目次 1. 調査の概要 4 2. 調査結果のまとめ 2.1. 費用 工期 8 3. 調査フロー 9 4. 費用の考察 4.1. FC 工事 送電線工事 変圧器工事 工期の考察 5.1. FC 工事 送電線工事

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目次 1. 調査の概要 4 2. 調査結果のまとめ 2.1. 費用 6 2.2. 工期 8 3. 調査フロー 9 4. 費用の考察 4.1. FC 工事 10 4.2. 送電線工事 12 4.3. 変圧器工事 16 5. 工期の考察 5.1. FC 工事 18 5.2. 送電線工事 19 5.3. 変圧器工事 22 6. リスク分析 23

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1. 調査の概要 - 調査対象工事 - 東京中部間連系設備の送電線工事 周波数変換装置 (FC) 工事 変圧器工事について 過去の実績値や参考値を基に当法人にて作成したモデルを軸に 実施案として提出された費用及び工期について 比較 分析を行った - 東京中部間連系の概略ルート - FC とは別の要因の地内系統の増強を前提とした 基本要件の一部変更案に基づき 6 については 下記に変更 6 275kV 送電線新設 佐久間地点 ( 新設 )~275kV 送電線 ( 乙 )2 回線 1km 程度 9 275kV 送電線 ( 乙 ) 増強他 ( 地内系統の増強 ) 佐久間発電所 ~ 東栄変電所 2 回線 13km 程度 以下を追加 10 500/275kV 変圧器増設 ( 地内系統の増強 ) 東栄変電所 1,500MVA 2 台 基本要件 一部変更案 東栄 至東部 275kV 送電線 ( 乙 ) 275kV 送電線 ( 甲 ) 平成 27 年 9 月 30 日に公表した 東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画基本要件及び受益者の範囲 参照 至駿遠 静岡幹線 佐久間 FC 至静岡 その他の工事概要は基本要件から基本的には変更無し 4 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

1. 調査の概要 - 調査対象工事 ( リスト )- 実施案として提出された工事は FC2 箇所 送電線 5 箇所 変圧器 3 箇所の計 10 箇所 区分 No. 場所対策工事概要実施主体 FC 送電線 1 佐久間 30 万 kw 1 台 B 社 2 東清水 30 万 kw 2 台 C 社 3 送電線甲 275kV 123km(2 回線 ) B 社 4 佐久間 ~ 送電線甲 275kV 1km(2 回線 ) B 社 5 東清水 ~ 送電線甲 275kV 13km(2 回線 ) A 社 (6) 佐久間 ~ 静岡幹線 500kV 4km(2 回線 ) C 社 6 佐久間 ~ 送電線乙 275kV 他 1km(2 回線 ) B 社 9 送電線乙 275kV 14km(2 回線 ) B 社 3 と 4 の見積りが分離されていない かつ 4 の距離が短いため 3 と 4 をまとめて扱う 6 と 9 の見積りが分離されていない かつ 6 の距離が短いため 6 と 9 をまとめて扱う 7 新富士変電所 500/275kV 1,500MVA 1 台 275kV 送電線引出口増強 2 回線 A 社 変圧器 8 静岡変電所 500/275kV 1,000MVA 1 台 C 社 10 東栄変電所 500/275kV 1,500MVA 2 台 275kV 送電線引出口増設 1 回線 275kV 送電線引出口増強 1 回線 C 社 5 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

