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平成16年度

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種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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N 一 般 の 住 宅 について 控 除 の 対 象 となる 借 入 金 は 平 成 26 年 4 月 平 成 31 年 6 月 30 日 までの 入 居 の 場 合 は4,000 万 円 ( 平 成 26 年 3 月 までの 入 居 の 場 合 は2,000 万 円 )までとなります 建 物 や

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ただし 区 分 は 同 一 の 譲 渡 所 得 であっても 不 動 産 の 譲 渡 損 益 は 不 動 産 の 譲 渡 損 益 どうしで また 株 式 等 の 譲 渡 損 益 は 株 式 等 の 譲 渡 損 益 どうしで それぞれ 通 算 を 行 うことになっています( 次 項 の 損 益 通 算

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配 当 所 得 は 他 の 所 得 と 総 合 し 累 進 税 率 を 適 用 して 税 額 を 計 算 し ますが 一 定 の 上 場 株 式 等 の 配 当 等 については 他 の 所 得 と 分 離 して 税 額 を 計 算 する 申 告 分 離 課 税 を 選 択 することができます ただし


平成28年度 特別区民税・都民税(住民税)の算出方法

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不 動 産 所 得 の 赤 字 < 土 地 等 の 取 得 の 負 債 利 子 なら 300 万 500 万 不 動 産 所 得 の 赤 字 300 万 のうち 利 子 分 の500 万 は 通 算 できない = 赤 字 分 の300 万 は 全 額 通 算 できないことになる = 損 益 通 算

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Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

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平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

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養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都


は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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確 定 申 告 書 を 提 出 することができるが 居 住 者 が 年 の 中 途 で 出 国 する 場 合 において その 年 分 の 所 得 税 につ いてその 申 告 書 を 提 出 することができる 場 合 に 該 当 するときは 税 務 署 長 に 対 し 確 定 申 告 書 を 提 出

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

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定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

疑わしい取引の参考事例

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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

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(3) (1) 又 は(2)に 係 る 修 正 申 告 の 場 合 は 修 正 中 間 又 は 修 正 確 定 10 法 人 税 法 の 規 定 によ 次 に 掲 げる 法 人 税 の 申 告 書 を 提 出 する 法 人 の 区 分 ごとに それ (1) 連 結 法 人 又 は 連 結 法 って

敷 金 保 証 金 投 資 有 価 証 券 子 会 社 株 式 関 連 会 社 株 式 ( 負 債 の 部 ) 科 目 大 科 目 中 科 目 流 動 負 債 固 定 負 債 ( 正 味 財 産 の 部 ) 基 金 科 支 払 手 形 未 払 金 前 受 金 預 り 金 短 期 借 入 金 1 年

自動継続自由金利型定期預金(M型)規定

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第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

(1) この 貯 金 は 預 入 の 日 から 起 算 して10 年 が 経 過 した 日 に 払 戻 金 の 全 部 を 同 一 のこ の 貯 金 に 継 続 して 預 入 する 取 扱 いをします (2) 継 続 預 入 後 の 利 率 は 継 続 日 における 当 行 所 定 の 利 率 とし

第4回税制調査会 総4-1

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

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事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

40 総 論 41 法 人 課 税 01 租 税 法 概 論 ( 4001 ) 02 税 制 の 動 向 ( 4002 ) 91 事 例 研 究 ( 4091 ) 99 その 他 ( 4099 ) 01 法 人 税 ( 4101 ) 3. 税 務 官 庁 の 組 織 4. 不 服 申 立 て 税 務

Transcription:

3 日 本 の 居 住 者 が 国 際 投 資 を 行 う 場 合 の 税 務 に 関 する 基 礎 知 識 (1) 居 住 者 と 非 居 住 者 の 区 分 の 重 要 性 個 人 が 国 際 取 引 を 行 った 場 合 海 外 と 国 内 の 課 税 を 考 える 上 で その 個 人 がわが 国 の 居 住 者 に 該 当 するのか あるいは 非 居 住 者 に 該 当 するのか 又 は 居 住 者 であっ ても 永 住 者 に 該 当 するのか 非 永 住 者 に 該 当 するのかの 判 断 は 非 常 に 重 要 とな ってきます なぜなら 居 住 者 に 該 当 するか 否 かで 課 税 される 範 囲 が 異 なってくるからです 例 えば わが 国 の 居 住 者 でかつ 永 住 者 に 該 当 すれば 国 内 から 生 ずる 所 得 にも 国 外 から 生 ずる 所 得 にも 日 本 の 税 金 が 課 税 され また 居 住 者 に 該 当 しなければ( 非 居 住 者 に 該 当 すれば) 日 本 から 生 じる 所 得 についてしか 課 税 されないことになっているためです (2) 居 住 者 非 居 住 者 区 分 の 判 定 わが 国 の 所 得 税 法 では 居 住 者 とは 国 内 に 住 所 があり 又 は 現 在 まで 引 き 続 いて 1 年 以 上 居 所 がある 個 人 をいい 居 住 者 以 外 の 個 人 を 非 居 住 者 と 定 めています また 居 住 者 のうち 日 本 に 国 籍 を 有 しておらず かつ 過 去 10 年 間 のうち5 年 以 下 の 期 間 国 内 に 住 所 又 は 居 所 を 有 している 個 人 を 非 永 住 者 といいます 居 住 者 のうち 非 永 住 者 以 外 の 人 を 永 住 者 といいます ここでいう 住 所 とは 個 人 の 生 活 の 本 拠 をいいます 生 活 の 本 拠 かどうかは 客 観 的 な 事 実 によって 判 断 し その 人 の 生 活 がそこを 中 心 に 営 まれている 場 所 かどうかで 住 所 が 決 まります また 滞 在 地 が2か 国 以 上 にわたる 個 人 の 場 合 には その 人 の 職 務 内 容 や 契 約 等 を 基 に 住 所 の 推 定 を 行 うことになります そして 居 所 とは 生 活 の 本 拠 ではないが その 個 人 が 現 実 に 居 住 している 場 所 をいいます (3) 居 住 者 非 居 住 者 の 所 得 税 の 課 税 範 囲 個 人 の 所 得 税 の 課 税 範 囲 は 上 記 で 説 明 いたしましたように3つに 区 分 して 考 える 必 要 があります 居 住 者 のうち 永 住 者 居 住 者 のうち 非 永 住 者 非 居 住 者 (イ) 居 住 者 のうち 永 住 者 の 課 税 範 囲 国 内 源 泉 所 得 及 び 国 外 源 泉 所 得 が 課 税 対 象 となります( 全 世 界 所 得 課 税 ) 123

