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平成21年度税制改正について

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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(*2) ハイブリッド自動車 ハイブリッドバス トラック ハイブリッド乗用車等車両総重量 3.5t 以下は 車 (*4) かつ燃費基準 +25% 達成車 (*5) 車両総重量 3.5t 超は重量車 車 (*9) かつ重量車燃費基準達成車 (*7) (*3) クリーンディーゼル乗用車平成 21 年排出

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

平成18年度地方税制改正(案)について

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

平成23年度税制改正の主要項目

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

Microsoft Word - 税制改正大綱最終版.doc

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

平成21年度 環境省重点施策

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

スライド 1

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

海運関係事項

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

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【表紙】

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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(1) 政策目的 多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業の事業承継を円滑化することにより 中小企業の事業活動の継続を実現し 雇用の確保や地域経済の活力維持につなげることを目的とする (2) 施策の必要性 全国の経営者の平均年齢は年々上昇しており 例えば資本金

確定版 平成 31 年度 エコカー減税等概要 平成 31 年 3 月 28 日

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

PowerPoint プレゼンテーション

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

平成20年2月

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

最近10 年間の動き(平成11 年7月~21 年6月)

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

エコカー減税グリーン化特例(自動車税 軽自動車税)(自動車税 軽自動車税)環境性能割車体課税の見直し ( 自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税 ) トラック バス タクシーについては 営自格差 を堅持するとともに 一部見直しを行った上で エコカー減税 グリーン化特例を 2 年間延長 また

本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

自動車取得税の 税率の特例 ( 法附則第 12 条の 2 の 2 第 12 条の 2 の 3 第 12 条の 2 の 5) 電気自動車 ( 燃料電池自動車を含む ) 天然ガス自動車 対象車両新車中古車 平成 30 年排出ガス規制適合又は平成 21 年排出ガス規制 NOx10% 以上低減 プラグインハ

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

上場株式等の配当等に対する課税

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

平成 30 年度与党税制改正大綱の概要 基本的考え方 我が国経済の成長軌道を確かなものとするため 生産性革命 と 人づくり革命 を断行するとともに 人生 100 年時代を見据え 誰もが生きがいを感じられる 一億総活躍社会 を作り上げる必要がある このため 税制面においては 働き方の多様化を踏まえ 様

Ⅰ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置 1. つみたて NISA の制度期限の延長 NISA 制度の恒久化 根拠法の制定等 1つみたて NISA について 平成 49 年までとされている投資可能期間 ( 制度期限 ) を延長することにより 来年以降に投資を開始しても投資可能期間が少

平成16年版 真島のわかる社労士

所令要綱

平成19年12月○日

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環境税の具体案

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

(2) 滞納残高 イ 税目別の滞納残高 平成 18 年度平成 19 年度平成 2 年度平成 21 年度平成 22 年度平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 申告所得税 2,119 2,72 1,994 1,921 1,871 1,871 1,784 1,7

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

アクタスマネジメントサービス㈱

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

新又は延長を必要とする理由設 拡充⑴ 政策目的 1 社会保障 税一体改革大綱 ( 平成 24 年 2 月 17 日閣議決定 ) 等に基づき 自動車取得税及び自動車重量税について 廃止 抜本的な見直しを強く求める 等とした平成 24 年度税制改正における与党の重点要望に沿って 国 地方を通じた関連税制

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

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経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改


相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

法人税 faq

与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

HPのトップページ更新原稿

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

平成 31 年度 税制改正 平成 31 年 4 月 財務省

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

第25回税制調査会 総25-1

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

 

やさしい税金教室

平成 31 年度 税制改正 ( 案 ) のポイント このパンフレットは 平成 31 年度税制改正の大綱 ( 平成 30 年 12 月 21 日閣議決定 ) 及び 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 平成 31 年 2 月 5 日閣議決定 ) の内容を分かりやすくまとめたものです 法案成立前の内容で

Transcription:

平成 21 年度税制改正の概要 我が国の租税 印紙収入 ( 決算ベース ) は 平成 2 年度の 60.1 兆円をピークに低下傾向にあったが 平成 15 年度の 43.3 兆円を底として 20 年度の当初予算では 53.6 兆円に回復するまでとなった しかし 米国に端を発する世界的な金融危機と景気後退により我が国経済も急激に悪化し 20 年度第 2 次補正予算では 法人税を中心に大幅な減収が見込まれることから 20 年度当初予算を 7.1 兆円下方修正している また 21 年度は 20 年度第 2 次補正予算を 0.3 兆円下回る 46.1 兆円と厳しい状況となっている 麻生総理大臣は こうした経済状況を 100 年に1 度 全治 3 年 とした上で 今後の経済財政政策について 当面は景気対策 中期的には財政再建 中長期的には改革による経済成長という3 段階のビジョンを示した 当面の景気対策として 生活対策 (20 年 10 月 30 日 ) 生活防衛のための緊急対策 ( 同 12 月 19 日 ) など計 75 兆円規模 ( 第 1 次補正予算を含む ) の経済対策を打ち出した これらの経済対策には 過去最大規模の住宅ローン減税や中小企業減税などの 21 年度税制改正に盛り込まれる減税措置等が明記されている 以下 改正案の概要を紹介する ( 住宅 土地税制 ) 住宅ローン減税の適用期限を5 年間延長 最大控除可能額を 500 万円 ( 長期優良住宅は 600 万円 ) に引上げ生活対策において 住宅ローン減税の期限延長 最大控除可能額の過去最高水準までの引上げ が明記されたこと等を踏まえ 今回の改正では 現行の最大控除可能額 ( 平成 20 年居住分 160 万円 ) を 500 万円 ( 長期優良住宅 600 万円 ) に引き上げるとともに 適用期限が5 年間 ( 平成 25 年居住分まで ) 延長される 図表 1 自己資金で長期優良住宅の新築等をする場合や省エネ及びバリアフリー改修を行う場合の税額控除制度の創設今回の改正では 住宅ローンによらず 自己資金により長期優良住宅の取得等や省エネ等の改修工事を行った場合の所得税額控除制度が創設される このほか 平成 21 年及び 22 年に取得した土地等の長期譲渡所得の 1,000 万円特別控除制度の創設 21 年度から段階的な引上げを予定していた土地の売買等に係る登録免許税の軽減措置の2 年間の据置き等が行われる 経済のプリズム No66 2009.3 50

( 法人関係税制 中小企業対策税制 ) エネルギー需給構造改革推進設備等や資源生産性の向上に資する設備等について 2 年間即時償却を可能とする制度の創設今回の改正では エネルギー需給構造改革推進税制の対象となる設備 ( 太陽光発電設備 天然ガス自動車等 ) や資源生産性を高めるための設備投資 ( 熱電併給設備 太陽熱利用設備等 ) について 即時償却制度が創設される 図表 2 中小法人等の軽減税率について 現行 22% から 18% に2 年間引下げ生活対策において 中小企業に対する軽減税率の時限的引下げ が明記されたこと等を踏まえ 今回の改正では 資本金 1 億円以下の中小法人等の 22% の軽減税率 (800 万円以下の所得の部分に適用 ) について 2 年間の時限措置として 18% への引下げが行われる 図表 3 中小法人等の欠損金の繰戻し還付の適用停止の廃止欠損金の繰戻し還付制度は 赤字法人の前年度に納付した法人税の還付を認めるものであるが 平成 4 年度税制改正から 一部の場合を除き 適用が停止されている 今回の改正では 中小法人等の平成 21 年 2 月 1 日以後に終了する各事業年度について 繰戻し還付が認められる 図表 4 ( 相続税制 ) 非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度の導入等中小企業の事業承継に関しては 平成 20 年 5 月に 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 が成立した これを踏まえ 今回の税制改正においては 5 年間の事業継続や雇用の8 割維持等を要件として 後継者の相続税額のうち議決権株式 ( 相続後で発行済議決権株式の 2/3 に達するまで ) の 80% の納税猶予制度 ( 贈与の場合は全額 ) が創設される 図表 5 このほか 農地法の見直し等を踏まえ 現行の農地に係る相続税の納税猶予制度について 貸付けの場合にも適用を認めるなどの改正が行われる 51 経済のプリズム No66 2009.3

