4 処理施設の概要 1 浄化センター平成 27 年度末現在, 第 1 号公共下水道, 第 2 号公共下水道及び第 4 号公共下水道について 3 つの浄化センターが稼働しています ( なお, 大塚 赤塚浄化センター, 双葉台浄化センター及びけやき台浄化センターについてはフレックスプランとして整備されましたが, 平成 25 年度までに幹線への接続がすべて完了したことから, 現在はその機能を停止しています ) ( 敷地面積及び処理能力は,H28.4. 1 現在の全体計画 ) 処理施設の 名 称 位 置 敷地面積 ( m2 ) 処理方法 日最大 (m 3 / 日 ) 処理能力 計画処理 人口 ( 人 ) 備 考 水戸市浄化センター水府 青柳浄化センター内原浄化センター 若宮 1 丁目 56,300 標準活性汚泥法 79,500 115,900 S49.7 供用 青柳町 3,900 オキシデーションディッチ法 1,450 2,700 H7.3 供用 高度処理オキシ デーションディ 鯉淵町 32,000 ッチ法 + 凝集剤 5,400 8,500 H9.4 供用 添加 + 急速濾過 法 第 3 号公共下水道については, 茨城県が運営している那珂久慈浄化センターで処理を行っています ( 敷地面積及び処理能力は,H28.4. 1 現在の全体計画 ) 処理能力処理施設の敷地面積位置処理方法日最大計画処理備考名称 ( m2 ) (m 3 / 日 ) 人口 ( 人 ) 那珂久慈浄化 センター ひたちな か市 350,000 標準活性汚泥法 236,200 377,380 H 元.4 供用 那珂久慈流域下水道関連市町村等水戸市, 日立市, 常陸太田市, ひたちなか市, 城里町, 大洗町, 東海村, 常陸大宮市, 那珂市, ひたちなか 東海広域事務組合 - 20 -
2 汚泥処理施設処理水量の増加とともに, 年々増加する汚泥の処分が大きな課題となってきたことから, 処分する汚泥量の減量化を図るために, 県の那珂久慈流域下水道とその周辺の公共下水道から発生する汚泥を処理する広域汚泥処理事業に参画して, 那珂久慈浄化センター内に汚泥焼却炉 (1 号炉 100t/ 日 ) を建設し, 平成 10 年度から稼動しています また, 汚泥量の増大に対応するため平成 17 年度に 2 号炉 (100t/ 日 ) を増設し, 平成 18 年度から稼動しています (H28.4. 1 現在 ) 処理施設 の名称 主要な処理 施設の名称 炉の 名称 構造能力広域汚泥処理事業関係団体 那珂久慈 流動床式 1 号炉流動床炉焼却能力 水戸市 ブロック 汚泥焼却炉 100t/ 日 基 日立市 広域汚泥 日立 高萩広域下水道組合 処理施設 ひたちなか市 笠間市 ( 旧友部 笠間広域下水道組合 ) 茨城町 2 号炉 流動床炉 焼却能力 100t/ 日 基 笠間市 ( 旧岩間町 ) 北茨城市 城里町 那珂久慈流域下水道 水戸市分 :27 年度搬入ケーキ量 6,992t/ 年 (19.1t/ 日 ) - 21 -
5 合流式下水道改善事業 水戸市では, 昭和 28 年度から下水道事業を進めてきましたが, 上市地区など事業初期の整備区域については, 汚水と雨水を同一の管渠で排除する合流式を採用して整備を行いました (7ページ事業計画図参照 ) 平成 27 年度までに市全体では整備面積が 4,633ha, 整備人口が 211,698 人の整備を完了しておりますが, このうち合流式下水道区域は面積が約 687ha, 排水人口が約 32,640 人となっています 合流式下水道は, 汚水と雨水の対策を同時に進められたため, 公衆衛生の向上や低地区の浸水防除のための早期整備に大きな役割を果たしましたが, 一方で, 雨天時において未処理の汚水の一部が雨水とともに公共用水域に排出されることから水質汚濁や悪臭の発生, 公衆衛生上の影響等が懸念されています このため, 平成 14 年度に合流式下水道の改善対策を緊急的かつ集中的に実施する 合流式下水道緊急改善事業 が国において創設され, その後, 平成 15 年 9 月に下水道法施行令が改正となり, 合流式 下水道についても, 雨天時に下水を公共用水域に放 流する吐口からの放流水量を減少させること, 雨水 五軒滞水池 ( 施工中の内部 ) の影響が大きいときの放流水の水質を分流式下水道と同程度にすること等が規定されました こうした状況を踏まえ, 水戸市においても, 早急な放流先水域の水環境の改善に向け, 合流式下水道の改善事業を進めてきたところです 平成 14 年度には, 下水道施設の現状と計画 ( 面積 水量 水質 施設調書 吐室測量 ), 未処理放流状況 ( 水量 回数 ), 放流先水域の状況 ( 水質 水量 利用 ) 及び降雨情報の調査等を行いました この調査により, 合流式下水道の構造や降雨情報を詳しく把握することができました 平成 15 年度には, 合流式下水道の吐き口におい て晴天時に 2 回, 雨天時に 2 回, 水質調査を行い - 22 - 常磐第 1 第 2 貯留管 ( 施工中の内部 )
