水 道 事 業 経 営 に 関 する 各 指 標 の 説 明 (1) 事 業 の 概 要 普 及 率 (%) 現 在 給 水 人 口 行 政 区 域 内 人 口 100 平 均 有 収 水 量 (l) 一 日 平 均 有 収 水 量 現 在 給 水 人 口 有 形 固 定 資 産 減 価 償 却 率 (%) 有 形 固 定 資 産 減 価 償 却 累 計 額 有 形 固 定 資 産 のうち 償 却 対 象 資 産 の 帳 簿 原 価 100 償 却 資 産 における 減 価 償 却 済 の 部 分 の 割 合 を 示 す 比 率 である この 比 率 により 減 価 償 却 の 進 み 具 合 や 資 産 の 経 過 年 数 を 知 ることができる 当 比 率 の 向 上 は 相 対 的 に 資 本 費 ( 減 価 償 却 費 )の 減 少 を 意 味 するが 同 時 に 施 設 の 老 朽 化 の 度 合 を 示 していることから 修 繕 費 の 発 生 や 生 産 能 力 の 低 下 を 知 ら せるものでもある すなわち 償 却 資 産 の 減 価 償 却 の 進 み 具 合 を 分 析 することによって 将 来 の 施 設 更 新 の 必 要 性 や 今 後 の 修 繕 費 の 発 生 見 込 みを 推 測 し 今 後 の 設 備 投 資 計 画 を 立 てる 際 の 参 考 とするこ とができる また さらに 償 却 資 産 を 電 気 設 備 機 械 設 備 等 の 勘 定 科 目 ごとに 分 析 することにより 緻 密 な 投 資 計 画 を 立 てることができ 費 用 についてもそれぞれ 修 繕 費 と 比 較 することにより 施 設 管 理 の 一 層 効 果 的 な 運 用 を 図 ることができる なお この 比 率 は 減 価 償 却 に 伴 う 資 金 の 内 部 留 保 がどの 程 度 図 られているかを 示 すものであり 資 金 計 画 を 策 定 する 上 でも 重 要 な 判 断 材 料 の 一 つとなる (2) 施 設 の 効 率 性 施 設 利 用 率 (%) 一 日 平 均 配 水 量 配 水 能 力 100 施 設 利 用 率 は 配 水 能 力 に 対 する 配 水 量 の 割 合 を 示 すもので 施 設 の 利 用 状 況 を 総 合 的 に 判 断 する 上 で 重 要 な 指 標 である 施 設 利 用 率 はあくまでも 平 均 利 用 率 であるから 水 道 事 業 のように 季 節 によって 需 要 変 動 のある 事 業 については 最 大 稼 働 率 負 荷 率 と 併 せて 施 設 規 模 を 見 ることが 必 要 である 配 水 能 力 に 対 する 配 水 量 の 割 合 を 示 す 最 大 稼 働 率 (%) 一 日 最 大 配 水 量 一 日 配 水 能 力 100 負 荷 率 (%) 一 日 平 均 配 水 量 一 日 最 大 配 水 量 100 施 設 利 用 率 が 低 い 原 因 が 負 荷 率 ではなく 最 大 稼 働 率 が 低 いことによる 場 合 には 一 部 の 施 設 が 遊 休 状 況 にあり 投 資 が 過 大 であることを 示 している 一 方 最 大 稼 働 率 が 100%に 近 い 場 合 には 安 定 的 な 給 水 に 問 題 を 残 しているといえる 最 大 稼 働 率 負 荷 率 と 施 設 利 用 率 は 次 のとおり 相 互 に 関 連 している 施 設 利 用 率 = 最 大 稼 働 率 負 荷 率 1 / 8
有 収 率 (%) 年 間 総 有 収 水 量 年 間 総 配 水 量 100 施 設 効 率 を 見 る 場 合 施 設 の 稼 働 状 況 がそのまま 収 益 につながっているかについては 有 収 率 で 確 認 することが 重 要 である 有 収 率 が 低 いということは 漏 水 が 多 いこと メータの 不 感 公 共 用 水 消 防 用 水 等 いくつかの 要 因 が 考 えられるが 漏 水 メータ 不 感 等 による 場 合 は 施 設 効 率 が 高 くても 収 益 につながらないこととなるため 有 収 率 の 向 上 対 策 を 講 ずる 必 要 がある 配 水 管 使 用 効 率 (m3/m) 年 間 総 配 水 量 