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参考資料 2 ヒト ES 細胞等からの生殖細胞の作成 利用について 平成 21 年 2 月 9 日文部科学省科学技術 学術審議会生命倫理 安全部会 1. 検討の経緯 ヒトES 細胞からの生殖細胞の作成については 現在 ヒトES 細胞の樹立及び使用に関する指針 ( 以下 ES 指針 という ) によって禁止されているが その研究上の有用性や ヒトiPS 細胞やヒト組織幹細胞からも生殖細胞が作成される可能性も考慮し 当部会は 平成 17 年以降 特定胚及びヒトES 細胞等研究専門委員会 において これらの幹細胞 ( ヒトES 細胞 ヒトiPS 細胞及びヒト組織幹細胞 以下 ヒトES 細胞等 という ) に共通する問題として あらためて生殖細胞の作成の是非について検討を行ってきた 平成 20 年 2 月には ヒトiPS 細胞の樹立の報告 ( 平成 19 年 11 月 ) を受け 当部会は ヒトiPS 細胞及びヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成の是非について ヒトES 細胞とともに引き続き検討を行い その結果に基づき最終的な結論を出すこととするが それまでの当面の対応の方針として ヒトES 細胞と同様に ヒトiP S 細胞及びヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行わないものとすることを決定し その旨文部科学省より関係機関に対し通知を行った 同年 3 月には 特定胚及びヒトES 細胞等研究専門委員会 の下に ヒト ES 細胞等からの生殖細胞作成 利用作業部会 を設置し その後 ヒトES 細胞等からの生殖細胞の作成の是非について 更に有識者からのヒアリングを行うとともに 関連研究の進展も踏まえて 慎重に検討を行ってきたものである なお 今回の当部会における検討に当たっては その対象を基礎的研究に限定することとし 作成されたヒトES 細胞等の人体への適用を伴う臨床研究等 1

については検討の対象外とした 2. 検討結果 (1) 関連研究の現状 これまでの動物実験等の研究を通じて 生殖細胞が 受精して個体を得ることができる機能を持った卵子や精子まで成熟するには 分化 成熟の過程において 減数分裂が行われるとともに 卵子や精子に特有な形態 機能分化やゲノム機能が完成されるなど 他の体細胞にはない生殖細胞特有の複雑な分化が必要であることが知られている また これまでの動物実験等においては 受精して個体を得ることができる卵子や精子を得るためには それらの分化 成熟の過程において 一定期間 動物の体内 ( 卵巣や精巣 ) を用いることを必要としており 現時点で 動物の体外だけで 受精して個体を得ることができる生殖細胞がES 細胞等から作成されたとする報告はあるが 再現性が確認されたものはない 具体的には 精子については マウスES 細胞から 動物の体外で 減数分裂が行われ 精子に特有な形態 機能分化やゲノム機能を備えつつある精子にまで分化 成熟させることが可能になっているが 現時点でそこから個体が得られたとの報告で再現性が確認されたものはない 一方 より複雑な分化 成熟過程を辿る卵子については 動物の体内で卵母細胞 ( 卵子への分化を決定づけられた細胞 ) までの分化が進めば その後は 体外において卵子に特有な形態 機能分化やゲノム機能を備えつつある卵子にまで成熟させることは可能となっており マウスやウシ ブタで胎仔を得ることにも成功している しかし 現時点で 動物 ES 細胞を動物の体外で卵母細胞まで分化 成熟させる技術は確立されていない (2) 生殖細胞の作成の必要性 早発卵巣不全 ( 早発閉経 ) をはじめとする卵巣機能の低下や精子の形成異常 成熟障害等による不妊症や 染色体不均衡や遺伝子変異による先天性の疾患 症候群は 生殖細胞そのものや それに影響を与える生殖臓器内の環境等に原因があると考えられている しかし 十数年をかけて完成する減数分裂を含むヒトの精子及び卵子の成熟 分化機構については これらがヒトの体内で進行 2

