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京 都 大 学 防 災 研 究 所 公 開 講 座 ( 第 27 回 ) 資 料 巨 大 災 害 に 備 える ための 海 を 使 った 緊 急 支 援 物 流 のあり 方 平 成 28 年 6 月 2 日 写 真 : 日 本 長 距 離 フェリー 協 会 写 真 : 国 土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 京 都 大 学 防 災 研 究 所 産 官 学 共 同 研 究 部 門 ( 港 湾 物 流 BCP 研 究 分 野 ) 小 野 憲 司 Email: ono.kenji.5z@kyoto-u.ac.jp

話 題 1. 自 然 災 害 リスクの 高 まり ( 私 たちの 生 活 を 脅 かす 地 震 津 波 大 雨 火 山 噴 火 などの 多 発 ) 2. 経 済 社 会 の 脆 弱 性 の 高 まり ( 私 たちの 生 活 が 災 害 にますますもろくなってき ている) 3. 災 害 時 物 流 の 意 義 ( 運 ぶこと で 被 災 地 を 救 う) 1

南 海 トラフ 巨 大 地 震 のリスク 日 本 周 辺 のフ レート 運 動 南 海 トラフ 出 典 左 図 : 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 海 溝 型 地 震 の 長 期 評 価 の 概 要 ( 算 定 基 準 日 平 成 21 年 1 月 1 日 )より 作 成 右 上 図 : 全 国 地 質 業 協 会 連 合 会 ウェフ サイト 東 海 東 南 海 南 海 地 震 の 被 害 想 定 1. 建 物 全 壊 棟 数 : 約 51 万 3000 ~ 56 万 8600 棟 ( 阪 神 淡 路 大 震 災 約 24 万 9000 棟 ) 2. 死 者 数 : 約 2 万 2000 ~ 2 万 8300 人 ( 阪 神 淡 路 大 震 災 6432 人 ) 3. 経 済 被 害 : 約 53 ~ 81 兆 円 ( 阪 神 淡 路 大 震 災 約 13 兆 円 ) ( 中 央 防 災 会 議 資 料 による) 2

1 3.11 以 前 に 発 見 されていた 知 見 現 在 想 定 されている 東 海 東 南 海 南 海 3 連 発 地 震 は 1707 年 の 宝 永 地 震 がモデル しかし 宝 永 地 震 は 日 向 灘 連 動 の4 連 動 であった 可 能 性 その 場 合 の 規 模 はM9 津 波 高 さは 1.5~2 倍 の5~10m ( 文 科 省 研 究 フ ロシ ェクト 成 果 :2011 年 4/8 日 経 新 聞 ) 2 1361 年 の 正 平 ( 康 安 ) 地 震 津 波 は 宝 永 地 震 を 上 回 る 内 陸 4キロまで 到 達 ( 東 大 地 震 研 調 査 : 2011 年 5/3 神 戸 新 聞 ) 3 4 5 6 仙 台 平 野 は 千 年 毎 に( 弥 生 時 代 800 年 代 にも) 海 岸 線 から3~4kmまで 津 波 で 浸 水 ( 東 北 学 院 大 学 調 査 結 果 : 2011 年 5/19 神 戸 新 聞 ) 1605 年 の 慶 長 地 震 は 南 海 トラフ 沿 いの 震 源 域 に 加 えて 沖 合 の 別 の 震 源 域 が 連 動 した 可 能 性 その 場 合 の 津 波 高 さは これまでの 想 定 の1.5 倍 ~2 倍 ( 東 大 地 震 研 指 摘 : 2011 年 5/23 朝 日 新 聞 ) 高 知 県 土 佐 市 蟹 ヶ 池 において 2000 年 前 の 巨 大 津 波 の 痕 跡 ( 厚 さ50cmの 砂 の 堆 積 層 ) 発 見 ( 高 知 大 調 査 : 2011 年 5/23 日 経 新 聞 ) 1586 年 の 天 正 大 地 震 で 若 狭 湾 においても 津 波 が 発 生 集 落 が 流 され 多 数 の 死 者 を 出 した ( 敦 賀 短 大 による 史 料 調 査 結 果 : 2011 年 5/27 朝 日 新 聞 ) 3

