薮 哲 郎 ( 奈 良 教 育 大 学 技 術 教 育 講 座 ( 電 気 )) Clap switch circuit for a study of electric and electronic circuits 奈 良 教 育 大 学 教 育 実 践 開 発 研 究 センター 研 究 紀 要 第 22 号 抜 刷 2013 年 3 月
薮 哲 郎 ( 奈 良 教 育 大 学 技 術 教 育 講 座 ( 電 気 )) Clap switch circuit for a study of electric and electronic circuits Tetsuro ABU (Department of Technology Education, ara University of Education) 要 旨 : 拍 手 スイッチは 手 を 叩 く 音 でon/offするスイッチである 本 稿 ではシンプルで 分 かりやすい 拍 手 スイッチ 回 路 を 提 案 する 分 圧 用 ICによって 電 源 構 成 を± 電 源 とすることにより 単 純 で 明 快 な 回 路 を 実 現 している 本 提 案 回 路 は 電 気 電 子 回 路 の 基 本 的 な 回 路 を 多 数 含 むので 電 気 学 習 用 の 学 生 実 験 のテーマとして 使 用 すると これまでよ り 教 育 的 効 果 を 高 められると 考 える キーワード: 拍 手 スイッチ sound activated switch 学 生 実 験 student experiments 電 気 電 子 回 路 の 学 習 study of electric and electronic circuits ₁.はじめに 拍 手 スイッチ (clap switchあるいはsound activated switch)は 手 を 叩 く 音 でスイッチをon/offする 電 子 回 路 である 電 子 工 作 としてはかなりポピュラーなテー マなようで We 上 に 多 数 の 回 路 図 が 公 開 されてい る (1-5) キット (6,7) や 完 成 品 (8) も 販 売 されている しかしながら 公 開 されている 回 路 図 は いずれも 平 易 なものとは 言 い 難 い 多 くの 回 路 図 ではオペアン プを 単 電 源 で 使 用 しているが 単 電 源 のオペアンプ 増 幅 回 路 は 電 圧 をシフトさせるための 機 構 が 必 要 なた め 回 路 は 複 雑 になる またオペアンプは 元 々アナロ グ 計 算 機 用 の 素 子 として 開 発 されたため その 基 本 的 な 使 い 方 は 両 電 源 で 駆 動 する 方 法 であり 単 電 源 のオ ペアンプ 回 路 は 電 子 回 路 の 教 科 書 にはあまり 載 ってい ない 筆 者 はシンプルで 理 解 が 容 易 な 拍 手 スイッチ 回 路 を 設 計 した (9) 筆 者 が 設 計 した 回 路 は 電 気 回 路 や 電 子 回 路 の 教 科 書 に 登 場 する 基 本 的 な 回 路 が 多 数 含 まれて いる 具 体 的 には トランス 全 波 整 流 回 路 平 滑 化 回 路 直 流 を 阻 止 する 回 路 RCフィルタ オペアン プによる 非 反 転 増 幅 回 路 RC 放 電 回 路 トランジス タによるスイッチ 回 路 還 流 ダイオードである 教 科 書 に 掲 載 されている 基 本 回 路 を 変 形 することなくその まま 使 っているのが 特 長 である またマイコンを 使 用 しているので プログラミング の 学 習 も 可 能 である 本 稿 で 提 案 する 拍 手 スイッチ 回 路 に 対 して (1) 理 論 に 基 づいて 回 路 定 数 を 決 定 し (2)ブレッド ボード 上 に 組 んで 動 作 を 確 認 し (3)ユニバーサル 基 板 上 に 製 作 することで 電 気 電 子 回 路 の 総 復 習 をす ることが 可 能 である 学 生 実 験 のテーマとして 実 施 す ると 教 育 的 効 果 が 非 常 に 高 いと 思 われる さらに 完 成 した 作 品 が 実 用 品 として 末 長 く 使 えるという 特 長 もある 本 稿 では 設 計 した 拍 手 スイッチ 回 路 について 述 べ 本 学 での 実 践 結 果 についても 報 告 する 2. 回 路 の 説 明 ₂.₁. 全 体 の 構 成 電 源 部 の 回 路 図 を 図 1に 示 す コンセントからの AC100Vを2 分 岐 させ 片 方 をリレーでon/offし も う 片 方 は 拍 手 音 を 検 知 してリレーを 駆 動 する 回 路 に 電 源 を 供 給 する 本 提 案 回 路 がシンプルに 構 成 できる 要 因 は 分 圧 用 ICを 用 いてオペアンプを± 電 源 で 駆 動 することにある 図 1の 電 源 回 路 は± 電 源 用 の±4.5V とリレー 駆 動 用 の 9.5Vの3つの 電 圧 を 供 給 する 図 2は 手 を 叩 く 音 をマイクで 拾 ってリレーをon/off する 回 路 である 303
