( 万 引 き 母 子 家 庭 母 親 の 病 気 など)を 提 示 する 生 徒 は それ 以 外 の 事 件 に 関 する 具 体 的 な 事 実 ( 盗 んだ 品 物 や 発 生 時 の 状 況 登 場 人 物 など)について 自 由 に 考 える クラスを2グループに 分 け それぞれが 細 かい 事 実 を 創 作 していくため キーワードは 共 通 しているが 内 容 次 第 で 事 件 の 印 象 は 大 きく 異 なることが 予 想 される どの 部 分 に 重 点 をおいて 事 実 を 創 作 していったのかは 裁 判 の 論 点 にもかかわるものであり 実 践 後 の 分 析 対 象 としたい さらに 本 単 元 で 重 要 な 意 義 を 持 つのが 単 元 最 後 に 行 われる 劇 発 表 の 場 である ここで は 劇 を 参 観 しにきた 保 護 者 や 他 クラスの 生 徒 に 裁 判 員 としての 役 割 を 体 験 してもらう 劇 をみて 量 刑 や 判 決 理 由 を 考 えてもらうという 経 験 は これらの 人 々に 対 しても 裁 判 や 裁 判 員 制 度 の 意 義 役 割 についての 認 識 を 深 める 効 果 が 期 待 される また 劇 を 演 じる 生 徒 た ちにとっても 第 三 者 の 客 観 的 な 評 価 や 感 想 は 自 分 たちの 取 り 組 みの 意 義 や 反 省 点 を 自 覚 化 する 材 料 になると 考 えられ こうした 効 果 についても 検 討 していきたい 2 単 元 全 体 目 標 裁 判 傍 聴 や 資 料 から 裁 判 の 手 続 き 的 な 流 れをつかみ 公 平 公 正 な 裁 判 を 実 現 するため ルールに 沿 った 手 続 が 重 要 なことを 理 解 する 模 擬 裁 判 の 台 本 を 作 る 過 程 を 通 して 被 告 人 被 害 者 双 方 の 権 利 や 社 会 にとっての 裁 判 や 判 決 の 意 味 を 理 解 する 事 件 内 容 を 創 作 する 手 がかりとして 現 実 の 社 会 問 題 や 状 況 を 理 解 し 実 際 の 社 会 の 動 きについて 社 会 認 識 を 深 める 犯 行 動 機 や 事 件 当 時 の 状 況 など 情 状 酌 量 に 関 する 判 断 の 分 かれる 場 面 をいくつか 想 定 しながら 事 件 を 考 えることで 被 告 人 や 被 害 者 など 事 件 当 事 者 の 思 いや 他 の 人 と 自 分 と の 考 え 方 の 違 いを 認 識 することができる 劇 発 表 および 参 観 者 の 反 応 を 参 考 に 本 時 の 取 り 組 み 全 体 や 裁 判 裁 判 員 制 度 に 対 する 自 己 の 考 えを 適 切 に 表 現 することができる -42-
3 指 導 計 画 ( 授 業 全 14 時 間 および 共 生 発 表 会 ) 1 裁 判 の 流 れを 知 ろう 10 月 23 日 3 4 校 時 2 事 件 について 考 えよう~ 事 実 編 1 11 月 6 日 5 6 校 時 3 事 件 について 考 えよう~ 事 実 編 2 11 月 13 日 3 4 校 時 4 事 件 について 考 えよう~ 裁 判 証 言 編 11 月 21 日 5 6 校 時 5 模 擬 裁 判 劇 台 本 づくり1 11 月 27 日 5 6 校 時 6 模 擬 裁 判 劇 台 本 づくり2 11 月 29 日 5 校 時 7 評 決 までの 流 れ 発 表 練 習 11 月 30 日 5 6 校 時 8 共 生 発 表 会 12 月 1 日 終 日 9 学 習 のふり 返 り 12 月 4 日 6 校 時 4 授 業 1 裁 判 の 流 れを 知 ろう (10 月 23 日 3 4 校 時 ) 本 時 の 目 標 裁 判 の 基 本 的 な 手 続 の 流 れを 確 認 する 大 学 院 生 によって 以 前 作 成 された 劇 の 台 本 を 読 んで 模 擬 裁 判 に 関 するイメージをもつ 