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三十七の菩薩行 御法話 By ガルチェン リンポチェ 米シアトル ) 第四偈 ========================================== 上記 URL に御

これには 我が無い ( 無我 ) と 我ではない ( 非我 ) という2つの解釈があるが 仮に ヨーガのような真我の存在を前提にしないならば あらゆるものを非我 ( 我ではない ) とすれば どこにも我は存在しないのだから 無我 ( 我は無い ) と同じ意味となるので 非と無の訳語の違いは重要でなく

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氏京都大学博士 ( 文学 ) 高橋早紀子名平安初期密教彫刻をめぐる思想 実践 祈願 承和 貞観期の王論文題目権の造像を中心に ( 論文内容の要旨 ) 大同元年 (806) に唐より帰朝した空海は 即身成仏と鎮護国家を二大中心思想とする体系的な密教を請来し 嵯峨 淳和 仁明の三代に渡る天皇との深い結び

様式 3 論文内容の要旨 氏名 ( フィットレル アーロン ) 論文題名 平安 鎌倉時代の和歌と女性の仏道 救済を中心に 論文内容の要旨 博士論文では 平安 鎌倉時代の女性と仏教の問題を扱うが その中でも新たな視点であるといえる 女性の仏教歌詠作の特質と 彼女たちの救済への願望における和歌の役割につ

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1 問灌仏会には どのような意味があるのでしょうか?答灌仏会は 紀元前六世紀 ルンビニーの花園でお生まれになった お釈迦さまの誕生を祝う仏教行事です 成道会(お釈迦様が悟りを開いた日) 涅槃会(お釈迦様が入滅した日) 灌仏会(お釈迦様の誕生した日)とある三仏忌の中でもほかの二つと比べると親しみやすい

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2007 年度 III. 浄土教美術の形成と展開 1. 浄土教美術の諸相 浄土図は非常に立体的に描かれているというのが 末法では仏の教えだけが残り 修行も悟りもなく 第一印象でした 熊谷直実といえば 平敦盛を討 なるといいますが 修行も悟りもないとはどうい った人物ということくらいしか記憶していなか

社会科 歴史的分野 学習指導案 授業者 広島市立 中学校 教諭 1 日時平成 19 年 月 日 2 学年 学級第 1 学年 組 3 単元名 なぜ文化が国風化したのか? ~ 国風文化は平安時代を映す!~ 4 単元について (1) 教材観 文化 はその時代の背景を強く映し出している 国風文化が形成された

こうして 無明 = 無智などが条件 原因となって 苦しみが生じることを説いている 逆にいえば 無智がなくなれば 苦しみがなくなる ということでもある 無智と苦しみは相互依存であり どちらも絶対的な存在ではない ということになる もう少しわかりやすくいえば 十二支縁起は 無明 = 無智から来る自我執着

自立語と付属語 文法的な面からもう少し詳しく解説します ひとつの文は複数の文節からなります 文 つなみ津波が文節 き来ます文節 そして 文節は自立語だけ あるいは自立語プラス付属語で構成されています つなみ津波 が 自 + 付 き来ます 自 自 自立語 付 付属語 自立語とはその語だけで意味を持ち

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奈良学ナイトレッスン 第7期 奈良の古仏を愛でるⅡ ~第二夜 十一面観音を旅する~



指定理由書 種 別 有形文化財彫刻 名 称 木造阿弥陀如来坐像 ( もくぞうあみだにょらいざぞう ) 員 数 1 躯 所在地 春日井市大泉寺町 1028 番地 4 所有者 宗教法人退休寺 法 量 本体像高 81.5cm 時 代 平安時代後期像内背部に 久安二年 (1146) の墨書 品質及び構造檜

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表紙

奈良学ナイトレッスン 平成26年度 第6夜 ~叡尊ゆかりの寺々を歩く ~

姿勢分析 姿勢分析 お名前 北原有希様 体重 45.0 kg 運動レベル 中 生年月日 1977 年 9 月 18 日 身長 cm オレンジ色の項目は 優先度の高い項目です 最適な状態にするための姿勢矯正プログラムが提供されます 頭が前に 18.3 出ています / 前に 2.9 cm 傾

