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Transcription:

[ 租 税 判 例 研 究 会 ] 事 業 再 編 / 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 付 該 当 性 ( 東 京 裁 平 成 26 年 6 12 ) 第 60 回 2015 年 ( 平 成 27 年 )6 5 発 表 林 靖 典 MJSS 租 税 判 例 研 究 会 は 株 式 会 社 ミロク 情 報 サービスが主 催 する 研 究 会 です MJSS 租 税 判 例 研 究 会 についての 詳 細 は MJS コーポレー ートサイト 内 租 税 判 例 研 究 会 のページをご 覧 ください <MJS コーポレー ートサイト 内 租 税 判 例 研 究 会 のページ> http://www.mjs.co.jp/seminar/kenkyukai/

MJS 判 例 研 究 平 成 27 年 6 月 5 日 税 理 士 大 林 靖 典 日 本 経 済 新 聞 平 成 27 年 4 月 6 日 グループ 内 取 引 課 税 拡 大 増 減 資 や 出 向 社 員 の 人 件 費 国 税 利 益 移 転 調 査 厳 しく 企 業 のグループ 間 取 引 が 利 益 移 転 にあたるとして 税 務 当 局 から 課 税 されるケースが 目 立 つ 親 会 社 が 子 会 社 の 増 資 や 減 資 に 応 じた 場 合 に 課 税 されたり 海 外 子 会 社 に 出 向 した 国 内 親 会 社 の 従 業 員 の 人 件 費 に 課 税 され たりなど 広 範 囲 に 及 ぶ 企 業 は 当 局 の 求 めでやむなく 修 正 申 告 に 応 じる 例 が 多 いが 訴 訟 に 発 展 する 場 合 もあり 今 後 のグループ 展 開 に 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 がある 減 資 に 応 じた 親 会 社 が 子 会 社 に 利 益 移 転 をしたとして 課 税 されたケー スもある 日 産 自 動 車 のケースがそれで 日 産 は 最 高 裁 に 上 告 中 だ 当 局 は 子 会 社 の 減 資 に 伴 い 日 産 に 額 面 で 払 い 戻 された 金 額 が 時 価 を 下 回 るため 時 価 との 差 額 を 日 産 による 子 会 社 への 利 益 移 転 ( 寄 付 金 )とした 日 産 側 は 当 時 の 商 法 では 一 定 の 限 度 額 を 超 えて 払 い 戻 しできなかったので 利 益 移 転 ではない と 主 張 する 利 益 移 転 があるとして 課 税 される 可 能 性 がある 主 なケース 1 親 会 社 が 有 利 な 条 件 で 子 会 社 の 増 資 を 引 き 受 けた 場 合 2 親 会 社 が 子 会 社 に 出 向 した 従 業 員 の 給 与 を 全 額 負 担 した 場 合 3 海 外 子 会 社 で 製 造 販 売 する 商 品 の 広 告 宣 伝 費 を 全 額 国 内 親 会 社 が 負 担 した 場 合

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ついて 原 告 はその 払 戻 しを 受 けることができる 法 的 地 位 になかったものであるから 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 には 当 たらない 旨 を 2 予 備 的 には 本 件 各 更 正 処 分 等 におい て 認 定 された 本 件 適 正 譲 渡 対 価 の 額 は 本 件 消 却 株 式 の 時 価 に 基 づいて 算 定 される 本 件 適 正 譲 渡 対 価 の 額 を 上 回 るから 本 件 各 更 正 処 分 等 において 認 定 された 有 価 証 券 の 譲 渡 損 失 額 は 不 当 に 低 い 額 となっている 旨 を それぞれ 主 張 して 本 件 各 更 正 処 分 等 の 一 部 ( 上 記 1にあっては 本 件 各 更 正 処 分 のうち 原 告 の 所 得 の 金 額 を 欠 損 金 額 287 億 9418 万 2339 円 としてそれぞれ 計 算 した 額 を 超 える 部 分 及 び 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 上 記 2にあっては 本 件 各 更 正 処 分 のうち 原 告 の 所 得 の 金 額 を 53 億 2251 万 6010 円 としてそれぞれ 計 算 した 額 を 超 える 部 分 及 び 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 )の 取 消 しを 求 めた 事 案 である (3) 被 告 は 本 件 訴 えのうち 本 件 更 正 処 分 及 び 本 件 再 更 正 処 分 の 一 部 の 取 消 しを 求 める 部 分 については 専 ら 訴 えの 適 法 性 を 争 っており 本 案 についての 主 張 はしていな い - 2 -

平 成 18 年 4 月 から 同 年 7 月 にかけて 以 下 の 事 業 再 編 を 行 った 株 式 の 消 却 を 伴 う 減 資 により 資 本 金 1,000 万 円 にする P 1X1~X12は P 社 に 対 し 減 資 に 対 応 する 金 額 を 全 部 払 い 戻 し 外 形 標 準 課 税 の 回 避 X1 ~ X51 2X13~X21は P 社 に 対 し 払 戻 後 債 務 超 過 になるので 減 資 に 対 応 する 金 額 の 一 部 だけ 払 い 戻 し 2X22~X51は 債 務 超 過 であり そのままでは 合 併 できないから P 社 の 出 資 により 増 資 し 債 務 を 整 理 し その 後 減 資 に 対 応 する 金 額 の 払 戻 なし 組 織 再 編 成 時 価 純 資 産 法 により 株 式 価 格 評 価 - 3 -

納 税 者 側 の 主 張 国 側 の 主 張 寄 附 金 と し て 主 張 旧 商 法 か ら 見 て 違 法 実 際 払 戻 し 額 85 億 2007 万 円 適 正 譲 渡 払 戻 し 限 度 額 寄 対 附 価 224 億 7339 万 円 金 認 定 405 億 5164 万 円 額 715 億 4510 万 円 628 億 7877 万 円 2. 争 点 (1) 本 件 再 々 更 正 処 分 の 一 部 の 取 消 しを 求 める 訴 えのうち 本 件 再 更 正 処 分 における 更 正 の 額 を 下 回 る 部 分 の 取 消 しを 求 める 部 分 等 の 適 法 性 ( 争 点 1) (2) 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 該 当 性 ( 争 点 2) (3) 本 件 適 正 譲 渡 対 価 の 額 ( 争 点 3) この 論 文 では(2)に 絞 って 進 めることにする 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 該 当 性 ( 争 点 2)について 東 京 地 裁 判 決 ( 平 成 24 年 11 月 28 日 ) 原 告 敗 訴 国 側 勝 訴 X が 本 件 子 会 社 に 対 価 なく 移 転 した 上 記 の 経 済 的 な 利 益 に 相 当 する 金 額 については 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 め 法 人 税 法 37 条 7 項 の 規 定 により 損 金 の 額 に 算 入 することができな い 寄 附 金 に 該 当 し また 本 件 適 正 譲 渡 対 価 の 額 は 本 件 合 併 比 率 算 定 書 に 記 載 さ れた 本 件 各 子 会 社 株 式 の 1 株 当 たりの 価 額 に 基 づいて 算 定 された 額 とすることが 適 当 で あるとして X の 請 求 を 棄 却 した - 4 -

本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 該 当 性 ( 争 点 2)について ( 被 告 の 主 張 の 要 点 ) 本 件 適 正 譲 渡 対 価 の 額 と 原 告 算 出 譲 渡 対 価 の 額 との 差 額 ( 一 部 の 金 額 を 除 く )が 法 人 税 法 上 の 寄 附 金 に 該 当 すること 法 人 税 法 上 の 寄 附 金 は 同 法 37 条 7 項 及 び8 項 が 定 めるとおり 通 常 の 意 味 にお ける 寄 附 金 ( 公 共 又 は 公 益 のための 拠 出 等 )よりもはるかに 広 い 観 念 であり どのような 名 義 で 支 出 されたのか また 法 人 の 事 業 に 関 連 性 がある 支 出 なのかを 問 わず さらに 私 法 上 の 法 形 式 にとらわれることもなく 対 価 性 のない 金 銭 その 他 の 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 の 贈 与 又 は 無 償 の 供 与 をいう そして 寄 附 金 に 該 当 するか 否 かは 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 を 対 価 なく 他 に 移 転 する 場 合 であって その 行 為 について 通 常 の 経 済 取 引 として 是 認 できる 合 理 的 な 理 由 が 存 在 しない ( 以 下 便 宜 上 この 寄 附 金 該 当 性 の 判 断 基 準 のうち 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 を 対 価 なく 他 に 移 転 する 場 合 という 要 件 を 対 価 要 件 といい そ の 行 為 について 通 常 の 経 済 取 引 として 是 認 できる 合 理 的 な 理 由 が 存 在 しない という 要 件 を 合 理 性 要 件 という )ものであるか 否 かにより 判 断 すべきである 本 件 各 時 価 純 資 産 額 のうち 本 件 消 却 株 式 に 係 る 部 分 の 金 額 ( 以 下 本 件 時 価 という ) は 合 計 で 715 億 4510 万 6241 円 ( 別 表 6 の 本 件 各 時 価 純 資 産 額 のうち 本 件 消 却 株 式 に 係 る 部 分 の 金 額 欄 の 合 計 額 )であるところ 原 告 は 本 件 株 式 消 却 によって 株 主 として の 権 利 を 喪 失 し 上 記 金 額 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 を 失 ったこととなる それに 対 し 原 告 は 本 件 各 子 会 社 から 合 計 で 85 億 2007 万 0971 円 の 払 戻 しを 受 けたにすぎないから この 差 額 から 別 表 6の 資 本 金 等 の 額 超 過 分 欄 の 合 計 額 を 控 除 した 628 億 7877 万 0712 円 については 経 済 的 な 利 益 が 対 価 なく 他 に 移 転 している( 対 価 要 件 )ということができ る(なお 原 告 は 一 旦 本 件 各 子 会 社 のうち 30 社 に 対 して 出 資 という 形 で 金 員 を 払 い 込 み 本 件 各 子 会 社 株 式 の 価 値 を 高 めておきながら その 直 後 に 自 らの 意 思 に 基 づく 当 初 の 計 画 に 従 って 本 件 各 子 会 社 株 式 に 係 る 権 利 を 強 制 消 却 によって 失 っているのであって 本 件 事 業 再 編 を 全 体 としてみれば 原 告 が 本 件 各 子 会 社 に 対 して 現 金 を 贈 与 としたのと 経 済 的 に 同 じであるとさえいうことができる ) また 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 は 本 件 事 業 再 編 の 一 環 としてされたものであるところ 原 告 の 主 張 によれば 本 件 各 子 会 社 が 本 件 事 業 再 編 をしたのは いわゆるバブル 経 済 崩 壊 後 の 自 動 車 の 国 内 需 要 の 頭 打 ちや 少 子 高 齢 化 による 需 要 減 が 避 けられない 状 況 下 において 販 売 体 制 等 の 効 率 化 を 図 ること 等 が 理 由 であったというのであって 原 告 が 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 によって 本 件 各 子 会 社 に 経 済 的 な 利 益 を 移 転 させたことについて 法 基 通 9-4-1 及 び9-4-2に 定 めるような 本 件 各 子 会 社 の 倒 産 を 防 止 するためにやむを 得 ず 行 ったといった 事 情 は 認 められない 原 告 が 本 件 消 却 株 式 の 客 観 的 な 時 価 に 見 合 った 対 価 を 受 領 しなかったことが 旧 商 法 の 払 戻 限 度 額 に 関 する 規 制 を 遵 守 するものであったとしても これによりその 贈 与 的 な 性 格 が 否 定 されるものではなく 本 件 各 子 会 社 に 無 償 で 経 済 的 な 利 益 を 供 与 したことについ ては 通 常 の 経 済 取 引 として 是 認 できる 合 理 的 な 理 由 が 存 在 しない ( 合 理 性 要 件 )とい うべきである 以 上 によれば 本 件 における 寄 附 金 の 額 は 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 んだ628 億 78 77 万 0712 円 である - 5 -