(ロ) 居 住 者 のうち 非 永 住 者 の 課 税 範 囲 国 内 源 泉 所 得 及 び 国 外 源 泉 所 得 のうち 国 内 において 支 払 われ 又 は 国 外 から 送 金 されたものが 課 税 対 象 となります ここで 国 内 源 泉 所 得 とは 日 本 を 所 得 の 発 生 場 所 ( 所 得 源 泉 地 )とする 所 得 を いい 国 外 源 泉 所 得 とは 外 国 を 所 得 の 発 生 場 所 ( 所 得 源 泉 地 )とする 所 得 をいい ます (ハ) 非 居 住 者 国 内 源 泉 所 得 についてのみ 日 本 で 課 税 されます 居 住 者 と 非 居 住 者 の 区 分 及 び 課 税 範 囲 をまとめますと 表 1のようになります 表 1. 居 住 者 非 居 住 者 の 課 税 範 囲 居 住 者 日 本 国 内 に 住 所 を 有 してい るか または 国 内 に 引 き 続 いて1 年 以 上 居 所 を 有 する 個 人 永 住 者 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 したがって 日 本 に 国 籍 を 有 している 者 または 日 本 国 籍 の 有 無 にかかわらず 過 去 10 年 間 のうち 国 内 に5 年 を 超 える 期 間 住 所 又 は 居 所 を 有 する 個 人 課 税 範 囲 全 世 界 所 得 非 永 住 者 日 本 国 籍 を 有 しておらず かつ 過 去 10 年 間 のうち 国 内 に5 年 以 下 の 期 間 住 所 又 は 居 所 を 有 する 個 人 課 税 範 囲 国 内 源 泉 所 得 及 び 国 外 源 泉 所 得 のうち 国 内 において 支 払 われ 又 は 国 外 から 送 金 されたもの 居 住 者 以 外 の 個 人 ( 非 居 住 者 ) 国 内 に 住 所 かつ 居 所 を 全 く 有 しないか あるいは 国 内 に 居 所 を 有 している 期 間 が1 年 未 満 であり かつ 国 内 に 住 所 を 有 しない 個 人 課 税 範 囲 国 内 源 泉 所 得 (4) 居 住 者 の 国 際 投 資 による 収 益 に 対 する 二 つの 課 税 の 考 え 方 と 租 税 条 約 (イ) 外 貨 建 て 資 産 の 所 得 の 源 泉 地 外 貨 建 て 資 産 から 発 生 する 所 得 は 日 本 を 所 得 の 発 生 場 所 とするものと 外 国 を 所 得 の 発 生 場 所 とするものとがあります 所 得 の 発 生 場 所 は 所 得 源 泉 地 といいます (ロ) 源 泉 地 国 課 税 と 居 住 地 国 課 税 国 際 間 取 引 に 対 する 課 税 方 法 については 二 つの 考 え 方 があります 一 つは 源 泉 地 国 課 税 といわれるもので 所 得 源 泉 地 国 が その 国 の 居 住 者 非 居 住 者 にかか わりなく その 国 内 で 生 じた 所 得 のすべてに 対 して 課 税 するという 考 え 方 です また もう 一 つは 居 住 地 国 課 税 といわれるもので 納 税 者 の 居 住 地 国 がその 124

納 税 者 の 全 世 界 所 得 ( 国 内 所 得 と 国 外 所 得 )に 対 して 課 税 するという 考 え 方 です 国 際 間 取 引 により 発 生 した 所 得 の 課 税 権 の 範 囲 を 源 泉 地 国 課 税 の 場 合 ならばそ の 国 を 源 泉 とする 所 得 との 関 係 により 認 識 し また 居 住 地 国 課 税 の 場 合 は 居 住 す る 者 との 関 係 により 認 識 するものですが その 結 果 国 外 を 源 泉 地 国 とする 所 得 に ついては 源 泉 地 国 と 居 住 地 国 との 両 国 から 重 複 して 課 税 されるケースが 発 生 する 可 能 性 がでてきます そこで この 二 重 課 税 等 の 問 題 には 各 国 間 で 租 税 条 約 を 結 び 調 整 するようにしています 特 に 日 本 のように 永 住 者 である 居 住 者 について 全 世 界 所 得 を 課 税 範 囲 としている 国 の 居 住 者 については 必 ずこの 二 重 課 税 の 調 整 が 必 要 となってきます (ハ) 所 得 源 泉 地 国 による 課 税 と 租 税 条 約 外 国 を 所 得 源 泉 地 国 とする 所 得 については 原 則 としてその 所 得 源 泉 地 国 で 課 税 が 生 じます また 所 得 源 泉 地 国 での 課 税 はその 国 の 税 法 と 租 税 条 約 によって 判 断 します 租 税 条 約 とは2 国 間 の 税 金 に 関 する 条 約 で 所 得 源 泉 地 国 の 課 税 範 囲 や 税 率 二 重 課 税 の 排 除 等 の 調 整 を 定 めています この 租 税 条 約 による 取 り 決 めは 各 国 の 税 法 に 優 先 します 但 し 租 税 条 約 よりも 所 得 源 泉 地 国 の 規 定 を 適 用 した 方 が 有 利 な ケースでは その 有 利 な 方 の 規 定 を 優 先 適 用 することができます なお 租 税 条 約 を 締 結 していない 国 が 所 得 源 泉 地 国 となる 所 得 に 対 する 課 税 は その 所 得 源 泉 地 国 の 税 法 に 従 います なお 2 国 間 において 租 税 条 約 を 新 たに 締 結 したり 既 存 の 租 税 条 約 を 改 定 する 場 合 の 雛 型 として OECD モデル 条 約 があります OECD モデル 条 約 とは OECD( 経 済 協 力 開 発 機 構 )から 公 表 された 租 税 条 約 の 基 準 となる 雛 型 で この 規 定 には 強 制 力 はありませんが 国 際 的 に 認 められたもの であり 通 常 各 国 が 租 税 条 約 を 締 結 する 際 には OECD モデル 条 約 に 準 拠 する 形 に なっています また 一 度 締 結 した 租 税 条 約 の 条 項 に 付 されていないことがあった 場 合 には この OECD モデル 租 税 条 約 の 詳 細 な 注 釈 が 個 別 の 租 税 条 約 の 解 釈 に 参 照 されることが 多 くあります (5)OECD モデルでの 所 得 源 泉 地 国 の 判 定 と 各 所 得 区 分 ごとの 課 税 の 定 め (イ) 所 得 源 泉 地 国 所 得 の 発 生 場 所 である 国 いわゆる 所 得 源 泉 地 国 がどこの 国 になるかの 判 定 は 国 125

