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教育現場におけるパーソナルモビリティ の有効性検証 - 八代キャンパスでの走行実験と機能改良検討 - 論 文 谷 * 亮輔 ** 開豊 山下 *** 徹 **** 下田貞幸 Verifying the Effectiveness of Personal Mobility Vehicle "" in Schools - Running Test and Examination of Functional Improvement at Yatsushiro Campus - Ryosuke TANI *, Yutaka HIRAKI **, Toru YAMASHITA ***, Sadayuki SHIMODA **** is the personal mobility vehicle that has some useful functions for handicapped persons. Therefore it will be effective to support a handicapped student in schools. However, it is a prototype machine whose is not assumed to use at school, so it is necessary to improve the mechanism and function. In this study, as the first step of universalizing educational environment using, the situation where was used was confirmed by the fabricated simulator and actual running test. As the second step, the speed change system that is according to the distance to the object and the presence or absence of a difference in level was made using an ultrasonic sensor, infrared sensors and an Leonardo. The collision of the and pedestrians or going off the shoulder of the road is avoided by this method. As a result, the safety of was enhanced. キーワード : パーソナルモビィティ, 身体的弱者, 教育環境, 走行実験 Keywords:personal mobility Vehicle, handicapped persons, educational environment, Running Test 1. はじめに 近年, 電動車いすに代表されるアシスト装置の開発は目覚ましい進歩があり, ジョイスティック操作を始めとして, 使用者の身体的負担を軽減する装置が様々に開発されている. さらに現在では, ロボット技術を活用した新しいタイプのモビリティ装置もいくつか試作 提案されてきている. しかし, 教育現場という環境を考えるとき, 現状のこれらの装置が十分な性能と仕様を備えているとは言い難い. 一口に障害を抱える学生と言っても様々だが, 積極的に学ぼうとするとき, 教室内での活動, 図書館での図書探索, 体育館での競技参加など, 様々な局面で課題がある. したがって, これらの学生が生き生きと学習参加できる環境をつくるためには, 教育現場からの視点が重要となる. 熊本高専では, 平成 23 年度より, 地元企業が開発中のパーソナルモビリティ を導入して, 学校現場での有効性向上のための提案を行う研究プロジェクトが発足し * ** *** **** 専攻科生産システム工学専攻 ( 現 : ユニバーサル造船 ) 地域イノベーションセンター機械知能システム工学科建築社会デザイン工学科 866-8501 熊本県八代市平山新町 2627 Dept. of Mechanical and Intelligent Systems Engineering, 2627 Hirayama, Yatsushiro-shi, Kumamoto, Japan 866-8501 た 1). これは, 本校の教育環境のユニバーサル化も視野に入れたプロジェクトで, 本研究では, プロトタイプ機について, 八代キャンパスでの利用実験を行い, その結果をもとに を利用しやすくするための機能改良も検討した. 2. パーソナルモビリティ は, 地元の企業, 株式会社サンワハイテックが研究開発している室内用パーソナルモビリティである. 平成 22 年にプロトタイプ1 号機, 平成 23 年にはプロトタイプ2 号機が開発されている 2). 本研究では2 号機を取り扱った. 図 1に,2 号機の外観と基本仕様を示す. は, 高齢者や障害者向けに開発された新しい発想の室内用の移動装置で, 従来の電動車いすと異なり, 立つ 座るという下肢の負担が伴う移乗動作を抑え, 後方からスムーズに乗る 降りるという移乗動作が行える点に特徴がある. また, 座面が上下することで健常者と同一目線を確保し 人間としての尊厳回復 自立意識の醸成などが期待されている. さらに, 操作についても, ジョイスティックによる制御が可能で, 利便性も追求されている. したがって本研究の対象としても効果的で, 車いすでは活動が困難な場面や学生が委縮してしまうような状況でのサポートが期待できると考えられる. しかし, 現状は教育 熊本高等専門学校研究紀要第 5 号 (2013) 39

ョンが行えるようになった ここでは 3D モデル作成結果 と検討したよるシミュレーション結果を示す 2. パーソナルモビリティ は 地元の企業 株式会社サンワハイテックが研 装置の開発は目 本体の 3D モデルの作成には SolidWorks2010 を使用 22 年にプロトタイプ 1 号機 平成 23 年にはプロトタイプ 2 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 し 校舎 3D モデルの作成には Google SketchUp8 谷ほか を使用した 作を始めとして に開発されてい 号機が開発されている 2) 本研究では 2 号機を取り扱った した新しいタイ き 現状のこれ 図 3 に示す は 高齢者や障害者向けに開発された新しい発想の とは言い難い 室内用の移動装置で 従来の電動車いすと異なり 立つ が 積極的に学 座るという下肢の負担が伴う移乗動作を抑え 後方からス での図書探索 ムーズに乗る 降りるという移乗動作が行える点に特徴が 題がある した c) 教室入り ある また 座面が上下することで健常者と同一目線を確 加できる環境を 