2. 調査結果のまとめ 2.1. 費用 - モデルと実施案の総額比較 - 当法人でモデルを作成したところ 費用総額は平均値で 2,274 億円となった 一方 今回提出された実施案の総額は 2,077 億円であり モデルよりも約 1 割弱低い金額となった モデルと実施案の費用総額には 関連する地内系統整備工事費 ( 億円 ) を含む費用 [ 億円 ] 区分 No. 場所工事内訳モデル * 実施案 FC 送電線 変圧器 1 2 3+4 5 6 +9 7 8 10 佐久間 東清水 送電線甲 佐久間 ~ 送電線甲 東清水 ~ 送電線甲 佐久間 ~ 送電線乙 送電線乙 新富士変電所 静岡変電所 東栄変電所 6 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査 FC(30 万 kw 1 台 ) 引出設備 設置工事 建築 土木工事 調相設備等 FC(30 万 kw 2 台 ) 引出設備 設置工事 建築 土木工事 調相設備等 送電線工事 (124km) 電磁誘導対策 用地取得費 調査費等 除却費 ** 送電線工事 (13km) 電磁誘導対策 用地取得費 調査費等 除却費 ** 送電線工事 (15km) 電磁誘導対策 用地取得費 調査費等 除却費 ** 変圧器 (1,500MVA 1 台 ) 設置工事 引出設備 設置工事 母線工事 電気 土木工事等 変圧器 (1,000MVA 1 台 ) 設置工事 電磁誘導対策等 その他 変圧器 (1,500MVA 2 台 ) 設置工事 引出設備 設置工事 母線工事 電気 土木工事 電磁誘導対策等 その他 - 佐久間発電所引出設備 電気 建築工事等 費用 ( 総額 ) 2,274( 平均 ) 2,077 * ( 平均値 - 標準誤差 )~( 平均値 + 標準誤差 ) : モデルを作成した部分 次ページにてモデルと実施案の比較を図示 ( 変圧器 7 10の引出設備以外 ) 斜体数字 : 数字はデフォルト値を記載 ** 除却費についても 過去実績のばらつきの範囲内に収まることを確認した

2. 調査結果のまとめ 2.1. 費用 - モデルと実施案の差分比較 - 東京中部間連系設備工事の内 最も価格の高い送電線工事の実施案 (3+4) は モデルの平均値と比べて 億円程低い価格となった ( 億円 ) 本工事は 山間部の直線ルートであること等により コスト高となる要因が少ないため モデルの平均値と比べて 実施案は億円程低い モデル 実施案 モデルのばらつき : 平均値 ± 標準誤差 モデルの平均値 + 標準誤差よりも実施案の方が高いが 超過分は 6 +9 と 7 の両方で 総額の 0.5% と小さい ( 差異の考察は後述 ) 平均値を使用した理由 : 最もデータ数の多い送電線工事について 実績データの分布形状から判断 標準誤差を使用した理由 : データ数 (N) の平方根で割る分 標準偏差よりもばらつきが小さくなるため より精緻な比較が可能 1 2 3+4 5 6 +9 7 8 10 30 万 kw 1 台 30 万 kw 2 台 124km 13km 15km 1,500MVA 1 台 1,000MVA 1 台 FC 工事送電線工事変圧器工事 1,500MVA 2 台 7 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

2. 調査結果のまとめ 2.2. 工期 当法人にて想定する工期モデルと比較して 送電線工事の実施案 10 年は モデルの範囲内に収まっている 一方で 用地取得や作業員不足等の遅延リスクも想定されることから 対策を事前に検討する必要がある FC については 汎用品ではないことから事前検討と設計 開発に時間がかかるものの 東京中部間工事全体の工程 10 年に収まる工程である 区分 No. 場所対策工事概要 モデル 工期 実施案 対象工程 FC 送電線 1 佐久間 30 万 kw 1 台 6~10 年 2 東清水 30 万 kw 2 台 10 年 3+4+ 6 +9 送電線甲 佐久間 ~ 送電線甲 佐久間 ~ 送電線乙 送電線乙 275kV 139km 5 東清水 ~ 送電線甲 275kV 13km 8~12 年 8 年 FC の受注前設計 受注後設計 製作 土木 建築工事 施工 試験 10 年 ( 調査測量 用地取得に係る期間を除く ) 調査測量 関係法令許認可 用地取得 設計 製作 施工 試験 7 新富士変電所 1,500MVA 1 台 5 年 変圧器 8 静岡変電所 1,000MVA 1 台 - 5 年 10 東栄変電所 1,500MVA 2 台 9 年 変圧器の設計 製作 土木工事 施工 試験 8 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

