平成 25 年 7 月 11 日東京海洋大学公開講座 最新の海洋探査 土木技術とその現場 最新海洋土木工事の現場 東亜建設工業株式会社土木事業本部 機電部機械グループ 那須野陽平
会社概要と 100 年の歩み 創業 : 1908 年 ( 明治 41 年 ) 従業員 : 1,529 名 ( 平成 24 年 12 月 31 日時点 ) 事業内容 : 総合建設業 ( 海上土木 陸上土木 浚渫 埋立 建築工事の請負 土地の造成 販売 開発 建設コンサルタント ) など 上場 : 東証 1 部 (1961 年 9 月 ) 札証(1969 年 1 月 ) 本牧コンテナ埠頭 羽田再拡張工事 地盤改良船
会社概要と 100 年の歩み組織図社長 株主総会管理本部土木事業本部建築事業本部国際事業本部土木事業管理室第一営業部第二営業部プロジェクト部エンジニアリング事業部土木部購買部技術部設計部機電部技術研究開発センター機電部分室
会社概要と 100 年の歩み 機電部組織図 機電部長 機械グループ 電気グループ 環境技術陸上工事国内海上国際海上システム 測量電気設備 本社 : 2 名 分室 : 6 名 出向 : 9 名 本社 : 2 名 分室 : 3 名 出向 : 7 名
会社概要と 100 年の歩み 機電グループの構成 東亜建設工業 土木建築工事 土地造成 販売開発 建設コンサルタント 東亜グループの機電技術者 合計 50 名 + 技能職 信幸建設 東亜機械工業 東亜鉄工 東亜海運産業 港湾工事 一般土木 各種構造物の設計製作 修理 船舶建造 修理鉄構造物製作 海運業 一般土木
会社概要と 100 年の歩み 機電部とは? 工事を行う際に必要となる機械 電気設備の設計 建造 調達 運用 管理及び施工設備の技術開発 普及さらに 機電関連技術の指導 応援を行う部署
会社概要と 100 年の歩み 機電部機械グループ海上チーム 国内 海外での海上工事の技術支援 海上施工設備の技術開発 海上施工新技術の技術開発 大型作業船の建造 改造業務 羽田空港 関西空港 中部空港など海上空港島建設等の技術支援 防波堤 海底トンネル ( 沈埋函 ) 築造工事等の技術支援 海上施工設備 新工法の開発 普及 ( 管中混合 SGM など )
会社概要と 100 年の歩み 機電部機械グループ陸上 環境チーム 陸上工事における技術支援 陸上施工設備の技術開発 陸上施工新技術の技術開発 環境改善技術の開発 新幹線 高速道路などのトンネル工事と技術支援 陸上施工設備 新工法の開発と普及 汚染物浄化処理工法の開発と普及 ( 自走式噴霧養生装置 環境監視システムなど )
会社概要と 100 年の歩み 機電部電気グループ 電気専門技術者を必要とする工事の支援 陸上 海上施工新技術の技術開発と普及 各種施工管理ステムの開発 普及 作業船電気設備の保守管理 発電所築造など 電気専門職を必要とする工事の支援 作業船などの施工設備における電気設備の設計 開発 全国の現場を対象とした技術提案の対応 (GPS システム ベルーガシステム 各種施工管理システム )
カッターサクション式ポンプ浚渫船 ( 管送式 ) ラダー先端のカッターヘッドで切削した浚渫土を浚渫ポンプを用いて海水と共に吸い上げる スパッドで船体を保持し 固定点を中心として船体をスイングさせながら浚渫する 土砂は排砂管を通じて目的地まで送られる 第三亜細亜丸 (8,000ps) : 八戸港で就役中 第三東亜丸 (8,000ps) : シンガポールで就役中 第二亜細亜丸 (4,000ps) : シンガポールで就役中
ドラグサクション式ポンプ浚渫船 2~4kt の速力で航行しながら 海底に接地させたドラグヘッドと通じて浚渫ポンプで海底の土砂を海水と共に吸い込み 船内の泥倉に土砂を積載して運搬する 海舟 ( 泥槽 : 16,500m3) 自航式で各国で就役中
グラブ浚渫船 当社ではグラブ船は保有していないが 各種特殊グラブバケットを開発 保有 ( アタッチメントとして装着可能 )
スーパーグラブバケット (SGB) 特徴 高い密閉性と水抜き機構により 浚渫時の汚濁の発生を低減できる
サンドコンパクション船 軟弱な地盤に砂杭を打ち込み 地盤の間隙水を砂柱のドレーン効果と載荷重によって滲出させ 地盤を圧密して改良する 砂杭は φ400~700mm バイブレータによる振動や打撃荷重による衝撃で圧入し 砂杭を締め固める KSC SUPER 70 羽田再拡張工事でも採用
深層混合処理船 軟弱な地盤を攪拌翼を回転させて削孔し 引き抜きと同時に 水とセメント系固化材を混ぜたスラリーを注入 攪拌混合することにより 堅固な地盤に改良する工法 主に港湾工事 ( 防波堤 岸壁 護岸 ) に適用される 黄鶴 (2010 年 3 月建造 ) デコム 5 号 デコム 7 号
根入れ式鋼板セル工法 鋼製の円筒体 ( セル ) と セルをつなぐ円弧体 ( アーク ) によって構造物を築造する工法 大きなものでは直径約 25m 長さ約 30m に及び 耐震性にすぐれていることから耐震強化岸壁の基礎にも採用される 起重機船は工事ごとに傭船する 横浜港南本牧ふ頭工事でも採用
