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第 2 章 対象事業の目的及び内容

第 2 章対象事業の目的及び内容 2.1 対象事業の目的我が国のエネルギー政策のグランドデザインは 慎重に描く必要性がある一方で 国内の電力需給は 今後数年間 厳しい状況が継続する見通しであり 一日も早い新規電源の開発が求められている 加えて 東日本大震災以降 原子力発電所の稼働率の低下により ベース電源の確保の重要性も高まっている このような中 釧路市では国内で唯一の坑内掘石炭採掘を行っており 地元産資源の有効活用を目指すとともに 省エネルギーの推進にも力を入れている 本事業は これらの背景を踏まえ 石炭を始めとする地元産資源を最大限に生かした新規電源開発を通じて 釧路市の産業 市民への安定的かつ安価な電力供給や地域経済の活性化を実現し エネルギーを通じた地域創出 を目指すものである また 地球温暖化対策の観点から 木質チップを活用したバイオマス混焼によって CO 2 排出量を削減するとともに 地元産石炭燃料を利用することによる輸送エネルギーの削減や 発電の過程で発生する余剰蒸気等副次的なエネルギーを地元企業へ提供することで 地球環境及び地域環境の保全に貢献する事業を展開する計画である 上記のような志のもと 株式会社 IDIインフラストラクチャーズが運営する投資事業有限責任組合を事業主体として 株式会社釧路火力発電所を設立し 木質バイオマスの混焼を可能とする石炭焚火力発電事業を進めるものである 2-1

2.2 対象事業の内容 1. 事業の名称 釧路火力発電所建設事業 2. 事業の種類 火力発電所の設置の工事 3. 事業の規模 発電出力 :112,000kW 4. 対象事業実施区域対象事業実施区域の位置及びその周辺の状況は 第 2-1 2 図のとおりである 所在地 : 北海道釧路市興津 1 丁目 14 番対象事業実施区域 : 約 50,000m 2 発電所の対象事業実施区域は 興津変電所隣地の工業地域にある太平洋炭礦株式会社の所有地 ( 約 90,000m 2 ) のうち 約 50,000m 2 を敷地とし その他の一部は工事中の資材置場 仮設現場事務所等の用地として 一時使用する 2-2

第 2-1 図 対象事業実施区域の位置 2-3

第 2-2 図 (1) 対象事業実施区域の位置及び周辺の状況 2-4

第 2-2 図 (2) 対象事業実施区域の位置及び周辺の状況 国土地理院撮影の空中写真 (2003 年撮影 ) ( 国土地理院ホームページ 平成 27 年 7 月現在 ) より作成 2-5

第 2-2 図 (3) 対象事業実施区域の位置及び周辺の状況 国土地理院撮影の空中写真 (2003 年撮影 ) ( 国土地理院ホームページ 平成 27 年 7 月現在 ) より作成 2-6

5. 事業の諸元 並びに事業に係る建造物等の構造及び配置 (1) 発電所の配置計画 発電所の配置計画の概要は 第 2-3 図に示すとおりである 第 2-3 図 発電所の配置計画 2-7

(2) 設備諸元 事業に伴って設置する主要な設備の諸元は 第 2-1 表に示すとおりである また 発電設備の概念図は第 2-4 図に示すとおりである 第 2-1 表設備諸元 ボイラ タービン 発電機 項目型式蒸気発生量型式出力冷却方式型式容量 諸元概要循環流動層ボイラ約 380t/h 再熱式復水タービン約 112,000kW 空気冷却方式三相交流同期発電機約 125,000kVA 2-8

第 2-4 図 発電設備の概念図 2-9

(3) 発電用燃料の種類発電用燃料は 石炭を主体としてバイオマス ( 木質チップ ) との混焼であり バイオマスの混焼率は 最大で30%( 発熱量ベース ) を想定している 燃料の種類と年間使用量は 第 2-2 表に示すとおりである 第 2-2 表発電用燃料の種類と年間使用量 燃料の種類 石炭 バイオマス ( 木質チップ ) 年間使用量 約 20~25 万トン 約 10~30 万トン 注 : 点火用燃料として A 重油を使用する計画である (4) ばい煙に関する事項発電用燃料は 石炭を主体としてバイオマス ( 木質チップ ) との混焼であり バイオマスの混焼率が変化しても 排ガス処理設備等の調整を行うことにより ばい煙の諸元は設計値を維持する計画である ばい煙に関する諸元は 第 2-3 表に示すとおりである 第 2-3 表ばい煙に関する諸元 項目単位諸元備考 煙突排出ガス量煙突出口ガス硫黄酸化物窒素酸化物ばいじん 頂部内径 m 約 3.2 地上高 m 約 55 湿り m 3 N/h 約 550,000 乾き m 3 N/h 約 500,000 温度 約 150 速度 m/s 約 19 排出濃度 ppm 約 175 炉内脱硫 排出量 m 3 N/h 約 88 排出濃度 ppm 約 100 無触媒脱硝 排出量 m 3 N/h 約 50 排出濃度 mg/m 3 N 約 30 排出量 kg/h 約 15 電気式集じん器またはバグフィルター 注 : 排出濃度は 乾きガスベースで O 2 濃度が 6% の換算値である 2-10