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 留 意 点 資 料 導 入 今 後 の 活 動 について 模 擬 裁 判 劇 づくりのねらい と 活 動 の 進 め 方 を 把 握 する プリント 配 布 模 擬 裁 判 劇 づくりのねらいを 提 示 (1) 裁 判 傍 聴 や 資 料 から 裁 判 の 手 続 き 的 な 流 れをつかみ 公 平 公 正 な 裁 判 を 実 現 するため ルールにそった 手 続 が 重 要 なことを 理 解 する (2) 模 擬 裁 判 の 台 本 を 作 る 過 程 を 通 して 被 告 人 被 害 者 双 方 の 権 利 や 社 会 にとっての 裁 判 や 判 決 の 意 味 を 理 解 する (3) 情 状 酌 量 や 殺 意 の 認 定 など 判 断 が 分 か れる 場 面 を 想 像 しながら 事 件 を 考 えることに よって 被 告 人 や 被 害 者 など 事 件 当 事 者 の 気 持 ちを 考 えたり 他 の 人 と 自 分 との 考 え 方 の 違 い を 認 識 することができる 模 擬 裁 判 のねら いと 今 後 の 追 究 活 動 の 流 れを 書 いた プリント ま と め 台 本 を 読 んでみよう 模 擬 裁 判 劇 のイメージをつ かむ 裁 判 手 続 の 流 れを 確 認 する 次 回 への 導 入 これからどのような 事 件 を 考 えていくか 知 る 台 本 配 布 台 本 を 全 員 で 読 み 合 わせながら 適 宜 裁 判 手 続 上 重 要 となるポイントについて 解 説 する 1 冒 頭 手 続 き( 起 訴 状 朗 読 黙 秘 権 の 告 知 意 見 陳 述 ) 2 証 拠 調 べ 手 続 き( 冒 頭 陳 述 証 拠 調 べ 証 人 尋 問 ) 3 弁 論 手 続 ( 論 告 求 刑 検 察 官 弁 論 弁 護 人 被 告 人 の 最 終 陳 述 ) 4 判 決 言 い 渡 し 事 前 アンケートの 結 果 などから 万 引 き 事 件 に ついて 考 えていくことを 伝 える 平 成 17 年 度 大 学 院 生 作 成 の 模 擬 裁 判 用 台 本 千 葉 県 弁 護 士 会 作 成 裁 判 ウォッ チングテキスト -43-
2 事 件 について 考 えよう~ 事 実 編 1 (11 月 6 日 5 6 校 時 ) 本 時 の 目 標 事 件 のキーワードとなる 事 実 を 理 解 し それをふまえて 事 件 の 具 体 的 な 事 実 について 創 作 する 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 前 時 のふり 返 り 前 回 学 習 した 裁 判 手 続 の 流 れを 思 い 出 す 前 時 の 配 布 物 や 板 書 内 容 をみて 裁 判 手 続 の 流 れを 確 認 するよう 促 す 事 件 の 共 通 設 定 を 見 てみよう ワークシート1 配 布 ワークシート1 < 事 件 の 設 定 > 生 活 に 困 った 母 親 が 9 歳 の 娘 の ために 万 引 きを 行 った 働 きづめ の 母 親 は 無 理 がたたって 病 気 が ちになり 仕 事 も 休 み 続 けてい た そんな 矢 先 お 金 に 困 っての 犯 行 であった じつはこの 母 親 に は 6 年 前 にも 窃 盗 の 罪 で 前 科 が あった 事 件 の 設 定 を 提 示 し キーワードとなる 事 実 に 注 目 させる 用 語 を 解 説 する 窃 盗 罪 ( 刑 法 235 条 )10 年 以 下 の 懲 役 または50 万 円 以 下 の 罰 金 前 科 過 去 に 何 らかの 罪 を 犯 して 刑 務 所 に 入 っていたこと 事 件 のキーワードを 確 認 しよう ( 生 活 苦 9 歳 の 娘 病 気 がちの 母 窃 盗 罪 の 前 科 ) 事 実 を 考 えていく 際 キーワードが 前 提 と なることを 確 認 させる 事 件 の 細 かい 事 実 を 考 えよう 事 件 当 時 の 状 況 ( 場 所 盗 んだ 品 物 犯 行 の 様 子 など)を 考 え 話 し 合 いな がら 記 入 していく 2グループに 分 かれ 話 し 合 いを 始 め 議 事 進 行 役 生 徒 を 中 心 に 進 めさせる 話 し 合 いの 内 容 がぶれたり キーワード を 見 落 としている 場 合 に 助 言 を 行 う ま と め それぞれのグループでどんなことが 決 まったか 確 認 する 話 し 合 いを 一 旦 中 断 し 次 時 でワークシー トの 続 きを 埋 めていくことを 伝 える -44-