際 間 課 税 を 考 える 上 で 非 常 に 重 要 となってきます この 判 定 は 実 際 には 日 本 と 所 得 が 生 じた 国 との 租 税 条 約 により 決 定 するのですが OECD 条 約 モデルでは 次 のように 定 められています 不 動 産 所 得 : 不 動 産 の 所 在 地 を 所 得 源 泉 地 国 とします 不 動 産 の 定 義 は その 財 産 の 所 在 する 条 約 締 結 国 の 法 令 に 従 います また 不 動 産 所 得 とは 不 動 産 の 直 接 使 用 及 び 賃 貸 等 の 使 用 から 生 じる 所 得 をいいます 配 当 所 得 : 配 当 を 支 払 う 法 人 の 居 住 地 を 所 得 源 泉 地 国 とします また 配 当 の 定 義 は 株 式 受 益 株 式 鉱 業 株 式 発 起 人 株 式 その 他 の 利 得 の 分 配 を 受 ける 権 利 ( 信 用 にかかわる 債 権 を 除 く)から 生 じる 所 得 及 び その 他 の 持 分 から 生 じる 所 得 です 利 子 所 得 : 利 子 の 支 払 者 の 所 在 地 を 所 得 源 泉 地 国 とします 譲 渡 所 得 : 不 動 産 の 譲 渡 の 場 合 はその 不 動 産 の 所 在 地 その 他 の 資 産 の 場 合 に ついては 居 住 地 国 課 税 とされております その 他 所 得 : 居 住 地 国 課 税 とされております (ロ) 各 所 得 区 分 ごとの 源 泉 地 国 課 税 か 居 住 地 国 課 税 かの 定 め 国 際 間 取 引 で 生 じた 所 得 に 対 して 源 泉 地 国 課 税 をするか 居 住 地 国 課 税 をするか は 各 所 得 の 種 類 ごとに 租 税 条 約 で 定 められることになります OECD 条 約 モデルで は 次 のように 定 められています 不 動 産 所 得 : 所 得 源 泉 地 国 課 税 配 当 所 得 : 所 得 源 泉 地 国 課 税 利 子 所 得 : 所 得 源 泉 地 国 課 税 譲 渡 所 得 : 不 動 産 の 譲 渡 の 場 合 は 所 得 源 泉 地 国 課 税 その 他 の 資 産 の 場 合 については 居 住 地 国 課 税 その 他 所 得 : 居 住 地 国 課 税 ここで 注 意 しておくべきことは 例 えば 国 外 を 源 泉 地 国 とする 所 得 で 租 税 条 約 に おいて 居 住 地 国 課 税 となっている 場 合 には 所 得 源 泉 地 国 ( 国 外 )では 課 税 されな いということです また 逆 に 国 外 を 源 泉 地 国 とする 所 得 で 租 税 条 約 において 所 得 源 泉 地 国 課 税 とな っている 場 合 には 所 得 源 泉 地 国 ( 国 外 )で 課 税 されるということです このケー スでは 課 税 される 者 が 日 本 の 居 住 者 であれば 所 得 源 泉 地 国 ( 国 外 )での 課 税 と 日 126

本 での 課 税 とが 行 われ 二 重 課 税 が 発 生 することになります ただし 二 重 課 税 が 発 生 した 場 合 には 外 国 税 額 控 除 等 の 措 置 により 課 税 の 公 平 が 図 られるよう 工 夫 され ております (6) 居 住 者 に 対 する 所 得 税 課 税 の 概 要 前 述 いたしました 通 り 居 住 者 は 所 得 が 国 内 で 生 じたか 国 外 で 生 じたかを 問 わず 原 則 として 全 ての 所 得 に 対 して 日 本 の 所 得 税 が 課 税 されることになります つまり 外 貨 で 生 じた 所 得 については 日 本 の 円 に 換 算 し 円 で 生 じた 所 得 と 合 算 して 所 得 金 額 を 計 算 することになります (イ) 所 得 の 計 算 国 外 を 源 泉 地 国 とする 所 得 の 計 算 は 総 合 課 税 の 対 象 となる 所 得 として 利 子 所 得 配 当 所 得 不 動 産 所 得 事 業 所 得 給 与 所 得 譲 渡 所 得 一 時 所 得 雑 所 得 の8 種 類 分 離 課 税 の 対 象 となる 所 得 として 土 地 建 物 等 の 譲 渡 所 得 山 林 所 得 退 職 所 得 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 の 金 額 の4 種 類 が 定 められています (a) 利 子 所 得 利 子 所 得 のうち 国 内 において 金 融 機 関 等 から 受 ける 預 金 利 子 などは 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%)の 源 泉 分 離 課 税 とされ 総 合 課 税 の 対 象 になりません 一 方 外 国 において 支 払 を 受 ける 預 金 利 子 など 国 内 の 金 融 機 関 を 通 じないで 受 ける 預 金 利 子 は 日 本 の 所 得 税 が 源 泉 徴 収 されないため 総 所 得 金 額 に 算 入 され ることとなり 総 合 課 税 の 対 象 とされます また 外 貨 で 得 た 利 子 収 入 の 為 替 換 算 については 受 取 るべき 期 日 が 契 約 等 で 定 められているときは その 受 取 るべき 日 の 電 信 買 相 場 を 用 い 定 められていな いときは 受 取 った 日 の 電 信 買 相 場 を 適 用 します ただし 受 取 るべき 日 が 定 めら れている 場 合 でも 実 際 の 支 払 が 著 しく 遅 延 しないならば 受 取 った 日 の 電 信 買 相 場 を 選 択 して 換 算 することができます (b) 配 当 所 得 1) 国 内 の 支 払 い 取 扱 者 を 通 じて 支 払 いを 受 ける 上 場 株 式 の 配 当 持 株 割 合 5% 未 満 の 株 主 が 受 ける 配 当 については 10%( 国 税 7% 地 方 税 3% 但 し 2008 年 4 月 1 日 以 降 は 国 税 15% 地 方 税 5%)の 源 泉 徴 収 で 課 税 関 係 が 終 了 しますが 確 定 申 告 をして 総 合 課 税 を 選 択 することもできます 持 株 割 合 5% 以 上 の 株 主 ( 大 口 株 主 )が 受 ける 配 当 については 20%( 国 税 127

