Autodesk Inventor 2008 Skill Builders Autodesk Inventor 2008 スカルプ この Skill Builder では 用意されているサンプルファイルに対して [ スカルプ ] ツールを使用し 複雑なパーツ形状を作成します 完成品を参照できるよう サンプルファイルは完成状態で提供されています この Skill Builder の手順をすべて実行するためには [ パーツの終端 ] マーカーを戻して既存のスカルプフィーチャを削除した後 残っているサーフェスを使用してスカルプフィーチャを再度作成します スカルプでは 選択セット内のサーフェス 面 または作業平面を使用して マテリアルを削除または追加する 3D 領域を定義します 複雑なロフトやスイープを使用して作成されたサーフェスと面では 非常に高度な形状を作成できます さらにスカルプを使用すると そのレベルをさらに高めることができます スカルプを使用して これ以外の方法では構築が不可能あるいは非常に難しい 複雑で洗練されたソリッド形状を作成できます まず 使用するファイルを格納した zip ファイルをダウンロードし パーツを開いてください このパーツのソリッド部分は 3 つのスカルプを使用して作成されています うち 2 つは ピッチャー本体を定義しており もう 1 つは持ち手を定義しています 1
その後 パーツの仕上げとして フィレットが追加されています スカルプのワークフローで時間がかかるのは ロフトサーフェスなどを必要な位置および目的の形状にしたがって作成する作業です その他のワークフローと同じく 時間をかければそれだけ良いものができます 目的のスカルプ形状を作成するためには 定義するサーフェスの作成と調整にかなりの時間を費やす必要があ 2
るでしょう これに比べて スカルプの操作自体は非常に簡単です Inventor のその他のワークフローと同じく スカルプを使用する場合にも モデリングの作業を開始する前に 設計ができるだけ単純 簡潔 かつ堅固となるよう計画することが重要だということを忘れないでください 注 : 本 Skill Builder では ジオメトリ ( 形状 スケッチの総称 ) を作成する必要はありません 作業開始 Autodesk Inventor 2008 を起動します はじめに ブラウザ上で [Sculpt - interior] ノードの下に [ パーツの終端 ] マーカーをドラッグします [Sculpt - exterior] と [Sculpt - interior] の 2 つのスカルプノードを選択して右クリックし [ 削除 ] します ([ フィーチャを削除 ] ダイアログボックスが表示された場合は [ 使用済みスケッチと使用済みフィーチャ ] の横のチェックマークを外し [OK] をクリックします ) ピッチャーの本体を定義している 3 つのロフトサーフェスが残ります 3
最初に ピッチャーの外側の面を定義するロフトサーフェスを詳しく調べていきましょう [LoftSrf - exterior] ノードの下に [ パーツの終端 ] マーカーをドラッグし その後ノードを展開します 4
各スケッチノードの上にカーソルを置くと ブラウザでスケッチがハイライト表示されます スケッチ 1 は ピッチャーの底を定義しています スケッチ 2 は 上部を定義しています 5
このスケッチは 基準 (Origin) の XY Plane からオフセットされた作業平面上に作成されています スケッチ 3 とスケッチ 4 は 基準の XZ Plane 上に作成されており 側部のプロファイルを定義するためのガイドレールとして使用されました 6
パーツモデルを作成するときは 可能な限り 基準ジオメトリ (Origin のジオメトリ ) に対してフィーチャを定義するようにしましょう 基準ジオメトリは 変化 移動することがないため モデルが安定しますし 他の人が見ても理解しやすくなります たとえば スケッチ 1 とスケッチ 2 の中心は 基準の Center Point に置かれているため ガイドレールスケッチを基準の XZ Plane 上に作成できます 設計意図は ガイドレールをパーツの中心断面上に配置することです 基準ジオメトリをうまく使用することで 追加の構築ジオメトリ ( 作業平面 作業軸 作業点 ) を使用しなくても レールを中心に配置できます パーツの終端マーカーを [LoftSrf - top] のすぐ下へ移動させます 7
ノードを展開して カーソルをスケッチ 5 の上に置きます このスケッチは ロフトの中心のプロファイルであり ピッチャーの注ぎ口の中心を定義しています スケッチ 6 とスケッチ 8 は ロフト範囲の始点と終点を定義しています 8