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

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第三部 著者略歴218 もっと野尻抱影を知りたい人のためのブックガイド219

施餓鬼法話のホームページ掲載版

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井 ノ口 泰淳 浄土宗西山深草派管長 総本山誓願寺 法主 新春を迎えて 2 第136号 謹賀新年 皆様には それぞれ御機 うるわ 嫌宜しゅう新年をお迎えの のと念願致して居ります 無 事 円 成 致 し ま す よ う 御支 持の程 何卒よろしくお願 い申し上げます こ と と お 喜 び 申 し

コンセントレーションカール 腕を鍛える筋トレメニュー 鍛えられる筋肉 : 上腕二頭筋 前腕屈筋 1. ベンチに座り 片手でダンベルを持ち 上腕を太ももの内側に固定します 2. ゆっくりとひじを曲げてダンベルを上げ ゆっくりと戻します フレンチプレス 鍛えられる筋肉 : 上腕三頭筋 1. 片手にダンベ

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仏像の説明 9 サンスクリット語で 真実から来た者 と言う意味の言葉の和訳が 如来 です 最高の境地に達した存在で 最高の位にあります 単に 如来 とは釈迦の異名です 仏教界で 修行完成者 完全な人格者 を意味します 如 は真理 ありのままを表し 来 は文字のとおり 来る の意味です ちなみに ほとけ と同じ意味にあたります サンスクリット語の ブッダ という音を中国で 仏陀 という漢字に写し これが省略されて 仏 ( ぶつ ほとけ ) という言葉になりました ブッダとは 悟りを開いた人 という意味です 薬師如来以外は基本的に持物 ( じぶつ ) をとりません 大日如来以外は 1 枚の衣をまとうだけで 装飾品は身につけません ( 悟りを開いた釈迦の姿を表す ) 髪の毛は螺髪 ( らほつ = 小さくカールした髪の毛 ) で 如来独特のものです 三十二相 ( 三十二の超人的な特徴を備える ) 八十種好 ( 八十の小さな特徴がある ) と言われる特徴があります 三十二相 1. 足下安平立相 ( そくげあんぴょうりゅうそう ) 足が扁平足 2. 足下二輪相 ( あしげにりんそう ) 足の裏に千福輪という吉相がある 3. 長指相 ( ちょうしそう ) 手と足の指が長い 4. 足踵広平相 ( そくげんこうびょうそう ) かかとが広く平らである 5. 手足指縵網相 ( しゅそくまんもうそう ) 手足の指の間に水掻きがある もれのないようにという意味 6. 手足柔軟相 ( しゅそくにゅうなんそう ) 手足が柔らかい 7. 足趺高満相 ( そくふこうまんそう ) 足の甲が高い 8. 伊泥延腨相 ( いでいえんせんそう ) 膝は鹿のようにしなやか 伊泥延は鹿の一種 9. 正立手摩膝相 ( しょうりゅうしゅましっそう ) たつと膝まで手が届く 10. 陰蔵相 ( おんぞうそう ) 馬や象のように陰相が体内に隠されて見えない 11. 身広長等相 ( しんこうじょうとうそう ) 身長と手を横に伸ばした距離が同じ 12. 毛上向相 ( もうじょうこうそう ) 毛は上向 13. 一一孔一毛相 ( いちいちくいちもうそう ) 毛穴には青毛が生えている 14. 金色相 ( こんじきそう ) 全身が金色に映える 15. 丈光相 ( じょうこうそう ) 体の回りに一丈ほどの光がある 16. 細薄皮相 ( さいはくひそう ) 皮膚は薄くつややか 17. 七処平満相 ( しちしょりゅうまんそう ) 頸 肩 腰まろやかで肉付きがよい 18. 両腋隆満相 ( りょうやくげりゅうまんそう ) 腋の下も肉付きがよい 19. 上身如獅子相 ( じょうしんにょししそう ) 上半身は獅子のように立派 20. 大直身相 ( だいじきしんそう ) 体はすっきりとしている 21. 肩円満相 ( けんえんまんそう ) 肩は丸みをおびている 22. 四十歯整相 ( しじゅうしそう ) 歯は40 本あり歯並びもよい 23. 歯斉相 ( しさいそう ) 歯は大きさが均等で隙間がない 24. 牙白相 ( げびゃくそう ) 上下 4 本の犬歯は白く美しい 25. 獅子頬相 ( ししきょうそう ) 頬も獅子のよう 26. 味中得上味相 ( みちゅうとくじょうみそう ) 食べるものは最高の味 27. 大舌相 ( だいぜつそう ) 舌は体を覆うぐらい長く広い 28. 梵声相 ( ぼんじょうそう ) 声は梵天のように5 種の声が出せる 29. 真青眼相 ( しんしょうげんそう ) 目は青く 紺青のよう 30. 牛眼睫相 ( ぎゅうごんしょうそう ) 牛王のように美しい目 31. 肉髻相 ( にっけいそう )/ 頂髻相 ( ちょうけいそう ) 頭にこぶがあるように盛り上がっている 32. 白毫相 ( びゃくごうそう )/ 白毛相 顔の眉間に白い巻毛 ( 一丈五尺で右巻 ) が生えている 仏の知恵を表す