9 世 紀 日 本 の 地 震 火 山 災 害 北 関 東 地 震 (M7~7.5) 八 ヶ 岳 噴 火 (70 年 間 ) M8.3~8.6の 貞 観 三 陸 地 震 ( 津 波 ) M8.0 ~8.5の 仁 和 南 海 ( 東 海 東 南 海 3 連 発?)を 含 む M7 以 上 の 地 震 12 回 火 山 噴 火 5 回 が 発 生 11 鳥 海 山 噴 火 (871 年 ) 3 天 長 出 羽 地 震 (830 年 ) 5 嘉 祥 出 羽 地 震 (850 年 ) 6 貞 観 越 中 越 後 地 震 (863 年 ) 10 貞 観 三 陸 地 震 (869 年 ) 14 元 慶 出 雲 地 震 (880 年 ) 8 阿 蘇 山 噴 火 (864 年 867 年 ) 17 八 ヶ 岳 噴 火 (888 年 ) 9 貞 観 播 磨 山 城 地 震 (868 年 ) 1 弘 仁 9 年 の 北 関 東 地 震 (818 年 ) 13 元 慶 相 模 武 蔵 地 震 (878 年 ) 7 富 士 山 噴 火 (864~866 年 ) 4 承 和 伊 豆 地 震 (841 年 ) 2 天 長 地 震 (827 年 ) 15 元 慶 平 安 京 地 震 (881 年 ) 12 開 聞 岳 噴 火 (874 年 ) 16 仁 和 南 海 地 震 (887 年 ) Copyright 2013 K. ONO All Rights Reserved. 4

東 京 湾 北 部 地 震 (M7.3)の 震 度 分 布 首 都 直 下 地 震 の 規 模 出 典 : 内 閣 府 HP 5 5

首 都 直 下 地 震 時 の 被 害 想 定 と 緊 急 支 援 物 資 輸 送 被 害 予 想 ( 最 悪 のケース) Mw 7.3 被 災 地 域 死 者 / 行 方 不 明 者 帰 宅 困 難 者 数 避 難 者 数 被 災 家 屋 数 首 都 圏 11,000 人 650 万 人 最 大 時 : 700 万 人 ( 内 避 難 所 収 容 :460 万 人 ) 85 万 戸 ( 内 焼 失 : 65 万 戸 ) 政 府 による 支 援 物 資 輸 送 量 (1 週 間 あたり) 支 援 物 資 の 内 容 数 量 飲 料 水 (トン) 16,500 食 糧 ( 千 食 ) 75,100 脱 脂 粉 乳 (キロク ラム) 13,200 要 救 援 者 数 ( 最 大 時 ) 1350 万 人 毛 布 ( 千 枚 ) 941 紙 おむつ ( 千 枚 ) 1,179 携 帯 トイレ ( 個 ) 2,850 出 典 : 内 閣 府 防 災 グループ 首 都 直 下 地 震 ワーキンググループ 報 告 6

東 日 本 大 震 災 時 の 帰 宅 困 難 者 数 ( 推 定 ) 帰 宅 困 難 者 数 ( 万 人 ) 帰 宅 困 難 比 率 450 45% 400 40% 350 35% 300 352 30% 250 25% 200 20% 150 15% 100 10% 50 33 67 10 5% 52 0 0% 東 京 都 神 奈 川 県 千 葉 県 埼 玉 県 茨 城 県 南 部 帰 宅 困 難 者 数 外 出 者 に 占 める 帰 宅 困 難 比 率 出 典 : 首 都 直 下 地 震 帰 宅 困 難 者 等 対 策 協 議 会 最 終 報 告 参 考 資 料, 首 都 直 下 地 震 帰 宅 困 難 者 等 対 策 協 議 会, 平 成 24 年 9 月 10 日 7

