Similar documents
食道癌手術さて 食道は文字どおり口 咽頭から胃まで をつなぐ管状の器官でまさに食物を運ぶ道です そして縦隔と呼ばれる背骨の前方の狭い領域にあり 大動脈 心臓そして気管などと密に接しています さらに 気管とは私たちの身体が構成される過程で同じところから発生し 非常に密な関係にあります さらに発生の当初

untitled

頭頚部がん1部[ ].indd

2013.3_がんセンター論文.indd

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

外来在宅化学療法の実際

Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入 認定資格 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 外科医長 渡邉 卓哉 東海中央病院では 3月から腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術を導入し この手術方法を

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第


密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

間質性肺炎冊子re.indd

Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法

本文/開催および演題募集のお知らせ

Microsoft PowerPoint - Ppt ppt[読み取り専用]


1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

A型大動脈解離に対する弓部置換術の手術成績 -手術手技上の工夫-

Microsoft PowerPoint - K-net秦提出用改.ppt [互換モード]

1)表紙14年v0

消化器センター

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

018_整形外科学系

胸部食道癌手術における消化管再建

大 ~1i!J

診療科特集 呼吸器 化学療法内科 私たち呼吸器 化学療法内科では患者さんにとって 最良の医療を提供することを目標とし 日々診療に取り 組んでいます 呼吸器内科領域では 胸部異常陰影 慢性咳嗽 感 染症 抗酸菌症 COPD( 慢性閉塞性肺疾患 ) 気管支 喘息 間質性肺炎 アレルギー性肺疾患 睡眠時呼

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ


10w.xdw

第2次JMARI報告書

「             」  説明および同意書

首 は 下 あ ご の 骨 の 下 か ら 鎖 骨 の 上 ま で 自 分 の 首 を 両 手 で は さ ん で お さ え て み ま し ょ う 師 首 っ て ど ん な 仕 事 を し て い る か な 子 頭 を の せ て い る 頭 を お さ え て い る 頭 を 動 か し


2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

主 要 な が ん 治 療 に つ い て 入 院 に か か る 医 療 費 の 支 払 い か ら 計 算 し た も の で す 例 え ば 胃 が ん に つ い て は 平 均 入 院 費 は 総 額 約 万 円 で 自 己 負 担 額 は 約 3 3 万 円 程 度 必 要

29-28

腹腔鏡手術について 〜どんな手術かお話いたします

微小粒子状物質曝露影響調査報告書

<924A814092BC8EF72E656339>

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について


2. 予定術式とその内容 予定術式 : 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 手術の内容 あなたの癌は胃の出口に近いところにあるため 充分に切除するためには十 二指腸の一部を含め胃の 2/3 もしくは 3/4 をとる必要があります 手術は全身麻酔 (+ 硬膜外麻酔 ) の下に行います 上腹部に約 25cm の

14栄養・食事アセスメント(2)

卒後臨床2017-埋込.indd

 

Microsoft PowerPoint - 印刷用 DR.松浦寛 K-net配布資料.ppt [互換モード]

" " " " " " " " " " " " " " " " "

Microsoft PowerPoint - komatsu 2

: 必 須 項 目 : 必 要 時 に 行 います : 補 助 化 学 療 法 施 行 時 に 実 施 病 院 4ヶ 月 5ヶ 月 6ヶ 月 ~メモ~ *あなたが 手 術 を 受 けた 日 平 成 年 月 日 内 はあなたにご 記 入 いただ きます

<303491E592B BC92B08AE02E786C73>

登録中止となった プロトコール改訂は計 2 回行われ その内容は以下のとおりである 第 1 回 (1999 年 2 月 5 日承認 ): 登録期間を 8 年に延長し 予定登録患者数を 265 名に変更した 第 2 回 (2003 年 12 月 18 日承認 ): 有意水準片側 10% 予定登録患者数

スライド 1

6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

個人住民税徴収対策会議

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

1

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

Microsoft Word - 目次.doc

130724放射線治療説明書.pptx

資料1_事業実施計画書

平成20年度 大学院シラバス(表紙)

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

参考書 疾病と治療 Ⅰ( 全身性 / 呼吸器系 / 循環器系 / 感染症 ): 南江堂 疾病と治療 Ⅱ( 消化器系 / 内分泌系 / 血液 造血器系 / アレルギー / 膠原病 ): 南江堂 オフィスアワー 連絡先 不在時はメールで連絡をお願いします 寺門亜子 :3 号館 3 階寺門研究室 tera

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

先 - 3 参 考 資 料 診調組技 -2-1 参考 2 鼠径又は腹壁ヘルニア術後の入院期間の比較 P= 日 日 入院期間 ( 日 ) 腹腔鏡手術 (N=21) 開腹手術 (N=23) 出典 : Laparoscopic

