アルコール 依 存 症 外 来 治 療 テキスト 1 アルコール 依 存 症 とは? - 1 -
どうして アルコール 中 毒 と 呼 ばないか アルコールに 起 因 するこの 病 気 に 対 する 研 究 も 大 いに 進 歩 してきました そ の 結 果 この 病 気 の 中 心 は 心 と 体 のアルコールへの 依 存 (とらわれ)である ことがわかってきました 酔 いによる 急 性 中 毒 くりかえしアルコールで 体 を 傷 つけることによる 慢 性 中 毒 も 重 大 な 側 面 ですか 中 心 は 心 と 体 の 依 存 なので す そのため この 病 気 を アルコール 中 毒 と 呼 ぶのは 適 当 ではないとなり 国 際 的 にも アルコール 中 毒 と 呼 ぶのを 廃 止 して アルコール 依 存 症 に 統 一 するようになりました また アル 中 という 呼 び 方 には 侮 蔑 の 意 味 がこめられることが 多 く アル コール 依 存 症 イコール 社 会 的 廃 人 であるという 偏 見 から この 病 気 の 本 態 を 見 失 ってしまうことも 多 いです そういう 意 味 でも 正 しくこの 病 気 を 理 解 す ることがこの 病 気 からの 回 復 の 第 一 歩 だと 言 えるでしょう アルコール 依 存 症 の4つの 側 面 この 病 気 は 症 状 も 経 過 も 個 人 差 が 大 きいと 言 えます この 個 人 差 が 病 気 の 理 解 を 遅 らせる 一 因 となっています しかし 共 通 して 言 えるのは 飲 み 続 けると 病 気 は 確 実 に 進 行 して 以 下 の 述 べる4つの 側 面 を 次 々と 示 すようになり 苦 しい 生 の 果 てにたどり 着 く 終 着 駅 は 悲 惨 な 死 であるということです 1, 心 の 依 存 (とらわれ)~ 飲 酒 行 動 の 異 常 酔 いが 快 い 体 験 であると もう 一 度 それを 体 験 したくなります 快 い 体 験 の 中 身 は 個 人 差 があり 酒 の 味 その 場 の 心 地 よい 雰 囲 気 つきあいがスム ーズに 行 く 社 会 的 に 認 められた 気 分 不 安 や 緊 張 がとれる 気 分 心 のむ なしさ さびしさ 腹 立 ち 憂 うつ 感 自 責 感 が 消 える 気 分 などなどです 一 方 で 酔 いは 二 日 酔 いの 苦 しさや 酔 っぱらっての 迷 惑 行 為 ブラックア ウト( 酔 っている 間 の 出 来 事 を 思 い 出 せない)の 不 安 などの 不 快 な 体 験 も 起 こ します この 不 快 体 験 が 快 体 験 におぼれるのを 制 御 してくれますが 飲 酒 機 会 の 多 い 職 業 であったり 不 安 や 緊 張 の 強 い 環 境 であったり 不 安 や 緊 張 をうまく 処 理 - 2 -
する 方 法 を 身 につけていない 人 の 場 合 には 酔 いの 体 験 をどんどん 求 めていく ようになります そのうちに 嫌 なことがあると それを 避 けるために 酔 いの 快 体 験 を 求 める ように また 酔 いの 快 体 験 を 中 心 に 生 活 が 展 開 されるようになってきます そして 飲 んではならない 時 場 所 場 面 であるとわかっていながら 酔 い の 誘 惑 に 負 けて 飲 んでしまうようになります 要 するに 飲 みたい 欲 求 のコントロールが 難 しくなてくるのです あなたが 飲 み 始 めた 当 時 には 飲 んではならない 時 には 飲 まないでいること ができた 記 憶 があると 思 います しかし 今 では あなたは 飲 みたい 欲 求 を 抑 えるのに 苦 労 するようになり 時 々 抑 えきれずに 飲 酒 行 動 に 走 ってしまうこと があるはずです これをアルコールへの 心 の 依 存 と 言 います また 飲 酒 欲 求 の 制 御 障 害 とも 言 います これ 以 外 の3つの 側 面 がなくても 心 の 依 存 だけでも 立 派 なアルコール 依 存 症 と 診 断 されます 心 の 依 