導 送 配 水 管 延 長 配 水 管 使 用 効 率 は 導 送 配 水 管 の 敷 設 延 長 に 対 する 年 間 総 配 水 量 の 割 合 であり 給 水 区 域 内 に おける 人 口 密 度 の 影 響 を 受 ける 配 水 管 100m 当 たりの 給 水 人 口 の 数 値 も 併 せて 参 照 するとよい なお 当 該 比 率 が 高 いほど 施 設 効 率 は 高 いと 言 えるが 一 方 で 給 水 安 定 性 向 上 を 目 的 とした 管 網 整 備 の 推 進 は 当 該 比 率 の 低 下 要 因 となることから 施 設 効 率 と 給 水 安 定 性 とのバランスを 踏 まえた 目 標 設 定 を 行 う 必 要 がある 配 水 管 100m 当 たりの 給 水 人 口 ( 人 ) 現 在 給 水 人 口 配 水 管 延 長 固 定 資 産 使 用 効 率 (m3/ 万 円 ) 年 間 総 配 水 量 有 形 固 定 資 産 有 形 固 定 資 産 に 対 する 年 間 総 配 水 量 の 割 合 を 示 す この 比 率 は 有 形 固 定 資 産 に 着 目 して 施 設 の 効 率 性 を 判 断 する 指 標 であり 数 値 が 高 いほど 施 設 が 効 率 的 であることを 意 味 し 数 値 の 低 い 場 合 は 遊 休 資 産 未 稼 動 資 産 についての 検 討 を 要 する なお この 数 値 は 水 源 別 の 受 水 その 他 に 属 するものについて 高 くなっている 取 水 量 対 水 利 権 (%) 一 日 平 均 取 水 量 水 利 権 100 取 水 量 対 取 水 能 力 (%) 一 日 平 均 取 水 量 取 水 能 力 100 取 水 量 の 水 利 権 に 対 する 割 合 ( 取 水 量 対 水 利 権 )は 主 にダム 及 び 表 流 水 を 水 源 とする 団 体 の 水 源 施 設 への 投 資 の 効 率 を 施 設 能 力 の 面 から 示 す 指 標 である この 数 値 が 低 ければ 余 剰 の 水 利 権 を 抱 えていることになり 先 行 投 資 の 妥 当 性 が 問 題 となる 取 水 量 の 取 水 能 力 に 対 する 割 合 ( 取 水 量 対 取 水 能 力 )についても 同 様 である なお これらの 指 標 は 各 事 業 体 において 水 源 あるいは 取 水 施 設 ごとにそれぞれの 取 水 能 力 と 取 水 量 とを 対 応 させて 見 ると 一 層 効 果 的 である 2 / 8
(3) 経 営 の 効 率 性 総 収 支 比 率 (%) 総 収 益 総 費 用 100 経 常 収 支 比 率 (%) 経 常 収 益 経 常 費 用 100 収 支 比 率 は 収 益 性 を 見 る 際 の 最 も 代 表 的 な 指 標 である 例 えば 経 常 収 支 比 率 は 経 常 費 用 が 経 常 収 益 によってどの 程 度 賄 われているかを 示 すものである 従 って この 比 率 が 高 いほど 経 常 利 益 率 が 高 いことを 表 し これが 100% 未 満 であることは 経 常 損 失 が 生 じていることを 意 味 する また この 指 標 を 用 いて 分 析 を 行 う 場 合 には 繰 入 金 比 率 及 び 料 金 回 収 率 を 併 せて 見 る 必 要 がある なお 総 収 支 比 率 経 常 収 支 比 率 の 差 異 は 特 別 損 益 によるものである 営 業 収 支 比 率 (%) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) ( 営 業 費 用 - 受 託 工 事 費 ) 100 収 益 性 を 見 るための 指 標 の1つであり 営 業 費 用 が 営 業 収 益 によってどの 程 度 賄 われているかを 示 すものである 従 って この 比 率 が 高 いほど 営 業 利 益 率 が 良 いことを 表 し これが 100% 未 満 であることは 営 業 損 失 が 生 じていることを 意 味 する 不 良 債 務 比 率 (%) {( 流 動 負 債 - 建 設 改 良 費 等 の 財 源 に 充 てた 企 業 債 長 期 借 