凡例 : 埋立て地ガス : 都市下水と産業廃水の汚泥ガス : その他 ( 分散型農業施設 都市ごみメタン化施設 集約型混合消化施設 ) フランスの海外県は含まず 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 EurObserv'ER 図 1-1 EU

Similar documents
2. 固形バイオマスバロメーター : 木質チップの輸送固形バイオマスには熱や電力を生産する燃料として使用すべき全ての固形有機成分が含まれる ( 木材 木質廃棄物 ペレット 黒液 バガス ( サトウキビやモロコシなどの茎から汁をしぼりとった後のかす ) 動物性廃棄物 その他の植物や残さ など) 毎年

untitled

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

<4D F736F F D F E BF CC8D918DDB93498FA48BC689BB93578A4A82CC8DC C837C815B C48D91816A2E646F6378>

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

001

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

EPSON Safety Instructions Manual

Slide 1

untitled

資料2  SJAC提出資料

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

.C.O \..1_4

事例2_自動車用材料

DOCSIS 3.0( 単独 ) LTE WiMAX 衛星ブロードバンド 各技術を統合した算出基準 : ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星ブロードバンドを除いた上記の接続技術を対象 固定ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星 HSPA LTE を除いた上記の接続技術を対象 NGA カバレッジ -

Microsoft PowerPoint EU経済格差

豊田通商株式会社 CSR Report 2011

海外たばこ事業実績補足資料(2015 年1-3 月期)

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

プロジェクト概要 ホーチミン市の卸売市場で発生する有機廃棄物を分別回収し 市場内に設置するメタン発酵システムで嫌気処理を行なう また 回収したバイオガスを利用してコジェネレーション設備で発電および熱回収を行ない市場内に供給する さらに メタン発酵後の残さから堆肥メタン発酵後の残さから堆肥 液肥を生産

Microsoft Word doc

事例8_ホール素子

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

Microsoft Word - 10 統計 参考.doc

デンマークの農業 デンマーク農業理事会

2007年12月10日 初稿

別添 4 レファレンスアプローチと部門別アプローチの比較とエネルギー収支 A4.2. CO 2 排出量の差異について 1990~2012 年度における CO 2 排出量の差異の変動幅は -1.92%(2002 年度 )~1.96%(2008 年度 ) となっている なお エネルギーとして利用された廃

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) ( フリガナ ) エンジニアウッドミヤザキジギョウ実施者名キョウドウクミアイエンジニアウッド宮崎事業協同組合住所 宮崎県都城市吉尾町 プロジェクト代

国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

Microsoft Word - funding-carbon-capture-storage-developing-countries-japanese

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

(2) 技術開発計画 1 実施体制 環境省 明和工業株式会社 ( 共同実施者 ) 国立大学法人東京工業大学 (2) ガス利用システムの技術開発エンジン発電機の試験運転における稼働状況の確認 評価 (3) 軽質タール利用技術開発エンジン発電機を用いた燃焼試験 (4) トータルシステムの技術開発物質 熱

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

外国人旅行者の受入環境の整備に関する行政評価・監視_参考資料

2017 年 1 月 18 日 植物由来プラスチック 合成繊維を対象に含む商品類型における 認定基準の部分的な改定について 公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局 1. 改定の概要エコマークでは 植物由来プラスチック 合成繊維に関して 2014 年から調査を行い 2015 年 4 月に エコマー

<4D F736F F D E9197BF342D32817A B7982D BF CC8EA993AE8ED482C98AD682B782E990A28A458B5A8F708B4B91A582CC93B193FC8B7982D18D B4B91A D A89BB82C982C282A282C42E646F6378>

アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

お知らせ

訪日外国人旅行者数の推移 2015 年 9 月の訪日外国人旅行者数は 9 月として過去最高となる 万人 ( 前年比 46.7% 増 ) 1~9 月の合計では 1,448.8 万人 ( 前年比 48.8% 増 ) となった 10 月 9 日時点で 1500 万人を超えたことを確認しており

