概要3

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Economic Trends    マクロ経済分析レポート

エコノミスト便り

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

現代資本主義論

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

別紙2

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ITI-stat91

2030年のアジア

生産性 イノベーション関係指標の国際比較 平成 29 年 11 月 9 日 財務総合政策研究所酒巻哲朗 1

スライド 1

目 次 第 1 章 中国経済の減速と世界経済 第 1 節 中国経済の減速と世界経済 1 下方修正の続く世界経済 2 意識される中国リスク 3 中国経済下振れの影響 第 2 節 安定成長を模索する中国経済 1 過剰投資 過剰生産 過剰信用の解消 2 中所得国の罠の回避 3 人口減少 高齢化 環境要因

Microsoft Word - N_ _2030年の各国GDP.doc

第45回中期経済予測 要旨

Microsoft Word - 校了 11 統計 ①増田、田辺.doc

1999

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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我が国中小企業の課題と対応策

国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル


1 概 況

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

目 次 Ⅰ. 総括編 1. 世界各地域の人口, 面積, 人口密度の推移と予測およびGDP( 名目 ) の状況 ( 1) 2. 世界の自動車保有状況と予測 ( 5) 3. 世界の自動車販売状況と予測 ( 9) 4. 世界の自動車生産状況と予測 ( 12) 5. 自動車産業にとって将来魅力のある国々 (

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42

【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

< 目次 > Ⅰ. 基準シナリオ : 経済成長持続ケース 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅱ. シナリオ2: 中国とインド経済が急激にダウンしたら? 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅲ. シナリオ

図表 02 の 01 の 1 世界人口 地域別 年 図表 2-1-1A 世界人口 地域別 年 ( 実数 1000 人 ) 地域 国 世界全体 2,532,229 3,038,413 3,69

2017 電波産業調査統計


1. 各国の GDP 経済見通し 1.1 名目 GDP( 国内総生産 ) 及び一人当たり GNI( 国民総所得 ) (17 年 ) 国 地域 名目 GDP GDP 構成比 1 人当たり ( 億ドル ) ( 名目 ) 名目 GNI( ドル ) アジア,9.% - うち日本 8,71.% 8,8 うち中

第2章_プラントコストインデックス

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

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中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

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図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

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IMF世界経済見通し 2015 年 4月 第 章 要旨

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第1章

スライド 1

第4章 日系家電メーカーにおけるグローバル化の進展と分業再編成

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

平成28年版高齢社会白書(概要版)

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フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

日米の経済関係:互いに何を学ぶことができるか

ASEAN との経済関係が再び強まる韓国 ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN1 16 RCEP 1. ほぼピークに達した対中輸出依存度 (1) 上昇傾向にある対 ASEAN 輸出依存度 ASEAN 2 WTO 21 RIM 213 Vol.13 No.49

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

潮流2017Ⅰ概要

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

28 GCC UAE GCC (2) 大きく上昇した食料価格と住居費 GCC GCC GCC 図表 2 湾岸協力会議 (GCC) 諸国の消費者物価上昇率 (28 年 ) 図表 3 湾岸協力会議 (GCC) 諸国の消費者物価指数に占める食料品と住居費の割合

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

個人金融に関する研究会

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

中国などアジア諸国が世界経済の牽引役に 図表 1-3 世界各国を高所得国 一人当たり GDP2 万ドル 中所得国 5 千ドル 2 万ドル 低所得国 5 千ド ル にわけると アジアを中心に中 低所得国は多い 図表 1-3 世界一の人口 13. 億人 を有する中 国 中国に次ぐ人口を持つインド 13.

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

一企業当たりの事業所数は 14. 事業所 ( 前年度差.6 事業所減 ) 常時従業者数 499 人 ( 前年度比.8% 減 ) 売上高は 23.4 億円 ( 同 2.9% 減 ) 製造企業の一企業当たりの売上高は 億円 ( 前年度比 3.9% 減 ) 営業利益は 1 億円 ( 同.6%

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先進国化する中国 東南アジアの大都市 ~ メガシティ ( 大都市 ) からメガリージョン ( 大都市圏 ) へ ~ 要 旨 調査部環太平洋戦略研究センター 主任研究員 大泉啓一郎 GDP 8,000 10,00

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

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【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

参考:労働統計機関一覧|データブック国際労働比較2018|JILPT

スライド タイトルなし

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

タイランド 4.0 とは何か ( 前編 ) 高成長路線に舵を切るタイ 調査部 要 旨 上席主任研究員 大泉啓一郎 Thainess 4.0 RIM 2017 Vol.17 No.66 91

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

Microsoft Word - 09 話題 増田耕太郎.doc

参考資料1

Microsoft PowerPoint EU経済格差

わが国の経済・物価情勢と金融政策

PowerPoint プレゼンテーション


仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

第10章 台湾

Transcription:

第 章第 節中所得国の罠の回避に向けて の安定成長移行への課題 は 高度経済成長が続いてきたが 中所得国の罠 に陥るのではないかとの懸念も ( 第 図 ) 投資率の屈折を乗り越え安定成長へ移行するには イノベーションの寄与を高めることが必要 は安定成長国と同様に全要素生産性 (TFP) 上昇率が堅調に推移してきたものの 鉄鋼業等を中心に稼働率が低下しており 過剰設備投資の兆しも ( 第 図 ) ( 実質経済成長率 %) 第 図一人当たり GDP と成長率 ( アジア ) 中所得国の罠 に陥り成長減速 ( 中南米 ) ()7, ドル 中所得国の罠 を回避し安定成長 シンガポール,,, 香港 ( 一人当たり実質 GDP ドル ). -.. 第 図高度経済成長前後の成長率..7. (GDP 比 %) 第 図投資率の推移 ( ) 7 7 7 成長期前成長期成長期後 安定成長国 ( 除く )...... ( 年 =) 第 図 TFP の推移 9 7 9 ( 備考 ). 世界銀行 Historical National Accounts 経済分析局 内閣府より作成. 期間 年毎の実質 GDP 成長率 ( 年基準 USドル ) の平均で比較. 右は高成長後 年間の実質 GDP 成長率の平均値. の成長率予想は 各国高成長後 年間の下落幅の平均値 (.7%) から算出. 香港は成長を牽引した輸出の鈍化 9 年アジア通貨危機によるマイナス成長の影響により屈折後の成長率が低迷している 安定成長国 ( 稼働率 %) 9 製造業全体 7 7 第 図設備稼働率の推移 紡績業 鉄鋼業 電気 機械コンピューター 通信 7 ( 備考 ) 企業経営者アンケート調査報告各年版より作成

第 章第 節中所得国の罠の回避に向けて 技術集約度向上が鍵に 安定成長に移行するためには 製造業を核としつつ 輸出 産業の技術集約度向上を図ることが重要 そのためにも 製造業への対内直接投資の役割は引き続き重要 ( 第 ~9 図 ) なお 特有の課題として指摘される人口ボーナスの消失は成長のマイナス要因となりうるが 中所得国の罠との関係は低い ( 第 図 ) ( 第二次産業就業者比率 %) 第 図製造業シェアの推移 成長減 安定成長,,, ( 一人当たり実質 GDP ドル) ( 輸出率 %), 第 7 図輸出率第 図直接投資 (GDP 比 ) 香港 シンガポール,,, ( 実質 GDP 億ドル ) ( 直接投資 GDP 比 %) 香港 シンガポール.,,, ( 実質 GDP 億ドル ) 7 第 9 図高度輸出財の比率 シンガポール 第 図生産年齢人口成長率 メキシコマレーシア 安定成長国 タイ ブラジルチリアルゼンチン,, ( 一人当たり実質 GDP ドル) - - 9 7 9 7 9 ( 備考 ). 国連人口推計より作成 ( 備考 ).. 世界銀行より作成 生産年齢人口は~ 歳人口

第 章第 節経済のソフトランディングへの課題 9 年以降の経済対策の結果 過剰投資を背景に国有企業の経営効率が低下 住宅市場も 不動産価格上昇や不動産価格 ( 年収比 ) をみると他国の過熱期と同程度 地方政府主導の不動産投資の過熱も ( 第 ~ 図 ) は金融市場自由化の途上 プルーデンス規制の弱さからシャドーバンキングが拡大する動きも 今後は 金利等の調整とは別に プルーデンス政策 ( 金融監督の強化策 ) の拡充により金融資本市場の過熱を抑えていくことが必要 ( 第 ~ 図 ) 地方政府基金収入, 億元 (7.7%) うち土地譲渡収入, 億元 (.%) うち土地関連税収 7,79 億元 (9.%) 第 図国有企業の資産収益率 製造業全体 製造業 ( 国有企業 ) 99 7 9 第 図地方政府の収入構造 地方政府収入, 億元 (.%) 地方財政収入 ( 一般予算 ),7 億元 (.%) ( 水準 ) マレーシア (99 年 =) 9 第 図不動産価格 第 図間接金融 直接金融 ( 含ノンハ ンク ) 銀 行 部 門 タイ マレーシア に よ る 信 用 残 高 の シンカ ホ ール 対 G D チリ P 比 ブラジル アルセ ンチン タイ (99 年 =) メキシコ (9 年 =) ( 年 =) 99 年 99 年 年 香港 株式時価総額の対 GDP 比 英国 ( 年 =) (9 年 =) 年前 年前 年前ピーク 年後 年後 年後 第 図不動産価格帯年収比 ( 年収比 %) 9 (9) 7 (99) () 年前 年前 年前ピーク 年後 年後 年後 ( 備考 ) 各国統計より作成 第 図シャドーバンキングの規模 (GDP 比 %) J P モルガン U B S I M F ゴサーッルクドスマン 社会中科国学院