10 おもな如来 釈迦如来 ( しゃかにょらい ) 耳が肩まで届くほど垂れ下がっている ( 福耳 ) 耳朶 ( みみたぶ ) に穴が空いている ( 耳朶環状 ) のどに 3 本しわがある ( 三道 ) 眉が長い 鼻の穴が見えない へそが深く 右回りに渦を巻いている 釈迦は実在する人物で 仏教の開祖となり神格化され 永遠に衆生を救済する仏として崇められるようになったのが釈迦如来です 東南アジアで作られる仏像のほとんどは釈迦如来です 特徴法隆寺に代表される 右手を施無畏印 ( せむいいん ) 左手を与願印 ( よがんいん ) に結ぶ例が多く 飛鳥時代には 左手の小指と薬指を曲げている作例 ( 法隆寺金堂 室生寺など ) もあります ただし 禅系では 禅定印 ( ぜんじょういん ) の像が作られる例が多いです その他 初転法輪 ( しょてんぼうりん ) を表す説法印 ( せっぽういん ) や 悪魔を追い払った時の降魔印 ( ごうまいん ) を結ぶ例もありますが 日本での作例はあまりありません また インド 中国 日本の三国伝来とされる京都 清凉寺 ( せいりょうじ ) の釈迦如来 ( 清凉寺式釈迦如来 ) は 栴檀 ( せんだん ) の木造で衣服のひだが細かく彫られ 胸の周りは同心円状です この釈迦如来を手本として 以来数多くの釈迦如来が作られました ( 奈良 西大寺 / さいだいじ 奈良 唐招提寺 / とうしょうだいじ 京都 西明寺 / さいみょうじ など ) 釈迦八相と呼ばれる 釈迦の一生の節目ごとに 仏像の形に特徴があります 釈迦八相 ( 八相と特徴 ) 1. 誕生釈迦 ( たんじょうしゃか ) 生まれてすぐ右手を高く上げ 左手を下に指して 天上天下唯我独尊 ( てんじょうてんがゆいがどくそん ) ( 世の中で自分は一番尊い ) と述べた姿です 上半身裸で腰に布をまとっているのが一般的です この時の姿には既に三十二相八十種好の原型が備わっています 三十二相 (Page-9 参照 ) 奈良 東大寺の誕生仏が有名です 現在も 4 月 8 日に行われる花祭り ( 灌仏会 / かんぶつえ = 釈迦誕生の日とされる ) でお馴染みです 2. 樹下思惟釈迦 ( じゅげしゆいしゃか ) 青年期で出家前の姿 深く考え込んでいます 3. 苦行釈迦 ( くぎょうしゃか ) 修行中で 痩せて骨と皮ばかりの姿 4. 出山釈迦 ( しゅっさんしゃか ) 苦行に見切りをつけて山から下りてきた姿 痩せて頬がげっそりしています 5. 降魔成道 ( ごうまじょうどう ) 雑念や誘惑を退けて悟りに達する姿 この時釈迦は 35 歳だったといわれています 沙羅双樹 6. 説法釈迦 ( せっぽうしゃか ) 説法をして教えを広めている姿 奈良 室生寺 ( むろうじ ) の像が有名です 7. 涅槃釈迦 ( ねはんしゃか ) 沙羅双樹 ( さらそうじゅ ) の下で入滅しようとする姿 右肩を下にして寝ています 奈良 法隆寺五重塔 ( ほうりゅうじごじゅうのとう ) の像が日本最古のものです 涅槃釈迦 8. 金棺出現 ( きんかんしゅつげん ) 釈迦が入滅した後 一度だけ蘇って説法している姿 仏像としては存在していません