3 事 件 について 考 えよう~ 事 実 編 2 (11 月 13 日 3 4 校 時 ) 本 時 の 目 標 事 件 設 定 の 背 景 に 含 まれる 万 引 き 被 害 の 実 態 や 母 子 世 帯 生 活 状 況 などの 社 会 問 題 について 理 解 する 様 々な 場 面 を 想 像 しながら 事 件 の 具 体 的 事 実 について 考 える 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 前 時 の 確 認 この 前 決 めたことはどんなことだったかワー クシートを 見 ながら 思 い 出 すよう 促 す 1 実 際 の 社 会 から 事 件 のヒン トを 得 るため 現 実 の 社 会 問 題 や 状 況 を 理 解 しよう 二 つの 資 料 を 配 付 事 件 の 背 景 となる 社 会 的 要 因 に 注 目 させる 万 引 きの 被 害 実 態 について 万 引 き 事 件 はどれくらい 起 きているのだろう 被 害 の 大 きさはどれくらい になるのだろう 配 付 資 料 から 万 引 き 事 件 がどれくらい 起 きて いるのか 読 み 取 るよう 指 示 する 年 間 総 売 上 の1%の 被 害 被 害 の 大 きさについ て 説 明 する < 粗 利 益 = 売 上 高 - 売 上 げ 原 価 > 例 えば 千 円 の 品 物 を 九 百 円 で 仕 入 れたとする と 粗 利 益 は 百 円 これを 一 つ 盗 まれると 店 は 千 円 の 品 物 を 十 個 売 らないと 損 害 回 復 できない 自 分 が 買 い 物 に 行 ったときなどを 思 い 出 しな がら 考 えるよう 促 す 万 引 き 被 害 に 関 する 資 料 ( 東 京 都 万 引 被 害 実 態 調 査 アンケート 結 果 ( 修 正 版 ) 平 成 16 年 7 月 より) 店 はどんな 万 引 きの 対 応 策 を 講 じているだろうか 監 視 カメラ 保 安 員 防 犯 ゲートの 設 置 など 資 料 から 読 み 取 る 店 側 は 行 政 や 警 察 に 対 して どのような 要 望 を 行 っている のだろう 罰 則 強 化 や 取 締 りの 強 化 など 事 件 設 定 の 中 で 母 子 世 帯 に 注 目 させ 生 活 の 実 際 について 考 えさせる 資 料 から 読 み 解 く 母 子 世 帯 生 活 状 況 について 父 子 家 庭 と 母 子 家 庭 の 平 均 年 収 の 差 はどれくらいか 父 子 家 庭 = 約 400 万 円 母 子 家 庭 = 約 170 万 円 その 差 230 万 円 資 料 をみて 考 えさせる 本 時 の 事 件 の 場 合 仮 に 生 活 保 護 をもらってい たならば13 万 円 程 度 受 け 取 ることができる ただし 生 活 保 護 を 受 けていると 情 状 酌 量 がえ られないため 今 回 は 事 実 には 含 めず 考 える 母 子 世 帯 の 生 活 状 況 に 関 する 資 料 母 子 家 庭 の 預 貯 金 額 として 50 万 円 未 満 が 多 いのはなぜ だろう ヒント 国 からあるお 金 をもらうため -45-