するものであること等から その検討は極めて困難であり 不明な点が多い ヒトES 細胞等を用いて そこから生殖細胞へ分化させることが可能になれば このようなヒトの体内で進行する精子及び卵子の成熟 分化機構の検討が可能になり 生殖細胞に起因した不妊症や先天性の疾患 症候群について 原因の解明や 新たな診断 治療方法の確立につながることが期待される また 生殖細胞の老化のメカニズムや 生殖細胞に与える内分泌かく乱物質 ( いわゆる環境ホルモン ) や薬物など影響因子の影響についても 現時点で十分な科学的知見が得られていないが ヒトES 細胞等から分化させた生殖細胞を用いることが可能になれば このような分野の研究にも資するものと考えられる (3) 生殖細胞の作成の是非について ヒトES 細胞からの生殖細胞の作成については 平成 13 年のES 指針の策定当初から禁止規定が置かれているが この規定は ヒトES 細胞がすべての細胞に分化する可能性 ( 多能性 ) を有することにかんがみ 当時 生殖細胞の作成を通じて個体の産生が行われた場合 生命倫理上の問題を惹起する可能性がある点を考慮して置かれたものである なお ES 指針の策定の際の基礎となった科学技術会議生命倫理委員会ヒト胚研究小委員会の報告書 ヒト胚性幹細胞を中心としたヒト胚研究に関する基本的考え方 ( 平成 12 年 ) は ヒトES 細胞研究は その樹立の過程でヒト胚という 人の生命の萌芽 を扱うという倫理的な問題があるものの ヒトE S 細胞それ自体は個体の産生につながることはないとしており 同報告書の中では 特にヒトES 細胞からの生殖細胞の作成を禁止すべきとの記載はない 一方 現在 ES 指針の策定から7 年以上が経過し その間 約 60 件のヒトES 細胞の使用計画等が実施され 相当の実績が蓄積されたほか 最近は 特にヒトiPS 細胞を用いた研究も盛んに行われており ヒトES 細胞等が多能性を有することに伴う生命倫理上の位置づけについても 認識が深まってきたものと考えられる また ヒトES 細胞等を生殖細胞に分化させ それを用いて研究を行うことは 上記 (2) のとおり これまで困難であった精子や卵子のヒトの体内における成熟 分化機構の検討を可能にするものであり 生殖細胞に起因すると考 3

えられる不妊症や先天性の疾患 症候群の原因解明や新たな診断 治療方法の確立につながることが期待される ヒトES 細胞等からの個体産生については 当該生殖細胞を用いてヒト胚の作成を行わないこととするなどの措置を講ずることによっても防止を図ることが可能と考えられ ヒトES 細胞等からの生殖細胞の作成については 胚の作成等の段階において個体産生の防止に必要な規制が行われることを前提に 容認し得るものと考えられる なお ヒトES 細胞研究が 樹立の過程で 人の生命の萌芽 であるヒト胚を扱うという倫理的な問題があることに関しては ヒトiPS 細胞やヒト組織幹細胞を取り扱う研究と異なる点であるが このようなヒトES 細胞の由来の観点については 従来より ES 指針において必要な規制を行うことにより ヒトES 細胞研究の実施に際し特に慎重な配慮を求めているところである (4) 作成された生殖細胞を用いたヒト胚の作成の是非について 作成された生殖細胞を用いてヒト胚を作成し 研究に利用することが可能になれば 不妊症や 受精後の発生過程に原因があると考えられる疾患の診断及び治療に関する研究等において有用性があると考えられる 一方 総合科学技術会議意見 ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方 ( 平成 16 年 ) では 研究材料として使用するため新たに 人の生命の萌芽 であるヒト胚を作成することを原則認めないとしており ( ヒト受精胚尊重の原則 ) その例外として 科学的合理性や社会的妥当性等の条件がすべて満たされた場合に限定するとされている さらに 仮にこれらの条件を満たす場合であっても 人間の道具化 手段化の懸念をもたらさないよう 適切な歯止めが必要としている 仮にヒトES 細胞等から生殖細胞が作成され 更にそれを用いてヒト胚を作成することまで可能となれば 研究のため 人の生命の萌芽 であるヒト胚が新たに多量に作成されることにも留意する必要があり その是非については この総合科学技術会議意見に示された基本的考え方に基づき 更に慎重な検討を要するものと考えられる また 生殖細胞の体外成熟技術に関しては 精子については マウス ES 細 4