保し 人間としての尊厳回復 自立意識の醸成などが期待 要となる 業が開発中のパ されている さらに 操作についても ジョイスティック 校現場での有効 による制御が可能で 利便性も追求されている トが発足した 1) 活動が困難な場面や学生が委縮してしまうような状況での タイプ機につい サポートが期待できると考えられる しかし 現状は教育 本体寸法 W=700 L=1164 H=1040 mm 本体寸法 W=700 L=1164 H=1040 mm 重量 バッテリー含む 91kg 91kg 重量 バッテリー含む 現場での利用を想定していないため 学校現場で用いるに その結果をもと 良も検討した 図 3 作成した校舎の3Dモデル したがって本研究の対象としても効果的で 車いすでは も視野に入れた gineering, an 866-8501 a) スロー 作成した の 3D モデルを図 2 に 校舎の 3D モデルを 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 図 1 に 2 号機の外観と基本仕様を示す されてきている ーサル造船 3.1 3D モデルの作成 究開発している室内用パーソナルモビリティである 平成 3.2 使用状況のシミュレーション 作成した の 3D モデルを Google SketchUp で読込み 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 読込んだ の 3D モデルを校舎モデルの中に置くこと タイヤサイズ 13インチ タイヤサイズ 13インチ は 構造や機能の改良が不可欠である モーター出力 200W 200W 2 モーター出力 2 は 高齢者や障害者向けに開発された新しい発想の 駆動方式 後輪駆動 駆動方式 後輪駆動 ここでは このプロトタイプ機を使って現場での実地検 制動方式 回生 電磁ブレーキ 制動方式 回生 電磁ブレーキ 室内用の移動装置で 従来の電動車いすと異なり 立つ 証を行い 機能改良の試行を含め 教育現場で利用しやす 制御方式 マイクロコンピュータ制御 制御方式 マイクロコンピュータ制御 座るという下肢の負担が伴う移乗動作を抑え 後方からス 最高速度 6km/h,後進 2km/h 最高速度 前進 前進 6km/h, 後進 2km/h い装置開発のための検討を行った結果について報告する 座席昇降ストローク 240mm 座席昇降ストローク 240mm ムーズに乗る 降りるという移乗動作が行える点に特徴が バッテリー容量 12V/24Ah 12V/24Ah 2 バッテリー容量 2 連続走行距離 10km ある また 座面が上下することで健常者と同一目線を確 連続走行距離 10km 3 3D CADを利用した学校現場での 利用 保し 人間としての尊厳回復 自立意識の醸成などが期待 図1 プロトタイプ2号機の外観と基本仕様 図1 プロトタイプ2号機の外観と基本仕様 シミュレーション されている さらに 操作についても ジョイスティック 現場での利用を想定していないため 学校現場で用いるに による制御が可能で 利便性も追求されている 本機の納入が遅れたために まず 3D-CAD システ 1 は 構造や機能の改良が不可欠である したがって本研究の対象としても効果的で 車いすでは ムを使って 本機と校舎の 3D モデルを作成し この ここでは このプロトタイプ機を使って現場での実地検 活動が困難な場面や学生が委縮してしまうような状況での 3D モデルを利用して 教育現場での 活用状態を簡便 証を行い 機能改良の試行を含め 教育現場で利用しやす サポートが期待できると考えられる しかし 現状は教育 に検証できるシステムを検討した これを用いることによ い装置開発のための検討を行った結果について報告する 現場での利用を想定していないため 学校現場で用いるに り を校舎内で使用する際のおおまかなシミュレーシ は 構造や機能の改良が不可欠である 3 3D-CAD を利用した学校現場での 利用シミュ ョンが行えるようになった ここでは 3D モデル作成結果 e) エレベ 図2 プロトタイプ2号機の3D モデル で 校舎内での の活用状態を検討するシミュレーシ 図 2 プロトタイプ 2 号機の 3D モデル ョンを行った 教室等の空間に置いた の3D-CAD 上の 干渉などから 利用状況等をおおまかに推測することがで きる 図 4 に 熊本高専八代キャンパスの様々な場所で 図 2 を利用したときのシミュレーション結果を示す このシミュレーションを行うことで を校舎内の廊 下 エレベータ 共通教育棟 図書館等で運用した際の取 り回し状況や空間的余裕の把握が可能となり 教室への出 図3 モデル 図 3作成した校舎の3D 作成した校舎の3Dモデル 入りや廊下での U ターン等もある程度可能であることが確 認できた また 建物の構造上 現状では 本機の乗 で を利用したときのシミュレーション結果を示す 3.2 使用状況のシミュレーション り入れが難しい場所においても 使用状況のおおまかな推 このシミュレーションを行うことで を校舎内の 作成した の 3D モデルを Google SketchUp で読込み 定を行うことができた 廊下 エレベータ 共通教育棟 図書館等で運用した際の 読込んだ の 3D モデルを校舎モデルの中に置くこと レーション ここでは このプロトタイプ機を使って現場での実地検 と検討したよるシミュレーション結果を示す で 校舎内での の活用状態を検討するシミュレーシ ョンを行った 教室等の空間に置いた の3D-CAD 上の 本機の納入が遅れたために まず 3D-CAD シス 証を行い 機能改良の試行を含め 教育現場で利用しやす テムを使って 本機と校舎の3D モデルを作成し い装置開発のための検討を行った結果について報告する 3.1 3D モデルの作成 この3D モデルを利用して 教育現場での 活用状態 本体の 3D モデルの作成には SolidWorks2010 を使用 を簡便に検証できるシステムを検討した これを用いるこ し 3D モデルの作成には Google SketchUp8 を使用した 3 校舎 3D CADを利用した学校現場での 利用 とにより を校舎内で使用する際のおおまかなシ 作成した の 3D モデルを図 2 に 校舎の 3D モデルを シミュレーション ミュレーションが行えるようになった ここでは 3D モ 図 3 に示す デル作成結果と検討したよるシミュレーション結果を示す 本機の納入が遅れたために まず 3D-CAD システ 干渉などから 利用状況等をおおまかに推測することがで ムを使って 本機と校舎の 3D モデルを作成し この 3.1 3D モデルの作成 3D モデルを利用して 教育現場での 活用状態を簡便 本体の3D モデルの作成には SolidWorks2010を使 に検証できるシステムを検討した これを用いることによ 用し 校舎3D モデルの作成には Google SketchUp8 を使用 り を校舎内で使用する際のおおまかなシミュレーシ した 作成した の3D モデルを図2に 校舎の3D モ ョンが行えるようになった ここでは 3D モデル作成結果 デルを図3に示す と検討したよるシミュレーション結果を示す 認できた また 建物の構造上 現状では 本機の乗 きる 図 4 に 熊本高専八代キャンパスの様々な場所で を利用したときのシミュレーション結果を示す このシミュレーションを行うことで を校舎内の廊 b 廊下での走行 a) a スロープ登坂状況 スロープ登坂状況 b) 廊下での走行 下 エレベータ 共通教育棟 図書館等で運用した際の取 り回し状況や空間的余裕の把握が可能となり 教室への出 入りや廊下での U ターン等もある程度可能であることが確 り入れが難しい場所においても 使用状況のおおまかな推 定を行うことができた c 教室入り口付近 c) 教室入り口付近 d 黒板への板書 d) 黒板への板書 3.2 使用状況のシミュレーション 作成した の3D モデルを Google SketchUp で読込み 3.1 3D モデルの作成 読込んだ モデルを校舎モデルの中に置くこと 本体の の3D 3D モデルの作成には SolidWorks2010 を使用 で 校舎内での の活用状態を検討するシミュレー し 校舎 3D モデルの作成には Google SketchUp8 を使用した ションを行った 教室等の空間に置いた の3D-CAD 作成した の 3D モデルを図 2 に 校舎の 3D モデルを 上の干渉などから 利用状況等をおおまかに推測すること 図 3 に示す ができる 図4に 熊本高専八代キャンパスの様々な場所 図 2 プロトタイプ 2 号機の 3D モデル 40 2 a) スロープ登坂状況 e) e エレベータの利用 エレベータの利用 40 f エレベータ内 f) エレベータ内 図4 使用状況シミュレーション 図 4 使用状況シミュレーション Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 2013 Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 (2013) c) 教室入り口付近 b) 廊下での走行 d) 黒板への板書 19:41:08 R

表1 取り回し状況や空間的余裕の把握が可能となり 教室への 出入りや廊下での U ターン等もある程度可能であること 4 学校現場での走行実験 が確認できた また 建物の構造上 現状では 本 機の乗り入れが難しい場所においても 使用状況のおおま 本機が納入されてからは 具体的な使用の状況を検 場所 を行った 走行実験は 棟入口 スロープ ピロティ 廊 4 学校現場での走行実験 下 教室 エレベータ等で行い 表 1 に示すチェック項目 本機が納入されてからは 具体的な使用の状況を について確認した 図 5 に実際の走行実験の様子を示す 検証するため 実際に を学校現場で走らせて走行 c)c スロープの走行 スロープの走行 チェック項目 表 1 走行実験のためのチェック項目表 場所 チェック項目 に乗ったまま扉の開閉ができるか 棟入口 扉を開くとスロープの道幅が狭くなるが スロープの方向 に乗ったまま扉の開閉ができるか に向きを変えられる余地があるのか 棟入口 扉を開くとスロープの道幅が狭くなるが 幅にどの程度余裕があるのか スロープの方向に向きを変えられる余地が あるのか スロープ 使用者に恐怖感 不安感はないか 幅にどの程度余裕があるのか 点字ブロック等でがたつかないか スロープ 使用者に恐怖感 不安感はないか タイルの上でも安定した走行ができるか 点字ブロック等でがたつかないか ピロティ 掲示物の閲覧は可能か タイルの上でも安定した走行ができるか マット等で引っかかることなどはないか ピロティ 掲示物の閲覧は可能か マット等で引っかかることなどはないか 安全に走行できるか 安全に走行できるか 廊下 方向転換ができるか 廊下 方向転換ができるか 歩行者と衝突する危険性はどうか 歩行者と衝突する危険性はどうか エレベータ 入口とエレベータ内のボタンは押せるか エレベータ 入口とエレベータ内のボタンは押せるか 中で方向転換は可能か 中で方向転換は可能か 扉の開閉ができるか 扉の開閉ができるか 机の間は通り抜け可能か 教室 教室 机の間は通り抜け可能か 机と机の間での停止 黒板までの移動 黒 板への板書 ノートの作成等が可能で 授 机と机の間での停止 黒板までの移動 黒板への板書 ノー 業に問題なく参加できるか トの作成等が可能で 授業に問題なく参加できるか かな推定を行うことができた 証するため 実際に を学校現場で走らせて走行実験 a) a 専門棟入口 専門棟入口 走行実験のためのチェック項目表 b)b スロープへの移動 スロープへの移動 実験を行った 走行実験は 棟入口 スロープ ピロティ 実地走行を行った結果 大きく分けて ①使用者と歩行 廊下 教室 エレベータ等で行い 表1に示すチェック項 者の安全性 ②スムーズな移動 ③学習時の利用の面など 目について確認した 図5に実際の走行実験の様子を示す で問題 課題があることがわかった 問題点 課題は次の d)d スロープ幅の確認 スロープ幅の確認 実地走行を行った結果 大きく分けて ①使用者と歩行 通りである 者の安全性 ②スムーズな移動 ③学習時の利用の面など ①使用者と歩行者の安全性 で問題 課題があることがわかった 問題点 課題は次の 最高速度が時速 6km 程出るので 人との衝突など大きな 通りである 事故につながる危険性がある ①使用者と歩行者の安全性 乗車中 搭乗者からは車輪の位置がわかりにくいため脱 最高速度が時速6km 程出るので 人との衝突など大 輪等の恐れがある きな事故につながる危険性がある e 廊下の走行 e) 廊下の走行 g)g エレベータの利用 エレベータの利用 ②スムーズな移動 乗車中 搭乗者からは車輪の位置がわかりにくいため ジョイスティックの操作に慣れないと 狭い通路での方 脱輪等の恐れがある f)f 教室内の走行 教室内の走行 向転換等には時間がかかる ②スムーズな移動 ジョイスティックの操作に慣れないと 狭い通路での スロープでは 幅に 50mm ほどの余裕しかなく 登り降 方向転換等には時間がかかる りには慣れが必要である スロープでは 幅に50mm ほどの余裕しかなく 登り スライド式の扉の開閉は体をひねらないとできず 押し 降りには慣れが必要である 引きタイプの扉は乗ったままでは開閉が難しい スライド式の扉の開閉は体をひねらないとできず 押 エレベータは使用可能であるが 中での旋回はできず し引きタイプの扉は乗ったままでは開閉が難しい 頭から入ると出るときはそのままバックで出なければ エレベータは使用可能であるが 中での旋回はできず ならない 頭から入ると出るときはそのままバックで出なければ ③学習時の利用 ならない 前方の位置に特別なスペースを用意しないと 授業への ③学習時の利用 参加は難しい 前方の位置に特別なスペースを用意しないと 授業へ h) h エレベータ内 エレベータ内 現段階では に乗ったままノートを取ることが難し の参加は難しい i ピロティの走行 い 現段階では に乗ったままノートを取ることが 難しい 段差等があり 黒板下への移動は困難である j 外庭通路の走行 i) ピロティの走行 j) 外庭通路の走行 図5 学校現場での走行実験の様子 図 5 学校現場での走行実験の様子 熊本高等専門学校 研究紀要 第5号 2013 熊本高等専門学校 研究紀要 第5号 2013 41 段差等があり 黒板下への移動は困難である これらの問題点の中で 第一に解決するべきことは 使 用者と歩行者の安全性の確保であると考えた 教育現場で 41 3 19:41:09