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

ポーランド インフラマップ ( エネルギー分野 ) 2014 年 3 月 ジェトロ ワルシャワ事務所

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット


GDP TFP CRD

リーダーシップ声明

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

2017年12月期 第3四半期 JTI業績報告資料

Microsoft Word ミル消費報告2014

S L A,Smax I II 70 db 75 db I II I L A L A,Fmax L A,Smax L AE 7:0022:00 L Aeq 60 db 22:007:00 L Aeq 55 db db A F S L day L d

<4D F736F F F696E74202D F18D908F915F967B95D E291AB957482AB816A C A2E707074>

参考資料2 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 2016年

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

Microsoft Word 後藤佑介.doc

バイオ燃料

Microsoft PowerPoint _04_槌屋.ppt [互換モード]

RIETI Highlight Vol.66

(Microsoft Word \224N\203\215\203V\203A\213\311\223\214\223\212\216\221.doc)

1999

<4D F736F F F696E74202D F43444D838D815B D B988C493E089F090E08F91816A5F8CF68EAE94C5>

第1章

北杜市新エネルギービジョン

PowerPoint Presentation

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc


Microsoft Word - 報告書.doc

Descartes Systems Group

IFRS基礎講座 IAS第11号/18号 収益

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

JNTO

地域別世界のエアコン需要の推定について 2018 年 4 月一般社団法人日本冷凍空調工業会日本冷凍空調工業会ではこのほど 2017 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので 今回は 2012 年から 20

参考:労働統計機関一覧|データブック国際労働比較2018|JILPT

化繊輸入は 近年上昇を続けており 2016 年は前年比 10% 増の 43 万トンとなりました 素材別には ポリエステル F 長繊維不織布が中心ですが 2016 年はポリエステル S の輸入も大幅増となりました 化学繊維輸出推移 化学繊維輸入推移 生産が微減 輸出が横ばい 輸

プラ協マテリアル2017.indd

[000]目次.indd

第 24 回 GLP 研修会 平成 31 年 1 月 21 日東京平成 31 年 1 月 25 日大阪 OECD GLP における最近の活動について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構信頼性保証部主任専門員三枝由紀恵 1

<4D F736F F D20819A F F15F907D955C93FC82E F193B989F08BD682C882B5816A2E646F6378>

WSW わたしたちが体現するものは? ヴッパータールの安全でクリーンな交通 ヴッパータールの電力 天然ガス エネルギーサービス 年間 9000 万人の乗客 廃棄物の処理 地域アイデンティティー わたしたちはヴッパータールだ 飲用水の生産と汚水の処理 パートナーシップ 人と環境に対する責任 実現化 安

でに占めている この傾向は 他国では得られない政策的なインセンティブによって 大規模な支援が与えられてきたことによるものだ ドイツでは 古い風力発電タービンを新しいタービンに交換するかまたはリパワリングのために古いタービンを利用する運営事業者は 固定価格 (FIT) での買取りに加えて 1 キロワッ

【ロシア最新経済金融週報】

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

Microsoft Word - 市場調査レポートサンプル(Website用).doc


2017年度 JTI業績報告資料

( 出所 ) 中国自動車工業協会公表資料等より作成現在 中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である 15 年に販売された電気自動車のうち 約 6 割が乗用車で 約 4 割弱がバスであった 乗用車の中で 整備重量が1,kg 以下の小型車が9 割近くを占めた 14 年 8

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

Microsoft PowerPoint - 3rdQuarterPresentations2013_J03.ppt

Microsoft PowerPoint - 決算説明資料2(日).ppt

情報報告 ウィーン EBA Conference 2016( その 1) 2016 年 9 月 27 日から 28 日にかけ 欧州バイオガス協会 (EBA) が主催する年次会議 EBA Conference 2016 が ベルギーの Ghent で開催された 今回は 本会議の配布資料 Success

Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 4 % Fheat, ΔTheat, 事業実施後の設備で加熱された温水の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差

6.indd

イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

Microsoft PowerPoint - 資料2 【最終版】AMR現状と対応161201

Transcription:

情報報告 ウィーン 欧州のバイオガスの現状 ~EUROBSERV ER~ 欧州の再生可能エネルギーの様々な部門の発展の監視を行うコンソーシアムである EurObserv ER が発行した固形バイオマスに関するレポート Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 を以下に報告する 欧州のバイオガスの現状 ~EurObserv'ER バローメータ ~ EurObserv'ER( フランス ) 1. はじめにバイオガスのエネルギー使用量は EU 全体で継続して拡大している EurObserv ERによると 2013 年に約 1,340 万 toe( 石油換算トン ) のバイオガスの一次エネルギーが生産され 2012 年と比べて10.2% 増の120 万 toe 以上拡大している しかし バイオガス部門の勢いは 2012 年 (2011 年から2012 年の間に16.9% の増加 ) よりも緩やかであり 2014 年には この部門の拡大を制御する政策変更がエネルギー用作物の将来の使用を制限することになる多くの国でその勢いをいくぶん失うことが予想されている 2013 年の EU におけるバイオガスに使用に関する主要な数値は以下のとおり バイオガス由来の一次エネルギー生産量は 10.2% の成長 バイオガス由来の一次エネルギー生産量は 1,340 万 toe バイオガス由来の電力は 52.3 テラワット時 (TWh:100 万メガワット時 ) エネルギー回収 ( リカバリー ) のために特別に設計された嫌気性消化槽はEU 全体で大半のバイオガスを生産している その施設には 農家の小型の嫌気性消化槽から大型の混合消化 ( または 複合製品 ) 施設や家庭ごみからのメタン生産施設までのさまざまな形式と大きさがある バイオガス施設の原料供給 ( 原材料 ) は 通常 スラリー 農業廃棄物 草木類ごみ 食品加工残さ 家庭ごみなどであるが 炭素を投入することによってメタン化反応を最適化させるため 中間作物 ( アブラナ科植物 草など ) のような栽培された農業作物やその他のエネルギー作物 ( トウモロコシなど ) も使用できる その他のバイオガス という包括的用語は 下水汚泥だけからメタンを生産する廃水処理施設で生産されたバイオガスおよび産業施設で生産されずに埋立て処分場の内部で直接回収される埋立て地ガスと区別するために 便宜上 使用する 2.2013 年のEUのバイオガス生産量 2013 年のバイオガス由来エネルギーの出力はほぼ1,340 万 toeであり 再び 二桁の成長を記録した (2012 年から10.2% の増加 ) しかし バイオガス部門では EUの2つの主要生産国 ( ドイツ イタリア ) の政策変更によって勢いが失われたことが確認されている ( 表 1-1 参照 ) この減少は 2010 年から2011 年時の21.7% の増加から2011 年から2012 年時の16.9% まで下落した事実から判断すると 2012 年に始まっている 40

凡例 : 埋立て地ガス : 都市下水と産業廃水の汚泥ガス : その他 ( 分散型農業施設 都市ごみメタン化施設 集約型混合消化施設 ) フランスの海外県は含まず 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 EurObserv'ER 図 1-1 EUにおけるバイオガスの一次エネルギー生産量 (2012 年から2013 年 ) 緑色の数値はバイオガス生産量の総量を示す ( 単位 :ktoe) 約 30 の農家が年間に 12 万トンのバイオマスを供給し 年間に約 1,500 万立法メートル (m 3 ) のバイオメタンを生産する 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 EurObserv'ER 図 1-2 ドイツ (Konnern) のバイオメタン精製施設 41