生 活 保 護 を 受 け 取 るには 持 っている 資 産 を 使 い 切 らない といけないため 生 活 に 関 する 二 つの 証 言 か ら 問 題 点 は 何 か 考 えよう 2 事 件 の 具 体 的 事 実 を 考 えよ う 足 りない 事 実 を 補 いながら 表 をうめていこう 犯 行 日 時 場 所 盗 んだ 品 物 ( 金 額 ) 犯 行 方 法 犯 行 の 動 機 犯 行 発 覚 時 の 状 況 ( 逮 捕 時 の 具 体 的 な 様 子 ) 証 拠 ( 盗 んだ 品 物 や 犯 行 に 使 用 されたものなど) 証 人 (どんな 証 言 者 を 呼 べばよいか) その 他 裁 判 で 重 要 となり そうな 事 実 ( 自 由 記 入 ) ワークシート2 配 布 前 回 までに 決 めたことを 確 認 し 引 き 続 き 裁 判 で 必 要 となる 事 実 を 考 えていくよう 指 示 する 議 事 進 行 役 が 中 心 となって グループ の 意 見 を 聞 きながら 進 める 1での 資 料 も 参 考 にしながら 罪 の 重 さや 追 い 込 まれたときのつらさな どを 想 像 するよう 助 言 する 被 疑 者 と 店 側 の 間 で 立 場 を 変 えなが ら 考 えさせる ワークシート2 ま と め 各 グループとも 本 時 で 決 めた 事 実 を 整 理 し 次 時 の 活 動 を 確 認 する 次 回 はグループ 内 での 配 役 裁 判 での 被 告 人 や 証 人 の 証 言 内 容 を 考 えていくことを 伝 える 4 事 件 について 考 えよう~ 裁 判 証 言 編 (11 月 21 日 5 6 校 時 ) 前 科 について 本 時 の 目 標 検 察 官 と 弁 護 士 の 立 場 の 違 いを 理 解 しながら 証 人 の 裁 判 での 証 言 内 容 を 考 える 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 1 前 時 の 確 認 最 初 の 事 件 設 定 の 確 認 前 科 について 前 科 って 何 だろう 刑 務 所 に 入 っていたこと 罪 を 犯 したことがあること グループごとにワークシート2をみて 前 回 ま でに 決 めた 事 実 を 思 い 出 す 事 実 設 定 でキーワードとなる 前 科 に 注 目 させ 判 決 を 決 めるときに 重 要 な 判 断 材 料 になるこ とに 気 づかせる 思 い 浮 かんだことを 自 由 に 答 えさせた 後 説 明 < 前 科 >これまでに 裁 判 で 刑 の 言 い 渡 しを 受 けた 事 実 があること ( 法 律 用 語 ではない) 前 科 があると 一 定 の 制 限 を 受 ける それはどんなことだろう ヒントを 与 えながら 考 えさせる 細 かい 点 は 説 明 する -46-
< 前 科 による 権 利 の 制 限 > 1 選 挙 権 被 選 挙 権 禁 固 以 上 の 刑 で 服 役 中 の 人 ( 執 行 猶 予 除 く) 収 賄 など 選 挙 に 関 する 罪 で 刑 に 処 せられ た 者 ( 刑 の 終 了 または 免 除 から 選 挙 権 5 年 被 選 挙 権 10 年 ) 2 公 務 員 3 弁 護 士 や 医 師 などの 国 家 資 格 前 科 の 記 録 は どう 保 管 され ているのだろう 事 件 設 定 で 前 科 が 重 要 なことを 確 認 する 説 明 する < 検 察 庁 の 犯 歴 係 > 確 定 した 刑 の 内 容 ( 刑 確 定 日 裁 判 所 刑 名 刑 期 罪 名 終 了 日 ) について 本 人 が 亡 くなるまで 保 管 される < 市 区 町 村 の 犯 罪 人 名 簿 > 選 挙 権 に 関 わ るため 犯 歴 者 の 本 籍 住 所 を 把 握 する 目 的 刑 の 種 類 によって 一 定 期 間 後 抹 消 ワークシート1の 共 通 設 定 で 母 親 は 6 年 前 にも 窃 盗 の 罪 で 前 科 があった という 記 述 をも う 一 度 確 認 させる 前 科 がある 再 犯 の 場 合 無 罪 にはならない 執 行 猶 予 ( 刑 法 25 条 1 項 ) 以 前 刑 に 処 せら れていても 執 行 終 了 から5 年 以 内 に 刑 に 処 せ られていなければ 情 状 酌 量 が 可 能 