( 金融 証券税制 ) 上場株式等の配当及び譲渡益について 現行の7%( 住民税と併せて 10%) 軽減税率の3 年間延長平成 15 年度税制改正で創設された上場株式等の 10% 軽減税率の特例は 金融所得課税の一体化に向けて 経過措置が講じられた上で 平成 21 年から 20% に戻されることとなっていたが 今回の改正では 金融資本市場の状況等を踏まえ 10% の軽減税率が平成 23 年まで延長される 図表 6 ( 国際課税 ) 外国子会社からの配当について 間接外国税額控除制度に代えて 親会社の益金不算入とする制度 ( 外国子会社配当益金不算入制度 ) の導入我が国企業の海外利益が増加する一方 利益が国内に還流されない状況等を踏まえ 今回の改正では 内国法人の一定の外国子会社 ( 持株割合が 25% 保有が6 月以上 ) からの受取配当の益金不算入制度が導入される 図表 7 ( その他改正項目 ) 一定の排ガス性能 燃費性能等を備えた自動車に係る自動車重量税を時限的に減免 図表 8 入国者が輸入するウイスキー等又は紙巻きたばこに係る酒税又はたばこ税の税率の特例措置の適用期限を延長 特定の石炭 ( 鉄鋼 コークス及びセメント製造用 ) に係る石油石炭税の免税措置の適用期限を延長 ( 附則 税制抜本改革の道筋及び基本的方向性 ) 持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた 中期プログラム ( 平成 20 年 12 月 24 日閣議決定 ) に基づき 法案附則において 税制抜本改革の道筋及び基本的方向性について規定する 図表 9 ( 内線 3046 3048) 経済のプリズム No66 2009.3 52

一般の住宅 図表 1 住宅ローン減税 平成 20 年居住分 ( 現行 ) 長期優良住宅 ~2,000 万円 20 20 20 20 20 最高控除額 160 万円 1~6 年目 7~10 年目 20 1.0% 0.5% 10 10 10 10 平成 21 年居住分 1~10 年目 1.2% 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 最高控除額 500 万円 最高控除額 600 万円 平成 22 年居住分 1~10 年目 1.2% 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 最高控除額 500 万円 最高控除額 600 万円 平成 23 年居住分 ~4,000 万円 1~10 年目 1.2% 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 最高控除額 400 万円 最高控除額 600 万円 平成 24 年居住分 ~3,000 万円 ~4,000 万円 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 最高控除額 300 万円 最高控除額 400 万円 平成 25 年居住分 ~2,000 万円 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 ~3,000 万円 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 最高控除額 200 万円 最高控除額 300 万円 53 経済のプリズム No66 2009.3

図表 2 省エネ 新エネ設備等の即時償却制度 < 現行 > < 改正案 > 取得価額 30% 特別償却 特別償却 即時償却 普通償却 普通償却 図表 3 中小法人等の軽減税率引下げの概要 資本金の額又は出資金の額が 1 億円以下である普通法人 通常の一般社団法人等 持分の定めのない医療法人等 資本又は出資を有しない普通法人 非営利性が徹底された一般社団法人等 公益社団法人等 一般社団法人等 人格のない社団等 協同組合等 ( ) 公益法人等 ( 学校法人 社会福祉法人 宗教法人 一部の厚生連等 ) 特定医療法人 現行年 800 万円まで 22% 一律 22% 一律 22% 一律 22% ( 改正後 ) 年 800 万円まで 18% [H21.4.1-H23.3.31 に終了する事業年度 ] ( ) 特定協同組合等 (1 総収入金額のうちに物品供給事業の収入金額に占める割合が 50% 以上 2 組合員の数が 50 万人以上 3 店舗における物品供給事業の収入金額が 1000 億円以上である協同組合等 ) については 年 10 億円超の所得 :26% 年 10 億円以下の所得 :22% ( 出所 ) 経済産業省資料を基に作成 経済のプリズム No66 2009.3 54

遺留分特例の大臣確認認とは別制度申相産大臣の確後継者の死亡等株式の保有継続 告続開期取組み経限始図表 4 中小法人等の欠損金の繰戻し還付の仕組み 前期の法人税額 所得税率 500 22% 110 +500 当期の還付金額 当期欠損金額 前期法人税額 前期所得金額 110 200 44 500 前年度は黒字だった法人が 経営悪化などで今年度赤字に陥った場合 前年度に納税した法人税を還付してもらうことができる 200 当期 前期 200 図表 5 新しい事業承継税制の概要 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 (20 年 5 月 9 日成立 20 年 10 月 1 日施行 ) に基づく経済産業大臣の関与 10 ヶ月間 5 年間 猶予税額が免除される 死亡 以外の場合 会社の倒産 後継者への贈与 同族関係者以外の者に株式を全部譲渡した場合 ( 譲渡対価等を上回る税額を免除 ) 事業承継の計画的な経産大臣の認定 会社 後継者に関する要件の判定 事業の継続 代表者であること 株式の保有継続 雇用の 8 割維持 申告 担保提供 要件を満たさなくなった場合 株式を譲渡等した場合 猶予税額の免除 後継者の相続税額のうち議決権株式 ( 相続後で発行済議決権株式の 2/3 に達するまで ) の 80% に対応する相続税の納税を猶予 全額納付 譲渡等した部分に対応する猶予税額を納付 55 経済のプリズム No66 2009.3