過 去 の 巨 大 地 震 災 害 における 被 害 内 容 関 東 大 震 災 阪 神 淡 路 大 震 災 東 日 本 大 震 災 規 模 (Mw) 7.3 7.3 9.0 被 災 地 首 都 圏 兵 庫 県 南 部 東 北 北 関 東 7 県, 東 京 都 死 者 / 行 方 不 明 者 災 害 関 連 死 者 数 避 難 者 数 倒 壊 家 屋 数 10 万 5 千 人 余 6,437 18,877 不 明 919 人 2,681 人 190 万 人 ( 被 災 者 ) 372,659 戸 ( 内 焼 失 21,2353 戸 ) 31 万 7 千 人 約 40 万 人 654,296 戸 ( 内 焼 失 14,610 戸 ) 644,182 戸 犠 牲 者 の 死 因 の 比 率 100% 80% 60% 40% 20% 0% 92.4 東 日 本 大 震 災 (2011) 83.3 12.8 阪 神 淡 路 大 震 災 (1995) 11.9 87.1 関 東 大 震 災 (1923) 水 死 焼 死 圧 死 不 明 阪 神 淡 路 大 震 災 の 事 例 1995 年 1 月 17 日 に 発 生 した 阪 神 淡 路 大 震 災 で は 木 造 家 屋 の 密 集 地 70ヘクタールが 焼 失 し 559 人 が 亡 くなった 漏 電 等 により 同 時 多 発 的 に 火 災 が 発 生 したため 消 防 機 能 が 対 応 で きなかったと 言 われる 8

首 都 直 下 地 震 による 火 災 発 生 リスク 出 典 : 内 閣 府 防 災 グループ 首 都 直 下 地 震 ワーキンググループ 報 告 9

人 口 の 減 少 と 社 会 の 高 齢 化 110 総 人 口 (2005 年 を100) 100 東 京 圏 90 80 名 古 屋 圏 全 国 70 地 方 圏 大 阪 圏 180 60 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 160 生 産 年 齢 人 口 (2005 年 を100) 100 140 高 齢 人 口 (2005 年 を100) 東 京 圏 名 古 屋 圏 大 阪 圏 全 国 80 東 京 圏 120 地 方 圏 60 地 方 圏 名 古 屋 圏 全 国 100 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 大 阪 圏 40 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 出 典 : 国 土 交 通 省 国 土 計 画 局 作 成 資 料 10

高 齢 者 単 独 世 帯 の 増 加 世 帯 類 型 別 世 帯 数 の 推 移 高 齢 者 単 独 その 他 単 独 1980 年 1985 年 88 118 623 671 446 521 1508 1519 205 240 712 728 夫 婦 のみ 夫 婦 と 子 ひとり 親 と 子 1990 年 162 777 629 1517 275 706 その 他 の 世 帯 1995 年 220 904 762 1503 311 690 2000 年 303 988 884 1492 358 654 2005 年 386 1059 964 1465 411 621 2010 年 465 1105 1008 1403 451 595 2015 年 562 1094 1019 1326 482 577 2020 年 631 1102 1004 1239 501 565 2025 年 673 1119 976 1152 507 556 2030 年 717 1106 939 1070 503 544 2035 年 783 1050 896 983 489 526 2040 年 882 948 856 900 473 503 2045 年 946 867 819 821 456 478 2050 年 982 805 779 745 440 455 0 1000 2000 3000 4000 5000 単 独 世 帯 のうち 5 割 超 が 高 齢 者 単 独 世 帯 約 4 割 が 単 独 世 帯 単 位 : 万 世 帯 出 典 : 国 土 交 通 省 国 土 計 画 局 作 成 資 料 11