ました この調査により,BODやSS 等公共用水域に影響を与える汚濁物質が, 雨天時にどれくらい放流されているかという, 現状の把握をすることができました 平成 16 年度には, 合流式下水道の汚濁負荷量を分流式下水道並みとすること, 公衆衛生上の安全確保 ( 未処理放流回数の半減 ), きょう雑物の削減 を 5 年間の緊急改善目標とした 水戸市合流下水道緊急改善計画 を策定しました ( 平成 21 年度から平成 25 年度まで延伸 ) 計画のうち, き ょう雑物の削減 対策については, 平成 22 年度末 スクリーン ( 新荘第 1 吐き室 ) までにスクリーン ( ゴミ等の流出を防止する設備 ) の設置が完了しております 貯留施設については, 常磐第 1 第 2 貯留管と五軒滞水池を整備し, 水戸市浄化センターにおいては, 雨天時簡易処理施設の高度処理化の工事を進めてきたところで, いずれも平成 25 年度に完成しております 高速ろ過施設 ( 水戸市浄化センター内 ) - 23 -
6 水戸市下水道長寿命化計画 水戸市では昭和 28 年度から下水道事業を開始して以来, 下水道普及率は平成 27 年度末において 77.6% に達しており, 市街化区域の整備はほぼ完了しております このような中, 管路延長は約 1,196km, 処理場数は 3 箇所, ポンプ場数は 6 箇所となり, 施設ストックは膨大なものとなりました これに伴い, 管きょの老朽化等に起因した道路陥没も懸念されるところですが, 従来の道路陥没後の事後的な対応では, 市民生活に大きな支障が出るだけでなく, コスト的にも不経済となります また, 処理場, ポンプ場といった下水道施設についても着実に老朽化が進んでおり, 特に水戸市浄化センターは昭和 49 年度に供用を開始して以来, 約 40 年を経過していることからも, 経年劣化や損傷等が進んでおります これまでも適正な維持管理が実施されてきたところではありますが, 今後はこれらの下水道施設をより計画的にかつ効率的に管理することが求められております このため, 事故発生や機能停止を未然に防止する, いわゆる予防保全の観点から, 限られた財源の中で, 計画的な改築を推進するための事業制度である 長寿命化制度 が国土交通省により創設されております 本市においても, この長寿命化支援制度に則り, 水戸市下水道長寿命化計画 ( 管きょ ) 及び 水戸市下水道長寿命化計画 ( 施設 ) を平成 24 年度に作成したところで, 今後は, この計画に基づき計画的な維持管理並びに改築 修繕を推進してまいります 計画の概要としましては下記のとおりです ( 管きょ ) 計画期間平成 25 年度 ~ 平成 29 年度対象箇所管きょ改築約 975m ( 三の丸, 五軒, 北見根本, 新荘第 1, 新荘第 2 排水区 ) マンホール蓋交換 964 箇所 常磐第 1 幹線頂板破損個所 ( 施設 ) 計画期間平成 25 年度 ~ 平成 29 年度対象箇所 1 水戸市浄化センター 2 桜川第 1 ポンプ場 3 緑岡汚水中継ポンプ場 みとちゃんマンホール蓋 - 24 -
7 消化ガス発電について水戸市浄化センターで発生する消化ガスは, 従来は, その一部が消化槽の加温に利用されてきたところですが, 大部分は余剰ガス燃焼装置で焼却処分されてきました このため, 消化ガスの有効利用と地球温暖化対策の観点から, 消化ガス発電設備を設置しました 消化ガス発電設備概要図 消化槽から発生する消化ガスで発電機を運転し発電するとともに, 発電に伴う排熱による温水で消化槽の加温にも利用します 当設備の発電能力は 285kwh となっており, 年間の発電量は約 200 万 kw, 年間の CO2 が削減量は約 770tを見込んでいます 平成 24 年 9 月から設備工事に着手, 平成 26 年 3 月に完成し 4 月から供用を開始しています ガスタンク 消化タンク 消化ガス発電設備 消化ガス発電設備 ( 水戸市浄化センター内 ) - 25 -