国 表 1-1 EU 各国におけるバイオガス由来の一次エネルギーの生産量 名 埋立て地 2012 年 (ktoe) 2013 年 (ktoe) 下水汚泥 (1) その他 (2) 合計 埋立て地 下水汚泥 (1) その他 (2) Germany 123.7 372.1 5920.4 6416.2 108.8 392.8 6,215.3 6,716.8 United Kingdom 1,533.9 269.7 0.0 1,803.6 1,538.2 286.2 0.0 1,824.4 Italy 370.6 42.0 766.1 1,178.8 410.8 48.5 1,356.1 1,815.4 Czech Republic 31.7 39.4 303.8 374.9 28.9 39.6 502.5 571.1 France ( 海外県は含まず ) 合計 279.1 79.6 53.3 412.0 280.0 80.0 105.0 465.0 Netherlands 29.9 53.1 214.5 297.5 24.6 57.8 220.3 302.8 Spain 140.8 33.8 116.2 290.8 124.0 29.8 102.4 256.1 Poland 53.7 79.3 60.8 193.8 61.8 91.2 98.2 251.2 Austria 3.8 18.2 184.3 206.4 3.7 18.4 174.6 196.8 Belgium 32.4 17.2 108.0 157.7 29.2 15.5 97.2 141.9 Sweden 12.6 73.6 40.6 126.8 13.6 79.3 43.7 136.6 Denmark 5.6 21.2 77.9 104.7 5.3 20.3 74.4 100.0 Greece 69.4 15.8 3.4 88.6 67.5 16.1 4.8 88.4 Hungary 14.3 18.7 46.8 79.8 14.3 20.1 47.8 82.2 Slovakia 3.1 13.8 45.1 62.0 3.4 14.8 48.5 66.6 Portugal 54.0 1.7 0.7 56.4 61.8 2.7 0.8 65.3 Finland 31.6 13.9 12.4 57.9 31.7 14.6 13.2 59.5 Ireland 43.0 7.5 5.4 55.9 43.1 7.5 5.4 56.0 Latvia 18.4 5.7 27.8 51.9 18.4 5.7 27.9 52.0 Slovenia 6.9 3.1 28.2 38.1 7.1 2.8 24.8 34.7 Romania 1.4 0.1 25.9 27.3 1.5 0.1 28.4 30.0 Croatia 2.0 3.1 11.4 16.6 2.1 3.2 12.8 18.0 Lithuania 6.1 3.1 2.3 11.6 7.1 3.6 4.8 15.5 Luxembourg 0.1 1.3 12.0 13.4 0.1 1.3 11.4 12.8 Cyprus 0.0 0.0 11.4 11.4 0.0 0.0 12.0 12.0 Estonia 2.2 0.7 0.0 2.9 5.4 1.8 0.0 7.2 Bulgaria 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 Malta 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 European Union 2,870.3 1,187.8 8,079.0 12,137.1 2,892.3 1,253.6 9,232.7 13,378.7 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 EurObserv'ER 何年もの間 その他のバイオガス がEUの主要なバイオガス由来エネルギーの出力の配給を独占してきた ( 表 1-1 図 1-4 参照 ) EurObserv ERは 埋立て地ガスが21.6% 廃水処理からのバイオガスが9.4% に沿って 2013 年にEUの出力の69.0% のシェアと評価した しかし この その他のバイオガス のカテゴリーは EU 加盟国全体で一様に最大のシェアを保持していない その傾向は メタン化部門を工業的に開発してきたドイツ 42

