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Transcription:

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秋 田 県 精 神 科 救 急 搬 送 及 び 受 入 れ 対 応 事 例 集 の 概 要 精 神 科 救 急 医 療 体 制 については 秋 田 県 精 神 科 救 急 医 療 体 制 整 備 事 業 傷 病 者 の 搬 送 及 び 受 入 れの 実 施 基 準 に 基 づき 体 制 整 備 を 図 っています しかし 身 体 的 症 状 を 有 する 精 神 疾 患 患 者 については 身 体 疾 患 と 精 神 疾 患 の 治 療 の 優 先 度 決 定 までに 時 間 を 要 する 事 例 があり 消 防 機 関 の 救 急 搬 送 にお ける 現 場 滞 在 時 間 の 長 期 化 などの 課 題 が 精 神 科 救 急 医 療 に 関 連 する 委 員 会 協 議 会 等 で 提 起 されていました そのため 身 体 合 併 症 を 有 する 精 神 疾 患 患 者 の 救 急 搬 送 について 関 係 機 関 で 一 定 の 共 通 認 識 を 持 って 対 応 し 患 者 をより 迅 速 に 適 切 な 医 療 に 結 びつける 体 制 を 整 えることを 目 的 に 秋 田 県 精 神 科 救 急 搬 送 及 び 受 入 れ 対 応 事 例 集 検 討 委 員 会 ( 以 下 検 討 委 員 会 という )を 設 置 し 3 回 の 検 討 を 経 て このたび 秋 田 県 精 神 科 救 急 搬 送 及 び 受 入 れ 対 応 事 例 集 ( 以 下 対 応 事 例 集 という ) を 作 成 しました 検 討 委 員 会 では 身 体 合 併 症 を 有 する 精 神 疾 患 患 者 の 受 入 医 療 機 関 確 保 のた めに 参 考 とする 現 場 の 判 断 基 準 も 併 せて 検 討 し 身 体 合 併 症 を 有 する 精 神 疾 患 患 者 の 受 入 医 療 機 関 確 保 のための 基 準 と 対 応 ( 以 下 基 準 と 対 応 という ) として 対 応 事 例 集 の 中 に 組 み 入 れました 本 対 応 事 例 集 を 御 活 用 いただき 本 県 の 精 神 科 救 急 医 療 がより 一 層 充 実 する よう 御 理 解 と 御 協 力 をお 願 いいたします 留 意 事 項 参 考 対 応 事 例 は 県 内 の 各 消 防 本 部 から 情 報 提 供 いただいた 事 例 を 参 考 に 検 討 委 員 会 で 作 成 した 実 在 しないモデル 事 例 です 秋 田 県 総 合 防 災 課 策 定 の 傷 病 者 の 搬 送 及 び 受 入 れの 実 施 基 準 ( 以 下 実 施 基 準 という ) において 重 症 度 緊 急 度 が 高 と 判 断 される 身 体 症 状 を 有 する 症 例 については 本 対 応 事 例 集 の 基 準 と 対 応 によらず 身 体 疾 患 の 治 療 を 優 先 することになりますので 実 施 基 準 の 内 容 を 今 一 度 御 確 認 ください 本 対 応 事 例 集 は 精 神 科 救 急 における 搬 送 及 び 受 入 れ 対 応 の 際 の 参 考 とし て 使 用 するものです 各 二 次 医 療 圏 や 精 神 科 救 急 医 療 圏 の 実 状 に 応 じ 柔 軟 な 運 用 をしてください 1

秋 田 県 精 神 科 救 急 医 療 体 制 3 段 階 システム 秋 田 県 精 神 科 救 急 3 段 階 システム とは 休 日 や 夜 間 等 において 緊 急 に 精 神 科 医 療 を 必 要 とする 方 が 適 切 な 医 療 を 受 けることができるよう 精 神 科 医 療 機 関 の 協 力 により 整 備 されている 体 制 です 利 用 者 は 地 域 拠 点 病 院 や 輪 番 制 当 番 病 院 がわからない 時 は 秋 田 県 精 神 科 救 急 情 報 センター( 電 話 018-892 -3780)に 相 談 することになっています 秋 田 県 精 神 科 救 急 情 報 センターでは 精 神 科 救 急 に 関 する 相 談 対 応 精 神 科 救 急 医 療 を 提 供 する 医 療 機 関 の 紹 介 等 を 行 っています 2