8 下水道使用料 昭和 49 年 7 月に浄化センターの処理を開始すると同時に使用料を徴収しています 平成 28 年 4 月の下水道使用料の改定に伴い, 次のような料金体系となっています 下水道使用料の徴収は, 水道事業管理者へ事務委託しています (H28.4. 1 現在 ) 種別 基本料金 (1カ月につき) 超過料金 (1カ月当たり排除汚水量 1 立方メートルにつき ) 排除汚水量 料金 排除汚水量 料金 一般汚水 8 立方メート 1,149.12 円 8 立方メートルを超え 56.16 円 ルまで 10 立方メートルまで 10 立方メートルを超え 167.40 円 20 立方メートルまで 20 立方メートルを超え 179.28 円 30 立方メートルまで 30 立方メートルを超え 196.56 円 50 立方メートルまで 50 立方メートルを超え 221.40 円 200 立方メートルまで 200 立方メートル 253.80 円 を超えるもの 公衆浴場汚水 8 立方メート 1,149.12 円 8 立方メートル 49.68 円 ルまで を超えるもの 料金には消費税相当額を含みます 備考 1 一般汚水とは, 公衆浴場汚水以外の汚水をいう 2 公衆浴場汚水とは, 公衆浴場法 ( 昭和 23 年法律第 139 号 ) 第 2 条第 1 項の規定により茨城県知事の許可を受けた公衆浴場で, 物価統制令 ( 昭和 21 年勅令第 118 号 ) の適用を受けるものから排除される汚水をいう - 26 -
9 受益者負担金 公共下水道の整備には多額の費用がかかりますが, 不特定多数の人が利用する道路や公園 などと違い, 下水道の恩恵を受けることができる人は, 下水道が整備された区域の方に限ら れます このため, 建設費の全てを税金で賄うことは他の地区の方に対して不公平となりま す そこで, この公共下水道の建設費の一部を, 都市計画法に基づき公共下水道が整備され る区域内に土地を所有する方などに, その面積に応じて負担していただくのが受益者負担金 です 水戸市では, 昭和 37 年度に初めて負担区を設けて以来, 15 負担区を設置しています 徴収方法は,3 年分割 年 4 回納付 ( 内原第 1 負担区のみ 5 年分割 ), または, 一括払いとして います (H28.4.1 現在 ) 負担区名 ( 処理区名 ) 設定年度 単価 (1 m2当り ) 上市負担区 ( 水戸北処理区 ) S37 44.16 円 城東負担区 ( 水戸北処理区 ) S54 141 円 浜田 駅南負担区 ( 水戸南処理区 ) S61 210 円 東部第 1 負担区 ( 水戸南処理区 ) S63 230 円 水戸第 1 負担区 ( 水戸北 水戸南処理区 ) H3 250 円 水府 青柳負担区 ( 水府 青柳処理区 ) H3 250 円 東前負担区 ( 常澄処理区 ) H7 260 円 内原第 1 負担区 ( 内原処理区 ) H9 550 円 西部第 1 負担区 ( 水戸北処理区 ) H9 270 円 南部第 1 負担区 ( 水戸南処理区 ) H10 290 円 北部第 1 負担区 ( 水戸北処理区 ) H11 290 円 水戸第 2 負担区 ( 水戸北処理区 ) H13 310 円 東前第 2 負担区 ( 常澄処理区 ) H15 300 円 水戸第 3 負担区 ( 水戸北 水戸南処理区 ) H20 320 円 水戸第 4 負担区 ( 水戸北 水戸南 常澄 内原処理区 ) H22 320 円 10 水洗便所改造資金の助成 処理区域内において, 既設の便所を水洗便所に改造する者に対し, 昭和 48 年 12 月から水洗 便所改造資金の助成をおこなってきましたが, 平成 12 年の助成制度見直しにより, 補助金額 13,000 円の支給制度は廃止になり, 利子補給について融資限度額の増額及び返還期間の延長な ど制度の拡充を図ったところです 1 融資限度額の改定状況 年度昭和 49 年昭和 52 年昭和 60 年平成 4 年平成 12 年区分 ( 当初 ) 融資限度額 ( 円 ) 150,000 210,000 270,000 330,000 480,000 2 改造資金助成状況 ( 各年度の交付決定件数 ) 年度区分 平成 14 年 平成 15 年 平成 16 年 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 利子補給 ( 件 ) 1 8 0 0 0 0 0 年度区分 平成 21 年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 利子補給 ( 件 ) 4 0 2 0 0 0 0-27 -