津 波 避 難 時 の 高 齢 者 自 力 避 難 困 難 者 のケア 回 答 率 60% 避 難 開 始 までの 時 間 37% 37% 高 齢 者 を 有 する 家 庭 自 力 避 難 困 難 者 を 有 する 家 庭 その 他 の 家 庭 50% 40% 30% 20% 10% 2% 24% 0% すぐに 30 分 1 時 間 2 時 間 以 上 無 回 答 高 齢 者 有 り 自 力 避 難 困 難 者 有 り 高 齢 者 自 力 避 難 困 難 者 無 し 65 歳 以 上 の 高 齢 者 回 答 率 60% 避 難 場 所 62% 38% 自 力 避 難 困 難 自 力 避 難 可 能 50% 40% 30% 20% 10% 0% 自 治 体 の 決 めた 避 難 場 所 近 所 の 高 台 近 所 の 親 類 知 人 宅 公 民 館 役 場 学 校 決 めていない 高 齢 者 有 り 自 力 避 難 困 難 者 有 り 高 齢 者 自 力 避 難 困 難 者 無 し 出 典 : 津 波 等 リスクに 対 する 住 民 等 意 識 調 査 ( 平 成 24 年 度 ), 近 畿 地 方 整 備 局 和 歌 山 港 湾 事 務 所 京 都 大 学 防 災 研 究 所 12

災 害 関 連 死 の 年 齢 構 成 災 害 関 連 死 者 数 ( 人 ) 1200 1000 1,031 年 齢 別 120% 比 率 あ 100% 800 600 714 80% 60% 400 200 0 288 97 90 1 34 1 0 2 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 茨 城 県 4 31 40% 20% 0% 20 歳 以 下 21 歳 以 上 65 歳 以 下 66 歳 以 上 20 歳 以 下 比 率 21 歳 以 上 65 歳 以 下 比 率 66 歳 以 上 比 率 データ: 東 日 本 大 震 災 における 震 災 関 連 死 の 死 者 数, 復 興 庁, 平 成 24 年 11 月 2 日 13

災 害 関 連 死 の 時 期 災 害 関 連 死 者 数 ( 人 ) 700 600 500 400 300 200 100 災 害 関 連 死 時 期 ( 累 計 比 率 ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0 1 週 間 以 内 ~1か 月 ~3か 月 ~6か 月 ~1 年 ~1 年 半 1 年 半 超 0% 1 週 間 以 内 ~1か 月 ~3か 月 ~6か 月 ~1 年 ~1 年 半 1 年 半 超 全 国 計 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 茨 城 県 全 国 計 岩 手 県 宮 城 県 茨 城 県 福 島 県 データ: 東 日 本 大 震 災 における 震 災 関 連 死 の 死 者 数, 復 興 庁, 平 成 24 年 11 月 2 日 14

Na Tech 災 害 Na-Tech 災 害 は 自 然 災 害 によって 引 きおこされる 石 油 コンビ ナートや 発 電 所 などのプラント 火 災 等 の 事 故 近 年 のNa-Tech 災 害 の 事 例 として 東 日 本 大 震 災 時 によって 発 生 した 福 島 第 一 原 発 事 故 や 千 葉 コスモ 石 油 製 油 所 火 災 などがあげられる 千 葉 コスモ 石 油 製 油 所 LPGタンク 火 災 には 海 上 保 安 庁 海 上 災 害 防 止 センター 東 京 消 防 庁 の 消 防 船 が 海 からの 消 火 活 動 ( 冷 却 放 水 )を 実 施 3 月 13 日 朝 には 放 水 作 業 を 終 了 最 終 的 な 鎮 火 は3 月 21 日 消 防 船 による 冷 却 放 水 出 典 : 海 上 保 安 レポート2012, 海 上 保 安 庁 15