11 釈迦如来 ( しゃかにょらい ) 脇侍 ( きょうじ ) 釈迦三尊 ( しゃかさんぞん ) の場合は 一般的に左に文殊菩薩 ( もんじゅぼさつ ) 右に普賢菩薩 ( ふげんぼさつ ) を伴います 薬王菩薩 ( やくおうぼさつ ) 薬上菩薩 ( やくじょうぼさつ ) 観音菩薩 ( かんのんぼさつ ) 虚空蔵菩薩 ( こくうぞうぼさつ ) 梵天 ( ぼんてん ) 帝釈天 ( たいしゃくてん ) などの組み合わせも見られます さらに文殊 普賢の脇侍に 十大弟子の大迦葉 ( だいかしょう ) 阿難 ( あなん ) の二尊を加えた五尊形式の例もあります 眷属 ( けんぞく ) 八部衆 ( 釈迦に教化された異教の神々 ) や十大弟子 ( 釈迦の主な弟子 ) を従える例があります 梵名 : シャーキャ真言 : ナウマクサマンダボダナンバク 阿弥陀如来 ( あみだにょらい ) もとはインドの王子で サンスクリット語で アミターユスまたはアミターバといい 無限の寿命をもつものと訳されます 無量寿如来あるいは無量光如来とも呼ばれます 日本では特に鎌倉時代に入って 浄土宗や浄土真宗の台頭により大いに信仰されました 阿弥陀如来は西方極楽浄土の教主で 死に臨み 南無阿弥陀仏 を唱えれば 阿弥陀如来が迎えに来て極楽往生できるとされます 阿弥陀如来は その修業時代 ( 法蔵菩薩 ) に四十八願 ( しじゅうはちがん ) と呼ばれる誓いをたて このうちの十八番目を王本願 ( おうほんがん ) または弘願 ( ぐがん ) または念仏往生願といい 念仏を唱え阿弥陀に全てを任せた人々を救う とされているからです これが浄土系宗派の他力本願の元になりました 鎌倉の大仏はこれです 特殊な例としては 修行で髪が伸びた様を現す五刧思惟阿弥陀 ( ごごうしゆいあみだ ) 等があります 特徴九品来迎印 ( くぼんらいごういん ) と呼ばれる 両方の手とも親指と人差し指または中指 薬指で円を作るのが一般的です 脇侍 ( きょうじ ) 阿弥陀三尊 ( さんぞん ) の場合は 左側に観音菩薩 ( かんのんぼさつ ) 右側に勢至菩薩 ( せいしぼさつ ) を伴います ( 密教系は逆 ) 眷属 ( けんぞく ) 二十五菩薩を従える例があり 平安時代中期以降信仰を集めました 特に京都 東寺観智院 ( とうじかんちいん ) のものが有名です 梵名 : アミターユス真言 : オンアミリタテイゼイカラウン 鎌倉の大仏 ワンポイント 四方仏仏教では 東西南北に仏国土 ( 仏の世界 ) があり それぞれにその仏国土を治める仏が一体ずついると考えられています 北に 未来仏 の弥勒菩薩 ( みろくぼさつ ) 南に 過去仏 の釈迦如来 西に 現在仏 の阿弥陀如来 東にも 現在仏 の薬師如来が配されています 阿弥陀如来は現在仏ですが 西方はるかの極楽世界の教主であり 人がこの世を去るとき極楽浄土に向かい入れてくれます 薬師如来は 瑠璃光世界の教主で 瑠璃光とはこの世のことであり 今この時代でご利益を授かることができると考えられています 過去仏 現在仏 未来仏の分類に関しては 宗派や経典または寺院によって諸説あります

