日本 不 動産 学 会 誌/第5巻 第1号 1989.8 大 都 市圏 に お け る住 宅 ス ト ッ ク形 成 に 関す るSD モ デ ル に よ る戦 後 日本 の 住宅 政 策 の 分析(II) 図-1住 宅 ス トッ ク形 成 モ デ ル の基 本 的 枠 組 み 51
日本 不 動 産 学 会 誌/第5巻 第1号 1989.8 大 都 市圏 に お け る住 宅 ス ト ック形 成 に 関す るSD モ デル に よ る戦 後 日本 の 住宅 政 策 の 分析(II) る と,非木 造 建 築 費 が相 対 的 に高 か っ た時 期 で は, そ れが 非 木 造 住 宅 の建 設 実 現 率(α)を 59 資 金 調 達 環 境 の改 善 につ い て,す で に1)-(a) 抑制す る 節 で 分析 した 同様 な 内容 につ い て は ここで は省 要 因で あ っ た そ して,非 木 造 と木 造 建 設 費 の 接 く こ とに す る 以 上 を ま とめ る と,30年 代 と40年 近 が そ の抑 制 の作 用 を弱 め た さ らに 宅 地 供 給 代 前 半 にお い て は資 金 調 達 の条 件が 厳 しか っ たた 量 の減 少,地 価 の上 昇 は一 戸 建 住 宅 の 建 設 実 現 率 め,供 給 側 の 実現 条 件 が不 充 分 で あ っ て建 設 実 現 (α)を 低 め て きた が,一 方 で は,建 築 主 が 高 価 な 率(α)を 土 地 取 得 費 に対 して,経 営上 採算 が取 れ る よ うに, と ころが,公 的 資 金 供給 が 不足 して い て も,小 規 中 高 層 住 宅 を建 設 せ ざる を得 な い こ とにな り,結 模 な借 家 に とって 大 きな 支 障 に は な らな か っ た 果 的 に は非 木 造 住 宅 の建 設 実 現 率(α)を (c)経 営 組 織 と経 営 者 経済 力 高 める 低 くす る作 用 が あ った と考 え られ る 木 造 共 同建 住 宅 と非 木 造 民 間 借 家 の建 設 実 現 率 刺 激 要 因 とな って い る (α)を 作 用 す る要 因 につ い て は,借 家経 営 者 の (b)供 給 側 の資 金 調 達 個 人 借 家建 築 主 の建 設 資 金 源 構 成 を み る と,40 組 織,規 模 及 び経 済 能 力 が 重 要 な 側 面 とな って い 年 代 で は,借 入金 の割 合 が個 人 持 家 建 築 主 に比 べ る こ こで は,タ イ プ別 借 家 住 宅 経 営 者 の組 織 形 て きわ め て低 く,一 戸 当 た りの建 設 費 は きわ め て 態,経 営 規 模 な どに お け る相 違 を明 ら か に し た 低 い(表-6) 45年 上,経 営 者 側 の変 化 の面 か ら,木 造 共 同 建 と非木 24.2%し 時 点 で は,借 入金 の割 合 が か な か った 50年 代 に入 る と,借 入金 の 割 合 が大 幅 に伸 びて きた この こ とに は三 つ の原 因 が あ る と老 え られ る 第1に,次 の と ころで 分 造 民 間 借家 の建 設 実 現 率(α)を みて み る 建 設 省 と住 宅 公 団 な どの調 査 報 告*3) *7)によれ ば,民 間木 造 共 同建 住 宅 経 営 者 と民 間RC造 賃貸 析 を行 うが,借 家建 築 主 の うち,高 所 得 層 の者 と 住 宅 経 営 者 の相 違 は以 下 の よ うに ま とめ る こ とが 会 社 の 役 員 な どが 多 い ま た,土 地 所 有 者 で,自 で き る 木 造 共 同建 住 宅 の場 合*4),個 人 経 営 者 が 分 の敷 地 で借 家 を建 設 す る者 が ほ とん ど で あ っ 97%を て,土 地 取 得 費 が 少 な い 第2に,40年 多 い アパ ー トが 同一 敷 地 内 ま た は近 隣 にあ るい 代 では小 占め て お り,農 家,一 般 雇 用 者 の 経営 者 が 規 模 な 木 造 共 同 建 借 家 が圧 倒 的 に数 が 多 か った わ ゆ る 庭 先 ア パ ー ト が多 く,経 営 規 模 が1件 50年 代 か らの 借 入金 の 割 合 が 急 に伸 び た の は,木 当 た り6.9戸 で,建 設 費 が500万 円で 小 規 模 の もの 造 共 同 建 住 宅 か ら非 木賃 貸 住 宅 に 変 わ っ て き た で あ る これ に対 して,民 間RC賃 際,建 築 の 規 模 の 変 化 に よ って よ り多 くの資 金 を 必 要 とす る こ とを意 味 して い る 第3に,個 人借 図-8住 貸住宅の場合 宅 洪給 開始時期別 に見 た企業数の累積 家 建 築 主 に対 す る公 的援 助政 策 は個 人 持 家 に比 較 して,相 対 的 に低 水 準 に とど ま って い る 例 え ば 52年 時 点 で,個 人 持 家 建築 主 の場 合,公 庫 か らの 借 入 金 の割 合 が17.5%で あ っ たの に対 して,個 人 借 家 建 築 主 の場 合,わ ず か4.7%で あ った 融 資 制 度 と して主 に,住 宅金 融 公 庫 の 一般 中高 層 と土 地 担 保 賃 貸(お よ び特 定 土 地 担 保賃 貸),住 宅 公 団 の民 営 賃 貸 特 定 分 譲 住宅,及 び国(地 方 自治 体) の農 地 所 有 者 な どへ の賃 貸 住 宅 建 設融 資 利 子 補 給 制 度 が あ るが,50年 代 の ピー クの 場合 で も,そ の 融 資 の合計 が5万 戸/年 前後 しか な い 資料:建 設省 住宅供 給企業 の住宅建設動向調査 注:昭 和45年全 国住宅供給企業 の うち391件を調査 したもの 棒グ ラフの高さは各時点 におけ る住宅供給企業数の累 積を表 す :そ の うち前期か ら当期 まで の間に新規に住宅供給を開始 し た企業 数