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Transcription:

スリランカ ペラデニ 大 学 英 語 -サルが 窓 から 入 ってくる 国 - ペラデニ 大 学 ( 学 部 交 換 留 学 ) 経 済 学 部 2009 年 卒 大 山 知 恵 子 留 学 先 ペラデニ 大 学 ( 交 換 留 学 ) 留 学 の 動 機 期 間 2007 年 9 月 -2008 年 9 月 1. 卒 業 前 に 学 生 時 代 にしかできないこ とをやっておきたかった 2. 南 地 域 に 対 する 興 味 留 学 までのスケュール 2007 年 3 月 交 換 留 学 枠 に 応 募 留 学 が 正 式 に 決 定 2007 年 5 月 ビザ 取 得 などの 情 報 収 集 2007 年 6 月 必 要 な 予 防 接 種 を 受 ける( 破 傷 風 肝 炎 など) 2007 年 8 月 現 地 大 学 に 寮 の 部 屋 を 希 望 する 旨 を 連 絡 2007 年 9 月 末 スリランカへ 費 用 : 学 費 - 交 換 留 学 なので 北 大 へ 納 入 航 空 券 - 約 15 万 円 (HIS で 買 いました) 生 活 費 - 寮 費 を 入 れても 月 に3 万 円 ほど 旅 行 費 用 -インドに1ヶ 月 間 タイに3 日 間 の 旅 行 に 行 きました したがって 学 費 (25 万 )+ 航 空 券 (15 万 )+ 生 活 費 (3 万 11 ヶ 月 )+ 旅 行 費 用 α=73 万 円 +α 国 の 事 情 (ガイドブックなどに 載 っていないもの) 大 学 の 年 間 予 定 は 度 重 なるストライキや 学 生 運 動 でずれまくりです 窓 からサルが 入 ってくる 寝 るときに 蚊 帳 は 必 需 品 インターネット: 少 なくとも 私 のころは 大 学 の 寮 にインターネットはなかったので もっぱら 街 のネットカフェに 行 ってました 女 性 は 注 意 : 夜 遅 くの 一 人 歩 きはやめましょう お 酒 タバコも 女 性 は 人 前 では 控 えま 125

スリランカ ペラデニ 大 学 英 語 しょう 留 学 先 での 生 活 (どんな 一 日 を 過 ごすか) < 授 業 がある 日 > 07:00 起 床 寮 の 食 堂 でおいしい 朝 食 ( 約 40 円 ) 07:45 歩 いて 学 校 へ 授 業 始 まるのが 早 いので 08:00-12:00 授 業 中 休 みがあれば 図 書 館 で 自 習 したり 食 堂 で 休 憩 (お 茶 一 杯 4 円 とか) 12:00-13:00 学 部 か 寮 の 食 堂 で 昼 ごはんを 買 う( 約 50 円 ) 13:00- 授 業 がまたあったり なければ 図 書 館 に 行 ったり 体 育 館 に 行 って 卓 球 してみたり そして 日 が 暮 れる 前 に 寮 に 帰 る 女 性 は 夜 一 人 で 出 歩 くのはちょっと 危 ないので また 食 堂 でご 飯 を 買 ったり 寮 の 近 くの 知 り 合 いの 家 にお 邪 魔 してご 飯 を 食 べさせてもらう 寮 にテレビがないのでこのお 宅 でスリランカのテレビ 番 組 について 学 ぶ < 週 末 余 暇 > スリランカ 人 の 友 達 の 家 へお 邪 魔 したり 留 学 生 仲 間 と 遊 んだり 大 学 近 くの 街 へ 行 ってひたすら 安 い 映 画 DVD を 探 したり 大 きな 街 はないので 刺 激 は 少 ないですが 大 学 で 仲 良 くなった 友 達 にはよく 遊 んでもらいました それぞれの 国 の 評 価 物 価 寮 費 が 一 年 間 で 750 円 とタダ 同 然 治 安 私 は 不 注 意 で 携 帯 電 話 をすられました その 他 当 時 は 首 都 で 爆 弾 テロが 頻 発 していました 国 民 性 みんなフレンドリーで 時 に 迷 惑 なほど 親 切 です でもあまり 仕 事 は してくれません 食 カレー 美 味 しい!