薮 哲 郎 AC 100V AC 10V 1 TLE2426 (a) a () C 1 220u 100u com in out 7909 in out com 0V 4.5V 9.5V (c) (d) 図 1 電 源 回 路 R 3 1M 2.2k a C 1 ECM 22u R 1 R 2 4.7k 5532 + 10k 4.5V c 15817 C 2 d 2.2k } R 4 0.33u 0.1u 1M 18 14 10 PIC 16F819 1 2 3 4 5 6 7 8 9 白 赤 470 470 (A) (B) (C) (D) (E) R 5 2.2k D 9.5V 2SA 1015 Fuse a リレー 12VDC G6B- 1114P 図 2 信 号 処 理 回 路 ₂.₂. 電 源 回 路 図 1の 電 源 回 路 は(a)~(d)の4つのブロック に 分 かれており それぞれ 以 下 の 項 目 を 学 習 する (a)の 部 分 ではトランスによる 交 流 電 圧 の 変 圧 を 学 ぶ ()の 部 分 では 全 波 整 流 回 路 による 整 流 を 学 ぶ (c)の 部 分 ではコンデンサC 1による 平 滑 化 を 学 ぶ 1Ωの 抵 抗 は 電 源 on 時 の 突 入 電 流 を 制 限 するためにあ る (d)の 部 分 では 電 源 用 ICの 使 い 方 を 学 習 する 負 電 源 用 の3 端 子 レギュレータ7909で9Vを 取 り 出 し 分 圧 用 ICであるTLE2426を 用 いて±4.5Vの 両 電 源 を 得 る TLE2426の 出 力 電 流 の 最 大 値 は±80mAである これとは 別 に リレーを 駆 動 する 電 源 用 に 9.5Vの 端 子 を 引 き 出 す 交 流 10Vを 整 流 すると 直 流 14Vが 得 られることか ら 実 効 値 についても 学 ぶ ₂.₃. 信 号 処 理 回 路 図 2の 信 号 処 理 回 路 について 説 明 する コンデンサ マイクは 直 流 電 圧 をかけて 使 用 する マイクと 直 列 に 入 っている2.2kΩの 抵 抗 の 値 は 製 品 ごとに 値 が 指 定 されている 今 回 利 用 したマイクの 場 合 2.2kΩであっ た マイクからの 出 力 である 図 2 中 のa 点 の 電 圧 波 形 は 直 流 と 微 小 な 交 流 信 号 が 重 畳 された 形 をして いる 増 幅 する 前 に 直 流 成 分 をカットする 必 要 がある 図 2 中 (A)の 部 分 はコンデンサC1により 直 流 を カットする 回 路 である コンデンサに 電 荷 を 蓄 積 する には 電 流 が 流 れる 必 要 があるので R1はC1を 充 電 する ための 抵 抗 である 電 源 on 時 にC1は 充 電 されてない ことを 仮 定 すると 充 電 が 完 了 するまでの 時 間 の 目 安 である 時 定 数 はC1 ( R 1+2.2k)である また R1とC1はハイパスフィルタを 構 成 している その 入 出 力 特 性 は 複 素 記 号 法 を 用 いた 回 路 計 算 で 得 ら れ a 点 と 点 の 複 素 電 圧 をそれぞれVa, Vで 表 すと である 本 回 路 は 拍 手 音 を 検 知 すればよいので ハイ パスフィルタの 遮 断 周 波 数 を 厳 密 に 設 定 する 必 要 はな いが 一 般 にマイクの 音 声 を 扱 う 場 合 できるだけ 低 域 までフラットな 特 性 が 望 ましい ハイパスフィルタ の 遮 断 周 波 数 1/(2πR1C1)は 可 聴 周 波 数 の 下 限 であ る20Hz 以 下 に 設 定 する 図 2 中 (B)の 部 分 はオペアンプによる 非 反 転 増 幅 回 路 であり 増 幅 率 は (R2+R3)/ R 2である 必 要 な 増 幅 率 はマイクによって 異 なる 今 回 用 いたマイクの 場 304