( 原 告 の 主 張 の 要 点 ) 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 に 該 当 しないこと 仮 に 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 が 現 実 に 払 い 戻 され 原 告 がこれを 現 実 に 受 領 した 場 合 こ の 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 払 戻 しが 旧 商 法 に 反 する 違 法 無 効 な 収 益 であることは 明 らかで あるところ 違 法 無 効 な 収 益 を 現 に 収 受 した 場 合 当 該 収 益 は 益 金 の 額 に 算 入 されて 課 税 されるが 当 該 収 益 を 収 受 した 者 が 相 手 方 への 返 還 によって 違 法 無 効 な 収 益 の 経 済 的 成 果 を 失 った 場 合 には 当 該 失 われた 経 済 的 成 果 は 損 金 の 額 に 算 入 されることとなる したがって 原 告 が 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 払 戻 しを 現 実 に 受 けていたと 仮 定 した 場 合 にお いて その 後 に 当 該 部 分 を 本 件 各 子 会 社 に 現 実 に 返 還 したときは 返 還 によって 違 法 無 効 な 収 益 の 経 済 的 成 果 が 失 われたものとして 返 還 した 金 額 を 損 金 の 額 に 算 入 できること となる ところで 原 告 は 本 件 各 子 会 社 から 現 実 には 払 戻 限 度 額 を 踏 まえた 限 度 でしか 払 戻 し を 受 けていないものの 本 件 各 更 正 処 分 において 1 法 人 税 法 22 条 2 項 により 払 戻 限 度 額 を 超 えた 額 の 払 戻 しを 受 けたと 擬 制 され 2これを 前 提 に 原 告 が 本 件 各 子 会 社 に 対 し て 払 戻 しを 受 けた 額 と 実 際 に 本 件 各 子 会 社 から 収 受 した 金 額 との 差 額 を 返 還 したと 擬 制 されたもので 実 質 的 には 現 実 に 払 戻 しを 受 けた 上 で 返 還 した 場 合 と 変 わるところはない そして 同 項 が 適 用 され 適 正 な 価 額 の 収 益 があったと 擬 制 される 場 合 においても こ れを 前 提 として 返 還 したと 擬 制 される 金 額 は 常 に 寄 附 金 となるものではなく その 性 質 に 応 じた 別 途 の 検 討 を 経 て 実 質 的 に 経 済 的 な 利 益 を 贈 与 したと 認 められる 場 合 に 限 って 寄 附 金 に 該 当 して 損 金 の 額 への 算 入 が 否 定 されることとなる しかしながら 本 件 においては 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 について 違 法 無 効 な 収 益 に 係 る 経 済 的 成 果 を 返 還 したと 擬 制 されたものであり 現 実 に 払 戻 限 度 額 を 超 える 収 益 を 受 領 して 返 還 した 場 合 と 同 様 に 経 済 的 な 利 益 を 実 質 的 に 贈 与 又 は 無 償 の 供 与 をしたものではな いのであるから 同 法 37 条 7 項 及 び8 項 にいう 寄 附 金 には 該 当 せず 当 該 金 額 は 原 告 の 損 金 の 額 に 算 入 されるべきものである このことは 上 記 に 述 べたとおり 旧 商 法 の 払 戻 限 度 額 の 規 制 に 現 実 に 違 反 して 払 戻 し を 受 けた 者 は これを 返 還 することによりその 金 額 を 損 金 の 額 に 算 入 できるのに 対 し 本 件 各 更 正 処 分 に 従 えば 原 告 のように 旧 商 法 の 規 制 を 遵 守 して 適 法 な 払 戻 しを 受 けた 者 は 払 戻 限 度 額 を 超 える 金 額 を 損 金 の 額 に 算 入 できないこととなるという 極 めて 不 合 理 な 結 果 を 生 ずることからも 裏 付 けられる 以 上 を 前 提 に 寄 附 金 の 損 金 不 算 入 の 計 算 をすると 違 法 無 効 な 払 戻 しとなるべき 金 額 は 405 億 5164 万 5849 円 であるから 原 告 の 所 得 の 金 額 は 欠 損 金 額 287 億 9 418 万 2339 円 となり 本 件 各 更 正 処 分 のうち 原 告 の 所 得 の 金 額 をこの 額 として 計 算 した 額 を 超 える 部 分 は 取 り 消 されるべきものである 地 裁 の 判 断 争 点 2( 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 該 当 性 )について (1) 寄 附 金 の 意 義 について 法 人 税 法 37 条 1 項 は 法 人 が 各 事 業 年 度 において 支 出 した 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 のうち 一 - 6 -

定 の 金 額 を 超 える 部 分 の 金 額 は 当 該 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 損 金 の 額 に 算 入 しない 旨 を 定 めるところ この 寄 附 金 の 額 について 同 条 7 項 は どのような 名 義 をもってするかを 問 わず 法 人 が 金 銭 その 他 の 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 の 贈 与 又 は 無 償 の 供 与 をした 場 合 における 当 該 金 銭 の 額 若 しくは 金 銭 以 外 の 資 産 のその 贈 与 の 時 における 価 額 又 は 当 該 経 済 的 な 利 益 のその 供 与 の 時 における 価 額 によるものとする 旨 を 同 条 8 項 は 法 人 が 資 産 の 譲 渡 又 は 経 済 的 な 利 益 の 供 与 をした 場 合 において その 譲 渡 又 は 供 与 の 対 価 の 額 が 当 該 資 産 のその 譲 渡 の 時 における 価 額 又 は 当 該 経 済 的 な 利 益 のその 供 与 の 時 におけ る 価 額 に 比 して 低 いときは 当 該 対 価 の 額 と 当 該 価 額 との 差 額 のうち 実 質 的 に 贈 与 又 は 無 償 の 供 与 をしたと 認 められる 金 額 を 含 むものとする 旨 を それぞれ 定 めている ここで 法 人 税 法 が 一 定 の 金 額 を 超 える 寄 附 金 の 額 を 損 金 の 額 に 算 入 しない ものとする 制 度 を 設 けているのは 法 人 が 支 出 した 寄 附 金 の 全 額 を 無 条 件 で 損 金 の 額 に 算 入 するとすれば 国 の 財 政 収 入 の 確 保 を 阻 害 するばかりではなく 寄 附 金 の 出 えんによる 法 人 の 負 担 が 法 人 税 の 減 収 を 通 じて 国 に 転 嫁 され 課 税 の 公 平 上 適 当 でないことから こ れを 是 正 することにあると 解 される 他 方 で 法 人 が 支 出 する 寄 附 金 には それが 法 人 の 収 益 を 生 み 出 すのに 必 要 な 費 用 としての 側 面 を 有 するものもあり 当 該 支 出 が 費 用 の 性 質 を 有 するか 又 は 利 益 処 分 の 性 質 を 有 するかを 客 観 的 に 判 定 することは 困 難 であるため 法 人 税 法 は 行 政 的 な 便 宜 及 び 公 平 の 維 持 の 観 点 から 統 一 的 な 損 金 の 額 に 算 入 すること ができる 金 額 の 限 度 額 を 設 け 寄 附 金 のうちその 限 度 額 の 範 囲 内 の 金 額 を 費 用 として 損 金 の 額 に 算 入 することを 認 め それを 超 える 部 分 の 金 額 を 損 金 の 額 に 算 入 しないことにした ものと 解 される 以 上 のような 一 定 の 金 額 を 超 える 寄 附 金 の 額 の 損 金 不 算 入 の 制 度 の 趣 旨 並 びに 同 条 7 項 及 び8 項 の 規 定 の 内 容 からすれば 同 条 7 項 に 定 める 寄 附 金 とは 民 法 上 の 贈 与 に 限 ら ず 経 済 的 にみて 贈 与 と 同 視 し 得 る 金 銭 その 他 の 資 産 の 譲 渡 又 は 経 済 的 な 利 益 の 供 与 をい うものと 解 すべきであり ここにいう 経 済 的 にみて 贈 与 と 同 視 し 得 る 金 銭 その 他 の 資 産 の 譲 渡 又 は 経 済 的 な 利 益 の 供 与 とは 金 銭 その 他 の 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 を 対 価 なく 他 に 移 転 する 場 合 であって その 行 為 について 通 常 の 経 済 取 引 として 是 認 することができる 合 理 的 な 理 由 が 存 在 しないものを 指 すものと 解 するのが 相 当 である (2) 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 該 当 性 について 旧 商 法 213 条 1 項 が 定 める 株 式 の 消 却 がされた 場 合 当 該 消 却 された 株 式 の 株 主 は 当 該 株 式 についての 株 主 としての 地 位 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 を 失 うこととなる ところ で 株 式 の 消 却 につき 法 人 税 法 上 は 株 式 の 譲 渡 の 一 種 と 評 価 されることは 本 件 において 当 事 者 間 に 争 いがないところ 原 告 は 本 件 株 式 消 却 によって 本 件 消 却 株 式 の 株 主 として の 地 位 を 失 い 本 件 消 却 株 式 の 時 価 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 を 失 うとともに 払 戻 しをし た 本 件 各 子 会 社 から 本 件 消 却 株 式 の 時 価 よりも 低 い 額 の 本 件 払 戻 額 の 払 戻 しを 受 けたに とどまるから このような 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 の 手 続 を 通 じ 原 告 から 払 戻 しをした 本 件 各 子 会 社 に 対 しては 本 件 消 却 株 式 の 時 価 と 本 件 払 戻 額 の 差 額 ( 一 部 の 金 額 を 除 く )に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 が 原 告 から 払 戻 しをしなかった 本 件 各 子 会 社 に 対 しては 本 件 消 却 株 式 の 時 価 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 ( 同 じく 一 部 の 金 額 を 除 く )が それぞれ 対 価 なく 移 転 されたものということができる そして 上 記 のような 原 告 から 本 件 各 子 会 社 に 対 して 相 当 の 高 額 に 上 る 経 済 的 な 利 益 の 移 - 7 -

