2016 年 5 月 9 日埼玉県媒介蚊対策研修会 媒介蚊および 蚊媒介感染症対策について ーデング熱 ジカウイルス感染症の話題ー 沢辺京子 国立感染症研究所昆虫医科学部
2013~2015 年に国内で報告された蚊媒介感染症 節足動物媒介感染症 201 3 年 2014 年 2015 年 輸入例 国内感染例 輸入例 国内感染例 輸入例 国内感染例 国内に生息 / 想定される媒介節足動物 マラリア 47 0 24 0 41 1) 0 ハマダラカ (5 種類 ) 日本脳炎 0 9 0 2 0 2 コガタアカイエカ ウエストナイル熱 1 2005 年 0 0 0 0 0 アカイエカ ヒトスジシマカ デング熱 2) 249 1 179 162 292 0 ヒトスジシマカ チクングニア熱 14 0 6 0 17 0 ヒトスジシマカ ロスリバー熱 1 0 0 0 0 0 ヒトスジシマカ Zika 熱 3) 1 0 2 0 0 0 ヒトスジシマカ 1) 感染研 IDWR53w 暫定数, 2) 感染研ウイルス第 1 部 HP より 3) ジカウイルス感染症はこれまでに 10 例が報告
WHO では 流行地域と患者数はこの 10 年間で拡大と増加の傾向にあることを確認し 再興感染症の中でもマラリアと共に世界的にもっとも重要な疾患の一つとして監視している感染症である 主にネッタイシマカ ヒトスジシマカが媒介する 年間約 4 億人がデング熱を 約 25 万人がデング出血熱を発症している死亡者は年間約 2.2 万人 デング熱 / デング出血熱の分布 7 WHO 資料より作成
デング熱の症状 典型的な発疹 デング出血熱の後遺症 典型的な発疹
デングウイルスの感染環 ヒト ヒトスジシマカネッタイシマカ ヒトスジシマカネッタイシマカ ヒトスジシマカ ヒト ウイルス 増幅動物 日本脳炎ウイルスの感染環 自然宿主 コガタアカイエカ ブタ ウイルス コガタアカイエカ ウマ 終末宿主 ネッタイシマカ ブタ 増幅動物 ヒト
国内でのデング熱発生状況 我が国では, 東南アジアから帰国した船員によって1942 年の夏に病気が持ち込まれ, ヒトスジシマカが媒介蚊となって3 年間にわたり夏に流行し, 総患者数は20 万人に達した事例がある. 1999 年 ~2015 年デング熱 出血熱報告患者集 292 それ以降の国内感染例は2013 年まで報告されておらず, すべて輸入症例であった. デングウイルス媒介蚊となりうるヒトスジシマカは, 国内のあらゆる環境に普通に生息しているので, 国内感染の可能性も考える必要がある. 防火水槽 (1940 年代 ) 雨水マス ( 現在 ) ( 国立感染症研究所ウイルス第一部 HP より )
2013 年に発生したデング熱の国内感染疑い例について ProMed(2014 年 1 月 10 日 ) 概要 今般 ドイツ政府機関 ( ロベルト コッホ研究所 ) より 昨年 8 月下旬に日本を周遊して帰国したドイツ人患者 ( ) で デング熱の感染が確認された旨 情報提供がありました ( 別紙 1: 日本政府への一報後 1 月 9 日付けでドイツ側より公表された内容 ) 日本の専門家による検討の結果 当該患者が感染した場所の特定にはいたりませんでしたが 日本国内で感染した可能性は否定できないとの結論が得られました ( ) 当該患者は入院一週間後に回復これを受けて 厚生労働省では 都道府県等に本事案について情報提供を行うとともに デング熱に対する適切な対応等について あらためて協力を依頼したところです ( 別紙 2) 以下略 ~ 平成 26 年 1 月 10 日 照会先 健康局結核感染症課感染症情報管理室長中嶋建介 (2389) 課長補佐難波江功二 (2373) ( 代表 )03-5253-1111
2014 年デング熱国内感染例が報告された地域 全国 18 都道府県で報告 ヒトスジシマカの分布北限 国内 2 次感染例 兵庫 1 人