3. 調査フロー まず 当法人にて 過去の実績値や参考値等の比較データを基に 相関分析等により統計処理を行った上でモデルを作成した 作成したモデルは 有識者にヒアリングすることで 内容の精査を行った 次に 事業実施主体が提出した実施案の費用及び工期が モデルのばらつきの範囲内に収まっているかどうかを比較 分析すると共に 各工程におけるリスク分析を行った データ収集モデルの作成比較 分析 費用と工期の比較 分析を行うために 調査対象データ ( 実施案 ) と比較データを収集した 調査対象データ ( 実施案 ) FC 工事 (1 2) 送電線工事 (3 4 5 6 6 9) 変圧器工事 (7 8 10) 比較データ FC 工事 : 過去の実績データ及び国内メーカー参考値 送電線工事 : 過去の実績データ 変圧器工事 : 過去の実績データ 費用 工期の因子となるパラメータについて 相関分析等の統計処理を行いモデルを作成した 統計処理 費用 工期に影響を与えるパラメータの相関分析 平均値とばらつき ( 標準誤差 ) の算定 モデルの作成 単価及び費用内訳モデル 積上げモデルによる標準工期モデルの作成 ヒアリングによるモデルの精査 電気事業者 施工設計会社及び関係団体 : 3 社 機器メーカー : 2 社 費用 工期の比較 実施案の費用 工期が 当法人にて作成したモデルのばらつき ( 平均値 ± 標準誤差 ) の範囲内に収まっているかどうかを分析した リスク分析 調査測量 用地取得 設計 製作 施工の工程毎に リスク要因を調査した リスク軽減可能性や軽減手法 ( 案 ) について分析を行った 定量評価が可能な施工については 工期の積上げモデルを用いて 作業員確保のリスク分析を行った 9 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.1. FC 工事 (1/2) - モデルの作成 - 過去の実績データ及び参考値を基にFC 工事のkW 単価を算定したところ 30 万 kwで 万円 /kw 60 万 kwで 万 円 /kwとなり FCの容量が大きい方が kwあたりの単価が安くなる傾向となった 当法人にて作成した費用構造モデルでは 機器費が全体の約 8 割程 据付工事費及び現地試験費は 1~2 割程となった FC 工事費用の過去実績データ及び参考値 FC 工事の費用構造モデル * 単価 ( 万円 /kw) 5~10% 10~20% その他経費 据付工事費 現地試験費 kw あたりの単価 30 万 kw 60 万 kw 過去の実績データ及び参考値 万円 /kw 万円 /kw 75~85% 機器費 (FC 引出設備 ) FC と引出設備の割合は 9:1 0 30 60 容量 ( 万 kw) * 過去の実績データやヒアリング結果を基に トーマツ推定 両図共 建築 土木工事費用を除く 10 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.1. FC 工事 (2/2) - モデルと実施案の比較 - 当法人で作成したモデルと比較して 実施案の見積りは 佐久間 (1) 及び東清水 (2) 共に ばらつきの範囲内 ( 平均値 ± 標準誤差 ) に収まった FC 工事費用の比較 (30 万 kw) FC 工事費用の比較 (60 万 kw) ( 億円 ) ( 億円 ) 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) モデル 1 佐久間 モデル 2 東清水 実施案 実施案 両図共 建築 土木工事費用を除く 11 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.2. 送電線工事 (1/4) -km 単価と亘長の関係 - 送電線工事費用の km 単価を過去の実績データについて調べると 10km を境界として データのばらつき方が異なる 10km 未満のデータのばらつきが大きい一方で 10km 以上は 距離が長くなるにつれてばらつきが小さくなる傾向となった 次ページ以降は 10km 以上を対象としてデータ分析を実施 送電線工事費用の過去実績データ (275kV) 送電線工事費用の過去実績データ (500kV 参考 ) 単価 ( 億円 /km) 単価 ( 億円 /km) 10km 以上 10km 未満 10km 以上 10km 未満 10km 未満のデータはばらつきが大きい 距離が長くなるにつれてばらつきが小さくなる 0 20 40 60 亘長 (km) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 亘長 (km) 両図共 除却費用を除く 12 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.2. 送電線工事 (2/4) - モデルの作成 - 送電線工事の km 単価は 過去の実績データに基づいてモデルを作成したところ 275kV で億円 /km 500kV で億円 /km となり 2011 年度に当法人で分析した結果と同程度となった 当法人にて作成したモデルでは 架線 鉄塔等の資材費が約 2 割 鉄塔工事費 間接工事費及び架線工事費が 7 割を占める これより 作業員の労務費の占める割合が大きいことが分かる 送電線工事の費用構造モデル * 10~20% 10~15% 用地取得費他 架線工事費 km あたりの単価 275kV 500kV( 参考 ) 30~40% 鉄塔工事費 億円 /km 億円 /km 20~30% 間接工事費 ( 共通費 現場管理費等 ) 15~25% 資材費 ( 架線 鉄塔 ) 除却費用を除く 10km 以上を対象 * 過去の実績データやヒアリング結果を基に トーマツ推定 13 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.2. 送電線工事 (3/4) - モデルと実施案の比較 (275kV)- 当法人で作成したモデルと比較して 実施案の見積りは 実施案 (3+4) 及び実施案 (5) については モデルのばらつきの下限 ( 平均値 - 標準誤差 ) を下回った 一方 実施案 (6 +9) は モデルのばらつきの上限 ( 平均値 + 標準誤差 ) とほぼ同等となった 送電線工事費用の比較 (275kV) 工事費 ( 億円 ) 過去の実績データ (10km 以上 ) 6 +9 15km 当該工事が 山間部の直線ルートであるため コスト高となる要因が少ない 既設送電線の実態を踏まえた見積りとなっている 統計処理 ( 億円 /km) 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) 6 +9 は 単位亘長あたりに含まれる電磁誘導対策費の割合が大きいため モデルの平均値 + 標準誤差を僅かに上回る 3+4 124km 14 5 13km 0 20 40 60 80 100 120 140 亘長 (km) 3+4 3: 送電線甲 (123km) 4: 佐久間 ~ 送電線甲 (1km) 6 +9 6 : 佐久間 ~ 送電線乙 (1km) 9: 送電線乙 (14km) 5: 東清水 ~ 送電線甲 (13km) 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査 モデル 3+4 124km 5 13km 実施案 6 +9 15km 両図共 除却費用を除く 10km 以上を対象

