中学校初任者教員向け生徒指導資料



Similar documents
2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状

1.はじめに わが 国 での 急 速 な 少 子 化 の 進 行 等 を 踏 まえ 次 代 の 社 会 を 担 う 子 どもが 健 やかに 生 まれ 育 成 される 環 境 の 整 備 を 目 的 とした 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 が 平 成 15 年 7 月 に 制 定 され

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

学校安全の推進に関する計画の取組事例

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

●幼児教育振興法案

< F2D819B92CA926D E9693E A2E6A7464>

1 年 女 子 保 健 体 育 生 徒 は 主 体 的 に 授 業 に 取 り 組 んでいる しかし 周 りが 動 かないと 動 けない 場 面 が 見 られる 体 育 係 が 声 掛 けをしているが 今 後 は 体 育 係 の 声 掛 けがなくても 動 けるようにしていく 運 動 が 苦 手 な

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

スライド 1

財政再計算結果_色変更.indd

Taro-データ公安委員会相互協力事

Microsoft Word - 目次.doc

(2) 検 体 採 取 に 応 ずること (3) ドーピング 防 止 と 関 連 して 自 己 が 摂 取 し 使 用 するものに 責 任 をもつこと (4) 医 師 に 禁 止 物 質 及 び 禁 止 方 法 を 使 用 してはならないという 自 己 の 義 務 を 伝 え 自 己 に 施 される

1 農 地 中 間 管 理 機 構 のねらい (1)24 年 度 から 開 始 した 各 市 町 村 における 人 農 地 プラン ( 地 域 の 農 業 者 の 徹 底 した 話 合 いにより 人 農 地 問 題 の 解 決 方 向 や 地 域 農 業 の 将 来 のあり 方 を 明 確 にしてい

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂等について

Microsoft Word - 02第3期計画(元データ).doc

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

55

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

2. 当 初 の 目 的 と 現 状 コア 会 議 の 役 割 目 的 現 状 分 析 マネジメント 会 議 の 運 営 や あり 方 問 題 取 り 組 みにつ いての 議 論 会 員 からの 意 見 の 吸 い 上 げ と 内 容 の 各 会 議 への 振 り 分 け 全 体 会 運 営 会 議

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

02【発出】280328福島県警察職員男女共同参画推進行動計画(公表版)


中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

Taro13-公示.jtd

「報・連・相」の方法

文化政策情報システムの運用等

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

<4D F736F F D208C6F D F815B90A BC914F82CC91CE899E8FF38BB582C982C282A282C42E646F63>

神 奈 川 県 立 横 須 賀 大 津 高 等 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 1 いじめの 防 止 等 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 ( 本 校 のいじめ 防 止 に 関 する 基 本 的 な 姿 勢 ) いじめは いじめを 受 けた 生 徒 の 教 育 を 受 ける 権 利

1 物品管理の内部統制について

一般競争入札について

●電力自由化推進法案

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で


自衛官俸給表の1等陸佐、1等海佐及び1等空佐の(一)欄又は(二)欄に定める額の俸給の支給を受ける職員の占める官職を定める訓令

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

目 次 < 平 成 26 年 度 10 年 経 験 者 研 修 教 員 用 > 1 10 年 経 験 者 研 修 実 施 要 綱 平 成 26 年 度 福 岡 県 10 年 経 験 者 研 修 実 施 要 綱 2 10 年 経 験 者 研 修 実 施 細 目 平 成 26 年 度 福 岡 県 10

東京都立産業技術高等専門学校

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

住み慣れたこの町で最期まで 安心して暮らすために

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

定款  変更

34 県 立 鶴 岡 工 業 高 等 校 ( 全 日 制 ) 工 業 科 ( 機 械 科 電 気 電 子 科 情 報 通 信 科 建 築 科 環 境 化 科 ) 次 のいずれかに 該 当 する 1 文 化 的 活 動 や 体 育 的 活 動 において 地 区 大 会 を 経 て 県 大 会 に 出

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

社 会 保 険 の 加 入 に 関 する 下 請 指 導 ガイドライン(2/2) (6) 施 工 体 制 台 帳 の 作 成 を 要 しない 工 事 における 取 扱 い 建 設 工 事 の 施 工 に 係 る 下 請 企 業 の 社 会 保 険 の 加 入 状 況 及 び 各 作 業 員 の 保

