第 4 学年 1 組 道徳学習指導案 平成 27 年 10 月 15 日 ( 木 ) 第 6 校時在籍児童数計 26 名場所教室指導者教諭湯本美穂 1 主題名やさしく親切に 内容項目 B- 親切 思いやり 2 教材名 心の信号機 ( 出典学研 みんなのどうとく 埼玉県版 ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする道徳的価値について本主題は 中学年における内容項目 B の親切 思いやり 相手のことを思いやり 進んで親切にすること を深めることを意図したものである これは 低学年の内容項目 B の親切 思いやり 身近にいる人に温かい心で接し 親切にすること を受け さらに高学年の内容項目 B 親切 思いやり 誰に対しても思いやりの心をもち 相手の立場に立って親切にすること へと発展していく また 中学校の 思いやりの心をもって人と接するとともに 家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し 進んでそれに応え 人間愛の精神を深めること につながっていく 思いやりとは 相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り 相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けることである そのためには 相手の存在を受け入れ 相手のよさを見いだそうとする姿勢が求められる 具体的には 相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりすることを通して励ましや援助することである この時期の子どもたちは 学校生活を中心として友達同士の交流が活発になるとともに 活動範囲も広がってくる 様々な人々との関わりが次第に増えていく中で 相手の気持ちを察したり 相手の気持ちをより深く理解したりすることができるようになる 一方 他の人々の考え方や感じ方が自分たちの考え方や感じ方と同様であると思い込みがちになることもある また 親切な行為といっても 鉛筆や消しゴムを拾ったり 保健室に一緒に行ってあげたりするささやかなものが多い そこで 相手の置かれている状況 困っていること等を自分のこととして想像することによって相手のことを考え 親切な行為を自ら進んで行うことができるようになってほしいと思い 本主題を設定した (2) 児童の実態について本学級では4 月以降 帰りの会における 今日のナンバーワン や ハートフルメッセージ 体育の学習においては仲間と協力した キャッチバレーボール など 日頃の学習指導や道徳の授業において 友達の良いところを認める活動を行ってきた そのため 友達の良いところに少しずつ目を向けられるようになってきている また 手助けが必要な友達のことを自然に気にかけられるようになってきており 困っている友達のことを手助けするこ
とができる児童が増えてきている 総合的な学習の時間の 私たちにできることは何だろう では 調べ学習や実際の車いす体験の学習を通して 相手の気持ちを考えて親切な行動をすることの大切さを学んできている 一方で 仲の良い友達には親切にできるが そうでない友達には同じように親切にできない児童がいる また 困っている友達を見かけても なかなか自分から声をかけることができない児童もいる そこで 相手の気持ちを考え 進んで親切にすることができる姿勢を伸ばし 深めていきたいと考えた (3) 教材について本教材 心の信号機 の主人公の ぼく が思いやりの気持ちを持っていても 男の人になかなか声をかけられないという状況は 多くの児童にとって共感しやすいと思われる ぼく は 目の不自由な人の手を取り 横断歩道を渡るのを手伝いたいと思う心と 声をかける勇気が出ないという心の葛藤が出てくる この場面では 男の人に声をかけようとする気持ちと 声をかけられない気持ちをそれぞれ考えさせ 親切にしたいができない ぼく の気持ちに共感することで人間理解を図る その後 親切にしたことによって 相手の喜びが自分の喜びになることにも触れる ぼく のこのような葛藤も押さえ 相手のことをよく考えたうえで親切な行為をしていく主人公の姿と自己を重ね合わせ 思いやりや親切について考えさせたい (4) 指導の工夫 1 指導方法を多様化するための工夫 葛藤場面で二重自我法による役割演技を取り入れることで 相手の立場にたった思いやりとはどんなものかを考えさせる そのことにより 自分におきかえて思いやりについて考えを深めさせたい 4 研究主題とのかかわりと他の教育活動等との関連心豊かにかかわり 自他共によりよく生きようとする児童の育成 自己の生き方についての考えを深める道徳の時間の充実 = 道徳科への移行をふまえて= (1) 研究主題とのかかわり本主題では 相手の立場に立った思いやりや親切について学んでいく 思いやりの心や親切な心を持ち 他者に接することは 社会生活を支える大切な価値の一つである 自分と関わりのある人だけ また自分が優位な立場として弱い人を憐れむような行為は本当の親切ではない そこで 本資料の主人公の立場に立って考えることで 真の思いやりについて考えさせたい