4. 費用の考察 4.2. 送電線工事 (4/4) - モデルと実施案の比較 (500kV)- 10km 以上の送電線工事を基に作成した当法人のモデルと比較して 実施案 (6) の見積りは約 1 割程高くなった 理由は 実施案 (6) の亘長は 4km と短く 工事費単価のばらつきが大きい領域のデータであるためと考えられる 送電線工事費用の比較 (500kV 参考 ) 工事費 ( 億円 ) ( 億円 /km) 6 4km 過去の実績データ (10km 以上 ) 統計処理 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) 0 50 100 150 200 250 亘長 (km) 6: 佐久間 ~ 静岡幹線 (4km) 両図共 除却費用を除く 10km 以上を対象 モデル 6 4km 実施案 15 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.3. 変圧器工事 (1/2) - モデルの作成 - 参考値に基づいて 変圧器工事の MVA 単価を算定したところ 1,000MVA で万円 /MVA 1,500MVA で万円 /MVA となり 変圧器の容量が大きい方が MVA あたりの単価が安くなる傾向にある 当法人にて作成したモデルでは 機器費が全体の約 7~8 割 据付工事費及び現地試験費は 1~2 割程となった 変圧器工事費用の過去実績データ変圧器工事の費用構造モデル * 単価 ( 万円 /MVA) 過去の実績データ MVA あたりの単価 10~20% 5~15% 据付工事費 現地試験費 保護継電装置 1,000MVA 1,500MVA 万円 /MVA 万円 /MVA 70~80% 機器費 ( 変圧器 ) 500 1000 1500 2000 容量 (MVA) * 過去の実績データやヒアリング結果を基に トーマツ推定 両図共 母線工事 電気 土木工事を除く 16 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