フルーツ 美 味 しい!マンゴー(1 個 約 40 円 ) 食 べ 放 題! 空 気 街 中 は 交 通 量 が 多 く 空 気 は 汚 いです はじめに 私 がスリランカに 滞 在 していた 2007 年 から 2008 年 にかけて 国 内 ではまだ 内 戦 が 続 い ていました 首 都 では 爆 弾 テロが 相 次 いでいたし あまりいい 時 期 ではなかったのかもし れません しかし ペラデニヤ 大 学 のあるスリランカの 古 都 キャンディは 首 都 からバス で 3 時 間 ほどの 距 離 にあるスリランカの 仏 教 聖 地 であり 首 都 に 比 べれば 落 ち 着 いた 雰 囲 気 でした しかし 過 去 には 寺 院 を 狙 った 爆 弾 テロも 発 生 したこともあり 私 が 留 学 を 決 め たときには 心 配 してくれる 人 がほとんどでした そんな 中 でも 安 全 に 一 年 間 の 留 学 生 活 を 126

スリランカ ペラデニ 大 学 英 語 終 えることが 出 来 たのは 日 本 やスリランカで 私 を 支 えてくれた 方 々のおかげです 1 またスリランカは 多 様 性 に 富 んだ 国 です 民 族 もシンハラ 人 タミル 人 スリランカ ムー 人 などなど 人 々が 自 らをどう 定 義 づけるかによっても 呼 び 名 は 変 わってきます また 言 語 も 公 用 語 はシンハラ 語 タミル 語 そして 英 語 となっており 大 学 でもそれぞ れの 言 語 で 授 業 が 行 われています 宗 教 もこの 国 では 非 常 に 重 要 です 多 数 派 は 仏 教 です がヒンドゥー 教 やイスラム 教 またキリスト 教 も 一 般 的 です 街 中 にはこれら 全 ての 宗 教 施 設 を 見 ることができます このような 私 が 今 まで 育 ってきたものとはまったく 違 う 環 境 で 暮 らすことは 勉 強 になるとともに 帰 国 後 に 日 本 国 内 の 多 様 性 に 目 を 向 けるようにな るなど 私 の 思 考 に 影 響 を 与 えたと 感 じます スリランカへ 到 着 部 屋 を 得 るまで 2007 年 の 9 月 26 日 スリランカの 首 都 キャンディから 車 で 30 分 ほどのバンダーラナー ヤカ 国 際 空 港 に 降 り 立 ちました その 時 すでに 夜 10 時 ころで 不 安 でいっぱいだったのを 覚 えています また 現 地 大 学 の 教 授 が 事 前 に 空 港 までの 迎 えを 手 配 すると 事 前 に 約 束 し てくれたのに 出 発 の 3 日 前 に 空 港 に 向 かえに 行 く 人 がいない と 連 絡 してきたのでさ らに 不 安 を 覚 えていました しかたなく 到 着 ロビーに 出 て 旅 行 会 社 でその 日 の 宿 までの 車 を 頼 もうかと 思 っていると 到 着 ロビーの 待 合 人 の 中 に 私 の 名 前 を 書 いたボードを 持 った スリランカ 人 がいました 頼 んでないのに と 思 っていると その 人 はスリランカで 研 究 調 査 を 行 っている 北 大 の 教 授 (この 交 換 留 学 協 定 を 結 んだ 人 )が 頼 んでくれたドライバー さんでした 私 が 迎 えに 来 てもらえないと 知 った 教 授 が 馴 染 みのドライバーさんに 声 を かけておいてくれたのです その 日 はあらかじめ 予 約 しておいた 空 港 近 くのホテルへ 泊 まり スリランカに 来 て 二 日 目 首 都 から 3 時 間 かけて 大 学 のあるキャンディという 街 へ 向 かいました 寮 の 部 屋 を 手 配 すると 約 束 してくれた 文 系 学 部 長 ( 当 時 ペラデニヤ 大 学 には 留 学 生 対 応 の 部 署 がなかったので 各 学 部 に 直 接 交 渉 した)のオフィスへ 行 くと 実 はまだどの 寮 に も 部 屋 を 見 つけていないので 待 ってくれ と 言 われました 経 