胞から 減数分裂が行われ 精子に特有な形態 機能分化やゲノム機能を備えつつある精子にまで分化 成熟させることは可能になっているが 卵子については 動物 ES 細胞等から体外で分化 成熟させる技術は確立されていないのが現状である (5) まとめ 以上より 現時点においては 人体への適用を伴わない基礎的研究について まずはヒトES 細胞等からの生殖細胞の作成までを容認するとともに 当該生殖細胞からのヒト胚の作成は当面行わないものとすることが適当である なお 生殖細胞の作成を容認するに当たっては その適切な管理の観点から 今後 当該生殖細胞の取扱いの際の要件等について定める必要があり 文部科学省において関係指針の整備を行うことが適当である 一方 当該生殖細胞を用いたヒト胚の作成については 上記 (4) のとおり 更に慎重な検討を要するものであり その是非については 今後のヒトES 細胞等からの生殖細胞の作成に関する研究の進展や社会の動向等を十分勘案しつつ 必要に応じてあらためて検討すべき課題と考えられる 5

審議経過 ( 参考 1) 1. 特定胚及びヒト ES 細胞等研究専門委員会 第 30 回 ( 平成 17 年 11 月 30 日 ) ヒアリング : 中内啓光委員 最近の研究の動向について 第 35 回 ( 平成 18 年 4 月 20 日 ) ヒアリング : 三菱化学生命科学研究所野瀬俊明主任研究員 ES 細胞からの生殖細胞の作成に関する研究の現状と可能性について 第 46 回 ( 平成 19 年 6 月 26 日 ) ヒアリング : 京都大学再生医科学研究所山中伸弥教授 人工万能幹(iPS 細胞 ) 細胞の可能性と課題 第 51 回 ( 平成 19 年 12 月 7 日 ) ヒアリング : 京都大学再生医科学研究所山中伸弥教授 成人皮膚細胞からのiPS 細胞樹立 第 52 回 ( 平成 20 年 1 月 22 日 ) ヒアリング : 小倉淳郎委員 動物における生殖細胞の体外培養研究の現状について 第 54 回 ( 平成 20 年 3 月 26 日 ) ヒアリング : 千葉大学大学院医学研究院市川智彦教授 泌尿器科における不妊治療の現状 2. 特定胚及びヒトES 細胞等研究専門委員会 及び ヒトES 細胞等からの生殖細胞作成 利用作業部会 第 1 回 第 55 回 ( 平成 20 年 4 月 16 日 ) ヒアリング : 東京大学大学院人文社会研究科 文学部島薗進教授 生殖細胞の作成 研究等をめぐる倫理問題について 第 2 回 第 56 回 ( 平成 20 年 5 月 20 日 ) ヒアリング : 河野友宏委員 卵子の体外生産と利用技術 6

第 3 回 第 57 回 ( 平成 20 年 6 月 18 日 ) ヒアリング : 位田隆一委員 多能性幹細胞からの生殖細胞作成に関する倫理的問題の考え方 金森修委員 齋藤有紀子委員 高木美也子委員 生殖細胞作成に対する意見 第 4 回 第 58 回 ( 平成 20 年 7 月 29 日 ) ヒアリング : 石原理委員 幹細胞の由来する生殖細胞研究がなぜ重要か ヒアリング : 西川伸一委員 ipsからの生殖子誘導実験の規制に関する意見 ヒアリング : 中内啓光委員 ips 細胞を用いた生殖細胞研究の医学的有用性 第 5 回 第 59 回 ( 平成 20 年 8 月 26 日 ) ヒアリング : 東京医科歯科大学難治疾患研究所石野史敏教授 生殖細胞研究 発生研究 から 生殖医療 再生医療 へ ヒアリング : 滋賀医科大学 動物生命科学研究センター鳥居隆三教授 サルES 細胞 そしてサルiPS 細胞樹立と生殖細胞作成 安全性評価と多能性の確認 第 6 回 第 60 回 ( 平成 20 年 9 月 25 日 ) ヒアリング : 小倉淳郎委員 生殖細胞の発生と胚発生能について 第 7 回 第 61 回 ( 平成 20 年 10 月 17 日 ) 検討のとりまとめ 第 8 回 第 62 回 ( 平成 20 年 11 月 27 日 ) 検討のとりまとめ 第 9 回 第 63 回 ( 平成 20 年 12 月 19 日 ) 検討のとりまとめ 7

