特 別 講 演 座 長 神 野 進 ( 国 立 病 院 機 構 刀 根 山 病 院 ) 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 へのいざない- 構 音 機 能 と 嚥 下 機 能 の 要 衝 舘 村 卓 大 阪 大 学 大 学 院 歯 学 研 究 科 高 次 脳 口 腔 機 能 学 講 座 救 命 医 学 の 発 達 により 救 命 率 は 著 しく 向 上 しています.しかしながら, 命 は 救 われたもの の 口 で 食 べる 機 能 と 耳 で 聞 こえる 言 葉 を 発 する 機 能 の 障 害 のために 社 会 参 加 が 妨 げ られている 人 々は 増 加 しています. 近 年,これらの 障 害 に 対 しての 取 り 組 みが 多 くの 学 会 で 取 り 上 げられるようになってきま した.とくに 嚥 下 障 害 に 関 しては, 日 本 摂 食 嚥 下 リハビリテ-ション 学 会 が 積 極 的 な 活 動 を 行 っており,その HP には 嚥 下 造 影 検 査 を 中 心 とした 評 価 法 のガイドラインが UP されていま す.しかしながら,その 評 価 基 準 を 通 覧 すると 軟 口 蓋 運 動 を 中 心 とする 口 蓋 帆 咽 頭 (いわゆ る 鼻 咽 腔 ) 閉 鎖 機 能 については 関 連 する 研 究 結 果 について 十 分 に 考 察 されて 提 示 されて いないように 見 受 けられます. 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 は,ヒトが 直 立 二 本 脚 歩 行 するようになった 結 果 生 じた 咽 頭 の 成 立 に 伴 って 獲 得 した 機 能 であり,この 機 能 によって 私 たちは 口 腔 に 声 を 誘 導 させて 正 常 な 共 鳴 を 持 つ speech を 行 えるようになりました.しかしながら,その 一 方 で, 長 い 咽 頭 のために 誤 嚥 症 状 を 持 つようになったといえます. 一 見, 軟 口 蓋 の on-off 運 動 による 口 腔 鼻 腔 の 分 離 運 動 のように 見 えますが,speech の 際 には 口 腔 内 圧 を 上 昇 させ, 嚥 下 時 には 咽 頭 での 嚥 下 圧 を 維 持 するために 精 緻 な 閉 鎖 強 度 の 調 節 が 行 われています. 軟 口 蓋 運 動 についての 研 究 は, 口 蓋 裂 症 例 における speech の 改 善 を 目 的 として 行 われ, 当 初 は 側 方 X 線 映 画 やビデオ,その 後 に 内 視 鏡 を 用 いた 研 究 が 行 われました.すなわち, 現 在 の 嚥 下 研 究 での 流 れはこれらを 踏 襲 するものです.しかしながら,speech, 嚥 下 活 動 での 軟 口 蓋 運 動 の 調 節 は, 挙 上 後 の 等 尺 性 運 動 を 中 心 として 行 われることや 放 射 線 透 過 性 の 低 い 下 顎 骨 骨 体 部 に 軟 口 蓋 が 遮 られるため, 等 張 性 運 動 を 見 る X 線 や 内 視 鏡 では 十 分 に 明 らかにできません.また 構 造 的 に 異 なり speech ができない 動 物 を 用 いた 研 究 の 結 果 も,ヒトでの 障 害 治 療 には 寄 与 しません.したがって, 解 剖 学 所 見 とヒトボランティアによ る 筋 電 図 学 的 研 究 によって 得 られる 結 果 をもとに 推 察 することになります. これまで 演 者 は, 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 の 中 心 的 役 割 を 担 う 口 蓋 帆 挙 筋 の 筋 活 動 を 指 標 にして, 嚥 下 活 動 と speech での 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 の 調 節 様 相 の 一 端 を 明 らかにしてき ました. 今 回,speech と 嚥 下 活 動 の 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 の 調 節 様 相 について,これまでの 筋 電 図 研 究 の 結 果 とそれに 基 づく 歯 科 的 な 口 蓋 帆 咽 頭 閉 鎖 機 能 不 全 症 の 知 療 法 につい て 考 察 し, 神 経 筋 障 害 を 有 する 方 での speech と 嚥 下 障 害 の 治 で 療 や 訓 練 法 へのヒントを 考 えてみたいと 思 います. 1