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

中 間 利 払 日 とし 預 入 日 または 前 回 の 中 間 利 払 日 からその 中 間 利 払 日 の 前 日 までの 日 数 および 通 帳 または 証 書 記 載 の 中 間 利 払 利 率 によって 計 算 した 中 間 利 払 額 ( 以 下 中 間 払 利 息 といいます )を 利

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

Microsoft Word 第1章 定款.doc

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

<4D F736F F F696E74202D D382E982B382C68AF1958D8BE090A C98AD682B782E B83678C8B89CA81698CF6955C A2E >

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

全設健発第     号

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

教員免許更新制ハンドブック2

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

観光ガイド育成業務委託プロポーザル実施要領

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

子 ども 手 当 の 支 給 対 象 や 支 給 額 等 の 仕 組 みはどのようになっていますか 平 成 22 年 度 の 子 ども 手 当 は 中 学 校 修 了 までの 子 ども 一 人 に つき 月 額 1 万 3 千 円 を 父 母 等 に 支 給 します 支 給 要 件 は 子 どもを

公表表紙

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

01.活性化計画(上大久保)

23 年 度 事 業 計 画 概 要 事 業 項 目 事 業 内 容 施 策 A. 各 種 制 度 改 変 への 対 応 (1) 老 人 福 祉 法 高 齢 者 住 まい 法 改 正 関 連 1 指 導 指 針 改 正 ( 老 福 法 ) 登 録 基 準 策 定 ( 住 まい 法 )への 対 応 2

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

慶應義塾利益相反対処規程

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

スライド 1

Microsoft Word - 【事務連絡】居所情報の登録申請が間に合わなかった場合の取扱いの周知について.docx

平成19年9月改定

0605調査用紙(公民)

Transcription:

中 学 校 の 初 任 者 教 員 こ れ だ け は 押 さ え よ う! ~ 生 徒 指 導 はじめの 一 歩 ~ 本 冊 子 は http://www.nier.go.jp/shido/shonin_tb.pdf から 直 接 に ダウンロードできます 平 成 24 年 3 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 徒 指 導 研 究 センター - 1 -

1 生 徒 が 自 ら 進 んで 学 ぶ 授 業 に なっていますか? 生 徒 が 自 ら 進 んで 学 ぶ 姿 勢 を 育 むこと は 生 徒 指 導 の 大 きな 目 的 の 一 つであり 教 師 にはそのための 働 きかけが 求 められます 主 な 働 きかけは 次 の2 点 です (1) 全 ての 生 徒 が 落 ち 着 いて 学 べる 場 をつくる( 居 場 所 づくり) きずな (2) 全 ての 生 徒 が 活 躍 できる 機 会 をつくる( 絆 づくり) 生 徒 が 主 体 的 に 学 ぶように 働 きかけをすることが 授 業 の 中 で 生 徒 指 導 をする ということなのです 教 師 が 日 々 (1)と(2)のような 働 きかけをすることは 生 徒 の 学 習 意 欲 を 喚 起 するとともに やればできる という 気 持 ちを 高 める ことにもつながります * 絆 づくり と 居 場 所 づくり の 詳 細 については 生 徒 指 導 リーフ / Leaf 2 絆 づ くり と 居 場 所 づくり ( 平 成 24 年 2 月 )( 巻 末 ページ 掲 載 )を 参 照 してください 実 践 例 〇 授 業 における 三 つのルール 初 任 者 のA 教 諭 は 生 徒 に 授 業 における 三 つのルールを 提 案 しました (1) 自 分 で 時 計 を 見 て 行 動 をする(チャイム 着 席 など) (2) 授 業 と 関 係 のないものは 出 さない (3) 人 が 説 明 や 発 表 をしているときはおしゃべりをしないで 耳 を 傾 ける これら 三 つのルールを 徹 底 したところ 授 業 を 受 ける 心 構 えや 姿 勢 が 徐 々に 育 ま れ 積 極 的 に 発 言 する 生 徒 が 増 えてきました 生 徒 が 落 ち 着 いて 学 べる 場 をつくるために 学 習 規 律 の 定 着 が 欠 かせません - 2 -