第 章第 節経済の将来と世界経済 の存在感の拡大と世界との連関 の世界経済でのシェアは % となり 最近 年間の世界成長への寄与は約半分に達した 各国成長率 GD P との同時性も上昇傾向 ( 第 7~ 図 ) の今後 年間の成長率は 中所得国の罠 に陥らないケースでも % 台半ば程度に低下する可能性 投資率が % 低下した場合は.7% 教育水準が上昇しなかった場合は.% TFP が伸び悩んだ場合は.% それぞれ成長率を押下げる 今後は TFP の伸びが鍵に ( 第 9 図 ) 世界の貿易を通じた連関として 特にアジア諸国や資源国で対中依存度が上昇 ( 第 図 ) 世界との資金を通じた連関は限定的ではあるが 実態として資本流入が緩やかに進展 ( 第 図 ) 第 7 図世界 GDP へのの寄与. その他.7 世界全体. 第 図 GDP 成長率と各国 GDP 成長率の相関 () 主要国 () 資源国 上限 9% 弾性値弾性値 上限 9% 米国 ドイツブラジルロシアインド - -. (.7) 下限 9% (.) 下限 9% 99~ ~7 ~ ( 年平均 ) - - 99 9 9 9 9 99 9 9 9 9 ( 備考 ).IMF"World Economic Outlook Database"October より作成. 世界全体は 実質第 9 図 GDP 成長率今後の成長の見通し ( 為替レートベース ) ( 備考 ). IMF 米国農務省より作成 ただし ロシアは~9 年は旧ソビエト連邦のデータ 第 図向け輸出のシェア第 図各国銀行の対中与信残高. 内訳は 各国の実質成長率を名目 GDP( 為替レートベース ) 過去 年間の全世界. 過去 年間を 期間としたと各国のGDP 伸び率の単回帰ローリング推計をGDP(PPPベース ) で加重平均 に対するシェアで按分したもの. 主要国は ドイツ フランス 英国 ( 億ドル ) 資源国はブラジル ロシア インド オーストラリア インドネシア, その他. 9. 成長率.7, 9. ドイツ 推計値フランス TFP.,. 7. 成長率.7, 資本 TFP, 英国 資本労働労働 Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q ( 期 ) 99- 平均 - 平均 - 見通し 7 9 -

第 章第 節経済の将来と世界経済 グレードアップとサービス化の進展 所得水準の上昇により 裁量的消費支出が拡大する見込み 家電製品 自動車などの耐久財や サービス等の上昇が期待 ( 第 ~ 図 ) の輸出財の技術集約化が進展すれば 先進国を中心に一部で競合関係がとの間に拡大する可能性 ( 第 図 ) サービス貿易は国際分業が期待できる分野 のサービス輸入は増加しており 対内直接投資もサービス分野で増加 ( 第 ~ 図 ) 9 7 第 図の家計消費の構成 9..7.. 7.....7.7. 9.9.7.. 7.7 7.. 9. 7.. 食品 衣類 家庭用設備用品及びサービス 医療 保険 住居 交通通信 教育 文化 娯楽サービス..7. その他 年 年 上海市 消費に占める割合 第 図のサービス貿易の推移 第 図消費に占める割合 ( 娯楽 ) ドイツ,,,,,, ( ドル ) 人当たり GDP(PPP) ( 備考 ).Penn World Table Euromonitorより作成. 人当たりGDPは 年 USドル基準... の貿易相関 第 図 第 図直接投資の推移 貿易相関係数... インドネシア ドイツオーストラリア -. -. インドネシア -. -. -. -. -. -. -. オーストラリア 9 9 97 9 99 7 9 9 9 97 9 99 7 9 ( 備考 )UNCTAD より作成 インドメキシコ.. インド の貿易相関 メキシコ ( 備考 )UNCTAD より作成 ドイツ ( 億ドル ) 財 サービス輸出に占める サービスの割合 ( 右目盛 ) 旅行 その他 輸送 サービス輸出 ( 前年比 %) 不動産 卸売 小売 - - - サービス輸入 ( 逆符号 ) 財 サービス輸入に占めるサービスの割合 ( 右目盛 ) 99 99 7 9 ( 備考 ).IMF 国家外貨管理局より作成 - - - - - - 全体 製造業 Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q Q 7 9 ( 期 )

第 章第 節 まとめ 7 中所得国の罠を回避し 安定成長に移行するためには 輸出高度化や第二次産業比率の維持によって生産性の上昇を図ることが鍵 は概して安定成長国の過去に近く好位置にあるが 国内消費の弱さや人的資本育成の遅れ等 一部に課題も は住宅価格の上昇や信用供給の規模等からみて過剰な融資が行われている可能性 その背景には 自由化の進展に対応したプルーデンス政策の整備の遅れやインセンティブ構造が挙げられる 今後は 規制整備を進めつつ 逐次的に金融市場の自由化等も進めることとなり ソフトランディングを達成するためにはこれらのナローパスを突破する必要がある の今後 年間の成長率は % 台半ば程度に低下する見込み その結果 依存度の高いアジア諸国や資源国に主に貿易面を通じて影響が波及する可能性 の輸出は高付加価値化にシフトし 先進国を中心に一部で競合の拡大が予想される 一方で 耐久消費財やサービス消費の拡大により 新たな市場拡大の可能性も