セッションⅠ( 神 経 疾 患 ) 座 長 市 原 典 子 ( 国 立 病 院 機 構 高 松 医 療 センター) 1.メトロノームによるパーキンソン 病 の 嚥 下 訓 練 多 施 設 共 同 研 究 野 崎 園 子 1) 杉 下 周 平 2) 今 井 教 仁 3) 大 黒 大 輔 4) 井 之 川 真 紀 4) 福 岡 達 之 5) 川 道 久 美 子 6) 松 井 利 浩 2) 馬 木 良 文 6) 金 藤 大 三 7) 芳 川 浩 男 4) 道 免 和 久 4) 土 肥 信 之 1) 1) 兵 庫 医 療 大 学 リハビリテーション 学 部 2) 高 砂 市 民 病 院 3) 芦 屋 市 民 病 院 4) 兵 庫 医 科 大 学 病 院 5) 兵 庫 医 科 大 学 篠 山 病 院 6) 国 立 病 院 機 構 徳 島 病 院 7) 国 立 病 院 機 構 鳥 取 医 療 センター 目 的 メトロノームによるリズム 嚥 下 訓 練 と 従 来 の 基 礎 的 嚥 下 訓 練 の 効 果 を 比 較 検 討 し た 方 法 対 象 は 症 状 に 変 動 がなく 自 食 可 能 で 文 書 にて 本 研 究 への 参 加 の 同 意 が 得 られた 患 者 (52~74 歳 ) 12 名 である 基 礎 的 嚥 下 訓 練 ( 訓 練 S)とメトロノームによるリズム 訓 練 ( 訓 練 M)を クロスオーバー 法 により 訓 練 I: 訓 練 S 休 止 期 訓 練 M 各 2 週 間 訓 練 II: 訓 練 M 期 休 止 期 訓 練 S 期 各 2 週 間 として 無 作 為 にて 訓 練 I:6 名 訓 練 II:6 名 に 割 り 付 けた メトロノーム 法 は6 拍 子 のリズムに 合 わせたエンゲリード1 個 の 嚥 下 である 評 価 は 嚥 下 造 影 (VF)の 定 性 的 定 量 的 評 価 反 復 唾 液 のみテスト 舌 の 可 動 域 構 音 機 能 パ ーキンソン 病 運 動 機 能 評 価 (UPDRS) I & II である 結 果 VF の 定 性 評 価 では 嚥 下 後 の 喉 頭 蓋 残 渣 と 梨 状 窩 残 渣 が M 訓 練 後 に 減 少 した VF 時 相 解 析 値 では 口 腔 内 移 送 時 間 と 最 初 の 下 顎 枝 通 過 から 一 回 量 すべてが 複 数 嚥 下 で 食 道 入 口 を 通 過 するまでの 時 間 が M 訓 練 後 でS 訓 練 後 に 比 し 短 縮 した その 他 の 評 価 項 目 には 変 化 は 見 られなかった 考 察 メトロノーム 法 は 口 腔 内 移 送 時 間 の 短 縮 と 咽 頭 通 過 の 改 善 および 残 渣 の 減 少 に 有 効 であった 本 法 では リズム 音 による 外 的 刺 激 と 6 拍 子 目 の 合 図 音 の 命 令 が 嚥 下 運 動 を 円 滑 に 行 うために 有 用 であったと 考 えられた 2. 脳 深 部 刺 激 療 法 が 嚥 下 機 能 に 及 ぼす 影 響 の 検 討 松 井 利 浩 1) 杉 下 周 平 2) 野 崎 園 子 3) 今 井 教 仁 4) 馬 木 良 文 5) 1) 高 砂 市 民 病 院 脳 神 経 外 科 2) 高 砂 市 民 病 院 リハビリテーション 科 3) 兵 庫 医 療 大 学 リハビリテーション 部 4) 芦 屋 市 民 病 院 リハビリテーション 科 5) 国 立 病 院 機 構 徳 島 病 院 2
神 経 内 科 本 研 究 では 視 床 下 核 への 脳 深 部 刺 激 療 法 (STN-DBS)が 嚥 下 機 能 に 及 ぼす 影 響 につい て 定 性 定 量 的 に 検 討 を 加 えることを 目 的 とした 対 象 STN-DBS が 施 行 された PD 患 者 5 名 ( 男 1 例 女 4 例 )を 対 象 とした 平 均 年 齢 は 66.8±4.6 歳 で 平 均 罹 病 期 間 は 17.4±5.9 年 であった 方 法 :STN-DBS の 刺 激 条 件 を1 刺 激 OFF2 刺 激 ON3ON 時 の 約 1.5~2 倍 の 刺 激 電 流 (ON1.5)の 3 条 件 に 設 定 して VF にて 検 討 を 行 った VF の 