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Transcription:

作文指導のための文体の機能的分類の試み アダム ミツキェヴィチ大学ジョンデクなぎさ 1. はじめに作文学習において 言語の構造的知識ならびに文章の機能的構成能力の習得は本質的なものであると言えるが 自由文学の創作を目指す場合はともかく 実用文書の作文にあたっては 各種文書の社会的に許容され得る文体的慣習についての知識が非常に役に立つと思われる 本研究の目標は 日本語学習者が書き言葉の文体の書き分けを習得するのに必要な文体の基礎情報を整理することにある 2. 参考授業筆者はアダム ミツキエヴィチ大学日本学専攻科第 1 学位 ( 学士 ) 課程 3 年次および第 2 学位 ( 修士 ) 課程 1 2 年次の日本語実習 Praktyczna nauka języka japońskiego の一部を担当している そのうち 実用日本語あるいは学術日本語の一環としての作文指導の授業時間は現在 週年間平均 45 分 ( 学士 3 年 修士 2 年 ) から 90 分 ( 修士 1 年 ) 程度である 授業時間は教師による作文タスクの指示 必要知識の提示に当て 実際の作文は宿題 ( 個人またはグループワーク ) に課し 次の授業でその内容の発表をさせ 作文は提出させて教師がチェック コメントと評価を書いて学生に返し 次回の作文や作文実力テストの勉強のための参考にさせる ただし 学年末の個人研究発表の原稿 ハンドアウトのみ発表前に教師とともに添削を行わせ 修士課程の場合は発表が終わってから学術論文形式のレポートを提出させる なお 各学年の筆者あるいは筆者以外の教師の担当する他の日本語実習の授業でも それぞれの授業目的に沿った作文の課題を多く課している 学士 3 年生については 実用文書の作文タスクの一部 ( 履歴書 手紙 メールの書き方 ) を他の教師 3 名が行っている また 修士 1 年 2 学期の個人研究発表にともなう作文実践の指導を教師間で分担し 実用 学術日本語の構造的 文体的基礎指導の時間を増やすことを検討中である 筆者が行ってきた実用 学術日本語の一環としての作文の授業では 教師作成の作文構成例やマニュアルを学習者に提示することが多いが 学術日本語の文体的特徴の提示については アカデミック ジャパニーズ研究会 (2008: 12-15, 68-69) に示唆されるところが大きかった しかし 学習者の作文の文体的な誤用が多いため 学術論文本文の文体のみならず 学術論文と一般的な論説文との文体的相違 箇条書き 年表や申込書等実用文書の文体についても学習者に意識させる必要性に迫られた そのため 2011-2012 年度の 3 年次から 筆者が授業で仮に呼んでいる 4 文体 : ですます調 だ調 である調 体言止調 のごく基本的な特徴をホワイトボードに書いて教え それぞれどのような種類の文章に使われるか提示することを開始した 3. 書き言葉の文体の仮分類以上の経験を踏まえ 今回のポーランド日本語教師会勉強会の発表準備にあたり 閲覧の可能であった先行研究 先行教材を参照した上で 書き言葉のジャンル別文例 ( 参考文献参照 ) その他の文書の文体的特徴を観察することによって 4 文体 : ですます調 だ調 である調 体言止調 の言語的特徴をさらに整理する試みを行った 文体の抽出にあたって筆者が基準とするのは 一定の文章グループに共通する文法的形態 特に文末の形態の特徴である それによる文体の分類の試みの結果 4 分類に加えて少なくとももう 1 つ 会話調 と言える文体を区別して教えるべきことを確認した さらに 体言止