(5) 用水に関する事項用水のフローは 第 2-5 図に示すとおりであり プラント用水は釧路市上水道及び水供給会社から 生活用水は釧路市上水道から供給を受ける計画である 全ての用水は 発電所構内において供給を受ける計画であり 用水に関する事項は 第 2-4 表に示すとおりである 第 2-4 表 用水に関する事項 項目単位発電所合計 プラント用水 生活用水 日最大使用量 m 3 / 日約 8,400 日平均使用量 m 3 / 日約 7,300 取水源 ( 計画 ) - 釧路市上水道 水供給会社 日最大使用量 m 3 / 日約 10 日平均使用量 m 3 / 日約 5 取水源 ( 計画 ) - 釧路市上水道 第 2-5 図 用水フロー 釧路市上水道 400~1,400m 3 / 日 水供給会社 最大 7,000m 3 / 日 5m 3 / 日 上水タンク 原水タンク 水処理排水 800m 3 / 日 水処理装置 生活用水 純水タンク 所内用水タンク 補給水 300m 3 / 日 ボイラ 循環 9,120m 3 / 日 タービン 復水器 補給水 6,200m 3 / 日 循環 48 万 m 3 / 日 冷却塔 蒸発 5,400m 3 / 日 ブロー水 300m 3 / 日 ブロー水 800m 3 / 日 排水処理装置 釧路市公共下水道 0~300m 3 / 日 1,600~1,900m 3 / 日 釧路コールマイン ( 選炭水用温水供給 ) 2-11

(6) 冷却水に関する事項復水器は 所内用水を使用した水循環冷却 - 冷却塔方式を採用する計画である 冷却塔の運転により 水蒸気白煙が発生することが考えられることから 白煙発生の防止対策を検討する また 冷却塔のブロー水は 他のプラント排水と同様に適切に処理する計画である 第 2-5 表復水器に関する諸元 項目 単位 仕様 冷却方式 - 水循環冷却 - 冷却塔方式 循環水量 m 3 /h 約 20,000 補給水量 m 3 / 日 約 6,200 冷却水ブロー水量 m 3 / 日 約 800 循環水温度差 6 (7) 一般排水に関する事項発電設備からのプラント排水については 発電所内の排水処理設備において適切に処理して釧路市公共下水道へ排水する計画であり 一部は釧路コールマイン株式会社に温水供給し 選炭水等として有効利用する計画である また 生活排水については 釧路市公共下水道へ排水する計画である 一般排水に関する事項は 第 2-6 表のとおりである 第 2-6 表 一般排水に関する事項 項目単位発電所合計 プラント排水 排水の方法 - 発電所内の排水処理設備で適切に処理して釧路市公共下水道へ排水する計画であり 一部は釧路コールマイン株式会社に温水供給し 選炭水等として有効利用する計画 排水量 日最大約 2,200 m 3 / 日日平均約 1,900 排水の方法 - 釧路市公共下水道へ排水する計画 生活排水 排水量 日最大約 10 m 3 / 日日平均約 5 2-12

(8) 工事の完了後 ( 発電所の運転開始後 ) の交通に関する事項 1 主要な陸上交通ルート発電所の運転開始後には 従業員の通勤車両 発電所の補修用資材等及び薬品等の運搬車両等があり 主要な陸上交通ルートは第 2-6 図のとおり 一般国道 38 号 主要地方道の釧路環状線 ( 道道 113 号 ) 及び市道を利用する計画である また 発電燃料として主に使用する石炭 ( 国内炭 ) と発電所の運転に伴って発生する燃焼灰は 釧路コールマイン株式会社の選炭工場と発電所間をトラックにより運搬する計画である バイオマス ( 木質チップ ) 及び必要に応じて調達する石炭 ( 海外炭 ) は 釧路港西港区 東港区及び南港区から 一般国道 38 号 主要地方道の釧路環状線 ( 道道 113 号 ) 一般地方道の釧路西港線( 道道 860 号 ) 及び市道を利用して運搬する計画である 2 主要な海上交通ルート運転開始後の主要な海上交通ルートは 第 2-6 図のとおりであり 発電燃料のうち 石炭 ( 海外炭 ) は釧路港西港区 バイオマス ( 木質チップ ) は釧路港西港区 東港区及び南港区まで海上輸送する計画である 2-13