PowerPoint Presentation

2-1呼吸器.doc

24kohyou

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

330 先天性気管狭窄症 / 先天性声門下狭窄症 概要 1. 概要気道は上気道 ( 鼻咽頭腔から喉頭 ) と下気道 ( 気管 気管支 ) に大別される 指定難病の対象となるものは声門下腔や気管に先天的な狭窄や閉塞症状を来す疾患で その中でも先天性気管狭窄症や先天性声門下狭窄症が代表的な疾病である 多

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

質 を 向 上 させることが 医 療 経 済 の 効 率 化 につながると 思 われます( 図 1) 感 染 症 の 場 合 を 考 えてみます 早 期 に 診 断 し 適 正 な 治 療 をし 合 併 症 なく 早 期 に 治 癒 させることができれば 入 院 費 治 療 費 などを 減 少 させ

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

研究協力施設における検討例 病理解剖症例 80 代男性 東京逓信病院症例 1 検討の概要ルギローシスとして矛盾しない ( 図 1) 臨床診断 慢性壊死性肺アスペルギルス症 臨床経過概要 30 年前より糖尿病で当院通院 12 年前に狭心症で CABG 施行 2 年前にも肺炎で入院したが 1 年前に慢性

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

当院外科における 大腸癌治療の現況

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

科 目 名 生 理 学 Ⅱ 講 師 名 山 美 喜 子 開 講 期 前 期 後 期 通 身 体 の 正 常 な 機 能 を 国 家 試 験 の 出 題 内 容 と 関 連 付 けて 理 解 する 成 績 評 価 方 法 試 験 :00 点 受 講 態 度 :0 点 ( 減 点 方 式 ) 生 理 学

1章A_責了.indd

Microsoft Word 実施要綱⑦H24.doc

ても 1 日 の 業 務 量 が 一 定 せず 例 えば 次 の(ア) 又 は(イ)に 該 当 するような 状 態 が 発 症 直 前 に3か 月 程 度 継 続 しているような 場 合 をいうものであるこ と (ア) 通 常 の1 日 の 業 務 量 のおおむね20% 以 上 業 務 量 が 増

外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して


1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

News Letter JP

集合契約B兵庫2

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

資料提供招請(登録版)

神 経 系 統 の 機 能 神 経 系 統 の 機 能 の 著 しい 障 害 とは 脳 の 器 質 障 害 四 肢 その 他 の 神 経 の 損 傷 によって 生 じる 灼 熱 痛 脳 神 経 及 び 脊 髄 神 経 の 外 傷 その 他 の 原 因 による 神 経 痛 等 により 特 に 軽 易

腹腔鏡下前立腺全摘除術について


kyoukai.indd

(現行版)工事成績書と評定表をあわせた_docx

< FC90B E835A838B976C8EAE81698E7392AC91BA94C5816A81698F4390B394C5816A2E786C73>

Transcription:

食道癌に対する低侵襲手術と成績向上への取り組み 門 開胸手術から鏡視下手術 VTS-Eへ 85 を及ぼす肺炎などを含む呼吸器合併症は関胸群での発 門 667 後期 症率が %であったのに対し胸腔鏡群では前期 3 E 結果 これら とも %と半減していた いずれかの合併症を発症した率は 胸腔鏡前期群では 開胸群と同等であったが後期群では有意に減少してい 6 5/45%=3 3 た D 5 4 - 開胸 VTS前期 VTS桂期 開胸 VTS前期 町 S桂期 旧 O も 4 M V 43355443 出血量 胸腔操作時間分 リンパ節郭清は 3領域郭清の割合は開胸群の 57% に対し胸腔鏡手術群では 83%であった リンパ節郭清平均個数は漸増傾向で開胸群の 463 : 3 固に対し後期群では 65: 4 7個と有意に増加し 3 S :O :T :I b 4 縫合不全 ~圃圃圃圃 E 5 E 5 竺 循環器合併症 4 3 反田神経踊揮 呼吸器合併症 E開胸 VTS前期 _VTS佳期 ていた = 縦隔領域での郭清個数で : 3 3/33: 7個 も後期群で有意な増加を認めた = ゐ 7 6 % 5 4 3 合併症率 開胸 VT$前期 VT$撞期 個 郭 情リンパ節個敷 縦隔 リンパ節個散 開胸 VTS前期 VTS佳期 3 T f % : k : R : x D : 也9 出 出 叫 E : 凶 也 T f L :D T b f I T b f I 炎 症 所 見 術 後 日目 3日 目 の 炎 症 所 見 の 変 化 術後合併症食道亜全摘術後の代表的な合併症である に つ い て は 3群 問 で 白 血 球 数 に 差 異 は 認 め な い が 縫合不全 反回神経麻痔 乳び胸のいずれにおいても 4 RP値 で は 両 日 と も 後 期 群 の 値 が 開 胸 開胸群と比較し胸腔鏡前期群ではそれぞれ %から 群 前 期 群 い ず れ の 比 較 と も 有 意 に 減 少 し て い た 4% 9%から 5% 5%から 5%へと発症率が増加して POD 5/5 : 3 7 土 8/5 3 いるものの 後期群ではいずれも %へと減少に転じ 7 9 8: 38 / <5 POD3 7 : ていたまた 重篤化によ っては術後経過に最も影響 : 4/9 8: / <5 4