撮 影 は OFF ON ON1.5 OFF 条 件 の 順 とした 検 査 食 にはジュースとゼリーを 用 いた 評 価 項 目 は 定 性 評 価 として 口 腔 残 留 咽 頭 残 留 喉 頭 進 入 誤 嚥 の 有 無 を 評 価 した 定 量 評 価 としての 時 相 解 析 (Robbins 1990)と 舌 骨 移 動 距 離 を 測 定 した 時 相 解 析 の 評 価 項 目 は 口 腔 移 相 時 間 咽 頭 通 過 通 過 時 間 嚥 下 反 射 開 始 時 間 とした 結 果 定 性 評 価 より DBS の 刺 激 強 度 が 強 いほど 咽 頭 残 留 口 頭 進 入 誤 嚥 を 増 加 させ ることが 明 らかとなった 定 量 評 価 では 刺 激 強 度 が 強 いほど 口 腔 移 相 時 間 や 咽 頭 通 過 通 過 時 間 嚥 下 反 射 開 始 時 間 が 延 長 する 傾 向 が 示 された 舌 骨 の 移 動 距 離 でも 刺 激 強 度 が 強 いほど 舌 骨 の 移 動 距 離 が 短 縮 する 傾 向 にあった 結 語 DBS 刺 激 は 嚥 下 機 能 に 影 響 を 及 ぼすことが 示 唆 された 3. 多 系 統 萎 縮 症 の 栄 養 状 態 変 化 と 栄 養 療 法 の 現 状 長 岡 詩 子 1) 清 水 俊 夫 1) 松 倉 時 子 2) 武 田 眞 弓 3) 1) 東 京 都 立 神 経 病 院 脳 神 経 内 科 2) 東 京 都 立 神 経 病 院 栄 養 科 3) 東 京 都 立 神 経 病 院 薬 剤 科 目 的 多 系 統 萎 縮 症 (MSA)における 栄 養 療 法 の 現 状 の 検 討 方 法 1.MSA 患 者 28 名 の 身 体 計 測 を 行 い 検 討 した 2. 罹 病 期 間 10 年 以 上 の 長 期 経 過 の MSA 患 者 11 名 の 過 去 の BMI 変 化 を 病 歴 とともに 検 討 した 結 果 1.MSA 患 者 の BMI は 低 い 傾 向 にあり 罹 病 期 間 が 長 くなるにつれ%AMC は 減 少 し 筋 タンパク 栄 養 障 害 を 呈 していた 経 管 栄 養 導 入 後 は BMI %AMC は 有 意 に 減 少 していた が %TSF は 増 加 傾 向 を 認 め 体 脂 肪 の 蓄 積 傾 向 が 示 唆 された 2. 経 管 栄 養 となる 直 前 は BMI が 著 明 に 減 少 していた 経 管 栄 養 導 入 後 は 低 カロリーでも BMI は 維 持 される 例 が 多 く, 特 に 女 性 では 増 加 する 傾 向 が 認 められた 結 論 罹 病 期 間 が 長 くなるにつれ 筋 タンパク 栄 養 障 害 を 呈 し, 経 管 栄 養 が 導 入 されると 体 脂 肪 は 蓄 積 傾 向 にあると 思 われた 現 状 より 早 期 の 経 管 栄 養 導 入 にて 栄 養 障 害 を 防 止 す ることが 望 ましいと 考 えられ 経 管 栄 養 導 入 後 には, 栄 養 障 害 を 予 防 しながらも 体 脂 肪 蓄 積 を 回 避 する 必 要 があると 思 われた 3
4. 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 に 対 する 声 門 閉 鎖 術 の 有 用 性 の 検 討 二 藤 隆 春 1) 溜 箭 紀 子 1) 山 岨 達 也 1) 清 水 潤 2) 辻 省 次 2) 1) 東 京 大 学 医 学 部 耳 鼻 咽 喉 科 2) 東 京 大 学 医 学 部 神 経 内 科 はじめに 高 度 の 誤 嚥 を 伴 う 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 ( 以 下 ALS)の 患 者 が 経 口 摂 取 を 望 ん だ 場 合 誤 嚥 防 止 手 術 を 行 うことにより 安 全 に 経 口 摂 取 することが 可 能 となるものの 喉 頭 全 摘 術 は 全 身 麻 酔 が 必 要 であるため 手 術 を 行 うタイミングが 難 しく 喉 頭 を 摘 出 すること への 心 理 的 抵 抗 もあり 広 く 普 及 しているとは 言 えない 声 門 閉 鎖 術 は 局 所 麻 酔 下 でも 施 行 可 能 な 誤 嚥 防 止 手 術 であり 気 管 切 開 術 と 同 時 に 行 うことが 可 能 である 今 回 は 当 科 で 