転 を 生 じさせる 手 続 については 本 件 事 業 再 編 に 係 る 各 種 の 措 置 の 一 環 として 当 初 から 原 告 において 予 定 されていたものであるところ 原 告 は 本 件 事 業 再 編 は 原 告 の 製 造 する 自 動 車 等 の 販 売 体 制 を 構 築 するためにされたもので そのうち 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 は 本 件 各 子 会 社 における 事 業 税 の 負 担 に 対 応 するためのものであって 原 告 の 事 業 上 必 要 かつ 合 理 的 なものであり 払 戻 しの 金 額 は 旧 商 法 上 の 規 制 を 反 映 してのものであった 旨 を 主 張 するが 原 告 が 営 利 を 目 的 とする 法 人 であること 事 業 の 再 編 の 手 続 として 本 件 において 採 用 されたもの 以 外 のものを 選 択 することが 妨 げられていたと 見 るべき 格 別 の 証 拠 ないし 事 情 は 見 当 たらないこと 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 は 直 接 には 本 件 各 子 会 社 の 本 件 合 併 に よる 消 滅 までの 間 のいわゆる 税 金 対 策 を 主 たる 目 的 とするものであること 等 からすれば 原 告 の 主 張 するような 事 情 のほか 原 告 と 本 件 各 子 会 社 とが 法 人 税 法 上 の 連 結 納 税 に 係 る 関 係 にあることをもっても 上 記 のような 経 済 的 な 利 益 の 対 価 のない 移 転 を 内 容 とする 手 続 を 執 ることが 原 告 にとっての 通 常 の 経 済 取 引 として 是 認 することができる 合 理 的 な 理 由 に 当 たると 直 ちに 解 することは 困 難 というべきであるし 他 に 本 件 においてこのような 合 理 的 な 理 由 が 存 在 したことをうかがわせる 証 拠 ないし 事 情 は 見 当 たらない したがって 原 告 が 本 件 各 子 会 社 に 対 価 なく 移 転 した 上 記 の 経 済 的 な 利 益 に 相 当 する 金 額 については 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 め 法 人 税 法 37 条 7 項 の 規 定 により 損 金 の 額 に 算 入 することができない 寄 附 金 に 該 当 すると 認 めるのが 相 当 である 東 京 高 等 判 決 ( 平 成 26 年 6 月 12 日 ) 控 訴 人 棄 却 国 側 勝 訴 当 審 における 控 訴 人 の 主 張 の 要 旨 (1) 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 収 益 ( 法 人 税 法 22 条 2 項 ) 該 当 性 について( 主 位 的 主 張 ) 本 件 各 更 正 処 分 等 が 適 法 とされるためには まず 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 (405 億 516 4 万 5849 円 )が 課 税 上 控 訴 人 の 収 益 として 認 識 される 必 要 がある 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 が 収 益 として 認 識 されないのであれば 控 訴 人 の 課 税 所 得 額 も405 億 51 64 万 5849 円 減 少 することになり それだけで 本 件 各 更 正 処 分 等 は 違 法 となる また 寄 附 金 とは 相 手 方 に 対 する 経 済 的 利 益 の 移 転 であるから 課 税 上 その 対 象 となる 経 済 的 利 益 が 納 税 者 に 帰 属 していることが 前 提 となり 納 税 者 の 収 益 として 認 識 されないときには その 移 転 ということもあり 得 ず 当 該 経 済 的 利 益 を 寄 附 金 として 認 定 する 余 地 もなくなるから このような 観 点 からも まず 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 収 益 該 当 性 を 検 討 する 必 要 がある 減 資 における 払 戻 額 が 旧 商 法 上 の 限 度 額 を 超 える 場 合 には その 超 過 部 分 の 払 戻 しが 無 効 とされるため 控 訴 人 は 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 収 受 することができず かつ これを 実 際 にも 収 受 していないのであるから 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 については 収 入 実 現 の 蓋 然 性 が なく これを 課 税 上 の 収 益 として 認 識 することはできない 違 法 かつ 現 実 に 収 受 して いない 経 済 的 利 益 を 収 益 として 認 識 できないことは 最 高 裁 昭 和 43 年 ( 行 ツ) 第 2 5 号 同 46 年 11 月 9 日 第 三 小 法 廷 判 決 民 集 25 巻 8 号 1120 頁 ( 昭 和 46 年 最 高 裁 判 決 ) 以 来 確 立 した 判 例 法 理 である - 8 -

また 法 人 税 法 22 条 2 項 の 趣 旨 は 合 理 的 な 経 済 人 であれば 通 常 の 対 価 相 当 額 で 取 引 を 行 うところを 無 償 ないし 低 廉 な 対 価 で 取 引 ( 資 産 の 譲 渡 )をすることによって 収 益 に 計 上 せず 課 税 上 有 利 に 取 り 扱 われる 結 果 となる 不 公 平 を 是 正 するため 無 償 ないし 低 廉 な 対 価 での 取 引 についても 通 常 の 対 価 で 取 引 を 行 った 場 合 と 同 様 の 適 正 な 所 得 が 発 生 したものと 擬 制 するというものであり 通 常 人 が 私 法 その 他 の 法 令 の 枠 内 で 適 法 に 行 動 し たときと 比 較 した 場 合 における 課 税 の 公 平 を 確 保 しようとするものである したがって 同 項 は 通 常 人 ( 合 理 的 経 済 人 )が 私 法 その 他 の 法 令 上 およそ 収 受 することが 許 されない 収 益 を 実 際 に 収 受 していないにもかかわらず 課 税 上 の 収 益 として 認 識 することま で 要 求 するものではない また 同 項 が 前 提 とする 同 条 4 項 は 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 められる 会 計 処 理 の 基 準 に より 認 識 可 能 な 額 を 収 益 とするものであるから 会 計 処 理 上 収 受 したものとして 扱 うことができない 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 課 税 上 の 収 益 として 認 識 することは 同 項 に 反 し 許 されない 法 人 税 法 22 条 2 項 の 別 段 の 定 め である 同 法 61 条 の2 第 1 項 が 適 用 される 本 件 に おいては 同 法 22 条 2 項 の 適 用 はなく 同 法 61 条 の2 第 1 項 1 号 の 譲 渡 対 価 の 額 の 解 釈 が 問 題 となる そして この 譲 渡 対 価 の 額 とは 当 事 者 の 合 意 による 金 額 を 意 味 するものである また 課 税 上 株 主 が 第 三 者 に 株 式 を 売 却 した 場 合 と 株 主 と 発 行 法 人 との 間 で 株 式 を 譲 渡 した 場 合 とでは 異 なる 規 律 に 服 することが 予 定 されている そのため 同 号 の 譲 渡 対 価 の 額 を 当 事 者 間 の 合 意 による 額 とは 解 することができないとしても 株 主 と 発 行 法 人 間 の 取 引 においては 商 法 ないし 会 社 法 上 の 制 限 を 無 視 することはおよそ 許 されないか ら 旧 商 法 の 規 定 により 収 受 することができない 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 譲 渡 対 価 の 額 に 含 めることはできない 仮 に 適 正 な 時 価 をもって 同 号 の 譲 渡 対 価 の 額 とするとして も あくまでも 法 令 の 範 囲 内 で 収 受 可 能 な 公 正 な 対 価 の 額 と 解 するべきである( 同 法 22 条 2 項 所 定 の 収 益 の 額 についても 同 様 である ) したがって 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 同 法 61 条 の2 第 1 項 1 号 の 譲 渡 対 価 の 額 に 含 めて 譲 渡 損 益 を 計 算 した 本 件 各 更 正 処 分 は 違 法 である 本 件 株 式 消 却 に 法 人 税 法 22 条 2 項 ないし 同 法 61 条 の2 第 1 項 を 適 用 するに 当 たって は 本 件 株 式 消 却 に 係 る 行 為 形 式 を 所 与 の 前 提 として その 正 常 な 対 価 だけを 検 討 すべき であり 本 件 各 子 会 社 の 減 資 及 び 本 件 株 式 消 却 の 実 施 についての 経 済 合 理 性 の 有 無 を 考 慮 した 上 で 本 件 株 式 消 却 を 他 の 行 為 形 式 ( 例 えば 本 件 消 却 株 式 の 時 価 相 当 額 の 払 戻 しを 伴 う 株 式 消 却 )に 引 き 直 して 控 訴 人 に 課 税 することは 租 税 法 律 主 義 に 反 し 許 されるも のではない なお 本 件 事 業 再 編 における 減 資 及 び 本 件 株 式 消 却 は 通 常 の 合 理 的 な 経 済 取 引 であっ て 課 税 上 もそのまま 是 認 されるべきである すなわち 本 件 株 式 消 却 に 伴 う 減 資 は 旧 商 法 に 基 づく 合 併 を 可 能 にするために 債 務 超 過 に 陥 っていた 控 訴 人 の 販 売 子 会 社 が 行 った 増 資 によって その 規 模 に 比 して 過 大 となっていた 資 本 金 額 を 最 低 資 本 金 の 額 にまで 減 少 させ 会 社 管 理 のコストを 削 減 し 過 大 な 外 形 標 準 課 税 を 回 避 するために 行 われたもの であり 十 分 な 経 済 合 理 性 を 有 するものである また 本 件 事 業 再 編 を 検 討 して 準 備 する ための 時 間 は 実 質 的 に2か 月 弱 しかなかったことから 従 前 から 販 売 子 会 社 が 減 資 を 実 施 - 9 -