調 はいくつかのバリエーションがあり その文法形態の特徴を明らかにしてから作文指導にあたらなければならないことが分かった また 体言止調 とは別に 名詞 ( とその修飾節 ) と捉えられるタイトル 箇条書きの文などを学習者が作文することが意外と難しいため 仮にそれを ( タイトルについてはそれに加え ) として区別した ( 表 1, 2.1, 2.2, 2.3) このように文法形態によって日本語の書き言葉文体を仮分類した上で 日本研究科の学生が研究のために作文しなければならない各種文書 文書の部分をその文体によって仮分類した ( 表 3.1, 3.2) 今回の発表と本稿では この文書 文書の部分の文体による仮分類はアカデミック ジャパニーズと関連するもののみを対象として示したが 筆者は同様の方法でその他の各種文書も分類し その文法形態の文体的特徴を示す試みを行っている 4. まとめと今後の課題以上のように 文章の文法形態の特徴に注目して分類を試みることにより 各種文書 文書の部分の慣習的な文体の特徴をある程度提示し得ることがわかった ミツキエヴィチ大学では 2012-2013 年度 2 学期の修士課程の授業で仮分類の表をそのまま学生に教材として提示し 学習効果が上がるかどうか確認する予定である ただし これらの文体情報は筆者の主観的な判断によるところが多いため より科学的な検証も必要となるであろう 本稿では仮分類の結果を表に示すにとどめ その参照文献 教材 資料との関係については 文体における特徴的な文法形態の意味 機能の考察とあわせ 別の場で詳しく論じたい また 先行研究が多く 筆者もすでに作文指導に応用している語彙の文体的特徴による分類についても今回は取り上げず 先行研究 先行教材を参考文献に含めるのみとする 参考文献 ( 各項別アルファベット順 ) 先行研究後藤斉 (2001) 日本語コーパス言語学と語の文体レベルに関する予備的考察 ( [ 初出 :] 東北大学文学研究科研究年報 50 (2001), pp.201-214) Graduate School/Faculty of Arts and Letters Tohoku University http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/buntai.html [2012.11.1] 井上次夫 2009 論説文における語の文体の適切性について 日本語教育 141 号, pp. 57-67 丸山岳彦 2009 作文の文体情報 - 現代日本語書き言葉均衡コーパス から見えるもの - 日本語教育 140 号, pp. 26-36 三枝玲子 (2001) だ が使われるとき ( [ 初出 : 一橋大学留学生センター紀要 第 4 号, pp. 3-17] ) 一ツ橋大学機関リポジトリ HERMES-IR http://hermes-ir.lib.hitu.ac.jp/rs/bitstream/10086/8580/1/ryugaku0000400030.pdf [2012.11.4] 中村重穂 2009 論文に於ける だ と である の選択条件に関する思考的考察 ([ 初出 :] 北海道大学留学生センター紀要 第 13 号, pp. 78-97) 北海道大学学術成果コレクション HUSCAP http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45684/1/bisc013_006.pdf [2012.11.4] 中村重穂 (2011) 文体混用に関する一考察 : だ である 体の です ます 体への混用について ( [ 初出 :] 北海道大学留学生センター紀要 第 15 号, pp. 20-39) 北海道大学学術成果コレクション HUSCAP http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/49298/1/jisc15_002.pdf [2012.11.4]

