日本の決済ネットワーク崩壊と新たな秩序 金融コンサルティング事業部マネジングコンサルタント金高篤
決済 決済ネットワークの例 企業 財 サービス 対価 企業 財 サービス 対価 個人 決済 決済 銀行 銀行 銀行 決済ネットワーク ( 例 ) 1
従来の決済ネットワーク 企業 財 サービス 対価 企業 財 サービス 対価 個人 決済 決済 FB ( ファーム バンキング ) CMS( キャッシュ マネジメント サービス ) ATM 網 クレジットカード 銀行内ネットワーク ( 支店網 + 勘定系 ) 全国銀行データ通信システム 外国為替円決済システム 日銀ネット ( 銀行間 ) 2
決済ネットワークを支える基本要素 決済ネットワーク 信用 信頼 技術 ノウハウ 銀行 規制 + クローズドネットワーク 金融仲介機能 3
銀行ビジネスにおける決済の位置づけ 銀行ビジネス全体での収益獲得コストの負担 手段 銀行業務 決済業務金融仲介業務 目的 決済ビジネス 収益源金融仲介ビジネス 資金情報 ( 運用 調達 ) 信用情報 決済性預金 貸出 4
決済ネットワークを支える基本要素の変化 決済ネットワーク 信用力の変化 銀行の格付低下 銀行の株価低下 信用 信頼技術 ノウハウ IT FTの発展 規制規制緩和 情報技術 (IT) の進展 財務技術 (FT) の進化 新規参入の容認 新商品等の認可 金融仲介機能 5
決済ビジネスに関する新たな動き 企業 財 サービス 対価 企業 財 サービス 対価 個人 決済 決済 企業内銀行 グループ内銀行 マーケットプレース エスクローサービス インターネット専業銀行 決済専門銀行 コンビニ代金収納 宅配便決済 6
インターネット専業銀行 ( ネットバンク ) BtoC ジャパンネット銀行が 2000 年 10 月に開業 伊藤忠等のイーバンク銀行が 2001 年春に開業を予定 ソニー等も参入を検討中 三和銀行は 設立見送りを決定 (2000 年 10 月 ) シティグループ ( 本体に吸収 ) バンクワン等は撤退方針 ネットバンク単体での収益性については疑問符 都銀のインターネットバンキングは 急速に増加 住友銀行で200 万口座 さくら 第一勧業 三和でも各 100 万口座を上回る 7
削減強化コンビニ決済 ( 決済専門銀行 ) BtoC 本部決済専門銀行 在庫 展示 販売 決済 化店舗機能 < 決済サービス> 料金収納代行サービス CVS 店舗 ATM <ATMサービス> 現金引出 購買へ 振込 残高照会 料金収納代行機能 決済専門銀行機能 ワンストップショッピング & サービス 金融 = 店舗の機能を 高めるための一方策 流通業全体として物販 サービス等のトータルで収益を得る 8
企業内銀行 BtoB A 社 送金指示 資金余剰 トレジャリー B 社口座 子会社 B 例 ) 余剰資金を吸い上げ 不足しているところへ貸し付ける ワークステーション 資金移動 C 社口座 子会社 C 決済の流出預金の減少貸出の減少 運用は銀行にアウトソーシング 子会社 D D 社口座 資金不足 本社口座 9
決済ビジネスに関する新たな動きの特徴 銀行以外の異業種が新規参入 オープンネットワーク ( インターネット等 ) の利用 既存インフラの有効活用 顧客にとり スピードアップ 自由度向上 ローコスト 顧客の利便性 コストを考えた ビジネス として決済へ参入 10
決済ネットワークの将来 競合 CVS ( 決済専門銀行 ) クローズドネットワーク銀行銀行 利用は相対的に減少 競合 競合 競合 グループ内銀行 競合 銀行 企業内銀行 ネットバンク オープンネットワーク等 11
銀行新規参入( オープンネットワーク等 ) 既存の銀行へのインパクト クローズドネットワーク 銀行以外のネットワーク 従来 市場化 今後 + 決済ネットワークの利用減による 収入手数料の減少 資金情報 信用情報の減少による 金融仲介ビジネスにおける収益の減少 12
決済ネットワーク崩壊の構図 銀行ビジネス全体での収益獲得 困難 手段 金融仲介からの収益を失うことで 決済ネットワークを維持できなくなる 目的 決済ビジネス 収益源金融仲介ビジネス 決済 ( 手段 ) を失うことで 金融仲介 ( 目的 ) も達成できなくなる 決済性預金 貸出 13
