航 行 安 全 の 問 題 ( 海 賊 編 ) 2014 年 3 月 一 般 社 団 法 人 日 本 船 主 協 会 海 務 部 一 般 社 団 法 人 日 本 船 主 協 会 は 当 協 会 のあらゆる 活 動 においてわが 国 独 占 禁 止 法 及 び 関 係 法 令 並 びに 諸 外 国 の 競 争 法 ( 以 下 競 争 法 という) を 十 分 に 尊 重 し これを 遵 守 するとともに 当 協 会 の 全 ての 会 議 が 競 争 法 に 照 らして 問 題 または 疑 念 を 惹 起 させないことのないよう 努 めます
目 次 航 行 安 全 の 問 題 ( 海 賊 編 ) (1) 海 賊 とは (2) ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 事 件 (3) 国 際 機 関 等 の 取 り 組 み (4) 商 船 の 海 賊 対 策 (5) 日 本 船 主 協 会 の 活 動 (6) 日 本 政 府 の 対 応 (7) 今 後 のわが 国 政 府 への 要 望 期 待 2
(1) 海 賊 とは 国 連 海 洋 法 条 約 第 101 条 ( 海 賊 行 為 ) 公 海 又 はその 上 空 などいずれの 国 の 管 轄 権 にも 服 さない 場 所 にある 船 舶 航 空 機 人 または 財 産 に 対 して 行 われる 私 有 の 船 舶 又 は 航 空 機 の 乗 組 員 又 は 旅 客 による 私 的 目 的 のために 行 う 全 ての 不 法 な 暴 力 行 為 抑 留 又 は 略 奪 行 為 及 びそのような 行 為 を 煽 動 又 は 故 意 に 助 長 する 全 ての 行 為 国 連 海 洋 法 条 約 海 は 全 人 類 のものであり 国 家 は 海 洋 に 関 して 人 類 に 対 する 義 務 を 有 する 12 海 里 の 領 海 国 際 海 峡 200 海 里 の 排 他 的 経 済 水 域 海 洋 環 境 の 保 護 海 洋 の 科 学 的 調 査 紛 争 の 手 続 に 関 する 条 項 を 設 けている 3
海 賊 の 分 類 アジア 型 南 アメリカ 型 船 舶 の 横 取 り 型 ハイジャック 型 密 かに 船 舶 に 侵 入 して 乗 組 員 の 部 屋 や 倉 庫 から 現 金 や 貴 重 品 を 暴 力 を 使 わずに 盗 み 取 るタイプ 港 に 停 泊 している 船 舶 を 武 器 を 使 用 して 襲 撃 現 金 貴 重 品 貨 物 船 用 品 等 を 全 て 強 奪 船 舶 を 奪 取 し 貨 物 の 輸 送 に 利 用 する 乗 組 員 を 人 質 にとり 身 代 金 を 要 求 周 到 に 計 画 され 陸 上 で 糸 を 引 いている 一 味 が いる 可 能 性 が 高 い 出 典 : 国 際 海 事 局 (IMB) 資 料 4
海 賊 事 件 の 推 移 世 界 の 海 賊 事 件 発 生 件 数 の 推 移 国 際 海 事 局 (IMB)データ 発 生 件 数 アフリカ(2 世 界 地 の 域 海 )における 賊 事 件 発 海 生 賊 件 事 数 件 の 発 推 生 移 件 数 の 推 移 発 生 件 数 5
(2) ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 事 件 アデン 湾 - 地 理 的 状 況 地 中 海 スエス 運 河 アデン 湾 スエズ 運 河 を 経 由 しア ジアと 欧 州 を 結 ぶ 極 めて 重 要 な 海 上 交 通 路 広 大 ( 長 さ 約 1,000km 最 大 幅 約 400km)で 海 賊 対 策 が 講 じにくい (マラッカ シンガポール 海 峡 は 長 さ 約 500km 最 大 幅 約 140km アデン 湾 を 通 航 する 船 舶 ( 世 界 全 体 ) 年 間 推 定 約 1 万 8 千 隻 日 本 船 主 協 会 関 係 船 の 通 航 隻 数 2008 年 2,103 隻 2013 年 1,649 隻 6
