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H28秋_24地方税財源

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2 営悪化を招くことになる 2.消費税の申告等の状況多くの農業者が売上一千万円以下であり 他業種に比べ 免税事業者が多くなっている 農業者は 他業種に比べ 税務申告割合が低く 納税 税務申告に不慣れといえる 特に 消費税については 所得税に比べ対応している農業者が少なく 事務負担が増す懸念から 有利

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

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子ども・子育て支援事業計画策定業務委託 仕様書(案)

農業委員会法改正の全体像 農業委員会が その主たる使命である 農地利用の最適化 ( 担い手への集積 集約化 耕作放棄地の発生防止 解消 新規参入の促進 ) をより良く果たせるようにする 農業委員会 都道府県農業会議 全国農業会議所 農業委員会業務の重点化 農業委員会の業務の重点は 農地利用の最適化の

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

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( 問 3) 売却証明書を発行することができるのは どのような市場ですか 売却証明書を発行できるのは 以下の市場において売却した場合です 1 家畜市場家畜取引法 ( 昭和 31 年法律第 123 号 ) 第 2 条第 3 項に規定する家畜市場及び同法第 27 条に規定する臨時市場 2 中央卸売市場

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

プレゼンテーションタイトル

資料9

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資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

基金通信

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

市町村合併の推進状況について

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

【千葉県事業計画】別記様式第3号別添

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

内部統制ガイドラインについて 資料

4 農業分野 (1) 規制改革の観点と重点事項競争力ある農業 魅力ある農業を創り 農業の成長産業化を実現するため 農地中間管理機構の創設を 国民の期待に応える農業改革の第一歩とし その上で 農業委員会 農地を所有できる法人 ( 農業生産法人 ) 農業協同組合の在り方等に関して これら3 点の見直しを

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

参考資料3(第1回検討会資料3)

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン


未来投資会議構造改革徹底推進会合 地域経済 インフラ 会合 ( 農林水産業 ) 資料 1 卸売市場を含めた食品流通の構造改革について 平成 30 年 3 月 7 日 ( 水 ) 食料産業局

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

第14回税制調査会 総務省説明資料(・地方税務手続の電子化等2・個人住民税2)

所有者と利用とを分離した仕組みを公共事業や民間の土地取引にも導入することについて Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

輸出許可一般的な輸出申告による輸出通関 搬出許可概 要 輸出通関における保税搬入原則の見直しが施行されました - お知らせ - 輸出通関における保税搬入原則の見直しについては 当該見直しを盛り込んだ関税改正法が平成 23 年 3 月 31 日に成立し 同年 10 月 1 日より施行されました これに

Japan Academy of Personal Finance パーソナルファイナンス研究 No.2 総量規制の導入経緯と問題点 伊藤 幸郎 東京情報大学大学院 堂下 浩 東京情報大学 要旨 貸金業法は 2006 年 12 月に国会へ上程され 2010 年 6 月に完全施行へと至った 新たに導入

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資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

都市農業の現状 市街化区域農地は 概ね 10 年以内に宅地化と位置づけられ その面積は日本の全農地のわずか 2% ほどですが 販売金額は全国合計の約 1 割を占めています 都市近郊という優れた立地条件から 小さな面積でも効率的な農業が営まれていると言えます 市街化区域 2% 8% 農地面積 農地 7

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

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平成 29 年 4 月 14 日 第 7 回参考資料 : 官民戦略プロジェクト 10 取組状況 首相官邸 平成 29 年 5 月 12 日 第 8 回資料 1:Society5.0で実現する新たな経済 社会システム~ 第 4 次産業革命推進に際しての戦略分野第 8 回資料 2: 日本の 人材力 の抜

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中山間地域所得向上支援事業 ( 以下 本体事業 という ) は 所得向上計画の策定 水田の畑地化等の基盤整備 生産 販売等の施設整備等を総合的に実施する事業とし その具体的な内容は農村振興局長等が別に定めるところによるものとする (2) 関連事業関連事業は 所得向上計画に基づき実施する (1) の本

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

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01 【北海道】

統計改革 最終取りまとめ 以降の経緯 統計改革推進会議 最終取りまとめ (H29.5 月 ) 今後の統計改革の具体的方針を取りまとめ 官民データ活用推進本計画 (H29.5 月閣議決定 ) 官民データ活用推進戦略会議の下に EBPM 推進委員会の設置を決定 骨太方針 2017(H29.6 月閣議決定