身 体 合 併 症 を 有 する 精 神 疾 患 患 者 の 受 入 医 療 機 関 確 保 のための 基 準 と 対 応 実 施 基 準 において 重 症 度 緊 急 度 が 高 と 判 断 される 身 体 症 状 を 有 する 症 例 については 身 体 疾 患 の 治 療 を 優 先 する 現 場 の 判 断 基 準 ( 以 下 の 症 状 の 有 無 を 確 認 ) 1 頭 痛 2 高 熱 3 貧 血 4 実 施 基 準 における 重 症 度 緊 急 度 が 高 に 該 当 しない 胸 痛 呼 吸 困 難 腹 痛 外 傷 ( 明 ら かに 縫 合 を 要 する 外 傷 骨 折 全 般 等 ) 熱 傷 5JCS2 桁 以 上 の 意 識 障 害 ( 大 量 服 薬 例 も 含 む) 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 あり 判 断 基 準 には 該 当 しない 身 体 症 状 あり 不 穏 せん 妄 状 態 あり 不 穏 せん 妄 状 態 なし 身 体 症 状 が 精 神 疾 患 に 関 連 なし 身 体 症 状 が 精 神 疾 患 に 関 連 あり 1 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 に 搬 送 2 一 般 病 院 に 搬 送 3 精 神 科 病 院 に 搬 送 受 入 合 併 症 治 療 受 入 合 併 症 治 療 身 体 症 状 を 実 際 に 確 認 した 結 果 対 応 不 可 受 入 身 体 症 状 急 変 身 体 合 併 症 治 療 後 依 然 精 神 症 状 が 顕 著 な 場 合 は かかりつ けの 精 神 科 病 院 への 転 院 もあり 得 る 身 体 合 併 症 治 療 後 依 然 精 神 症 状 が 顕 著 な 場 合 は かかりつけ 等 の 精 神 科 病 院 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 への 転 院 もあり 得 る 転 院 の 場 合 搬 送 は 原 則 として 現 に 傷 病 者 を 収 容 している 医 療 機 関 の 管 理 と 責 任 において 実 施 する 必 要 があるが 次 頁 の 要 件 を 満 たす 時 に 限 り 消 防 機 関 に 転 院 搬 送 を 要 請 することも 可 2 一 般 病 院 又 は 1 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 に 転 送 2 一 般 病 院 又 は 1 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 に 転 院 搬 送 3

転 院 搬 送 の 要 件 1 当 該 医 療 機 関 において 治 療 困 難 な 場 合 2 かつ 他 の 専 門 病 院 に 緊 急 に 搬 送 する 必 要 がある 3 他 に 適 当 な 搬 送 手 段 がない 4 医 療 機 関 からの 要 請 による 5 現 に 収 容 している 医 療 機 関 の 医 師 が 原 則 同 乗 ( 転 院 搬 送 は 医 療 機 関 の 責 任 で 行 うものとして 医 師 の 管 理 の 下 患 者 に 適 切 に 対 処 する 必 要 があるため ) 参 考 ) 9 訂 版 例 解 救 急 救 助 業 務 昭 和 49 年 12 月 13 日 消 防 安 第 131 号 広 島 県 総 務 部 長 あて 消 防 庁 安 全 救 急 課 長 回 答 平 成 25 年 11 月 7 日 防 災 -1336 号 秋 田 県 傷 病 者 搬 送 受 入 協 議 会 ( 平 成 25 年 度 第 1 回 )の 概 要 について( 通 知 ) 4

精 神 症 状 の 重 症 度 ( 参 考 ) 症 状 軽 症 重 症 意 識 混 濁 朦 朧 状 態 - 記 憶 障 害 - 幻 覚 妄 想 状 態 ( 独 語 空 笑 知 覚 障 害 など)があるが 行 動 は 左 右 されていない 思 考 障 害 - 感 情 障 不 安 でじっとしていられな 害 い 寂 しい 過 換 気 発 作 疎 通 が 取 れない 目 つきがおか しい 経 験 したことが 思 い 出 せない 新 しい 経 験 や 情 報 を 覚 えられ ない 幻 覚 妄 想 状 態 ( 独 語 空 笑 な ど)があり 行 動 が 左 右 されて いる 思 考 停 止 思 考 散 乱 無 言 無 動 全 身 緊 張 状 態 興 奮 状 態 支 離 滅 裂 な 言 動 行 動 障 害 不 眠 など 暴 力 多 量 飲 酒 5