入 金 -PFI 法 に 基 づく 事 業 に 係 る 建 設 事 業 費 等 のリース 債 務 )-( 流 動 資 産 - 翌 年 度 繰 越 財 源 )} ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) 100 不 良 債 務 の 有 無 と 営 業 収 益 との 対 応 関 係 から 事 業 体 の 経 営 状 況 を 見 るものである 不 良 債 務 が 生 じ ている 場 合 には 早 急 に 経 営 健 全 化 に 取 り 組 み その 解 消 を 図 る 必 要 がある 自 己 資 本 回 転 率 ( 回 ) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) {( 期 首 自 己 資 本 + 期 末 自 己 資 本 )/2} 自 己 資 本 = 資 本 金 + 剰 余 金 + 評 価 差 額 等 + 繰 延 収 益 この 比 率 が 高 いほど 投 下 資 本 に 比 して 営 業 活 動 が 活 発 であることを 意 味 するが 自 己 資 本 が 少 なけ ればこの 数 値 は 高 くなるので 自 己 資 本 構 成 比 率 を 考 慮 に 入 れるとともに 総 資 本 回 転 率 も 併 せて 分 析 するのが 適 当 である 総 資 本 回 転 率 ( 回 ) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) {( 期 首 総 資 本 + 期 末 総 資 本 )/2} 総 資 本 = 負 債 資 本 合 計 総 資 本 に 対 する 営 業 収 益 の 割 合 であり 期 間 中 に 総 資 本 の 何 倍 の 営 業 収 益 があったかを 示 す 固 定 資 産 回 転 率 ( 回 ) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) {( 期 首 固 定 資 産 + 期 末 固 定 資 産 )/2} 固 定 資 産 に 対 する 営 業 収 益 の 割 合 であり 期 間 中 に 固 定 資 産 の 何 倍 の 営 業 収 益 があったかを 示 すも のである 水 道 事 業 は 施 設 型 の 事 業 であることから 固 定 資 産 回 転 率 は 重 要 な 指 標 であり 回 転 率 が 3 / 8
高 い 場 合 は 施 設 が 有 効 に 稼 働 していることを 示 し 一 方 低 い 場 合 は 一 般 的 に 過 大 投 資 になっている ことが 考 えられる なお この 比 率 を 水 源 別 に 見 た 場 合 受 水 の 区 分 に 属 するものが 高 くなる 傾 向 があるが これ は 取 水 施 設 浄 水 施 設 を 有 しないことによるものである 未 収 金 回 転 率 ( 回 ) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) {( 期 首 未 収 金 + 期 末 未 収 金 )/2} 民 間 企 業 における 受 取 勘 定 回 転 率 であり 未 収 金 に 対 する 営 業 収 益 の 割 合 を 表 す 一 般 的 にこの 率 が 高 いほど 未 収 期 間 が 短 く 早 く 回 収 されることを 表 している 水 道 事 業 の 場 合 メータ 検 針 期 間 の 長 短 による 調 定 日 と 料 金 の 納 期 限 との 関 係 及 び 料 金 滞 納 者 の 多 少 によって 未 収 金 の 額 が 影 響 を 受 けること 等 の 事 情 があり 未 収 金 回 転 率 が 低 いことが 即 経 営 状 態 が 悪 いことを 示 すことにはならないが 年 度 ごとの 推 移 を 見 ることにより 収 益 の 回 収 が 好 転 して いるのか 否 かについての 判 断 材 料 となる 総 資 本 利 益 率 (%) 当 年 度 経 常 損 益 {( 期 首 総 資 本 + 期 末 総 資 本 )/2} 100 経 営 する 側 から 総 資 本 ( 負 債 資 本 合 計 )の 収 益 性 を 見 るもので 事 業 の 経 常 的 な 収 益 力 を 総 合 的 に 表 す 指 標 である この 