2014 年デング熱国内感染症例の推定曝露日別報告数 患者報告数 ( 人 ) 7 6 5 4 3 2 1 代々木公園または周辺のみ訪問 (n=70, 122 例中曝露日が 1 日だけの症例のみ ) 0/55 1/51* NIID 5/276 13/412* NIID 代々木公園 A 地区閉鎖 4/266 3/191 0/41 0/20 8/27 捕集メス蚊の生存期間 ( 平均 32 日, 最長 54 日 ) 0 1 日 3 日 8 月 CO 2 トラップ ( 東京都 ) 5 日 7 日 9 日 11 日 13 日 15 日 17 日 19 日 21 日 23 日 25 日 27 日 29 日 31 日 2 日 4 日 6 日 8 日 10 日 12 日 14 日 16 日 18 日 20 日 22 日 24 日 26 日 28 日 30 日 8 分間人囮法 (*NIID) 東京都の対応 9 月 8/27~ウイルス遺伝子検出 CO 2 トラップによる成虫密度のモニタリング 9 月 4 日 ~10 月 30 日の閉園 雨水マスへのIGR 投与 殺虫剤散布合計 5 回 計 75 例のうち 発症日のわかる 72 症例から算出した潜伏期 : 中央値 6 日 ( 範囲 2~13 日 ) ( 厚生労働省発表 (2014 年 10 月 6 日 11 時現在 ) に基づき作成 ) 矢印 : 東京都および昆虫医科学部 (* NIID ) のウイルス検出結果 ( 数字 : 陽性プール数 / 検査個体数 ) : 殺虫剤散布
デングウイルスの分子系統解析 (E 遺伝子 ) DENV1 型 遺伝子 I 型 14-181J 静岡株 DENV1 型の系統樹 小林大介ら (2015) 第 50 回日本脳炎ウイルス生態学研究会 ( 京都市 ) より 14-100J SK-24 代々木株新宿株
Zika 熱 2013 年輸入症例 12 月 2 日 ~7 日 : フランス領ポリネシアのボラボラ島に観光旅行した 旅行中に昆虫忌避剤は使用しなかった 体温 37.2 度 顔面 体幹 四肢に斑点丘疹状発疹あり 他の臨床所見は正常 12 月 13 日 : 健康な 27 歳男性が 4 日間続く発熱 頭痛 関節痛 発疹が 1 日あり 病院を受診 帰国後 real-time PCR 検査で Zika ウイルスの RNA を検出したため Zika 熱と診断された 翌日症状は軽快し発疹も徐々に消失 本例は日本における Zika 熱の最初の症例となった 11
ジカウイルス感染症について 1947 年ウガンダのジカの森で囮ザルからウイルスが分離された アフリカ アジア太平洋地域 中央 南アメリカで報告があった後 2013 年には仏領ポリネシアで 1 万人を超える流行が起きた 2015 年 5 月以降 ブラジルなど中南米でも多数の患者が報告され 世界の 62 カ国で 50 万 ~150 万人が感染と推定される (2016 年 4 月 7 日現在 ) 日本では 2013 年に初めて輸入症例が報告され 合計 9 例 国内感染の報告はない ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに吸血されることで感染する 蚊は吸血後約 14 日で感染蚊となる ウイルスの胎児への垂直感染が確認された (CDC 公表 ) 輸血や性交渉による感染の可能性が指摘されているが稀である 母乳を介した感染や臓器移植による感染の可能性があるが 実際の感染例はない
ジカウイルス感染症の症状 蚊に刺されて 2~7 日後に発症する 通常 微熱 ( 多くが 38.5ºC 以下 ) や頭痛 関節痛 皮疹 眼球結膜充血などを呈する デング熱のように重症化する症例は これまでのところ報告はない 潜伏期間は 2~12 日 不顕性感染の報告もある 合併症として ギラン バレー症候群との関連が指摘されている 妊娠中に感染した場合に 胎児に影響 ( 小頭症と関連 ) する可能性が高いと指摘されている 結膜の充血 ( 非化膿性 ) Maculopapular rash ( 紅斑丘疹性発疹 )