企 業 サプライチェーンの 寸 断 と 経 済 被 害 素 材 中 間 財 化 学 品 超 高 純 度 過 酸 化 水 素 国 内 シェア: 約 6 割 停 止 黒 鉛 (リチウムイオン 電 池 負 極 材 ) 世 界 シェア: 約 5 割 被 災 EPDM(エチレン-プロ ピレン-ジエンゴム) 国 内 シェア: 約 2 割 被 災 ポリプロピレン 国 内 シェア: 約 2 割 被 災 シリコンウェハ 世 界 シェア: 約 6 割 (2 社 計 ) 被 災 半 導 体 マイコン 世 界 シェア: 約 3 割 被 災 工 作 機 械 用 NCチップ 世 界 シェア: 約 5 割 停 止 エレクトロニクス 関 連 極 薄 電 解 銅 箔 世 界 シェア: 約 4 割 (2 社 計 ) 被 災 人 工 水 晶 世 界 シェア:10 割 (3 社 計 ) 被 災 停 止 ITOターゲット 材 国 内 シェア: 約 2 割 被 災 液 晶 パネル( 中 小 型 ) 世 界 シェア: 約 1.5 割 (2 社 計 ) 被 災 取 引 先 への 震 災 の 影 響 による 操 業 度 低 下 調 達 先 影 響 なし 30.9% 40.6% 販 売 先 12.1% 影 響 あり 59.4% 調 達 販 売 16.4% 製 品 自 動 車 生 産 額 : 約 57 兆 円 従 業 者 数 : 約 100 万 人 産 業 機 械 生 産 額 : 約 22 兆 円 従 業 者 数 : 約 86 万 人 家 電 エレクトロニクス 生 産 額 : 約 31 兆 円 従 業 者 数 : 約 75 万 人 近 畿 地 方 整 備 局 アンケート 調 査 大 規 模 製 造 業 等 合 計 825 事 業 所 の 回 答 * 経 済 産 業 省 サプライチェーンの 影 響 調 査 より 作 成 16

災 害 現 場 における 物 流 の 役 割 物 流 機 能 視 点 と 役 割 課 題 緊 急 救 援 物 流 (Emergency Relief Logistics:ERL) 経 済 社 会 の 復 旧 復 興 のため の 物 流 (Logistics for socio-economic reconstruction and development) 被 災 者 の 捜 索 救 助 自 衛 隊 警 察 消 防 の 救 援 要 員 機 材 の 展 開 支 援 被 災 者 の 救 援 救 援 物 資 の 輸 送 配 達 保 険 医 療 福 利 厚 生 施 設 の 展 開 支 援 避 難 民 の 輸 送 等 復 興 市 場 経 済 への 復 帰 地 域 経 済 復 興 に 向 けたサ プライチェーンの 早 期 復 旧 地 域 雇 用 の 確 保 地 域 国 家 世 界 経 済 への インパクトの 緩 和 ラスト マイル 問 題 の 解 決 地 域 コミュニティの 孤 立 回 避 交 通 手 段 燃 料 確 保 緊 急 救 援 物 流 におけ る 大 量 輸 送 交 通 基 盤 インフラの 早 期 復 旧 商 業 交 通 の 早 期 復 活 サフ ライチェーンのための BCPの 準 備 17 17

政 府 による 緊 急 支 援 物 資 輸 送 活 動 緊 急 支 援 物 資 輸 送 期 間 : 5 週 間 (3 月 17 日 ~4 月 21 日 ) 動 員 輸 送 機 関 1. トラック: 1,900 2. 飛 行 機 ( 自 衛 隊 ) : 150 3. ヘリコフ ター( 警 察, 消 防 ): 5 4. 船 舶 ( 国 交 省, 海 保 等 ): 8 東 日 本 大 震 災 の 経 験 区 分 調 達 品 目 食 料 計 ( 食 ) 実 績 26,209,234 食 料 飲 料 生 活 用 品 パン 9,391,373 即 席 めん 類 2,557,730 おにぎり もち 3,501,074 包 装 米 飯 精 米 3,357,313 その 他 ( 缶 詰 等 ) 7,401,744 飲 料 ( 本 ) 7,937,171 トイレット ヘ ーハ ー( 個 ) 379,695 毛 布 ( 枚 ) 409,672 おむつ( 枚 ) 395,521 一 般 薬 ( 箱 ) 240,314 マスク( 枚 ) 4,380,442 燃 料 燃 料 等 (リットル) 16,031,000 写 真 : 九 州 大 学 星 野 裕 志 教 授 提 供 18 18