1 個 目 のパルスを 見 つけた 図 3 c 点 とd 点 の 波 形 2 個 目 のパルスを 見 つけた 2 個 目 のパルスは 1 個 目 のパルスの 後 0.15 秒 以 上 経 過 して から 来 た スイッチを 反 転 1 個 目 のパルスから 0.45 秒 経 過 した の 関 数 形 で 表 される パルスの 半 値 幅 は 時 定 数 C 2 R 4 の 約 半 分 である 図 2 中 (D)の 部 分 はPICマイコンの 回 路 である 三 角 形 のパルスをPICマイコン16F819の18 番 端 子 で AD 変 換 して 検 出 する プログラムはソースブースト 社 製 のCコンパイラで 開 発 した 物 を 落 とした 音 など で 誤 動 作 しないように 拍 手 が2 回 鳴 り その 間 隔 が 0.15 秒 ~ 0.45 秒 のときのみスイッチが 切 り 替 わるよう プログラムした アルゴリズムを 図 4に 示 す PICマイコンの13 番 端 子 はパルスを 検 出 したことを 示 す 赤 色 LEDの 駆 動 用 である 赤 色 LEDはパルスを 1 個 検 出 すると1 回 光 る 6 番 端 子 と7 番 端 子 はス イッチの 状 態 を 出 力 する 端 子 である 6 番 端 子 はス イッチがonのときを 出 力 し 白 色 LEDを 点 灯 さ せる 図 2 中 (E)の 部 分 はトランジスタのスイッチ 作 用 でリレーをon/offする 回 路 である PICマイコンの 出 力 電 流 は1 端 子 あたり 最 大 25mAで リレーを 駆 動 す るには 不 足 しているので トランジスタによるスイッ チ 回 路 が 必 要 である 7 番 端 子 が0Vを 出 力 するとトラ ンジスタがonになり 4.5Vを 出 力 するとoffになる リレーは 9.5V ~ の 間 の14Vで 駆 動 するの で on 電 圧 が12Vの 製 品 を 選 ぶ 機 械 式 リレーはon offに 移 行 する 瞬 間 にインパル ス 状 の 高 電 圧 が 発 生 する 今 回 使 用 したリレーの 場 合 デジタルオシロで 観 測 したところ 80V 程 度 のインパ ルスが 観 測 された 高 電 圧 からトランジスタを 守 るた めに 還 流 ダイオードDを 用 いる 図 4 プログラムのアルゴリズム ₃. 本 教 材 の 使 用 法 合 約 1000 倍 程 度 の 増 幅 率 が 必 要 であった 図 2 中 (C)の 部 分 は 増 幅 した 音 声 波 形 をPICマイ コンが 検 出 しやすい 波 形 にするため ダイオードに よる 半 波 整 流 回 路 と C2とR4による 放 電 回 路 を 組 み 合 わせて 1 回 の 拍 手 から1 個 の 指 数 関 数 的 に 減 衰 する 三 角 形 のパルスを 生 成 する 回 路 である 図 2 中 のc 点 とd 点 の 波 形 をオシロスコープで 観 測 した 例 を 図 3に 示 す 上 がc 点 の 電 圧 下 がd 点 の 電 圧 であり 横 軸 は1 目 盛 り100ms, 縦 軸 は1 目 盛 り2V である 拍 手 1 回 につきパルスが1 個 生 成 されている ダイオードによる 電 圧 降 下 は 少 ない 方 がよいので 順 方 向 電 圧 が0.7V ~ 0.8V 程 度 である 普 通 のシリコン ダイオードではなく 0.2V ~ 0.3V 程 度 であるショッ トキーバリアダイオード15817を 用 いる 指 数 関 数 的 に 減 衰 する 三 角 形 のパルスは CR 放 電 回 路 の 過 渡 現 象 の 理 論 によると 生 徒 に 図 1, 図 2の 回 路 図 から 回 路 定 数 ( 抵 抗 値 や コンデンサの 容 量 )を 除 いたものを 与 え 各 ブロック の 動 作 原 理 を 説 明 する 生 徒 は 以 下 の 作 業 を 行 う ( 手 順 1) 回 路 定 数 ( 個 々のCとRの 値 )を 決 定 する 理 論 に 基 づいて 数 値 の 見 当 をつけ ブレッド ボード 上 で 回 路 を 組 み 実 験 によって 確 認 す る 実 験 時 に 発 振 器 やオシロスコープなどを 使 うので 測 定 器 の 使 い 方 も 併 せて 習 得 させ る ( 手 順 2) 回 路 定 数 が 決 まったなら ユニバーサル 基 板 上 に 製 作 し ケースの 中 に 納 め 自 分 の 作 品 として 完 成 させる ( 手 順 1)で 述 べたブレッドボード 上 の 実 験 では 以 下 の 検 討 を 行 う 305