フラビウイルス属の系統樹 デングウイルス 3 1 2 4 日本脳炎血清型群 WN Kun MVE JE SLE 黄熱ウイルスダニ媒介性脳炎ウイルス群 ウイルス ヒトスジシマカネッタイシマカ 自然宿主 ジカウイルスの系統樹 ジカウイルス KJ776791/FrenchPolynesia/28-Nov-2013 アジア系統 アフリカ系統 HQ234498/Uganda/1947
ジカウイルス感染症の臨床 発熱 (38.5 以上になることは稀 ) 発疹 関節痛 結膜充血 結膜炎 筋肉痛 頭痛 Common しばしば 感染者の5 人に4 人は不顕性感染 症状は数日から一週間 重病感がない! 比較的元気 病院に行くほどではない! 発疹が出て皮膚科受診 By US-CDC
ジカウイルス感染症の臨床 < 鑑別診断 > 同じ蚊媒介性感染症であるデング熱やチクングニア熱に症状が似る デング熱やチクングニア熱に比べて ジカ熱は高熱になりにくく 眼球結膜充血の頻度が高い < 診断 > ウイルスの遺伝子または抗体を検出する 血液よりも尿から方が 長期間ウイルス遺伝子が検出されるという報告がある < 治療 > 特異的な治療法はなく 対症療法が主体 < 予防法 > 蚊との接触をさける ( ディートを含む虫よけをこまめに使用する 服装はできるだけ皮膚の露出が少ないものにする 寝るときは蚊帳を使うなど ) ワクチンはまだない 16
ジカウイルス感染症の治療 特異的な治療法は存在しない 対症療法 静養する 十分な水分補給 発熱や痛みが強い場合は アセトアミノフェンを服用する アスピリンや他の非ステロイド系鎮痛解熱剤は禁忌である科学的データはないが 避けることが望ましい
Ae. aegypti Ae. luteocephalus Ae. vittatus Ae. aegypti formosus Ae. africanus Ae. aegypti Ae. aegypti formosus Ae. africanus Ae. albopictus Ae. hensilli Ae. luteocephalus Ae. polynesiensis Ae. vittatus Ae. aegypti Ae. albopictus Ae. aegypti Ae. hensilli Ae. albopictus Ae. aegypti Ae. albopictus Ae. albopictus Ae. aegypti Ae. aegypti Ae. albopictus Ae. polynesiensis Ae. aegypti Ae. polynesiensis Ae. aegypti
アメリカ大陸におけるジカウイルス感染症発生状況 >16,000 疑い例 199,922 名 確定例 5,869( 死亡 10 名 ) (4 月 7 日現在 )
ブラジルでの小頭症の発生状況 小頭症とは後頭前頭を結ぶ周囲径が年齢や性別を合わせた標準値より 3% 小さい Recife 3,530 小頭症患者数 4000 3500 3000 2500 2000 小頭症の発生状況 1/1 万人 1/100 人 3,530 Rio de Janeiro 1500 1000 500 0 153 139 175 167 147 4,863 cases of microcephaly (As of 2 March, 2016)
ブラジルの概況 国民一人当たりの GNP は 11,613 米ドル (2014 年, 世銀 ) で中所得国に分類されているが 国内における貧富の差は世界一 人口 : 約 2 億 40 万人 (2014 年, 第 5 位 ) 公用語 : ポルトガル語 面積 : 約 850 万 km 2 ( 第 5 位 ) 通貨 : レアル 200 万人 ( 人口の 1%) の富裕層の世帯収入の合計 8,000 万人 ( 人口の 50%) の貧困層の世帯収入の合計 先進国のような高層ビル群の裏にはスラムがひしめき 心臓移植が行われる一方で 下痢 肺炎 栄養失調で多くの子どもが命を落としている 国内は 南部 南東部 中西部 東北部 北部の 5 地域に分類され 地域格差が大きい サンパウロやリオデジャネイロのある南部 南東部に比べ 東北部 北部は植民地時代の大土地所有制度に根付いた経済システムの存続や熱帯感染症の流行地であることなどにより 発展から取り残されて経済や保健状況は悪い デング熱 チクングニア熱 ジカウイルス感染症 ( 黄熱病 ) が同時に流行