12 釈迦十大弟子 維摩経 ( ゆいまぎょう ) においての出家順 十大弟子 1. 舎利弗 ( しゃりほつ ) / 舎利子 ( しゃりし ) 2. 摩訶目犍連 ( まかもっけんれん ) / 一般に目連 ( もくれん ) 3. 摩訶迦葉 ( まかかしょう ) / 大迦葉 ( だいかしょう ) 特徴 阿弥陀経 の中でお釈迦さまは舎利弗尊者に三十七回も語りかけています お釈迦さまの教えをよく理解したことから 智慧第一 と称せられました 舎利弗尊者とは幼なじみで 母親を餓鬼道の苦しみから救ったことから お盆 の行事が始まったといわれ 神通第一 と称せられました お釈迦さまが亡くなられた後 仏典結集において中心的な役割をし 頭陀行 ( 衣食住に執着しない行 ) に優れた方で 頭陀 ( ずだ ) 第一 と称せられました 頭陀袋とは 本来この頭陀行を行う僧侶が 携行用に用いた袋をさします 4. 須菩提 ( しゅぼだい ) 空 を理解すること第一で 解空( げくう ) 第一 と称せられ また 物事ごとなどに対する執着 心の争いがないことから 無諍 ( むしょう ) 第一 と称せられました 5. 富楼那弥多羅尼子 ( ふるなみたらにし ) / 略称として富楼那 ( ふるな ) 弁舌さわやかで お釈迦さまの教えを体得することが第一であったので 説法第一 と称せられました 富楼那の弁 という言葉もあるほどです 6. 摩訶迦旃延 ( まかかせんねん ) 他宗教との対論を担当したり 聖典の中で主として哲 学的論議を多くしていることから 論議第一 と称せ られました 7. 阿那律 ( あなりつ ) お釈迦さまの前では決して眠らないという不眠の行を行ったがため失明しましたが かわりに天眼 ( 智慧の眼 ) を得たので 天眼 ( てんげん ) 第一 と称せられました 8. 優波離 ( うぱり ) お釈迦さまが制定された戒律を実践することが第一で したので 持律第一 と称せられました 9. 羅睺羅 ( らごら ) / 羅云 ( らうん ) お釈迦さまの実の子で お釈迦さまの教えや戒めを厳しく 綿密に怠ることなく精進し 解脱したことから 密行 ( みつぎょう ) 第一 と称せられました 10. 阿難 ( あなん ) 約二十五年もの長きにわたって お釈迦さまの身の周 りの世話をし 説法を聞く機会が第一であったことか ら 多聞 ( たもん ) 第一 と称せられました