する 際 に 行 ってきた 株 式 の 強 制 消 却 の 方 法 を 用 いたのである したがって 本 件 株 式 消 却 は 組 織 再 編 を 効 率 的 に 行 うために 控 訴 人 が 従 前 から 用 いていた 手 法 を 単 に 踏 襲 したもの であり その 過 程 で 殊 更 に 譲 渡 損 失 を 計 上 する 目 的 で 恣 意 的 に 株 式 消 却 の 内 容 を 決 定 した ものではなかった (2) 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 寄 附 金 ( 法 人 税 法 37 条 7 項 ) 該 当 性 について 本 件 各 更 正 処 分 等 は 本 件 株 式 消 却 に 係 る 寄 附 金 の 額 を628 億 7877 万 071 2 円 と 認 定 しているところ これは 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 むものである しかし 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 に 当 たらないから 本 件 各 更 正 処 分 等 は 寄 附 金 を 過 大 に 計 上 していることになり 違 法 である 本 件 株 式 消 却 は 株 主 が 保 有 する 株 式 を 発 行 会 社 による 取 得 を 経 ずに 直 接 消 滅 させる 強 制 消 却 であるから 発 行 会 社 である 本 件 各 子 会 社 は 私 法 上 本 件 消 却 株 式 を 取 得 してお らず 本 件 株 式 消 却 によって 何 らの 経 済 的 利 益 も 受 けていない また 株 式 の 強 制 消 却 は 株 主 による 株 式 の 譲 渡 と 擬 制 され 自 己 株 式 の 取 得 と 同 様 に 譲 渡 損 益 を 計 上 することにな るところ 本 件 各 子 会 社 は 当 該 株 式 を 取 得 していないという 私 法 上 の 効 果 を 踏 まえて これを 収 益 として 計 上 していないし 税 務 当 局 も 本 件 各 子 会 社 について 寄 附 金 の 額 に 対 応 する 受 贈 益 課 税 をしていない したがって 私 法 上 も 課 税 上 も 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 相 当 額 の 移 転 は 観 念 できないから 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 に 該 当 し ない 仮 に 控 訴 人 から 本 件 各 子 会 社 に 対 する 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 相 当 額 の 移 転 が 何 らかの 形 で 観 念 されるとしても それは 控 訴 人 が 違 法 に 収 受 したものと 擬 制 される 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 の 本 件 各 子 会 社 に 対 する 返 還 に 当 たり 民 法 703 条 所 定 の 不 当 利 得 返 還 義 務 の 履 行 に 他 ならないのであるから この 返 還 (= 移 転 )については 合 理 的 な 根 拠 が 存 す ることになる したがって 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 に 該 当 しない 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 寄 附 金 と 認 定 することにより 本 件 株 式 消 却 に 係 る 譲 渡 損 失 額 の 損 金 の 額 への 算 入 を 否 定 することは 平 成 22 年 度 税 制 改 正 前 の 法 人 税 法 の 規 定 が 適 用 されるべき 本 件 株 式 消 却 について 実 質 的 には 改 正 後 の 法 人 税 法 61 条 の2 第 1 6 項 を 遡 及 して 適 用 することにほかならない すなわち 本 件 各 子 会 社 51 社 のうち49 社 が 控 訴 人 の 完 全 子 会 社 であって 本 件 株 式 消 却 の 内 容 を 控 訴 人 が 任 意 に 決 定 することが できたことを 理 由 にして 同 項 が 制 定 される 前 に 行 われた 本 件 株 式 消 却 による 譲 渡 損 失 の 損 金 算 入 を 認 めないのは 租 税 法 規 の 遡 及 適 用 に 当 たり 租 税 法 律 主 義 に 反 し 許 されない ことである 仮 に 本 件 株 式 消 却 時 に 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 相 当 額 が 寄 附 金 に 当 たり 損 金 の 額 に 算 入 されないとした 場 合 控 訴 人 には 当 該 差 額 ( 本 件 消 却 株 式 の 時 価 相 当 額 から みな し 配 当 額 を 控 除 した 額 と 本 件 払 戻 額 との 差 額 ) 相 当 額 の 経 済 的 価 値 に 対 応 する 課 税 がさ れることになる 他 方 寄 附 金 に 該 当 する 以 上 差 額 相 当 額 の 価 値 が 本 件 消 却 株 式 から 残 存 する 子 会 社 の 株 式 に 移 転 するものとして 取 り 扱 わざるを 得 ないことになるが 租 税 法 令 上 残 存 する 子 会 社 の 株 式 の 税 務 上 の 取 得 価 額 につき 差 額 相 当 額 の 増 額 調 整 (いわゆる 税 務 上 の 簿 価 のステップ アップ)は 行 われない したがって 控 訴 人 が 本 件 株 式 消 却 後 に 残 存 子 会 社 株 式 を 譲 渡 した 場 合 には 当 該 差 額 相 当 額 は 再 びキャピタルゲインとして - 10 -

課 税 され 実 質 的 に 二 重 課 税 がされることになる ここで 寄 附 金 についての 大 淵 名 誉 教 授 の 学 説 を 紹 介 する 寄 附 金 に 関 する 学 説 2) 学 説 では(1) 非 事 業 関 連 説 (2) 事 業 関 連 説 (3) 非 対 価 説 の 三 つの 寄 附 金 の 意 義 範 囲 に 分 類 することができる (1) 非 事 業 関 連 説 寄 附 金 とは 事 業 に 関 係 なく 支 出 される 金 銭 等 の 贈 与 をいい その 支 出 が 事 業 に 関 係 あ るものであれば 寄 附 金 には 該 当 しないという 考 え 方 である( 以 下 非 事 業 関 連 説 ) ところで 一 般 的 に 寄 附 金 支 出 の 態 様 についてみると 1 法 人 の 社 会 的 存 在 として 社 会 的 作 用 に 属 する 活 動 の 中 で 支 出 される 公 共 的 公 益 的 又 は 慈 善 的 寄 附 金 や 政 治 献 金 又 は 神 社 等 に 対 する 寄 附 金 2 事 業 活 動 に 何 らかの 関 連 を 有 した 寄 附 金 ( 子 会 社 等 に 対 する 無 利 息 貸 付 ) 3 事 業 に 無 関 係 な 相 手 方 に 対 する 寄 附 金 ( 役 員 が 同 一 の 法 人 間 等 )の 三 つに 類 型 化 できるであろう 非 事 業 関 連 説 は 1 及 び3が 寄 附 金 に 該 当 し 2の 事 業 関 連 性 のある 子 会 社 支 援 等 の 支 出 は 寄 附 金 以 外 の 損 金 とされることが 前 提 とされている (2) 事 業 関 連 説 この 考 え 方 は 法 人 税 法 上 の 寄 附 金 とは 事 業 に 関 連 した 寄 附 金 であり 事 業 に 関 連 性 のない 寄 附 金 は 利 益 処 分 による 寄 附 金 として 損 金 の 額 に 算 入 されないとする 考 え 方 である ( 以 下 事 業 関 連 説 という) この 事 業 関 連 説 は 前 述 した 寄 附 金 支 出 の 三 つの 態 様 すな わち 1 公 共 的 公 益 的 又 は 慈 善 的 寄 附 金 や 政 治 献 金 又 は 神 社 等 に 対 する 寄 附 金 2 事 業 活 動 に 何 らかの 関 連 を 有 した 寄 附 金 ( 子 会 社 等 に 対 する 無 利 息 貸 付 等 ) 3 事 業 に 無 関 係 な 相 手 方 に 対 する 寄 附 金 ( 役 員 が 同 一 の 法 人 間 等 )のうち 2の 寄 附 金 がこれに 含 まれるが 1についてはどのように 位 置 付 けるのかは 不 明 である おそらく 1の 国 等 に 対 する 公 共 的 公 益 的 寄 附 金 等 は 別 段 の 定 め により 寄 附 金 として 損 金 算 入 を 認 めていると 位 置 付 けるのであろう しかして 事 業 関 連 説 は その 他 の 一 般 寄 附 金 の 範 囲 を 画 する 論 理 と 考 えられるが その 場 合 2の 支 出 が 一 般 寄 附 金 として 損 金 不 参 入 制 度 に 取 り 込 まれ 3の 支 出 は 事 業 に 関 連 しない 寄 附 金 として 損 金 不 参 入 にするというものである (3) 非 対 価 説 この 説 は 法 人 が 支 出 した 寄 附 金 とは 事 業 関 連 性 の 有 無 を 問 わず 直 接 的 な 対 価 を 伴 わない 支 出 とするものである( 以 下 非 対 価 説 という) この 考 え 方 が 現 在 の 判 例 学 説 及 び 課 税 実 務 の 定 説 であるということができる 本 件 は 非 対 価 性 を 前 提 にして 寄 附 金 の 該 当 性 を 述 べている 2) 大 淵 博 義 法 人 税 法 解 釈 の 検 証 と 実 践 的 展 開 税 務 経 理 協 会 2009 年 494~497 頁 - 11 -

本 判 決 についての 論 点 (1) 払 戻 超 過 額 の 収 益 該 当 性 1 収 益 に 当 たる 吉 村 教 授 の 見 解 株 式 の 消 却 は 株 式 の 譲 渡 の 一 種 と 解 される 法 人 税 が 企 業 の 経 済 活 動 によって 稼 得 された 成 果 ( 企 業 利 益 )を 課 税 物 件 とするもので あることに 照 らすと 法 人 税 法 22 条 2 項 にいう 収 益 とは 経 済 的 な 実 態 に 即 して 実 質 的 に 理 解 するのが 相 当 であり また このように 解 するのが 同 項 の 趣 旨 でもある 租 税 の 公 平 な 負 担 の 観 念 に 合 致 することになる 以 上 に 照 らすと 本 件 株 式 消 却 により 消 却 株 式 が 譲 渡 されたことに 伴 い その 評 価 額 である 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 む 678 億 円 [ 円 余 ] を 収 益 として 計 上 することは 法 人 税 法 上 の 当 然 の 帰 結 というべきである 3 ) 2 収 益 に 当 たらない 中 里 教 授 の 見 解 法 法 22 条 2 項 が 私 法 に 反 する( 経 済 的 な 実 質 に 即 した) 課 税 を 強 制 する 租 税 回 避 行 為 否 認 規 定 であるという 考 え 方 には 強 い 違 和 感 がある 同 項 は 確 かに 租 税 の 公 平 な 負 担 の 観 念 に 合 致 するように 無 償 低 額 譲 渡 等 についても 収 益 が 発 生 すると 定 めてはいるが それはあくまでも 有 償 譲 渡 と 無 償 譲 渡 の 間 の parity の 維 持 を 目 的 とするものであって 租 税 回 避 行 為 否 認 規 定 として 収 益 を 経 済 的 な 実 態 に 即 して 実 質 的 に 理 解 する ことを 要 請 するものでは 決 してない そもそも 本 判 決 のような 考 え 方 が 成 立 するのであれば 法 法 132 条 等 の 租 税 回 避 行 為 否 認 規 定 は 多 くの 場 合 に 不 要 となってしまうであろう 4 ) (2) 本 件 払 戻 超 過 額 の 寄 附 金 の 該 当 性 1 寄 附 金 に 当 たる 吉 村 教 授 の 見 解 本 件 株 式 消 却 時 における 消 却 株 式 の 時 価 総 額 ( 本 件 時 価 )は 715 億 [ 円 余 ]であるのに 対 し 本 件 払 戻 額 は 85 億 [ 円 余 ]であり 著 しい 対 価 的 な 不 均 衡 があることに 照 らすと X は 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 の 手 続 を 通 じて 払 戻 しをした 本 件 各 子 会 社 に 対 しては 時 価 と 本 件 払 戻 額 との 差 額 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 を 払 戻 しをしなかった 本 件 各 子 会 社 に 対 しては 時 価 に 相 当 する 経 済 的 な 利 益 をそれぞれ 対 価 なく 移 転 したというべきであり また この 経 済 的 な 利 益 の 移 転 を 通 常 の 経 済 的 取 引 として 是 認 することができる 合 理 的 な 理 由 が あるとは 認 められないから X が 本 件 各 子 会 社 に 対 価 なく 移 転 した 経 済 的 な 利 益 に 相 当 す る 金 額 は 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 を 含 めて 寄 附 金 に 当 たる 5 ) (3) 違 法 所 得 が 所 得 に 含 まれるか 否 か 1 含 まれる 金 子 名 誉 教 授 の 見 解 3 ) 吉 村 典 久 租 税 判 例 速 報 ジュリスト 1472 号 8-9 頁 4) 中 里 実 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 の 際 の 払 戻 しと 旧 商 法 375 条 法 律 時 報 86 巻 9 号 130-131 頁 5) 吉 村 前 掲 注 (3) - 12 -