行 っている 声 門 閉 鎖 術 の 特 徴 と 術 式 を 紹 介 するとともに 同 術 式 の 治 療 成 績 を 報 告 する 対 象 と 方 法 平 成 18 年 以 降 に 声 門 閉 鎖 術 を 施 行 した ALS 症 例 を 対 象 に 後 ろ 向 きカルテ 調 査 を 行 った 結 果 声 門 閉 鎖 術 を 施 行 した ALS 症 例 は 7 例 であり 6 例 が 局 所 麻 酔 下 で 行 われた 全 例 球 麻 痺 型 ALS であり 手 術 時 には 著 しい 構 音 障 害 を 伴 っていた 全 例 で 術 前 から 胃 瘻 が 増 設 されており 6 例 では 誤 嚥 により 絶 飲 食 となっていた 気 管 切 開 術 が 行 われていた 症 例 は 無 かった 術 後 は 1 例 で 全 量 摂 取 6 例 で 楽 しみ 程 度 の 経 口 摂 取 が 可 能 となった 結 論 声 門 閉 鎖 術 を 行 うことにより 楽 しみ 程 度 ではあるが 経 口 摂 取 を 再 開 することが 可 能 となり 患 者 の QOL 改 善 につながった 気 管 切 開 術 程 度 の 侵 襲 に 耐 えうる 症 例 であれば 施 行 可 能 であり 誤 嚥 防 止 手 術 の 適 応 拡 大 につながると 考 えられる 5. 嚥 下 圧 の 測 定 が 機 能 評 価 と 治 療 法 の 選 択 に 有 用 であった3 例 市 原 典 子 1) 三 好 まみ 2) 市 原 新 一 郎 3) 後 藤 理 恵 子 4) 印 藤 加 奈 子 4) 1) 国 立 病 院 機 構 高 松 医 療 センター 神 経 内 科 2) 国 立 病 院 機 構 高 松 医 療 センター リハビ リテーション 科 3) 国 立 療 養 所 大 島 青 松 園 内 科 4) 香 川 大 学 医 学 部 耳 鼻 咽 喉 科 症 例 1は80 歳 男 性.H20 年 2 月 発 症 の 多 発 脳 神 経 炎 患 者. 経 口 摂 取 不 能 で 誤 嚥 性 肺 炎 を 繰 り 返 し,4 月 14 日 当 院 へ 転 院. 入 院 時, 右 顔 面 神 経 麻 痺, 舌 の 右 方 偏 位. 軟 口 蓋 カー テン 徴 候, 右 声 帯 麻 痺 あり. 嚥 下 造 影 (VF)では 食 塊 形 成 不 全, 送 り 込 み 不 良 に 加 え 鼻 咽 腔 閉 鎖 不 全, 喉 頭 挙 上 不 全, 食 道 入 口 部 開 大 不 全 が 見 られ, 多 形 態 で 誤 嚥 を 認 めた. 嚥 下 圧 検 査 では 軟 口 蓋 咽 頭 の 収 縮 圧 の 低 下 と 食 道 入 口 部 の 反 応 消 失 を 認 めた. 入 院 直 後 よ り 食 道 入 口 部 バルーン 拡 張 法,メンデルゾーンその 他 の 訓 練 を 開 始 し, 嚥 下 状 態 は 徐 々に 改 善 した.H21 年 4 月 には 軟 飯 食 ~ 普 通 食 の 摂 取 が 可 能 となり,VF では 反 射 の 遅 れ 喉 頭 挙 上 の 改 善, 咽 頭 残 留 の 減 少 を 認 め, 嚥 下 圧 検 査 では 食 道 入 口 部 の 反 応 の 回 復 を 認 め た. 症 例 2 は 81 歳 女 性. 多 発 性 筋 炎 患 者. 平 成 20 年 11 月 頃 より, 嚥 下 困 難 とムセを 認 め 4
紹 介.VFにて 重 度 嚥 下 障 害 を 認 めアイスマッサージ メンデルゾーン 手 技 などの 訓 練 開 始. 4 ヶ 月 訓 練 をおこなっても 改 善 を 認 めず, 嚥 下 圧 検 査 では 軟 口 蓋 咽 頭 の 収 縮 圧 の 低 下 を 認 めた. 大 学 病 院 にて 嚥 下 補 助 手 術 を 施 行 し 嚥 下 状 態 改 善. 軟 飯 軟 菜 の 摂 取 が 可 能 とな り, 経 口 のみの 栄 養 となった. 術 後 の 嚥 下 圧 検 査 では 食 道 の 反 応 が 消 失 しており,VF にて 入 口 部 の 開 大 不 全 は 改 善 していた. 症 例 3 は 68 歳 男 性. 平 成 18 年 6 月 発 症 で 気 管 切 開 術 後 の 進 行 性 核 上 性 麻 痺 患 者. 嚥 下 障 害 のため 誤 嚥 性 肺 炎 を 繰 り 返 し, 一 時 的 に 人 工 呼 吸 管 理 となってより, 経 鼻 経 管 栄 養 で 寝 たきりの 状 態. 気 管 切 開 後 も 喀 痰 多 く, 肺 炎 を 繰 り 返 していた. 