指 標 が 高 いほど 総 合 的 な 収 益 性 が 高 いことになる また 当 年 度 経 常 損 益 を 当 年 度 純 損 益 に 置 き 換 えることで 総 資 本 に 対 する 当 年 度 処 分 可 能 利 益 がどれだけ 生 じたかを 分 析 することもできるが この 場 合 特 別 損 益 の 大 きさにより 差 異 が 生 じることに 留 意 する 必 要 がある 累 積 欠 損 金 比 率 (%) 累 積 欠 損 金 ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) 100 累 積 欠 損 金 比 率 は 事 業 体 の 経 営 状 況 が 健 全 な 状 態 にあるかどうかを 累 積 欠 損 金 の 有 無 により 把 握 しようとするもので 営 業 収 益 に 対 する 累 積 欠 損 金 の 割 合 をいう 繰 入 金 比 率 ( 収 益 的 収 入 分 )(%) 損 益 勘 定 繰 入 金 収 益 的 収 入 100 基 準 内 繰 入 金 比 率 ( 収 益 的 収 入 分 )(%) 繰 出 基 準 内 損 益 勘 定 繰 入 金 収 益 的 収 入 100 基 準 外 繰 入 金 比 率 ( 収 益 的 収 入 分 )(%) 繰 出 基 準 外 損 益 勘 定 繰 入 金 収 益 的 収 入 100 繰 入 金 比 率 ( 資 本 的 収 入 分 )(%) 資 本 勘 定 繰 入 金 資 本 的 収 入 100 基 準 内 繰 入 金 比 率 ( 資 本 的 収 入 分 )(%) 繰 出 基 準 内 資 本 勘 定 繰 入 金 資 本 的 収 入 100 基 準 外 繰 入 金 比 率 ( 資 本 的 収 入 分 )(%) 繰 出 基 準 外 資 本 勘 定 繰 入 金 資 本 的 収 入 100 繰 入 金 比 率 は 収 益 的 収 入 資 本 的 収 入 それぞれの 収 入 における 繰 入 金 依 存 度 を 分 析 しようとする ものであり これらが 収 支 比 率 に 与 える 影 響 を 考 察 することは 重 要 であるといえる 4 / 8
職 員 一 人 当 たりの 給 水 人 口 ( 人 ) 現 在 給 水 人 口 損 益 勘 定 所 属 職 員 数 職 員 一 人 当 たりの 給 水 収 益 ( 千 円 ) 給 水 収 益 損 益 勘 定 所 属 職 員 数 損 益 勘 定 所 属 職 員 一 人 当 たりの 生 産 性 について 給 水 人 口 及 び 給 水 収 益 を 基 準 として 把 握 するため の 指 標 である なお 生 産 性 の 向 上 は 設 備 投 資 や 管 理 の 効 率 化 業 務 の 委 託 化 と 密 接 に 関 連 しているので 生 産 性 の 指 標 は 設 備 投 資 や 費 用 に 関 する 他 の 指 標 と 併 せて 総 合 的 に 判 断 する 必 要 がある 職 員 給 与 費 対 営 業 収 益 比 率 (%) 職 員 給 与 費 ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) 100 営 業 収 益 に 対 する 職 員 給 与 費 の 割 合 を 示 す 職 員 給 与 費 については 適 正 な 職 員 の 数 と 配 置 がされ ているかどうかが 問 題 となり そのための 指 標 として 有 収 水 量 1 万 m3/ 日 当 たり( 損 益 勘 定 ) 職 員 数 をみて 見 る 必 要 がある この 指 標 は 原 水 部 門 浄 水 部 門 など 部 門 ごとに 分 析 すると 一 層 効 果 的 であ り さらに 1 浄 水 場 当 たり 職 員 数 や 1 配 水 池 当 たり 職 員 数 といった 施 設 ごとに 要 する 職 員 数 につい ても 検 討 する 必 要 がある 有 収 水 量 1 万 m3/ 日 当 たり( 損 益 勘 定 ) 職 員 数 ( 人 ) 損 益 勘 定 職 員 数 有 収 水 量 1 浄 水 場 当 たり 職 員 数 ( 人 ) 浄 水 関 係 職 員 数 浄 水 場 設 置 数 1 配 水 池 当 たり 職 員 数 ( 人 ) 配 水 関 係 職 員 数 配 水 池 設 置 