存 には いろんな 程 度 があります 晩 酌 のみであったのが 家 に 帰 る のが 待 ちきれずに 飲 む 休 日 には 朝 から 飲 んでしまう そのうちに 仕 事 のあ る 日 にも 朝 から 飲 んでしまう 医 者 から 酒 を 禁 じられても 飲 んでしまう 自 分 から 断 酒 を 誓 っても 飲 んでしまう 飲 み 方 が 一 気 に2~3 杯 飲 んでしまう 飲 む 量 がつい 深 酒 になる 最 後 には 朝 目 が 開 けば 飲 み 一 日 飲 み 続 け 翌 日 も 飲 み 続 ける 連 続 飲 酒 発 作 が 時 々あらわれるようになります 連 続 飲 酒 発 作 で 体 が 酒 をうけつけなくな ると しばらく 断 酒 が 続 きますが ふたたび 連 続 飲 酒 発 作 におちいってしまう ようになります これを 山 型 飲 酒 サイクルと 言 い 心 の 依 存 の 終 着 駅 です 完 全 な 飲 酒 欲 求 の 抑 制 喪 失 です この 心 の 依 存 に 次 に 述 べる 体 の 依 存 が 加 わると 加 速 度 的 にアルコール 依 存 症 は 進 行 し 断 酒 が 出 来 なければ 死 という 終 着 駅 にたどり 着 くことになり ます 2, 体 の 依 存 (とらわれ) 心 の 依 存 の 状 態 になり 飲 みたい 欲 求 を 抑 え 難 くなると 飲 む 量 も 飲 む 回 数 も 増 えていきます アルコールに 強 くなり 常 習 飲 酒 大 量 飲 酒 の 状 態 になって きます すると 人 間 の 体 はアルコールが 入 った 状 態 が 普 通 の 状 態 になるよう 調 節 されます - 3 -
アルコールには 脳 の 働 きの 抑 制 作 用 (たとえると 重 石 のようなもの)があり ます アルコールが 日 常 的 に 入 っていると 人 間 の 体 は 脳 の 働 きを 高 め 興 奮 状 態 にすることによって アルコールの 抑 制 作 用 とバランスをとり 脳 の 働 きを 普 通 の 状 態 に 保 つ 事 が 出 来 るようになります この 状 態 で アルコールを 切 るか 飲 む 量 が 減 ると 抑 制 ( 重 石 )の 力 が 弱 くなるので 脳 の 興 奮 状 態 がおもてに 飛 び 出 します これが 禁 断 症 状 とか 離 脱 症 状 という 現 象 です この 現 象 があると 体 の 依 存 があるとわかります 体 の 依 存 もいろんな 程 度 があります あなたは 今 は 軽 いからといって 安 心 してはいけません 飲 み 続 けると 体 の 依 存 はどんどん 進 行 し あなたも 重 い 症 状 をしめすようになります 次 に 症 状 を 列 記 しますので あなたの 場 合 どこまで 来 ているか 確 かめまし ょう 離 脱 症 状 a 軽 度 ~ 中 等 度 消 化 器 症 状 : 食 欲 不 振 吐 き 気 おう 吐 腹 部 不 快 感 下 痢 筋 肉 症 状 : 脱 力 感 けいれん ふるえ 睡 眠 障 害 自 律 神 経 症 状 : 脈 が 速 い 高 血 圧 発 熱 発 汗 ふるえ 行 動 変 化 :イライラ 好 戦 的 落 ち 着 かない 怒 り 過 敏 認 識 力 低 下 : 集 中 力 低 下 放 心 物 忘 れ 判 断 力 低 下 b 高 度 なもの aに 示 した 症 状 の 増 強 : 振 戦 発 汗 頻 脈 激 昂 過 敏 反 応 せん 妄 : 意 識 障 害 物 忘 れ 失 見 当 識 幻 覚 妄 想 けいれん 発 作 3, 急 性 アルコール 中 毒 これは アルコールが 入 った 酩 酊 状 態 のことです 悪 酔 い 酒 癖 の 悪 さがあ れば アルコール 依 存 症 でなくとも アルコール 乱 用 と 言 って 治 療 の 対 象 と なります アルコール 依 存 症 の 場 合 急 性 中 毒 ( 酩 酊 状 態 )になる 機 会 が 多 く 悪 酔 い 作 癖 の 悪 さが 頻 回 に 起 こり 家 族 や 周 囲 の 人 々に 多 大 の 迷 惑 をかけることにな - 4 -