患 者 本 人 より 経 口 摂 取 の 希 望 あり.VF では 反 射 の 遅 れに 加 えて 喉 頭 挙 上 不 全, 鼻 咽 腔 閉 鎖 不 全, 食 道 入 口 部 開 大 不 全 と 球 麻 痺 症 状 を 認 めた. 嚥 下 圧 では 軟 口 蓋 咽 頭 の 収 縮 圧 の 低 下 と 食 道 入 口 部 の 弛 緩 不 全 を 認 めた.6 月 2 日, 大 学 病 院 にて 喉 頭 全 摘 出 術 施 行. 術 後 嚥 下 圧 では 食 道 入 口 部 の 開 大 不 全 解 消 し, 咽 頭 クリアランスも 改 善. 喀 痰 も 著 明 に 減 少 し 状 態 改 善. 全 量 経 口 での 栄 養 可 能 となった. セッションⅡ( 神 経 筋 接 合 部 疾 患 筋 疾 患 ) 座 長 野 崎 園 子 ( 兵 庫 医 療 大 学 リハビリテーション 部 ) 6.エドロフォニウム 注 射 前 後 の 嚥 下 造 影 検 査 が 診 断 に 有 用 であった MuSK 抗 体 陽 性 重 症 筋 無 力 症 40 代 女 性 山 本 敏 之 1, 2) 千 原 典 夫 1) 森 まどか 1) 小 林 庸 子 2) 村 田 美 穂 1) 1) 国 立 精 神 神 経 センター 病 院 神 経 内 科 2) 国 立 精 神 神 経 センター 病 院 リハビリテーショ ン 科 諸 言 Muscle-specific kinase (MuSK) 抗 体 陽 性 重 症 筋 無 力 症 (MG)は, 球 症 状, 眼 筋 麻 痺, 眼 瞼 下 垂 を 主 症 状 とし,アセチルコリンレセプター(AchR) 抗 体 陽 性 MG より 四 肢 筋 力 低 下 や 易 疲 労 性 は 少 ない 傾 向 にある.MuSK 抗 体 陽 性 MG において,エドロフォニウム 注 射 前 後 の 嚥 下 造 影 検 査 (VF)が 診 断 に 有 用 であったことを 報 告 する. 症 例 48 歳 女 性.47 歳, 飲 水 時 に 両 口 角 から 水 が 漏 れた.1カ 月 後, 右 眼 瞼 下 垂 が 出 現 し た.A 病 院 の 血 液 検 査,エドロフォニウム 検 査 で 異 常 なく, 原 因 不 明 とされた.2 カ 月 後, 飲 み 込 みづらくなり, 水 分 をむせこむようになった.3 カ 月 後, 上 下 肢 の 脱 力 が 出 現 した. 日 内 変 動 はなかった.B 病 院 の 検 査 で 異 常 なく, 精 神 症 状 を 疑 われた.4 カ 月 後, 首 が 上 がらな くなった. 易 疲 労 性 が 出 現 した.C 病 院 では AchR 抗 体 陰 性 で 原 因 不 明 とされた.5 カ 月 後, 当 院 受 診 した. 経 過 エドロフォニウム 注 射 前 の VF では 液 体 を 口 腔 保 持 できず, 嚥 下 中 に 喉 頭 侵 入 した. 咽 頭 での 固 形 物 の 送 り 込 みが 遅 く, 咽 頭 残 留 が 多 かった. 注 射 後 の VF では, 液 体 の 口 腔 5
保 持 が 改 善 し, 喉 頭 侵 入 はなかった. 固 形 物 の 咽 頭 輸 送, 咽 頭 残 留 が 改 善 した.MG と 診 断 し,その 後 の 検 査 で MuSK 抗 体 陽 性 と 判 明 した. 考 察 エドロフォニウム 注 射 前 後 の VF は,MG の 球 症 状 の 評 価 だけではなく,MuSK 抗 体 陽 性 MG の 診 断 に 有 用 な 検 査 であると 考 えた. 7. 簡 易 デバイスを 用 いた 嚥 下 時 産 生 音 の 評 価 重 症 筋 無 力 症 の 一 例 田 上 恵 美 子 1) 山 道 啓 子 1) 天 白 成 一 3) 斎 藤 朋 子 2) 安 井 久 美 2) 松 村 剛 2) 藤 村 晴 俊 2) 神 野 進 2) 1) 国 立 病 院 機 構 刀 根 山 病 院 リハビリテーション 科 2) 同 神 経 内 科 3) 株 式 会 社 アルカデ ィア はじめに 重 症 筋 無 力 症 における 嚥 下 障 害 は 発 症 様 式 治 療 効 果 とも 急 速 に 変 化 する 症 例 もあれば 慢 性 経 過 をたどる 例 もあり 多 彩 で 症 例 によっては 繰 り 返 す 評 価 を 要 するが 治 療 環 境 によっては 困 難 な 場 合 もある 今 回 音 声 波 形 分 析 ソフトであるアコースティックコア (アルカディア 社 )と 喉 頭 マイクロフォンを 用 いて 嚥 下 時 産 生 音 を 測 定 し 治 療 効 果 嚥 下 造 影 検 査 所 見 とほぼ 平 行 する 結 果 を 得 た 重 症 筋 無 力 症 の 1 例 を 経 験 したので 報 告 する 症 例 77 歳 男 性 2006 年 眼 瞼 下 垂 嚥 下 障 害 で 発 症 した MG 抗 AchR 抗 体 ;9.66nmo/l ステロイド 内 服 及 び 抗 コリンエステラーゼ 薬 が 奏 功 したがステロイド 漸 減 に 伴 い 2008 年 に 再 発 歴 あり 2009 年 2 月 眼 瞼 下 垂 出 現 4 月 から 嚥 下 困 難 自 覚 し 28 日 嚥 下 不 能 となり 入 院 抗 AchR 抗 体 ;18nmol/l 会 話 時 の 発 声 は 問 題 なく 四 肢 呼 吸 筋 麻 痺 なし VF では 咽 頭 期 嚥 下 運 動 の 著 しい 低 下 を 認 め 経 管 栄 養 のままステロイド 増 量 2 週 間 後 VF 再 検 ゼリーを うまくのみこめるようになったと 発 言 するも VF 所 見 は 殆 ど 改 善 なく 自 覚 症 状 が 乏 しいことが 判 明 以 後 1~2 週 おきに 上 記 方 法 にて 嚥 下 時 産 生 音 を 測 定 し 経 過 を 追 った さらに 4 週 間 後 の VF では 嚥 下 運 動 に 若 干 の 改 善 を 認 めたが 同 時 期 より 嚥 下 音 及 び 波 形 にも 改 善 が 見 られた 考 察 自 覚 症 状 があいまいで 回 復 スピードが 不 明 な 時 期 の VF 検 査 タイミングの 決 定 に 簡 便 無 侵 襲 で 有 用 な 方 法 であると 考 えた しかし 検 査 データの 客 観 化 の 検 討 や 症 例 の 蓄 積 が 必 要 である 8. 筋 強 直 性 ジストロフィー 患 者 に 対 する,ホットパックを 用 いた 摂 食 嚥 下 リハビリテーショ ンの 効 果 馬 木 良 文 1) 野 崎 園 子 2) 椎 本 久 美 子 3) 1) 国 立 病 院 機 構 徳 島 病 院 神 経 内 科 2) 兵 庫 医 療 大 学 リハビリテーション 学 部 理 学 療 6
法 学 科 3) 国 立 病 院 機 構 徳 島 病 院 リハビリテーション 科 目 的 筋 強 直 性 ジストロフィー(MyD)において 摂 食 嚥 下 障 害 は 重 要 な 予 後 決 定 因 子 であ る. 我 々はこれまで, MyD の 摂 食 嚥 下 障 害 の 病 態 について,ビデオ 嚥 下 造 影 (VF)を 用 いて 検 討 し, 多 彩 な 異 常 が 認 められることを 見 いだした. 本 研 究 では,MyD 患 者 に 対 して, 口 腔 期 を 中 心 としたリハビリにホットパックを 併 用 し, 効 果 を 検 討 した. 対 象 方 法 対 象 は 3 名 の MyD 患 者 で, 男 性 2 名, 女 性 1 名. 患 者 に 対 し 訓 練 A として 開 口 閉 口 訓 練 を 2 週 間 行 った.また 訓 練 B として 開 口 閉 口 訓 練 に 15 分 間 のホットパックを 2 週 間 併 用 した. 訓 練 A B の 順 は 無 作 為 に 割 り 付 けた.それぞれの 摂 食 嚥 下 機 能 の 評 価 は,1.6%ゼリーを 用 いたビデオ 嚥 下 造 影 を 行 い, 時 相 解 析 することで 行 った. 結 果 嚥 下 反 射 が 惹 起 されるまでの 時 間 が, 訓 練 により 改 善 し,ホットパックを 用 いた 訓 練 では 遅 延 から 正 常 に 近 い 値 にまで 改 善 した.また 舌 骨 の 挙 上 時 間 や 前 方 に 変 位 している 時 間 も 改 善 を 示 した. 口 腔 期 時 間 や 咽 頭 期 時 間, 食 道 入 口 部 が 開 くまでの 時 間 も 改 善 傾 向 であった. 軟 口 蓋 挙 上 時 間 や 食 道 入 口 部 が 開 いている 時 間 は 訓 練 による 効 果 がみられ なかった. 考 察 MyD 患 者 に 対 して, 口 腔 期 訓 練 にホットパックを 併 用 することで, 舌 骨 の 運 動 も 改 善 させることが 示 唆 された.ホットパックは 有 効 性 と 簡 便 性 から,MyD の 摂 食 嚥 下 機 能 療 法 を 行 う 上 で 優 れた 方 法 と 考 えられた. 9. 