野田尚史 (1998) ていねいさ からみた文章 談話の構造 ([ 初出 :] 国語学 194 集 pp.89-102) 国立国語研究所 雑誌 国語学 全文データベース http://db3.ninjal.ac.jp/sjl/getpdf.php [2012.11.4] 先行教材アカデミック ジャパニーズ研究会 2008 (2002) 大学 大学院留学生の日本語 4 論文作成編 東京 : 株式会社アルク石黒圭 筒井千絵 2010 (2009) 留学生のための個々が大切文章表現のルール 東京 : 株式会社スリーエーネットワーク神田靖子 山根智恵 2004 日本語を書く楽しみ 岡山 : ふくろう出版渡辺茂監修 国語学習便覧 大阪 : 吉野由の教育図書株式会社 [ 出版年不詳 中学校向 1974 年頃?] ジャンル別文例参考サイト朝日新聞社 朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/ 国立国語研究所 少納言現代日本語書き言葉均衡コーパス http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/[2012.11.1] 毎日新聞社 毎日 jp http://mainichi.jp/2. 書き言葉の文体の文末の文法形式による仮分類 付録表 1 書き言葉の文体による仮分類 : 文例 ( ジョンデク作文 ) 表 2.1 き言葉の文体による仮分類 : 文末の特徴表 2.2 書き言葉の文体による仮分類 : 中止法表 2.3 書き言葉の文体による仮分類 : 助詞の省略 語の短縮形表 3.1 アカデミック ジャパニーズで使われる文体 : 文書表 3.2 アカデミック ジャパニーズで使われる文体 : 学術論文

表 1 書き言葉の文体による仮分類 : 文例 ( ジョンデク作文 ) 文例 丁寧体の文章に普通体が混じっている そんな文を皆さんも見たことありますね 実はこれ日本語教育上の大問題なんです で 私はそんなケースを分析して研究してます 日本語を教える時にはどうしたらいいでしょう いっしょに考えてみませんか 私は丁寧体の文章に普通体が混じるケースに注目しました 発表では まず その位相と機能の分類を試み 次に その形態のさまざまな様相を分析します さらに 分析の結果を見て 日本語を教える上でその問題をどう扱えばいいか 考えてみたいと思います [...] 日本語学習者は丁寧体の文章に普通体が混じるのを見て違和感を覚える 文体統一 と教えられているため それを見て日本語教師はどうすべきか 解決のためにはその言語学的な研究が不可欠だ 和田氏の論文はその先駆的研究である [...] [ 論文要旨 ] 本稿は丁寧体の文章に普通体が混用される事例を取り上げ その位相的 機能的分類を試み その形態の諸相を分析したものである その結果に基づき 日本語教育上の問題について考察し 結論を提示した [...] 中村のいう混用とは 文体の混用あるいは混用文体のことである 中村は丁寧文への普通体の混用に注目 分析と考察を行っている 中村 2011:20) 参照 2013 年 5 月 大学留学生センター教官和田花子氏が同センター紀要に論文 丁寧文における普通体混用に関する一考察 を発表 (/ ) 混用研究の必要性と日本語教育上の意義を訴えた [ 新聞見出し ] 大和田氏 混用の学的研究を [ 年表 ] 2013 年 5 月和田花子 ( 大学留学生センター ) 文体混用に関する論文発表 (/ ) 混用研究の必要性 日本語教育上の意義を訴える ( ) 丁寧文における普通体の混用についての / 関する研究 丁寧文における普通体の混用について 丁寧文における普通体の混用 丁寧文普通体混用研究 丁寧文における普通体の混用 丁寧文における普通体混用 丁寧文の普通体混用 丁寧文普通体混用 普通体を混用する丁寧文 普通体混用の丁寧文 普通体混用丁寧文 表 2.1 書き言葉の文体による仮分類 : 文末の特徴 文末の特徴 会話文 短縮形 文体混合 丁寧体 敬語 N/Na です 普通体 N/Na だ N/Na である ( 強調 ) N/Na( 体言止 ) あり 普通体 N/Na だ ( 通常 ) N/Na である N/Na( 体言止 ) 普通体 N/Na だ N/Na である N/Na( 体言止 ) 普通体 だ ( 通常 ) N/Na である N/Na( 体言止 ) 普通体 N/Na だ N/Na である N/Na( 体言止 ) 動詞の終止形 文語 ( あり / なし等 ) 漢語 ( 可 / 不可等 ) 助詞 ( を に等 述語の省略 ) 名詞 について / をめぐって等 ( のお知らせ / の研究 / の一考察等の省略?) 名詞