違 法 利 得 も 法 人 税 法 上 の 所 得 に 含 まれる 6 ) 2 含 まれない 中 里 教 授 の 見 解 本 件 では 納 税 者 の 商 法 に 合 致 した 会 計 処 理 に 従 う 限 り 何 らの 違 法 所 得 も 生 じていないこ とは 明 らかであるのみならず( 本 件 では 課 税 目 的 で 払 戻 額 を 私 法 上 違 法 となる 額 であっ たとみなし 得 るかが 問 題 とされている) 違 法 所 得 が 現 実 に 収 受 されているということもな いから 違 法 所 得 に 関 する 議 論 はそもそも 意 味 がない すなわち 利 息 制 限 法 違 反 の 制 限 超 過 利 息 の 例 においては 当 事 者 が 違 法 の 合 意 をしてい るのに 対 し 本 件 では 当 事 者 によって 旧 商 法 375 条 に 合 致 した 法 形 式 ( 払 戻 額 )が 採 用 されているにすぎない また 本 件 においては そもそも 商 法 違 反 となる 払 戻 限 度 額 を 超 えた 払 戻 金 の 現 実 の 収 受 はなされていないので 違 法 所 得 に 関 する 私 法 を 無 視 した 例 外 的 な 課 税 が 正 当 化 されることはなかろう 7 ) 長 島 弘 准 教 授 の 見 解 法 人 税 法 22 条 2 項 による 寄 附 金 の 益 金 算 入 の 根 拠 となる 文 言 は 無 償 による 資 産 の 譲 渡 であるところ 寄 附 金 の 金 額 を 子 会 社 に 無 償 譲 渡 するためには 親 会 社 の 側 に 払 込 限 度 額 を 超 えた 金 額 についても 処 分 権 が 存 在 する 必 要 があるが 当 然 適 法 にはそれは 存 在 しないの であって 無 償 による 資 産 の 譲 渡 を 観 念 するのは 全 く 不 可 能 と 言 わざるを 得 ない した がって 旧 商 法 に 違 反 した 払 戻 金 を 所 得 として 観 念 するのが 無 理 としかいえないであろう 8) (4) 本 件 事 案 を 租 税 回 避 とすることに 対 しての 可 否 1 租 税 回 避 とする 課 税 庁 側 の 見 解 原 告 は 本 件 各 子 会 社 の 発 行 する 株 式 のほぼ 全 てを 保 有 する 株 主 として 本 件 事 業 再 編 に 係 る 各 種 の 措 置 の 一 部 として 払 戻 限 度 額 や 消 却 すべき 株 式 の 数 等 を 決 定 することがで きる 立 場 にあったにもかかわらず その 選 択 により 本 件 株 式 消 却 を 伴 う 減 資 をすることと したもの としており 租 税 回 避 と 見 て 寄 附 金 と 認 定 している 2 租 税 回 避 としない 長 島 准 教 授 の 見 解 該 当 する 租 税 回 避 行 為 否 認 規 定 が 存 在 しないにも 関 わらず 無 理 やり 違 法 所 得 が 原 告 の 所 得 と 構 成 するものとして 寄 附 金 に 算 入 されるべきとした 本 件 判 決 は 問 題 があるものとい えよう 9 ) 中 里 教 授 の 見 解 法 法 22 条 2 項 が 私 法 に 反 する( 経 済 的 な 実 態 に 即 した) 課 税 を 強 制 する 租 税 回 避 行 為 否 6) 金 子 宏 租 税 法 [ 第 19 版 ] 弘 文 堂 2014 年 296 頁 7 ) 中 里 前 掲 注 (4) 8 ) 長 島 弘 寄 附 金 等 を 巡 る 諸 問 題 税 務 事 例 (Vol47.No5)2015.5 23-32 頁 9 ) 長 島 前 掲 注 (8) - 13 -

認 規 定 であるという 考 え 方 には 強 い 違 和 感 がある 10 ) (5) 外 形 標 準 課 税 の 回 避 について 平 成 15 年 の 地 方 税 法 改 正 によって 事 業 税 に 外 形 標 準 課 税 が 導 入 された 資 本 金 の 額 また は 出 資 金 の 額 が 1 億 円 を 超 える 法 人 の 事 業 税 は 付 加 価 値 割 額 資 本 割 額 および 所 得 割 額 の 合 計 額 によって 課 される 本 件 の 子 会 社 が 減 資 を 行 い 資 本 金 が 1,000 万 円 になり 結 果 として 外 形 標 準 課 税 の 適 用 はなくなったことになる このことについて 渡 辺 徹 也 教 授 の 見 解 事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 に 関 して 市 場 を 通 じた 自 己 株 式 の 取 得 により 資 本 金 等 の 額 が 不 当 に 減 少 されないように 規 定 を 整 備 すべきである と 述 べている この 件 が 租 税 回 避 に 該 当 するか 否 か 更 に 検 討 が 必 要 である 11 ) 私 見 本 件 払 戻 限 度 超 過 額 は 寄 附 金 に 当 たらず 過 大 に 認 定 するのは 違 法 である X 社 の 無 償 取 引 について 法 人 税 法 22 条 2 項 を 使 って 否 認 することは 法 人 税 法 第 22 条 2 項 を 租 税 回 避 否 認 規 定 と 解 釈 することになり 問 題 がある しかも この 無 償 所 得 は 旧 商 法 375 条 違 反 である また 現 実 に 収 受 していない 経 済 的 利 益 を 収 益 として 認 識 でき ないことは 最 高 裁 で 確 立 した 判 例 法 理 なのである よって 収 入 と 考 えることはできな い 本 件 取 引 は 譲 渡 損 として 計 上 すべきである また 子 会 社 と 原 告 X との 取 引 は 私 法 上 成 立 しており 法 律 上 問 題 はない しかも 本 件 が 租 税 回 避 取 引 として 認 めるには 引 き 直 しが 出 来 ない つまり 各 子 会 社 の 減 資 及 び 本 件 株 式 消 却 の 実 施 を 本 件 消 却 株 式 の 時 価 相 当 額 の 払 い 戻 しを 伴 う 株 式 消 却 に 引 き 直 して 控 訴 人 に 課 税 することは 租 税 法 律 主 義 に 反 し 許 されないことである 10 ) 中 里 前 掲 注 (4) 11 ) 渡 辺 徹 也 自 己 株 式 に 関 する 課 税 問 題 ( 有 斐 閣 2014 年 ) 租 税 法 と 市 場 413 頁 - 14 -

4. 関 連 条 文 寄 附 金 ( 寄 附 金 の 損 金 不 算 入 ) 法 人 税 法 37 条 1 項 内 国 法 人 が 各 事 業 年 度 において 支 出 した 寄 附 金 の 額 ( 次 項 の 規 定 の 適 用 を 受 ける 寄 附 金 の 額 を 除 く )の 合 計 額 のうち その 内 国 法 人 の 当 該 事 業 年 度 終 了 の 時 の 資 本 金 等 の 額 又 は 当 該 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 を 基 礎 として 政 令 で 定 めるところにより 計 算 した 金 額 を 超 える 部 分 の 金 額 は 当 該 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 損 金 の 額 に 算 入 しない 法 人 税 法 37 条 2 項 内 国 法 人 が 各 事 業 年 度 において 当 該 内 国 法 人 との 間 に 完 全 支 配 関 係 ( 法 人 による 完 全 支 配 関 係 に 限 る )がある 他 の 内 国 法 人 に 対 して 支 出 した 寄 附 金 の 額 ( 第 二 十 五 条 の 二 ( 受 贈 益 の 益 金 不 算 入 ) 又 は 第 八 十 一 条 の 三 第 一 項 ( 第 二 十 五 条 の 二 に 係 る 部 分 に 限 る )( 個 別 益 金 額 又 は 個 別 損 金 額 の 益 金 又 は 損 金 算 入 )の 規 定 を 適 用 しないとした 場 合 に 当 該 他 の 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 又 は 各 連 結 事 業 年 度 の 連 結 所 得 の 金 額 の 計 算 上 益 金 の 額 に 算 入 される 第 二 十 五 条 の 二 第 二 項 に 規 定 する 受 贈 益 の 額 に 対 応 するものに 限 る )は 当 該 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 損 金 の 額 に 算 入 しない 法 人 税 法 37 条 3 項 第 一 項 の 場 合 において 同 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 のうちに 次 の 各 号 に 掲 げる 寄 附 金 の 額 があるときは 当 該 各 号 に 掲 げる 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 は 同 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 しない 一 国 又 は 地 方 公 共 団 体 ( 港 湾 法 ( 昭 和 二 十 五 年 法 律 第 二 百 十 八 号 )の 規 定 による 港 務 局 を 含 む )に 対 する 寄 附 金 (その 寄 附 をした 者 がその 寄 附 によつて 設 けられた 設 備 を 専 属 的 に 利 用 することその 他 特 別 の 利 益 がその 寄 附 をした 者 に 及 ぶと 認 められるものを 除 く ) の 額 二 公 益 社 団 法 人 公 益 財 団 法 人 その 他 公 益 を 目 的 とする 事 業 を 行 う 法 人 又 は 団 体 に 対 する 寄 附 金 ( 当 該 法 人 の 設 立 のためにされる 寄 附 金 その 他 の 当 該 法 人 の 設 立 前 においてさ れる 寄 附 金 で 政 令 で 定 めるものを 含 む )のうち 次 に 掲 げる 要 件 を 満 たすと 認 められるも のとして 政 令 で 定 めるところにより 財 務 大 臣 が 指 定 したものの 額 イ 広 く 一 般 に 募 集 されること ロ 教 育 又 は 科 学 の 振 興 文 化 の 向 上 社 会 福 祉 への 貢 献 その 他 公 益 の 増 進 に 寄 与 するた めの 支 出 で 緊 急 を 要 するものに 充 てられることが 確 実 であること 法 人 税 法 37 条 4 項 第 一 項 の 場 合 において 同 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 のうちに 公 共 法 人 公 益 法 人 等 ( 別 表 第 二 に 掲 げる 一 般 社 団 法 人 及 び 一 般 財 団 法 人 を 除 く 以 下 この 項 及 び 次 項 において 同 じ ) - 15 -