ります しかし 本 人 は ブラックアウトや 酩 酊 中 の 知 覚 のあいまいさのためにこ の 出 来 事 を 覚 えていないため 断 酒 の 動 機 になりにくいのが 普 通 です あなたは あなたが 覚 えている 以 上 に 酩 酊 状 態 が 悪 いと 考 えないといけま せん 大 脳 は 新 皮 質 という 理 性 をつかさどる 所 と 旧 皮 質 という 感 情 をつかさ どる 所 があります 旧 皮 質 は 新 皮 質 にコントロールされていますが この 新 皮 質 の 働 きをアルコールが 抑 制 するために 旧 皮 質 の 働 きがそのまま 表 面 化 し 原 始 的 感 情 的 な 行 動 になってしまします これが 悪 酔 い 酒 癖 の 悪 さの 原 因 です 4, 慢 性 中 毒 アルコールが 体 内 に 繰 り 返 し 入 ると 体 のあらゆる 臓 器 には 徐 々に 変 化 が 起 こってきます 一 番 やっかいなのは 最 も 大 切 な 脳 が 侵 されて 記 憶 力 が 落 ち 忘 れっぽく なり 最 もひどい 場 合 には 今 自 分 がどこにいて 何 時 頃 か 相 手 が 誰 である かも 分 からなくなってしまいます このようなアルコールによる 認 知 症 状 態 になると 回 復 は2 割 の 人 にし か 望 めず 8 割 の 人 は 廃 人 同 然 の 生 活 を 送 ることになります また アルコールを 解 毒 するのは 肝 臓 ですが これが 過 労 状 態 となり 脂 肪 肝 アルコール 性 肝 炎 肝 硬 変 になっていきます アルコール 依 存 症 の 人 の 肝 臓 はめっぽう 強 く はじめのうちはすばらしい 回 復 力 を 示 しますが これでタ カをくくっていると 肝 硬 変 に 至 ってしまいます 肝 硬 変 になっても 飲 み 続 けると 5 年 間 に70パーセントの 人 が 死 亡 すると 言 われています あなたの 飲 み 友 だちにも 肝 硬 変 で 亡 くなった 人 がいるはずです 膵 (すい) 臓 が 侵 されると 下 痢 や 腹 痛 が 続 いたり 糖 尿 病 を 起 こします 急 性 膵 炎 になって 膵 臓 壊 死 になると 激 烈 な 経 過 をたどって 死 亡 してしまい ます 胃 潰 瘍 を 起 こす 場 合 も 多 く 手 術 を 余 儀 なくされ それ 以 降 急 激 にアルコー ル 依 存 症 が 進 行 する 場 合 が 多 く 見 られます アルコール 性 心 筋 症 は 動 機 呼 吸 困 難 不 整 脈 を 呈 するようになります 休 日 症 候 群 といって 休 日 に 大 量 飲 酒 して 翌 日 急 死 することがありますが その 原 因 はこの 心 筋 症 と 考 えられています また 持 続 的 な 睡 眠 障 害 も 脳 の 変 化 による 場 合 があります 脳 波 異 常 や 脳 萎 縮 が 起 こることがわかっています - 5 -
アルコール 依 存 症 は 進 行 する 病 気 である 作 家 の なだいなだ はアルコール 依 存 症 の 名 医 でもありますが 彼 はアル コール 依 存 症 を 新 幹 線 ひかり 号 の 乗 客 に 例 えています 名 古 屋 駅 を 出 たひかり 号 は 東 京 駅 まで 停 まりません 名 古 屋 を 出 て 途 中 に 浜 松 静 岡 熱 海 と 駅 を 次 々に 通 過 しますが 決 して 途 中 の 駅 に 停 まることは ありません アルコール 依 存 症 者 が 飲 み 続 け 病 気 のある 段 階 に 達 しても ま だ 浜 松 駅 だ と 思 うものです しかし 実 際 は 浜 松 駅 を 通 過 中 で 最 後 に は 東 京 駅 まで 行 ってしまう 事 に 気 づいていません アルコール 依 存 症 者 は 飲 み 続 けると 必 ず 病 気 の 終 着 駅 に 行 ってしまいます 私 たちの 経 験 でも 1 回 目 の 入 院 時 には 軽 い 離 脱 症 状 であった 人 が 5~6 年 後 の 何 回 めかの 入 院 時 には 重 い 幻 覚 症 