災 害 時 物 流 における 海 の 活 用 のメリット 1. 海 上 輸 送 の 利 点 大 量 の 人 員 物 資 の 集 中 的 な 輸 送 が 可 能 陸 上 ルート 途 絶 の 迂 回 機 能 2.フェリー 等 の 船 の 利 点 地 震 津 波 に 対 する 耐 性 陸 上 側 の 支 援 ( 荷 役 機 械 人 員 陸 上 輸 送 手 段 ) 不 要 人 員 資 機 材 の 同 時 輸 送 自 衛 隊 輸 送 実 績 震 災 地 への 快 適 な 居 住 性 の 提 供 : 病 院 船 お 風 呂 船 等 19

災 害 時 におけるこれまでの 海 からのアフ ローチ 機 能 1 人 員 物 資 輸 送 機 能 主 な 災 害 人 員 輸 送 ( 支 援 要 員 ) 人 員 輸 送 ( 急 患 被 災 者 ) 物 資 輸 送 2 捜 索 救 助 機 能 3 医 療 機 能 伊 豆 火 山 噴 火 (S61) 北 海 道 南 西 沖 地 震 (H5) 阪 神 淡 路 大 震 災 (H7) 三 宅 島 噴 火 (H12) 新 潟 中 越 沖 地 震 (H19) 東 日 本 大 震 災 (H23) 4 消 火 機 能 5 被 害 者 等 被 災 者 支 援 機 能 支 援 給 食 支 援 給 水 支 援 宿 泊 支 援 入 浴 支 援 診 療 支 援 支 援 要 員 等 宿 泊 支 援 6 航 路 港 湾 の 障 害 排 除 機 能 7 指 揮 機 能 ( 現 地 対 策 本 部 ) 出 所 ) 災 害 時 多 目 的 船 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 成 24 年 3 月 ) 20

東 日 本 大 震 災 時 の 支 援 物 資 輸 送 手 段 船 が 運 ぶ 支 援 トラック 鉄 道 (5トンコンテナ) 海 運 航 空 食 糧 1,897.7 万 食 118 個 0 0 飲 料 水 4,60.2 万 本 114 個 毛 布 45.8 万 枚 33 個 燃 料 油 17.8 万 kl 723.3 万 kl 原 油 13.7 万 kl LPG 等 3.9 万 トン その 他 117 個 252トン 使 用 車 両 数 隻 数 便 数 等 1,927 台 232 本 2,277 隻 663 便 注 ) 食 糧 には 自 衛 隊 の 炊 き 出 しを 含 む また 飲 料 水 は500mlペットボトル 換 算 出 典 : 内 閣 府 資 料 写 真 : 東 北 地 方 整 備 局 提 供 出 典 : 海 上 保 安 庁 ウェブサイト 出 典 : 大 規 模 災 害 時 の 船 舶 の 活 用 等 に 関 する 調 査 検 討 会 資 料, 国 土 交 通 省 21

津 波 来 襲 時 の 沖 合 い 避 難 出 典 : 太 平 洋 フェリー( 株 ) 提 供 資 料 に 基 づき 発 表 者 が 作 成 したもの 22 22

フェリーによる 捜 索 救 援 部 隊 輸 送 の 実 績 輸 送 時 の 燃 料 を 節 約 小 樽 苫 小 牧 オフサイト 型 の 支 援 拠 点 人 員 車 両 燃 料 等 を 一 度 に 大 量 に 輸 送 代 替 揚 陸 拠 点 となった 港 湾 着 岸 できる 岸 壁 さえあれば クレーンなしで 輸 送 可 能 函 館 青 森 秋 田 3 月 13 日 苫 小 牧 青 森 自 衛 隊 貸 切 輸 送 第 1 船 商 船 三 井 フェリー SFさっぽろ 大 型 の 貨 物 や 重 量 物 危 険 物 も 輸 送 が 可 能 船 内 で 休 息 でき 現 地 で 直 ちに 活 動 可 能 3 月 28 日 苫 小 牧 仙 台 仙 台 港 利 用 第 1 船 太 平 洋 フェリー きたかみ 国 土 交 通 省 港 湾 局 作 成 資 料 に 基 づく 3 月 12 日 小 樽 秋 田 緊 急 輸 送 第 1 船 新 日 本 海 フェリー しらかば 仙 台 オンサイト の 橋 頭 堡 震 災 発 生 から4ヶ 月 間 で 自 衛 隊 消 防 警 察 等 人 員 約 60,500 人 車 両 約 16,600 台 を 緊 急 輸 送 ( 定 期 航 路 臨 時 便 ) 23