〇 整 った 環 境 で 授 業 をする 初 任 者 のB 教 諭 は 授 業 開 始 5 分 前 に 教 室 に 行 き 黒 板 をきれいにする 机 を そろえる ごみを 拾 う を 生 徒 とともに 実 行 しています 継 続 して 取 り 組 んでい ると 生 徒 は 進 んでごみを 拾 うようになり 授 業 中 も 集 中 して 取 り 組 むようになり ました 生 徒 が 落 ち 着 いて 学 べる 場 をつくるために 教 室 環 境 の 整 備 が 欠 かせません 〇 生 徒 を 受 け 身 にさせない 初 任 者 のC 教 諭 は 授 業 中 に 生 徒 が 発 言 をする 機 会 を 意 図 的 に 設 けています こ のような 働 きかけをすることで 生 徒 には 積 極 的 に 自 分 の 考 えをまとめ 周 囲 にわ かりやすく 伝 えようという 意 識 が 芽 生 えてきています 生 徒 を 受 け 身 にさせないために 全 ての 生 徒 が 活 躍 する 機 会 をつくることが 欠 か せません 生 徒 が 主 体 的 に 学 ぶ よ う 働 き か け る! - 3 -

み 2 生 徒 を 進 んで 観 ていますか? 教 師 には 一 人 一 人 の 生 徒 を 理 解 して 適 切 な 働 きかけを 行 う こ とが 求 められます 常 に 自 らの 目 で 生 徒 の 行 動 や 様 子 を 確 認 するとともに 生 徒 が 内 面 に 抱 えている 課 題 や 家 庭 での 様 子 の 把 握 に 努 める 必 要 があります 主 な 留 意 点 は 次 の3 点 です (1)( 生 徒 の) 何 を 見 るのかを 意 識 する (2)( 教 師 から) 一 人 一 人 の 生 徒 に 寄 り 添 う (3)( 生 徒 が) 相 談 しやすい 雰 囲 気 を( 教 師 が)つくる 教 師 がこれらの 点 に 留 意 して 行 動 することが 生 徒 理 解 をする と いうことなのです 積 極 的 に 生 徒 理 解 をする 上 で 必 要 なことは 一 人 一 人 の 内 面 をとらえ るとともに 生 徒 との 望 ましい 人 間 関 係 をつくることです このことは 授 業 をはじめ あらゆる 働 きかけにおいても 欠 かせない ことは 言 うまでもありません 実 践 例 〇 生 徒 の 言 動 等 を 意 識 して 見 る 新 年 度 間 もなく 昇 降 口 での 清 掃 中 生 徒 同 士 のもめ 事 が 発 生 しました 清 掃 監 督 で 初 任 者 のD 教 諭 はしばらく 生 徒 同 士 のやりとりを 見 ていました すると ふだんはおとなしいE 男 の 一 言 でもめ 事 が 解 消 されました 日 頃 から 生 徒 間 の 人 間 関 係 を 把 握 しようとしていたD 教 諭 は E 男 の 周 囲 への 影 響 力 に 驚 くと ともに 生 徒 への 先 入 観 を 持 たずに 生 徒 の 言 動 を 注 意 深 く 見 ることの 大 切 さを 実 感 しました - 4 -

〇 生 徒 に 意 図 的 に 声 かけをする 時 間 をつくる 初 任 者 のF 教 諭 は 常 に 自 分 から 生 徒 に 近 づいて 声 かけをしています 意 図 的 に 生 徒 に 声 かけをすることで 生 徒 からも 話 ができる 機 会 をつくっているのです このような 働 きかけにより 生 徒 の 興 味 関 心 や 情 緒 的 な 側 面 に 気 付 くこともあ り 問 題 の 早 期 発 見 早 期 対 応 にも 結 び 付 いています 〇 生 徒 の 前 では 忙 しそうなそぶりを 見 せない 初 任 者 のG 教 諭 は 生 徒 から 話 しかけられたときは 仕 事 の 途 中 でも 手 を 止 め 生 徒 の 方 を 向 いて 話 をしています また 廊 下 などで 生 徒 とすれ 違 うと きはゆっくりと 歩 き 相 手 の 目 をやさしく 見 るようにしています そんなG 教 諭 に たくさんの 生 徒 が 話 しかけてくるようになりました 日 頃 から 生 徒 が 相 談 しやすい 雰 囲 気 をつくることは 生 徒 指 導 の 重 要 な 基 盤 づ くりです 一 人 一 人 の 生 徒 としっかり 向 き 合 う! - 5 -