20%)の 源 泉 徴 収 を 受 けたうえ 総 合 課 税 で 確 定 申 告 をする 必 要 があります 制 度 区 分 2004.4.1~2008.3.31 2008.4.1~ 上 場 株 式 等 の 配 当 等 ( 大 口 株 主 を 除 く ) 原 則 確 定 申 告 による 総 合 課 税 源 泉 徴 収 税 率 所 得 税 :7% 住 民 税 :3% 源 泉 徴 収 のみで 確 定 確 定 申 告 の 必 要 申 告 しないこともで きる 確 定 申 告 による 総 合 課 税 所 得 税 :15% 住 民 税 :5% 源 泉 徴 収 のみで 確 定 申 告 しないこともで きる 2) 国 内 の 支 払 い 取 扱 者 を 通 じて 支 払 いを 受 ける 上 場 株 式 以 外 の 配 当 同 族 会 社 など 非 上 場 の 会 社 から 受 取 る 配 当 については 20%( 国 税 20%) の 源 泉 徴 収 を 受 けたうえ 総 合 課 税 で 確 定 申 告 をする 必 要 があります 但 し 1 銘 柄 につき 1 回 の 配 当 が 5 万 円 以 下 ( 配 当 の 計 算 期 間 が 1 年 以 上 の 場 合 には 10 万 円 以 下 )の 少 額 な 配 当 であれば 20%( 国 税 20%)の 源 泉 徴 収 だけを 受 けて 確 定 申 告 を 省 略 することができます なお 非 上 場 株 式 の 配 当 金 については 地 方 税 の 源 泉 徴 収 がないため 少 額 な 配 当 を 理 由 として 所 得 税 の 確 定 申 告 を 省 略 したとしても 住 民 税 の 確 定 申 告 は 必 要 です 制 度 区 分 2004.4.1~2008.3.31 2008.4.1~ 原 則 確 定 申 告 による 総 合 課 税 確 定 申 告 による 総 合 課 税 非 上 場 株 式 の 配 当 等 上 場 株 式 等 の 配 当 等 ( 個 人 の 大 口 株 主 ) 源 泉 徴 収 税 率 確 定 申 告 の 必 要 所 得 税 :20% 住 民 税 :0% 1 銘 柄 につき 1 回 の 配 当 が 5 万 円 以 下 ( 配 当 の 計 算 期 間 が 1 年 以 上 の 場 合 には 10 万 円 以 下 )の 少 額 な 配 当 であれば 源 泉 徴 収 だけで 確 定 申 告 が 省 略 可 能 所 得 税 :20% 住 民 税 :0% 1 銘 柄 につき 1 回 の 配 当 が 5 万 円 以 下 ( 配 当 の 計 算 期 間 が 1 年 以 上 の 場 合 には 10 万 円 以 下 )の 少 額 な 配 当 であれば 源 泉 徴 収 だけ で 確 定 申 告 が 省 略 可 能 3) 国 内 の 支 払 取 扱 者 を 通 さずに 支 払 を 受 ける 配 当 外 国 に 所 在 する 証 券 会 社 から 外 国 株 式 を 取 得 した 場 合 は 日 本 の 支 払 取 扱 者 が 介 在 しないので 日 本 で 源 泉 徴 収 することができません そのため 総 128

合 課 税 により 確 定 申 告 する 必 要 があります 4) 外 貨 で 受 取 った 配 当 の 為 替 換 算 外 貨 で 得 た 配 当 収 入 の 為 替 換 算 については 受 取 るべき 期 日 が 契 約 等 で 定 められているときは その 受 取 るべき 日 の 電 信 買 相 場 を 用 い 定 められてい ないときは 受 取 った 日 の 電 信 買 相 場 を 適 用 します ただし 受 取 るべき 日 が 定 められている 場 合 でも 実 際 の 支 払 が 著 しく 遅 延 しないならば 受 取 った 日 の 電 信 買 相 場 を 選 択 して 換 算 することができます (c) 不 動 産 所 得 日 本 国 内 か 外 国 かを 問 わず 所 有 する 不 動 産 及 び 外 国 に 所 有 する 不 動 産 より 生 ずる 賃 貸 料 収 入 から 減 価 償 却 費 等 の 必 要 経 費 を 控 除 した 金 額 を 総 所 得 金 額 に 算 入 し 総 合 課 税 で 確 定 申 告 をします また 外 貨 で 得 た 不 動 産 収 入 の 為 替 換 算 については 電 信 買 相 場 を 用 い 必 要 経 費 の 換 算 は 電 信 売 相 場 を 用 います 換 算 に 適 用 するべき 為 替 レートは 所 得 税 法 上 も 法 人 税 法 上 も 受 取 るべき 日 又 は 支 払 うべき 日 の 為 替 レートを 基 準 としま すが 換 算 するレートを 個 別 に 変 更 していたのでは 煩 雑 で 事 務 負 担 も 重 いため 実 務 的 には 所 得 の 計 算 期 間 の 平 均 レートを 用 いるのが 一 般 的 です (d) 事 業 所 得 日 本 国 内 あるいは 外 国 を 問 わず 個 人 が 行 う 事 業 から 生 じた 所 得 で その 事 業 より 生 じた 収 入 から 減 価 償 却 費 等 の 必 要 経 費 を 控 除 した 金 額 を 総 所 得 金 額 に 算 入 し 総 合 課 税 で 確 定 申 告 をします (e) 給 与 所 得 国 内 源 泉 所 得 にかかわる 給 与 所 得 及 び 国 外 源 泉 所 得 にかかわる 給 与 所 得 いず れも 総 合 課 税 により 課 税 されることとなります (f) 譲 渡 所 得 日 本 国 内 外 国 を 問 わず 資 産 の 譲 渡 にかかわる 所 得 については 土 地 建 物 等 及 び 株 式 以 外 の 資 産 譲 渡 については 総 合 課 税 の 対 象 となる 譲 渡 所 得 となり 土 地 建 物 等 及 び 株 式 の 資 産 譲 渡 については 分 離 課 税 の 対 象 となる 所 得 となります 1) 土 地 建 物 等 及 び 株 式 以 外 の 資 産 譲 渡 譲 渡 収 入 金 額 から 取 得 費 と 譲 渡 費 用 を 控 除 して 譲 渡 益 を 求 め さらに 50 万 円 の 特 別 控 除 額 を 控 除 して 譲 渡 所 得 を 計 算 します 129