首 都 直 下 地 震 に 対 応 した 長 距 離 輸 送 システムのイメージ 緊 急 輸 送 ニーズ 応 援 部 隊 の 派 遣 ( 発 災 後 96 時 間 以 内 ) 派 遣 先 警 察 庁 消 防 庁 防 衛 省 合 計 埼 玉 県 530 1,410 4,200 6,130 東 京 都 16,820 8,680 16,400 41,900 苫 小 牧 港 凡 例 オフサイト 支 援 センター 神 奈 川 県 730 1,080 8,200 10,010 千 葉 県 1,440 860 1,500 3,800 代 替 揚 陸 拠 点 全 般 支 援 - - 55,400 55,400 合 計 19,520 12,030 85,700 117,240 出 典 : 首 都 直 下 地 震 応 急 対 策 活 動 要 領 に 基 づく 具 体 的 な 活 動 内 容 に 係 る 計 画, 内 閣 府 中 央 防 災 会 議 オンサイト 橋 頭 堡 物 資 調 達 派 遣 先 飲 料 水 食 糧 調 整 粉 乳 毛 布 おむつ 仮 設 トイレ (トン) ( 万 食 ) (トン) ( 万 枚 ) ( 万 枚 ) ( 基 ) 埼 玉 県 3,200 1,030 1.2 17.9 22.5 - 東 京 都 - 3,180 6.6 3.7 38.7 1110 神 奈 川 県 - 1,690-16.6 - - 千 葉 県 13,300 1,570 5.3 55.9 56.7 1,740 茨 城 県 - 40 0.1 - - - 合 計 16,500 7,510 13.2 94.1 117.9 2,850 出 典 : 首 都 直 下 地 震 応 急 対 策 活 動 要 領 に 基 づく 具 体 的 な 活 動 内 容 に 係 る 計 画, 内 閣 府 中 央 防 災 会 議 新 潟 港 仙 台 港 常 陸 那 珂 港 名 古 屋 清 水 港 京 浜 港 24

フェリーによる 緊 急 支 援 物 資 輸 送 シミュレーションの 事 例 トラック 数 ( 台 ) 600 500 400 300 200 100 0 北 九 州 港 大 分 港 から 各 々フェリー3 隻 就 航 時 ( 被 災 地 揚 陸 トラック 台 数 ) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 揚 陸 日 北 九 州 港 大 分 港 累 計 (21 航 海 ) 累 計 トラック 台 数 (1000 台 ) 12 10 8 6 4 2 支 援 物 資 搬 入 量 (トン/ 日 ) 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 発 災 後 経 過 日 数 北 九 州 大 分 港 から 各 々1 隻 動 員 各 々2 隻 動 員 各 々3 隻 動 員 輸 送 可 能 人 員 数 ( 累 計, 千 人 ) 60 50 40 30 20 10 0 トラック 台 数 北 九 州 港 発 着 大 分 港 発 着 合 計 ( 北 九 州 港 大 分 港 から 各 々フェリー3 隻 就 航 時 ) 輸 送 人 員 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 発 災 後 経 過 日 数 ( 日 ) 8 7 6 5 4 3 2 1 輸 送 可 能 トラック 台 数 ( 累 計, 千 台 ) 累 計 避 難 可 能 数 ( 千 人 ) 40 35 北 九 州 港 避 難 30 大 分 港 避 難 25 20 15 10 5 0 0 72 144 216 288 360 432 504 576 648 720 発 災 後 経 過 時 間 25