その 他 特 別 の 法 律 により 設 立 された 法 人 のうち 教 育 又 は 科 学 の 振 興 文 化 の 向 上 社 会 福 祉 への 貢 献 その 他 公 益 の 増 進 に 著 しく 寄 与 するものとして 政 令 で 定 めるものに 対 する 当 該 法 人 の 主 たる 目 的 である 業 務 に 関 連 する 寄 附 金 ( 前 項 各 号 に 規 定 する 寄 附 金 に 該 当 する ものを 除 く )の 額 があるときは 当 該 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 ( 当 該 合 計 額 が 当 該 事 業 年 度 終 了 の 時 の 資 本 金 等 の 額 又 は 当 該 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 を 基 礎 として 政 令 で 定 めるところに より 計 算 した 金 額 を 超 える 場 合 には 当 該 計 算 した 金 額 に 相 当 する 金 額 )は 第 一 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 しない ただし 公 益 法 人 等 が 支 出 した 寄 附 金 の 額 につ いては この 限 りでない 法 人 税 法 37 条 5 項 公 益 法 人 等 がその 収 益 事 業 に 属 する 資 産 のうちからその 収 益 事 業 以 外 の 事 業 のために 支 出 した 金 額 ( 公 益 社 団 法 人 又 は 公 益 財 団 法 人 にあつては その 収 益 事 業 に 属 する 資 産 のう ちからその 収 益 事 業 以 外 の 事 業 で 公 益 に 関 する 事 業 として 政 令 で 定 める 事 業 に 該 当 するも ののために 支 出 した 金 額 )は その 収 益 事 業 に 係 る 寄 附 金 の 額 とみなして 第 一 項 の 規 定 を 適 用 する 法 人 税 法 37 条 6 項 内 国 法 人 が 特 定 公 益 信 託 ( 公 益 信 託 ニ 関 スル 法 律 ( 大 正 十 一 年 法 律 第 六 十 二 号 ) 第 一 条 ( 公 益 信 託 )に 規 定 する 公 益 信 託 で 信 託 の 終 了 の 時 における 信 託 財 産 がその 信 託 財 産 に 係 る 信 託 の 委 託 者 に 帰 属 しないこと 及 びその 信 託 事 務 の 実 施 につき 政 令 で 定 める 要 件 を 満 た すものであることについて 政 令 で 定 めるところにより 証 明 がされたものをいう )の 信 託 財 産 とするために 支 出 した 金 銭 の 額 は 寄 附 金 の 額 とみなして 第 一 項 第 四 項 第 九 項 及 び 第 十 項 の 規 定 を 適 用 する この 場 合 において 第 四 項 中 )の 額 とあるのは )の 額 ( 第 六 項 に 規 定 する 特 定 公 益 信 託 のうち その 目 的 が 教 育 又 は 科 学 の 振 興 文 化 の 向 上 社 会 福 祉 への 貢 献 その 他 公 益 の 増 進 に 著 しく 寄 与 するものとして 政 令 で 定 めるものの 信 託 財 産 とするために 支 出 した 金 銭 の 額 を 含 む ) とするほか この 項 の 規 定 の 適 用 を 受 けるため の 手 続 に 関 し 必 要 な 事 項 は 政 令 で 定 める 法 人 税 法 37 条 7 項 前 各 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 は 寄 附 金 拠 出 金 見 舞 金 その 他 いずれの 名 義 をもつて するかを 問 わず 内 国 法 人 が 金 銭 その 他 の 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 の 贈 与 又 は 無 償 の 供 与 ( 広 告 宣 伝 及 び 見 本 品 の 費 用 その 他 これらに 類 する 費 用 並 びに 交 際 費 接 待 費 及 び 福 利 厚 生 費 とされるべきものを 除 く 次 項 において 同 じ )をした 場 合 における 当 該 金 銭 の 額 若 しくは 金 銭 以 外 の 資 産 のその 贈 与 の 時 における 価 額 又 は 当 該 経 済 的 な 利 益 のその 供 与 の 時 におけ る 価 額 によるものとする 法 人 税 法 37 条 8 項 内 国 法 人 が 資 産 の 譲 渡 又 は 経 済 的 な 利 益 の 供 与 をした 場 合 において その 譲 渡 又 は 供 与 の 対 価 の 額 が 当 該 資 産 のその 譲 渡 の 時 における 価 額 又 は 当 該 経 済 的 な 利 益 のその 供 与 の 時 における 価 額 に 比 して 低 いときは 当 該 対 価 の 額 と 当 該 価 額 との 差 額 のうち 実 質 的 に 贈 与 - 16 -

又 は 無 償 の 供 与 をしたと 認 められる 金 額 は 前 項 の 寄 附 金 の 額 に 含 まれるものとする 法 人 税 法 37 条 9 項 第 三 項 の 規 定 は 確 定 申 告 書 修 正 申 告 書 又 は 更 正 請 求 書 に 第 一 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 されない 第 三 項 各 号 に 掲 げる 寄 附 金 の 額 及 び 当 該 寄 附 金 の 明 細 を 記 載 し た 書 類 の 添 付 がある 場 合 に 限 り 第 四 項 の 規 定 は 確 定 申 告 書 修 正 申 告 書 又 は 更 正 請 求 書 に 第 一 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 されない 第 四 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 及 び 当 該 寄 附 金 の 明 細 を 記 載 した 書 類 の 添 付 があり かつ 当 該 書 類 に 記 載 された 寄 附 金 が 同 項 に 規 定 する 寄 附 金 に 該 当 することを 証 する 書 類 として 財 務 省 令 で 定 める 書 類 を 保 存 し ている 場 合 に 限 り 適 用 する この 場 合 において 第 三 項 又 は 第 四 項 の 規 定 により 第 一 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 されない 金 額 は 当 該 金 額 として 記 載 された 金 額 を 限 度 とする 法 人 税 法 37 条 10 項 税 務 署 長 は 第 四 項 の 規 定 により 第 一 項 に 規 定 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 額 に 算 入 されない こととなる 金 額 の 全 部 又 は 一 部 につき 前 項 に 規 定 する 財 務 省 令 で 定 める 書 類 の 保 存 がない 場 合 においても その 書 類 の 保 存 がなかつたことについてやむを 得 ない 事 情 があると 認 め るときは その 書 類 の 保 存 がなかつた 金 額 につき 第 四 項 の 規 定 を 適 用 することができる 法 人 税 法 37 条 11 項 財 務 大 臣 は 第 三 項 第 二 号 の 指 定 をしたときは これを 告 示 する 法 人 税 法 37 条 12 項 第 五 項 から 前 項 までに 定 めるもののほか 第 一 項 から 第 四 項 までの 規 定 の 適 用 に 関 し 必 要 な 事 項 は 政 令 で 定 める 法 人 税 法 基 本 通 達 4-1-4 法 人 の 有 する 上 場 有 価 証 券 等 ( 令 第 119 条 の 13 第 1 号 から 第 3 号 まで 上 場 有 価 証 券 等 の 時 価 評 価 金 額 に 掲 げる 有 価 証 券 をいう 以 下 4-1-6 までにおいて 同 じ )について 法 第 25 条 第 3 項 資 産 評 定 による 評 価 益 の 益 金 算 入 の 規 定 を 適 用 する 場 合 において 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 時 の 当 該 上 場 有 価 証 券 等 の 価 額 は 4-1-7 企 業 支 配 株 式 等 の 時 価 の 適 用 を 受 けるものを 除 き 令 第 119 条 の 13 第 1 号 から 第 3 号 まで 及 びこれらの 規 定 に 係 る 取 扱 いである 2-3-30 から 2-3-34 まで 上 場 有 価 証 券 等 の 時 価 評 価 金 額 の 取 扱 い により 定 められている 価 額 ( 以 下 4-1-4 において 市 場 価 格 という )による こ の 場 合 法 第 61 条 の 3 第 1 項 第 2 号 売 買 目 的 外 有 価 証 券 の 期 末 評 価 額 に 規 定 する 売 買 目 的 外 有 価 証 券 ( 以 下 4-1-4 において 売 買 目 的 外 有 価 証 券 という )については 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 以 前 1 月 間 の 当 該 市 場 価 格 の 平 均 額 によることも 差 し 支 えない ( 平 17 年 課 法 2-14 七 により 追 加 平 19 年 課 法 2-3 十 五 平 22 年 課 法 2-1 十 三 により 改 正 ) - 17 -