所 有 期 間 が 資 産 の 取 得 の 日 以 後 5 年 以 内 の 日 に 譲 渡 した 場 合 は 短 期 譲 渡 所 得 に 5 年 を 超 えた 日 に 譲 渡 した 場 合 は 長 期 譲 渡 所 に 分 類 し 長 期 譲 渡 所 得 に 分 類 される 所 得 はその2 分 の1が 課 税 対 象 となります また 国 外 資 産 を 売 却 したこと 等 により 外 貨 により 受 取 る 譲 渡 収 入 金 額 は その 受 取 るべき 日 の 電 信 買 相 場 を 適 用 して 換 算 し 支 払 うべき 譲 渡 費 用 はそ の 支 払 うべき 日 の 電 信 売 相 場 を 適 用 して 換 算 します 2) 土 地 建 物 等 の 譲 渡 譲 渡 収 入 金 額 から 取 得 費 と 譲 渡 費 用 を 控 除 して 譲 渡 益 を 求 め さらにその ケースごとに 適 用 できる 特 別 控 除 額 を 控 除 して 譲 渡 所 得 を 計 算 します 譲 渡 のあった 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 において その 取 得 をした 日 の 翌 日 から 引 き 続 き 所 有 していた 期 間 が 5 年 以 下 の 土 地 建 物 等 の 譲 渡 による 所 得 は 短 期 譲 渡 所 得 に 分 類 し 5 年 を 超 える 土 地 建 物 等 の 譲 渡 による 所 得 は 長 期 譲 渡 所 得 に 分 類 します この 場 合 長 期 譲 渡 所 得 に 対 する 税 率 は 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%) 短 期 譲 渡 所 得 に 対 する 税 率 は 39%( 国 税 30% 地 方 税 9%)となります また 国 外 の 土 地 建 物 等 を 売 却 したこと 等 により 外 貨 により 受 取 る 譲 渡 収 入 金 額 はその 受 取 るべき 日 の 電 信 買 相 場 を 適 用 して 換 算 し 支 払 うべき 譲 渡 費 用 はその 支 払 うべき 日 の 電 信 売 相 場 を 適 用 して 換 算 します 3) 株 式 の 譲 渡 譲 渡 収 入 金 額 から 取 得 費 と 譲 渡 に 要 した 売 買 手 数 料 等 の 譲 渡 費 用 を 控 除 して 譲 渡 所 得 を 計 算 します 株 式 を 譲 渡 した 場 合 は 他 の 所 得 と 分 離 して 課 税 ( 分 離 課 税 )され 証 券 会 社 に 特 定 口 座 を 設 ける 等 一 定 のケースを 除 いては 原 則 として 確 定 申 告 が 必 要 です なお 譲 渡 する 株 式 が 上 場 株 式 であり なおかつ 証 券 会 社 を 通 じて 売 却 し たのであれば 10%( 国 税 7% 地 方 税 3% 但 し 2008 年 1 月 1 日 以 降 は 国 税 15% 地 方 税 5%)で 課 税 され それ 以 外 については 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%)で 課 税 されることになります 株 式 を 譲 渡 した 場 合 の 税 率 をまとめますと 以 下 の 表 の 通 りとなります 130

上 場 株 式 等 区 分 証 券 会 社 を 通 じた 売 却 相 対 取 引 等 上 記 以 外 で の 売 却 2004.1.1~ 2007.1.12.31 10%( 国 税 7% 地 方 税 3%) 2008.1.1~ 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%) 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%) 非 上 場 株 式 イ. 特 定 口 座 一 般 投 資 家 の 申 告 納 税 事 務 を 簡 素 化 するために 新 設 された 制 度 です こ れは 証 券 会 社 に 特 定 口 座 を 開 設 し その 口 座 内 における 上 場 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 の 金 額 を 他 の 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 と 区 別 して 計 算 するこ とができるという 制 度 です 特 定 口 座 内 で 生 じる 所 得 に 対 して 源 泉 徴 収 さ れること( 源 泉 徴 収 あり)を 選 択 した 場 合 には その 特 定 口 座 における 上 場 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 は 申 告 不 要 とすることができます 特 定 口 座 を 開 設 する 際 には 源 泉 徴 収 あり と 源 泉 徴 収 なし とのい ずれかを 選 択 する 必 要 がありますが この 二 つの 大 きな 違 いは 確 定 申 告 の 有 無 です 特 定 口 座 を 開 設 した 場 合 の 源 泉 徴 収 あり 源 泉 徴 収 なし と 特 定 口 座 を 開 設 しない 場 合 の 一 般 口 座 とを 比 較 しますと 次 の 表 のよ うになります なお 一 つの 証 券 会 社 に 特 定 口 座 と 一 般 口 座 を 一 つずつ 持 つことができますが 特 定 口 座 は 源 泉 徴 収 あり か 源 泉 徴 収 なし かのいずれかを 選 択 しなければなりません 当 然 のことながら 一 つ の 証 券 会 社 で 源 泉 徴 収 あり と 源 泉 徴 収 なし との 二 つの 特 定 口 座 を 持 つことはできません 特 定 口 座 一 般 口 座 源 泉 徴 収 あり 源 泉 徴 収 なし 確 定 申 告 の 有 無 確 定 申 告 不 要 但 し 損 失 が 出 た 等 により 口 座 外 の 他 の 株 式 の 譲 渡 損 益 と 損 益 通 算 をしたいならば 確 定 申 告 をする 必 要 があ る 確 定 申 告 必 要 給 与 所 得 者 で 株 式 売 却 益 を 含 めた 給 与 以 外 の 所 得 の 合 計 が 20 万 円 以 下 の 場 合 には 申 告 不 要 確 定 申 告 必 要 給 与 所 得 者 で 株 式 売 却 益 を 含 めた 給 与 以 外 の 所 得 の 合 計 が 20 万 円 以 下 の 場 合 には 申 告 不 要 131

利 便 性 本 人 の 合 計 所 得 金 額 への 算 入 税 務 署 へ 提 出 される 書 類 売 却 するたびに 証 券 会 社 が 譲 渡 損 益 を 計 算 し 所 得 税 住 民 税 を 源 泉 徴 収 するので 手 間 がかからない 源 泉 徴 収 のみで 確 定 申 告 をしなかった 場 合 は 算 入 しない 特 定 口 座 年 間 取 引 報 告 書 および 支 払 調 書 は 提 出 されない つま り 税 務 署 はこの 所 得 について 個 人 を 特 定 できない 証 券 会 社 が 作 成 した 年 間 取 引 報 告 書 の 金 額 を 申 告 書 に 転 記 し 簡 単 に 確 定 申 告 を することができる 他 の 証 券 会 社 の 口 座 と 損 益 通 算 する 場 合 や 損 失 の 繰 越 を 利 用 す るときもこれで 簡 単 に 申 告 が 可 能 (この 源 泉 徴 収 なしの 特 定 口 座 は 簡 易 申 告 口 座 とも 呼 ばれていま す ) 算 入 する 特 定 口 座 年 間 取 引 報 告 書 のみ 提 出 取 引 明 細 を 保 存 して おき 取 引 ごとに 譲 渡 損 益 を 自 ら 計 算 して 確 定 申 告 する 必 要 が ある 算 入 する 支 払 調 書 を 提 出 (1 回 の 売 却 金 額 30 万 円 超 ) ロ. 国 内 の 証 券 会 社 を 通 じない 株 式 の 譲 渡 日 本 で 源 泉 徴 収 をすることができないため 確 定 申 告 をしなければなり ません 確 定 申 告 の 方 法 は 前 述 いたしましたように 譲 渡 収 入 金 額 から 取 得 費 と 譲 渡 に 要 した 売 買 手 数 料 等 の 譲 渡 費 用 を 控 除 して 株 式 の 譲 渡 所 得 を 計 算 し 総 合 課 税 となる 他 の 所 得 と 分 離 して 申 告 ( 分 離 課 税 )します 但 し 国 内 の 証 券 会 社 等 を 通 じた 譲 渡 ではないため 10%( 国 税 7% 地 方 税 3%) の 軽 減 税 率 の 適 用 はなく 譲 渡 所 得 に 対 して 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%) の 税 率 により 課 税 されることになります (g) 一 時 所 得 一 時 所 得 とは 営 利 を 目 的 とする 継 続 的 行 為 から 生 じたものでも 労 務 や 役 務 の 対 価 でもなく 資 産 の 譲 渡 等 による 対 価 でもない 一 時 的 な 性 質 の 所 得 をいいま す この 所 得 には 次 のようなものがあります 懸 賞 や 福 引 きの 賞 金 品 競 馬 や 競 輪 の 払 戻 金 132

