IWATE MEDICAL UNIVERSITY NEWS 岩手医科大学報 発行者 理事長 学長 小川 彰 467 2015. 8 No. 七夕さんさ会 花巻温泉病院 関連記事 P8 主な内容 歯科医療センター長就任のご挨拶 記念イベント 健康フェス2015 トピックス オープンキャンパス2015が行われました 平成27年度市民公開講座が行われました フリーページ すこやかスポット医学講座 難治性神経性疼痛に対する脊髄刺激療法 巻頭言 創立120周年に向けて
巻 頭 言 平 成 27 年 4 月 1 日 より 岩 手 医 科 大 学 附 属 病 院 歯 科 医 療 センター 長 を 拝 命 いたしました 附 属 病 院 矢 巾 移 転 ならびに 内 丸 メディカルセ ンター 構 築 の 重 要 な 時 期 に 少 しでも 貢 献 でき るように 微 力 ながら 全 力 で 打 ち 込 む 所 存 でご ざいます 何 卒 よろしくお 願 いいたします 皆 様 もご 存 じのとおり 歯 学 部 はただいま 改 革 が 進 行 中 であるとともに 開 設 50 周 年 とい う 節 目 の 年 を 迎 えました 今 後 さらに 岩 手 医 大 の 発 展 に 貢 献 できるように 将 来 を 見 据 えた 組 織 づくりを 何 とか 進 めていきたいと 考 えて おります 歯 科 医 療 センターを 取 り 巻 く 社 会 的 環 境 は 皆 様 もご 存 じのとおりの 超 高 齢 社 会 であり 65 歳 以 上 人 口 が 急 速 に 増 加 しています 当 セン ターでも 受 診 者 の 平 均 年 齢 は 着 実 に 上 昇 して います それに 伴 い 内 科 疾 患 をはじめとす る 複 数 の 疾 患 を 患 いながら 歯 科 治 療 に 訪 れる 方 が 大 半 となっています 医 科 歯 科 の 連 携 は 必 須 であり 周 術 期 口 腔 機 能 管 理 が 保 険 収 載 されたことも こういった 時 代 を 反 映 してい るものです 周 術 期 口 腔 機 能 管 理 では 弁 膜 症 をはじめとする 循 環 器 疾 患 の 周 術 期 におけ る 口 腔 経 由 での 細 菌 性 心 内 膜 炎 予 防 がん 治 療 に 際 しての 化 学 療 法 や 放 射 線 療 法 にともな い 発 生 する 口 腔 粘 膜 炎 の 管 理 を 主 として 行 っ ております また ビスフォスフォネート( 骨 粗 しょう 症 等 の 治 療 薬 ) 関 連 薬 剤 使 用 前 での 口 腔 内 精 査 管 理 も 増 加 しております 今 後 も 連 携 を 強 化 して 岩 手 医 大 付 属 病 院 を 受 診 さ れる 方 々の 健 康 に 寄 与 できることを 望 んでい ます 一 方 で 歯 科 医 療 センターは 医 学 部 歯 学 部 を 有 する 大 学 病 院 の 教 育 機 関 でもあります 急 速 に 高 齢 者 型 へと 変 化 する 疾 病 構 造 に 対 応 で きる 歯 科 医 師 を 養 成 することも 当 センターの 重 要 な 役 割 であります 歯 学 部 研 究 部 門 教 育 部 門 と 一 丸 となってこの 重 責 を 果 たせるよ うに 努 力 してまいります こちらに 赴 任 させていただいて5 年 ほどで まだまだ 知 識 や 経 験 の 不 足 があろうかと 思 い ます 何 卒 皆 様 のご 指 導 ご 鞭 撻 をよろしく お 願 いいたします 歯 科 医 療 センター 2 岩 手 医 科 大 学 報 No.467
岩 手 医 科 大 学 募 金 状 況 報 告 合 計 605 568,332,000 表 彰 の 栄 誉 岩 手 医 科 大 学 報 2015. 8 3