( 注 ) 本 文 の 後 段 を 適 用 する 場 合 において 当 該 売 買 目 的 外 有 価 証 券 が 当 該 1 月 間 に 新 株 の 権 利 落 ちのあった 株 式 であり かつ 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 までに 新 株 の 発 行 がされたものであるときにおける 権 利 落 ち 前 の 当 該 売 買 目 的 外 有 価 証 券 の 市 場 価 格 は 本 文 の 前 段 に 定 める 価 額 から 当 該 株 式 の 権 利 の 価 格 に 相 当 する 金 額 を 控 除 した 金 額 とする この 場 合 当 該 株 式 の 権 利 の 価 格 に 相 当 する 金 額 は 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 以 前 1 月 間 ( 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 以 前 1 月 以 前 に 権 利 落 ちとなった 場 合 には その 権 利 落 ちとなった 日 から 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 までの 期 間 とする ) における 旧 株 の 毎 日 の 市 場 価 格 の 平 均 額 から 当 該 新 株 について 払 い 込 むべき 金 額 又 は 給 付 すべき 金 銭 以 外 の 資 産 の 価 額 を 控 除 した 金 額 に 旧 株 1 株 について 交 付 を 受 ける 新 株 の 数 を 乗 じて 得 た 金 額 による 法 人 税 法 基 本 通 達 4-1-5 上 場 有 価 証 券 等 以 外 の 株 式 について 法 第 25 条 第 3 項 資 産 評 定 による 評 価 益 の 益 金 算 入 の 規 定 を 適 用 する 場 合 において 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 時 の 当 該 株 式 の 価 額 は 次 の 区 分 に 応 じ 次 による ( 平 17 年 課 法 2-14 七 により 追 加 平 19 年 課 法 2-3 十 五 平 19 年 課 法 2-17 九 平 22 年 課 法 2-1 十 三 により 改 正 ) (1) 売 買 実 例 のあるもの 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 前 6 月 間 において 売 買 の 行 われたもののうち 適 正 と 認 められるものの 価 額 (2) 公 開 途 上 にある 株 式 ( 金 融 商 品 取 引 所 が 内 閣 総 理 大 臣 に 対 して 株 式 の 上 場 の 届 出 を 行 うことを 明 らかにした 日 から 上 場 の 日 の 前 日 までのその 株 式 )で 当 該 株 式 の 上 場 に 際 し て 株 式 の 公 募 又 は 売 出 し( 以 下 4-1-5 において 公 募 等 という )が 行 われるもの((1) に 該 当 するものを 除 く ) 金 融 商 品 取 引 所 の 内 規 によって 行 われる 入 札 により 決 定 される 入 札 後 の 公 募 等 の 価 格 等 を 参 酌 して 通 常 取 引 されると 認 められる 価 額 (3) 売 買 実 例 のないものでその 株 式 を 発 行 する 法 人 と 事 業 の 種 類 規 模 収 益 の 状 況 等 が 類 似 する 他 の 法 人 の 株 式 の 価 額 があるもの((2)に 該 当 するものを 除 く ) 当 該 価 額 に 比 準 して 推 定 した 価 額 (4) (1)から(3)までに 該 当 しないもの 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 日 又 は 同 日 に 最 も 近 い 日 におけるその 株 式 の 発 行 法 人 の 事 業 年 度 終 了 の 時 における 1 株 当 たりの 純 資 産 価 額 等 を 参 酌 して 通 常 取 引 されると 認 められる 価 額 法 人 税 法 基 本 通 達 4-1-6 法 人 が 上 場 有 価 証 券 等 以 外 の 株 式 (4-1-5 の(1) 及 び(2)に 該 当 するものを 除 く )につ いて 法 第 25 条 第 3 項 資 産 評 定 による 評 価 益 の 益 金 算 入 の 規 定 を 適 用 する 場 合 において 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 時 における 当 該 株 式 の 価 額 につき 昭 和 39 年 4 月 25 日 付 直 資 56 直 審 ( 資 )17 財 産 評 価 基 本 通 達 ( 以 下 4-1-6 において 財 産 評 価 基 本 通 達 とい う )の 178 から 189-7 まで 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 の 例 によって 算 定 した 価 額 に よっているときは 課 税 上 弊 害 がない 限 り 次 によることを 条 件 としてこれを 認 める ( 平 17 年 課 法 2-14 七 により 追 加 平 19 年 課 法 2-3 十 五 平 19 年 課 法 2-17 九 平 22 年 課 法 2-1 十 三 により 改 正 ) (1) 当 該 株 式 の 価 額 につき 財 産 評 価 基 本 通 達 179 の 例 により 算 定 する 場 合 ( 同 通 達 189-3 - 18 -

の(1)において 同 通 達 179 に 準 じて 算 定 する 場 合 を 含 む )において 当 該 法 人 が 当 該 株 式 の 発 行 会 社 にとって 同 通 達 188 の(2)に 定 める 中 心 的 な 同 族 株 主 に 該 当 するときは 当 該 発 行 会 社 は 常 に 同 通 達 178 に 定 める 小 会 社 に 該 当 するものとしてその 例 によること (2) 当 該 株 式 の 発 行 会 社 が 土 地 ( 土 地 の 上 に 存 する 権 利 を 含 む ) 又 は 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 有 価 証 券 を 有 しているときは 財 産 評 価 基 本 通 達 185 の 本 文 に 定 める 1 株 当 たりの 純 資 産 価 額 ( 相 続 税 評 価 額 によって 計 算 した 金 額 ) の 計 算 に 当 たり これらの 資 産 については 当 該 再 生 計 画 認 可 の 決 定 があった 時 における 価 額 によること (3) 財 産 評 価 基 本 通 達 185 の 本 文 に 定 める 1 株 当 たりの 純 資 産 価 額 ( 相 続 税 評 価 額 によ って 計 算 した 金 額 ) の 計 算 に 当 たり 同 通 達 186-2 により 計 算 した 評 価 差 額 に 対 する 法 人 税 額 等 に 相 当 する 金 額 は 控 除 しないこと 法 人 税 法 基 本 通 達 4-1-7 法 人 の 有 する 企 業 支 配 株 式 等 ( 令 第 119 条 の 2 第 2 項 第 2 号 企 業 支 配 株 式 等 の 意 義 に 規 定 する 株 式 又 は 出 資 をいう 以 下 4-1-7 において 同 じ )の 取 得 がその 企 業 支 配 株 式 等 の 発 行 法 人 の 企 業 支 配 をするためにされたものと 認 められるときは 当 該 企 業 支 配 株 式 等 の 価 額 は 当 該 株 式 等 の 通 常 の 価 額 に 企 業 支 配 に 係 る 対 価 の 額 を 加 算 した 金 額 とする ( 平 17 年 課 法 2-14 七 により 追 加 ) 会 社 法 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 ( 株 式 の 消 却 に 関 する 経 過 措 置 ) 第 83 条 施 行 日 前 に 旧 商 法 第 二 百 十 三 条 第 二 項 において 準 用 する 旧 商 法 第 二 百 十 五 条 第 一 項 の 公 告 又 は 旧 商 法 第 二 百 十 三 条 第 四 項 の 公 告 がされた 場 合 におけるその 株 式 の 消 却 ( 資 本 の 減 少 の 規 定 に 従 う 場 合 を 除 く )については なお 従 前 の 例 による ただし 株 式 の 消 却 に 関 す る 登 記 の 登 記 事 項 については 会 社 法 の 定 めるところによる 第 83 条 2 項 施 行 日 前 に 株 主 総 会 の 招 集 の 手 続 が 開 始 された 場 合 におけるその 株 主 総 会 の 決 議 を 要 す る 株 式 の 消 却 ( 資 本 の 減 少 の 規 定 に 従 う 場 合 に 限 る )についても 前 項 と 同 様 とする ( 株 式 会 社 の 合 併 等 に 関 する 経 過 措 置 ) 第 105 条 施 行 日 前 に 合 併 契 約 書 分 割 契 約 書 分 割 計 画 書 株 式 交 換 契 約 書 又 は 株 式 移 転 計 画 書 が 作 成 された 合 併 吸 収 分 割 新 設 分 割 株 式 交 換 又 は 株 式 移 転 については なお 従 前 の 例 による ただし 合 併 吸 収 分 割 新 設 分 割 株 式 交 換 及 び 株 式 移 転 に 関 す る 登 記 の 登 記 事 項 については 会 社 法 の 定 めるところによる ( 資 本 等 の 減 少 に 関 する 経 過 措 置 ) 第 106 条 施 行 日 前 に 株 主 総 会 の 招 集 の 手 続 が 開 始 された 場 合 におけるその 株 主 総 会 の 決 議 を 要 する 資 本 又 は 資 本 準 備 金 若 しくは 利 益 準 備 金 の 減 少 については なお 従 前 の 例 に よる ただし 資 本 の 減 少 に 関 する 登 記 の 登 記 事 項 については 会 社 法 の 定 めるところに よる - 19 -

旧 商 法 (1) 旧 商 法 213 条 1 項 は 株 式 は 同 法 212 条 の 規 定 ( 保 有 する 自 己 株 式 の 償 却 の 決 議 に 関 する 規 定 )によるのほか 資 本 減 少 の 規 定 に 従 う 場 合 又 は 定 款 の 規 定 に 基 づき 株 主 に 配 当 すべき 利 益 をもってする 場 合 でなければ これを 消 却 することはできない 旨 を 定 めてい る (2)ア 旧 商 法 289 条 2 項 は 会 社 は 同 条 1 項 の 規 定 にかかわらず 株 主 総 会 の 決 議 をも って 資 本 準 備 金 及 び 利 益 準 備 金 の 減 少 をすることができ( 前 段 ) この 場 合 においては そ の 決 議 において 減 少 すべき 資 本 準 備 金 及 び 利 益 準 備 金 の 額 及 び 同 条 2 項 各 号 に 掲 げる 場 合 におけるその 各 号 に 定 める 金 額 につき 決 議 をすることを 要 する( 後 段 ) 旨 を 定 めている 1 号 株 主 に 払 戻 しをする 場 合 払 戻 しに 要 すべき 金 額 2 号 資 本 の 欠 損 の 填 補 に 充 てる 場 合 填 補 に 充 てるべき 金 額 イ 旧 商 法 289 条 3 項 は 同 条 2 項 の 場 合 においては 同 項 各 号 に 定 める 金 額 の 合 計 額 は 減 少 すべき 資 本 準 備 金 及 び 利 益 準 備 金 の 合 計 額 を 超 えることはできない 旨 を 定 めている (3) 旧 商 法 375 条 1 項 は 資 本 の 減 少 をするには 減 少 すべき 資 本 の 額 及 び 同 項 各 号 に 掲 げ る 場 合 におけるその 各 号 に 定 める 事 項 につき 同 法 343 条 に 定 める 決 議 をすることを 要 し( 前 段 ) この 場 合 においては その 各 号 に 定 める 金 額 の 合 計 額 は 減 少 すべき 資 本 の 額 を 超 える ことはできない( 後 段 ) 旨 を 定 めている 法 人 税 法 22 条 ( 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 ) 第 二 十 二 条 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 は 当 該 事 業 年 度 の 益 金 の 額 から 当 該 事 業 年 度 の 損 金 の 額 を 控 除 した 金 額 とする 2 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 当 該 事 業 年 度 の 益 金 の 額 に 算 入 すべき 金 額 は 別 段 の 定 めがあるものを 除 き 資 産 の 販 売 有 償 又 は 無 償 による 資 産 の 譲 渡 又 は 役 務 の 提 供 無 償 による 資 産 の 譲 受 けその 他 の 取 引 で 資 本 等 取 引 以 外 のものに 係 る 当 該 事 業 年 度 の 収 益 の 額 とする 3 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 当 該 事 業 年 度 の 損 金 の 額 に 算 入 すべき 金 額 は 別 段 の 定 めがあるものを 除 き 次 に 掲 げる 額 とする 一 当 該 事 業 年 度 の 収 益 に 係 る 売 上 原 価 完 成 工 事 原 価 その 他 これらに 準 ずる 原 価 の 額 二 前 号 に 掲 げるもののほか 当 該 事 業 年 度 の 販 売 費 一 般 管 理 費 その 他 の 費 用 ( 償 却 費 以 外 の 費 用 で 当 該 事 業 年 度 終 了 の 日 までに 債 務 の 確 定 しないものを 除 く )の 額 三 当 該 事 業 年 度 の 損 失 の 額 で 資 本 等 取 引 以 外 の 取 引 に 係 るもの - 20 -