表 2.2 書き言葉の文体による仮分類 : 中止法 中止法 テ中止法多 混合多 連用中止法多 テ形中止法可 ( 通常 ) 体言中止法 連用中止法多 テ形中止法可 体言中止法あり 連用中止法 テ形中止法は方法や原因を表す場合のみ可 体言中止法 連用中止法 テ形中止法は方法や原因を表す場合のみ可 体言中止法多 連用中止法 テ形中止法は方法や原因を表す場合のみ可 体言中止法多 連用中止法 テ形中止法は方法や原因を表す場合のみ可 体言中止法多 文語連用中止法多 漢文的中止法あり なし なし 文例 V テ ( を ) 分析して ( を ) 分析しなくて ( を ) 分析しないで ( を ) 分析していて ( を ) 分析していなくて A クテ ( が ) 多くて ( が ) 多くなくて N/Na デ ( が ) 豊富で ( が ) 豊富でなくて ( 左右混合 ) ( 左右混合 ) V 連用 ( を ) 分析し ( を ) 分析せず ( を ) 分析せずに ( を ) 分析しており ( を ) 分析しておらず A 連用 ( が ) 多く / 多くあり ( が ) 多くなく N/Na デ / 連用 ( が ) 豊富で / 豊富であり ( が ) 豊富でなく V 連用 / 体言中止法 ( を ) 分析し / 分析 ( 同左 ) N/Na デ / 連用 / 体言中止法 ( が ) 豊富で / 豊富であり / 豊富 ( が ) 豊富でなく ( 同左 ) ( 同左 ) A 連用 / 文語連用中止法 / 漢文的中止法 ( が ) 多く / 多くあり / 多 [ た ] ( が ) 多くなく / 多からず N/Na デ / 連用 / 体言中止法 / 文語連用中止法 ( が ) 豊富で / 豊富であり / 豊富 ( が ) 豊富でなく / 豊富ならず 表 2.3 書き言葉の文体による仮分類 : 助詞の省略 語の短縮形 助詞の省略 多 手紙では が を 省略あり なしなしなしなし多可多 語の口語音便短縮形 ( の ん等 ) 多なしなしなしなしなしなしなしなし

表 3.1 アカデミック ジャパニーズで使われる文体 : 文書 研究計画書 申請書等の読み 手の限定された計 画書のみ可 記述文に一般的 全文記述形式の計画書で一般的 ( ただし である は提示と要約引用のみに使用 ) 箇条書き文で一 般的 題名 項目 箇条書き文可 参考文献等 アンケート調査用紙 指示 質問 謝意 選択肢の内容 標題 項目 日本政府 ( 文部科学省 ) 奨学金留学生申請書記入文 送り状本文 日本でどのような学問を学びたいか 欄可 ( 希望する大学 ) 上記を志望する理由 欄可 帰国後に希望する職業 欄可 日本でどのような学問を学びたいか 欄可 ( ただし である は提示及び要約引用のみに使用し 使いすぎないよう注意 ) ( 希望する大学 ) 上記を志望する理由 欄可 帰国後に希望する職業 欄可 語学力 欄 ( 優 / 良 / 可 ) 帰国後に希望する職業 欄可 その他の記入欄全て 表 3.2 アカデミック ジャパニーズで使われる文体 : 学術論文 表紙論文題名項目 著者名等 もくじ 項目 要旨 不可 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) 一般的 ( である は提示 要約引用 のみ ) 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) キーワード キーワード 本文 不可 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) 一般的 ( である は提示 要約引用 のみ ) 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) 不可 ( 通常 ) 引用 引用明示の文字通りの引用文のみ可 引用明示の文字通りの引用文のみ可 要約引用文可 要約引用文に一般的 要約引用文可 要約引用文可 箇条書き文 箇条書き文に一般的 注 注に一般的 資料 会話書き起し文 資料の説明に一般 的 表 / グラフの項目年表の記述 資料の題名 参考文献 参考文献の説明に一般的 参考文献 謝辞 謝辞に一般的