4. 費用の考察 4.3. 変圧器工事 (2/2) - モデルと実施案の比較 - 1,000MVA( 左図 ) について 静岡変電所 (8) は モデルのばらつきの範囲内 ( 平均値 ± 標準誤差 ) に収まった 1,500MVA( 右図 ) については 東栄変電所 (10) は モデルのばらつきの下限 ( 平均値 - 標準誤差 ) を下回ったが 新富士変電所 (7) は ばらつきの上限 ( 平均値 + 標準誤差 ) を上回った 変圧器工事費用の比較 (1,000MVA) 変圧器工事費用の比較 (1,500MVA) ( 億円 ) 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) ( 億円 ) 平均値 ± 標準誤差 (μ±σ/ N) 7 は 長い地中ケーブルとそれに伴う洞道工事費 比較的弱い地盤対策としての基礎強化工事費が含まれる モデル 8 静岡変電所 実施案 両図共 母線工事 電気 土木工事を除く モデル 10 は 2 台同時施工のため 工事の効率化により 経費等が軽減されている 10 東栄変電所 (1 台に換算 ) 実施案 7 新富士変電所 17 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

5. 工期の考察 5.1. FC 工事 - モデルと実施案の比較 - FC の受注前設計から試験までの全体工程で見ると 当法人で想定するモデルと比較して 佐久間 (1) 及び東清水 (2) の工期共に モデルの範囲内に収まった 東清水 (2) は 30 万 kw 2 台の工事であるが 2 台同時製作 施工による工程の効率化により 佐久間 (1) の 30 万 kw 1 台の工事と比べて 全体工程の工期は 25% 増程度に収まっている 工程 モデル (30~60 万 kw クラス ) 1 佐久間 30 万 kw 1 台 ( 新設 ) 実施案 2 東清水 30 万 kw 2 台 ( 増設 ) 受注前設計 1~2 年 2 年 2 年 受注後設計 1.5~3 年 1 年 1.5 年 製作 2~3 年 2.5 年 3 年 土木 建築工事 2~4 年 4.5 年 3.7 年 施工 2~3 年 2 年 3.5 年 試験 1 年 0.8 年 1.8 年 全体工程 ( 受注前設計 ~ 試験 ) FC 工事の工期 調査測量 関係法令許認可及び用地取得に係る工期は 個別の工事の状況に依存して 不確定要素が大きいことから モデル化が困難である よって 設計 製作 施工 試験についての比較検討を行った 6~10 年 8 年 10 年 一部の工程を重複して実施するため 各工程を足し合わせても 全体工程とは一致しない ( 下記参照 ) - 全体工程の実施イメージ - 受注前設計 詳細設計 一部工程を重複して実施 製作 土木 建築工事 施工 試験 東清水 (2) は 山を切り崩す土地造成工事が含まれるため 増設工事としては土木工事期間が長い 18 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