法 人 税 法 ( 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 ) 第 二 十 三 条 内 国 法 人 が 次 に 掲 げる 金 額 ( 第 一 号 に 掲 げる 金 額 にあつては 外 国 法 人 若 しくは 公 益 法 人 等 又 は 人 格 のない 社 団 等 から 受 けるもの 及 び 適 格 現 物 分 配 に 係 るものを 除 く 以 下 この 条 において 配 当 等 の 額 という )を 受 けるときは その 配 当 等 の 額 ( 完 全 子 法 人 株 式 等 関 連 法 人 株 式 等 及 び 非 支 配 目 的 株 式 等 のいずれにも 該 当 しない 株 式 等 ( 株 式 又 は 出 資 をいう 以 下 この 条 において 同 じ )に 係 る 配 当 等 の 額 にあつては 当 該 配 当 等 の 額 の 百 分 の 五 十 に 相 当 する 金 額 とし 非 支 配 目 的 株 式 等 に 係 る 配 当 等 の 額 にあつては 当 該 配 当 等 の 額 の 百 分 の 二 十 に 相 当 する 金 額 とする )は その 内 国 法 人 の 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 益 金 の 額 に 算 入 しない 一 剰 余 金 の 配 当 ( 株 式 等 に 係 るものに 限 るものとし 資 本 剰 余 金 の 額 の 減 少 に 伴 うも の 及 び 分 割 型 分 割 によるものを 除 く ) 若 しくは 利 益 の 配 当 ( 分 割 型 分 割 によるものを 除 く ) 又 は 剰 余 金 の 分 配 ( 出 資 に 係 るものに 限 る )の 額 二 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 第 百 三 十 七 条 ( 金 銭 の 分 配 )の 金 銭 の 分 配 ( 出 資 総 額 等 の 減 少 に 伴 う 金 銭 の 分 配 として 財 務 省 令 で 定 めるもの( 第 二 十 四 条 第 一 項 第 三 号 ( 配 当 等 の 額 とみなす 金 額 )において 出 資 等 減 少 分 配 という )を 除 く )の 額 三 額 資 産 の 流 動 化 に 関 する 法 律 第 百 十 五 条 第 一 項 ( 中 間 配 当 )に 規 定 する 金 銭 の 分 配 の ( 配 当 等 の 額 とみなす 金 額 ) 第 二 十 四 条 法 人 ( 公 益 法 人 等 及 び 人 格 のない 社 団 等 を 除 く 以 下 この 条 において 同 じ ) の 株 主 等 である 内 国 法 人 が 当 該 法 人 の 次 に 掲 げる 事 由 により 金 銭 その 他 の 資 産 の 交 付 を 受 けた 場 合 において その 金 銭 の 額 及 び 金 銭 以 外 の 資 産 の 価 額 ( 適 格 現 物 分 配 に 係 る 資 産 に あつては 当 該 法 人 のその 交 付 の 直 前 の 当 該 資 産 の 帳 簿 価 額 に 相 当 する 金 額 )の 合 計 額 が 当 該 法 人 の 資 本 金 等 の 額 又 は 連 結 個 別 資 本 金 等 の 額 のうちその 交 付 の 基 因 となつた 当 該 法 人 の 株 式 又 は 出 資 に 対 応 する 部 分 の 金 額 を 超 えるときは この 法 律 の 規 定 の 適 用 について は その 超 える 部 分 の 金 額 は 第 二 十 三 条 第 一 項 第 一 号 又 は 第 二 号 ( 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 )に 掲 げる 金 額 とみなす 一 合 併 ( 適 格 合 併 を 除 く ) 二 分 割 型 分 割 ( 適 格 分 割 型 分 割 を 除 く ) 三 資 本 の 払 戻 し( 剰 余 金 の 配 当 ( 資 本 剰 余 金 の 額 の 減 少 に 伴 うものに 限 る )のうち 分 割 型 分 割 によるもの 以 外 のもの 及 び 出 資 等 減 少 分 配 をいう ) 又 は 解 散 による 残 余 財 産 の 分 配 四 自 己 の 株 式 又 は 出 資 の 取 得 ( 金 融 商 品 取 引 法 第 二 条 第 十 六 項 ( 定 義 )に 規 定 する 金 融 商 品 取 引 所 の 開 設 する 市 場 における 購 入 による 取 得 その 他 の 政 令 で 定 める 取 得 及 び 第 六 十 一 条 の 二 第 十 三 項 第 一 号 から 第 三 号 まで( 有 価 証 券 の 譲 渡 益 又 は 譲 渡 損 の 益 金 又 は 損 - 21 -

金 算 入 )に 掲 げる 株 式 又 は 出 資 の 同 項 に 規 定 する 場 合 に 該 当 する 場 合 における 取 得 を 除 く ) 五 出 資 の 消 却 ( 取 得 した 出 資 について 行 うものを 除 く ) 出 資 の 払 戻 し 社 員 その 他 法 人 の 出 資 者 の 退 社 又 は 脱 退 による 持 分 の 払 戻 しその 他 株 式 又 は 出 資 をその 発 行 した 法 人 が 取 得 することなく 消 滅 させること 六 組 織 変 更 ( 当 該 組 織 変 更 に 際 して 当 該 組 織 変 更 をした 法 人 の 株 式 又 は 出 資 以 外 の 資 産 を 交 付 したものに 限 る ) 第 一 目 の 二 有 価 証 券 の 譲 渡 損 益 及 び 時 価 評 価 損 益 ( 有 価 証 券 の 譲 渡 益 又 は 譲 渡 損 の 益 金 又 は 損 金 算 入 ) 第 六 十 一 条 の 二 内 国 法 人 が 有 価 証 券 の 譲 渡 をした 場 合 には その 譲 渡 に 係 る 譲 渡 利 益 額 ( 第 一 号 に 掲 げる 金 額 が 第 二 号 に 掲 げる 金 額 を 超 える 場 合 におけるその 超 える 部 分 の 金 額 をいう ) 又 は 譲 渡 損 失 額 ( 同 号 に 掲 げる 金 額 が 第 一 号 に 掲 げる 金 額 を 超 える 場 合 におけ るその 超 える 部 分 の 金 額 をいう )は 第 六 十 二 条 から 第 六 十 二 条 の 五 まで( 合 併 等 による 資 産 の 譲 渡 )の 規 定 の 適 用 がある 場 合 を 除 き その 譲 渡 に 係 る 契 約 をした 日 (その 譲 渡 が 剰 余 金 の 配 当 その 他 の 財 務 省 令 で 定 める 事 由 によるものである 場 合 には 当 該 剰 余 金 の 配 当 の 効 力 が 生 ずる 日 その 他 の 財 務 省 令 で 定 める 日 )の 属 する 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 益 金 の 額 又 は 損 金 の 額 に 算 入 する 一 その 有 価 証 券 の 譲 渡 に 係 る 対 価 の 額 ( 第 二 十 四 条 第 一 項 ( 配 当 等 の 額 とみなす 金 額 ) の 規 定 により 第 二 十 三 条 第 一 項 第 一 号 又 は 第 二 号 ( 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 )に 掲 げる 金 額 とみなされる 金 額 がある 場 合 には そのみなされる 金 額 に 相 当 する 金 額 を 控 除 した 金 額 ) 二 その 有 価 証 券 の 譲 渡 に 係 る 原 価 の 額 (その 有 価 証 券 についてその 内 国 法 人 が 選 定 し た 一 単 位 当 たりの 帳 簿 価 額 の 算 出 の 方 法 により 算 出 した 金 額 ( 算 出 の 方 法 を 選 定 しなかつ た 場 合 又 は 選 定 した 方 法 により 算 出 しなかつた 場 合 には 算 出 の 方 法 のうち 政 令 で 定 める 方 法 により 算 出 した 金 額 )にその 譲 渡 をした 有 価 証 券 の 数 を 乗 じて 計 算 した 金 額 をいう ) 旧 商 法 第 六 節 ノ 四 資 本 ノ 減 少 第 三 百 七 十 五 条 資 本 ノ 減 少 ヲ 為 スニハ 減 少 スベキ 資 本 ノ 額 及 左 ノ 各 号 ニ 掲 グル 場 合 ニ 於 ケル 其 ノ 各 号 ニ 定 ムル 事 項 ニ 付 第 三 百 四 十 三 条 ニ 定 ムル 決 議 ヲ 為 スコトヲ 要 ス 此 ノ 場 合 ニ 於 テハ 其 ノ 各 号 ニ 定 ムル 金 額 ノ 合 計 額 ハ 減 少 スベキ 資 本 ノ 額 ヲ 超 ユルコトヲ 得 ズ 一 株 主 ニ 払 戻 ヲ 為 ス 場 合 払 戻 ニ 要 スベキ 金 額 二 株 式 ノ 消 却 ヲ 為 ス 場 合 消 却 スベキ 株 式 ノ 種 類 及 数 消 却 ノ 方 法 並 ニ 消 却 ニ 要 スベ キ 金 額 三 資 本 ノ 欠 損 ノ 填 補 ニ 充 ツル 場 合 填 補 ニ 充 ツルベキ 金 額 2 前 項 第 一 号 ノ 払 戻 ハ 各 株 主 ノ 有 スル 株 式 ノ 数 ニ 応 ジテ 之 ヲ 為 ス 但 シ 会 社 ノ 有 スル 自 己 ノ 株 式 ニ 付 テハ 同 号 ノ 払 戻 ハ 之 ヲ 為 サズ 3 資 本 ノ 減 少 ニ 関 スル 議 案 ノ 要 領 ハ 第 二 百 三 十 二 条 ニ 定 ムル 通 知 ニ 之 ヲ 記 載 又 ハ 記 録 ス ルコトヲ 要 ス - 22 -