月平均気温と降水量 レシフェ レシフェ ( 熱帯 ) リオデジャネイロ ( 亜熱帯 ) 東京 リオデジャネイロ Climate-Data.org より改変
アメリ大陸におけるネッタイシマカとヒトスジシマカの分布状況 テキサス州ダラス (1985 に侵入 ) レシフェ レシフェ サンパウロ (1986 に侵入 ) リオデジャネイロ (1986 に侵入 ) Sci. Data 2015 Jul. 7; 2-150035. doi:10.1038/sdata 2015.35, The global compendium of Aedes aegypti and Ae. albopictus occurrence (Kraemer MU et al. より改変 )
媒介蚊対策 成虫駆除 マラチオンの散布 ( ピレスロイド剤には抵抗性が発達 ) 生物学的防除 GM 蚊 (OX513A 致死性遺伝子保有雄蚊の放出 ) Wolbachia 蚊 ( ウイルスの伝搬を阻止 ) 幼虫対策 徹底した発生源の清掃 IGR 剤 Bti 剤
ヒトスジシマカの国内分布と温度条件 ヒトスジシマカの分布域拡大 (1998-2013) MIROC(k-1) モデルによる年平均気温の予測分布図 確認地未確認地 八峰能代秋田本荘横手酒田新庄山形 盛岡 (2009~) 2010 年宮古 (2007) 大槌 (2011~) 花巻 (2007~) 気仙沼 2000 年 会津若松 軽井沢 100 Km 東京 石巻仙台白河 日光 ~1950 年 ヒトスジシマカは年平均気温が 11ºC 以上の地域に定着し 気温の上昇に伴い 徐々に分布域を拡大している 確認地未確認地 11ºC 以上の地域 25
ヒトスジシマカの移動 分散に関する知見 1) 公園 緑地における考察 (Takagi et al., 1995) 林の中に放逐された個体は その周辺の無マーク虫がいる場所 ( 潜伏に適した場所 ) へ速やかに移動する この調査を行った 100m 80m 程度の林であれば 1 日で少なくとも 67m を移動し 放逐場所を起点としてほぼ全体に分散する 2) 居住区域にある緑地における考察 (Tsuda & Kamezaki, 2014) この調査地で観察された移動距離は平均 75.3m 最大 187mであった 建物や駐車場などによって 90m ほど隔絶された緑地の間でヒトスジシマカの往来が認められた 1,400m 明治神宮 770m 代々木公園 930m 代々木公園 明治神宮で構成される緑地の大きさ 林の中であれば 10 日間で約 700mを移動することが可能である! 感染蚊はほぼ公園全体を動き回っていると推測される 26
日本に生息するシマカ亜属の蚊 ヤマダシマカ ミスジシマカ北海道本州 九州 ( 稀 ) ヒトスジシマカ リバースシマカ ネッタイシマカの国内定着は? ダイトウシマカ南大東島 タカハシシマカ小笠原諸島 27
ネッタイシマカの国内侵入例 成田国際空港国際線発着は年間約 20 万回 (550 回 / 日 ) 年 確認された回数 場所 2012 2 成田空港 2012 年 2,500 m 2013 年 Cargo terminal 2015 年 2013 年 2014 年 Satellite 2015 年 Terminal No.2 Terminal No.1 2015 年 4,000 m 400 m buffer zone 2 成田空港 2013 1 羽田空港 2014 1 成田空港 2015 3 成田空港 合計 9