スケッチ 9 は ガイドレールとしてスケッチ 5 と連携し ロフトの注ぎ口の形状をコントロールしています スケッチ 11 は スケッチ 9 の反対側のガイドレールです 9
このガイドレールがないと スケッチ 5 およびスケッチ 9 で定義された形状が ロフトプロファイルの全体に適用されてしまい 設計意図に沿わないものとなります 以下のイメージは スケッチ 11 がない場合のサーフェスを示しています スケッチ 6 8 9 11 は 基準平面からオフセットされた作業平面上に作成されています 10
最後に パーツの終端マーカーを [LoftSrf - interior] の下にドラッグします このロフトは ピッチャーの内側の形状を定義するために使用しています スケッチ 12 は ロフトの下部を定義しています 11
スケッチ 13 は ロフトの上部を定義しています このスケッチは スケッチ 2 (LoftSrf - exterior に含まれる ) を投影して オフセットすることにより作成されています スケッチ 14 とスケッチ 15 はガイドレールです 対になっているガイドレールスケッチ 3 とスケッチ 4 (LoftSrf - exterior に含まれる ) に密接に連動します スカルプの境界ジオメトリを設定するときは サーフェスと面を組み合わせてどのようにスカルプ形状を定義するかを 大まかにでも思い描けている必要があります ただし 最終的な形状を正確に決めておく必要はありません スカルプを作成した後で サーフェスを編集したり調整したりできます 12
これで 最初のスカルプ つまりピッチャーの外側の部分を作成する準備ができました [ スカルプ ] メニューをクリックします [ フィーチャープレビューを有効化 / 無効化 ] オプションが選択されていることを確認します [LoftSrf - top] を選択します ( ブラウザ内でも選択できます ) 13
[LoftSrf - exterior] を選択します スカルプに開いた領域が含まれているため ソリッドはまだプレビューされません スカルプがうまく機能するには スカルプ領域が完全に閉じている必要があります この例では スカルプの下部がまだ定義されていません ブラウザで [Origin] フォルダを展開し [XY Plane] を選択します このように スカルプで閉じた領域を設定するために基準および作業平面を使用することもできます この基準平面は ピッチャーの底と一致しているため 基準平面をスカルプの定義に使用できるので 追加の作業平面やサーフェスを作成する必要はありません 14
領域が完全に閉じられたと Inventor が判断すると スカルプがプレビューされますので その後 [OK] をクリックします ピッチャーの内側の部分を定義するのに シェルが使用できそうに見えます ただし今回は 外側サーフェスに対して内側サーフェスにテーパを付けるという設計意図であるため シェルは使用できません その場合 シェル以外にあと 2 つの方法があります 1 つは 現在 LoftSrf - interior が使用しているスケッチを利用してロフトのソリッドを作成し 内部部分をカットする方法です 15
もう 1 つは 別のスカルプを使用する方法です この方法は ロフトソリッドを使用する方法よりも やや効率に务ります しかし ここではスカルプ形状の追加に加えて 形状の除去の方法も説明するためスカルプを使用します スペースバーを押して [ スカルプ ] コマンドを再度アクティブにします (Inventor でスペースバーを押すと 直前に使用したコマンドがアクティブになります ) [ 除去 ] オプションを選択します 除去に使用する 1 つ目のジオメトリとして [LoftSrf - interior] を選択します 2 つ目として [ 作業平面 6] を選択し スカルプの下部を定義します 16
3 つ目として [ 作業平面 1] を選択して スカルプの上部を定義します [OK] をクリックします 17
ところで スカルプの境界を定義するジオメトリを選択しているときに 各選択項目に記号がアタッチされていました これらは 除去方向を指定するためのコントロールです この例では 外側サーフェスに囲まれた内側サーフェスが 2 つの作業平面と交差しています このプレビューは 内側サーフェスと 2 つの作業平面を選択したときの既定値のスカルプを示しています 18
サーフェス選択にアタッチされたコントロール上の矢印を選択すると その矢印の方向 この例では 選択されたサーフェスの外側に向かって反転します また 反転した範囲を定義するには 境界ジオメトリが必要です もう 1 つスカルプを加えれば パーツはほぼ完成です パーツの終端マーカーを [Sculpt - handle] の下に移動します 19