本 学 では 2017 年 4 月 に 迎 える 創 立 120 周 年 の 記 念 事 業 の 一 環 として 健 康 をテーマ に 本 学 が 有 する 医 の 力 知 の 力 を 発 信 し 県 民 皆 様 の 健 康 への 関 心 を 高 めるとともに 地 域 とのつながりを 深 めることを 目 的 とした 一 般 市 民 参 加 型 体 験 型 イベント 健 康 フェス 2015 を 開 催 します 本 号 では そのイベント 概 要 をご 紹 介 します 4 岩 手 医 科 大 学 報 No.467
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体 育 大 会 壮 行 会 が 行 われました 花 巻 温 泉 病 院 で 七 夕 さんさ 会 が 行 われました 選 手 宣 誓 7 月 2 日 ( 木 ) 矢 巾 キャンパス 体 育 館 にて 体 育 大 会 壮 行 会 が 行 われました この 壮 行 会 は 東 日 本 医 科 学 生 総 合 体 育 大 会 全 日 本 歯 科 学 生 総 合 体 育 大 会 を 始 め 岩 手 県 民 体 育 大 会 など 各 種 体 育 大 会 が 夏 期 に 行 われることから 参 加 学 生 を 激 励 するために 毎 年 行 われています 壮 行 会 では 小 川 学 長 をはじめ 祖 父 江 副 学 長 や 学 友 会 総 務 局 委 員 長 の 和 泉 光 晃 さん( 医 学 部 4 年 )な どが 激 励 の 挨 拶 を 述 べました 続 いて アーチェリー 部 の 大 友 康 司 さん( 医 学 部 3 年 上 写 真 )が 選 手 宣 誓 を 行 いました 感 染 対 策 講 習 会 が 行 われました さんさ 踊 りを 披 露 したメンバー 7 月 11 日 ( 金 ) 花 巻 温 泉 病 院 で 七 夕 さんさ 会 が 行 われました この 七 夕 さんさ 会 は 盛 岡 さんさに 向 けた 練 習 成 果 の 披 露 を 兼 ねて 例 年 7 月 の 七 夕 会 に 合 わせて 開 催 されています 当 日 は 職 員 が 七 夕 くずし 栄 夜 差 踊 り 新 花 巻 温 泉 音 頭 を 披 露 すると 踊 りに 合 わせた 患 者 さん の 手 拍 子 が 会 場 内 に 鳴 り 響 き お 祭 りさながらの 活 気 あふれる 催 しとなりました 日 本 災 害 医 療 ロジスティックス 研 修 が 行 われました 矢 巾 キャンパスでの 研 修 の 様 子 講 師 の 松 永 先 生 院 内 感 染 対 策 講 習 会 が 7 月 9 日 ( 木 )から11 回 ( 録 画 映 像 による 開 催 含 む)にわたって 歯 学 部 4 階 講 堂 で 行 わ れ 総 勢 約 1,900 名 の 職 員 が 参 加 しました 講 習 会 では 藤 田 保 健 衛 生 大 学 副 学 長 皮 膚 科 学 講 座 教 授 の 松 永 佳 世 子 先 生 を 講 師 ( 上 写 真 )に 迎 えて 手 指 衛 生 による 手 荒 れの 予 防 と 治 療 と 題 した 講 演 が 行 われました 参 加 者 は 熱 心 に 聴 講 し 感 染 拡 大 を 最 小 限 に 抑 えるた めの 手 指 衛 生 や 医 療 現 場 における 手 袋 の 選 択 について 理 解 を 深 めました 7 月 16 日 ( 木 )~ 18 日 ( 土 ) 矢 巾 キャンパスの 災 害 時 地 域 医 療 支 援 教 育 センターをメイン 会 場 に 第 3 回 日 本 災 害 医 療 ロジスティックス 研 修 が 行 われ 全 国 各 地 から 約 60 名 が 参 加 しました 研 修 では 派 遣 目 的 地 までの 円 滑 な 到 達 や 衣 食 住 の 確 保 な どのロジスティックスの 基 礎 の 他 通 信 断 絶 時 における 衛 星 電 話 の 確 保 などについて 学 びました また 県 内 各 地 の 医 療 機 関 高 校 高 速 道 路 サービスエリ アの 各 施 設 にて 大 規 模 な 災 害 を 想 定 した 実 践 的 な 訓 練 を 行 い 各 拠 点 での 本 部 の 立 ち 上 げと 本 部 内 におけるロジスティッ クスの 役 割 他 組 織 間 の 連 携 について 理 解 を 深 めました 8 岩 手 医 科 大 学 報 No.467