13 阿弥陀如来の眷属 二十五菩薩 尊名 持物 ( じぶつ ) 1. 観世音 ( かんぜおん ) 蓮台 2. 大勢至 ( だいせいし ) 合掌 3. 薬王 ( やくおう ) 幢幡 ( どうばん ) 4. 薬上 ( やくじょう ) 玉幡 ( ぎょくばん ) 5. 普賢 ( ふげん ) 幡蓋 ( どんばん ) 6. 法自在王 ( ほうじざいおう ) 華鬟 ( けまん ) 7. 獅子吼 ( ししく ) 鼓 ( つつみ ) 8. 陀羅尼 ( だらに ) 舞いながら袖を持つ 9. 虚空蔵 ( こくうぞう ) 腰鼓 10. 徳蔵 ( とくぞう ) 笙 ( しょう ) 11. 宝蔵 ( ほうぞう ) 笛 12. 金剛蔵 ( こんごうぞう ) 琴 13. 金蔵 ( こんぞう ) 箏 ( そう ) 14. 光明王 ( こうみょうおう ) 琵琶 ( びわ ) 15. 山海慧 ( さんかいえ ) 箜篌 ( くご ) 16. 華厳王 ( けごんおう ) 磬 ( けい ) 17. 衆宝王 ( しゅうほうおう ) 鐃 ( にょう ) 18. 月光王 ( がっこうおう ) 振鼓 ( ふりづづみ ) 19. 日照王 ( にっしょうおう ) 羯鼓 ( かっこ ) 20. 三昧王 ( さんまいおう ) 天華 ( てんげ ) 21. 定自在王 ( じょうじさいおう ) 太鼓 22. 大自在王 ( だいじざいおう ) 華幢 ( けどう ) 23. 白象王 ( はくぞうおう ) 宝幢 ( ほうどう ) 24. 大威徳王 ( だいとくおう ) 曼珠 ( まんじゅ ) 25. 無辺身 ( むへんしん ) 焼香 薬師如来関連 十二大願 1. 光明普照 自らの光で三千世界を照らし あまねく衆生を悟りに導く 2. 随意成弁 仏教七宝の一つである瑠璃の光を通じて仏性を目覚めさせる 3. 施無尽仏 仏性を持つ者たちが悟りを得るために欲する あらゆる物品を施す 4. 安心大乗 世の外道を正し 衆生を仏道へと導く 5. 具戒清浄 戒律を破ってしまった者をも戒律を守れるよう援ける 6. 諸根具足 生まれつきの障碍 病気 身体的苦痛を癒す 7. 除病安楽 困窮や苦悩を除き払えるよう援ける 8. 転女得仏 成仏するために男性への転生を望む女性を援ける 9. 安心正見 一切の精神的苦痛や煩悩を浄化できるよう援ける 10. 苦悩解脱 重圧に苦しむ衆生が解き放たれるべく援ける 11. 飲食安楽 著しい餓えと渇きに晒された衆生の苦しみを取り除く 12. 美衣満足 困窮して寒さや虫刺されに悩まされる衆生に衣類を施す

14 薬師如来 ( やくしにょらい ) サンスクリット語でバイシャジヤ グルといい 現代でいえば医師を意味します 正式には薬師瑠璃光如来 ( やくしるりこうにょらい ) と称し 東方浄瑠璃 ( じょうるり ) 世界の教主です 十二大願 ( 薬師如来が修業時代に 自分が仏になったら何々のことをしようという 誓い を十二個たてた ) といわれる現世利益を説き 主に病気平癒 ( へいゆ ) を願って古来多くの人々から信仰を集めました 奈良時代には薬師如来を本尊として 諸国に国分寺が建立されたことからも 信仰の厚さが伺えます 薬師如来の光背には 七体または六体 もしくは七体の同じ大きさの像容があります これは七仏薬師といって薬師如来とその化身仏とされます 特徴 飛鳥 ~ 奈良時代 持物 ( じぶつ ) である薬壺 ( やっこ ) がなく 座像 立像 ( りゅうぞう ) とも右手は施無畏印 ( せむいいん ) 左手は与願印 ( よがんいん ) を結ぶ 多くは釈迦如来と区別しにくい 平安時代 病気平癒 ( へいゆ ) の御利益が浸透して薬壺 ( やっこ ) を持つ 右手は施無畏印 ( せむいいん ) を結んで 左手に薬壺をのせた座像もしくは立像 ( りゅうぞう ) あるいは両手で法界定印 ( ほうかいじょういん ) を結び その上に薬壺をのせた座像 脇侍 ( きょうじ ) 日光菩薩 月光菩薩を従える 昼夜を問わず 病で苦しむ人々を見逃さないようにするためです 眷属 ( けんぞく ) 十二の夜叉 ( やしゃ ) 十二神将 ( じゅうにしんしょう ) と呼ばれる 武装した像を従えていることもあります これらの像は 薬師如来の家来あるいは分身であり 如来を助け 薬師如来を信仰してくれる人を守護する夜叉です 十二大願に対応して 薬師如来の分身ともいわれています 十二神将 ( 詳細は 仏像 その他を参照 ) 1. 宮毘羅 ( くびら )2. 伐折羅 ( ばきら )3. 迷企羅 ( めきら )4. 安底羅 ( あんちら ) 5. あに羅 6. 珊底羅 ( さんちら )7. 因達羅 ( いんだら )8. 波夷羅 ( ばいら ) 9. 摩虎羅 ( まこら )10. 真達羅 ( しんだら )11. 招杜羅 ( しょうとら )12. 毘羯羅 ( びから ) 梵名 : バイシャジヤグルバイドゥールヤプラバージャ真言 : オンコロコロセンダリマトウギソワカ 七仏薬師 ( しちぶつやくし ) 1. 善名称吉祥王如来 ( ぜんみょうしょうきちじょうおうにょらい ) 2. 宝月智厳光音自在王如来 ( ほうがつちごんこうおんじざいおうにょらい ) 3. 金色宝光妙行成就王如来 ( こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおうにょらい ) 4. 無憂最勝吉祥王如来 ( むうさいしょうきちじょうおうにょらい ) 5. 法海雲雷音如来 ( ほうかいうんらいおんにょらい ) 6. 法海勝慧遊戯神通如来 ( ほうかいしょうえゆげじんつうにょらい ) 7. 薬師瑠璃光如来 ( やくしるりこうにょらい )