海 賊 事 件 の 発 生 状 況 2011 年 2012 年 2013 年 事 件 件 数 ハイシ ャック 事 件 件 数 ハイシ ャック 事 件 件 数 ハイシ ャック アデン 湾 及 び 紅 海 76 件 (3 件 ) 4 隻 (0 隻 ) 26 件 (1 件 ) 4 隻 (0 隻 ) 8 件 (0 件 ) 1 隻 (0 隻 ) ソマリア 東 方 沖 161 件 (4 件 ) 24 隻 (0 隻 ) 49 件 (1 件 ) 10 隻 (0 隻 ) 10 件 (0 件 ) 1 隻 (0 隻 ) 合 計 237 件 (7 件 ) 28 隻 (0 隻 ) 75 件 (2 件 ) 14 隻 (0 隻 ) 18 件 (0 件 ) 2 隻 (0 隻 ) 出 典 : 国 際 海 事 局 (IMB) 資 料 ( ) 内 は 日 本 の 企 業 に 関 係 する 事 件 の 件 数 or 隻 数 7
海 賊 が 利 用 する 母 船 (この 船 舶 でアデン 湾 内 を 移 動 している) 襲 撃 時 に 使 用 される 小 型 船 写 真 :BBC トレードウィンズ フェアプレー 8
自 動 小 銃 ( 手 前 )とロケットランチャー( 後 方 ) を 構 える 海 賊 アデン 湾 では 重 火 器 を 使 用 した 海 賊 行 為 が 特 徴 である 海 賊 の 銃 撃 により 無 数 の 穴 があいたドア 写 真 :トレードウィンズ 9
海 賊 の 銃 撃 により 割 られた 船 橋 前 面 の 窓 ガラス 写 真 :ロイズリスト 10
海 賊 から 押 収 したロケットランチャーの 弾 と 自 動 小 銃 のカートリッジ( 弾 倉 ) 海 賊 が 貨 物 船 に 乗 り 込 む 際 に 使 用 する 梯 子 写 真 :フェアプレー 11
海 賊 が 乗 った 船 ( 中 央 )を 囲 む 海 軍 のボート ( 小 型 の 高 速 艇 ) 海 軍 の 兵 士 が 海 賊 9 名 の 身 柄 を 確 保 中 写 真 :ロイズリスト 12
日 本 関 係 船 の 海 賊 襲 撃 事 件 -2008 年 発 生 日 時 : 2008 年 4 月 21 日 0440LT(1010JST) 頃 発 生 場 所 : イエメン 沿 岸 より67マイル( 約 124km)の 地 点 被 害 船 舶 : 大 型 タンカー TAKAYAMA( 高 山 ) 被 害 状 況 : 1 左 舷 船 尾 が 被 弾 2 左 舷 船 尾 バラストタンク 外 板 と 左 舷 燃 料 タンク 隔 壁 に 約 20mmの 破 孔 3 燃 料 油 の 一 部 が 海 上 に 流 出 4 乗 組 員 の 負 傷 なし 概 要 : アデン 湾 をヤンブー 港 に 向 けバラスト 航 海 中 ( 空 荷 状 態 )に 不 審 船 よりロケット 弾 および 機 関 銃 らしきもので 襲 撃 された 本 船 は 回 避 行 動 をとり ハイジャックは 免 れ た UKMTO ( 英 国 情 報 収 集 機 関 )から 要 請 を 受 けた 有 志 連 合 軍 (ドイツ 艦 船 )より ヘリコプターが 現 場 へ 派 遣 された 13
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日 本 関 係 船 の 海 賊 襲 撃 事 件 -2010 年 事 例 1 事 例 2 発 生 日 時 : 2010 年 4 月 25 日 0215UTC 頃 発 生 場 所 : アラビア 海 オマーン マシーラ 島 沖 約 400マイルの 地 点 被 害 船 舶 : 大 型 原 油 タンカー 被 害 状 況 : 死 傷 者 なし 船 体 に 軽 微 な 損 傷 概 要 : ペルシャ 湾 を 出 て 日 本 に 向 かう 大 型 原 油 タンカーが2 隻 の 高 速 艇 の 追 跡 を 受 け ロケットランチャーやマシンガンにより 襲 撃 された 鉄 梯 子 フック 付 ロープを 使 い 乗 り 込 もうとしたが 60 分 にわたり 回 避 行 動 をとった 末 海 賊 は 乗 り 込 みを 断 念 した 発 生 日 