参 考 対 応 事 例 精 神 科 病 院 対 応 事 例 事 例 1 患 者 )20 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 院 通 院 中 病 名 ) 聴 取 できず 状 況 ) 左 手 首 数 カ 所 をリストカット 発 見 した 家 族 からの 通 報 救 急 隊 到 着 時 には 出 血 は 止 まっており 縫 合 不 要 と 判 断 興 奮 状 態 JCS1 搬 送 先 医 療 機 関 )かかりつけの 精 神 科 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 基 準 と 対 応 中 の 現 場 の 判 断 基 準 ( 以 下 現 場 の 判 断 基 準 という )に 該 当 する 身 体 症 状 無 し 以 上 のことから かかりつけの 精 神 科 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 創 処 置 後 帰 宅 傷 病 名 照 会 結 果 )うつ 病 左 手 首 切 創 傷 病 名 照 会 結 果 )うつ 状 態 左 手 首 切 創 事 例 2 患 者 )50 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 診 療 所 通 院 中 状 況 )2 週 間 ほど 前 から 原 因 不 明 の 不 安 感 が 強 くなり 不 眠 が 続 いていた 動 悸 が 出 現 したため 本 人 自 ら 通 報 搬 送 先 医 療 機 関 ) 精 神 科 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 無 し 以 上 及 び 精 神 科 通 院 歴 もあることから 精 神 科 的 治 療 を 優 先 し 精 神 科 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 精 神 保 健 及 び 精 神 障 害 者 福 祉 に 関 する 法 律 ( 以 下 精 神 保 健 福 祉 法 という )に 基 づく 任 意 入 院 となる 傷 病 名 照 会 結 果 ) 躁 状 態 6

事 例 3 患 者 )40 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 院 通 院 中 病 名 ) 統 合 失 調 症 状 況 ) 自 宅 で 処 方 薬 を 一 度 に10 包 服 薬 し 本 人 自 ら 通 報 JCS2 搬 送 先 医 療 機 関 )かかりつけの 精 神 科 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 無 し 以 上 のこ とから かかりつけの 精 神 科 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 到 着 時 点 でJCS10となったため 精 神 科 病 院 での 対 応 困 難 との 担 当 医 の 判 断 により 一 般 病 院 に 転 送 となった 傷 病 名 照 会 結 果 )うつ 病 一 般 病 院 対 応 事 例 事 例 1 患 者 )60 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 )なし 状 況 ) 昼 食 時 急 に 左 胸 の 痛 みを 訴 えたため 夫 が 通 報 救 急 隊 現 場 到 着 時 は 胸 痛 の 訴 えはなかったが 興 奮 して 過 呼 吸 状 態 以 前 にも 過 呼 吸 になったことがあること を 夫 から 聴 取 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り( 胸 痛 ) 不 穏 せん 妄 状 態 無 し 以 上 のことから 身 体 的 治 療 を 優 先 し 一 般 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 諸 検 査 の 結 果 身 体 疾 患 は 否 定 され 翌 日 以 降 の 精 神 科 受 診 を 勧 められ 帰 宅 傷 病 名 照 会 結 果 ) 過 換 気 症 候 群 7