NO.3( 平成 29 年 11 月 17 日発行 ) Ⅰ 農業改革等をめぐる情勢 1. 国会の動き 10 月 22 日に執り行われた第 48 回衆議院議員総選挙では 自民党が 284 議席を確保し 単独で絶対安定多数 (261 議席 ) を上回った 公明党は 29 議席を確保し 自公で衆議院議員総

1市町村の選挙管理委員会は 政令で定めるところにより 登録月の一日現在により 当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を同日(同日が地方公共団体の休日に当たる場合(登録月の一日が選挙の期日の公示又は告示の日から当該選挙の期日の前日までの間にある場合を除く )には 登録月の一日又は同日の直後の

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規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

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Transcription:

農政対策資料 平成 28 年 5 月 農政をめぐる情勢 目 次 Ⅰ TPP をめぐる情勢 1 Ⅱ TPP 関連対策具体化等をめぐる情勢 2 Ⅲ 都市農業をめぐる情勢 7 Ⅳ 農協改革をめぐる情勢 11 J A 愛知中央会

今月号のあらまし Ⅰ TPPをめぐる情勢 TPP 承認案および国内対策を盛り込んだ関連法案は 閣議決定後 国会に提出されたものの 熊本地震への対応等から今国会での承認は見送られることとなった 今国会におけるTPP 特別委員会では 黒塗り文書等情報開示の在り方が焦点になったこともあり 重要 5 品目の関税撤廃 国内対策 影響試算 食の安全 再交渉等の重要な論点については 十分な深まりがあったとは言い難い 夏の参議院選挙後の臨時国会で審議が再開される見込みである Ⅱ TPP 関連対策具体化等をめぐる情勢 政府 与党は現在 規制改革会議 農業 WG や自民党 PT にて TPP 関連対 策 12 項目の具体化の検討を進めている 資材価格の 見える化 について JA 全農は 4 月 16 日 農水省と連携して 見える化 の取り組みの具体化を目指す方針を示した 指定生乳生産者団体制度について 森山大臣は 5 月 15 日 地震視察で訪れ た熊本県での記者団との会話の中で 政府が指定団体を経由しない補助金を認 めるとした一部報道について 具体的に何か決まったわけではない と述べた Ⅲ 都市農業をめぐる情勢 5 月 13 日 パブリックコメントをふまえて修正された都市農業振興法 基本計画 ( 案 ) が閣議決定された 注目すべきは 農業団体あるいはJAがこれまで果たしてきた役割や今後期待される役割が多く明記された点である 閣議決定により都市農業振興におけるJAの役割が国の施策上 位置付けられたことになる Ⅳ 農協改革をめぐる情勢農水省は 4 月 15 日 平成 28 年度農協監査 事業利用実態調査における准組合員の事業利用規制の在り方に関する調査委託事業 を一般入札に付す旨を公告した 本事業の期間は平成 29 年 3 月 17 日までとなっており 事業利用量に関する調査票と事業利用量把握マニュアルの作成 100JA 程度への試行調査の実施などが主な内容である また パブリックコメントを経て 系統金融機関向けの総合的な監督指針の一部改正案 ( 業務代理関係 ) が 4 月 28 日に公示された 代理店方式の活用について (JA において ) 十分に考慮されているか を着眼点とする変更がされている

Ⅰ TPP をめぐる情勢 TPP 承認案および関連法案 参議院選以降の審議再開 1. 国会の動向 政府は 環太平洋パートナーシップ協定 (TPP) の承認案と 農業の国内対策などを盛り込んだ関連法案を閣議決定し 国会に提出したものの 熊本地震への対応等から今国会での承認は見送られることが 4 月 26 日の与野党幹事長 書記局長会談で伝えられた 夏の参議院選挙後の臨時国会で審議が再開される見込みである 〇 TPP 特別委員会において 黒塗り文書等情報開示の在り方が焦点になったこともあり 重要 5 品目の関税撤廃 国内対策 影響試算 食の安全 再交渉等の重要な論点については 十分な深まりがあったとは言い難い 2. 米国大統領選の動向 (1) 共和党の動向〇共和党では現状首位のトランプ候補が 4 月以降に行われた両党予備選 党員集会において 9 州のうち 7 州で勝利を収め 過半数獲得に向けて代議員数のリードを拡大した こうした結果を受け 5 月 3 日にクルーズ候補が 4 日にケーシック候補が撤退を表明し 共和党におけるトランプ候補の指名が確定的なものになった 〇トランプ候補は 5 日の CNBC テレビのインタビューにおいて TPP 協定の内容は 悲惨なものであり 再交渉しなければならない と改めて強く反対を表明している (2) 民主党の動向〇一方 民主党では票田のニューヨーク州やペンシルバニア州を中心にクリントン候補が勝利し 健闘を見せていたサンダース候補を突き放し 圧倒的リードを確保する状況となっている 〇クリントン候補は 現状 TPP 協定に反対の立場を示しているものの 国務長官の経験もあることから 大統領に選出された場合 批准推進の立場にまわる可能性は高い 3. 今後の主なスケジュールについて ( 報道等による見込みを含む ) 6 月 22 日 ( 見込み ) 参議院議員通常選挙 公示日 7 月 10 日 ( 見込み ) 参議院議員通常選挙 選挙期日 7 月下旬 米国共和党 民主党党大会 夏ごろ ( 見込み ) 臨時国会召集 衆院 TPP 承認案 関連法案審議再開 11 月 8 日米国大統領選 秋ごろ ( 見込み ) 1 月 20 日米国次期大統領就任式 農林水産業 地域の活力創造プラン の改訂 1