今 回 の 事 件 では 一 見 軽 微 な 罪 に 思 われ る 万 引 き 事 件 でも 再 犯 のために 裁 判 にな ったことを 伝 える 事 件 内 容 を 考 えていくとき 余 裕 があれ ば 前 科 の 具 体 的 中 身 についても 考 える 2 劇 の 配 役 を 決 めよう 被 告 人 (1 名 ) 裁 判 官 (3 名 ) 検 察 官 (2 名 ) 弁 護 士 (2 名 ) 証 人 (4~5 名 ) ナレーター(2 名 ) 証 人 の 証 言 内 容 を 考 えよう ワークシート3 配 布 グループ 内 で 劇 の 配 役 を 決 定 させる 証 人 から 引 き 出 したい 証 言 内 容 を 検 察 側 と 弁 護 側 の 立 場 や 役 割 の 違 いをふまえ 考 えさせる ワークシート3 ま と め 次 時 の 説 明 ワークシート3の 半 分 までで 話 し 合 いをやめ 次 回 続 きを 考 えることを 伝 えて 終 わる -47-
5 模 擬 裁 判 劇 台 本 づくり1 (11 月 27 日 5 6 校 時 ) 本 時 の 目 標 検 察 官 と 弁 護 士 の 立 場 の 違 いを 理 解 しながら 被 告 人 の 裁 判 での 証 言 内 容 を 考 える 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 前 時 の 確 認 前 時 までに 決 めた 証 人 の 証 言 内 容 について 確 認 させる 1 被 告 人 の 裁 判 での 証 言 内 容 を 考 えよう 検 察 側 が 有 利 な 質 問 内 容 と 被 告 人 の 答 え 弁 護 士 側 が 有 利 な 質 問 内 容 と 被 告 人 の 答 え 被 告 人 の 裁 判 での 態 度 被 告 人 が 最 後 に 裁 判 官 や 裁 判 員 に 対 して 訴 える 内 容 ワークシート3 被 告 人 の 裁 判 での 証 言 内 容 に ついて 話 し 合 わせていく 検 察 側 と 弁 護 士 側 が 質 問 する 内 容 を 通 して 立 場 の 違 いや 役 割 について 理 解 させるよう 留 意 する 証 言 を 考 える 際 被 告 人 の 気 持 ちになって 考 えさせる 2 劇 の 台 本 を 作 成 していこう セリフ 作 成 用 の 台 本 を 見 て 模 擬 裁 判 劇 全 体 の 流 れを 確 認 する 流 れに 沿 ってセリフを 考 え 台 本 づくりを 始 める セリフ 作 成 用 の 台 本 配 布 これまでのワークシートをもとに 台 本 に 沿 っ て 必 要 なセリフを 考 えさせる 足 りない 事 実 や 補 うべき 事 実 がないか どうか 確 認 させる 登 場 人 物 の 各 役 割 を 意 識 させる 模 擬 裁 判 台 本 <セ リフ 作 成 用 > ま と め 次 時 の 確 認 次 時 で 台 本 を 完 成 させることを 伝 えて 終 わる 6 模 擬 裁 判 劇 台 本 づくり2 (11 月 29 日 5 校 時 ) 本 時 の 目 標 模 擬 裁 判 劇 の 台 本 を 完 成 させる 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 今 日 の 作 業 の 確 認 台 本 づくりを 完 成 させるよう 指 示 する ま と め 台 本 づくり 自 分 のセリフを 中 心 に 事 実 関 係 などで 問 題 がないかどう か 確 認 する 劇 の 全 体 像 を 把 握 する パソコンでセリフを 打 ち 込 んでいく 考 えたセリフの 内 容 を 確 認 させる 例 ) 検 察 官 と 弁 護 士 のどちらが 聞 いたほうが よい 質 問 か 証 人 の 証 言 内 容 が 被 告 人 を 有 利 (また は 不 利 )にしすぎてないか など 劇 の 全 体 像 やセリフの 流 れを 確 認 させる 台 本 自 体 は 授 業 者 が 確 認 し 次 回 配 布 するこ とを 伝 える -48-