時 : 2010 年 10 月 10 日 0553UTC 頃 発 生 場 所 : アフリカ 東 岸 ケニア モンバサ 沖 約 35マイル 被 害 船 舶 : 多 目 的 船 ( 総 トン 数 14,162トン) 被 害 状 況 : ハイジャック 概 要 : モンバサ 向 け 航 行 中 の 多 目 的 船 が 船 主 宛 にSSASにて 警 報 を 発 信 した 後 に 連 絡 が 取 れなくなった その 後 EU 軍 のデンマーク 軍 艦 によりハイジャックさ れたことが 確 認 された 本 船 はその 後 北 上 し 10 月 12 日 ソマリアHarardera 沖 に 移 動 2011 年 2 月 25 日 に 解 放 された 15
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日 本 関 係 船 の 海 賊 襲 撃 事 件 -2011 年 発 生 日 時 : 2011 年 3 月 8 日 1222UTC 頃 発 生 場 所 : ソコトラ 島 東 沖 約 560マイル 被 害 船 舶 : 原 油 タンカー( 総 トン 数 57,462トン) 被 害 状 況 : 死 傷 者 なし 乗 り 込 まれた 海 賊 4 人 による 一 部 船 橋 機 器 居 住 区 内 備 品 の 破 壊 概 要 : 本 船 は 上 記 海 域 をコース085 度 13.9KTSで 航 行 中 NW 方 向 に 海 賊 母 船 8NMに 視 認 母 船 よりSKIFFが 発 進 し 本 船 に 向 首 本 船 は 増 速 回 避 操 船 開 始 SSASを 発 信 UKMTO/MARLOに 救 援 を 要 請 するとともに 回 避 行 動 を 取 り 4 人 の 海 賊 の 乗 り 込 み を 確 認 した 乗 組 員 は 機 関 室 へ 篭 城 し UKMTO 指 示 により 最 寄 の 米 軍 艦 艇 と 合 流 すべく コース300 度 ( 非 常 操 舵 ) 維 持 米 軍 艦 艇 より 発 進 したヘリコプターに 続 き 艦 艇 が 現 場 に 到 着 乗 組 員 は 全 員 無 事 で 艦 艇 と 電 話 連 絡 が 取 れているという 状 況 であった その 後 4 人 の 海 賊 は 追 跡 を 続 けていた 米 軍 に 投 降 連 行 された 17
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(3) 国 際 機 関 等 の 取 り 組 み 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 1 決 議 1816 号 (2008 年 6 月 2 日 採 択 期 限 :2008 年 12 月 2 日 ) 海 賊 武 装 強 盗 を 抑 制 するため 海 軍 がソマリア 沖 の 領 海 内 に 入 ることを 認 める ソマリア 暫 定 政 府 から 安 保 理 への 要 請 に 基 づき 関 連 する 国 際 法 の 下 で 海 賊 武 装 強 盗 を 抑 制 するために 必 要 な 手 段 を 取 っても 良 い 決 議 1838 号 (2008 年 10 月 7 日 採 択 ) ソマリア 沖 の 海 賊 に 対 して 積 極 的 な 対 応 を 要 請 海 上 の 治 安 維 持 の 利 害 関 係 国 に 対 して ソマリア 沖 の 公 海 に 軍 艦 や 軍 用 機 を 配 備 する 決 議 1846 号 (2008 年 12 月 2 日 採 択 期 限 :2009 年 12 月 2 日 ) 海 賊 武 装 強 盗 を 抑 制 するため 海 軍 がソマリア 沖 の 領 海 内 に 入 ることを 認 める ソマリア 暫 定 政 府 から 安 保 理 への 要 請 に 基 づき 関 連 する 国 際 法 の 下 で 海 賊 武 装 強 盗 を 抑 制 するために 必 要 な 手 段 を 取 っても 良 い 決 議 1851 号 (2008 年 12 月 16 日 採 択 期 限 :2009 年 12 月 2 日 ) 特 別 協 定 の 締 結 を 要 請 法 執 行 当 局 者 を 乗 船 させる 国 際 協 力 メカニズムの 設 置 各 国 間 の 共 通 のコンタクトポイント 地 域 センターの 設 置 海 賊 対 策 情 報 の 調 整 法 的 支 援 決 議 1897 号 (2009 年 11 月 30 日 採 択 ) 決 議 第 1846 号 及 び 第 1851 号 の 内 容 を 一 本 化 した 上 で 12か 月 延 長 19