オープンキャンパス2015が 行 われました 7 月 25 日 ( 土 ) 26 日 ( 日 )の 両 日 矢 巾 キャンパスでオープンキャンパス2015が 開 催 され 岩 手 県 内 をはじめ 全 国 各 地 から 高 校 生 とその 保 護 者 など 約 900 名 が 参 加 しました 当 日 は 小 川 学 長 による 大 学 紹 介 や 希 望 する 学 部 に 分 かれてのミニ 講 義 体 験 実 習 のほか 学 食 の 無 料 体 験 在 学 生 とのフリートーク 教 員 による 個 別 相 談 ドクターヘリ 基 地 の 見 学 など 盛 りだくさんの 企 画 が 用 意 され 好 評 を 博 しました 参 加 した 高 校 生 らは 大 学 生 活 に 夢 や 希 望 を 膨 らませていた 様 子 で 将 来 の 進 路 を 決 めるための 有 意 義 な 機 会 となっ たようです 大 勢 の 来 場 者 で 賑 わうエントランス 小 川 学 長 による 大 学 紹 介 骨 学 体 験 学 食 無 料 体 験 平 成 27 年 度 市 民 公 開 講 座 が 行 われました 今 年 で36 回 目 を 迎 える 市 民 公 開 講 座 が 7 月 28 日 ( 火 )から3 日 間 にわたって 矢 巾 キャンパス 大 堀 記 念 講 堂 で 行 われました この 市 民 公 開 講 座 は 大 学 開 放 活 動 の 一 環 として 毎 年 行 われているもので 5 講 座 が 開 設 され 延 べ 約 760 名 の 一 般 市 民 の 皆 さんが 受 講 しました 参 加 者 は 熱 心 に 受 講 され 貴 重 な 学 習 の 機 会 となったようです ( 下 段 左 は 口 腔 保 健 育 成 学 歯 科 矯 正 学 分 野 佐 藤 和 朗 教 授 の 講 座 噛 み 合 わせと 無 呼 吸 の 関 係 ) 岩 手 医 科 大 学 報 2015. 8 9
循 環 動 態 検 査 室 は 本 院 生 理 機 能 検 査 室 と 共 に 中 央 臨 床 検 査 部 の 生 理 機 能 部 門 に 属 し 主 に 循 環 器 医 療 センターの 外 来 病 棟 患 者 様 の 生 理 検 査 を 担 当 しています 検 査 室 は 循 環 器 医 療 センター 2 階 の 外 来 診 察 室 の 奥 にあり 女 性 事 務 員 2 名 と 臨 床 検 査 技 師 11 名 ( 男 性 1 名 女 性 10 名 )が 働 い ています 日 替 わりで 検 査 当 番 の 医 師 検 査 レポー トを 認 証 する 医 師 症 例 検 討 を 行 う 医 師 等 々が 集 まり 明 るくオープンな 雰 囲 気 の 検 査 室 です 主 な 検 査 は 成 人 の 循 環 器 疾 患 や 小 児 の 先 天 性 心 疾 患 に 対 する 心 電 図 検 査 心 エコー 図 検 査 運 動 負 荷 検 査 等 で 高 度 な 専 門 医 療 に 対 応 するため 認 定 超 音 波 検 査 士 やスーパーソノグラファーなど の 専 門 資 格 者 が 多 いのも 特 徴 です 目 下 矢 巾 新 病 院 と 内 丸 メディカルセンターの2つの 医 療 機 関 での 検 査 体 制 の 確 立 のために 循 環 器 内 科 心 臓 血 管 外 科 循 環 器 小 児 科 の 先 生 方 のご 指 導 を 頂 き ながら 高 い 知 識 と 技 術 を 有 する 若 い 技 師 の 育 成 に 努 めているところです ( 主 任 臨 床 検 査 技 師 高 橋 康 子 ) 中 9 階 は 病 床 数 76 床 の 消 化 管 肝 臓 内 科 病 棟 です 対 象 とする 患 者 さんは 急 性 期 から 慢 性 期 終 末 期 までと 幅 広 く 肝 疾 患 胆 膵 系 の 疾 患 胃 腸 などの 消 化 管 疾 患 の 方 々が 入 院 