病 期 の 進 行 に 伴 い, 食 道 入 口 部 開 大 をきたしたミオパチーの 55 歳 男 性 例 巨 島 文 子 1) 前 川 恵 美 1) 武 澤 秀 理 1) 濱 中 正 嗣 1) 今 井 啓 輔 1) 牧 野 雅 弘 1) 小 田 健 一 郎 1) 小 西 哲 郎 2) 1) 京 都 第 一 赤 十 字 病 院 神 経 内 科 2) 国 立 病 院 機 構 宇 多 野 病 院 神 経 内 科 症 例 は 55 歳 の 男 性.41 歳 の 時, 開 鼻 声 と 嚥 下 困 難 を 自 覚. 眼 瞼 下 垂 や 眼 球 運 動 障 害 を 認 めず, 咬 筋 頬 部 筋 舌 に 萎 縮, 軟 口 蓋 の 挙 上 低 下 あり. 頸 部 肩 甲 帯 傍 脊 柱 筋 の 筋 萎 縮 と 近 位 筋 優 位 の 筋 力 低 下 ( 上 > 下 肢 )を 対 称 性 に 認 めた. 右 三 角 筋 の 筋 生 検 では Rimmed vacuole が 多 数 見 られ,PABP2 遺 伝 子 解 析 では 正 常 で 診 断 が 確 定 していない.47 歳 の 時, 呼 吸 不 全 のため 気 管 切 開 術 PEG を 施 行 して 絶 食 となり 当 院 初 診. 高 度 の 口 腔 咽 頭 期 の 嚥 下 障 害 を 認 め,スピーチカニューレに 変 更 して 経 口 摂 取 再 開.50 歳 の 時, 夜 間 の NPPV を 導 入 した. 現 在, 頸 部 肩 甲 帯 四 肢 近 位 及 び 顔 面 舌 の 筋 力 低 下 が 進 行 してい る. 口 腔 期 では 咀 嚼 困 難, 咽 頭 への 移 送 不 良, 咽 頭 期 では 軟 口 蓋 麻 痺, 咽 頭 収 縮 不 全, 喉 頭 挙 上 不 全 を 認 めるが, 食 道 入 口 部 の 開 大 はむしろ 良 好 となり, 検 査 上, 誤 嚥 を 認 めな い. 楽 しみレベルの 食 事 ではあるが, 食 品 調 整 と 食 事 時 間 の 設 定 栄 養 管 理 として 経 管 栄 養 剤 の 半 固 形 化, 投 与 量 と 投 与 方 法 投 与 時 間 帯 の 工 夫 を 行 っている.しかし, 検 査 所 見 7
とは 異 なり, 肺 炎 を 繰 り 返 しており, 誤 嚥 防 止 手 術 治 療 を 含 めて 今 後 の 治 療 方 針 につき 検 討 中 である. セッションⅢ( 重 症 心 身 障 害 ) 座 長 大 塚 義 顕 ( 国 立 病 院 機 構 千 葉 東 病 院 ) 10. 嚥 下 障 害 児 における 唾 液 誤 嚥 に 起 因 する 呼 吸 障 害 予 防 の 工 夫 七 字 美 延 1) 伊 藤 康 1) 竹 下 暁 子 1) 舟 塚 真 1) 大 澤 真 木 子 1) 東 京 女 子 医 科 大 学 病 院 小 児 科 はじめに 嚥 下 障 害 児 における 口 腔 内 唾 液 貯 留 は 誤 嚥 性 肺 炎 や 無 気 肺 の 原 因 となる.こ れら 合 併 症 を 予 防 するには, 唾 液 の 間 欠 的 持 続 的 吸 引, 体 位 交 換 の 工 夫 などが 一 般 的 な 対 処 法 である 今 回 我 々は KP コットン( 不 織 綿 )を 筒 状 に 丸 めた コットンパイプ を 用 いた 唾 液 の 持 続 吸 い 上 げが, 患 児 に 与 えるストレスもなく, 唾 液 誤 嚥 に 起 因 する 呼 吸 障 害 の 回 避 に 非 常 に 有 効 であったので 報 告 する. 方 法 2008 年 3 月 から2009 年 7 月 までの 間, コットンパイプ 法 を 試 みた 嚥 下 障 害 児 6 名 を 対 象 とした. 症 例 1(4 ヵ 月 男 児 ; 福 山 型 先 天 性 筋 ジストロフィー+ 肺 炎 ), 症 例 2(5 歳 2 ヵ 月 男 児 ;Niemann-Pick 病 C 型 + 胃 瘻 造 設 術 後 ), 症 例 3(5 ヵ 月 男 児 ; 脊 髄 性 筋 萎 縮 症 1 型 + 肺 炎 ), 症 例 4( 修 正 2 ヵ 月 男 児 ; 中 枢 性 協 調 障 害 + 息 止 め 発 作 ), 症 例 5(3 ヵ 月 男 児 ; 中 枢 性 協 調 障 害 + 肺 炎 )は 入 院, 症 例 6(11 歳 女 児 ; 低 酸 素 虚 血 性 脳 症 後 遺 症 + 肺 炎 )は 外 来 対 応 であった. 