東京都縮尺 1/2500 地形図 ( 平成 27 年度版 ) のご使用方法について 株式会社ミッドマップ東京 第 1 章. 東京都縮尺 1/2500 地形図 とは 東京都縮尺 1/2500 地形図 は 東京都都市計画図を作成するために作られたものであり この地形図をもとに土地利用現況が調査され その調査結果に基づいた用途や地区計画が立てられます このため この地形図は縮尺 1/2500( 標準偏差約 1.75m 以内 ) の精度が必要となっており 道路骨格 ( 道路幅員 歩道 中央分離帯 ) については 1/1000 の精度 ( 標準偏差 70cm 以内 ) を有しています この地形図は 行政が管理している空間として表現できる情報を一つの地図上に重ねることができます 今まで各部署単位で個々に調達していた地図をこの地図上で管理 (A 部の持っている情報を同じ位置精度で B 部の図面上に表示するなど ) することにより 交互の情報流通により効率化が図られ 結果的にコストの圧縮等の費用対効果が期待できます ご利用できる地形図データの概要は次のとおりです 詳しい製品仕様は 弊社ホームページから製品説明書をダウンロードのうえご覧下さい http://www.midmap-t.co.jp/download/index.html (1) 数値地形図データ(DM) ファイル 数値地形図データ (DM) ファイルは 国土地理院が定めた公共測量用の数値地形図データファイルです このデータファイルには 道路形状 建物形状 等高線 行政界線などの 線データ と 記号などの 点データ および主要な建物の名称や標高値などの 文字データ が項目ごとにコード分類 ( 約 300) され 国土基本図の図郭 (2 1.5km) を1ファイルとしてデータ格納されています 23 区全体では274 図郭に分けられています このデータファイルは テキスト形式で記述されています DM 形式対応の CAD などを用いれば 各地形 ( 道路 家屋など ) ごとに選択表示することができますので 作成される地形図や地図に応じた表現 ( 表示 非表示 線種変更 線幅変更など ) を行うことができます また CAD により新たに地形情報を加えることもできます ( 例 : 道路計画線 開発区域線など ) <コード例 > 行政界 1101~1106 道路等 2101~2238 鉄道等 2301~2428 等 このデータはウインドウズなどのOSについているようなプログラムでは見ることは出来ません DM 専用のソフトウェアもしくは DM を汎用性のあるフォーマットへ変換することが必要になりま 1/7
す なお 東京都縮尺 1/2,500 地形図 ( 平成 27 年度版 ) は 拡張 DM フォーマットになっていますので 変換の際は注意願います (2) 構造化データファイル 構造化データファイルは 地理情報システム (GIS) に使用できるデータファイルであり 先の数値地形図データ (DM) ファイルから抽出された 行政界 建物 一般道路 等高線 水部 トンネル名 橋梁名 が シェープ(SHAPE) という形式で構築されています このデータファイルは 数値地形図データ (DM) ファイル同様の位置精度 ( トンネル名 橋梁名を除く ) を有しています GIS を用いれば各地形 ( 道路 建物など ) ごとに選択表示することができます 個々の地形ごとに固有のIDや属性情報を持っていますので 道路別や建物の種類別に色分け表示等を行うことや 新たな情報を地形の属性値として加えることも可能です また 作成したい地図に応じた表現 ( 表示 非表示 ) を行うことや 新たに地形を加えることもできます このデータもウインドウズなどのOSについているようなプログラムでは見ることは出来ません GIS 専用のソフトウェアが必要になります 詳しくは後掲第 2 章を参考にしてください (3) 地形図原図 地形図原図は 先の数値地形図データ (DM) ファイルを マイラー と称される樹脂製の原図に製版したものです いわゆる 陽画印刷 / 青焼き するための原図です 官公署庁に属する機関であれば 弊社からマイラー原図を借用し 自らの費用により複製物 ( 第二原図 ) を作成することが出来ます 2/7