されています 治 療 としては 内 視 鏡 腹 部 血 管 造 影 ラジオ 波 焼 灼 療 法 化 学 療 法 などが 行 われています また 入 退 院 が 著 しく 緊 急 入 院 も 多 く 忙 しい 病 棟 ですが 平 均 年 齢 29.5 歳 のスタッフ 全 員 でいつ も 明 るい 雰 囲 気 の 中 笑 顔 で 優 しく 看 護 をおこなっ ています 肝 疾 患 消 化 管 疾 患 は 治 療 を 受 けなが ら 病 気 と 上 手 に 付 き 合 っていかなければならない 場 合 が 多 く 入 退 院 を 繰 り 返 される 患 者 さんも 少 なくありません そのため 私 たちは 継 続 した 看 護 が 行 えるよう 2 名 の 緩 和 認 定 看 護 師 を 含 めた スタッフ 全 員 で 患 者 さんやご 家 族 の 思 いをよく 聴 き 個 々に 応 じた 気 配 りのある 看 護 を 提 供 する を 病 棟 目 標 に 掲 げ 日 々 取 り 組 んでいます ( 看 護 師 長 高 島 みゆき) 10 岩 手 医 科 大 学 報 No.467
理 事 会 報 告 (6 月 定 例 6 月 29 日 開 催 ) 1. 教 員 の 人 事 について 地 域 医 療 薬 学 科 教 授 高 橋 寛 ( 前 ( 有 )ミヨシファーマシー 薬 剤 師 ) 泌 尿 器 科 学 講 座 准 教 授 大 森 聡 ( 前 同 講 座 講 師 ) 解 剖 学 講 座 人 体 発 生 学 分 野 准 教 授 燕 軍 ( 前 同 分 野 講 師 ) 医 学 教 育 学 講 座 准 教 授 田 島 克 巳 ( 前 同 講 座 講 師 ) ( 発 令 年 月 日 平 成 27 年 7 月 1 日 付 ) 2. 職 員 の 人 事 について 薬 剤 長 柳 田 博 ( 前 主 任 薬 剤 師 ) ( 発 令 年 月 日 平 成 27 年 7 月 1 日 付 ) 3. 岩 手 医 科 大 学 医 療 専 門 学 校 学 納 金 減 免 規 程 の 一 部 改 正 について 4. 看 護 学 部 設 置 の 基 本 方 針 について 看 護 学 部 設 置 の 基 本 方 針 ( 案 )について 名 称 を 看 護 学 部 看 護 学 科 修 業 年 限 を4 年 制 取 得 する 学 位 を 学 士 ( 看 護 学 ) 開 設 年 月 を 平 成 29 年 4 月 として 進 めることを 確 認 5. 不 動 産 取 得 税 算 定 に 伴 う 附 属 病 院 移 転 用 地 の 使 途 について 岩 手 医 科 大 学 は 2017 年 に 創 立 120 周 年 を 迎 えます 誠 のあゆみ 未 来 へつな ぐ 創 立 120 周 年 記 念 ロゴマーク スローガン 岩 手 医 科 大 学 報 編 集 委 員 小 川 彰 菊 池 初 子 影 山 雄 太 江 刺 家 和 恵 松 政 正 俊 佐 々 木 さき 子 齋 野 朝 幸 米 澤 裕 司 小 山 薫 佐 々 木 忠 司 藤 本 康 之 畠 山 正 充 佐 藤 仁 大 須 賀 志 穂 成 田 欣 弥 武 藤 千 恵 子 山 尾 寿 子 野 里 三 津 子 編 集 後 記 トピックスに 掲 載 している 日 本 災 害 医 療 ロジ スティックス 研 修 の 撮 影 は 昨 年 に 引 き 続 いての 事 ですが 回 を 重 ねる 度 に 充 実 度 が 増 してい るのを 感 じました 大 災 害 など 不 測 の 事 態 を 想 定 して 備 えること は 困 難 ではありますが とても 意 義 のある 事 だと 思 います 運 営 スタッフ 参 加 者 の 熱 意 と 努 力 を 見 てい ると あの 日 以 来 よく 耳 にする 想 定 外 とい う 言 葉 には 少 し 違 和 感 を 覚 えてしまいます ( 編 集 委 員 畠 山 正 充 ) 岩 手 医 科 大 学 報 第 467 号 発 行 年 月 日 平 成 27 年 8 月 31 日 発 行 者 学 長 小 川 彰 編 集 岩 手 医 科 大 学 報 編 集 委 員 会 事 務 局 企 画 部 企 画 調 整 課 盛 岡 市 内 丸 19-1 TEL. 019-651-5111( 内 線 7023) FAX. 019-624-1231 E-mail: kikaku@j.iwate-med.ac.jp 印 刷 河 北 印 刷 株 式 会 社 盛 岡 市 本 町 通 2-8-7 TEL. 019-623-4256 E-mail: office@kahoku-ipm.jp 岩 手 医 科 大 学 報 2015. 8 11