3 報 告 連 絡 相 談 を 進 んで 行 っていますか? 教 師 には 学 校 というチームの 一 員 として 行 動 する ことが 求 めら れます いわゆる ほうれんそう( 報 告 連 絡 相 談 ) が 強 調 されるのは 誰 にも 相 談 せずに 行 動 したことで 周 囲 の 先 生 方 の 指 導 との 間 にずれが 生 じてしまったり 知 り 得 た 情 報 を 伝 えなかったために 問 題 が 大 きくな ったりすることのないようにするためです 報 告 連 絡 相 談 を 適 切 にするための 主 な 留 意 点 は 次 の3 点 です (1) 気 になったことは 小 さなことでも 報 告 をする (2) メモを 取 る 習 慣 をつける (3) 謙 虚 な 姿 勢 で 助 言 を 求 める 適 切 に 報 告 連 絡 することや 謙 虚 に 相 談 をすることは チームで 生 徒 指 導 を 進 める 第 一 歩 であり 仕 事 を 円 滑 に 進 めることにつながります また 報 告 連 絡 相 談 をすることは 問 題 の 早 期 発 見 早 期 対 応 に 結 び 付 くばかりでなく 自 らの 指 導 を 見 直 すことにもつながります 実 践 例 〇 気 になったことは 報 告 をする ある 日 いつもは 明 るいH 子 が 授 業 中 にぼんやりと 外 を 眺 めて 元 気 がありません 初 任 者 のI 教 諭 は 授 業 後 すぐにH 子 に 声 をかけるとともに 学 級 担 任 へ 報 告 しまし た H 子 は 家 庭 内 トラブルで 精 神 的 に 傷 ついていたようです その 後 学 年 の 全 教 員 が 継 続 的 にH 子 に 関 わることで H 子 は 次 第 にいつもの 明 るさを 取 り 戻 しました 気 になったことをすぐに 報 告 することは 大 きな 問 題 の 未 然 防 止 につながります - 6 -

〇 記 憶 より 記 録 をする 初 任 者 のJ 教 諭 は 授 業 中 に 気 になった 生 徒 のことについて 学 級 担 任 への 報 告 を 後 回 しにしているうちに 忘 れてしまいました やがて その 生 徒 は 学 校 を 欠 席 が ちになってしまいました 反 省 を 生 かして J 教 諭 は 気 が 付 いたことを 必 要 に 応 じ て 簡 潔 にメモを 取 り 学 級 担 任 等 へ 連 絡 することにしました 連 絡 は 記 憶 に 頼 らず しっかりとメモを 取 ることが 大 切 です 〇 日 頃 から 謙 虚 に 助 言 を 求 める 初 任 者 のK 教 諭 は 授 業 の 進 め 方 や 生 徒 への 指 導 などについて 複 数 の 先 輩 教 師 を 手 本 にして まねをすることから 始 めています そして 常 に 教 えてもらいた い という 姿 勢 で 質 問 をしています そんなK 教 諭 の 謙 虚 な 姿 勢 に ほかの 先 生 方 からも わからないことがあればいつでも 聞 いてほしい と 声 をかけてくれるよう になり いつの 間 にか 仕 事 が 円 滑 に 進 むようになりました 先 輩 教 師 に 謙 虚 に 助 言 を 求 めることは 仕 事 を 円 滑 に 進 めることにつながります チ ー ム の 一 員 で あ る こ と を 自 覚 す る! - 7 -

本 冊 子 のねらい 生 徒 指 導 は いじめ 暴 力 不 登 校 など 課 題 を 抱 えている 生 徒 のみ への 指 導 や 対 応 であるように 認 識 されがちです もちろん そのことも 重 要 な 生 徒 指 導 の 一 つです しかし 生 徒 指 導 の 本 来 の 意 義 は 学 校 生 活 が 全 ての 生 徒 にとって 有 意 義 で 興 味 深 く 充 実 したものとなるようにすることです 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 徒 指 導 研 究 センターが 実 施 している 調 査 研 究 等 においても 下 記 1~3の 行 動 を 一 人 一 人 の 教 師 が 意 識 している 学 校 は 生 徒 指 導 の 効 果 を 上 げているという 報 告 が 得 られています そこで 本 冊 子 では 初 任 者 教 員 の 皆 さんに まず これだけは 押 さえ てほしいという 三 つの 行 動 を 選 び 実 践 例 とともに 提 示 しました 下 記 三 つの 行 動 は あくまでも 初 任 者 教 員 に 求 められる 最 低 限 のこと です これ 以 外 のことについては 校 長 先 生 等 へ 指 導 を 仰 ぐとともに 先 輩 教 師 の 良 い 実 践 を 参 考 にして 次 のステップへ 進 んでいただきたい と 思 います なお いじめ 暴 力 不 登 校 などの 個 別 の 課 題 対 応 については 右 ページの 資 料 を 参 考 にしてください 初 任 者 教 員 が 押 さえたい 三 つの 行 動 1 生 徒 が 主 体 的 に 学 ぶ よ う 働 き か け る 2 一 人 一 人 の 生 徒 と し っ か り 向 き 合 う 3 チ ー ム の 一 員 で あ る こ と を 自 覚 す る - 8 -