7 評 決 までの 流 れ 発 表 練 習 (11 月 30 日 5 6 校 時 ) 本 時 の 目 標 裁 判 員 役 の 参 観 者 が 裁 判 の 流 れや 事 件 内 容 を 理 解 し 評 議 に 参 加 できるよう 進 行 方 法 や 説 明 内 容 を 工 夫 することができる 模 擬 裁 判 劇 における 自 分 の 役 の 位 置 づけを 理 解 し 見 ている 人 に 伝 わりやすい 表 現 の 仕 方 を 考 えること ができる 学 習 活 動 支 援 の 内 容 方 法 資 料 導 入 共 生 発 表 会 当 日 の 予 定 を 確 認 する 発 表 会 当 日 の 進 行 を 確 認 し 発 表 の 順 番 を 決 め させる 1 劇 発 表 のしかたを 考 えよう (1) 評 決 の 流 れ 当 日 裁 判 員 がどのように 評 議 を 行 い 判 決 を 考 えてもら うか 理 解 する また 説 明 の 仕 方 や 内 容 を 考 える (2) 判 決 について 判 決 の 選 択 肢 の 違 いを 理 解 す る 劇 を 見 に 来 た 保 護 者 や 他 ゼミの 生 徒 に 対 して どのような 手 順 で 判 決 を 考 えてもらうか 説 明 する 資 料 評 決 の 流 れ 配 布 劇 終 了 後 の 評 議 時 間 30 分 をどう 進 行 させる かイメージを 持 たせる 裁 判 員 制 度 や 事 件 の 概 要 など 具 体 的 な 説 明 内 容 を 生 徒 に 考 えさせる 発 表 会 当 日 裁 判 員 が 使 う 判 決 用 紙 配 布 1 懲 役 3 年 執 行 猶 予 なし( 求 刑 通 り) 2 懲 役 1 年 執 行 猶 予 なし 3 懲 役 1 年 執 行 猶 予 3 年 4 懲 役 6ヶ 月 執 行 猶 予 1 年 評 決 の 流 れ 判 決 用 紙 これまでの 判 例 等 を 考 慮 して 選 択 肢 を 作 成 し たことを 伝 える 選 択 肢 は 上 から 順 に 重 く 執 行 猶 予 がつくほうが 軽 いことを 確 認 する 2 劇 を 練 習 しよう < 各 グループごと> 各 自 で 自 分 のセリフを 確 認 後 グループ 全 員 でセリフの 読 み 合 わせを 行 う 台 本 配 布 前 時 の 台 本 から 加 筆 修 正 した 点 を 説 明 する < 劇 発 表 時 の 留 意 点 > 表 現 方 法 の 工 夫 ( 人 物 になりきって) セリフを 見 ながらでもよいので 内 容 が 伝 わるようにする 模 擬 裁 判 台 本 < 本 番 用 > ま と め 共 生 発 表 会 の 確 認 明 日 の 日 程 を 再 確 認 し とくにナレーターや 裁 判 官 役 の 生 徒 は 説 明 や 司 会 進 行 の 仕 方 をもう 一 度 よく 考 えてくるよう 指 示 する -49-
8 共 生 発 表 会 (12 月 1 日 終 日 ) 劇 発 表 や 評 議 時 間 の 様 子 参 観 者 の 判 決 感 想 等 は 後 述 する < 共 生 発 表 会 当 日 の 日 程 > 8:55 ~10:00 全 体 会 ( 体 育 館 ) 全 22あるゼミのうち3つのゼミが 体 育 館 で 全 校 生 徒 の 前 で 発 表 を 行 う 法 と 共 生 ゼミ<3 年 生 中 心 グループ>が3 番 目 に 劇 発 表 10:00~10:30 全 体 会 終 了 後 退 場 各 ゼミ 発 表 準 備 10:30~11:00 <3 年 生 中 心 グループ> 評 議 の 時 間 11:05~11:35 <2 年 生 中 心 グループ> 模 擬 裁 判 の 劇 発 表 11:40~12:10 <2 年 生 中 心 グループ> 評 議 の 時 間 法 と 共 生 ゼミは 午 前 中 で 終 了 午 後 は 自 由 に 他 のゼミを 参 観 9 学 習 全 体 のふり 返 り (12 月 4 日 6 校 時 ) 共 生 ゼミに 関 する 学 校 アンケートおよび 授 業 に 関 する 事 後 アンケートを 実 施 アンケート 結 果 および 分 析 は 後 述 する -50-