ヒトスジシマカとネッタイシマカの特徴 ヒトスジシマカの分布 ネッタイシマカの分布 特徴ヒトスジシマカネッタイシマカ 生息地熱帯 ~ 温帯地域熱帯 ~ 亜熱帯 活動場所野外で活動屋内で活動 吸血嗜好性日和見的ヒト嗜好性が強い デング熱の流行 ( ジカウイルスも同様 ) 小規模大規模 冬季に対する適応卵で休眠 越冬休眠 越冬はしない 寿命 ウイルスの蚊体内での増殖 成虫で平均約 1 か月 デングウイルス : 同程度に増殖するジカウイルス : ヒトスジシマカ ネッタイシマカ 活動範囲 50~100 m( 環境によって異なる ) 吸血行動 待ち伏せ型
デング熱 チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応 対策の手引き地方公共団体向け 別添 目次 国立感染症研究所平成 27 年 4 月 28 日 1. 本手引きの作成にあたって 2. デング熱とは 3. チクングニア熱とは 4. デング熱 チクングニア熱の媒介蚊及び個人防御について 5. 平常時のリスク評価とヒトスジシマカ対策の考え方 6. 平常時のその他の対応 7. 発生時の対応 8. 都道府県における対策会議添付 1~10 ( 全 30 頁 )
平常時の定点モニタリング地点における活動 実施者 ( ) 県等 市管 協力 協力 定期調査 (15 条 ) 実施内容 成虫 幼虫 定期的活動 定期調査の結果 成虫密度が高いとき 清掃又は物理的駆除 ( 検査後は 28 条 ) 成虫 幼虫 ( 適宜 都道府県等の予防計画に基づき 管理者又は市町村が各々実施 ) 化学的防除 ( 検査後は 28 条 ) 公表等 成虫必須ではない 幼虫 ( 例えば幼虫密度が高いときなどに実施を検討する ) ( ただし 物理的駆除の強化で対応も可 月以降は ) 蚊の発生数必須ではない必須ではない 幼虫の駆除必須ではない必須ではない 成虫の駆除 化学的防除を実施する場合は 周辺住民への周知を行う 表 3 の注 定期活動 と 定期踏査の結果 成虫密度が高いとき についての凡例 : 要実施 実施をすることが望ましい 実施を検討する - 非該当 県等 とは都道府県 保健所設置市 特別区 市 は市町村 管 は管理者を指す
国内発生時の推定感染地に対する対応 実施者 ( ) 県等 市管 協力 発生時調査 (35 条 ) 清掃又は物理的駆除 (28 条 ) 実施内容 成虫 幼虫 発生時 (8 月以降は ) 定期調査の結果 成虫密度が高いとき 成虫 ( 適宜 都 幼虫 道府県等の予防計画に基づき 管理者又は市町村が各々実施 ) 化学的防除 (28 条 ) 成虫 幼虫 ( 適宜 都道府県の予防計画に基づき 管理者又は市町村が実施 ) (8 月以降は ) 公表等 場所 蚊の発生数必須ではない必須ではない 成虫の駆除 化学的防除を実施する場合は 周辺住民への周知を行う 注意喚起 閉鎖 今後の症例増加の要因を含め 検討 表 4 の注 : 要実施 実施をすることが望ましい 実施を検討する - 非該当
デング熱媒介蚊対策の考え方 ( 国内発生時 ) 代々木公園 調査 CO 2 トラップ 8 分間人囮法 蚊の捕集方法の検討 蚊成虫の密度調査 環境評価 殺虫剤の散布を優先する場所 A 86 8 10 16 9 3 8 9 6 6 0 数字は 1 人 8 分当たりの 数 9 1 0.5 19 C 13 2 2 39 25 B 0 3.5 6 20 4.5 3 3 2 D 5 0 リスク評価 蚊の種類 成虫密度の評価 ウイルス検出 ( 平常時は不要 ) 対策の場所と方法の検討 処理前 185 /13 地点 ( 平均 14.2) 処理後 11 ( 平均 0.8) 寺小学校公園 半径 100m 150m 対策 総括 薬剤の選定 散布技術の評価 効果判定 ( 成虫密度の再評価 ) 結果の総括 今後の方針決定