大 量 一 括 輸 送 が 可 能 輸 送 ルート 選 択 が 柔 軟 性 に 富 む の 反 面 港 湾 の 早 期 利 用 ( 警 報 解 除 海 面 浮 遊 物 海 底 がれ きの 除 去 ) 被 災 地 における 輸 送 のための 段 取 りが 不 可 欠 ( 物 資 の 集 積 荷 捌 き 整 理 など 荷 揚 げ 後 の 仕 分 け 陸 上 輸 送 の 対 応 を 怠 ると ラストマイル 問 題 に ) フェリー 等 大 型 船 の 確 保 といった 課 題 が! 26

仙 台 塩 釜 港 の 航 路 啓 開 3 月 14 日 海 底 状 況 の 確 認 調 査 開 始 3 月 15 日 航 路 啓 開 作 業 に 着 手 高 松 埠 頭 岸 壁 前 面 の 音 探 深 浅 測 量 ナローマルチビームによる 海 域 地 形 測 量 実 施 3 月 18 日 高 松 ふ 頭 (-12m)1バース 開 放 航 路 啓 開 海 域 地 形 測 量 継 続 4 月 1 日 一 般 船 舶 向 け 暫 定 供 用 (-10~-12m 級 :5バース, -12m 級 以 上 : 1バース( 暫 定 水 深 ) 測 量 による 障 害 物 発 見 :531 地 点 航 路 啓 開 範 囲 障 害 物 揚 収 地 点 高 松 ふ 頭 出 典 : 国 土 交 通 省 資 料 に 基 づき 発 表 者 が 作 成 したもの 27

障 害 物 の 引 き 揚 げ 作 業 障 害 物 の 撤 去 状 況 ( 仙 台 港 区 531 点 5 月 21 日 作 業 終 了 ) 揚 収 物 の 内 訳 コンテナ 335 個 自 動 車 26 個 その 他 74 個 参 考 塩 釜 港 区 ( 230 地 点 :4 月 18 日 完 了 ) トレーラーの 揚 収 作 業 コンテナの 揚 収 作 業 自 動 車 の 揚 収 作 業 出 典 : 国 土 交 通 省 資 料 に 基 づき 発 表 者 が 作 成 したも の 28

フェリー 事 業 者 の 余 力 ( 体 力 )の 低 下 四 国 と 本 州 九 州 間 のフェリー 航 路 推 移 の 事 例 出 典 : 四 国 運 輸 局 資 料 年 次 29

緊 急 支 援 物 資 の 時 間 経 過 に 従 って 変 化 する 物 資 内 容 図 東 日 本 大 震 災 での 物 資 ニーズ 変 化 の 外 観 資 料 : 平 成 23 年 度 サプライチェーンを 支 える 高 度 な 物 流 システムの 構 築 事 業 - 災 害 時 等 における 緊 急 支 援 物 資 供 給 の 効 率 化 事 業 報 告 書 (2012 年 5 月 野 村 総 合 研 究 所 ) 30

まとめ 1. 自 然 災 害 リスクの 高 まりに 正 面 から 向 き 合 うこと が 必 要 ( 私 たちの 生 活 を 脅 かす 地 震 津 波 等 の 様 々な 災 害 リスクを 日 頃 より 常 に 意 識 し 忘 れない 忘 れようとしないことが 大 切 ) 2. 経 済 社 会 の 脆 弱 性 の 高 まりは 今 後 も 必 須 ( 世 の 中 が 便 利 になればなるほど その 代 償 として 私 たちの 生 活 は 災 害 に 対 してますますもろくなる ことをいつも 認 識 すべき) 3. 被 災 地 におけるヒト モノの 流 れは 被 災 者 の 生 命 と 健 康 を 護 り 地 域 の 経 済 を 再 生 (まず 人 間 らしい 生 活 を 取 り 戻 すこと 次 に 地 域 の 経 済 活 動 が 復 活 し 生 活 が 再 建 でき 心 の 傷 が 癒 えて 初 めて 復 興 ) 31