事 例 2 患 者 )60 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 院 通 院 中 病 名 )うつ 病 状 況 ) 自 宅 でかかりつけ 医 療 機 関 から 処 方 されている 睡 眠 薬 を 大 量 服 薬 後 外 出 自 宅 近 くの 道 路 脇 に 座 り 込 んでいたところを 傷 病 者 の 息 子 が 発 見 し 通 報 救 急 隊 到 着 時 会 話 はできない 状 態 JCS20 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り(JCS2 桁 以 上 の 意 識 障 害 ( 大 量 服 薬 例 )) 不 穏 せん 妄 状 態 無 し 以 上 のことから 身 体 的 治 療 を 優 先 し 一 般 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 身 体 疾 患 治 療 後 引 き 続 き 精 神 科 の 専 門 的 治 療 要 するとの 判 断 で かかりつけ 精 神 科 病 院 に 転 院 となる 搬 送 は 家 族 が 自 家 用 車 で 実 施 傷 病 名 照 会 結 果 ) 薬 物 多 量 服 薬 抑 うつ 状 態 事 例 3 患 者 )30 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 )なし 状 況 ) 数 日 前 から 死 にたい と 口 にしていた 台 所 にて 包 丁 により 自 損 頸 部 から 血 を 流 して 倒 れている 傷 病 者 を 家 族 が 発 見 し 通 報 救 急 隊 現 場 到 着 時 出 血 は 続 いており JCS10 SpO 2 88% 血 圧 40/25mmHg 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 有 り(SpO 2 90% 未 満 ショック 症 状 ) 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り( 縫 合 を 要 する 外 傷 JCS2 桁 以 上 の 意 識 障 害 ) 不 穏 せん 妄 状 態 無 し 以 上 のことから 身 体 的 治 療 を 優 先 し 一 般 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 身 体 疾 患 治 療 後 希 死 念 慮 の 存 在 が 確 認 されたことから 精 神 科 病 院 に 転 院 が 必 要 と 判 断 緊 急 性 があること 現 に 収 容 している 一 般 病 院 に 搬 送 車 がないことから 救 急 隊 を 要 請 し 同 病 院 の 医 師 同 乗 の 下 又 本 人 の 同 意 を 得 た 上 で 転 院 搬 送 し 精 神 保 健 福 祉 法 に 基 づく 任 意 入 院 となった 傷 病 名 照 会 結 果 ) 頸 部 切 創 出 血 性 ショック 8

事 例 4 患 者 )40 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 ( 最 終 受 診 は7か 月 前 ) 病 名 )うつ 病 状 況 )2~3 日 前 から 不 眠 の 訴 えあり 物 音 に 気 づいた 家 族 が 患 者 の 自 室 に 様 子 を 見 に 行 ったところ ロープで 首 を 吊 っているのを 発 見 し 通 報 JCS200 SpO 2 79% 拡 張 期 血 圧 測 定 不 能 低 酸 素 状 態 の 疑 い 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 有 り(JCS200 SpO 2 90% 未 満 ) 不 穏 せん 妄 状 態 無 し 以 上 のことから 一 般 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 した 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 入 院 となる 身 体 症 状 が 改 善 した 後 精 神 疾 患 治 療 を 目 的 として かかりつけ 医 療 機 関 に 転 院 する 方 向 で 調 整 中 傷 病 名 照 会 結 果 ) 縊 首 事 例 5 患 者 )20 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 診 療 所 通 院 中 病 名 ) 統 合 失 調 症 状 況 ) 本 人 の 不 注 意 により 通 所 中 の 障 害 者 施 設 の 屋 外 階 段 から 転 落 し 階 下 で 動 けな くなっているところを 施 設 職 員 が 発 見 し 通 報 左 下 腿 の 骨 折 が 認 められた 精 神 症 状 は 認 められない 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り( 骨 折 ) 不 穏 せん 妄 状 態 無 し 以 上 のことから 身 体 的 治 療 を 優 先 し 一 般 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 した 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 入 院 となる 傷 病 名 照 会 結 果 ) 左 下 腿 骨 開 放 骨 折 9