生 命 保 険 金 の 一 時 金 や 損 害 保 険 の 満 期 返 戻 金 法 人 から 贈 与 された 金 品 ( 業 務 に 関 して 受 けるもの 継 続 的 に 受 けるものは 給 与 等 になりますので 除 きます ) 遺 失 物 拾 得 者 や 埋 蔵 物 発 見 者 の 受 ける 報 労 金 など また 一 時 所 得 は 収 入 金 額 からその 収 入 を 得 るために 支 出 した 金 額 を 控 除 した 金 額 に 50 万 円 の 特 別 控 除 を 引 いて 所 得 金 額 を 算 出 しますがさらにその 金 額 を2 分 の1して 他 の 所 得 と 合 計 し 総 合 所 得 として 税 金 が 計 算 されます 一 時 所 得 については 国 内 及 び 国 外 源 泉 所 得 とも 上 記 の 計 算 により 総 合 所 得 と して 計 算 されます (h) 雑 所 得 雑 所 得 とは 外 貨 建 預 金 の 換 算 に 伴 う 為 替 差 益 金 投 資 ( 貯 蓄 ) 口 座 の 差 益 割 引 債 の 償 還 差 益 年 金 や 恩 給 などの 公 的 年 金 等 非 営 業 用 貸 金 の 利 子 著 述 家 や 作 家 以 外 の 人 が 受 ける 原 稿 料 や 印 税 講 演 料 や 放 送 謝 金 などのように 他 のい ずれの 所 得 区 分 にも 当 たらない 所 得 をいいます 雑 所 得 は 原 則 として 総 収 入 金 額 から 必 要 経 費 の 額 を 控 除 して 求 め 他 の 所 得 と 合 計 し 総 合 所 得 として 税 金 が 計 算 されます 但 し 外 貨 預 金 の 換 算 に 伴 う 為 替 差 益 割 引 債 の 償 還 差 益 等 については 源 泉 徴 収 により 課 税 関 係 が 完 了 する 源 泉 分 離 課 税 となっており また 商 品 先 物 取 引 有 価 証 券 先 物 取 引 などに 係 る 差 金 等 決 済 により 得 た 雑 所 得 については 申 告 分 離 課 税 とされ 他 の 所 得 と 分 離 して 20%( 国 税 15% 地 方 税 5%)の 税 率 で 課 税 されます なお 国 外 源 泉 所 得 のうち 雑 所 得 に 区 分 されるものは 国 内 源 泉 所 得 の 場 合 と 同 じように 総 収 入 金 額 から 必 要 経 費 の 額 を 控 除 して 求 めますが 日 本 の 源 泉 徴 収 ができないため 申 告 分 離 とされる 雑 所 得 はありえません また 外 国 である 所 得 源 泉 地 国 で 支 払 った 外 国 所 得 税 があるときは 確 定 申 告 の 際 に 外 国 税 額 控 除 を 適 用 することができます (ロ) 損 益 通 算 と 繰 越 損 失 (a) 総 合 課 税 のケース 不 動 産 所 得 事 業 所 得 山 林 所 得 総 合 課 税 の 譲 渡 所 得 の 計 算 で 発 生 した 損 失 については 他 の 区 分 に 属 する 所 得 と 相 殺 することができます これを 損 益 通 算 と 133

いいます また 青 色 申 告 者 で 損 益 通 算 を 行 ってもなお 損 失 の 金 額 が 残 る 場 合 その 残 っ た 金 額 を 純 損 失 の 金 額 といい 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 すことができます ただ 白 色 申 告 者 であっても 災 害 盗 難 横 領 により 生 じた 損 失 ( 雑 損 失 )は 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 すことができます 繰 り 越 した 損 失 は 繰 り 越 したその 年 の 損 益 通 算 後 の 所 得 と 相 殺 することになります (b) 分 離 課 税 の 土 地 建 物 等 に 係 る 譲 渡 所 得 の 計 算 上 生 じた 損 失 土 地 建 物 等 に 係 る 譲 渡 所 得 の 計 算 上 生 じた 損 失 については 他 の 所 得 と 損 益 通 算 はできませんが 同 じ 土 地 建 物 等 に 係 る 譲 渡 所 得 内 での 通 算 は 可 能 です 但 し 同 一 所 得 内 で 通 算 してもなお 譲 渡 損 失 が 残 る 場 合 は 翌 年 以 降 に 繰 り 越 すことは できません なお 居 住 用 不 動 産 の 譲 渡 等 一 定 の 場 合 の 損 失 であれば 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が 可 能 ですし 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 すことも 可 能 です (c) 分 離 課 税 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 の 計 算 上 生 じた 損 失 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 の 計 算 上 生 じた 損 失 については 他 の 所 得 と 損 益 通 算 は できませんが 株 式 等 の 譲 渡 益 と 譲 渡 損 を 通 算 することはできますし 通 算 後 に まだ 損 失 が 残 っている 場 合 には その 損 失 はなかったものとして 切 り 捨 てられま す 但 し 上 場 株 式 等 で 証 券 会 社 を 通 じて 売 却 したことによる 損 失 で 他 の 株 式 の 売 却 益 と 通 算 してもなお 損 失 が 残 る 場 合 には その 損 失 の 金 額 は 翌 年 以 降 3 年 間 確 定 申 告 により 株 式 等 の 譲 渡 所 得 の 金 額 から 控 除 することができます (d) 分 離 課 税 の 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 については 先 物 取 引 によ る 所 得 以 外 の 所 得 との 通 算 はできませんが 同 じ 所 得 区 分 に 属 する 分 離 課 税 の 先 物 取 引 の 差 金 決 済 等 を 行 ったことにより 年 間 を 通 じて 損 失 となったときは そ の 損 失 の 金 額 を 翌 年 以 降 3 年 間 にわたって その 差 金 決 済 等 による 所 得 の 金 額 か ら 控 除 することができます 繰 越 控 除 の 適 用 を 受 けるには 損 失 が 生 じた 年 分 の 所 得 税 について 確 定 申 告 書 を 提 出 し かつ その 後 の 繰 越 期 間 中 連 続 して 確 定 申 告 を 提 出 することが 必 要 です 134