数 給 水 収 益 に 対 する 職 員 給 与 費 の 割 合 (%) 職 員 給 与 費 給 水 収 益 100 給 水 収 益 に 対 する 企 業 債 利 息 の 割 合 (%) 企 業 債 利 息 給 水 収 益 100 給 水 収 益 に 対 する 減 価 償 却 費 の 割 合 (%) 減 価 償 却 費 給 水 収 益 100 給 水 収 益 と 比 較 した 各 費 用 の 比 率 を 示 した 指 標 である 費 用 構 成 比 及 び 有 収 水 量 1 m3 当 たりの 費 用 金 額 と 併 せて 分 析 を 行 うことで 効 率 化 を 図 るべき 費 用 項 目 を 把 握 することができる 料 金 回 収 率 (%) 供 給 単 価 給 水 原 価 料 金 回 収 率 は 供 給 単 価 と 給 水 原 価 との 関 係 を 見 るものであり 料 金 回 収 率 が 100%を 下 回 ってい る 場 合 給 水 にかかる 費 用 が 水 道 料 金 による 収 入 以 外 に 他 の 収 入 で 賄 われていることを 意 味 する 料 金 回 収 率 が 著 しく 低 く 繰 出 基 準 に 定 める 事 由 以 外 の 繰 入 金 によって 収 入 不 足 を 補 てんしているよう な 事 業 体 にあっては 適 正 な 料 金 収 入 の 確 保 が 求 められる 5 / 8
供 給 単 価 ( 円 /m3) 給 水 収 益 年 間 総 有 収 水 量 有 収 水 量 1 立 方 メートル 当 たりについて どれだけの 収 益 を 得 ているかを 示 す 給 水 原 価 ( 円 /m3) ( 経 常 費 用 - 受 託 工 事 費 - 材 料 及 び 不 用 品 売 却 原 価 - 附 帯 工 事 費 ) 年 間 総 有 収 水 量 有 収 水 量 1 立 方 メートル 当 たりについて どれだけの 費 用 がかかっているかを 示 す (4) 財 務 の 状 況 当 座 比 率 (%) { 現 金 預 金 +( 未 収 金 - 貸 倒 引 当 金 )} 流 動 負 債 100 支 払 義 務 としての 流 動 負 債 に 対 する 支 払 手 段 としての 当 座 資 産 ( 流 動 資 産 のうち 現 金 預 金 換 金 性 の 高 い 未 収 金 等 )の 割 合 を 示 すものであり 短 期 債 務 に 対 する 支 払 能 力 を 表 している 当 座 比 率 により 支 払 能 力 を 見 る 場 合 単 に 数 値 の 大 小 にとどまらず その 要 因 が 当 座 資 産 の 大 小 に あるのか 流 動 負 債 の 大 小 にあるのかを 確 かめることが 大 切 である 自 己 資 本 構 成 比 率 (%) ( 資 本 金 + 剰 余 金 + 評 価 差 額 等 + 繰 延 収 益 ) 総 資 本 100 財 務 状 態 の 長 期 的 な 安 全 性 の 見 方 として その 事 業 の 資 本 構 成 がどのようになっているかが 重 要 で ある 自 己 資 本 構 成 比 率 は 総 資 本 ( 負 債 及 び 資 本 )に 占 める 自 己 資 本 の 割 合 であり 水 道 事 業 は 施 設 の 建 設 費 の 大 部 分 を 企 業 債 によって 調 達 していることから 自 己 資 本 構 成 比 率 は 低 くなる 傾 向 にある が 事 業 経 営 の 安 定 化 を 図 るためには 自 己 資 本 の 造 成 が 必 要 である また 自 己 資 本 は 負 債 と 異 なり 原 則 として 返 済 する 必 要 のない 資 本 であり 支 払 利 息 が 発 生 しないことから 自 己 資 本 による 建 設 投 資 を 行 う 方 が 資 本 費 を 抑 える 結 果 となる なお 自 己 資 本 のうち 剰 余 金 等 の 内 部 留 保 の 構 成 率 が 高 いほど 資 本 構 成 の 安 全 性 が 高 いといえるが 例 えば 起 債 の 借 入 を 抑 制 するために 建 設 投 資 の 財 源 を 料 金 を 源 泉 とする 利 益 剰 余 金 に 過 度 に 求 め ているような 場 合 においては 自 己 資 本 構 成 比 率 は 高 い 数 値 となるものの 