15 大日如来 ( だいにちにょらい ) 両曼荼羅界 ( まんだらかい ) 真理面を象徴する胎蔵界曼荼羅 ( たいぞうかいまんだら ) 智彗 ( ちえ ) を象徴する金剛界曼荼羅 ( こんごうかいまんだら ) の中心となる仏です 宇宙の根源とされている仏です 密教界においては 仏 菩薩もこの如来から生まれる法身仏 ( ほっしんぶつ ) とされています 普通 如来は出家した僧の姿をしているのですが 密教の仏である大日如来だけは違います 大日如来は仏の王と考えられている為 又は この世で仏教の理想を実現するために 普通の人の姿で表現しているとも言われています また 五智如来 ( ごちにょらい ) は大日如来を中心とする東西南北に四如来を配置したものです 名称の由来は大日如来の宝冠を五智宝冠と呼ぶことから 五智如来 ( ごちにょらい ) とも呼ばれています 毘盧舎那如来 ( ぶるしゃなにょらい ) が密教教義の中でさらに発展し 特に真言宗系密教では最高仏とされ 釈迦如来や菩薩 明王など全ての仏は大日如来の化身とされています 大日如来には 金剛界と胎蔵界の二つがあります 特徴一般的に蓮華座に結跏趺坐 ( けっかふざ ) し 宝冠をかぶり 瓔珞 ( ようらく ) 臂釧 ( ひせん ) 腕釧 ( わんせん ) を身につけます 金剛界 智拳印 ( ちけんいん / 左手で親指を中に入れて人差し指を立てた拳をつくり その人差し指の第一関節から上を右手の拳で握り込む形で 最高の判断力である智を表します ) 大日如来の智慧が何物にも傷つかない強さを表しています 智拳印 ( ちけんいん ) 法界定印 ( ほっかいじょういん ) 胎蔵界 法界定印 ( ほっかいじょういん / 左の掌の上に右手の甲を重ね 両方の親指を軽く触れ合わせる形で 最高の悟りを表します ) 宇宙の一切の存在や現象は 母胎のような大日如来にやさしく包み込まれていることを表します 梵名 : マハーヴィローチャナ真言 : 金剛界 オンバザラダトバン 胎蔵界 ナウマクサマンダボダナンアビラウンケン ワンポイント 五智如来 ( ごちにょらい ) 密教の中心である大日如来を囲んで 東西南北に 4 体の如来を安置する例があります 本来は金剛界の五仏を五智如来といいますが 胎蔵界においてもそれぞれ同体であると解釈されています 五智は仏の五つの智慧のことをいい 大日如来の宝冠を五智宝冠ということから こう呼ばれます 金剛界 胎蔵界 北 不空成就如来 ( ふくうじょうじゅにょらい ) 北 天鼓雷音如来 ( てんくらいおんにょらい ) 西 阿弥陀如来 ( あみだにょらい ) 中心 大日如来 ( だいにちにょらい ) 東 阿閃如来 ( あしゅくにょらい ) 西 無量寿如来 ( むりょうじゅにょらい ) 中心 大日如来 ( だいにちにょらい ) 東 宝憧如来 ( ほうどうにょらい ) 南 宝生如来 ( ほうしょうにょらい ) 南 開敷華王如来 ( かいふけおうにょらい )