[Sculpt - handle] を削除します ( 使用されているサーフェスはそのまま残り 表示された状態が保持されます ) [ スカルプ ] ツールをクリックします 次のイメージに示す各サーフェスを選択します ([Mirror2] も選択に含めてください ) 20
内側サーフェスの矢印コントロールが すべてのサーフェス上のコントロールと同じく 両方向を指しています これは この例では 関連付けられた領域が 既定値で両側まで材料で埋められる ( 必要な境界ジオメトリがある場合 ) ことを示します 以下のイメージに示すコントロール矢印をクリックします これは 材料を追加または材料を除去の操作を どちら側に対して実行するかを指定します さらに この選択は コントロールの反対側の矢印が 現在の状態の逆に切り替わることを示します 現在 材料を追加するように設定されている場合は除去に切り替わります 逆も同様です この例では この選択は ループの内側ではなく外側を材料で埋めることを表しています スカルプがプレビュー表示されます 記号が単一矢印に切り替わった場合も 記号の上にカーソルを置くと反対の矢印が使用可能になります ( 矢印は選択しないでください ) 21
この矢印で切り替えコントロールすることもできます 現在 材料を追加するように示されている場合 関連付けられた矢印を選択すると除去に切り替わります 逆も同様です [OK] をクリックする前に ダイアログボックスを展開します グラフィックウィンドウで方向コントロールを使用する代わりに 方向アイコンを選択して 矢印を反転することもできます ( この例では アイコンを選択して切り替えることはしないでください ) [OK] をクリックします 22
以降 このパーツを完成させるためには エッジにフィレットを追加します 元のスカルプジオメトリはこのワークフローで失われているため パーツの終端マーカーを移動すると既存のフィレットはエラーになりますので 以下のイメージで 元のフィレットを確認しましょう なお 今回のこの Skill Builder ではフィレットを作成する手順は行いません しかし 後ほどご自分でフィレットを作成してみるのもよいでしょう その際には 持ち手に対するフィレットの作成順序が重要であることが確認できるでしょう たとえば 持ち手とピッチャー本体の間のフィレットは 持ち手の外側にラウンドを作成する前に作成する必要があります もちろん フィレットの半径も フィレットが成功するかどうかに影響します さまざまな半径のフィレットを試すことで より高度で精巧な形状を作成することもできます もう 1 つヒントを紹介して終了しましょう 持ち手の形状に少し調整が必要であるとします ブラウザで [ スカルプ 14] ノードを展開し [ 回転サーフェス 2] を右クリックして [ スケッチ編集 ] を選択します 23
目的は スケッチスプラインを調整することですが 持ち手の外側サーフェスのスケッチループが参照用に表示されている必要があります [ 回転サーフェス 1] の下にある [ スケッチ 22] を右クリックし [ 表示設定 ] を選択します これで外側のループを 内側のループを調整するときの参照に使用できるようになりました さらに [ スケッチ 23] が編集モードにある間は [ スケッチ 22] も調整できます 実際 スケッチジオメトリをドラッグしたいだけの場合 スケッチは表示されている必要がありますが 編集モードになっている必要はありません ジオメトリをドラッグした後 [ 更新 ] ツールをクリックすることで 関連するジオメトリを更新します 24
スカルプは 特に [ ロフト ] [ スイープ ] [ 面の置換 ] [ フィレット ] などの その他の形状作成ツールとともに使用すれば さまざまな複雑な形状を作成できます 作業のメインは スカルプの境界ジオメトリの設定です また 前にも述べたとおり Inventor のその他の設計ワークフローと同じように スカルプを使用する場合も 基準をしっかり決めて 堅固で編集も容易なパーツにすることを事前に計画することが重要です Autodesk Inventor は 米国 Autodesk, Inc. の米国およびその他の国における商標または登録商標です その他記載の会社名 ブランド名および商品名は 各社の商標または登録商標です 記載事項は 予告なく変更することがございます 予めご了承ください 2007 Autodesk, Inc. All rights reserved. 25