教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか は 脱輪することなく また狭い通路を歩行者や障害物と は 脱輪することなく また狭い通路を歩行者や障害物と 接触することなく安全に走行できるようにすることが不可 これらの問題点の中で 第一に解決するべきことは 使 接触することなく安全に走行できるようにすることが不可 欠であるため まずは安全性を高めるための の機能 用者と歩行者の安全性の確保であると考えた 教育現場で 欠であるため まずは安全性を高めるための の機能 は 脱輪することなく また狭い通路を歩行者や障害物と 改良を目指すことにした 改良を目指すことにした 接触することなく安全に走行できるようにすることが不可 欠であるため まずは安全性を高めるための の機 5 の機能改良のための検討 能改良を目指すことにした 5 の機能改良のための検討 本研究では学校現場での走行実験の結果を受け その改 本研究では学校現場での走行実験の結果を受け その改 5 の機能改良のための検討 良提案のための第一歩として障害物検知 脱輪防止システ 良提案のための第一歩として障害物検知 脱輪防止システ 本研究では学校現場での走行実験の結果を受け その改 ムの作成と検討を行った 良提案のための第一歩として障害物検知 脱輪防止システ ムの作成と検討を行った ここでは 超音波センサで障害物までの距離を 赤外線 ムの作成と検討を行った ここでは 超音波センサで障害物までの距離を 赤外線 測距モジュールで段差を測定し 測定した距離 段差に応 ここでは 超音波センサで障害物までの距離を 赤外線 測距モジュールで段差を測定し 測定した距離 段差に応 じて走行速度が変わるシステムを マイコンボードと簡単 測距モジュールで段差を測定し 測定した距離 段差に応 じて走行速度が変わるシステムを マイコンボードと簡単 じて走行速度が変わるシステムを マイコンボードと簡単 な制御回路を利用して試作した結果について示す な制御回路を利用して試作した結果について示す な制御回路を利用して試作した結果について示す 5.1 VR2 コントロールシステム 5.1 VR2 コントロールシステム 5.1 VR2コントロールシステム には走行用コントローラとして PG ドライブテク には走行用コントローラとして PG ドライブテク には走行用コントローラとして PG ドライブテ ノロジー社の VR2 コントローラが搭載されている VR2 は電 ノロジー社の VR2VR2コントローラが搭載されている VR2 コントローラが搭載されている VR2 は電 クノロジー社の 動車いすを制御することを前提に設計されたコントローラ 動車いすを制御することを前提に設計されたコントローラ は電動車いすを制御することを前提に設計されたコント で 一般の電動車いすにも広く利用されている 前進 後 で 一般の電動車いすにも広く利用されている 前進 後 ローラで 一般の電動車いすにも広く利用されている 前 進 回転の速度や感度 加速度 減速度等がプログラムと 進 後進 回転の速度や感度 加速度 減速度等がプログ 進 回転の速度や感度 加速度 減速度等がプログラムと パラメータ設定によって変更可能である さらに 反応抑 ラムとパラメータ設定によって変更可能である さらに パラメータ設定によって変更可能である さらに 反応抑 制機能があり Inhibit と呼ばれる制御端子に外部から制御 反応抑制機能があり Inhibit と呼ばれる制御端子に外部か 制機能があり Inhibit と呼ばれる制御端子に外部から制御 信号を入力することで速度を制御できる ら制御信号を入力することで速度を制御できる 信号を入力することで速度を制御できる 3 図中 Inhibit2 端子 図 6 にVR2の制御端子の状態を示す VR2 の制御端子の状態を示す 3 図中 Inhibit2端子 図6に 図 6 に VR2 の制御端子の状態を示す 3 図中 Inhibit2 端子 の入力については 3つのしきい値をパラメータで設定す の入力については 3 つのしきい値をパラメータで設定する の入力については 3 つのしきい値をパラメータで設定する ることで 4段階の速度制御が可能である 具体的には ことで 4 段階の速度制御が可能である 具体的には Inhibit2 ことで 4 段階の速度制御が可能である 具体的には Inhibit2 Inhibit2端子に接続した回路の電気抵抗の値によって走行 端子に接続した回路の電気抵抗の値によって走行速度をバン 端子に接続した回路の電気抵抗の値によって走行速度をバン 速度をバンド0 バンド1 バンド2 バンド3のいずれかに ド 0 バンド 1 バンド 2 バンド 3 のいずれかに振り分けら ド 0 バンド 1 バンド 2 バンド 3 のいずれかに振り分けら 振り分けられるようになっており 各バンドでの速度を異 れるようになっており 各バンドでの速度を異なる値に設定 れるようになっており 各バンドでの速度を異なる値に設定 なる値に設定することで 外部入力による速度調整が可能 することで 外部入力による速度調整が可能である することで 外部入力による速度調整が可能である である 本研究ではこの反応抑制機能を利用して 障害物と段差 本研究ではこの反応抑制機能を利用して 障害物と段差 本研究ではこの反応抑制機能を利用して 障害物と段差 を検知して の移動速度を変化させるシステムを試作 を検知して の移動速度を変化させるシステムを試作 の移動速度を変化させるシステムを試 を検知して することにした 作することにした することにした Inhibit2 5.2 超音波センサモジュール (障害物センサ) 5.2 超音波センサモジュール (障害物センサ) 本研究では の周囲の状態を感知し 自動的に速度 5.2 超音波センサモジュール 障害物センサ 本研究では の周囲の状態を感知し 自動的に速度 制御を行うために障害物検知システムとしてパララックス 本研究では の周囲の状態を感知し 自動的に速 制御を行うために障害物検知システムとしてパララックス 度制御を行うために障害物検知システムとしてパララック 社製の超音波距離センサモジュールを使用した 図 7 に超 社製の超音波距離センサモジュールを使用した 図 7 に超 ス社製の超音波距離センサモジュールを使用した 図7に 音波距離センサモジュールの外観 