済 学 部 の 女 性 補 助 教 員 の 寮 の 部 屋 などに 泊 まりながら 数 日 後 にやっと Wijewardena という 寮 に 入 ることになったの です やっとスリランカでの 学 生 生 活 の 始 まりです 大 学 寮 での 生 活 ペラデニヤ 大 学 の 学 生 のほとんどは 大 学 内 の 寮 で 生 活 しています こちらはスリラン カらしく 男 子 寮 女 子 寮 は 完 全 に 分 けられています 私 が 暮 らした Wijewardena 寮 は 女 子 寮 として 一 番 古 いことと 一 番 門 限 が 自 由 なことで 1 編 集 部 注 : 外 務 省 の 危 険 情 報 が 出 ている 国 地 域 に 学 部 生 は 交 換 留 学 できません ただ し 本 人 の 語 学 力 途 上 国 経 験 や 研 究 室 の 専 門 的 支 援 体 制 等 の 条 件 を 満 たす 場 合 は 派 遣 を 考 慮 されることがあります 127

スリランカ ペラデニ 大 学 英 語 有 名 な 寮 です そこに 住 む 学 生 の 数 は 1000 人 を 超 えるが 私 の 入 寮 当 時 は 外 国 人 は 私 一 人 食 堂 はあるけれども 学 生 向 けのキッチンはないので 私 はもっぱら 食 堂 でカレーを 買 ってい ました トイレ 水 シャワー(お 湯 なんて 出 ない)は 共 同 で 洗 濯 機 なんてないので 服 も シーツも 手 洗 い 朝 8 時 から 9 時 にかけては 大 学 の 敷 地 を 住 処 とするサルの 群 れが 寮 に 来 るので 窓 は 開 け 放 してはいけない このような 素 敵 な 寮 にルームメイトと 一 緒 に 一 年 間 住 みました ルームメイトはイローミという 理 学 部 4 年 の 女 の 子 (もちろんスリランカ 人 ) 彼 女 はスリランカ 人 らしくない 奥 ゆかしさの 持 ち 主 で 一 年 間 一 緒 に 暮 らしたのに 常 につ かづ 離 れず 邪 魔 せずあまり 関 わらずという 感 じで 過 ごしました ただひとつ 苦 労 したこと は 彼 女 がぜんぜん 掃 除 してくれないこと スリランカはちょっと 油 断 すると 蟻 の 大 群 が 現 れたり ゴキブリが 複 数 で 襲 ってきたりするので 虫 が 苦 手 な 方 は 注 意 が 必 要 です 授 業 勉 強 住 むところが 落 ち 着 いたのでやっと 勉 強 に 取 り 掛 かりました ペラデニヤ 大 学 は もとはセイロン 大 学 と 呼 ばれたスリランカで 最 大 の 総 合 大 学 です 文 学 部 仏 教 学 部 から 医 歯 学 部 獣 医 学 部 まで 学 生 達 はスリランカのエリートになるべ く 日 々 勉 強 に 勤 しんでいます 私 が 留 学 した 当 時 は 留 学 生 のための 事 務 所 がなく 参 加 したい 講 義 があれば 直 接 教 授 ま で 会 いに 行 き 受 講 できるようにお 願 いしていました またペラデニヤ 大 学 では 留 学 生 は 英 語 に 不 安 があれば 英 語 研 修 を 受 けられることにな っています といってもこれは 留 学 生 向 けというわけでなく スリランカ 人 学 生 向 けの 英 語 の 授 業 に 混 ぜてもらうということです 1コマ 90 分 の 授 業 が 週 に 3 回 先 生 は 全 て 英 語 で 進 めているので 勉 強 になりました 私 は 経 済 学 部 の 専 門 科 目 も 英 語 で 勉 強 したいとお 願 いし 講 義 を 受 講 させてもらいまし た ストライキなどで 学 期 がずれこんでいたので 最 初 から 最 後 まで 勉 強 できた 学 期 は 一 学 期 間 だけで 最 終 的 に 私 が 単 位 を 取 得 できた 経 済 専 門 科 目 は Gender Economics と Sri Lankan Economy の 二 つでした しかし 言 語 面 ではシンハラ 語 会 話 はかなり 