第 2 章. 各種地形図での東京都縮尺 1/2500 地形図の使い方について この地形図データを基に必要な情報を加えることにより 各種法律等に定められた公共測量図からデザイン的やイラスト的な地図などを作成することができます 2-1 公共測量図 ( 精度を要求される地図 ) を作成する場合次の事例に示すような地図を作成する殆どの場合 測量精度が必要となりますので 数値地形図データ (DM) ファイルを用います 都市計画図 道路台帳 下水道台帳 上水道台帳 路線価図 公園台帳 各種土地利用規制に関する地形図および申請図書 災害ハザード( 防災 ) マップ 文化財マップ その他位置精度を要求される地図 (1) 作成を委託する場合企業へ作成を委託する場合 殆どの測量系企業は DM ファイルを CAD などのソフトウェア用の形式にデータ変換して作成できますので 特に問題なく本データを委託業者に貸与することができます しかし 一部のコンサルタント会社や設計業者では DM ファイルを使用できないために DWG/DXF 形式を要求されることがあります この場合 DM ファイルを変換プログラムにて DWG/DXF 形式に変換の上 CAD に読み込むことにより使用することができます 委託業務の特記仕様書では DM ファイルを使用し 等を明記し DM ファイルを取り扱える企業に受託させることが望ましいといえます (2) 設計図書や申請書のために自ら CAD を用いて作成したい場合申請図書などは 公共測量の精度と地図図式による表示が必要ですので 数値地形図データ (DM) ファイルを CAD に読み込んで使用することができます このデータファイルを使用するには CAD 等のソフトウェアが別途必要です また 多くの CAD は DM ファイルを直接読み込めないため DM ファイルを変換プログラムによって DWG または DXF に変換する必要があります CAD には 簡単な線画機能等が出来る廉価なものや 3D 表示等が出来る 50 万円以上の高価なものまで様々なソフトウェアがあります 使用目的に応じた CAD を選択する事が望ましいので 3/7
ご不明の場合は ご使用される CAD メーカへ直接お問合せください ( 弊社では CAD のご案内を行うことが出来ません ) 2-2 特に精度を要しない地図 ( デザイン的なもの ) を作成する場合比較的精度を要求しない案内図的なものを作成する場合については 数値地形図データ (DM) ファイルや構造化データファイルをイラストデザイン系のソフトウェアを用いて使用することができます この場合 数値地形図データ (DM) ファイルや構造化データファイルをデザイン印刷系のソフトウェア ( 例えば アドビ イラストレーターなど ) 用のファイル形式に変換する必要があります 作成を委託される場合は 委託業者に DM ファイルを変換できることについて確認することが重要です なお 汎用製のある画像ファイル (TIFF や JPEG など ) に変換しておけば 画像編集ソフト ( ウインドウズなどに入っているペイントなど ) を使用し 簡単な案内図程度のものは作成できます 観光マップ 工事案内図 各種イベントの配布図 学校などの行事 2-3 各種地図システムに使用する場合次の事例に示すような地図に関係するシステムは 地理情報システム (GIS) といわれるものです 建物の形状や道路と他の情報を関連つけて 様々な管理ができるものです GIS の殆どのソフトウェアは 構造化データファイルのシェープ (SHAPE) 形式をそのまま読み込めます また 数値地形図データ (DM) ファイルも形式を変換することにより GIS に読み込んで使用することができます この場合 GIS に変換機能を有するものもありますが 多くの場合別途変換プログラムにて所定のフォーマットへ変換して読み込むことになります 詳細は GIS システムの開発業者もしくはシステム管理者にご確認ください なお 殆どの GIS を取り扱える企業は 数値地形図データファイル (DM) や構造化データファイル (SHAPE) を取り扱えますので ご安心下さい 道路管理システム 都市情報システム 下水道管理システム 福祉情報システム 防災情報システム 全庁型 GIS 地理情報システム (GIS) は フリーウェアから 4,000 円程度と廉価なものや 100 万円以上する 4/7