現行 税率 損益通算 図表 6 上場株式等の譲渡益及び配当の課税について ~H20.12 10% - H21 H22 H23 原則 20% 特例措置 上場株式等の譲渡益 (500 万円以下の部分 )10% 上場株式等の配当 (100 万円以下の部分 )10% 20% 上場株式等の譲渡損と配当の損益通算 H21.1~ 確定申告による対応 H22.1~ 源泉徴収口座内における損益通算を可能に H24.1~ 改正案 税率 ~H20.12 10% 上場株式等の譲渡損と配当の損益通算 損益通算 - H21.1~ 確定申告による対応 H22.1~ 源泉徴収口座内における損益通算を可能に ( 注 ) 恒久的施設を有しない非居住者並びに内国法人及び外国法人が支払を受ける上場株式等の配当に対する 軽減税率 (7%) は 平成 23 年 12 月 31 日まで延長 ( 現行 平成 21 年 3 月 31 日まで適用 ) H21 H22 H23 10% H24.1~ 20% 図表 7 海外子会社からの配当の益金不算入制度の創設 改正前 : 外国税額控除制度 ( 全世界所得方式 ) 海外 ( 税率 30% の場合 ) 国内 ( 税率 40%) 海外子会社からの配当は国内税率で課税した上で 外国で納めた税額を控除する 配当 配当 30 % 配当に対応する現地での税額 ( 税額控除 ) 40 % 国外所得 100 国外所得 100 国内所得 100 日本よりも低税率の国から戻す場合 10% 分の追加的課税分が発生 改正後 : 益金不算入制度 < 二重課税排除方法を変更 > 海外 ( 税率 30% の場合 ) 国内 ( 税率 40%) 海外子会社からの配当は国内では益金に算入しない 配当 配当 30 % 配当に対応する現地での税額 現地で課税されるのみ 40 % ( 出所 ) 経済産業省資料を基に作成 国外所得 100 国内所得 100 経済のプリズム No66 2009.3 56

図表 8 自動車重量税 自動車取得税の時限的減免 次世代自動車 登録車 軽自動車 重量車 ( バス トラック等 ) 2010 年度燃費基準 +25% 達成車 2010 年度燃費基準 +15% 達成車 ポスト新長期規制適合車 免税 排ガス基準 (NOX 又は PM+10% 低減 ) 排ガス基準 75% 軽減 50% 軽減 2015 年度重量車燃費基準達成車 75% 軽減 50% 軽減 次世代自動車 電気自動車 ( 燃料電池自動車含 ) プラグイン ハイブリッド自動車 クリーンディーゼル自動車 ハイブリッド自動車 天然ガス自動車 ( 一定の性能要件を満たすもの ) ( 出所 ) 経済産業省資料を基に作成 図表 9 中期プログラムと税法の附則 中期プログラム (20.12.24 閣議決定 ) 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 附則第 104 条 ) 今年度を含む3 年以内の景気回復に向けた集中的平成 20 年度を含む3 年以内の景気回復に向けた集な取組により経済状況を好転させることを前提に 中的な取組により経済状況を好転させることを前消費税を含む税制抜本改革を 2011 年度より実施で提として 遅滞なく かつ 段階的に消費税を含むきるよう 必要な法制上の措置をあらかじめ講じ 税制の抜本的な改革を行うため 平成 23 年度まで 2010 年代半ばまでに段階的に行って持続可能な財に必要な法制上の措置を講ずるものとする この場政構造を確立する 合において 当該改革は 2010 年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とするものとする 改革の実施に当たっては 景気回復過程の状況と国際経済の動向等を見極め 潜在成長率の発揮が見込まれる段階に達しているかなどを判断基準とし 予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする 改革を具体的に実施するための施行期日等を法制上定めるに当たっては 景気回復過程の状況 国際経済の動向等を見極め 予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするものとし 当該改革は 不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行われるものとする 57 経済のプリズム No66 2009.3