捕集方法の検討 CO 2 トラップによる調査法 誘引源 :1kgのドライアイスを新聞紙で包み さらにビニール袋に入れたものを保冷袋に入れる 24 時間は使用できる トラップ : 乾電池式の吸引機の上あるいは脇につるし 翌日捕集容器に捕獲された成虫を回収する 人囮法 1ヵ所に1 人が立ち 吸血のために飛来する成虫を捕虫網 ( 直径 36~42cm) で捕える 採集時間は一定(8 分 ) とする 採集時間を8 分間にすると 捕獲した成虫の処理や移動時間を含めて1 時間で4ヵ所か所の調査ができる 注意 : 網は蚊が来た時だけ振り 蚊が来ないときは振らずに立ったまま待つ 保冷袋 吸引機 捕集容器 必要な道具類 忌避剤 捕虫網 ドライアイス (2kg) を入れたクーラーボックス ( 捕獲した成虫を冷凍で持ち帰るため ) 氷殺ジェット (8 分間採集の後に網の上からスプレーして成虫を殺す ) ピンセット サンプルチューブまたはサンプル容器 ( 成虫を入れて 冷凍サンプルとして持ち帰る )
成虫の生息密度の調査方法密度調査をトラップで調べるべきか 人囮法で調べるべきか? 長所 CO 2 トラップ 少人数でも多数の場所を同時に調査できる 人囮法 短時間で結果が得られるので 迅速な対策実施が可能になる 多数の蚊サンプルが得られる 結果がでるまでに1 日必要である ある程度の人数が必要である 人囮法に比べ捕獲個体数が少ない 個人差が大きい 短所 CO 2 トラップ トラップで採れない場所でも 人囮法では採集されることが多い 設置場所によって 採集結果が大きく異なる 注意しないと感染する恐れがある ( 感染リスクについて事前に説明し了解を取る ) 8 分間人囮法 季節消長のようなモニタリングには トラップが適している 防除対策はできるだけ早く実施することが望ましい 現時点では 迅速に密度調査の結果が得られる人囮法が適している
2014 年都内で行われた成虫駆除の効果 調査地 駆除前 ( 平均捕集数 ) 駆除後 ( 平均捕集数 ) 駆除後 / 駆除前 代々木公園 2.9 6.0 2.1 代々木公園 14.3 - - 代々木公園周辺 1 23 2.2 0.1 代々木公園周辺 2 11.6 0 <0.01 新宿中央公園 20.8 4.8 0.23 上野公園 3.6 0.03 <0.01 外濠公園 12 4.1 0.34 これらの場所では 駆除効果が不十分であった可能性が高い 神宮外苑 14.5 5.2 0.36 市街地 ( 渋谷区 ) 40 3.2 0.08 市街地 ( 台東区 ) 14.2 0.8 0.06
日本におけるデング熱 ジカウイルス感染症流行のリスクは? 1. デング熱 ジカウイルス感染症の輸入症例は増加傾向にある 2. 観光立国政策により 外国人観光客が増加している 3. 温暖化等の影響でデングウイルスの増殖に適した夏日が多くなる 4. ヒトスジシマカの生息域と活動期間は 温暖化等の影響で拡大と長期化が懸念され 蚊の発生数の増加が予想される 5. ネッタイシマカの国内侵入例が多発し 定着が危惧されている 6. シンガポールのヒトスジシマカからピレスロイド系殺虫剤抵抗性遺伝子の突然変異個体が見つかり この抵抗性遺伝子のアジア地域への広がり ( 侵入 ) が懸念される 国内には代替薬剤がない 7. 国内の媒介蚊対策に関わる人材は不足し 技術も万全ではない 国内感染リスクは高い!
デング熱 ジカウイルス感染症の感染リスクを下げるためにはどうしたらよいか? 幼虫発生源をなくし蚊の密度を下げる 蚊の数を減らす! ヒトスジシマカは小さな水域に発生する 個人的防御に留意する!
本州 ~ 九州の場合 来季に向けた蚊対策スケジュール 11 月 4 月 成虫対策 : 定点調査 (CO 2 トラップ ) による成虫密度モニタリングを継続越冬卵を減少させるための成虫駆除幼虫対策 : 幼虫発生源の除去と清掃 CO 2 トラップ 成虫対策 : 樹木の剪定幼虫対策 : 水の入った雨水マスの調査 放置された人工容器の除去と清掃 ゴミ置き場等の清掃 要検討! 幼虫対策 : 幼虫の発生した雨水マスへは IGR を投与する等の対策を実施 幼虫発生源の除去と清掃 成虫捕集法 8 分間人囮法 5 月成虫対策 : 定点調査 (CO 2 トラップによる成虫密度のモニタリングを開始 7~8 月 成虫対策 : 下草刈り幼虫対策 : 自治体主導 住民参加による幼虫発生源の除去と清掃 幼虫発生源 8 分間人囮法による成虫密度調査を実施 リスク評価 適切な媒介蚊対策を実施する