基 金 制 度 の 創 設 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の37 第 30 条 の38) 医 療 法 人 の 非 営 利 性 の 徹 底 に 伴 い 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 の 活 動 の 原 資 となる 資 金 の 調 達 手 段 として 定 款 の 定 めるところにより 基 金 の 制 度 を 採 用 することができるものとする ( 社 会 医 療 法 人 特 定 医 療 法 人 及 び 特 別 医 療 法 人 は 採 用 不 可 ) 説 明 社 団 である 医 療 法 人 ( 持 分 の 定 めのあるもの 特 定 医 療 法 人 及 び 特 別 医 療 法 人 を 除 く )に 拠 出 された 金 銭 その 他 の 財 産 であって 当 該 社 団 医 療 法 人 が 拠 出 者 に 対 して 厚 生 労 働 省 令 及 び 当 該 医 療 法 人 と 当 該 拠 出 者 との 間 の 合 意 の 定 めるところに 従 い 返 還 義 務 ( 金 銭 以 外 の 財 産 については 拠 出 時 の 当 該 財 産 の 価 額 に 相 当 する 金 銭 の 返 還 義 務 )を 負 うもの ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の37 第 1 項 ) 基 金 制 度 を 利 用 する 医 療 法 人 が 社 会 医 療 法 人 の 認 定 又 は 特 定 医 療 法 人 の 承 認 を 受 けようとする 場 合 は 拠 出 者 に 基 金 を 返 還 し 定 款 から 基 金 に 関 する 定 めを 削 除 することが 必 要 ( 医 療 法 人 制 度 について( 平 成 19 年 医 政 発 第 0330049 号 医 政 局 長 通 知 )
基 金 制 度 の 概 要 1 基 金 は 利 息 を 付 さない 債 権 ( 残 余 財 産 に 含 まれない) 拠 出 者 への 返 還 額 は 拠 出 した 当 時 の 額 が 限 度 説 明 基 金 の 返 還 に 係 る 債 権 には 利 息 を 付 することができない ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の37 第 2 項 ) 返 還 額 は 拠 出 した 当 時 の 額 が 限 度 ( 剰 余 金 の 分 配 を 目 的 としないという 医 療 法 人 の 基 本 的 性 格 を 堅 持 ) 残 余 財 産 に 含 まれないとは 民 法 第 78 条 ( 医 療 法 第 68 条 により 準 用 ) 清 算 人 の 職 務 は 次 のとおりとする 一 現 務 の 結 了 二 債 権 の 取 立 て 及 び 債 務 の 弁 済 基 金 の 返 還 三 残 余 財 産 の 引 渡 し 出 資 金 の 払 戻 ( 分 配 ) 出 資 持 分 ありの 社 団 医 療 法 人 の 定 款 本 社 団 が 解 散 した 場 合 の 残 余 財 産 は 払 込 済 出 資 額 に 応 じて 分 配 するもの とする 払 戻 ( 分 配 ) 額 が 出 資 した 当 時 の 額 を 超 過 ( 規 制 改 革 民 間 開 放 推 進 会 議 は 事 実 上 の 配 当 と 評 価 )
基 金 制 度 の 概 要 2 基 金 の 返 還 は 定 時 社 員 総 会 の 決 議 が 必 要 基 金 の 返 還 は 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 額 が 基 金 の 総 額 等 を 超 える 場 合 における 当 該 超 過 額 を 限 度 基 金 の 返 還 は 当 該 会 計 年 度 の 次 の 会 計 年 度 に 関 する 定 時 社 員 総 会 の 前 日 まで 説 明 基 金 の 返 還 は 定 時 社 員 総 会 の 決 議 によって 行 わなければならない ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の38 第 1 項 ) 社 団 医 療 法 人 は ある 会 計 年 度 に 係 る 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 額 が 次 に 掲 げる 金 額 の 合 計 額 を 超 える 場 合 においては 当 該 会 計 年 度 の 次 の 会 計 年 度 に 関 する 定 時 社 員 総 会 の 日 の 前 日 までの 間 に 限 り 当 該 超 過 額 を 返 還 の 総 額 の 限 度 とし て 基 金 の 返 還 をすることができる 一 基 金 ( 次 項 の 代 替 基 金 を 含 む ) 二 資 産 につき 時 価 を 基 準 として 評 価 を 行 っている 場 合 において その 時 価 の 総 額 がその 取 得 価 額 の 総 額 を 超 えるときは 時 価 を 基 準 として 評 価 を 受 けた ことにより 増 加 した 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 額 三 資 本 剰 余 金 の 価 額 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の38 第 2 項 )