5. 工期の考察 5.2. 送電線工事 (1/3) - 工期の比較 - 調査開始から工事完了までの工期で見ると 過去の実績データを基に作成した工期モデルに対して 実施案の送電線工事 (3+4+6 +9 5) は モデルのばらつきの範囲内 ( 平均値 ± 標準誤差 ) に収まった 工期内の作業密度を考慮するために 次ページ以降にて 工期の積上げモデルによる分析を行う 送電線工事の工期 工期 ( 年 ) 25 過去の実績データ (30km 以上 ) 275kV モデル * 実施案 20 実施案 (5) 275kV 500kV( 参考 ) 統計処理 30km 以上 100km 以上 3+4+ 6 +9 139km 5 13km 15 275kV 8.6~11.8 年 - 10 年 10 年 10 500kV ( 参考 ) 10.7~13.6 年 12.4~15.1 年 - - * ( 平均値 - 標準誤差 )~( 平均値 + 標準誤差 ) 19 5 0 実施案 (3+4+6 +9) 275kV 亘長 0 50 100 150 200 (km) 3+4+6 +9 3: 送電線甲 (123km) 4: 佐久間 ~ 送電線甲 (1km) 6 : 佐久間 ~ 送電線乙 (1km) 9: 送電線乙 (14km) 5: 東清水 ~ 送電線甲 (13km) 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査 実施案 (3+4+6 +9 5) の工期は 過去実績データ (275kV) を基に作成したモデルのばらつきの範囲内 ( 平均値 ± 標準誤差 ) に収まった 一方で 工期だけの比較では 工期内の作業密度を考慮できないため 次ページ以降において 工期の積上げモデルによる分析を行う

5. 工期の考察 5.2. 送電線工事 (2/3) - 工期の積上げモデル - 標準的な工期積上げモデルで分析すると 鉄塔 31 基あたりの仮設工事 基礎施工 鉄塔組立及び架線工事に約 2.5 年間 計約 130 人の作業員が必要となる 標準的な工期の積上げモデル ( 鉄塔 31 基あたり ) 1 年目 2 年目 3 年目 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 グループ 1 ( 鉄塔 10 基 ) 仮設工事 基礎施工 鉄塔組立 架線工事 施工 グループ 2 ( 鉄塔 10 基 ) 仮設工事 基礎施工 鉄塔組立 架線工事 グループ 3 ( 鉄塔 11 基 ) 仮設工事 基礎施工 鉄塔組立 架線工事 仮設工事 基礎施工 :10 人 / 班 6 班 鉄塔組立 :10~15 人 / 班 3~4 班 架線工事 :20~25 人 / 班 1 班 鉄塔 31 基あたりの工程と作業員数を簡素化 土木作業 (1.5 年 ) 高所作業 (1 年 ) 20 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査 鉄塔 31 基あたりの簡易施工モデル 土木作業 ( 仮設工事 基礎施工 ) 1.5 年 60 人 高所作業 ( 鉄塔組立 架線工事 ) 1 年 70 人 2.5 年 130 人

5. 工期の考察 5.2. 送電線工事 (3/3) - 実施案のリスク - 3+4+6 +9 の送電線工事を 10 年で完了するには 施工部分 ( 仮設工事 基礎施工 鉄塔組立 架線工事 ) は 5 年以内の完了が必須となる この工程では ピークとなる 8 年目の前半に 630 人 ( 土木作業員 :60 人 7 社 高所作業員 :70 人 3 社 ) の作業員の確保が必要となる等 リスク要因も含まれる 送電線工事 (3+4+6 +9 139km 鉄塔 296 基 ) の工期 実施案 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 6 年目 7 年目 8 年目 9 年目 10 年目 11 年目 12 年目リスク要因 13 年目 14 年目 15 年目リスクの考察 調査測量 年 ルート変更による再調査 関係法令許認可 用地取得 年 年 設計 発注 製作 基本設計 実施設計 発注 希少動植物 猛禽類への対応 騒音 景観対策 送電線の環境アセスメント 国有林内の森林施業アセスメント 工事実施場所の周辺事情に依存 調査や交渉を始めないと詳細なリスクが特定できない 施工 - 仮設工事 - 基礎施工 - 鉄塔組立 - 架線工事 8 年 鉄塔 296 基 5 年 土木作業員 : 60 人 7 社 =420 人 高所作業員 : 70 人 3 社 =210 人ピーク時合計 : 630 人 用地取得が遅れた場合は 工期もその分遅れる 同時期に他の基幹送電線工事が重複した場合は 作業員の確保が難しくなる A 社 B 社 C 社 土木作業 土木作業 土木作業 D 社 E 社 F 社 製作 高所作業 高所作業 高所作業 土木作業 土木作業 土木作業 G 社 H 社 I 社 J 社 高所作業 高所作業 高所作業 土木作業 土木作業 土木作業 土木作業 高所作業 高所作業 高所作業 高所作業 関係行政 地権者との交渉の長期化 ルート変更による設計変更 調達資材量変更 特殊技能工の高齢化 特殊機材の老朽化 詳細設計段階での用地の地盤強化対策や耐震設計 電磁誘導対策 好条件が重なっても前倒しできるのは 1~ 2 年程度 作業員の確保が最大の課題 特に 他の基幹送電線工事と重複すると遅延リスクが大きくなる 試験 ~1 年 試験 21 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