状 が 現 れていたり 失 業 していたり 家 庭 が 崩 壊 していたり 合 併 症 がひどくなっていたりすることによく 出 会 いま す 人 酒 を 飲 み 酒 酒 を 飲 み 酒 人 を 飲 む とうたった 中 国 の 詩 人 李 白 は アルコール 依 存 症 の 進 行 状 況 をうまく 表 現 していますが 李 白 自 身 もア ルコールのために 命 を 落 としています 次 ジェネリックという 人 が 作 ったアルコール 依 存 症 の 進 行 表 をあげておきま す もちろん 進 行 は 百 人 百 様 ですから この 表 の 通 りではありませんが 思 い 当 たる 事 があると 思 います ジェリネックの 進 行 モデル 1,ブラックアウト 2, 隠 れのみ 3,アルコールへこだわり( 宴 会 などで 酒 が 充 分 あるか 気 になる 等 ) 4, 最 初 の1~2 杯 を 大 急 ぎで 飲 む 5, 自 分 の 飲 酒 行 動 に 対 する 罪 の 意 識 6,アルコールに 関 する 話 題 を 避 ける 7,ブラックアウトが 頻 回 になる 8, 抑 制 喪 失 9, 自 分 の 飲 酒 を 正 当 化 する 10, 社 会 的 規 制 が 始 まる( 家 族 友 人 からの 注 意 や 警 告 ) 11, 自 己 評 価 の 低 下 を 穴 埋 めするために 誇 大 的 行 動 をとる 12,いちじるしい 攻 撃 的 行 動 - 6 -
13, 持 続 的 な 自 責 感 14, 完 全 な 断 酒 期 間 がときどき 現 れる 15, 飲 酒 パターンを 変 えようと 試 みる 16, 友 人 達 から 離 れる 17, 離 職 する 18, 行 動 がアルコール 中 心 に 展 開 し 始 める 19,アルコール 以 外 の 趣 味 に 興 味 がなくなる 20, 対 人 関 係 を 再 解 釈 しなおす 21,いちじるしい 自 己 憐 憫 22, 孤 立 化 が 強 まる( 引 っ 越 し 等 ) 23, 家 庭 内 の 習 慣 の 変 化 24, 理 由 のない 怒 り 25,アルコールの 確 保 に 狂 奔 する 26, 栄 養 不 足 による 合 併 症 27, 第 1 回 目 の 入 院 28, 性 衝 動 の 減 退 29, 嫉 妬 妄 想 30, 規 則 的 な 朝 酒 31, 夜 間 以 外 にも 酩 酊 している 32,いちじるしい 道 徳 的 退 廃 33, 思 考 の 障 害 34, 幻 覚 が 出 る 35,アルコール 耐 性 の 低 下 36,なんとも 言 えない 恐 怖 感 の 出 現 37, 振 戦 せん 妄 38, 飲 酒 が 強 迫 的 になる 39, 敗 北 を 認 め 自 ら 治 療 を 求 めることがある 次 に 自 己 診 断 法 をあげておきますので 正 直 に 答 えてください そして 家 族 から 見 たあなたの 診 断 結 果 とあわせて あなたの 病 気 についてよく 考 えてく ださい - 7 -
アルコール 依 存 症 からの 回 復 について アルコール 依 存 症 は 断 酒 継 続 によってのみ 健 康 な 生 活 を 続 けることが 出 来 ます しかし この 断 酒 継 続 はたいへん 難 しく 失 敗 することが 多 いのが 現 実 です 浜 松 医 大 の 鈴 木 氏 のデータによると 退 院 後 3ヶ 月 で50% 6ヶ 月 で70% 2 年 で80%の 人 が 再 飲 酒 すると 出 ています 2 年 断 酒 継 続 すると 失 敗 する 可 能 性 はぐっと 少 なくなります ですから 退 院 の 時 点 で もう 絶 対 に 飲 まない 二 度 と 入 院 するような ことはない と 安 易 に 言 う 人 が 多 いですが この 事 実 をもっと 厳 しく 受 け 止 め る 必 要 があります また この 病 気 は 死 亡 率 の 大 変 高 い 病 気 ですから 現 在 だけを 見 ていて は 大 きな 過 ちをおかすことになります 山 梨 県 精 神 衛 生 センターの 田 中 氏 は 退 院 患 者 の5 年 後 