(2) 他の教育活動等との関連 (5 月 ) 体育 キャッチバレーボール 友達同士で使用する用具等の準備や片付けを行ったり チームを作ってゲーム等をしたりすることにより 協力してお互いを思いやって行動する機会を設ける (9 10 月 ) 総合的な学習の時間 車いす 手話 点字などの福祉体験を通じ 障がいのある人の生活に興味 関心を持ち 自分たちにできることは何かについて考える 道徳の時間 (10 月 ) 教材名 心の信号機 困っている人のことを思いやり 進んで親切にしようとする気持ちを育てる (11 月 ) 教材名 心と心のあくしゅ 相手の立場を理解し 思いやりの心をもって温かく見守ろうとする心情を育てる (2 月 ) 国語 伝えたいことを書く ( 年間 ) 学級活動 掃除など 友達が困っているときは進んで声をかけて親切にできるように 教師から良い取り組みを紹介する ( 年間 ) 学級活動 帰りの会における 今日のナンバーワン の活動において 友達の良い活動や行いについて発表し 認め合う 5 本時のねらい 家庭 地域社会との連携 学級通信で 子どもたちの良い取り組みを紹介していく また 学級での取り組みの様 子も合わせて伝えていく 困っている人のことを思いやり 進んで親切にしようとする気持ちを育てる 6 学習指導過程 段階学習活動 ( 主な発問 ) 予想される児童の反応 指導上の留意点 評価時間 導入 気づく 1 私たちの道徳 の p62 63 を読み 思いやりの心について話し合う 消しゴムを拾ってあげた 保健室に連れて行ってあげた 親切にした時の気持ちを話し合うことにより 価値への方向づけを図る 3 と 2 教材 心の信号機 登場人物 条件 情況をおさ 9 ら を読み聞かせる える え 登場人物ぼく ( 主人公 ) 男の人 展 る 条件 情況 おつかいに行ったぼくは 信号機の柱につかまるようにしてじっと立っている一人の男 の人に気付く あたりには誰もいない 開 目が不自由らしい男の人は 三度も信号が変わるのにそのまま立っていた 親切って何だろう 課題を設定し 課題に向かっ て主体的に話し合えるよう にする
深 3 ぼくの気持ちを中 5 め 心に話し合う る 信号機の柱につかま どうしてずっと立って 男の人が気になるが どうし って立っている男の いるのかな てよいか分からず立ちつく 人を見ている ぼく 渡らないのかな してしまう ぼく の心情を の気持ちを考えてみ あそこで何をしている 感じ取らせる ましょう のかな 目が不自由みたいだけど 大丈夫かな 意図 : 男の人の様子について気になっているが何もできないで いる ぼく の気持 ちについて考えさ せる 男の人になかなか声 声をかける 心が葛藤する時間を確保し 15 をかけられずにいる 勇気がいるけれど 頑 全員に自分の考えをもたせ ぼくは どんなことを 張ってみよう たい 考えていたでしょう 男の人が事故にあって 役割演技 ( 二重自我法 ) を通 しまったらいやだ して 声をかける 声をか 声をかけなかったらず けられない という対立する っと渡れないかもしれ 心の動きを自己内対話とし ない て表現させる ここにはぼく一人しか 二つの対立する考えを分類し いないから 声をかけ て板書することによって 話 なくちゃ 合いの視覚化を図る ( ユニ バーサルデザインの視点 ) 声をかけない かけた 声をかけるかどうかの葛藤 くてもかけられない する ぼく の気持ちをとら 勇気が出ない えることができたか 恥ずかしい なんて言おう 意図 : 声をかけたいと思い なかなか声をか けることができな い ぼく の気持ち に共感させ 人間理 解を図る 男の人を見送る ぼ 声をかけてよかった 相手の喜びが自分の喜びにな 5 く は どんな気持ち 勇気を出してよかった ることをとらえさせる だったでしょう ほっとした 男の人の役に立って良かった 意図 : 親切にできた時の気持ちを考えさせ 価値理解を図る
4 学習したことを振 り返り 親切について 見つめる 考える 今までの自分の親切な行為を振り返りながら 今日の学習で学んだことを書きましょう 相手の気持ちを考えて親切にすることが大切だ これから 困った人を見かけたら 勇気を出して声をかけて親切なことをしたい 今までは相手の気持ちを考えていなかったけれど これからは相手の立場の気持ちを考えて親切なことをしたい 終 あ 教師の説話を聞く た 末 た め る 5 書く活動を取り入れて親切について考える 意図 : 今までしてきた親切と学んだことについて振り返り 親切や思いやりについて考えさせる 親切や思いやりについて考え 今後の生活で相手の気持ちを考えて親切にしようとする意欲が高まったか 宮澤章二の 行為の意味 を 3 紹介する 価値に関する印象を深め 道徳的実践への意欲付けを図る 7 評価の観点 声をかけるかどうかの葛藤から 行動に移すにいたる ぼく の心の動きがとらえられたか 親切にする場面を思い起こし 実践しようとする意欲を高めることができたか
8 板書計画心の信号機 男の人が気になる 信号機の柱につかまるようにして じっと立っていた 目が不自由そう 信号機につかまる男の人を見て どうして立っているのかな 渡らないのかな あそこで何をしているのかな 本当の親切って何だろう 頑張って声をかけてみよう 事故にあってしまったら 嫌だ 勇気が出ない 恥ずかしい なんて声をかけよう 男の人を見送る 声をかけてよかった 勇気を出してよかった ほっとした 相手の気持ちを考えよう