世 代 間 の 負 担 の 公 平 性 が 損 なわれるといったことも 考 えられるため 留 意 する 必 要 がある 固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率 (%) 固 定 資 産 ( 資 本 金 + 剰 余 金 + 評 価 差 額 等 + 固 定 負 債 + 繰 延 収 益 ) 100 自 己 資 本 構 成 比 率 と 同 様 事 業 の 固 定 的 長 期 的 安 全 性 を 見 る 指 標 である 固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率 は 資 金 が 長 期 的 に 拘 束 される 固 定 資 産 が どの 程 度 返 済 期 限 のない 自 己 資 本 や 長 期 に 活 用 可 能 な 固 定 負 債 などの 長 期 資 本 { 自 己 資 本 ( 資 本 金 + 剰 余 金 + 評 価 差 額 等 + 繰 延 収 益 ) 及 び 長 期 借 入 金 ( 固 定 負 債 )}によって 調 達 されているかを 示 すものである この 比 率 は 常 に 100% 以 下 で かつ 低 いこ とが 望 ましい 100%を 上 回 っている 場 合 には 固 定 資 産 の 一 部 が 一 時 借 入 金 等 の 流 動 負 債 によって 調 達 されていることを 示 す 一 般 に 最 も 安 全 性 を 阻 害 するのは 流 動 負 債 で 固 定 資 産 を 取 得 することで この 場 合 当 該 比 率 は 著 しく 高 くなり 当 座 比 率 も 低 下 するなど 不 良 債 務 発 生 の 原 因 となる なお 当 座 比 率 と 関 連 づけて 資 金 収 支 のバランスを 分 析 すると 良 い 6 / 8
企 業 債 償 還 元 金 対 減 価 償 却 額 比 率 (%) 建 設 改 良 のための 企 業 債 償 還 元 金 当 該 年 度 減 価 償 却 費 100 投 下 資 本 の 回 収 と 再 投 資 との 間 のバランスを 見 る 指 標 である 一 般 的 に この 比 率 が 100%を 超 え ると 再 投 資 を 行 うに 当 たって 企 業 債 等 の 外 部 資 金 に 頼 らざるを 得 なくなり 投 資 の 健 全 性 は 損 なわれ ることになる なお みなし 償 却 を 行 っている 場 合 は この 比 率 は 必 然 的 に 高 くなる 減 価 償 却 率 (%) 当 年 度 減 価 償 却 費 ( 有 形 固 定 資 産 + 無 形 固 定 資 産 - 土 地 - 建 設 仮 勘 定 + 当 年 度 減 価 償 却 費 ) 100 償 却 対 象 固 定 資 産 に 対 する 平 均 償 却 率 である 水 道 事 業 の 施 設 は 貯 水 施 設 導 水 施 設 浄 水 施 設 等 比 較 的 耐 用 年 数 の 長 いものによって 構 成 されているので 一 般 にこの 比 率 は 低 くなるものと 考 えられ る また 平 準 化 した 設 備 投 資 や 統 一 的 な 償 却 方 法 がとられている 限 り この 比 率 は 年 度 によって 極 端 な 変 動 をすることはない 流 動 比 率 (%) 流 動 資 産 流 動 負 債 100 流 動 負 債 に 対 する 流 動 資 産 の 割 合 であり 短 期 債 務 に 対 する 支 払 能 力 を 表 している 流 動 比 率 は 100% 以 上 であることが 必 要 であり 100%を 下 回 っていれば 不 良 債 務 が 発 生 していることになる また 流 動 比 率 と 関 連 する 指 標 として 当 座 比 率 があり これは 流 動 負 債 に 対 する 支 払 手 段 として の 流 動 資 産 のうち 現 金 預 金 未 収 金 といった 当 座 資 産 をどれだけ 有 しているかを 示 する 指 標 であ り 事 業 体 の 支 払 能 力 をより 厳 密 に 計 ることができる これらの 比 率 により 支 払 能 力 を 見 る 場 合 単 に 数 値 の 大 小 にとどまらず その 要 因 が 流 動 資 産 ( 当 座 資 産 )の 大 小 にあるのか 