8 年 後 の 予 後 調 査 で 一 般 人 口 の5 倍 高 い 死 亡 率 であること 死 亡 平 均 年 齢 52 歳 という 結 果 を 報 告 しています 死 亡 原 因 は1 心 臓 病 2 肝 硬 変 3 不 慮 の 事 故 4がんのじゅ んでした また ある 県 の 断 酒 会 の 調 査 でも595 名 中 81 名 がなくなっていました その 多 くは 飲 酒 中 でした 死 亡 平 均 年 齢 は50 歳 でした 田 中 氏 は 調 査 の 結 論 として 飲 酒 し 続 けて 早 死 にするか 断 酒 して 社 会 生 活 を 改 善 しうるか 二 者 択 一 の 生 き 方 しかないと 述 べています ところで 回 復 する 人 としない 人 では どこが 違 うのでしょうか シャルマアーズという 人 の 調 査 結 果 では 次 のようになっています 予 後 不 良 の 兆 候 1, 節 酒 できるという 自 身 2, 他 者 からの 援 助 の 拒 否 ( 自 分 一 人 でも 断 酒 できると 考 える) 3, 自 助 グループへの 参 加 の 拒 否 4,アルコール 依 存 症 であった 過 去 への 過 大 な 罪 の 意 識 5, 治 療 者 への 敵 意 6, 飲 酒 に 関 する 事 実 の 否 認 7, 抑 うつ 不 安 欲 求 不 満 予 後 良 好 の 兆 候 1, 治 療 初 期 の 自 己 中 心 性 2, 生 理 学 的 因 子 を 受 け 入 れる(アルコール 依 存 症 が 心 理 的 文 化 的 な 因 子 までも 波 及 する 心 理 的 変 化 であると 考 えるようになる) - 8 -
3, 治 療 プログラムを 受 け 入 れる 4, 自 己 評 価 の 変 化 あなたはどうですか? 良 くない 今 後 に 当 てはまっている 人 はもう 一 度 真 剣 に 自 分 を 見 つめ 直 してみてください 病 気 に 対 する 誤 った 見 方 は 命 取 りである アルコール 依 存 症 について 理 解 が 深 まりましたか 多 くの 人 々は アル 中 について 誤 った 先 入 観 を 持 っています それは 社 会 的 常 識 によるのものなので 本 人 だけでなく 家 族 もその 先 入 観 にとらわれてい ます しかし 厚 生 労 働 省 の 調 査 にありますように アルコール 依 存 症 者 は 全 国 で 220 万 人 もいるのです 約 50 人 に1 人 の 割 合 です 10 家 族 に1 家 族 はア ルコール 依 存 症 者 がいる 計 算 になります この 病 気 に 関 係 する 家 族 は1000 万 人 を 越 えているのです 日 本 人 の10 人 に1 人 の 割 合 です 普 通 の 人 でアルコール 依 存 症 者 である 人 が 圧 倒 的 に 多 いのです あなたの 考 えをしっかり 変 える 必 要 があります あなたが アルコール 依 存 症 を 否 認 してきた 理 由 には 次 のようなものがあ ると 思 います 1 他 人 に 迷 惑 をかけていないから ブラックアウトで 知 覚 があいまいになっている 2, 命 を 落 としたあの 人 ほどではない アルコール 依 存 症 は 進 行 する 3, 大 酒 はのまない 大 酒 も 飲 めなくなっている( 逆 耐 性 )かもしれ ない 4, 手 はふるえていない 酒 が 切 れたことが 今 までなかったかもしれない 5, 自 分 で 断 酒 出 来 る それほどひどくなかった 過 去 の 出 来 事 であった かもしれないし 何 よりも 一 時 的 な 辛 抱 の 禁 酒 があったはず - 9 -
6, 酒 で 失 敗 するのは 年 に 数 回 いつも 失 敗 しているものではない 以 上 否 認 の 数 々をあげてみましたが ぜひ 皆 さんは 正 しい 知 識 を 持 っ てください そして 自 分 もそうだと 理 解 できたら 勇 気 をもって 自 分 の 病 気 を 認 めてください そこから あなたの 幸 せと 健 康 への 道 が 始 まります - 10 -