市出 々 ' 田 徹 行 他 6名 略式反射の低下町 気管の循環障害問などが考えられる このような過大侵襲である食道癌手術においても低侵 襲化を目指し本邦でも 993年より導入が始まり 996 二 ト ー /冬 8 6 年に kら 8 が左側臥位胸腔鏡下食道亜全摘術の 報告を行っている 方へと切開 従来法での関胸操作は第五肋間を後倶 し 肋軟骨 を切開のうえ開胸器をかけ視野を確保する ものであった 画 ヨ これにより胸郭は破壊され 修復後も 術直後には肺活量の減少や術後痔痛から浅呼吸や略疾 画日 排出が困難となり呼吸器合併症を引き起こし得る原因 4 I f I 且 b b x 民 b < V3 : 民 国 / :W となっていた 方 VTSは第 5肋聞の切開は気管 鈎が挿入できるよう 3-5程度でおさめ胸郭は維持 されるため肺活量の減少や術後寒痛は開胸術に比較し 術 後 経 過 :IU平 均 在 院 日 数 は 漸 減 し 関 胸 群 6 5土 日に対し後期群では 3 日と有意に減少し 少なく呼吸器合併症低減に寄与すると考えられる また近年では合併症の発症率と予後との関連が報告 9 治療成績の改善には合併症の低減が必 = 5 術後平均在院日数は胸腔 ていた されており 鏡手術前期群では関胸群と差は認めなかったが 後 須と考えられる食道癌の予後不良の要因は早期にリ 期群では有意に短縮していた 5 3 5: 5 / 3 : 3 7日 ンパ節に転移し さらに術後比較的早期に再発するこ とに関与するとされている = 5 り もっとも転移を生じや すい部伎は左右の反回神経周囲リンパ節であり 同部 日 76543 E76543 O の精綴な郭清が術後再発にも関わってくるため郭清精 度の 向上が予後の改善に寄与すると考えられる 鏡視 下手術では拡大視効果により局所の微細解剖はより明 瞭となり 反回神経の正確な認識のもと確実な神経損 傷防止と同時により丁寧なリンパ節郭清が可能となっ たまた術後の無気肺や肺炎を惹起する気道反射 気 管内分泌物の調整のほか急性肺水腫に影響する肺循環 における迷走神経肺枝の役割は極めて大きく 3 反 術後在院回数 I U在室回数 開胸 VTS前期 VT5後期 開胸 VTS期 V TS 桂期 囲神経周囲の郭清と同様に根治性を担保しつつ同神経 を温存することも合併症低減に関与すると考えられ ω 5 :T :T 田 る今回の我々の検討でも開胸群と比較し VTS後 期群では有意に反回神経麻療が減少し 縦郭内リンパ 考 節郭清個数は有意に増加していた 察 方 左右の反回神経周囲や気管周囲のリンパ節郭 鏡視下手術は 99年初めより多くの外科領域で導 清を徹底すると気管血流の低下が危倶される気管や 入され 従来法と比べ優れた整容整 入院期間の短縮 気管支の循環障害は術後の熔疾排出能の低下のみなら 低侵襲性などが報告されている 般に食道癌手術は ず気管壊死による重篤な合併症の原因となる場合もあ 手術侵襲が大きく 術後合併症も多彩なうえに発症頻 るこのような危険を回避しつつ十分な郭清を担保す 他の消化器外科手術と比較し食道痛手術 るためには気管血流の確保が重要となり 鏡視下での に特徴的な過程は胸腔操作であり 同操作は少なから 十分な解剖把握のもと 気管固有鞘や気管支動脈の混存 ず術後の呼吸機能に影響を及ぼすと考えられる が重要と考えられる 度も高い 呼吸 器合併症の誘因には肺活量の減少司 低酸素血症 4 咳 根治性の向上と合併症の低減は見相反する命題で