基 金 を 返 還 する 場 合 の 限 度 額 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の38 第 2 項 は 基 金 の 返 還 原 資 の 算 定 にあたり 原 資 から 差 し 引 く 旨 を 規 定 したもの 第 2 号 の 資 産 の 時 価 評 価 による 評 価 益 は 未 実 現 の 利 益 であり これを 返 還 原 資 に 含 めると 法 人 の 債 権 者 を 害 するおそれがあるため 時 価 評 価 により 増 加 し た 純 資 産 額 を 控 除 することとした 基 金 の 返 還 をすることができる 時 期 基 金 の 返 還 をすることができる 時 期 を 当 該 会 計 年 度 の 次 の 会 計 年 度 に 関 する 定 時 社 員 総 会 の 日 の 前 日 まで としたのは 基 金 の 返 還 原 資 となる 超 過 額 が 決 算 にかかる 定 時 社 員 総 会 で 確 定 することから 時 間 的 限 界 を 設 けたもの
基 金 制 度 の 概 要 3 基 金 を 返 還 する 場 合 は 代 替 基 金 を 計 上 代 替 基 金 を 取 り 崩 すことは 不 可 説 明 基 金 の 返 還 をする 場 合 には 返 還 をする 基 金 に 相 当 する 金 額 を 代 替 基 金 と して 計 上 しなければならない 代 替 基 金 は 取 り 崩 すことができない ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の38 第 3 項 及 び 第 4 項 ) 代 替 基 金 の 意 義 基 金 の 総 額 は 法 人 の 財 産 的 基 礎 を 形 成 するもの そこで 返 還 された 基 金 の 代 わりに 代 替 基 金 を 計 上 することにより 基 金 の 総 額 が 減 少 しないようにした 取 り 崩 しの 禁 止 代 替 基 金 は 基 金 が 返 還 されても 基 金 の 総 額 が 減 少 しないようにするために 設 けられた 制 度 であるから その 取 り 崩 しは 予 定 されていないが 法 人 の 内 部 留 保 という 性 質 を 有 していることから 任 意 に 取 り 崩 すことができないことを 確 認 的 に 定 めた
基 金 制 度 の 概 要 4 基 金 及 び 代 替 基 金 は 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 計 上 説 明 基 金 の 総 額 及 び 代 替 基 金 は 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 基 金 及 び 代 替 基 金 の 科 目 をもって 計 上 しなければならないこと 基 金 の 返 還 に 係 る 債 務 の 額 は 貸 借 対 照 表 の 負 債 の 部 に 計 上 することがで きないこと ( 医 療 法 人 の 基 金 について( 平 成 19 年 医 政 発 第 0330051 号 ) 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 の 科 目 構 成 新 法 の 医 療 法 人 資 本 剰 余 金 利 益 剰 余 金 代 替 基 金 その 他 利 益 剰 余 金 評 価 換 算 差 額 等 基 金 経 過 措 置 型 医 療 法 人 資 本 金 資 本 剰 余 金 利 益 剰 余 金 評 価 換 算 差 額 等 出 資 金 説 新 法 の 医 療 法 人 に 移 行 する 際 計 上 した 資 本 金 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の39 第 2 項 ) 寄 附 金 基 金 を 拠 出 者 に 返 還 する 際 計 上 した 基 金 相 当 額 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の38 第 3 項 ) 繰 越 利 益 剰 余 金 積 立 金 明 基 金 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の37)