5. 工期の考察 5.3. 変圧器工事 - 実施案の考察 - 実施案によると 新富士 (7) 静岡 (8) の工期は 5 年程 東栄 (10) は 9 年程となっている 10 の 9 年は 停電回避策として工事可能期間が限定されるため 通常よりも 2 年程長くなっているものの 他の送電線工事や FC 工事を含めた全体工程の遅延リスクとはならない 工程 7 新富士 1,500MVA 1 台 実施案 8 静岡 1,000MVA 1 台 10 東栄 1,500MVA 2 台 設計 2.5 年 2.5 年 4.5 年製作 3 年 3 年 土木 建築工事 2.5 年 1 年 5.5 年 ( 断続 ) 施工 3 年 2.5 年 6.5 年 ( 断続 ) 試験 0.5 年 0.5 年 0.5 年 全体工程 ( 設計 ~ 試験 ) 変圧器工事の工期 ( 変電所全体の工期を対象 ) 調査測量 関係法令許認可及び用地取得に係る工期は 個別の工事の状況に依存して 不確定要素が大きいことから 分析が困難である よって 設計 製作 施工 試験についての比較検討を行った 5 年 5 年 9 年 - 工期の考察 - 設計 変圧器の豊富な導入実績により 特殊な設計が無い限り 通常は 1~2 年程 製作 メーカーの配員状況によるが 繁忙期でなければ 通常は 1~2 年程 変圧器 2 次側の母線の大規模な増強工事は 設備停止が可能な期間に断続的に工事を実施する必要がある このため 工期が通常よりも 2 年程長くなっている 22 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

6. リスク分析 - 送電線工事のリスク分析 - 送電線工事の主なリスクとして 自然環境 用地取得 現場施工 技術調査が挙げられる 自然環境 用地取得 現場施工に関しては リスクの軽減手法を実行することで リスクの軽減可能性が高まると考えられる リスク分類 内容 リスクの考察 リスクの軽減手法 ( 案 ) 軽減可能性 自然環境 希少動植物 猛禽類への対応 騒音 景観対策 送電線の環境アセスメント 森林施業アセスメント 希少動植物については 発見できるかどうか運に左右される部分が大きい 猛禽類については 季節により定期的に移動するため 特定に時間がかかる場合もある 改正環境影響評価法等による環境アセスメントの短縮化 対象が動植物のため 地道な調査の早期実施が必要 中 用地取得 関係行政 地権者との交渉 地権者不明用地への対応 地権者の受容性のばらつきや 地域に固有な問題等が影響して 用地取得交渉が長期化するケースが想定される 重要送電設備等の指定制度等の活用 地元の地権者やステークホルダーとの信頼性構築 中 ~ 高 現場施工 高所作業員の不足 ( 高齢化 ) 次ページ参照 土木作業員の都心部集中化 特殊機材の老朽化 高齢化と就業希望者の減少から高所作業員数の自然減が予想される また 基幹送電線工事が重複すると さらに作業員が不足する 長期計画に基づいた工事開始時期の調整等による工事量平準化 若手人材の育成環境の整備 待遇面の改善 高 技術調査 電磁誘導対策 鉄塔基礎の地盤調査 電磁誘導対策や地盤等 現地調査でしか分からない部分については 机上の事前設計で対応することが困難 現地調査でしか分からない部分については 調査の早期実施が必要 低 23 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