16 毘蘆紗那如来 ( びるしゃなにょらい ) 東大寺盧舎那仏像 ( 奈良の大仏 ) サンスクリット語でヴァイローチャナといい 光があまねく広く照らす 太陽 の意味です 略して盧舎那仏 ( るしゃなぶつ ) ともいわれ 光明遍照 ( こうみょうへんじょう ) とも訳されます 広大な仏教世界の中心に位置するのが毘盧舎那如来で 密教における大日如来は毘盧舎那如来をさらに発展させた仏法の宇宙そのものとされています 釈迦が伝える真理の源が毘盧舎那如来です 華厳経 ( けごんぎょう ) では三千世界の中心です 特徴奈良 東大寺の大仏は 右手は第三 四指をやや曲げた施無畏印 ( せむいいん ) 左手を左膝上に置いて上を向けた与願印 ( よがんいん ) を結び 大仏座という蓮華 ( れんげ ) 坐上に結跏趺坐 ( けっかふざ ) しています 奈良 唐招提寺 ( とうしょうだいじ ) の毘盧舎那如来も 東大寺の大仏と同様の作りですが 右手の中指と人差し指で輪を作っているのが特徴です 脇侍 ( きょうじ ) 如意輪観音 ( にょいりんかんのん ) 虚空蔵菩薩 ( こくうぞうぼざつ ) を従えます ( 東大寺 ) 梵名 : ヴァイローチャナ 阿閃如来 ( あしゅくにょらい ) 鏡のように全てを映し出すという意味で 大円鏡智 ( だいえんきょうち ) と呼ばれる智を表します 病気を治します 薬師如来が密教にないのは この阿閃如来と同等と考えられたためです 特徴左手で納衣の端を握り 右手は降魔印 ( ごうまいん ) を結んでいます 梵名 : アクショービヤ真言 : オンアキシュビヤウン 不空成就如来 ( ふくうじょうじゅにょらい ) ご利益を与えるために するべきことを成就させることで 成所作智 ( じょうしょさち ) と呼ばれる智を表します 不空 とは空っぽでない 充実したことを指します 特徴右手は施無畏印 ( せむいいん ) を結び 左手は手のひらを上にして足に置いている例が多いです 梵名 : アモーガシッデイ真言 : オンアボキャシツデイアク 宝生如来 ( ほうしょうにょらい ) あらゆるものは平等であるという精神を説きます 宝も福も叶えますという意味で 平等性智 ( びょうどうしょうち ) の智を表します 特徴右手で与願印 ( よがんいん ) を結びます 梵名 : ラトナ サンバヴァ真言 : オンアラタンナウサンバンバタラク

17 仏頂 仏母 ( ぶっちょう ぶつも ) 密教の最高仏である大日如来 ( だいにちにょらい ) から派生した諸々の仏です 仏頂とは 仏の頭の頂は普通の人々には見えない尊いものなので 仏の中でも最高の仏尊のことを指します 一字金輪仏頂 ( いちじきんりんぶっちょう ) 仏頂のなかでも最も優秀な仏尊です 一字とは仏や菩薩がこの一字に帰することから また金は古代インド神話による最高の位を表すことから名付けられました 金剛界の曼荼羅に描かれるほか 彫像としては岩手 中尊寺 ( ちゅうそんじ ) に遺っています 梵名 : 真言 : エーカークシャラ ウシュニーシャチャクラボロン 大仏頂 ( だいぶっちょう ) 如来の三十二相のひとつ 肉髻相 ( にっけいそう ) の功徳を神格化したもので 胎蔵界曼荼羅に描かれます これ以外にも 三十二相の功徳を神格化したものがいくつかあります 仏眼仏母 ( ぶつげんぶつも ) あらゆる眼力をそなえた仏眼を尊格化し また諸仏を生じさせる母であることから仏眼仏母といいます 単独の画像として描かれるほか 胎蔵界の曼荼羅に描かれることから 金剛界の一字金輪仏頂に対応するものと考えられています