薮 哲 郎 (a) 外 観 ながら R2を 調 節 することで 増 幅 率 を 適 切 な 値 に 決 定 する (C)のCR 放 電 回 路 は1 回 の 拍 手 音 に 対 してパルスの 半 値 幅 が0.1 秒 程 度 になるようC2とR4の 値 を 決 定 する (D)のマイコンは 原 則 として 教 員 があらかじめプ ログラムを 書 きこんだ PIC マイコンを 生 徒 に 渡 す ただし 可 能 であれば 生 徒 にプログラミングをさせる (E)のトランジスタのスイッチ 回 路 ではリレーの 駆 動 電 流 とトランジスタの 増 幅 率 から 最 低 限 必 要 な ベース 電 流 を 計 算 し それ 以 上 のベース 電 流 が 流 れる ようR5の 値 を 決 定 する 以 上 の 検 討 に 基 づいて 決 定 した 回 路 定 数 の 例 が 図 1 と 図 2の 中 に 書 き 込 まれている 値 である 筆 者 が 製 作 した 試 作 品 の 外 観 を 図 5(a) 内 部 を 同 図 ()に 示 す 外 観 の 図 ではマイク 確 認 用 LED 2 個 on/offす るコンセントが 見 える 内 部 の 図 では 右 側 の 基 板 が 電 源 回 路 左 側 の 基 板 が 信 号 処 理 用 の 回 路 である ₄. 本 学 の 授 業 における 利 用 18 14 10 PIC 16F819 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0.1u 白 () 内 部 図 5 試 作 品 赤 470 470 Fuse ソリッドステート リレー 図 6 ソリッドステートリレーを 用 いる 場 合 の 回 路 図 図 1の 電 源 回 路 においては (c)の 平 滑 化 回 路 にお けるリップル 幅 が0.5V 以 内 になるよう コンデンサC 1 の 数 値 を 決 定 する このときと 9.5Vの 端 子 間 にリレーを 接 続 しておく 図 2の 信 号 処 理 回 路 における 検 討 事 項 をブロック 別 に 列 挙 する (A)のCRハイパスフィルタにおいては ハイパス フィルタの 遮 断 周 波 数 が20Hz 以 下 になり 時 定 数 が 1 秒 以 下 になるようC1とR1の 値 を 決 定 する ハイパス フィルタの 測 定 は 正 弦 波 を 入 力 して 行 い 時 定 数 の 測 定 は 方 形 波 を 入 力 して 行 う 測 定 結 果 と 理 論 計 算 を 比 較 する (B)のオペアンプの 増 幅 回 路 においては 拍 手 音 を マイクで 拾 ったときの 波 形 をオシロスコープで 観 測 し a 本 学 の 技 術 教 育 専 修 で 開 講 している 電 気 設 計 製 作 という 科 目 で2011 年 度 に 拍 手 スイッチの 製 作 を 行 った 受 講 生 は1 名 なので 統 計 的 な 処 理 をするに は 人 数 が 不 足 しているが ここでは2011 年 度 の 実 施 結 果 について 述 べる 技 術 教 育 専 修 では4 年 間 で 木 工 金 工 機 械 電 気 情 報 栽 培 の6 分 野 を 幅 広 く 学 習 する 本 専 修 で 学 ぶ 電 気 回 路 の 知 識 では 前 節 の( 手 順 1)で 述 べた 検 討 を 自 力 で 行 うのは 難 しい そこでこの 検 討 は 教 員 が 補 助 して 学 生 と 共 に 作 業 をした 所 要 時 間 は2.5 時 間 程 度 であった 工 学 部 の 電 気 系 学 科 で 本 教 材 を 用 いる 場 合 は ( 手 順 1)は 学 生 が 自 力 で 行 うことが 可 能 であ ると 思 われる ( 手 順 2)における 製 作 は 労 力 をより 小 さくする ため 図 1と 図 2の 回 路 図 に 対 して 以 下 のような 簡 略 化 を 行 った 簡 略 化 により 製 作 は 楽 になったが 学 習 する 項 目 は 減 少 した ( 電 源 回 路 の 簡 略 化 ) 図 1の 電 源 回 路 において (a)~(c)の 部 分 をDC12V を 出 力 する 市 販 のACアダプタで 代 用 した ( 信 号 処 理 回 路 の 簡 略 化 ) 図 2の 信 号 処 理 回 路 において リレーとしてソリッ ドステートリレーを 用 いた ソリッドステートリ レーは5V, 10mAで 駆 動 可 能 なため リレー 付 近 の 回 路 図 は 図 6となった リレーをonするときに7 番 端 子 は4.5Vを 出 力 し offのときに0vを 出 力 する 必 要 があるので トランジスタをスイッチとして 使 うときに 対 して 7 番 端 子 の 出 力 は 逆 にする 9.5V の 電 源 端 子 は 不 要 となるため 電 源 回 路 で 使 用 する 306