高価なものまで多様です 構造化データを単に見たり 線種ごとに色分けて印刷する程度であれば インターネット上にフリーソフトウェアがいくつかありますので 試してみては如何でしょうか 2-4 シミュレーション及び各種分析等への利用各種シミュレーションプログラムがあれば 構造化データファイルを用いて次の事例に示す分析を行うことも出来ます この場合 構造化データファイルの各ポリゴン ( 道路 建物 ) に物性値を追加し 他の物性データ ( 深度 地盤データ 建物構造など ) を整備する必要があります 構造化データファイルはシェープ (SHAPE) 形式ですので シミュレーションプログラムに応じたフォーマットに変更する必要があります 専門性が必要ですので シミュレーションを委託する企業や 実際にお持ちであればプログラム開発した企業にご確認ください なお 殆どの企業ではシェープ (SHAPE) 形式は問題なく使用することが出来ます 浸水シミュレーション 地震被害シミュレーション 集客等マーケット分析 3. 経度緯度について ( 参考 ) 東京都縮尺 1/2,500 地形図の各地物の位置座標は 平面直角座標系が採用されており 原点からの南北方向の距離と東西方向の距離で表示されています この平面直角座標のXYの座標値を基に 経緯度換算計算することにより経度 緯度に変換することができます 東京都は 平面直角座標系の9 系域 ( 小笠原諸島のみ 14 系 ) に位置し 本地形図の座標の原点は 北緯 36 度 0 分 0 秒 000 東経 139 度 50 分 0 秒 000 となっています 計算式は測量の世界では一般的な式ですので 測量関係の書籍を参考に求めてみてください 但しこの計算は難しく 計算が苦手な方は 国土交通省国土地理院のホームページのサイト内にある 経度 緯度への換算 のプログラムを利用することをお勧めします メニュ- 画面に座標値を直接入力すれば すぐに計算してくれるたいへん便利なプログラムです 国土地理院ホームページサイト : 便利なプログラム データ> 測量計算 > 経度 緯度への変換 (http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/program.html) 入力設定値は次のとおりです 測地系 : 世界測地系平面直角座標 :9 系 X 座標 : 地形図から読み取った縦軸の値 (m 単位 ) Y 座標 : 地形図から読み取った横軸の値 (m 単位 ) 5/7
4. 真北について ( 参考 ) 東京都縮尺 1/2,500 地形図の各地物の位置座標は 平面直角座標系が採用されており 原点からの南北方向の距離と東西方向の距離で表示されていることは 先に述べたとおりです この平面直角座標系で作られている地形図は 下図に示すように 原点を通る子午線方向を各図郭の縦線として 赤道方向を横線とした方眼 ( メッシュ ) で構成されています すなわち 東京都縮尺 1/2,500 地形図の各図郭の縦線の上 ( 北 ) 方向が 方眼北 となります 真北 は 下図の北極点を示す方向であり 真北 の方向は 方眼北 からの角度で示しています 偏差の向き ( 東西 ) については この図郭が平面直角座標の原点を通る子午線のどちら側にあるかで判断します 真北 を求めるには 地形図上で X Y 座標を求め その値を先に紹介した国土地理院ホームページサイト : 便利なプログラム データ> 測量計算 > 経度 緯度への変換プログラムに入力すれば 真北 の向きを求めることが出来ます 子午線X 座標 (+) 方眼北 真北 真北 方眼北 東偏差〇〇度 西偏差〇〇度 図郭 (-) 原点 Y 座標 (+) ( 平面直角座標系 9 系 ) 図郭枠 : 方眼 (-) 子午線の西か東かを判断するには 地形図からY 座標を読み取ることで確認できます すなわち Y 座標がプラス (+) であれば原点の東側ですので 真北は西偏 度となります 一方 Y 座標がマイナス (-) であれば原点の西側に位置しているので 真北は東偏 度となります 6/7
4. お問合せ 東京都縮尺 1/2500 地形図の各地形図データの使用方法および製品仕様についてご不明な点があれば 弊社ホームページ または コールセンターまでお問合せください ホームページ : http://www.midmap-t.co.jp/index.html E-mail : midmap@midmap-t.co.jp コールセンター : 03-3714-9833 7/7