参 考 資 料 等 ( 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 徒 指 導 研 究 センターで 作 成 した 調 査 研 究 報 告 書 等 より) 生 徒 指 導 の 基 礎 的 な 内 容 生 徒 指 導 リーフ / Leaf 1 生 徒 指 導 って 何? ( 平 成 24 年 2 月 ) 生 徒 指 導 リーフ / Leaf 2 絆 づくり と 居 場 所 づくり ( 平 成 24 年 2 月 ) 生 徒 指 導 リーフ / Leaf 3 発 達 障 害 と 生 徒 指 導 ( 平 成 24 年 2 月 ) 生 徒 指 導 体 制 に 関 する 内 容 生 徒 指 導 の 役 割 連 携 の 推 進 に 向 けて - 生 徒 指 導 主 担 当 者 に 求 められる 具 体 的 な 行 動 ( 小 学 校 編 )- ( 平 成 23 年 3 月 ) 生 徒 指 導 の 役 割 連 携 の 推 進 に 向 けて - 生 徒 指 導 主 導 に 求 められる 具 体 的 な 行 動 ( 中 学 校 編 )- ( 平 成 22 年 3 月 ) 生 徒 指 導 の 役 割 連 携 の 推 進 に 向 けて - 生 徒 指 導 主 事 に 求 められる 具 体 的 な 行 動 ( 高 等 学 校 編 )- ( 平 成 23 年 3 月 ) 指 導 資 料 シリーズ 生 徒 指 導 資 料 第 1 集 生 徒 指 導 上 の 諸 問 題 の 推 移 とこれからの 生 徒 指 導 -データに 見 る 生 徒 指 導 の 課 題 と 展 望 -( 改 訂 版 ) ( 平 成 21 年 3 月 ) 生 徒 指 導 資 料 第 2 集 不 登 校 への 対 応 と 学 校 の 取 組 について- 小 学 校 中 学 校 編 - ( 平 成 16 年 7 月 ) 生 徒 指 導 資 料 第 3 集 規 範 意 識 をはぐくむ 生 徒 指 導 体 制 - 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 の 実 践 事 例 22から 学 ぶ- ( 平 成 20 年 3 月 ) 生 徒 指 導 資 料 第 4 集 学 校 と 関 係 機 関 等 との 連 携 - 学 校 を 支 える 日 々の 連 携 - ( 平 成 23 年 3 月 ) 個 別 の 課 題 対 応 に 関 する 内 容 生 徒 指 導 支 援 資 料 いじめを 理 解 する ( 平 成 21 年 6 月 ) 生 徒 指 導 支 援 資 料 2 いじめを 予 防 する ( 平 成 22 年 6 月 ) 生 徒 指 導 支 援 資 料 3 いじめを 減 らす ( 平 成 23 年 6 月 ) いじめ 問 題 に 関 する 取 組 事 例 集 ( 平 成 19 年 2 月 ) 不 登 校 支 援 のための IT 活 用 ガイド ( 平 成 18 年 3 月 ) 中 1 不 登 校 調 査 ( 中 間 報 告 )- 不 登 校 の 未 然 防 止 に 取 り 組 むために- ( 平 成 15 年 8 月 ) * 上 記 の 各 資 料 は 次 のアドレスよりダウンロードができます http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/3.htm#seito ( 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 徒 指 導 研 究 センターで 作 成 した 調 査 研 究 報 告 書 等 一 覧 ) 〇 文 部 科 学 省 生 徒 指 導 提 要 について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm 〇 文 部 科 学 省 白 書 統 計 出 版 物 http://www.mext.go.jp/b_menu/b005.htm - 9 -

文 部 科 学 省 国 立 教 育 政 策 研 究 所 National Institute for Educational Policy Research 協 力 : 全 日 本 中 学 校 長 会 - 10 -