表 2 にその仕様を示す 音波距離センサモジュールの外観 表 2 にその仕様を示す 超音波距離センサモジュールの外観 表2にその仕様を示 この超音波距離センサは 約 2cm から 3m の範囲で距離を この超音波距離センサは 約 2cm から 3m の範囲で距離を す 測定でき 1 本の信号線により制御することが可能である 測定でき 1 本の信号線により制御することが可能である この超音波距離センサは 約2cm から3m の範囲で距離 超音波の発信モジュールと反射波を受信する超音波マイク 超音波の発信モジュールと反射波を受信する超音波マイク を測定でき 1本の信号線により制御することが可能であ が並んでおり トリガ パルスを SIG ピンに入力すると が並んでおり トリガ パルスを SIG ピンに入力すると る 超音波の発信モジュールと反射波を受信する超音波マ 発信モジュールから 40kHz の超音波が 200μs 間バースト信 イクが並んでおり トリガ パルスを SIG 間バースト信 ピンに入力す 発信モジュールから 40kHz の超音波が 200μs 号として発信され それと同時に SIG ピンから 間バー のパル ると 発信モジュールから40kHz の超音波が200μs 号として発信され それと同時に SIG ピンから のパル スが出力される この後 超音波マイクが反射波を受信す スト信号として発信され それと同時に SIG ピンから スが出力される この後 超音波マイクが反射波を受信す ると SIG ピン出力パルスが となる SIG ピンの出力パル のパルスが出力される この後 超音波マイクが反 ると SIG ピン出力パルスが となる SIG ピンの出力パル スが になってから になるまでの時間を測定するこ 射波を受信すると SIG ピン出力パルスが となる スが になってから になるまでの時間を測定するこ 4 SIG ピンの出力パルスが になってから になる 図 8 は SIG ピンタイ とで障害物までの距離を算出できる とで障害物までの距離を算出できる 4 図 8 は SIG ピンタイ までの時間を測定することで障害物までの距離を算出でき ムチャートである ムチャートである 4 る 図8は SIG ピンタイムチャートである 0V 2 Inhibit2 動作電源電圧 5V 動作電源電圧 5V 動作電源電圧 5V 消費電流:30mA 消費電流 :30mA 消費電流:30mA 測定距離範囲 2cm 3m 測定距離範囲 2cm 3m 測定距離範囲 2cm 3m パルス入力 5μs パルス入力 5μs パルス入力 5μs パルス出力 115μs 18.5ms パルス出力 115μs 18.5ms パルス出力 115μs 18.5ms 寸法 22 46 16mm 寸法 22 46 16mm 寸法 22 46 16mm ホールドオフ時間 750μs ホールドオフ時間 750μs ホールドオフ時間 750μs バースト信号周波数 40kHz バースト信号周波数 40kHz バースト信号周波数 40kHz 図8 SIG ピンタイムチャート 図 8 SIG ピンタイムチャート 図 8 SIG ピンタイムチャート 4 4 42 42 表 2 超音波センサの仕様 表表2 2 超音波センサの仕様 超音波センサの仕様 Function 1 図6 VR2の制御端子 図 6 VR2 の制御端子 図 6 VR2 の制御端子 図 7 超音波センサの外観 図 7 超音波センサの外観 図7 超音波センサの外観 Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 (2013) Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 (2013) Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 2013 19:41:10

表4 Leonardo の仕様 表 4 Leonardo の仕様 測距モジュールの仕様 表表3 3 測距モジュールの仕様 動作電源電圧 :4.5 5.5V 図9 図 9 測距モジュール 測距モジュール マイクロコントローラ ATmega32U4 マイクロコントローラ ATmega32U4 作動電圧 5V 作動電圧 5V 電源電圧 6 20V 電源電圧 6 20V 推奨電源電圧 7 12V 推奨電源電圧 7 12V デジタルI/Oピン数 20 デジタル I/O ピン数 20 PWMチャンネル 7 PWM チャンネル 7 アナログ入力チャンネル 12 アナログ入力チャンネル 12 I/Oピン電流 40mA I/O ピン電流 40mA 3.3Vピン電流 50mA クロックスピード 16MHz 3.3V ピン電流 50mA フラッシュメモリ 32kB クロックスピード 16MHz SRAM 2.5kB 動作電源電圧:4.5 5.5V 消費電流 : 最大40mA 消費電流:最大40mA 測定距離範囲 :10 80cm 測定距離範囲:10 80cm 寸法 :29.5 13 13.5mm 寸法:29.5 13 13.5mm 出力:アナログ電圧出力 出力 : アナログ電圧出力 フラッシュメモリ 32kB SRAM 2.5kB 5.5 障害物検知システム 人との衝突など 大きな事故につながる恐れがあるとい 内蔵メモリはフラッシュメモリが32kB SRAM が2.5kB で ある う問題を解決し 障害物や人との衝突安全性を高めるため 図11に Leonardo の外観 表4に仕様を示す に 上記の VR2 超音波センサ およびマイコンボードを用 図10 図 10 データシート データシート 5.3 赤外線測距モジュール 赤外線測距モジュール 足元センサ 5.3 (足元センサ) 段差 差検 検出 出に には はシ シャ ャー ープ プ社 社製 製赤 赤外 外線 線測 測距 距モ モジ ジュ ュー ール ル 段 GP2Y0A21YK を用いた このモジュールは センサから赤 0F を用いた このモジュールは センサ GP2Y0A21YK0F から赤外線を出して物体から反射してくる赤外線の量を計 外線を出して物体から反射してくる赤外線の量を計測し 測し その反射光の強さを電圧で出力する 図9に測距モ その反射光の強さを電圧で出力する 図 9 に測距モジュー ルの外観 表 3 にその仕様を示す ジュールの外観 表3にその仕様を示す 5 に電圧 購入時に付属されているデータシート 図10 購入時に付属されているデータシート(図 10)5)に電圧と と距離の関係がグラフで示されているので モジュールか 距離の関係がグラフで示されているので モジュールから ら入力された値によって距離を割り出すことができる 入力された値によって距離を割り出すことができる 5.4 マイコンボード 5.4 マイコンボード 本研究では 超音波センサ及び赤外線測距モジュールで 本研究では 超音波センサ及び赤外線測距モジュールで 測定した距離 段差に応じて合成抵抗が変わる回路を マ 測定した距離 段差に応じて合成抵抗が変わる回路を