Ⅱ TPP 関連対策具体化等をめぐる情勢 資材価格 見える化 指定生乳生産者団体制度等で動き 1. 政府 与党の動向〇政府は 例年 6 月の骨太方針等の策定 今秋に想定される 農林水産業 地域の活力創造プラン の改訂に向けて TPP 関連対策 12 項目の具体化等の検討を行っている 〇 4 月 22 日 自民党農林水産業骨太方針策定 PT( 委員長 : 小泉進次郎衆議院議員 ) は 論点整理 として 農業を巡る課題と今後の議論の方向性を提示した 焦点の生産資材については 価格の 見える化 などで引き下げを目指す方針を示したが 具体策は盛り込まなかった PT はこれを基に参院選を挟んで議論を続け 秋までに提言をまとめる ( 論点整理については別紙 1 の通り ) 〇また 政府と並行して新たな成長戦略を検討している自民党の日本経済再生本部 ( 本部長 : 稲田朋美衆議院議員 ) は 4 月 19 日にとりまとめを行った その中で 農林水産業については 攻めの農林水産業の実現や人材力の強化などが謳われている 〇自民党における骨太方針策定 PT 基本政策検討 PT 畜酪小委および日本経済再生本部の検討内容は 農林幹部の調整をふまえ その一部が夏の参議院選挙の公約に反映されると見られる また 5 月下旬から 6 月上旬に閣議決定されると見られる ( 例年 6 月ごろ ) 骨太方針や規制改革実施計画等に向けて 政府 与党で何らかの調整が行われることが想定される 自民党 日本経済再生本部のとりまとめの農業関係抜粋 ア. 人材力強化 ( 全国に農業経営塾を設置など ) イ. 生産コスト改革 ( 見える化 有利仕入 販売のできる環境構築など ) ウ. 土地改良制度のあり方の見直し エ. 戦略的輸出体制の整備 オ. 原料原産地表示 ( 全ての加工食品で実行可能な方法で表示 ) 力. チェックオフ制度の検討 2. 資材価格の 見える化 について 自民党の小泉農林部会長や規制改革会議農業 WG らが推し進めている農薬 肥料 農業機械など資材価格の 見える化 について JA 全農は 4 月 16 日の事業計画説明会で 農水省と連携して 見える化 の取り組みの具体化を目指す方針を示した 一方で 農家は JA 商系業者両方から資材を買うことから 業界全体で対応すべき問題とも強調した 小泉議員が委員長を務める自民党農林水産業骨太方針策定 PT は 22 日 論点整理として 農家が資材価格について合理的かどうか分からないまま 比較せずに 2

買っていることや 同じ資材でも大きな価格差があることなどを課題と指摘した これについて 価格や複雑な商慣習の 見える化 の推進などを通じ 農家が安く仕入れることができる環境を整備する方針を示した 農水省は 正確な価格情報の把握に資するため 4 月下旬より肥料や農薬 農機 飼料の価格について JA 全農および商系団体等に調査票を発出した 全農や商系団体を通じ JA や商系の小売店の価格を調査する ホームセンターについては同省が直接調査することとしている 同省は 本調査を 5 月下旬にかけて取りまとめ 秋までには 農家が正確な価格情報に基づき購入先を比較検討できる仕組みの確立を目指すとしている なお 資材価格形成の改革については 4 月 19 日に産業競争力会議がまとめた新たな成長戦略 ( 次期 日本再興戦略 ) 案に設けられている 官民戦略プロジェクト 10( 仮称 ) の中で 検討課題の一つとして盛り込まれている 官民戦略プロジェクト 10( 仮称 ) については 4 月 25 日の経済財政諮問会議にて 骨太方針に反映されること等が確認された 3. 指定生乳生産者団体制度について 規制改革会議 農業 WG は 平成 28 年 3 月 31 日に 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づく現行の指定生乳生産者団体制度を廃止する ことを主な内容とする提言をとりまとめた 〇農水省は 森山大臣を先頭に 酪農家の所得減少や経営悪化が懸念される と反対している 制度が廃止されれば 1 飲用乳と加工原料乳の需給調整 2 条件不利地を含む集送乳の効率化 3 乳業メーカーとの対等な乳価交渉 など 指定団体が持つ有効な機能が失われるとの危惧を示している また 自民党が同制度の廃止を 受け入れられない と決議している ( これまでの経緯は 農政をめぐる情勢 4 月号を参照 ) 〇森山大臣は 5 月 15 日 地震視察で訪れた熊本県での記者団との会話の中で 政府が指定団体を経由しない補助金を認めるとした一部報道について 具体的に何か決まったわけではない とした上で 生乳の特性を踏まえた対応が必要 指定団体が果たしてきた役割は非常に大きい この役割や機能が損なわれるような改革はあり得ない と強調している 3