イタリア オーストリア そして チェコのような国々で顕著である また 埋立て地ガスは英国 フランス スペイン ポルトガル アイルランドのような国では優勢である一方で 廃水処理施設からのバイオガスはあまり普及していない ( スウェーデン ポーランド ) バイオガスはさまざまな方法で回収可能な再生可能エネルギーで コージェネ ( 熱電併給 ) によって熱および電力として回収する方法が最も一般的である ( 表 1-2 表 1-3 参照 ) 表 1-2 EU 各国のバイオガス由来の電力の総生産量 国 名 2012 年 (GWh) 2013 年 (GWh) 発電施設 CHP 施設総発電量発電施設 CHP 施設総発電量 Germany 5,916.0 21,322.0 27,238.0 6,338.0 22,662.0 29,000.0 Italy 2,160.0 2,458.0 4,618.0 3,435.0 4,013.0 7,448.0 United Kingdom 5,249.2 625.0 5,874.2 5,265.7 665.0 5,930.7 Czech Republic 55.0 1,412.0 1,467.0 55.0 2,239.0 2,294.0 France 754.9 530.0 1,284.9 893.6 627.4 1,521.0 Netherlands 68.0 940.0 1,008.0 60.0 906.0 966.0 Spain 765.0 101.0 866.0 802.1 105.9 908.0 Poland 0.0 565.4 565.4 0.0 882.5 882.5 Austria 592.0 46.0 638.0 574.0 41.0 615.0 Belgium 90.4 573.1 663.5 81.5 516.5 598.0 Denmark 2.5 375.7 378.2 1.7 255.3 257.0 Portugal 199.0 10.0 209.0 238.0 10.0 248..0 Hungary 153.4 81.3 234.7 100.3 142.5 242.8 Latvia 0.0 223.0 223.0 0.0 223.0 223.0 Greece 40.0 164.3 204.3 39.2 177.2 216.4 Slovakia 88.0 102.0 190.0 94.0 110.0 204.0 Ireland 175.0 24.0 199.0 175.9 24.1 200.0 Slovenia 4.9 148.2 153.0 4.2 136.8 141.0 Finland 57.0 82.0 139.0 57.4 82.6 140.0 Croatia 0.0 56.8 56.8 0.0 63.2 63.2 Lithuania 0.0 42.0 42.0 0.0 59.0 59.0 Luxembourg 0.0 57.9 57.9 0.0 55.3 55.3 Cyprus 0.0 50.0 50.0 0.0 52.0 52.0 Romania 0.0 19.0 19.0 0.0 25.8 25.8 Estonia 0.0 15.8 15.8 0.0 21.0 21.0 Sweden 0.0 22.0 22.0 0.0 12.0 12.0 Malta 0.0 2.0 2.0 0.0 3.0 3.0 Bulgaria 0.0 0.3 0.3 0.0 0.5 0.5 European Union 16,370.4 30,048.8 46,419.1 18,215.6 34,111.6 52,327.2 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 43

表 1-3 EU 各国のバイオガス由来の熱の総生産量 ( 熱供給および産業用向け ) 国 名 2012 年 (ktoe) 2013 年 (ktoe) 発電施設 CHP 施設総発電量発電施設 CHP 施設総発電量 Italy 0.3 138.5 138.8 0.3 200.8 201.1 Germany 33.2 47.8 81.0 33.5 70.5 104.0 Denmark 5.9 29.5 35.5 4.2 20.7 24.8 France 2.8 10.6 13.4 2.8 10.6 13.4 Czech Republic 0.0 8.7 8.7 0.0 11.6 11.6 Sweden 5.4 5.7 11.2 5.4 5.7 11.2 Latvia 0.0 10.9 10.9 0.0 10.9 10.9 Slovenia 0.0 9.3 9.3 0.0 8.8 8.8 Finland 6.2 1.6 7.8 6.2 1.6 7.8 Poland 0.3 4.8 5.1 0.0 7.2 7.2 Belgium 0.0 6.6 6.6 0.0 6.6 6.6 Austria 1.9 5.2 7.1 1.9 4.4 6.3 Netherlands 0.0 4.4 4.4 0.0 3.7 3.7 Romania 0.9 2.4 3.3 0.9 2.4 3.3 Croatia 0.0 2.7 2.7 0.0 3.0 3.0 Slovakia 0.0 2.7 2.7 0.0 2.9 2.9 Lithuania 0.0 1.2 1.2 0.0 2.3 2.3 Hungary 0.4 0.9 1.3 0.4 0.9 1.3 Luxembourg 0.0 1.0 1.0 0.0 1.1 1.1 Cyprus 0.0 1.0 1.0 0.0 1.0 1.0 Estonia 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 European Union 57.4 295.8 353.2 55.6 376.8 432.4 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 現状 コージェネによる生産に関係なく 電力生産が主なバイオガス由来エネルギーの回収方法である 2013 年には 約 52.3TWh( 最終エネルギーで449.9 万 toeに相当 ) の出力を記録しており 2012 年から12.7% 増加している 2013 年に地域熱供給ネットワークに販売された熱量は1 年間で22.4% 増加し 43.24 万 toeに達した 2013 年に自己消費 ( 生産場所で直接使用 ) された熱量は 2012 年から4.6% 増加の201 万 toeを記録している メタン化施設の近くに販路がある場合 熱を生産するためにバイオガスを最高のエネルギー効率で完全に活用することが可能である また バイオメタンに精製することで 天然ガスと同様に使用することができ コージェネでの電力の形態だけでなく 天然ガス駆動の自動車 (NGV) 用のバイオ燃料または天然ガスグリッドに供給することもできる グリッドへの供給には 低コストでのバイオメタンの貯蔵と必要時までその使用をおいておける利点があるが このためには天然ガスグリッドへアクセスするコストを下げるために施設がガスグリッドに近い場所に選定される必要がある 生産場所でのバイオメタンの貯蔵は可能であるが 実施にあたり技術面でより複雑かつ高価なものとなる 運転面での利点は 44