( 参考 2) ヒト ES 細胞の樹立及び使用に関する指針 ( 平成 19 年文部科学省告示第 87 号 ) より抜粋 ( 禁止行為 ) 第 45 条ヒト ES 細胞を取り扱う者は 次に掲げる行為を行ってはならないものとする 1 ヒト ES 細胞を使用して作成した胚の人又は動物の胎内への移植その他の方法によりヒト ES 細胞から個体を生成すること 2 ヒト胚へヒト ES 細胞を導入すること 3 ヒトの胎児へヒト ES 細胞を導入すること 4 ヒト ES 細胞から生殖細胞を作成すること 附則 ( 指針の見直し ) 第 4 条文部科学大臣は ライフサイエンスにおける研究の進展 社会の動向等を勘案し 必要に応じて見直しを行うものとする 2 前項の見直しは 総合科学技術会議の意見に基づき行うものとする ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方 ( 平成 16 年総合科学技術会議 ) より抜粋 第 2. ヒト受精胚 1. ヒト受精胚の研究等の現状 (1) 定義生物学的には 胚 とは 多細胞生物の個体発生初期にある細胞群を言うものとされる 他方 クローン技術規制法は 胚 と 1 つの 細胞 ( 生殖細胞を除く ) 又は細胞群であって そのまま人又は動物の胎内において発生の過程を経ることにより 1 つの 個体に成長する可能性のあるもののうち 胎盤の形成を開始する前のもの ( 同法第 2 条第 1 項第 1 号 ) と定義している ( 中略 ) したがって 体外で培養される場合には 子宮内にあるなら胎盤形成が開始されて胎児 ( 胎芽 ) となるはずの時期 ( 受精後 7 日目頃 ) を過ぎても胎盤が形成されないため 胚 として扱うことになる ( 後略 ) 2. ヒト受精胚の位置付け (2) ヒト受精胚の位置付けに関する生命倫理調査会としての考え方 ( 前略 ) すなわち ヒト受精胚は 人 そのものではないとしても 人の尊厳 という社会の基本的価値の維持のために特に尊重されるべき存在であり かかる意味で 人の生命の萌芽 として位置付けられるべきものと考えられる (3) ヒト受精胚の取扱いの基本原則ア 人の尊厳 を踏まえたヒト受精胚尊重の原則既に述べたとおり 人 へと成長し得る 人の生命の萌芽 であるヒト受精胚は 人の尊厳 という社会の基本的価値を維持するために 特に尊重しなければならない 8

したがって ヒト胚研究小委員会の報告に示されたとおり 研究材料として使用するために新たに受精によりヒト胚を作成しないこと を原則とするとともに その目的如何にかかわらず ヒト受精胚を損なう取扱いが認められないことを原則とする イヒト受精胚尊重の原則の例外しかし 人の健康と福祉に関する幸福追求権の要請も 基本的人権に基づくものである このため 人の健康と福祉に関する幸福追求の要請に応えるためのヒト受精胚の取扱いについては 一定の条件を満たす場合には たとえ ヒト受精胚を損なう取扱いであるとしても 例外的に認めざるを得ないと考えられる ウヒト受精胚尊重の原則の例外が許容される条件イに述べた例外が認められるには そのようなヒト受精胚の取扱いによらなければ得られない生命科学や医学の恩恵及びこれへの期待が十分な科学的合理性に基づいたものであること 人に直接関わる場合には 人への安全性に十分な配慮がなされること 及びそのような恩恵及びこれへの期待が社会的に妥当なものであること という 3 つの条件を全て満たす必要があると考えられる また これらの条件を満たすヒト受精胚の取扱いであっても 人間の道具化 手段化の懸念をもたらさないよう 適切な歯止めを設けることが必要である 第 4. 制度的枠組み 1. 基本的考え方本報告書においては ヒト受精胚の取扱いの基本原則をヒト胚の取扱いについて共通の基本原則とし これに基づいた考察の結果 ヒト胚を損なうことになる研究目的の作成 利用は原則認められないが 例外的に容認される場合もあるとした また ヒト胚は胎内に戻さず 取扱いは原始線条形成前に限ることとしている ( 後略 ) ヒト胚性幹細胞を中心としたヒト胚研究に関する基本的考え方 ( 平成 12 年科学技術会議生命倫理委員会ヒト胚研究小委員会 ) より抜粋 第 3 章ヒト胚性幹細胞について 1. 基本的考え方 ( 略 ) 樹立された ES 細胞を使用する研究においては 現在のところ核移植や他の胚との結合等を行わなければ個体発生につながることはなく 人の生命の誕生に関する倫理的問題を生じさせることはないが ES 細胞の由来するところに鑑み 慎重な配慮が必要である すなわち ES 細胞が濫用されれば いたずらにヒト胚の滅失を助長することにつながりかねず 樹立に際しての慎重な配慮を無にする結果となり得る可能性がある また あらゆる細胞に分化できる性質を持っていることから 倫理上の問題を惹起する可能性がある ( 略 ) ヒト胚性幹細胞を扱う研究は その樹立の過程でヒト胚という人の生命の萌芽を扱うという倫理的な問題があるものの ヒト胚自体は現在のところ法的な権利主体とまでは 9