マ イコンボード Leonardo を利用して試作した イコンボード Leonardo を利用して試作した は AVR マイコンチップを実装した基板と開発シス は AVR マイコンチップを実装した基板と開発 テムから構成されるオープンソースハードウェアである システムから構成されるオープンソースハードウェアであ デジタル及びアナログ入出力が可能で マイコンチップに る デジタル及びアナログ入出力が可能で マイコンチッ プログラムを書きこむための ROM ライタ等が不要で PC か プにプログラムを書きこむための ROM ライタ等が不要で ら直接プログラムの書込み 修正ができる プログラム開 PC から直接プログラムの書込み 修正ができる プログ 6 ラム開発は 上で IDE を使用して行うことがで 発は PC 上で PC IDE を使用して行うことができる 6 きる 今 回 使 用 し た Leonardo は AVR マ イ コ 今回使用し た Leonardo は AVR マ イ コ ン ン:ATmega32U4 を実装したマイクロコントローラボードで ATmega32U4を実装したマイクロコントローラボードで 20 のデジタル I/O ピンがあり そのうち 7 ピンが PWM 出力 20のデジタル I/O ピンがあり そのうち7ピンが PWM 出 ピン 12 ピンがアナログ入力ピンとして使用できる 内蔵 力ピン 12ピンがアナログ入力ピンとして使用できる メモリはフラッシュメモリが 32kB SRAM が 2.5kB である 図 11 に Leonardo の外観 表 4 に仕様を示す いて 前方の障害物や人との距離が近くなるにつれ移動速 5.5 障害物検知システム 度を遅くさせ 一定の範囲内に近いづいたら の動き 人との衝突など 大きな事故につながる恐れがあるとい を停止するシステムの製作を目指した う問題を解決し 障害物や人との衝突安全性を高めるため 本研究で試作した障害物検知システムは 前部に超 に 上記の VR2 超音波センサ およびマイコンボード 音波センサを取り付け 超音波センサで前方の障害物や人 を用いて 前方の障害物や人との距離が近くなるにつれ移 との距離を測定する そして 障害物や人との距離に応じ 動速度を遅くさせ 一定の範囲内に近づいたら の て出される超音波センサの信号を に入れ その信 動きを停止するシステムの製作を目指した 号に応じて制御を行うというものである 超音波センサの 本研究で試作した障害物検知システムは 前部に 設置位置を図 12 に示す 超音波センサを取り付け 超音波センサで前方の障害物や 具体的には VR2 コントロールシステムの Inhibit 端子に 人との距離を測定する そして 障害物や人との距離に応 じて出される超音波センサの信号を に入れ その の出力によって合成抵抗が 2.2kΩ 4.4kΩ 6.6k 信号に応じて制御を行うというものである 超音波センサ Ω 10kΩ以上のいずれかに切り替わるインターフェース回 の設置位置を図12に示す 路 図 13 を接続した この回路は 超音波センサ SIG ピ 具体的には VR2コントロールシステムの Inhibit 端子 ンの信号を入力信号として に入れ 入力状態によ に の出力によって合成抵抗が2.2k Ω 4.4k Ω ってトランジスタを ON/OFF させることで Inhibit2 端子に 6.6k Ω 10k Ω 以 上 の い ず れ か に 切 り 替 わ る イ ン タ ー 接続した回路の合成抵抗を変える仕組みである フェース回路 図13 を接続した この回路は 超音波セ なお インターフェース回路を VR2 コントロールシステ ンサ SIG ピンの信号を入力信号として に入れ 入 ムに接続するためには のカウルを取り外さなければ 力状態によってトランジスタを ON/OFF させることで ならず カウルの取り外しには手間がかかるため カウル Inhibit2端子に接続した回路の合成抵抗を変える仕組みで を取り外した状態でそのまま走行実験を行えるように 超 ある 音波センサを取り付けている なお インターフェース回路を VR2コントロールシス 障 害 物 と の 距 離 に よ っ て回路 の抵抗を変えるよう テムに接続するためには のカウルを取り外さなけ ればならず カウルの取り外しには手間がかかるため カ をプログラムし の移動速度を a) 障害物ま ウルを取り外した状態でそのまま走行実験を行えるように での距離が 1.5m 以上であるとき高速 b) 75cm から 1.5m の 超音波センサを取り付けている 間であるとき中速 c) 30cm から 75cm の間であるとき低速 d) 30cm 未満であるとき停止するようにした 実際には 表5 の PIN 出力 表 5 のような PIN 出力で抵抗値を変え 速度を切り替える a 高 速 b 中 高 速速 a) c 低 b) 中 速速 c) 低 速止 d 停 d) 停 止 図11 Leonardo の外観 図 11 Leonardo の外観 熊本高等専門学校 研究紀要 第5号 2013 熊本高等専門学校 研究紀要 第5号 2013 43 表5 PIN11 PIN12 の PIN 出力 PIN11 PIN12 PIN13 PIN13 543 19:41:11

教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか 同時に 障 害 物VR2 と コントローラについても の 距 離 に よ っ て 回 路 の パラメータ設定で 抵抗を変えるよう しきい値を 30 50 70 と設定することで Inhibit 端子間 をプログラムし の移動速度を a 障害物 教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 谷ほか の抵抗が 0Ωまたは 以上であるとき高速 2.2kΩのときバンド 0b 75cm に 4.4kΩのと までの距離が1.5m から1.5m 同時に VR2 コントローラについても パラメータ設定で の間であるとき中速 c 30cm から75cm の間であるとき きバンド 1 に 6.6kΩのときバンド 2 に 10kΩ以上のとき しきい値を 30 50 70 と設定することで Inhibit 端子間 低速 d 30cm 未満であるとき停止するようにした バンド 3 に振り分けられるようにした また バンド 0 で実 の抵抗が 0Ωまたは 2.2kΩのときバンド 0 に 4.4kΩのと 際には 表5のような PIN 出力で抵抗値を変え 速度を切 の速度を 100 バンド 1 での速度を 60 バンド 2 での速度 きバンド 1 に 6.6kΩのときバンド 2 に 10kΩ以上のとき をり替える 30 バンド 3 での速度を 0 にパラメータ設定して 同時に VR2コントローラについても パラメータ設定 バンド 3 に振り分けられるようにした また バンド 0で の速度を調整可能にした 図 14 に Inhibit 端子間の抵抗に