(ハ) 税 額 控 除 (a) 配 当 控 除 国 内 に 本 店 を 有 する 法 人 から 受 けた 配 当 所 得 がある 場 合 には その 配 当 所 得 金 額 に 12.8%( 国 税 10% 地 方 税 2.8%)を 乗 じて 計 算 した 金 額 を 配 当 控 除 額 と して 税 額 の 合 計 額 から 控 除 することができます 但 し 課 税 総 所 得 金 額 等 が 1,000 万 円 を 超 える 場 合 は その 超 える 金 額 に 対 しては 6.4%( 国 税 5% 地 方 税 1.4%)を 乗 じて 配 当 控 除 額 を 計 算 します 課 税 総 所 得 金 額 等 とは その 年 分 の 課 税 総 所 得 金 額 ( 総 合 課 税 の 対 象 となる 所 得 金 額 ) 土 地 等 に 係 る 課 税 事 業 所 得 等 の 金 額 課 税 短 期 譲 渡 所 得 金 額 課 税 長 期 譲 渡 所 得 金 額 株 式 等 に 係 る 課 税 譲 渡 所 得 等 の 金 額 先 物 取 引 に 係 る 課 税 雑 所 得 等 の 金 額 の 合 計 額 をいいます また 配 当 控 除 の 対 象 とならないものには 次 の ものが 挙 げられます 外 国 法 人 から 受 ける 利 益 の 配 当 建 設 利 息 基 金 利 息 公 募 投 資 信 託 等 及 び 国 外 公 募 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 外 国 株 価 指 数 連 動 型 特 定 株 式 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 特 定 外 貨 建 等 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 的 確 機 関 投 資 家 私 募 による 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 特 定 目 的 信 託 の 収 益 の 分 配 特 定 目 的 会 社 からの 配 当 投 資 法 人 からの 配 当 特 定 投 資 法 人 の 投 資 口 の 配 当 確 定 申 告 不 要 制 度 を 選 択 したもの (b) 外 国 税 額 控 除 居 住 者 は 日 本 国 内 で 生 じた 国 内 源 泉 所 得 についても 外 国 で 生 じた 国 外 源 泉 所 得 についても 日 本 で 課 税 されることとなりますが 国 外 源 泉 所 得 について 外 国 の 法 令 で 所 得 税 に 相 当 する 外 国 所 得 税 が 課 税 された 場 合 日 本 及 びその 外 国 の 双 方 で 二 重 に 所 得 税 が 課 税 されることになります このような 国 際 的 二 重 課 税 を 調 整 するため 日 本 の 所 得 税 額 から 一 定 額 を 差 し 引 くことができるようになっ 135

ています これを 外 国 税 額 控 除 といいます 1) 外 国 税 額 控 除 の 計 算 外 国 税 額 控 除 額 は その 年 に 納 付 することとなる 一 定 の 外 国 所 得 税 の 額 と 次 の 算 式 によって 計 算 した 額 ( 以 下 控 除 限 度 額 といいます )のうちい ずれか 少 ない 金 額 をいい その 年 分 の 所 得 税 の 額 から 控 除 することができま す その 年 分 の 国 外 所 得 金 額 ( 注 2) その 年 分 の 所 得 税 の 額 = 外 国 税 額 控 除 限 度 額 その 年 分 の 所 得 総 額 ( 注 3) ( 注 1) ( 注 1) その 年 分 の 所 得 税 の 額 配 当 控 除 や 住 宅 借 入 金 等 特 別 控 除 等 の 税 額 控 除 及 び 災 害 減 免 法 による 減 免 税 額 を 適 用 した 後 の 額 を いいます ( 注 2) その 年 分 の 国 外 所 得 総 額 その 年 において 生 じた 国 内 源 泉 所 得 以 外 の 課 税 対 象 となる 総 所 得 金 額 分 離 長 期 譲 渡 所 得 の 金 額 分 離 短 期 譲 渡 所 得 の 金 額 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 金 額 退 職 所 得 金 額 及 び 山 林 所 得 金 額 の 合 計 額 ( 注 3) その 年 分 の 所 得 総 額 純 損 失 の 繰 越 控 除 や 居 住 用 財 産 の 買 換 え 等 の 場 合 の 譲 渡 損 失 の 繰 越 控 除 等 の 各 種 繰 越 控 除 の 適 用 を 受 けている 場 合 には その 適 用 前 のその 年 分 の 総 所 得 金 額 ( 総 合 長 期 譲 渡 所 得 及 び 一 時 所 得 の 金 額 は2 分 の1 後 の 金 額 ) 分 離 長 期 ( 短 期 ) 譲 渡 所 得 の 金 額 ( 特 別 控 除 前 の 金 額 ) 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 金 額 退 職 所 得 金 額 及 び 山 林 所 得 金 額 の 合 計 額 をいい その 合 計 額 がその 年 分 の 国 外 所 得 総 額 に 満 たない 場 合 には そ の 年 分 の 国 外 所 得 総 額 に 相 当 する 金 額 をいいます 2) 外 国 税 額 控 除 の 繰 越 外 国 税 額 控 除 は 外 国 所 得 税 を 納 付 することとなる 年 においてその 年 分 の 136