〇 JA グループの基本的な考え方については以下の通り整理されている 指定生乳生産者団体に結集することにより 乳業者に対する価格交渉力を高め 集送乳の合理化や広域需給調整等を通じて生乳需給や酪農経営の安定をはかり 牛乳乳製品の安定供給を実現している指定団体制度は 酪農生産の根幹を支える極めて重要な制度であり こうした機能を維持する必要がある わが国の酪農経営は 高齢化や後継者不足に加え 労働負荷の増大や生産コストの高止まり 将来不安により生産基盤の縮小に歯止めがかからず TPP 協定によりさらに危機感を増すなか 地域の関係者が一体となって生産基盤の回復に全力を挙げて取り組んでいる 生乳需要に応え 生産における創意工夫を発揮できる環境づくりのためにも 指定団体制度の機能を維持し 安定した乳価形成と取引のもと 生産基盤を確保し 競争力ある持続可能な酪農経営を実現する必要がある 4. 輸出力強化について〇輸出力強化については 農林水産業 地域の活力創造本部の下に設置されている 農林水産業の輸出力強化 WG( 座長 : 石原伸晃経済再生担当大臣 ) で検討が行われている 〇輸出力強化 WG は 3 月に事業者等からヒアリングを実施し 4 月 5 日には全中会長が JA グループの取り組みについて説明を行った その後 4 月 15 日には品目ごと 27 日には国 地域ごとの輸出に関する協議が行われ 今後は 6 月の中間とりまとめに向けて議論を行うと見られる JA グループは 具体的な取り組みの一つとして 全国にある産地から農畜産物を集荷し 各産地を繋ぐことによって農畜産物の周年供給を実現できるという他の事業体にない強みを活かし 全国の産地 ( 農業者や JA) に輸出の取り組みを広げるため 産地に対してワンストップで対応する 輸出促進エージェント ( 仮称 ) を JA グループの出資による新法人として設立を検討する 5.JA グループの今後の取り組み〇資材価格の 見える化 や施設 物流の活用は 愛知県 JA 大会決議の重点施策である生産資材価格低廉化 物流の効率化や担い手への対応力強化の一環としてすすめることが重要であり 現場実態をふまえながら 担い手ニーズに対応する 自己改革 の取り組みをすすめる なお JA 連合会の施設 物流の実態 課題把握のための調査は 先月号で 4 月下旬から実施する方針 と記述したが 現時点では実施されていない 4

5 別紙 1

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Ⅲ 都市農業をめぐる情勢 基本計画が閣議決定 JA グループ組織協議開始 1. 概要 パブリックコメントをふまえて修正された都市農業振興法基本計画 ( 案 ) は 農林水産省 国土交通省の審議会や自民党の 都市農業振興に関する小委員会 都市農業研究会合同会議 等において了承され 自民党の承認を経たうえで 5 月 13 日に閣議決定された 基本計画案では1 人 2 土地 3 政策の3つを柱にしている 主旨は以下の通り 1 後継者を基本に新規就農者や食品関連の民間事業者など 多様な担い手を確保する 2 従来は宅地化すべきものだった都市農地を 都市にあるべきものと位置付けて計画的に保全する 3 保全すべきとされた区域は本格的な農業振興対策 施策を講じられるようにする 2. 経過 本年 1 月 農林水産省 国土交通省は都市農業振興基本計画 ( 案 ) を公表し 1 月 30 日からパブリックコメントを実施した JA グループからも 農林水産省 国土交通省に対しては パブリックコメントに対する意見提出を行った 全国で 28 の JA 中央会より意見が寄せられた パブリックコメントを踏まえた修正では 今後の取り組みをより後押しする観点から 地方計画の策定における農業部局 都市計画部局 財政部局の連携の必要性が明記されるなどの変更があった 注目すべきは 農業団体あるいは JA がこれまで果たしてきた役割や今後期待される役割が多く明記された点である 閣議決定により都市農業振興における JA の役割が国の施策上も位置付けられた ( 主なものは別紙 1 の通り ) なお 特に多く意見が寄せられた税制措置について 農林水産省の三浦農村政策部長は 新たな都市農業振興に関する制度設計をふまえて検討すると説明している 3. 今後の予定 農林水産省 国土交通省は 具体的な都市農業振興に向けた新たな税制度の検討をすすめる 税制は 貸借を行った場合の相続税納税猶予制度の継続適用や都市農業を営む農地の固定資産税の減免が最大の焦点となる見込みであり 年末の 29 年度税制改正に向けて 制度の具体化や関係省庁との折衝が行われる 7

両省は 並行して各地方公共団体にその内容の普及 啓発を行う 特に 都市農業振興には 地方公共団体が市街化区域の農地の扱いを農業 まちづくり双方から検討することが重要になる そのため 両省は 説明会の合同開催など効果的な手法を検討している ( 想定されるスケジュールは別紙 2 の通り ) 4.JA グループの取組み JA 全中では 7 月 7 日の全中理事会で JA グループの政策提案を決定し 夏以降 国会議員や地方公共団体へ働きかけていく予定である 本県においても 5 月下旬から組織討議を実施する 論点は 固定資産税の減免 ( 旧長期営農継続農地制度のような農地制度の創設 ) 指定から 30 年経過後の生産緑地の固定資産税のあり方 などである 5 月 27 日には JA 担当部課長 担当者を対象とした都市農業研修会を開催し 議論を深める予定である なお 地方版の基本計画の作成については 都市農業振興基本法において努力義務となっており 対応は各自治体に一任されている 各自治体は国の基本計画の策定完了を待つとの見方が強いが JA グループは 国の基本計画が閣議決定されるタイミングに留意しながら 市町村や都道府県 地方議会に対し 地方版の計画策定を積極的に働き掛けていく必要がある 8

Ⅳ 農協改革をめぐる情勢 准組合員の事業利用規制の在り方に関する調査委託事業 開始 1. 准組合員利用規制に関する調査について 農水省は 4 月 15 日 平成 28 年度農協監査 事業利用実態調査における准組合員の事業利用規制の在り方に関する調査委託事業 を一般入札に付す旨を公告した なお 入札は 5 月 13 日に行われた 本事業の目的は 正 准組合員別の事業利用量の把握方法等を明らかにするもの とされている 期間は平成 29 年 3 月 17 日までとなっており 事業利用量に関する調査票と事業利用量把握マニュアルの作成 100JA 程度への試行調査の実施などが主な内容である また 本事業では 生活インフラのアクセスに関する調査も行われる JA が行う事業について どのような条件 ( 交通手段が無い等 ) のもとに置かれれば不便を感じるのか 都市 農村 山間部等の各地帯で住民へのアンケートを実施する 地帯別に 1,000 程度の調査を目途とするが 実施詳細は農水省と協議して決定するとされている 2. 系統金融機関向けの総合的な監督指針の改正について 系統金融機関向けの総合的な監督指針の一部改正案 ( 業務代理関係 ) は 2 月 2 7 日から 3 月 27 日までパブリックコメントが行われていたが 4 月 28 日に結果が公示された ( 新旧対照表の一部抜粋は別紙 1 の通り ) 主な変更内容は以下の通り 農林水産業 地域の活力創造プラン 等において 人的資源等を経済事業にシフトできるようにするため 代理店方式の活用を積極的に進めるとされていること 選択肢としての代理店方式の活用について 各農協が十分に考慮しているかを監督上の着眼点とすること 農中または信連 ( 農中等 ) は 農協から求めがあった場合は速やかに業務代理の実施手続きや代理店手数料等の具体的内容を示すこと 農中等は 業務代理組合の代理業務に関し指導する責任を負っており 届出の記載内容等から業務代理組合の実効性ある指導 監督が行われているか確認する その他 認可申請にかかる手続きや 業務代理組合の監督上の着眼点など 11

農政をめぐる情勢 編集 発行 平成 28 年 5 月 26 日 240 部 愛知県農業協同組合中央会 460-0003 名古屋市中区錦三丁目 3 番 8 号 印刷有限会社トリム 電話 052(951)6944 ファクシミリ 052(957)1941 電話 052(505)7422 ファクシミリ 052(505)7485