で しきい値を30 50 70と設定することで Inhibit 端子 の速度を 100 バンド 1 での速度を 60 バンド 2 での速度 よるバンド振り分けのイメージと VR2 の設定画面を示す 間の抵抗が0Ωまたは2.2k Ωのときバンド0に 4.4k Ωのと を 30 バンド 3 での速度を 0 にパラメータ設定して なお トグルスイッチを取り付け スイッチを切り替え きバンド1に 6.6k Ωのときバンド2に 10k Ω以上のとき の速度を調整可能にした 図 14 に Inhibit 端子間の抵抗に れば障害物検知システムが働かないようにした また バンド3に振り分けられるようにした また バンド0での よるバンド振り分けのイメージと VR2 の設定画面を示す の電源はスマートフォン用モバイルバッテリーか 速度を100 バンド1での速度を60 バンド2での速度を30 なお トグルスイッチを取り付け スイッチを切り替え ら供給した バンド3での速度を0にパラメータ設定して の速度 れば障害物検知システムが働かないようにした また を調整可能にした 図14に Inhibit 端子間の抵抗によるバ の電源はスマートフォン用モバイルバッテリーか ンド振り分けのイメージと VR2の設定画面を示す ら供給した なお トグルスイッチを取り付け スイッチを切り替え れば障害物検知システムが働かないようにした また の電源はスマートフォン用モバイルバッテリーか ら供給した Inhibit 端子間の抵抗によるバンド振り分けの 端子間の抵抗によるバンド振り分けの 図 図14 14 Inhibit イメージと VR2の設定画面 イメージと VR2 の設定画面 5.6 脱輪防止システム 5.6 図 脱輪防止システム 14 Inhibit 端子間の抵抗によるバンド振り分けの 本研究では 乗車中 搭乗者からは車輪の位置がわかり 本研究では 乗車中 搭乗者からは車輪の位置がわかり イメージと VR2 の設定画面 にくいため脱輪等の恐れがあるという問題から 障害物検 にくいため脱輪等の恐れがあるという問題から 障害物検 知システムに加え が脱輪することなく安全に走行 5.6 脱輪防止システム 知システムに加え が脱輪することなく安全に走行で できるようにするためのシステム開発も目指した 本研究では 乗車中 搭乗者からは車輪の位置がわかり きるようにするためのシステム開発も目指した 試作した脱輪防止システムは の足元回りの状況 にくいため脱輪等の恐れがあるという問題から 障害物検 試作した脱輪防止システムは の足元回りの状況 を 複数の赤外線測距モジュールを使用して把握し 走行 知システムに加え が脱輪することなく安全に走行で を 複数の赤外線測距モジュールを使用して把握し 走行 できない程度の段差があった場合に の移動を停止 きるようにするためのシステム開発も目指した できない程度の段差があった場合に の移動を停止さ させるというものである 赤外線測距モジュールを 図15 試作した脱輪防止システムは の足元回りの状況 の位置に取り付け それぞれ地面までの距離を測定する せるというものである 赤外線測距モジュールを 図 15 の 図 12 超音波センサの取り付け位置 図 12 超音波センサの取り付け位置 図12 を 複数の赤外線測距モジュールを使用して把握し 走行 取り付け個数については は後輪駆動で前輪がキャ 位置に取り付け それぞれ地面までの距離を測定する 取 できない程度の段差があった場合に の移動を停止さ スターのようになっているため 前輪に2個ずつ 後輪1個 り付け個数については は後輪駆動で前輪がキャスタ せるというものである 赤外線測距モジュールを 15 の ずつ 計6個のモジュールを取り付けた ーのようになっているため 前輪に 2 個ずつ 後輪 図 1 個ず 超音波センサの取り付け位置 モジュールと地面までの距離が基準より4cm より高い 位置に取り付け それぞれ地面までの距離を測定する 取 つ 計 6 個のモジュールを取り付けた あるいは4cm より低い場合 つまり地面から4cm を超える り付け個数については は後輪駆動で前輪がキャスタ モジュールと地面までの距離が基準より 4cm より高い 段差があった場合に 障害物検知システムと同様の方法で ーのようになっているため 前輪に 2 個ずつ 後輪 1 個ず あるいは 4cm より低い場合 つまり地面から 4cm を超える の移動を停止させる には障害物検知シス つ 計 6 個のモジュールを取り付けた 段差があった場合に 障害物検知システムと同様の方法で テムのプログラムに加え 4cm を超える段差があった場 モジュールと地面までの距離が基準より 4cm より高い の移動を停止させる 合 PIN11 PIN12 PIN13を には障害物検知システ の出力として抵抗値を あるいは 4cm より低い場合 つまり地面から 4cm を超える ムのプログラムに加え 4cm を超える段差があった場合 切り替えるようなプログラムを加えた による制 段差があった場合に 障害物検知システムと同様の方法で PIN11 PIN12 PIN13 を の出力として抵抗値を切り替え 御のおおまかな流れを図16に示す の移動を停止させる には障害物検知システ るようなプログラムを加えた による制御のおおま 100Ω 100Ω 図 13 VR2 と のインターフェース回路 図13 VR2と のインターフェース回路 ムのプログラムに加え 4cm を超える段差があった場合 かな流れを図 16 に示す PIN11 PIN12 PIN13 を の出力として抵抗値を切り替え 図 13 VR2 と のインターフェース回路 るようなプログラムを加えた による制御のおおま Research Reports of Kumamoto-NCT. 5 2013 かな流れを図 16 に示す Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol.Vol. 5 (2013) 6 44 6 44 Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5 (2013) 19:41:12