第 2-6 図工事の完了後 ( 発電所の運転開始後 ) 及び工事の施工中の主要な交通ルート 2-14

6. 事業に係る工事計画の概要 (1) 工事の概要発電所計画地は 既存の造成地に地盤改良等を行い 敷地の整地を行う 主要な工事としては 基礎 建屋工事 蒸気タービン 発電機等の機械装置据付工事等がある (2) 工事工程 工事工程計画の概要は 第 2-7 表のとおりであり 着工から運転開始まで約 2 年 3 ヶ月を 計画している 第 2-7 表 工事工程計画 年月数 1 年次 2 年次 3 年次 項目 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 基礎 建屋工事 発電プラント工事 水圧 火入れ通気 試運転 運転開始 (3) 工事の施工中の交通に関する事項 1 主要な陸上交通ルート工事の施工中の主要な陸上交通ルートは 第 2-6 図のとおりであり 工事用資材 小型機器等の搬入車両 廃棄物等の搬出車両及び工事関係者の通勤車両等は 一般国道 38 号 主要地方道の釧路環状線 ( 道道 113 号 ) 及び市道等を利用する計画である 2 主要な海上交通ルート工事の施工中の海上交通ルートは 第 2-6 図に示すとおりであり ボイラ タービン 発電機 変圧器 鉄骨類等の大型重量物を海上輸送により釧路港西港区を利用する計画である (4) 工事の施工中の排水施工箇所から発生する建設工事排水は 仮設排水処理装置により適切に処理した後 対象事業実施区域に隣接する排水口を通じて釧路市公共下水道に排出する計画である また 未施工場所の雨水は 対象事業実施区域内にある既設の釧路市雨水排水監視槽へ放流する計画である 2-15

7. その他の環境に関する事項 (1) 悪臭に関する事項工事の完了後 ( 発電所の運転開始後 ) において 無触媒法による窒素酸化物低減のため アンモニアまたは尿素をボイラ内に注入するが 適正な維持管理によって漏洩を防止する (2) 騒音 超低周波音 振動に関する事項 1 騒音主要な騒音発生機器は 蒸気タービン 発電機 主変圧器 復水器冷却塔 空気圧縮機等であり これらは主に屋内への設置や防音壁の設置等により騒音の低減に努める 2 超低周波音 主要な超低周波音発生機器は 主変圧器及び復水器冷却塔であり これらは防音壁の 設置等により超低周波音の低減に努める 3 振動 主要な振動発生機器は 蒸気タービン 発電機 復水器冷却塔 空気圧縮機等であり これらは強固な基礎の上への設置等により振動の低減に努める (3) 地盤沈下 工事の施工中及び完了後 ( 発電所の運転開始後 ) において 地盤沈下の原因となる地 下水の汲み上げは行わない (4) 土壌汚染 工事の施工中及び完了後 ( 発電所の運転開始後 ) において 土壌汚染の原因となる物 質は使用しない (5) 緑化対策発電所敷地においては 工場立地法 ( 昭和 34 年法律第 24 号 ) に基づき 必要な緑地を確保するとともに 周辺の景観や自然環境等を考慮し 適切な緑化を行い 維持管理に努める計画である (6) 廃棄物 残土 1 工事の施工中の廃棄物 残土工事の施工中に発生する廃棄物は 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 ( 平成 12 年法律第 104 号 ) 及び 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ( 昭和 45 年法律第 2-16

137 号 ) 等に基づいて適切に処理を行う計画である 工事に伴い発生する掘削土は 対象事業実施区域で埋戻し及び盛土として利用する計 画であり 対象事業実施区域から残土の発生はない 2 工事の完了後 ( 発電所の運転開始後 ) の廃棄物工事の完了後 ( 発電所の運転開始後 ) に発生する焼却灰 ( ボトムアッシュ フライアッシュ ) 等は 釧路コールマイン株式会社の坑内充填材 ( 坑道の埋戻し ) 等として適正な処理を行う計画である また その他の廃棄物は 極力再資源化に努めるほか 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ( 昭和 45 年法律第 137 号 ) に基づいて有効利用及び適正な処理を行う計画である (7) 二酸化炭素石炭及びバイオマス ( 木質チップ ) を混焼できる設備としては 熱効率の高い最新鋭かつ 世界最高水準の効率の発電技術を採用することに努め 発電電力量当たりの二酸化炭素排出量の低減を図る計画である 2-17