3 端 子 レギュレータは 正 電 源 用 の7809でもよい 学 生 の 増 田 康 平 氏 に 感 謝 する 信 号 処 理 部 分 の 回 路 図 よりユニバーサル 基 板 上 にレ イアウトをするためのレイアウト 図 の 作 成 に2~3 時 間 程 度 を 要 した ユニバーサル 基 板 上 に 部 品 を 取 り 付 けて 錫 メッキ 線 で 配 線 する 作 業 と ケースに 穴 をあけコンセントやユ ニバーサル 基 盤 をケースに 取 り 付 ける 作 業 は 合 計 で 17 時 間 程 度 を 要 した この 時 間 の 中 には 回 路 が 動 作 しない ことの 原 因 究 明 のためのトラブルシューティ ングの 時 間 が 含 まれている トラブルシューティング を 本 学 の 技 術 科 の 学 生 が 自 力 で 行 うのは 難 しいので 教 員 が 主 体 となって 行 った 電 気 設 計 製 作 では 毎 年 受 講 生 が 希 望 するものを 製 作 しているので これまでのところ 拍 手 スイッチを 製 作 したのは2011 年 度 のみである 本 テーマに 関 する 情 報 は 回 路 図 試 作 品 の 写 真 PIC マイコンのプログラムのソースファイル 実 行 型 ファイルなど 全 ての 資 料 を 筆 者 のWeサイトhttp:// denki.nara-edu.ac.jp/~yau/kousaku/ 以 下 で 公 開 し ている 興 味 がある 人 はこのサイトを 見 て 製 作 に 挑 戦 することができる 参 考 文 献 (1)http://homepage3.nifty.com/mitt/pic/pic6_03-1. html (2)http://www8.plala.or.jp/InHisTime/page076. html (3)http://homepage3.nifty.com/kanasho/eproj40. htm (4)http://electroschematics.com/840/clap-switch/ (5)http://noelectronics.logspot.com/2011/01/clapswitch.html (6)http://www.velleman.eu/products/view/?id=348017 (7)http://www.elenco.com/product/productdetails/ soldering_kits=mt=/sound_activated_switch= MjQw (8)http://www.chia.com/index.php/the-clapper (9) 薮 哲 郎," 学 生 実 験 のための 拍 手 スイッチ 回 路 ", 平 成 24 年 電 気 学 会 全 国 大 会 講 演 論 文 集,1-001, March 2012. ₅.おわりに 学 生 実 験 用 の 拍 手 スイッチ 回 路 を 提 案 した この 回 路 のパラメータを 決 定 し 製 作 することで 電 気 回 路 電 子 回 路 の 基 礎 的 な 回 路 の 多 くを 学 習 することができ ることが 分 かった 本 教 材 の 問 題 点 はAC100Vを 扱 うので 感 電 の 危 険 を 伴 うことである AC100Vを 扱 わないようにするには 以 下 の2 点 の 変 更 が 必 要 である 1.AC100Vから 直 流 を 得 る 部 分 ( 図 1で(a)~(c) に 該 当 する 部 分 )に 市 販 のACアダプタを 使 用 する 2. 図 1 中 の 端 子 aを 引 き 出 す 部 分 をAC100Vで はなくACアダプタの 出 力 端 子 (DC12V 程 度 ) に 変 更 する その 結 果 on/offする 対 象 として DC12V 程 度 で 動 作 するものを 自 作 する 必 要 が ある 例 えばDC12Vで 動 作 するナツメ 球 が 考 えられる 以 上 の 変 更 を 行 うと AC100Vを 扱 わないので 安 全 は 確 保 できるが AC100Vで 動 作 する 通 常 の 電 気 製 品 は 使 用 できなくなる 今 後 の 課 題 としては 多 人 数 で 実 施 するときのノウ ハウの 蓄 積 などが 考 えられる 謝 辞 拍 手 スイッチを 作 る 動 機 を 提 供 していただいた 本 学 307