負 債 にあるのかを 確 かめることが 大 切 である さらに 流 動 比 率 と 当 座 比 率 の 差 は 当 座 資 産 の 割 合 の 差 を 示 すと 同 時 に 貯 蔵 品 の 占 める 割 合 の 差 を 示 している 従 って 両 比 率 間 の 乖 離 が 著 しい 場 合 は 貯 蔵 品 (たな 卸 資 産 )を 持 ち 過 ぎていない か 貯 蔵 品 管 理 の 在 り 方 を 検 討 すべきである 流 動 資 産 回 転 率 ( 回 ) ( 営 業 収 益 - 受 託 工 事 収 益 ) {( 期 首 流 動 資 産 + 期 末 流 動 資 産 )/2} 流 動 資 産 回 転 率 は 流 動 資 産 の 経 営 活 動 における 回 転 度 を 表 すものである したがって この 率 が 過 大 であるときは 流 動 資 産 の 平 均 保 有 高 が 過 小 であり 過 小 であるときは 流 動 資 産 の 平 均 保 有 高 が 過 大 であることを 表 している 固 定 資 産 構 成 比 率 (%) 固 定 資 産 総 資 産 100 資 産 合 計 ( 固 定 資 産 + 流 動 資 産 + 繰 延 資 産 ) 中 の 固 定 資 産 の 割 合 を 示 すものである 一 般 に この 比 率 は 低 い 方 が 柔 軟 な 経 営 が 可 能 となるが 水 道 事 業 は 施 設 型 の 事 業 であり かつ 減 価 償 却 費 に 近 い 額 が 固 定 資 産 取 得 のために 借 り 入 れた 企 業 債 の 償 還 に 充 てられることにより そのまま 企 業 内 部 へ 資 金 が 留 保 される 率 も 低 く 固 定 資 産 構 成 比 率 は 高 くなっている 7 / 8
固 定 比 率 (%) 固 定 資 産 ( 資 本 金 + 剰 余 金 + 評 価 差 額 等 + 繰 延 収 益 ) 100 自 己 資 本 がどの 程 度 固 定 資 産 に 投 下 されているかを 見 る 指 標 であり 100% 以 下 であれば 固 定 資 産 への 投 資 が 自 己 資 本 の 枠 内 におさまっていることになる 100%を 超 えていれば 借 入 金 で 設 備 投 資 を 行 っていることになり 借 入 金 の 償 還 利 息 の 負 担 などの 問 題 が 生 じる ただし 水 道 事 業 の 場 合 は 建 設 投 資 のための 財 源 として 企 業 債 に 依 存 する 度 合 が 高 いため 必 然 的 にこの 比 率 が 高 くなっている そのため 前 述 の 固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率 と 併 せて 考 える 必 要 があ る すなわち 固 定 比 率 が 100%を 超 えていても 固 定 資 産 対 長 期 資 本 比 率 が 100%を 下 回 っていれ ば 長 期 的 な 資 本 の 枠 内 の 投 資 が 行 われているということで 必 ずしも 不 健 全 な 状 態 とはいえない 固 定 負 債 構 成 比 率 (%) 固 定 負 債 総 資 本 100 自 己 資 本 構 成 比 率 とは 逆 に 総 資 本 に 対 する 固 定 負 債 の 割 合 を 示 すものであり 事 業 体 の 他 人 資 本 依 存 度 を 示 す 指 標 であるため 自 己 資 本 構 成 比 率 とは 逆 の 傾 向 を 示 す 利 子 負 担 率 (%) ( 支 払 利 息 + 企 業 債 取 扱 諸 費 ) ( 建 設 改 良 の 財 源 に 充 てるための 企 業 債 長 期 借 入 金 +その 他 の 企 業 債 長 期 借 入 金 + 一 時 借 入 金 ) 100 有 利 子 の 負 債 に 対 する 支 払 利 息 の 割 合 であり 外 部 利 子 の 平 均 利 率 を 示 すものである 企 業 債 利 息 等 は 金 融 情 勢 の 影 響 を 受 け 年 々 変 化 するものであるが 高 金 利 の 企 業 債 を 借 り 入 れて 事 業 を 行 った 場 合 は 利 子 負 担 率 は 高 くなり その 後 の 経 営 を 圧 迫 する 要 因 の 一 つとなるものである 8 / 8