工事概要 工事名工事場所発注者事業主体 : 東京国際空港 D 滑走路建設外工事のうち管中混合固化処理土工 : 東京都大田区羽田空港地先 : 国土交通省関東地方整備局 : 鹿島 あおみ 大林 五洋 清水 新日鐵 JFE エンジ 大成 東亜 東洋 西松 前田 三菱重工 みらい 若築異工種建設工事共同企業体 固化処理土量 : 5,217,859m3 ( 全体数量 ) 3,469,540m3 ( 信幸 りんかい日産 小島 JV 施工分 ) 工期 : 2008 年 10 月 ~2009 年 12 月
工事概要 東京国際空港 D 滑走路において 埋立護岸と中仕切り提の間への管中混合固化処理土打設 1 護岸背面の土圧低減 2 圧密沈下量の低減 浚渫土 ( 約 332 万 m3) 現場内 他工事で発生 固化処理土 ( 約 520 万 m3) 24 時間体制の大量 急速施工 (3 船団 )
高濃度空気圧送船 ( 管中混合固化処理工法 ) グラブ浚渫した浚渫土を 空気圧送船にて揚土する際に固化材 ( セメント ) を添加し 圧送管内で発生するプラグ流による乱流効果を利用して浚渫土砂と固化材を攪拌混合する工法 TOTRA-Ⅲ 主要目 TOTRA-Ⅲ ( 九州地区で稼働中 ) 工法の特徴 1 浚渫土のリサイクルが可能 2 固化材の添加により 任意の強度の材料を短時間で供給可能 3 大型空気圧送船の使用により 大量急速施工が可能 4 固化処理度の有する長期安定性 (10 年以上 ) 圧送能力 1,000m3/h 圧送距離 2,000m ( 標準 ) 適応土質 軟泥 粘土 船体長 [m] 65.0m 船体幅 [m] 26.0m 深さ [m] 4.5m 喫水 [m] 1.8m 揚土機 7.5m3 級バックホウ 2 台 助勢ポンプ 900PS 2 基 空気圧縮機 410PS 52.4m3/min 21 台
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土砂を空気圧送する場合 圧送管内に浚渫土砂と圧縮空気の混相流 ( プラグ流 ) が発生 プラグ流の乱流効果を利用し 浚渫土砂と固化材を攪拌混合する
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土運搬浚渫土揚土空気圧送管中混合打設 浚渫船 土運船 空気圧送船 固化材添加 : 圧送機添加方式 固化材供給船 固化材添加 : ライン添加方式 圧送管 打設船 埋立地 護 岸 1 浚渫 運搬 新空港島周辺部の床掘及び第一航路の浚渫により発生した浚渫土砂を土運船にて空気圧送船まで運搬する
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土運搬浚渫土揚土空気圧送管中混合打設 浚渫船 土運船 空気圧送船 固化材添加 : 圧送機添加方式 固化材供給船 固化材添加 : ライン添加方式 圧送管 打設船 埋立地 護 岸 2 解泥 揚土 圧送 土運船内の浚渫土砂を 圧送船上のバックホウで均一に解泥 混合した後 揚土する 揚土した浚渫土砂はスクリーンにより異物を除去し ホッパーに落とす 必要に応じて加水を行い ポンプ圧送するとともに 圧縮空気を注入し 混気圧送を開始する
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土運搬浚渫土揚土空気圧送管中混合打設 浚渫船 土運船 空気圧送船 固化材添加 : 圧送機添加方式 固化材供給船 固化材添加 : ライン添加方式 圧送管 打設船 埋立地 護 岸 3 固化材添加 固化材は固化材供給船により 粉体と海水を事前に攪拌混合し スラリー状にして添加する 固化材の添加方法は 圧縮空気を注入した後に 圧送ラインで添加する ライン添加方式 を採用している
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土運搬浚渫土揚土空気圧送管中混合打設 浚渫船 土運船 空気圧送船 固化材添加 : 圧送機添加方式 固化材供給船 固化材添加 : ライン添加方式 圧送管 打設船 埋立地 護 岸 4 配管輸送 混合 圧送管内の浚渫土砂と固化材は 圧縮空気の連続注入によってプラグ流 ( 気液二相流 ) を形成する 輸送中のプラグは 圧送管内壁との摩擦で その形状が常に変化し プラグの崩壊や再形成が断続的に生じる その結果 浚渫土砂と固化材は均一に混練りされる
管中混合固化処理工法による埋立方法 浚渫土運搬浚渫土揚土空気圧送管中混合打設 浚渫船 土運船 空気圧送船 固化材添加 : 圧送機添加方式 固化材供給船 固化材添加 : ライン添加方式 圧送管 打設船 埋立地 護 岸 5 打設 空気圧送で送られてきた処理土は 減勢サイクロンで空気と処理土に分離し 打設船により埋立箇所に打設される