6. リスク分析 - 高所作業員の不足リスク - 東京中部間の連系線工事について 実施案をベースにすると 2026 年に約 540 人の高所作業員が必要となる 就業者数が現状で推移していくと その時点で約 570 人の高所作業員の不足が予想される さらに 他の基幹送電線工事が重複する場合を想定すると 約 1,100 人程の不足が予想される この不足リスクを軽減するためには 既設鉄塔の更新需要も含めた長期工事計画の策定により 施工業者の負荷平準化を図ると同時に 人材の確保や訓練 教育等 今から対策をしておく必要がある 施工に必要な高所作業員数 高所作業員 ( 人 ) 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 不足数 = 必要数 - 配員可能数 不足数 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年 * 一般社団法人送電線建設技術研究会へのヒアリングより得られた高所作業員数と 一般財団法人建設経済研究所 建設経済レポート 63 号 (2014 年 10 月 ) の建設技能労働者将来推計を基に 当法人にて推定 配員可能数 現状推移ケース * 必要数 基幹送電線工事 (150km) 東京中部間 (152km) 既設鉄塔の更新 ( 計算根拠 ) 既設鉄塔 20 万基の内 老朽化した 1% (2,000 基 ) が毎年更新されると仮定した 基本的に 延命化等により 実際の更新率は 0.5~1% 程と考えられるが 10 年後の更新需要の高騰リスクを想定して 高めの 1% に設定した 24 広域系統整備計画実施案に係るコスト等調査

デロイトトーマツグループは日本におけるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( 英国の法令に基づく保証有限責任会社 ) のメンバーファームおよびそのグループ法人 ( 有限責任監査法人トーマツ デロイトトーマツコンサルティング合同会社 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 デロイトトーマツ税理士法人および DT 弁護士法人を含む ) の総称です デロイトトーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり 各法人がそれぞれの適用法令に従い 監査 税務 法務 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています また 国内約 40 都市に約 8,700 名の専門家 ( 公認会計士 税理士 弁護士 コンサルタントなど ) を擁し 多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています 詳細はデロイトトーマツグループ Web サイト (www.deloitte.com/jp) をご覧ください Deloitte( デロイト ) は 監査 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリーサービス リスクマネジメント 税務およびこれらに関連するサービスを さまざまな業種にわたる上場 非上場のクライアントに提供しています 全世界 150 を超える国 地域のメンバーファームのネットワークを通じ デロイトは 高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて 深い洞察に基づき 世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています デロイトの約 225,000 名を超える人材は making an impact that matters を自らの使命としています Deloitte( デロイト ) とは 英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( DTTL ) ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です DTTL( または Deloitte Global ) はクライアントへのサービス提供を行いません DTTL およびそのメンバーファームについての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください IS 501214 / ISO (JIS Q) 27001 BCMS 568132 / ISO 22301 有限責任監査法人トーマツ東京事務所エンタープライズリスクサービスは 2006 年 2 月 8 日 監査法人として初めて情報セキュリティマネジメントの国際規格である ISO/IEC27001 の認証を取得しました 2009 年 4 月 1 日には デロイトトーマツリスクサービス株式会社をこの認証範囲に含めております 有限責任監査法人トーマツ東京事務所における BCP/BCM サービス提供部門及びデロイトトーマツリスクサービス株式会社は 2011 年 3 月 11 日に事業継続マネジメントシステムの規格である BS25999-2:2007 の認証を取得し 2013 年 2 月 19 日に国際規格である ISO22301:2012 の認証を取得しました Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited