電子 電器業界 ~ 労働集約 加工貿易型からの脱皮を目指す ~ 市場動向 ~ 世界の工場 市場の中国 14 年も業界全体では増収益を確保 ~ 14 年の業界規模 : 売上高 :10.3 兆元 ( 前年比 10% 増 ) 税引き前利益 :5052 億元 ( 同 21% 増 ) 世界の工場 である中国は多くの家電で世界トップクラスの生産規模を誇り 輸出比率も高い また 世界の市場 でもあり 世界の主要白物家電需要のうち約 3 割を占める 14 年の業界は引き続き増収増益を確保した 新興国の成長鈍化を受け 輸出額は前年比 1% 増の 7897 億米ドルと低迷 一方の国内市場は情報化社会のニーズを地場系の主要ブランドがうまく取り込み スマートフォン テレビなど主戦場で外資のシェアを侵食した 15 年に入っても地場系ブランドの攻勢は続くが 通信機器の生産台数が減少に転じるなど 国内市場の先行きは不透明 このため 各企業は現地での工場建設など海外展開の高度化に迫られており その成否が今後の成長を左右していこう 業界の特徴 ~ 労働集約 輸出型の産業 国内勢の躍進も目立つ ~ 生産 販売面 : 労働集約型 加工輸出型の産業 先進国に比べて安価で豊富な労働力などを強みに生産 欧米など海外に輸出してきた 国内では大手量販店や E コマースなどを通じて 世界の市場 での販売拡大に注力 ただ 業界再編は道半ばで 価格競争が非常に厳しい 近年は国内勢の攻勢が目立ち 14 年には国内販売額の 37% を掌握し 海外ブランドを追い抜いた 大手企業の製品競争力が着実に高まっているためだ 国際面 : 中国で生産されたエレクトロニクス製品は自国の輸出全体の 3 割強を占め 世界を席巻 加工貿易が中心であり 人件費を含むコスト高から 近年は輸出競争力に陰りも出てきた 一方で中国企業による積極的な海外進出が活発化 最近では聯想集団 (00992) による米モトローラ社買収が代表的な例 政策面 : 習近平指導部は情報化社会の構築に向けて専門の指導グループを発足 さらに 製造業 2025 を策定し エレクトロニクス産業の高度化に向けて本腰を入れ始めている 主要企業 主な取扱銘柄 ~ 民営や半官半民企業が強い 業績はまだら模様 ~ 上場企業の多くは 国内エレクトロニクス企業 100 強 にランクインする地場系大手 14 年は景気低迷の影響もうけ 業績は各社でまだら模様だった 主戦場のスマートフォンは小米 (Xiaomi) 華為技術 中興通訊 (00763) 酷派集団 (02369) などの民営企業や半官半民企業が強い とりわけ新興の小米はネット販売重視の戦略が奏功し 国内トップの座に君臨 政府系では TCL 集団傘下の TCL 通訊 (02618) などが大手 各社は概ね利益を拡大した 一方 部品サプライヤーの瑞声科技 (02018) は減益 受託生産の富智康集団 (02038) は増益など 周辺企業の業績は明暗が分かれた また パソコン市場は供給過剰感が消えず 最大手の聯想集団の重しとなった 同社は IBM のサーバー部門の買収に踏み切るなど ソフト面の強化に努めている なお テレビ市場ではスマートテレビが普及 上場する海信電器 (600060) 創維数碼控股 (00751) TCL 多媒体 (01070) 長虹電器 (600839) 康佳集団 (200016) などの大手各社は 創維数碼控股を除いて競争激化から業績を落とした 一方の白物家電は 地元政府系の青島ハイアール (600690) が業界のガリバー的企業で 14 年もその地位を固めた 主力子会社の海爾電器 (01169) が業績を拡大 対照的にライバルの海信集団傘下の海信科龍電器 (00921) はエアコンの販売伸び悩みが響き 減益に後退した
主な取扱銘柄 : コード社名通貨 売上高増収率 (%) 純利益増益率 (%) 時価総額 コメント 00751 創維数碼控股 HK$ 40,135 +1.7 3,128 +149.4 19,670 民営の大手テレビメーカー 深セン市に本拠を置き 創維 (Skyworth) ブランドは国内有数のシェアを誇る 近年は 4K スマートテレビなどのハイエンド分野に注力 海外市場の開拓に向け グーグルテレビ対応の製品を供給している 00763 中興通訊元 81,471 +8.3 2,634 +94.0 98,512 国内屈指のエレクトロニクス企業 ZTE ブランドでグローバルに事業展開している 主力の通信設備部門は国内の 4G 需要に加え 新興国の通信インフラ需要も見込める ここ数年はスマートフォンのサプライヤーとしての存在感を高めている 00921 海信科龍電器 元 26,534 +8.9 672 44.7 16,928 総合家電大手の海信集団 ( ハイセンス ) で白物家電を担当 主力製品の冷蔵庫 エアコンなどは 海信 科龍 容声 のブランド名で知られ 国内のみならず海外でも販売している 黒物家電を担当する海信電器 (600060) とは兄弟会社の関係 00981 中芯国際集成電路製造 US$ 1,970 4.8 153 11.7 34,636 上海市を本拠とする半導体ファウンドリー 事業規模は国内最大手クラスで 上海市 天津市 北京市などに生産拠点を設置している 国内と米国からの受注が主力 前身は民営企業だったが 幾度の買収を経て 現在は国有資本の支配下にある 00992 聯想集団 US$ 46,296 +19.6 829 +1.4 119,307 中国を代表するエレクトロニクス企業 半官半民のコングロマリット 聯想控股 (03396) の中核会社 パソコンの世界最大手で スマートフォン タブレット端末などでも有名 Lenovo や ThinkPad のブランド名を用い グローバルに事業展開している 買収した IBM の低価格サーバー部門とモトローラーに注目 01070 TCL 多媒体 HK$ 33,526 15.1 234 黒転 7,031 広東省の家電大手 TCL 集団 でテレビなどを担当 主力製品は液晶 (LCD) テレビ スマートテレビ 3D テレビ 高解像度の 4K テレビなど AV( 音響 映像 ) 製品の ODM を手がける通力電子 (01249) を傘下に置く 02018 瑞声科技元 8,879 +9.7 2,318 10.1 53,786 小型音響部品を主力とする新興の部品メーカー 製品は携帯電話端末などに使用され 高い技術力を背景にアップル社の iphone を含むスマートン タブレット PC などに搭載されてきた 近年は収益の安定化をめざし 非音響部門を強化 その成果が試される 02038 富智康集団 US$ 6,830 +36.7 169 +118.0 36,533 世界最大の EMS 企業 鴻海グループ の傘下で 携帯電話端末の製造サービスを担当する台湾系企業 国内外の有名メーカーから スマートフォンなどの生産を請け負う 主な顧客は華為 小米をはじめとした中国メーカーだが ソニーなど海外勢も含まれる 02369 酷派集団 HK$ 24,900 +26.9 513 +47.1 11,662 民営のスマートフォンメーカー アンドロイド を OS に採用する 3G 4G のスマートフォンを生産し 国内で販売している 14 年の市場シェアは 9% で第 5 位にランクイン 中国スマートフォン市場の動向に左右されやすく 収益の多角化 安定化に課題 02618 TCL 通訊 HK$ 30,691 +58.5 1,093 +248.6 9,125 世界有数の携帯電話機メーカー 家電大手 TCL 集団 に属し 国内では TCL 海外では Alcatel ブランドを使用 主力は海外市場で 成長余地が大きい南米 中東などの新興国に確固たる基盤を持つ 製品ラインナップの中心は中低価格帯のエントリー機 600060 海信電器元 29,007 +1.9 1,400 11.6 36,670 中国の家電大手 親会社の海信集団 ( ハイセンス ) は山東省青島市を本拠とする地元政府系の総合家電メーカー 同社はその中で主にテレビ テレビセット 通信機器など黒物家電を担当している テレビの国内シェアは 11 年連続で首位を維持 世界でも 14 年で 4 位にランクインする
コード社名通貨 売上高増収率 (%) 純利益増益率 (%) 時価総額 コメント 600690 青島ハイアール 元 88,775 +2.5 4,992 +19.6 107,795 山東省青島市に本拠を置く総合家電大手 海爾集団 の中核企業 主に 海爾 ( ハイアール ) ブランドの白物家電を担当する 主力とする冷蔵庫 エアコン 洗濯機 調理用家電などの国内シェアは上位にランクイン 傘下の海爾電器 (01169) は家電製品の統合チャネルサービス ( 流通 物流 ネット販売など ) を担当 E コマース最大手 アリババグループ との提携効果が期待される 600839 長虹電器元 59,504 +1.1 59 88.5 29,210 四川省綿陽市政府系の総合家電メーカー 製品はテレビ AV 機器といった黒物家電から エアコン 冷蔵庫などの白物家電 IT 通信機器など幅広い 特に主力のテレビは 14 年で国内 4 位のシェア 中間製品の製造や不動産開発も手がけるなど 収益多角化が進む 売上高 純利益は創維数碼控股 (00751) 聯想集団 (00992) が 15 年 3 月本決算 それ以外は 14 年 12 月本決算 単位は百万 時価総額は 15 年 6 月 30 日 (A 株は 7 月 1 日 ) の終値に基づきブルームバーグから算出 単位は百万 HK$ 換算レートは 1 元 =1.2HK$ 注目されるトピックス ~ 国家戦略 中国製造 2025 に注目 ~ 中国製造 2025 は長期的テーマに : 製造大国から 強国 への躍進に向けた国家戦略 中国製造 2025 は 長期的な投資テーマ その柱はイノベーション能力を強化し 両化融合 ( 情報化と工業化の融合 ) とサービス型製造業を発展させることにあり 電子 電機業界はその主役となる 発展戦略に沿う企業は政策支援が見込める一方 逆に乗り遅れると淘汰の波に曝される可能性も 各企業は 中国製造 2025 を踏まえた成長戦略が求められる スマート家電 E コマース で 第二の小米 誕生の期待も : 今後は如何に情報化社会に対応した製品構成と効果的な販売ルートを確立できるかがカギ スマートフォン スマートテレビ スマートエアコンといった スマート家電 の分野で 競争が激しくなるだろう さらに販売で E コマースを効果的に使えれば スマートフォンでアップルやサムスンを凌駕する小米に続く企業が現れるかもしれない 海外事業の高度化は不可欠 : 典型的な労働集約 加工貿易型である限り 製造コストの増加や人民元高による輸出競争力の低下は避けられない 海外事業の高度化は喫緊の課題であり 今後は大手を中心に海外生産の拡大が急ピッチで進もう 本質的には自社製品の技術 ブランド力の向上が不可欠となるが 時間がかかるため 海外企業をまるごと買収する動きも増えそうだ ( 中国部畦田 )
( 万台 ) 中国国内での生産台数の推移 180,000 160,000 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 携帯電話機テレビパソコン伸び率 ( 携帯電話機 ) 伸び率 ( テレビ ) 伸び率 ( パソコン ) (%) 100 80 60 40 20 0 0-20 07 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 1-3 月 出所 :CEIC 主要家電の企業別 国内シェア (14 年 ) は地場系
重要な注意事項 当社の概要商号等内藤証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長 ( 金商 ) 第 24 号 本店所在地 541-0043 大阪市中央区高麗橋 1 丁目 5 番 9 号主な事業金融商品取引業 資本金 30 億 248 万円 ( 平成 26 年 3 月末現在 ) 設立年月昭和 18 年 4 月 加入協会日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 指定紛争解決機関特定非営利活動法人証券 金融商品あっせん相談センター 連絡先ご質問がございましたら 下記部支店までご連絡ください リスク等重要事項のご説明リスクについて 株式 株価および為替相場 ( 特に外国株式の場合 ) の変動等により損失が生じるおそれがあります 債券 債券は市場金利の動向や発行者の信用状況等によって価格が変動するため 損失を生じるおそれがあります さらに外国債券は為替相場の変動などにより損失が生じる場合もあります 投資信託 組み入れた株式や債券など 有価証券の価格変動および為替相場の動向 ( 特に外国通貨建て有価証券等を投資対象としている場合 ) 等により投資元本を割り込むおそれがあります 株価指数先物 同オプション 対象とする株価指数の動きにより損失が生じるおそれがあります 加えて 建て玉代金に比べ少額の委託証拠金での取引が可能であり 株価指数の変動によっては損失額が委託証拠金を上回る ( 元本超過損 ) おそれがあります ( オプション買方の場合は買付代金とコストの合計額に限定されます ) 手数料について 株式 1 対面取引の場合 i) 国内株式は約定代金に対して最大 1.15%( 税抜き以下同じ 但し最低 2,500 円 ) ii) 現地委託取引による外国株式は売買金額に対し最大 0.80%( 但し買付け時のみ最低 500 円 ) の国内手数料をいただきます 加えて 現地手数料として米国株式で外貨約定代金の最大 0.50% 香港株式で同 0.25%( 最低 50 香港ドル ) 上海 深セン株式で同 0.50% 必要となるほか 各証券市場によって SEC Fee 印紙税や取引所税等の費用が掛かる場合があります また 為替に関しては内藤証券が決定したレートを用います iii) 国内店頭 ( 相対 ) 取引による外国株式は当社提示の取引価格の中に手数料等 ( 諸費用を含む ) をあらかじめ加味しております また為替は上記同様 当社為替レートを用います 2 コールセンター取引の場合 i) 国内株式は約定代金に応じて最大 31,000 円 ( 最低 2,500 円 ) ただ 月間取引回数等による割引きあり ii) 外国株式は対面取引と同様です 3 インターネット取引の場合 i) 国内株式は手数料プランが複数に分かれており この欄に表示するのが難しいため 詳細は当社 HP(http://www.naito-sec.co.jp/) にてご確認ください ii) 現地委託取引による外国株式は売買金額に対して最大 0.40%( 但し買付け時のみ最低 500 円 ) の国内手数料をいただきます また現地手数料並びに為替レート等は対面取引と同様です なお インターネット取引では米国株式及び国内店頭取引による外国株式の取り扱いを行っていません 債券 国内債券については売買委託手数料表をご確認ください また 相対取引による外貨建て債券の売買に関しては当社が提示する価格の中に手数料等 ( 諸費用を含む ) をあらかじめ加味しております 円貨と外貨を交換する際には 外為市場等の動向をふまえて当社が決定した為替レートを用います 投資信託 商品により異なりますので 詳細は 投資信託説明書 ( 交付目論見書 ) をご覧下さい 株価指数先物 同オプション i) 株価指数先物は約定代金に対して最大 0.08% ii) 株価指数オプションは約定代金の最大 4.0%( 但し最低 2,500 円 ) 本資料は 公表されたデータ等信頼できると考えられる情報に基づいて内藤証券が作成し また記載された見解等の内容は全て作成時点のもので時間の経過とともに不正確となる場合があり 過去から将来にわたって その正確性 完全性を保証するものではありません 内容は今後予告なく変更することがあります 本資料に基づいた投資によって発生する損益は全てお客様に帰属します 内藤証券は 故意または重過失が無い限り 責任を負いません 本資料に提供される情報著作権等の知的財産権は 引用部分を除き 全て内藤証券に帰属します お客様は 事前に内藤証券の同意なく 本資料の内容及び情報を複製 譲渡 修正 変更または転送等の行為をすることができません 本社大阪市中央区高麗橋 1-5-9 06-6229-6511 東日本地区 東京第一営業部 TEL03-3666-5541 三鷹支店 TEL0422-71-1251 伊勢崎支店 TEL0270-25-3780 東京第二営業部 TEL03-3666-7137 金沢文庫支店 TEL045-780-5021 伊勢崎駅前サテライト TEL0270-25-3780 神田支店 TEL03-6361-9191 足利支店 TEL0284-22-1234 焼津支店 TEL054-621-1311 西日本地区 インターネット コールセンター 本店営業部 TEL06-6229-6904 橿原支店 TEL0744-28-4711 新宮支店 TEL0735-22-8151 住道支店 TEL072-889-5236 和歌山支店 TEL073-423-6211 高松支店 TEL087-822-0105 寝屋川支店 TEL072-822-6333 有田支店 TEL0737-52-7110 金剛支店 TEL072-365-1901 田辺支店 TEL0739-22-4678 succe-s@naito-sec.co.jp 0120-20-9680 2015/7/1 広告審査済