かし 少しセンサの範囲を外れると対応が遅れることもわ かった 図 17 に走行実験の様子を示す 確認した どちらの場合も脱輪防止システムが働き 1km/ 脱輪防止システムの動作確認は 実際に校内にある段差 h 程度の低速での移動であれば脱輪することなく が を利用して行った ①段差に向かって前進する ②段差に 停止することが確認できた しかし の移動速度が 向かって後進する の 2 パターンで が停止するかを 速くなると停止が間に合わず 脱輪する可能性があること もわかった 図18に動作確認実験の様子を示す 確認した どちらの場合も脱輪防止システムが働き 1km/h なお いずれの場合も 現状では前述のとおり トグル 程度の低速での移動であれば脱輪することなく が停 スイッチで障害物検知システムを切って 緊急停止状態か 止することが確認できた しかし の移動速度が速く ら手動操作で脱出するようにしている なると停止が間に合わず 脱輪する可能性があることもわ かった 図 18 に動作確認実験の様子を示す なお いずれの場合も 現状では前述のとおり トグルス イッチで障害物検知システムを切って 緊急停止状態から 手動操作で脱出するようにしている 図 15 赤外線測距モジュールの取り付け位置 図15 赤外線測距モジュールの取り付け位置 a 壁が対象の停止実験 a) 壁が対象の停止実験 b 人が対象の停止実験 図17 障害物検知システムの動作確認実験の様子 b) 人が対象の停止実験 図 17 障害物検知システムの動作確認実験の様子 図16 による制御の流れ 図 16 による制御の流れ a 前進時の停止実験 6 障害物検知 脱輪防止システムを用いた走行実験 試作した障害物検知 脱輪防止システムが正しく動作す るのかを確認するため 両システムを実装して 走行実験 6 障害物検知 脱輪防止システムを用いた走行実験 を行った 試作した障害物検知 脱輪防止システムが正しく動作す 障害物検知システムの動作確認は 壁に向かって走行速 るのかを確認するため 両システムを実装して 走行実験 度6km/h 程度で を走らせ 正確に減速 停止するか を行った を確認した 実験では 実際に無理なく減速し 壁から a) 前進時の停止実験 10cm から20cm 程度の位置で停止することが確認できた 障害物検知システムの動作確認は 壁に向かって走行速 対象を人にしても 同様に減速 停止することが確認でき 度 6km/h 程度で を走らせ 正確に減速 停止するか た しかし 少しセンサの範囲を外れると対応が遅れるこ を確認した 実験では 実際に無理なく減速し 壁から 10cm ともわかった 図17に走行実験の様子を示す から 20cm 程度の位置で停止することが確認できた 対象を 脱輪防止システムの動作確認は 実際に校内にある段差 人にしても 同様に減速 停止することが確認できた し を利用して行った ①段差に向かって前進する ②段差に 向かって後進する の2パターンで が停止するかを 熊本高等専門学校 研究紀要 第5号 2013 熊本高等専門学校 45 研究紀要 第5号 2013 b 後進時の停止実験 図18 脱輪防止システムの動作確認実験の様子 b) 後進時の停止実験 図 18 脱輪防止システムの動作確認実験の様子 7 45 19:41:13

教育現場でのパーソナルモビリティ の有効性検証 ( 谷ほか ) 7. おわりに今回,3D-CAD ソフトを利用したシミュレータを試作してシミュレーションを行うとともに, 現場で走行実験を行うことで, を校舎内で使用する際の問題点 課題を確認することができた. また, 超音波センサを用いた障害物検知システムを試作し, に取り付けることで, 移動速度を障害物との距離に応じて4 段階で自動調整できるようになった. 更に, 赤外線測距モジュールを用いた脱輪防止システムを試作し,4cm 以上の段差があれば を停止させることが可能となった. これらにより, 障害物や人との接触を避ける, 脱輪を防ぐことが可能となり, の安全性は向上したと考えられる. しかしながら, 現段階では超音波センサを設置しているのは前方の1 箇所のみで, 対象に超音波がうまく当たらなかった場合にはインターフェース回路の抵抗値が切り替わらず, スピード調整ができない. そのため, 障害物や人と が接触してしまう可能性がある. 前方の障害物が動くものであっても, 確実に超音波を当てるように, センサの設置位置, 設置個数を考えて行く必要がある. また, 段差検知についても低速での移動であれば脱輪を防ぐことが可能であるが, 高速での移動では停止が間に合わず脱輪する可能性が高い. 脱輪を完全に防止するには, 赤外線測距モジュールの取り付け位置 個数の改善, 取り付け角度の検討, 他のシステムとの連携等が必要であると考えられる. また, 走行実験で得られたスムーズな移動や学習時の利用に関する問題を解決するシステムの検討も課題となる. 最後に, 本研究での達成点をまとめると以下のようになる. a)3d-cad を利用したシミュレーション 3D-CAD を用いて, を校舎内で運用した際のシミュレーションが可能となり, 教室への出入りやスロープの通過等が確認できた. また建物の構造上, 現状では 本機の乗り入れが難しい場所でも, 使用状況の大まかなシミュレーションが可能であることが分かった. b) 学校現場での走行実験大きく分けて, 使用者と歩行者の安全性, スムーズな移動, 学習時の利用の面などで課題があることがわかった. c) 超音波センサを用いた, 障害物の距離に応じて速度を調整するシステムの試作移動速度を障害物までの距離が1.5m 以上であるとき高速,75cm から1.5m の間であるとき中速,30cm から 75cm の間であるとき低速,30cm 未満であるとき停止の 4 段階で調整し, 衝突安全性を高めた. d) 赤外線測距モジュールを用いた, 段差のあるところで の移動を停止するシステムの試作 4cm 以上の段差がある場合に の移動を停止し, 脱輪を防ぐことが可能となった. 以上の結果を踏まえ, 今後は, さらに安全性を高めた, より教育現場で利用しやすいモビリティにするための 改良に向けた設計提案を行っていく必要があると考えている. ( 平成 25 年 9 月 25 日受付 ) ( 平成 25 年 12 月 3 日受理 ) 参考文献 1) 谷亮輔 開豊 下田貞幸 山下徹, 教育現場におけるパーソナルモビリティ の有効性検証 - 八代キャンパスでの走行実験と改良検討 -, 第 11 回電子情報系高専フォーラム講演論文集,(2012), pp35-38. 2)f-cite.com, 2 号機パンフレット, URL: http://f-cite.com/stavi2.pdf. 3)PG Drives Technology,SK77898/3,( 2007), pp61-66, URL:http://sunrise.pgdrivestechnology.com/manuals/pgdt_ vr2_manual_sk77898-03.pdf. 4)Parallax Inc,PING Ultrasonic Distance Sensor (#28015), (2008), pp1-2, URL:http://www.parallax.com/Portals/0/Downloads/docs/ prod/acc/28015-ping-v1.5.pdf. 5)sharp-world.com, データシート, URL:http://sharp-world.com/products/device/lineup/data/pdf/ datasheet/gp2y0a21yk_e.pdf. 6) 河連庸子 山崎文徳 神原健, スーパーナビゲーション,(2012), 1 章, 株式会社リックテレコム. 46 Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5(2013)