国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議 2 決 議 1918 号 (2010 年 4 月 27 日 採 択 ) 海 賊 容 疑 者 を 効 果 的 に 起 訴 し 処 罰 する 法 整 備 を 行 うよう 要 請 決 議 1950 号 (2010 年 11 月 23 日 採 択 ) 決 議 第 1897 号 をさらに12ヶ 月 延 長 各 国 に 対 して 海 賊 を 処 罰 するために 海 賊 容 疑 者 の 訴 追 収 監 を 検 討 するよう 要 請 決 議 1976 号 (2011 年 4 月 11 日 採 択 ) ソマリア 周 辺 海 域 の 海 賊 容 疑 者 の 裁 判 を 行 うため ソマリアに 特 別 法 廷 を 設 ける 緊 急 決 議 を 採 択 各 国 に 対 して 海 賊 行 為 を 各 国 国 内 法 によって 違 法 行 為 に 位 置 づけ ソマリア 沖 の 海 賊 行 為 に 関 する 不 法 な 資 金 組 織 計 画 に 関 わったものを 調 査 し 起 訴 する 必 要 性 を 強 調 決 議 2015 号 (2011 年 10 月 24 日 採 択 ) 国 内 法 に 基 づいて 海 賊 を 訴 追 するための 措 置 を 講 じていない 各 国 に 対 して 海 賊 容 疑 者 の 訴 追 収 監 を 検 討 するよう 強 く 要 請 ( 各 国 は2011.12.31までに 海 賊 の 訴 追 について 採 った 措 置 を 報 告 するよう 要 請 ) 海 賊 に 対 する 特 別 法 廷 の 設 置 について 緊 急 案 件 として 検 討 を 継 続 することを 決 定 国 際 海 運 会 議 所 (ICS)の 対 応 2009 年 2 月 ICSを 中 心 とする 民 間 の 国 際 海 運 団 体 は 船 舶 に 対 する 海 賊 行 為 及 び 武 装 強 盗 の 防 止 並 びに 抑 止 にかかる 船 主 船 舶 運 航 者 船 長 及 び 乗 組 員 等 のための 指 針 (Best Management Practices: BMP)を 作 成 国 連 (UN)や 国 際 海 事 機 関 (IMO)の 要 請 により 各 国 を 通 して 船 主 等 の 関 係 者 に 周 知 されている < 同 指 針 の 概 要 > 襲 撃 された 際 の 対 応 方 法 の 策 定 と 訓 練 の 実 施 緊 急 連 絡 のための 無 線 通 信 に 関 する 情 報 の 提 供 20
各 国 の 対 応 状 況 艦 船 の 派 遣 CTF151 Combined Task Force151 有 志 連 合 軍 任 務 部 隊 EU 軍 NATO 軍 その 他 米 (2) トルコ シンカ ホ ール 韓 国 英 国 ( 艦 艇 は 日 々 入 れ 替 わるため 詳 細 は 不 明 ) ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 策 を 専 門 として 編 成 された 仏 独 伊 西 キ リシャ ホ ルトカ ル 2008 年 12 月 8 日 より Atalanta 作 戦 を 開 始 Atalanta 作 戦 を2014 年 12 月 12 日 まで 延 長 し 海 賊 の 陸 上 基 地 の 攻 撃 を 認 め ることを 決 定 (2012 年 3 月 23 日 ) 米 (2) 蘭 テ ンマーク トルコ 2009 年 8 月 17 日 より Ocean Shield 作 戦 を 開 始 米 日 (2) 露 (3) 印 中 (3) 韓 豪 マレーシア イラン (2) サウシ アラヒ ア 各 国 独 自 で 派 遣 自 国 籍 船 を 優 先 的 に 護 衛 ( 日 本 を 除 く) ( ) 内 は 複 数 隻 数 を 派 遣 している 場 合 の 隻 数 哨 戒 機 の 派 遣 日 (2) 独 仏 米 豪 スヘ イン シンカ ホ ール スウェーテ ン 21