57 Motherʼs Hand 子 供 の 頃 に 痛 いところをお 母 さんの 手 で 撫 でてもらうと 不 思 議 と 痛 みが 和 らいだという 経 験 はありませんか なぜ 痛 いと ころを 手 で 撫 でると 痛 みが 取 れるのでしょうか 母 の 愛? 確 かにそれは 大 きいですが 科 学 的 に は 撫 でるという 行 為 により 生 じる 触 覚 が 痛 みという 痛 覚 を 抑 える 作 用 があると 考 えら れています これは ゲートコントロール 理 論 と 呼 ばれる 昔 から 信 じられてきた 痛 み 軽 減 のメ カニズムのひとつです 今 回 ご 紹 介 するのはそ んな 母 の 手 の 代 わりに 電 気 の 手 で 痛 いとこ ろを 撫 でてあげる 治 療 法 ( 脊 髄 刺 激 療 法 :SCS) です SCSは 痛 みを 感 じる 領 域 に 一 致 した 頚 椎 や 胸 椎 の 脊 髄 高 位 の 硬 膜 外 に 刺 激 用 電 極 を 留 置 し 硬 膜 越 しに 直 下 の 脊 髄 後 索 ( 触 覚 を 伝 える 経 路 ) に 微 弱 な 電 気 を 流 す 治 療 法 です( 図 1)( 図 2) 患 者 さんは 痛 い 部 位 にまるで 撫 でられているよ うな 心 地 よい 電 気 刺 激 感 を 感 じ 痛 みが 和 らぎま す まさに 深 くて 手 が 届 かなかった 痛 いところ に 手 が 届 く 治 療 法 です 脊 髄 に 直 接 電 極 を 刺 す わけではないので 安 全 性 が 高 く 仮 に 効 果 がな かった 場 合 は 抜 去 するだけで 元 の 状 態 に 戻 すこ とができます また 一 部 条 件 を 満 たせば 当 院 においては 術 後 にMRIも 撮 像 可 能 です 対 象 疾 患 は 神 経 因 性 疼 痛 全 般 ですが 特 に 有 効 なのは 腰 椎 術 後 の 下 肢 痛 や 末 梢 血 管 障 害 による 虚 血 性 神 経 性 疼 痛 などの 末 梢 神 経 障 害 性 疼 痛 です 末 梢 循 環 改 善 効 果 も 期 待 できるため 壊 死 を 起 こし かけた 足 趾 を 切 断 しないで 済 んだという 報 告 も 多 数 見 受 けられます 最 近 では 機 序 はよくわ かっていませんが 脳 卒 中 後 疼 痛 などの 中 枢 性 疼 痛 へもある 程 度 の 効 果 が 期 待 できることもわ かってきました しかしながら 脊 髄 完 全 離 断 や 引 き 抜 き 損 傷 など 神 経 が 完 全 に 切 れてしまっ た 症 例 には 効 果 が 期 待 できません また リウ マチやがん 性 疼 痛 などの 侵 害 受 容 性 疼 痛 や 心 因 性 疼 痛 にも 効 果 が 期 待 できないため あらかじ め 疼 痛 のタイプを 十 分 に 鑑 別 しておく 必 要 があ ります 常 に 麻 酔 科 にもご 協 力 を 頂 きながら 治 療 にあたっております 痛 みを 完 全 に 取 り 除 くことは 難 しくても 何 割 かでも 軽 くしてあげることができれば 慢 性 難 治 性 神 経 痛 に 悩 んでいる 方 にとっては 大 きな 救 いとなります SCSはそのために 研 究 開 発 され た 治 療 法 です 難 治 性 の 痛 みでお 困 りな 方 がい らっしゃいましたらご 相 談 ください 12 岩 手 医 科 大 学 報 No.467