下水道事業会計決算の推移 ( 平成 26 年度打切り決算まで ) 歳入 ( 単位 : 千円 ) 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 1 分担金及び負担金 469,568 474,082 116,249 146,092 155,846 2 使用料及び手数料 2,521,310 2,471,614 2,607,218 2,959,897 2,720,154 3 国庫支出金 1,216,050 1,675,508 2,063,016 1,583,355 1,759,410 4 県支出金 - - - - - 5 繰入金 5,171,425 5,711,456 5,198,198 5,191,344 5,086,000 6 繰越金 421,803 601,541 755,366 406,382 532,752 7 諸収入 58,829 4,956 11,133 42,119 1,684 8 市債 3,220,200 3,108,400 3,846,600 6,181,000 2,835,000 計 13,079,185 14,047,557 14,597,780 16,510,189 13,090,846 歳出 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 1 下水道費 6,047,801 6,858,625 7,721,013 6,526,334 5,984,670 1 下水道総務費 1,553,326 1,665,030 1,665,742 1,701,414 1,681,088 1 下水道管理費 244,535 371,747 347,595 347,853 383,103 2 下水道計画費 41,619 40,147 48,065 38,878 32,191 3 下水道維持費 1,267,172 1,253,136 1,270,082 1,314,683 1,265,794 2 下水道建設費 4,472,367 4,517,386 5,518,977 4,824,920 4,303,582 3 災害復旧費 22,108 676,209 536,294 - - 2 公債費 6,429,843 6,433,565 6,470,385 9,451,104 6,827,940 3 予備費 - - - - - 計 12,477,644 13,292,190 14,191,398 15,977,438 12,812,610 H26 年度は H27.3.31 で打切り決算 28
下水道事業会計決算の推移 ( 平成 27 年度企業会計開始から ) 収益的収入 ( 単位 : 千円 ) 平成 27 年度 ( 決算 ) 平成 28 年度 ( 当初予算 ) 1 下水道事業収益 9,068,586 9,193,381 1 営業収益 4,702,355 4,800,049 2 営業外収益 4,366,212 4,393,332 3 特別利益 19 - 収益的支出 1 下水道事業費 8,929,369 9,193,381 1 営業費用 6,910,333 7,196,822 2 営業外費用 1,973,177 1,989,887 3 特別損失 45,859 3,440 4 予備費 0 3,232 資本的収入 1 資本的収入 6,144,423 5,571,152 1 企業債 3,074,000 2,856,100 2 他会計出資金 822,351 899,703 3 国庫補助金 1,668,509 1,223,800 4 負担金及び分担金 579,563 591,549 資本的支出 1 資本的支出 9,669,022 9,201,219 1 建設改良費 4,540,929 3,875,069 2 固定資産購入費 2,327 2,120 3 企業債償還金 5,125,766 5,320,530 4 予備費 0 3,500 29