日 本 政 府 の 対 応 2008 年 10 月 衆 議 院 テロ 防 止 特 別 委 員 会 にて アデン 湾 における 海 賊 問 題 の 対 策 を 検 討 2009 年 1 月 28 日 国 家 安 全 保 障 会 議 海 上 自 衛 隊 を 派 遣 する 方 針 を 決 定 浜 田 防 衛 大 臣 は 防 衛 省 に 海 上 自 衛 隊 艦 船 の 派 遣 準 備 を 指 示 2009 年 3 月 13 日 浜 田 防 衛 大 臣 が 海 上 警 備 行 動 を 発 令 2009 年 3 月 14 日 海 上 自 衛 隊 第 1 次 水 上 部 隊 派 遣 (さみだれ さざなみ) 2009 年 5 月 28 日 海 上 自 衛 隊 第 1 次 航 空 部 隊 派 遣 ( 厚 木 ) 2009 年 6 月 19 日 2010 年 7 月 16 日 2013 年 12~ 2014 年 2 月 ~ 海 賊 対 処 法 成 立 (7 月 24 日 施 行 ) 海 賊 対 処 法 に 基 づく 対 処 要 項 の1 年 間 延 長 を 決 定 (7 月 24 日 ~) * 以 後 各 年 同 時 期 に 延 長 となる 護 衛 艦 2 隻 中 1 隻 がCTF151(ゾーンディフェンス)へ 参 加 P-3C 哨 戒 機 2 機 のうち1 機 がCTF151へ 参 加 22
護 衛 艦 の 派 遣 ( 第 1 陣 ) 訓 示 を 読 み 上 げる 麻 生 総 理 ( 当 時 ) 水 上 部 隊 1 次 隊 出 港 行 事 @ 呉 (2009.3.14) 訓 示 を 読 み 上 げる 浜 田 防 衛 大 臣 ( 当 時 ) 写 真 : 防 衛 省 提 供 23
海 上 警 備 行 動 (3/30~7/22)に 係 るもの 海 賊 対 処 行 動 (7/28~ )では 保 護 対 象 の 制 限 なし 資 料 : 防 衛 省 提 供 24
護 衛 航 路 の 延 長 について 2010 年 10 月 より 運 用 開 始 護 衛 航 路 を 東 側 に100 海 里 延 長 新 たに 設 置 するC 点 は 14-55.0N 054-38.0E 延 長 期 間 については ソマリア 東 方 沖 において 海 賊 事 件 が 増 加 する 傾 向 にあるモンスーン 時 期 以 外 ( 概 ね 9 月 から11 月 まで 及 び3 月 から5 月 まで) 25
P-3Cの 派 遣 ( 第 1 陣 ) 派 遣 隊 員 に 訓 示 を 述 べる 泉 自 衛 艦 隊 司 令 官 ( 当 時 ) 派 遣 海 賊 対 処 行 動 航 空 隊 出 発 行 事 @ 厚 木 基 地 (2009.5.28) 感 謝 を 込 め 福 島 隊 司 令 へ 花 束 を 贈 呈 する 当 協 会 飯 塚 副 会 長 ( 当 時 ) 写 真 : 防 衛 省 提 供 26
資 料 : 防 衛 省 提 供 27
護 衛 の 様 子 海 賊 襲 撃 リスクの 高 い 船 舶 を 艦 載 ヘリコプター により 護 衛 アデン 湾 上 空 から 哨 戒 するP-3C 商 船 を 併 走 護 衛 する 自 衛 艦 写 真 : 防 衛 省 提 供 28
海 上 自 衛 隊 護 衛 実 績 (2014 年 1 月 31 日 現 在 ) 護 衛 艦 による 護 衛 実 績 (2014 年 1 月 31 日 現 在 ) 護 衛 活 動 計 534 回 ( 東 航 269 西 航 265) 護 衛 船 舶 数 3,218 隻 (うち 日 本 関 係 船 ) (732 隻 ) 1 回 当 りの 平 均 護 衛 船 舶 数 6.3 隻 P-3C 部 隊 任 務 飛 行 実 績 1,032 回 の 任 務 飛 行 終 了 ( 情 報 提 供 8,600 回 以 上 ) 29