上 達 し また 英 語 は 講 義 での 勉 強 と 自 学 留 学 生 仲 間 と 遊 びながらなど 勉 強 をかさね 帰 国 後 に 受 験 した TOEIC は 880 点 を 取 ることが できました スリランカは 非 英 語 圏 ですが 勉 強 の 成 果 は 自 分 次 第 です 現 地 語 の 勉 強 現 地 語 の 習 得 についてですが これはシンハラ 語 学 部 に 頼 み 込 んで 私 のために 授 業 を 作 ってもらいました ペラデニヤ 大 学 には 基 本 的 に 留 学 生 が 少 ないので 大 学 側 は 依 頼 があ るたびにシンハラ 語 学 部 の 先 生 の 時 間 を 調 整 してクラスをつくるという 感 じでした そし て 私 の 場 合 は 6 人 の 若 いシンハラ 語 学 部 の 先 生 がそれぞれ 週 に 一 時 間 ずつ 週 に 計 6 時 間 マンツーマンで 教 えてくれました 彼 らは 要 するにスリランカの 国 語 の 先 生 なので 言 語 教 128

スリランカ ペラデニ 大 学 英 語 育 に 長 けているわけではありませんが マンツーマンで 教 えてくれていくらでも 質 問 でき るのでとても 助 かりました 留 学 前 シンハラ 語 の 知 識 はガイドブックから 得 た 挨 拶 の 言 葉 くらいだったので 現 地 に 来 て 初 めて 文 字 から 学 ぶのは 大 変 でした しかし 文 法 や 雰 囲 気 が 日 本 語 と 似 てるので 英 語 よりも 日 本 人 にはよっぽど 馴 染 みやすいです ペラデニヤ 大 学 への 留 学 を 検 討 している 方 へ 私 は 北 大 からの 初 めての 交 換 留 学 生 としてペラデニヤ 大 学 へ 行 きました 初 めてという ことは 何 ができるのか どんな 勉 強 ができるのか 本 当 によく 分 からない 状 況 でしたし 住 む 場 所 を 手 に 入 れるまでもトラブルがありました 授 業 を 受 けるのにもひとつひとつ 依 頼 しなければならず 留 学 生 に 対 する 対 応 が 進 んだ 大 学 への 留 学 と 比 べると 今 思 うとかな り 時 間 を 無 駄 にしたな と 思 うこともあります もし 留 学 先 で 取 得 した 専 門 科 目 の 単 位 を 北 大 で 卒 業 単 位 として 互 換 したいなら ペラデ ニヤ 大 学 にはぜひ 半 年 以 上 の 期 間 をもって 留 学 して 下 さい 学 生 のストライキなどで 学 期 がずれていることがよくあったので 半 年 だと 中 途 半 端 にしか 講 義 を 受 けられない 可 能 性 有 りです また 生 活 面 では 洗 濯 は 手 洗 い 朝 晩 は 意 外 と 冷 えるのに 水 シャワー カレーを 手 で 食 べる 日 々 また 衛 生 面 でのカルチャーギャップなど 苦 労 することも 多 いと 思 います しか し 他 に 日 本 人 が 少 なく 現 地 の 生 活 にどっぷり 浸 かれることはメリットでもあります 現 在 から 帰 国 後 北 大 を 卒 業 して 現 在 は 東 京 で 会 社 員 として 働 いています 直 接 スリランカに 関 わる 仕 事 をしているわけではないので この 留 学 が 現 在 のキャリに 貢 献 しているとは 言 えないかもしれません しかし 製 造 業 の 資 材 調 達 の 業 務 をしているため 海 外 の 量 産 拠 点 のスタッフと 仕 事 をする 機 会 が 多 く そんな 時 はやはりスリランカで 文 化 や 考 え 方 の 違 い を 受 け 止 めて 生 活 した 経 験 は 役 立 っていると 感 じます 大 学 時 代 は 自 分 の 興 味 とやる 気 の 赴 くままに 長 期 間 留 学 できるまたとない 期 間 です まとまりのない 散 文 になってしまいま したが この 留 学 記 を 読 んで 少 しでも 留 学 に 興 味 を 持 って 頂 ければうれしいです 129