呼 吸 数 脈 拍 数 経 皮 的 酸 素 飽 和 度, 理 学 所 見 の 変 化 で 効 果 を 判 定 し た. 結 果 KP コットンは 丈 夫 で 吸 水 能 も 良 く, 必 要 時 に 即 時 に コットンパイプ を 作 製 できた. 絵 を 描 くなどして 外 観 を 工 夫 する 養 育 者 もいた. 呼 吸 数, 脈 拍 数 はどの 症 例 も 改 善 し, 経 皮 的 酸 素 飽 和 度 も 安 定 した. 聴 診 所 見 でも 肺 雑 音, 呼 吸 困 難 徴 候 の 改 善 を 認 めた.カテーテ ルを 用 いた 吸 引 時 の 様 に 患 児 が 嫌 がることもなく 吸 引 時 の 粘 膜 損 傷 がない 点 で 養 育 者 の 評 判 は 良 かった. 低 月 齢 児 は KP コットンを 乳 嘴 のように 吸 綴 し, 未 生 歯 のため 噛 み 切 る 心 配 もなく, 導 入 しやすかった. 気 管 内 挿 管 再 挿 管 を 回 避 でき, 症 例 2では 術 後 抜 管 困 難 から 離 脱 でき, 症 例 6 では 入 院 を 回 避 できた 点 で 全 ての 症 例 に 本 法 は 有 効 であった. 以 上 のように 急 性 期 の 対 応 は 成 功 したが, 症 例 1-5 は 児 が 飽 きてしまい, 症 例 6 は 養 育 者 が 審 美 的 な 面 で 受 容 できず,いずれも 長 期 使 用 はできなかった. 考 察 本 法 は, 嚥 下 障 害 児 の 唾 液 貯 留 に 永 遠 に 対 応 できるものではないが, 吸 引 回 数 が 減 り, 粘 膜 損 傷 がなく, 簡 単 に 安 価 に 作 製 できる 点 で 養 育 者 の 評 判 は 良 かった. 特 に, 吸 綴 する 時 期 の 低 月 齢 児 では 拒 否 もなく, 使 用 が 容 易 であった. 本 法 は, 気 道 内 脱 落 予 防 な 8
どの 安 全 面 を 考 慮 すれば, 吸 引 や 体 位 交 換 の 補 助 的 使 用 に 有 益 と 考 えた. 11. 統 合 医 療 によって 重 症 心 身 障 害 児 の 摂 食 機 能 発 達 を 制 限 する 要 因 が 除 去 できた3 例 大 塚 義 顕 1) 渋 谷 泰 子 1) 1) 国 立 病 院 機 構 千 葉 東 病 院 歯 科 はじめに 重 症 心 身 障 害 児 ( 重 症 児 )では 食 べること が 一 番 の 楽 しみであるはずが 誤 嚥 性 肺 炎 や 窒 息 を 引 き 起 こし 余 命 を 左 右 することがある また 過 度 な 筋 緊 張 や 喘 鳴 むせ 咳 きこみも 多 く スムーズに 経 口 摂 取 を 開 始 できない このような 児 では 生 体 恒 常 性 の 調 節 も 難 しい 従 来 の 摂 食 機 能 療 法 には これら 発 達 を 制 限 する 要 因 に 直 接 アプロー チする 方 法 はなかった 小 児 の 鍼 灸 治 療 では 不 眠 や 体 温 の 調 節 不 良 など 自 律 神 経 の 調 節 に 関 する 効 果 また 重 症 児 の 鍼 治 療 の 報 告 がある そこで 摂 食 機 能 障 害 における 全 身 的 間 接 訓 練 として 小 児 鍼 (てい 鍼 )を 用 いた 接 触 診 法 を 導 入 したので 紹 介 する 対 象 1 歳 3 歳 5 歳 の 脳 性 麻 痺 児 3 名 経 口 摂 取 開 始 前 および 離 乳 初 期 の 発 達 段 階 に あり 少 なくとも 間 接 訓 練 が 施 行 できる 児 とした 方 法 てい 鍼 を 用 いた 接 触 診 法 は 生 理 学 的 には 触 圧 受 容 器 刺 激 による 生 体 反 応 を 活 用 したもの てい 鍼 は 尖 端 が 鈍 的 で 丸 く 刺 激 も 少 ないため 体 にも 何 ら 害 はなく 障 害 児 に は 適 当 訓 練 時 間 は 1 回 に 20 分 程 度 回 数 は 1 週 間 に2 回 から5 回 調 整 方 法 は 腹 部 背 部 の 全 体 を 摩 擦 するように 擦 り 全 体 のバランスを 整 える 結 果 考 察 いずれの 症 例 も 約 2か 月 経 過 して 喘 鳴 がなくなり 筋 緊 張 が 緩 和 され 体 温 も 安 定 した 食 事 介 助 が 容 易 になった 看 護 師 や 理 学 療 法 士 もこの 間 の 変 化 を 認 めた 今 後 は 効 果 の 証 明 のため 事 例 の 蓄 積 を 図 る 9