民 間 武 装 ガードに 関 する 日 本 の 法 律 これまで 日 本 籍 船 舶 には 民 間 武 装 ガードを 乗 船 させることができず 他 国 籍 船 舶 に 比 べ 海 賊 対 策 の 脆 弱 性 が 懸 念 されていたが 昨 年 の 臨 時 国 会 において 日 本 籍 船 舶 へ 民 間 武 装 ガード を 乗 船 可 能 とした 法 律 が 成 立 した 法 律 名 : 海 賊 多 発 海 域 における 日 本 船 舶 の 警 備 に 関 する 特 別 措 置 法 ( 施 行 日 : 2013 年 11 月 30 日 ) 対 象 船 舶 : 原 油 タンカー < 対 象 海 域 イメージ 図 > 日 本 海 運 業 界 にとっては 画 期 的 な 法 律 が 成 立 となったが 船 舶 や 海 域 に 制 限 があるなどの 課 題 もあるため 今 後 は 当 協 会 を 含 めた 関 係 団 体 で 官 民 一 体 で 検 討 していく 30
(4) 商 船 の 海 賊 対 策 安 全 回 廊 商 船 の 海 賊 対 策 1 安 全 回 廊 の 航 行 31
商 船 の 海 賊 対 策 2 各 国 海 軍 の 護 衛 船 団 に 参 加 日 本 護 衛 要 領 艦 艇 1 隻 若 しくは2 隻 でエスコート(スケジュール 公 表 ) ( 基 本 的 に1 隻 はゾーンディフェンスに 従 事 ) 日 本 関 係 船 舶 優 先 順 位 ロシア 艦 艇 1 隻 でエスコート(スケジュール 公 表 ) 1. 戦 略 物 資 輸 送 船 2.ロシア 籍 船 3.ロシア 企 業 関 係 船 4.その 他 インド 中 国 韓 国 艦 艇 1 隻 でエスコート (2 週 間 程 度 の 長 期 護 衛 スケジュールを 公 表 ) 艦 艇 1 隻 でエスコート(スケジュール 公 表 ) ( 東 西 にそれぞれ 週 1 回 のエスコート) 艦 艇 1 隻 でエスコート(スケジュール 公 表 ) ( 東 西 にそれぞれ 週 1 回 のエスコート) 1.インド 籍 船 2.インド 人 船 員 乗 組 船 3.インド 関 係 貨 輸 送 船 4.その 他 1. 中 国 籍 船 2. 香 港 マカオ 台 湾 籍 船 3. 中 国 船 社 運 航 船 1. 韓 国 籍 船 2. 韓 国 人 船 員 乗 組 船 32
商 船 の 海 賊 対 策 3 船 団 航 行 方 式 (Group Transit)への 参 加 商 船 の 効 率 的 な 保 護 のため EU 軍 (アタランタ 作 戦 )はアデン 湾 航 行 船 に 船 速 に 応 じた 船 団 を 組 み 安 全 回 廊 を 航 行 すること(Group Transit)を 推 奨 している 船 団 に 艦 船 は 随 行 しないが 集 中 的 にモニターされる 船 速 (ノット) 出 発 時 間 ( 世 界 時 ) 東 航 西 航 10 0100 1500 12 0530 2100 14 0830 0100 16 1100 0530 18 1300 0700 33
商 船 の 海 賊 対 策 4 UKMTOが 運 用 する 位 置 通 報 制 度 への 参 加 UKMTO(UK Maritime Trade Operations) による 任 意 位 置 通 報 制 度 UKMTOの 通 報 制 度 範 囲 とCTF150 およびCTF151の 活 動 範 囲 UKMTO( 英 国 海 軍 情 報 収 集 機 関 )が 運 用 する 任 意 の 位 置 通 報 制 度 へ 参 加 することにより 有 志 連 合 軍 への 連 絡 網 を 確 立 する 同 制 度 の 通 報 範 囲 はインド 洋 (インド 西 岸 からアデン 湾 ペルシャ 湾 )および 紅 海 78E 定 時 連 絡 ( 毎 日 正 午 の 位 置 速 力 次 港 の 予 想 到 着 日 ) 船 舶 ( 船 社 )と 有 志 連 合 軍 との 連 絡 調 整 船 舶 から 海 賊 襲 撃 の 通 報 を 受 け 有 志 連 合 軍 に 救 助 を 要 請 する 10S CTF150 & CTF151 UKMTO REPORTING LIMIT 34