精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 対 応 事 例 事 例 1 患 者 )50 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 診 療 所 通 院 中 病 名 ) 統 合 失 調 症 状 況 ) 前 日 自 宅 玄 関 で 転 倒 後 から 頭 痛 を 訴 え 普 段 と 様 子 が 違 うことを 心 配 した 家 族 が 翌 日 通 報 救 急 隊 到 着 時 自 発 的 開 眼 あり 時 折 大 声 を 出 して 意 味 不 明 な ことを 叫 ぶ 両 上 肢 除 皮 質 硬 直 様 の 姿 勢 JCS3 外 傷 無 し 搬 送 先 医 療 機 関 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り( 頭 痛 ) 不 穏 有 り 以 上 のことから 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 精 神 保 健 福 祉 法 に 基 づく 医 療 保 護 入 院 となる 傷 病 名 照 会 結 果 ) 統 合 失 調 症 事 例 2 患 者 )30 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 院 通 院 中 病 名 ) 統 合 失 調 症 状 況 ) 自 宅 隣 接 の 物 置 で 倒 れているところを 家 族 が 発 見 して 通 報 傷 病 者 宅 の 自 室 か ら 処 方 薬 の 空 を 大 量 に 発 見 アルコールと 一 緒 に 飲 んだことを 傷 病 者 から 確 認 しきりに 何 かを 手 で 振 り 払 うような 行 動 が 見 られる JCS10 SpO 2 99% 血 圧 98/50mmHg 搬 送 先 医 療 機 関 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り(JCS2 桁 以 上 の 意 識 障 害 ( 大 量 服 薬 例 )) せん 妄 有 り 以 上 のことから 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 精 神 保 健 福 祉 法 に 基 づく 医 療 保 護 入 院 となる 身 体 症 状 快 復 とともに 任 意 入 院 に 入 院 形 態 が 変 更 となる 本 人 かかりつけの 精 神 科 病 院 で の 入 院 治 療 を 希 望 したため 転 院 となる 搬 送 は 家 族 が 自 家 用 車 で 実 施 傷 病 名 照 会 結 果 ) 急 性 薬 物 中 毒 10

事 例 3 患 者 )20 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 )なし 状 況 )1ヶ 月 程 前 から 独 り 言 多 くなり 時 々 興 奮 するようになっていた 近 日 中 に 家 族 が 精 神 科 に 連 れて 行 く 予 定 にしていた 矢 先 自 室 にて 包 丁 で 左 手 首 を 自 損 倒 れているころを 母 親 が 発 見 し 通 報 救 急 隊 到 着 時 大 声 で 死 なせてくれ と 叫 んでいる 状 態 JCS3R 出 血 が 続 いている 状 態 脈 拍 103/ 分 血 圧 120/75mmHg 搬 送 先 医 療 機 関 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 総 合 病 院 実 施 基 準 該 当 の 身 体 症 状 無 し 現 場 の 判 断 基 準 に 該 当 する 身 体 症 状 有 り( 縫 合 を 要 する 外 傷 ) 治 療 への 拒 否 が 見 られ 不 穏 状 態 であったことから 精 神 科 病 床 を 有 す る 総 合 病 院 への 搬 送 が 適 当 と 判 断 搬 送 先 医 療 機 関 で 受 け 入 れ 精 神 保 健 福 祉 法 に 基 づく 医 療 保 護 入 院 となる 身 体 症 状 が 改 善 した 後 精 神 科 病 院 に 転 院 し 引 き 続 き 医 療 保 護 入 院 となる 緊 急 性 がないことから 救 急 隊 は 要 請 せず 家 族 の 同 意 の 下 搬 送 は 現 に 収 容 している 総 合 病 院 の 搬 送 車 で 実 施 傷 病 名 照 会 結 果 ) 左 手 裂 創 統 合 失 調 症 11

アルコール 関 連 対 応 事 例 * アルコール 関 連 の 事 例 については 実 施 基 準 基 準 と 対 応 による 対 応 が 困 難 な 事 例 が 多 いことか ら モデル 事 例 を 基 に その 対 応 について 検 討 委 員 会 で 事 例 検 討 を 行 った 事 例 1 患 者 )60 代 女 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 病 院 病 名 )アルコール 依 存 状 況 ) 朝 から 飲 酒 し 口 渇 嘔 気 気 持 ちの 落 ち 込 みを 主 訴 とした 本 人 からの 通 報 JCS1 アルコール 依 存 症 での 入 院 歴 あり 本 人 が 搬 送 を 強 く 希 望 搬 送 先 医 療 機 関 ) 一 般 病 院 搬 送 先 医 療 機 関 決 定 までの 状 況 照 会 1 回 目 一 般 病 院 に 照 会 かかりつけの 精 神 科 病 院 への 搬 送 の 指 示 あり 照 会 2 回 目 精 神 科 病 院 に 照 会 酔 いが 醒 めた 状 態 及 び 内 科 疾 患 否 定 されなければ 受 入 不 可 照 会 3 回 目 再 度 1 回 目 に 照 会 した 一 般 病 院 に 照 会 受 入 受 諾 救 急 現 場 での 現 状 酩 酊 状 態 の 傷 病 者 は 精 神 科 病 院 では 受 入 不 可 アルコール 依 存 症 の 既 往 があると 一 般 病 院 からは 精 神 科 病 院 搬 送 を 指 示 される 事 例 検 討 検 討 委 員 会 での 検 討 結 果 原 則 は14 頁 の 通 知 のとおりと 考 える アルコールが 入 っている 状 態 で 身 体 症 状 を 訴 える 場 合 は 不 穏 せん 妄 状 態 が 無 ければ まずは 一 般 病 院 で 受 け 入 れてもらい たい 酔 いが 醒 めるまでは 診 るべき ( 不 穏 せん 妄 状 態 があれば 精 神 科 病 床 を 有 す る 総 合 病 院 が 適 当 ) 急 性 アルコール 中 毒 とアルコール 依 存 症 は 違 う アルコール 依 存 症 の 治 療 は 精 神 科 領 域 であるが 急 性 アルコール 中 毒 は 身 体 疾 患 である 精 神 科 病 院 の 場 合 身 体 症 状 を 訴 える 酩 酊 者 への 対 応 は 難 しいことが 多 い 転 倒 による 頭 部 外 傷 やその 他 の 身 体 疾 患 が 陰 に 隠 れている 可 能 性 を 常 に 考 えるべき である 泥 酔 後 の 死 亡 事 例 もある 単 なる 酩 酊 者 であれば 警 察 官 職 務 執 行 法 に 基 づき 酔 いが 醒 めるまで 警 察 で 保 護 で きる 12