所 得 税 額 から 一 定 額 を 差 し 引 くことができる 規 定 です 但 し 国 外 所 得 が 生 じた 年 と 外 国 所 得 税 を 納 付 する 年 とが 一 致 するとは 限 りません したがって その 年 の 控 除 限 度 額 の 範 囲 内 でのみしかその 年 の 納 付 する 外 国 所 得 税 額 が 控 除 できないこととしてしまいますと 国 外 所 得 の 発 生 時 期 と 外 国 所 得 税 の 納 付 時 期 とがズレるケースでは 国 際 的 二 重 課 税 を 調 整 するという 目 的 が 果 たせないことになってしまします そのため 控 除 限 度 額 等 を 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 すことができるような 配 慮 がなされています イ. 外 国 所 得 税 額 が 控 除 限 度 額 を 超 える 場 合 納 付 することとなる 外 国 所 得 税 額 が その 年 の 所 得 税 の 控 除 限 度 額 と 地 方 税 の 控 除 限 度 額 (その 年 の 所 得 税 の 控 除 限 度 額 の 30%)との 合 計 額 を 超 える 場 合 その 年 の 前 年 以 前 3 年 内 の 控 除 限 度 額 で 使 用 されなかったもの ( 以 下 控 除 余 裕 額 )があるときは その 控 除 余 裕 額 の 合 計 額 ( 以 下 繰 越 控 除 限 度 額 )を 限 度 として その 超 える 部 分 の 金 額 をその 年 分 の 所 得 税 額 から 差 し 引 くことができます 例 えば 外 国 所 得 税 額 が 500 所 得 税 の 控 除 限 度 額 が 200 住 民 税 の 控 除 限 度 額 が 60 であった 場 合 には 所 得 税 の 確 定 申 告 で 控 除 する 金 額 は 200 住 民 税 からは 60 を 控 除 することになります 外 国 所 得 税 額 が 500 ですの で 所 得 税 の 控 除 限 度 額 と 住 民 税 の 控 除 限 度 額 の 合 計 260 を 控 除 してもま だ 240 残 ることになります そこで このような 場 合 には 前 年 以 前 3 年 間 に 発 生 した 繰 越 控 除 限 度 額 ( 仮 に 40)があるときはその 残 った 240 から 控 除 することができ その 繰 越 控 除 限 度 額 を 控 除 してもなおかつ 控 除 しきれ ない 金 額 がある 場 合 には その 残 った 金 額 (200=240-40)を 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 して 各 年 の 控 除 限 度 額 から 控 除 します 外 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 す 外 国 所 得 税 額 200 国 所 繰 越 控 除 限 度 額 40 住 民 税 の 控 除 限 度 額 60 所 得 税 の 控 除 限 度 額 200 137 得 税 額 500

ロ. 外 国 所 得 税 額 が 控 除 限 度 額 に 満 たない 場 合 納 付 することとなる 外 国 所 得 税 額 が その 年 の 控 除 限 度 額 と 地 方 税 控 除 限 度 額 との 合 計 額 より 少 ない 場 合 その 年 の 前 年 以 前 3 年 内 の 各 年 におい て 納 付 することとなった 外 国 所 得 税 額 で 各 年 において 控 除 しきれなかっ た 金 額 ( 以 下 控 除 限 度 超 過 額 )があるときは その 控 除 限 度 超 過 額 の 合 計 額 ( 以 下 繰 越 外 国 所 得 税 額 )を 一 定 の 範 囲 内 でその 年 分 の 所 得 税 額 から 差 し 引 くことができます 例 えば 外 国 所 得 税 額 が 200 所 得 税 の 控 除 限 度 額 が 250 住 民 税 の 控 除 限 度 額 が 75 であった 場 合 には 所 得 税 の 確 定 申 告 で 控 除 する 金 額 は 200 になります 外 国 所 得 税 額 が 200 ですので 所 得 税 の 控 除 限 度 額 が 50 住 民 税 の 控 除 限 度 額 が 75 合 計 125 の 控 除 額 が 残 ることになります そこで このような 場 合 には 前 年 以 前 3 年 間 に 発 生 した 繰 越 外 国 所 得 税 額 ( 仮 に 25) があるときはその 残 った 125 からその 残 った 年 の 税 額 計 算 において 控 除 す ることができ その 繰 越 外 国 所 得 税 額 を 控 除 してもなおかつ 控 除 しきれな い 金 額 がある 場 合 には その 残 った 金 額 (100=125-25)を 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 して 各 年 の 年 に 生 じた 外 国 所 得 税 額 を 控 除 した 後 の 控 除 限 度 額 から 控 除 します 前 年 から 繰 り 越 してきた 繰 越 外 国 所 得 税 額 25 住 民 税 の 控 除 限 度 額 75 所 得 税 の 控 除 限 度 額 250 外 国 所 得 税 額 200 外 国 所 得 税 額 を 超 える 控 除 限 度 額 125 この 範 囲 で 繰 越 外 国 所 得 税 額 25 を 控 除 するこ とができ 残 った 100 (125-25)は 翌 年 以 降 3 年 間 繰 り 越 す 3) 外 国 所 得 税 額 が 減 額 された 場 合 の 特 例 外 国 税 額 控 除 の 適 用 を 受 けた 年 の 翌 年 以 後 にその 適 用 を 受 けた 外 国 所 得 税 の 額 が 減 額 された 場 合 その 減 額 されることになった 年 分 における 外 国 税 額 控 除 の 計 算 は 次 のとおりです イ. 外 国 所 得 税 の 額 が 減 額 された 場 合 には その 減 額 された 年 において 納 付 す る 外 国 所 得 税 の 額 ( 以 下 納 付 外 国 所 得 税 )からその 減 額 された 外 国 所 138

得 税 の 額 ( 以 下 減 額 外 国 所 得 税 )に 相 当 する 金 額 を 控 除 し その 控 除 後 の 金 額 に 外 国 税 額 控 除 を 適 用 します ロ. 減 額 された 年 に 納 付 外 国 所 得 税 額 がない 場 合 又 は 納 付 外 国 所 得 税 額 が 減 額 外 国 所 得 税 額 より 少 ない 場 合 には 減 額 された 年 の 前 年 以 前 3 年 内 の 各 年 の 繰 越 外 国 所 得 税 額 から 控 除 します ハ. 減 額 外 国 所 得 税 額 のうち 上 記 イ 及 びロの 調 整 に 充 てられない 部 分 の 金 額 が でた 場 合 は その 金 額 を 減 額 された 年 分 の 雑 所 得 の 金 額 の 計 算 上 総 収 入 金 額 に 算 入 します 4) 外 国 税 額 控 除 を 受 けるための 手 続 外 国 税 額 控 除 を 受 けるためには 確 定 申 告 書 に 控 除 を 受 ける 金 額 の 記 載 を し 外 国 税 額 控 除 に 関 する 明 細 書 と 外 国 所 得 税 を 課 されたことを 証 明 す る 書 類 を 添 付 しなければなりません また 繰 越 控 除 限 度 額 や 繰 越 外 国 所 得 税 額 がある 場 合 は それらが 生 じた 各 年 の 控 除 限 度 額 や 納 付 することとなった 外 国 所 得 税 額 を 記 載 した 確 定 申 告 書 を 提 出 し 繰 越 控 除 限 度 額 や 繰 越 外 国 所 得 税 額 の 適 用 を 受 けようとする 年 分 の 確 定 申 告 書 にこれらの 規 定 を 受 ける 金 額 を 記 載 して 外 国 税 額 控 除 に 関 する 明 細 書 と 外 国 所 得 税 を 課 されたことを 証 明 する 書 類 を 添 付 しなけれ ばなりません 139