いえないこと ヒト胚性幹細胞それ自体は個体の産生につながることはなく その樹立及び使用に際して重大な弊害が生じるとはいえないことから 罰則を伴った法律による規制が不可欠なものではない また ヒト胚性幹細胞の研究は まだ端緒についたばかりであり実績もほとんどない分野であることから技術的な進展に適時に対応していくことが必要であり 研究者の自主性や倫理観を尊重した柔軟な規制の形態を考慮することが望ましい ( 略 ) 10

科学技術 学術審議会生命倫理 安全部会委員 平成 21 年 2 月 9 日現在 赤林 朗 東京大学大学院医学系研究科教授 位田隆一 京都大学大学院公共政策大学院教授 小幡純子 上智大学大学院法学研究科教授 小幡裕一 ( 独 ) 理化学研究所バイオリソースセンター長 垣添忠生 国立がんセンター名誉総長 加藤順子 ( 株 ) 三菱化学安全科学研究所リスク評価研究センター センター長 金森 修 東京大学大学院教育学研究科教授 木下勝之 ( 社 ) 日本医師会常任理事 笹月健彦 国立国際医療センター名誉総長 高木美也子 日本大学総合科学研究所教授 髙柳輝夫 第一三共株式会社常勤監査役 永井良三 東京大学大学院医学系研究科教授 西川伸一 ( 独 ) 理化学研究所発生 再生科学総合研究センター副セ ンター長 / 幹細胞研究グループ ディレクター 野本明男 東京大学大学院医学系研究科教授 町野 朔 上智大学大学院法学研究科教授 深見希代子 東京薬科大学生命科学部教授 水野紀子 東北大学大学院法学研究科教授 森川裕子 北里大学生命科学研究所教授 森崎隆幸 国立循環器病センター研究所バイオサイエンス部長 山口 厚 東京大学大学院法学政治学研究科教授 計 20 名 ( 敬称略 50 音順 ) 11

科学技術 学術審議会生命倫理 安全部会特定胚及びヒトES 細胞等研究専門委員会ヒトES 細胞等からの生殖細胞作成 利用作業部会委員 平成 21 年 1 月 31 日現在 < 主査 > 豊島久真男 ( 独 ) 理化学研究所研究顧問 < 委員 > 麻生武志 東京医科歯科大学名誉教授 位田隆一 京都大学大学院公共政策大学院教授 石原 理 埼玉医科大学教授 市川智彦 千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学教授 小倉淳郎 ( 独 ) 理化学研究所バイオリソースセンター遺伝工学基盤 技術室長 金森 修 東京大学大学院教育学研究科教授 高坂新一 国立精神 神経センター神経研究所長 河野友宏 東京農業大学応用生物科学部教授 齋藤有紀子 北里大学医学部附属医学教育研究開発センター医学原論 研究部門准教授 須田年生 慶應義塾大学医学部教授 祖父江元 名古屋大学大学院医学系研究科教授 高木美也子 日本大学総合科学研究所教授 知野恵子 読売新聞東京本社編集委員 恒松由記子 順天堂大学医学部小児科学講座客員教授 中内啓光 東京大学医科学研究所教授 西川伸一 ( 独 ) 理化学研究所発生 再生科学総合研究センター副セ ンター長 町野 朔 上智大学法学研究科教授 計 18 名 ( 敬称略 50 音順 ) 12