基 金 の 手 続 き の 流 れ 医 療 法 人 拠 出 者 1 基 金 を 引 き 受 ける 者 の 募 集 等 に 関 する 定 款 の 定 め 1 基 金 の 拠 出 者 の 権 利 に 関 する 規 定 2 基 金 の 返 還 の 手 続 医 療 法 人 の 基 金 について ( 平 成 19 年 医 政 発 第 0330051 号 ) 別 添 ( 社 団 医 療 法 人 ( 基 金 拠 出 型 )の 定 款 例 ) 参 照 2(1) 募 集 事 項 の 決 定 1 募 集 に 係 る 基 金 の 総 額 2 金 銭 以 外 の 財 産 を 拠 出 の 目 的 とするときは その 旨 並 びに 当 該 財 産 の 内 容 及 び 価 額 3 基 金 の 拠 出 に 係 る 金 銭 の 払 込 み 又 は2の 財 産 の 給 付 の 期 日 又 はその 期 間 (2) 設 立 時 社 員 が 募 集 事 項 を 定 めようとするときは その 全 員 の 同 意 を 得 なければならない 3(1) 通 知 1 社 団 医 療 法 人 の 名 称 2 募 集 事 項 3 金 銭 の 払 込 みの 取 扱 いの 場 所 4 基 金 の 拠 出 者 の 権 利 に 関 する 規 定 5 基 金 の 返 還 の 手 続 6 定 款 に 定 められた 事 項 ( 請 求 があった 事 項 ) (2) 設 立 時 社 員 が 通 知 する 場 合 1~6に 加 え 7 設 立 認 可 年 月 日 8 医 療 法 人 の 目 的 9 事 務 所 の 所 在 地 10 社 員 たる 資 格 の 得 喪 に 関 する 規 定 11 公 告 の 方 法 12 設 立 時 社 員 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 13 会 計 年 度 (4)~(6) (1) 及 び(2)に 掲 げる 事 項 に 変 更 があった 場 合 の 通 知 又 は 催 告 募 集 意 思 表 示 通 知 申 込 み 基 金 の 引 受 けの 申 込 みをしようとする 者 3(3) 書 面 の 交 付 ( 申 込 者 ) 1 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 2 引 き 受 けようとする 基 金 の 額
医 療 法 人 拠 出 者 4(1)~(2) 基 金 の 割 当 て 通 知 基 金 の 割 当 てを 受 ける 者 の 決 定 割 り 当 てる 基 金 の 額 の 決 定 通 知 は23の 期 日 ( 期 間 の 初 日 )の 前 日 まで 通 知 6 基 金 の 引 受 ( 次 の 者 は 当 該 額 について 基 金 の 引 受 人 ) 1 申 込 者 社 団 医 療 法 人 の 割 り 当 てた 基 金 の 額 5 基 金 の 総 額 の 引 受 けを 行 う 契 約 を 締 結 する 場 合 3 及 び4の 手 続 きは 不 要 契 約 2 5の 契 約 により 基 金 の 総 額 を 引 き 受 けた 者 その 者 が 引 き 受 けた 基 金 の 額 7(1) 金 銭 以 外 の 拠 出 については その 価 額 が 相 当 である ことについて 弁 護 士 弁 護 士 法 人 公 認 会 計 士 監 査 法 人 税 理 士 又 は 税 理 士 法 人 の 証 明 ( 不 動 産 の 場 合 は 当 該 証 明 及 び 不 動 産 鑑 定 士 の 鑑 定 評 価 )が 必 要 ただし 総 額 が5 百 万 円 を 超 えない 場 合 等 は 不 必 要 (2)(1)の 証 明 をすることができない 者 1 理 事 監 事 又 は 使 用 人 2 基 金 の 引 受 人 3 業 務 停 止 処 分 期 間 中 の 者 4 弁 護 士 法 人 監 査 法 人 又 は 税 理 士 法 人 であって その 社 員 の 半 数 以 上 が1 又 は2 8(1) 金 銭 の 払 込 みの 取 扱 いの 場 所 銀 行 信 託 会 社 農 協 漁 協 信 用 組 合 等 (2) 設 立 時 社 員 の 同 意 がある 時 第 三 者 に 対 抗 するための 行 為 は 医 療 法 人 成 立 後 でも 可 能 拠 出 8 基 金 の 拠 出 の 履 行 ( 基 金 の 拠 出 者 ) (1) 期 日 又 は 期 間 内 の 金 銭 の 払 込 み (2) 期 日 又 は 期 間 内 の 現 物 拠 出 財 産 の 給 付 (4) 基 金 の 拠 出 の 履 行 をしないときは 基 金 の 引 受 けは 無 効 (3) 基 金 の 拠 出 の 債 務 と 社 団 医 療 法 人 に 対 する 債 権 は 相 殺 で きない 基 金 の 手 続 きに 必 要 な 書 類 ( 様 式 )については 社 団 法 人 日 本 医 療 法 人 協 会 のホームページを 参 照
基 金 返 還 時 の 仕 訳 方 法 医 療 法 人 設 立 時 土 地 50 基 金 100 ( 基 金 拠 出 ) 建 物 50 年 月 の 経 過 現 金 100 基 金 100 土 地 50 繰 越 利 益 剰 余 金 100 建 物 50 基 金 返 還 ( 借 方 ) 基 金 100 ( 貸 方 ) 現 金 100 代 替 基 金 計 上 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 剰 余 金 100 ( 貸 方 ) 代 替 基 金 100 基 金 返 還 後 土 地 50 代 替 基 金 100 建 物 50
基 金 返 還 前 後 の 純 資 産 の 部 ( 貸 借 対 照 表 ) 基 金 100 資 本 剰 余 金 50 利 益 剰 余 金 150 積 立 金 50 繰 越 利 益 剰 余 金 100 返 還 資 本 剰 余 金 50 利 益 剰 余 金 150 代 替 基 金 100 その 他 利 益 剰 余 金 150 積 立 金 50 繰 越 利 益 剰 余 金 0