< 物 理 的 障 壁 > 鉄 条 網 レーザーワイヤー 海 賊 は 一 般 的 にはしごを 使 用 し 航 行 中 の 船 舶 に 乗 り 込 むために ロープ 付 きの 引 っ 掛 けフックを 使 用 する 海 賊 が 船 舶 構 造 物 への 乗 船 ハシゴ(または 引 っ 掛 けフック)を 引 っかけるよう にするのを 難 しくするために 舷 側 及 び 舷 から 張 り 出 した 強 靭 なレーザーワ イヤーバリアは 特 に 効 果 的 写 真 : BMP4 レーザーワイヤー ガンネルスパイク 35
飛 散 防 止 フィルム フェンス 土 嚢 多 くの 船 橋 窓 は 積 層 化 されているので 安 全 ガラスフィルムを 使 用 すること で 更 なるガラス 飛 散 に 対 する 保 護 が 得 られる 側 面 及 び 後 方 の 船 橋 窓 と 船 橋 ウイングドアの 窓 橋 のために 製 作 された 金 属 ( 鋼 /アルミニウム)プレート フェンスで 攻 撃 された 際 の 保 護 両 舷 ウイングの 後 方 部 分 への 砂 袋 ( 土 嚢 )での 保 護 船 橋 窓 フェンス 対 RPGフェンス 両 舷 ウイングの 土 嚢 写 真 : BMP4 36
放 水 装 置 水 噴 霧 及 び 放 水 装 置 の 使 用 は 船 舶 への 乗 船 を 試 みる 海 賊 を 阻 止 するか 遅 らせるのに 有 効 水 の 使 用 は 海 賊 ボートの 並 走 を 困 難 にすることができ 海 賊 の 乗 船 をより 困 難 にする レーザーワイヤー& 放 水 装 置 放 水 装 置 写 真 : BMP4 37
安 全 集 合 場 所 とシタデル(ろう 城 設 備 )の 設 置 (ⅰ) 安 全 集 合 場 所 : 安 全 集 合 場 所 は 船 内 の 比 較 的 安 全 な 場 所 に 設 定 され 船 橋 チーム 機 関 室 チームを 除 く 全 乗 組 員 の 点 呼 など 乗 組 員 全 員 の 無 事 を 容 易 に 確 認 できる 安 全 避 難 所 として 設 置 (ⅱ) シタデル(ろう 城 設 備 ): シタデルは 海 賊 により 乗 り 込 まれそうな 切 迫 した 危 険 が 迫 った 際 全 乗 組 員 が 救 助 を 待 つ 間 閉 じこもるための 設 備 最 低 限 の 設 備 として 食 料 と 水 良 好 な 外 部 との 連 絡 手 段 2 重 ( 補 強 ) 扉 などが 必 要 とされる 機 関 室 操 舵 機 室 をシタデルにする 場 合 主 機 補 機 舵 の 制 御 が 可 能 外 部 との 通 信 手 段 の 確 保 (VHF 衛 星 船 舶 電 話 等 の 設 置 )は 必 須 さらに 海 賊 の 動 向 を 観 察 できるCCTVのモニターも 有 効 長 期 間 のろう 城 は 困 難 であり あくまで 軍 の 艦 艇 ヘリの 救 援 までの 時 間 稼 ぎとしての 位 置 づけであり 軍 の 救 援 が 期 待 できない 状 況 海 域 での 使 用 は 推 奨 されない 設 定 したシタデルへのアクセスコントロール 重 厚 な 施 錠 38
(5) 海 賊 問 題 の 解 決 にむけて ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 問 題 の 根 本 的 な 解 決 は ソマリア 国 の 自 立 安 定 短 期 的 には 困 難! 当 面 は 海 賊 事 件 が 沈 静 化 するまで 護 衛 活 動 を 継 続 武 装 ガードの 乗 船 中 長 期 的 には 海 賊 問 題 に 対 する 国 際 的 な 取 り 組 みの 強 化 ソマリア 国 の 安 定 化 に 向 けた 国 際 的 な 支 援 39
ご 清 聴 ありがとうございました 40