便性顧客にとっての決済の価値 決済の価値とは 決済ネットワークが顧客の納得する利便性 コストを備えているかということ クローズドネットワーク崩壊の危険性 銀行にも対応策が必要 利便性ギャップ クローズドネットワークは顧客の求める利便性を実現していない 主にコスト及び利便性の観点から新規参入がおこなわれている利クローズドネットワークの運営コストの把握が不十分で 適正な転嫁ができていない コストギャップ 特に BtoC 特に BtoB コスト セキュリティ 制度普及には重要な課題 14
BtoC における決済の将来 ネット型電子マネー 銀行等 ネット クレジットカード ネット決済 プリペイドカード IC カード型電子マネー 機能の一体化 IC カードと端末機能の一体化 リアル クレジットカードデビットカード プリペイドカード IC カードの規格統一 (2002 年頃 ) 携帯端末IC カード 状況や用途に 応じ選択的に利用 与信機能コミュニティサービス連携ポイントカード機能地域通貨 環境通貨機能 付加価値 マーケティングアライアンス 15
買い手売り手BtoB 決済における新規参入者の視点 従来の銀行のフォーカス ニーズの特定 商品 調達の発見と評価 調達先の選択 支払方法の選択 購買の実施 支払の実施 受取情報の確認 商品の受取 / 在庫リス処理買トの更新 経理処理 新規参入者の新しい価値提供 ビジネスプロセスにおける決済 金融仲介を含めた一気通貫のサービス 決済金融仲介 金融への参入 ニーズの特定 商品のリストの作成 潜在顧客の特定 マーケティングと販売促進理売販売の実施 支払の受取 受取情報の発信 商品リスト / 金融履歴の更新 販売情報の把握と処 タワーレポートを参考に FRI 作成 16
All Rights Reserved, Copyright (c) All Rights Reserved, Copyright (c) 株式会社富士通総研式会社富士通総研 2000 2000 17 17 ニーズニーズニーズニーズの特定の特定の特定の特定商品 調商品 調商品 調商品 調達先の達先の達先の達先の発見と発見と発見と発見と評価評価評価評価調達先調達先調達先調達先の選択の選択の選択の選択支払方支払方支払方支払方法の選法の選法の選法の選択購買の購買の購買の購買の実施実施実施実施支払の支払の支払の支払の実施実施実施実施受取情受取情受取情受取情報の確報の確報の確報の確認商品の商品の商品の商品の受取 / 受取 / 受取 / 受取 / 在庫リス在庫リス在庫リス在庫リストの更新トの更新トの更新トの更新経理経理経理経理処理処理処理処理買い手買い手買い手買い手ニーズニーズニーズニーズの特定の特定の特定の特定商品の商品の商品の商品のリストのリストのリストのリストの作成作成作成作成潜在顧潜在顧潜在顧潜在顧客の特客の特客の特客の特定マーケテマーケテマーケテマーケティングとィングとィングとィングと販売促販売促販売促販売促進販売の販売の販売の販売の実施実施実施実施支払の支払の支払の支払の受取受取受取受取受取情受取情受取情受取情報の発報の発報の発報の発信商品リス商品リス商品リス商品リスト / 金融ト / 金融ト / 金融ト / 金融履歴の履歴の履歴の履歴の更新更新更新更新販売情販売情販売情販売情報の把報の把報の把報の把握と処握と処握と処握と処理売り手売り手売り手売り手決済金融仲介 BtoB における銀行のフォーカスの変更における銀行のフォーカスの変更における銀行のフォーカスの変更における銀行のフォーカスの変更従来の銀行のフォーカス新たな銀行のフォーカス新たな銀行のフォーカス新たな銀行のフォーカス新たな銀行のフォーカスファイナンシャル サービス銀行にとっての銀行にとっての銀行にとっての銀行にとっての新しい価値提供新しい価値提供新しい価値提供新しい価値提供新しい取引の場の提供
金融マーケットプレース 金融マーケットプレース 銀行 銀行 銀行 < 主催 > 単に参加するだけで Market Place なく マーケットプレースを主導的に運営する 企業 企業 企業 企業 IT インターネットが基盤 18
インターマーケットプレース Inter Market Place Market Place 1 Market Place 3 調達企業 A 販売 Market Place 2 調達 販売企業 B 個別 Market Place 単位でのサービスの制約を 複数 Market Place 間を包括する Inter Market Place のサービスにより補完 19