事 例 2 患 者 )50 代 男 性 精 神 科 受 診 歴 ) 精 神 科 病 床 を 有 する 病 院 病 名 )アルコール 依 存 状 況 ) 飲 酒 しては 呼 吸 苦 や 頭 痛 など 何 らかの 身 体 疾 患 を 主 訴 として 救 急 隊 を 要 請 す る 搬 送 先 医 療 機 関 決 定 までの 状 況 当 初 はかかりつけの 精 神 科 病 院 で 受 入 受 諾 していたが 搬 送 回 数 が 頻 回 であること 毎 回 身 体 的 異 常 は 認 められないことから 最 近 は 主 治 医 が 受 入 に 消 極 的 である しか し 傷 病 者 本 人 は 搬 送 を 毎 回 強 く 希 望 する 激 しく 暴 れることもないため 警 察 への 協 力 も 要 請 できない 救 急 現 場 での 現 状 救 急 隊 は 要 請 があれば 出 動 せざるを 得 ない また 医 療 機 関 に 搬 送 することが 原 則 と なるため 対 応 に 苦 慮 している 事 例 検 討 検 討 委 員 会 での 検 討 結 果 アルコールの 対 応 困 難 事 例 には 不 定 愁 訴 を 訴 える 者 も 少 なくないので 非 常 に 悩 ま しい 事 例 であることは 意 見 が 一 致 するところである 治 療 方 針 等 各 医 療 機 関 の 実 情 があることも 十 分 理 解 できる このような 事 例 は 医 療 機 関 の 種 別 に 関 わらず かかりつけに 受 け 入 れる 努 力 をし てもらいたい こういった 状 態 になる 前 に(ならないように) 日 頃 の 治 療 で 十 分 なコンサルティン グができることが 理 想 ではある 13

参 考 ) アルコール 症 者 及 び 酩 酊 者 の 入 院 取 扱 いについて 昭 和 63 年 11 月 11 日 健 医 精 発 第 41 号 各 都 道 府 県 衛 生 主 管 部 ( 局 ) 長 あて 厚 生 省 保 健 医 療 局 精 神 保 健 課 長 通 知 標 記 について 別 紙 第 1 の 岡 山 県 からの 照 会 に 対 し 別 紙 第 2 のとおり 回 答 したので 御 了 知 願 います 別 紙 第 1 昭 和 63 年 6 月 15 日 公 衛 第 251 号 厚 生 省 保 健 医 療 局 精 神 保 健 課 長 あて 岡 山 県 環 境 保 健 部 長 照 会 昭 和 63 年 5 月 13 日 付 け 健 医 発 第 575 号 保 健 医 療 局 長 通 知 により 昭 和 36 年 8 月 16 日 付 け 衛 発 第 659 号 精 神 障 害 者 措 置 入 院 及 び 同 意 入 院 取 扱 要 領 が 廃 止 されたことに 伴 い 左 記 について 疑 義 が 生 じましたので 何 分 の 御 回 答 をお 願 いします 記 11 アルコール 症 者 の 入 院 医 療 は いずれの 入 院 形 態 を 採 るべきか 任 意 入 院 を 採 って 差 し 支 えないものか それとも 精 神 保 健 法 第 三 条 の 規 定 外 疾 患 として 一 般 医 療 として 取 り 扱 うべ きか 22 酩 酊 者 ないしは 酒 乱 者 の 入 院 依 頼 があつた 際 診 察 も 本 人 の 同 意 の 意 思 確 認 もできない ときは 人 権 保 護 の 観 点 等 から この 状 態 のままで 本 人 の 同 意 のない 入 院 形 態 を 採 ることには 問 題 がある このため このような 場 合 には 警 察 官 職 務 執 行 法 第 三 条 により 警 察 で 一 時 保 護 し 酔 いが 覚 めた 段 階 で 診 察 し 入 院 の 要 否 採 るべき 入 院 形 態 等 を 判 断 すべきものと 考 えるがどうか 別 紙 第 2 昭 和 63 年 11 月 11 日 健 医 精 発 第 40 号 岡 山 県 環 境 保 健 部 長 あて 健 医 局 精 神 保 健 課 長 回 答 昭 和 63 年 6 月 15 日 公 衛 第 251 号 をもつて 照 会 のあつた 標 記 については 左 記 のとおり 回 答 します 記 11 アルコール 依 存 症 者 については 精 神 症 状 を 有 する 場 合 に 精 神 保 健 法 を 適 用 すること 22 酩 酊 者 又 はでい 酔 者 については 家 族 等 から 入 院 依 頼 があつた 場 合 精 神 科 的 診 察 が 可 能 となった 時 点 で 精 神 保 健 法 の 適 用 の 当 否 を 判 断 すること なお それ 以 前 の 医 療 行 為 については 医 療 法 に 基 づいた 一 般 医 療 に 準 じて 行 うこと 14

秋 田 県 精 神 科 救 急 搬 送 及 び 受 入 れ 対 応 事 例 集 検 討 委 員 会 関 係 者 名 簿 氏 名 役 職 名 備 考 阿 部 正 人 市 立 秋 田 総 合 病 院 精 神 科 科 長 市 立 秋 田 総 合 病 院 推 薦 ( 総 合 病 院 精 神 科 ) 伊 藤 博 之 秋 田 市 消 防 本 部 救 急 課 長 補 佐 秋 田 県 消 防 長 会 推 薦 草 薙 宏 明 秋 田 大 学 医 学 部 附 属 病 院 精 神 科 助 教 秋 田 大 学 医 学 部 附 属 病 院 推 薦 齊 藤 研 平 鹿 総 合 病 院 副 院 長 佐 藤 浩 徳 秋 田 緑 ヶ 丘 病 院 医 局 長 藤 田 康 雄 秋 田 赤 十 字 病 院 救 命 救 急 センター 長 オブザーバー 平 鹿 総 合 病 院 推 薦 ( 救 急 告 示 病 院 ) 日 本 精 神 科 病 院 秋 田 県 支 部 推 薦 秋 田 赤 十 字 病 院 推 薦 ( 救 急 告 示 病 院 ) ( 五 十 音 順 ) 氏 名 役 職 名 清 水 徹 男 秋 田 大 学 医 学 部 附 属 病 院 精 神 科 教 授 水 俣 健 一 市 立 秋 田 総 合 病 院 副 院 長 石 井 伸 一 警 察 本 部 生 活 安 全 部 生 活 安 全 企 画 課 課 長 補 佐 関 係 資 料 秋 田 県 精 神 科 救 急 医 療 体 制 整 備 事 業 実 施 要 綱 ( 平 成 12 年 6 月 1 日 施 行 最 近 改 正 平 成 23 年 4 月 1 日 秋 田 県 健 康 福 祉 部 障 害 福 祉 課 ) 傷 病 者 の 搬 送 及 び 受 入 れの 実 施 基 準 ( 平 成 23 年 3 月 1 日 施 行 最 近 改 正 平 成 26 年 11 月 20 日 秋 田 県 総 務 部 総 合 防 災 課 ) 15