最高価格で電力を販売するために 供給と需要のサイクルで適当な時を待ちながら グリッドのバランスを維持する役割を担うことができることである 例としてドイツにおいて 電力容量市場 ( キャパシティ マーケット ) の創出のために議論された政策は この選択肢を拡大させる可能性がある 2.1 バイオメタンは信頼できるバイオメタンの生産は 天然ガスの輸入への依存を低下させてくれるので 主にEU 各国で人気が高い 欧州グリーンガスグリッド プロジェクトの最終レポート (2014 年 ) 国際エネルギー機関 (IEA) のバイオエネルギー バイオメタンの調査レポート (2014 年 9 月 ) ドイツエネルギー機構 (dena) のバイオメタン バローメータのような多くの調査に基づいて EurObserv ERでは 2014 年 6 月末時点でEUに加盟する12ヵ国において少なくとも258のバイオメタン施設があることを把握している バイオメタンの生産に最も多く関与する国は以下のとおり ドイツ:151 施設 スウェーデン:53 施設 オランダ:23 施設 オーストリア:10 施設 フィンランド:6 施設 ルクセンブルグ:3 施設 最近では 以下の国がバイオガスの生産を行い 大きく発展する可能性を秘めている 英国:4 施設 フランス:3 施設 イタリア:2 施設 ハンガリー クロアチア: 各 1 施設 これらの施設で生産されたバイオメタンの大半は 必要に応じて現地で使用する以外はグリッドに供給することを意図している その他の国では 電力と熱の生産のために下水処理場でバイオメタンを使用するかまたはバイオ燃料として使用するだけである これは 特にスウェーデンの下水処理施設に多く (11 施設だけがグリッドに供給 ) その他 フィンランド イタリア クロアチア ハンガリーにも当てはまる ドイツのバイオメタンの生産量は 残りのEU 加盟国のそれを小さく見せる denaのバイオメタン部門のバローメータによれば 2014 年 6 月末時点でドイツにはすでに151のバイオメタン施設があり その生産量は1 時間あたり約 9 万 3,650ノルマル立方メートル (m 3 N) である ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (Bundesnetzagentur) によると ドイツの天然ガスグリッドに供給されるバイオメタンの量が実質的に2011 年以降で倍増しているという 2011 年の2 億 7,500 万 m 3 N(25 万 6,084toe) から 2012 年には4 億 1,300 万 m 3 N(38 万 4,591toe) そして 2013 年には5 億 2,000 万 m 3 N(48 万 4,230toe) と上昇してきた 現在 バイオメタンはドイツの主要なバイオガス由来のエネルギーの7.2% を占めている これらの施設のほとんどが エネルギー作物を大きな割合で使用して運転している denaによれば 2013 年に 45

バイオメタンの生産のために使われた原料の内訳は 59.6% がトウモロコシ 16.3% が他のエネルギー作物 12.3% がスラリー 7.9% が種々雑多な有機系廃棄物 そして 3.9% が収穫物の残さであった また バイオメタンの生産量は他の国々でも急激に増加している オランダでは オランダ統計局は 2012 年から2013 年の間のバイオメタンの生産量が70.3% 増の3 万 5,600toe に達し 国の主なバイオガス由来のエネルギーの11.8% を占めていると説明する オーストリアでも オーストリアのガス供給 熱ネットワーク協会によると 2013 年のバイオメタンの生産量が4,729toe(55ギガワット時 :GWh) に達しており 2つの新しい施設の接続によって その年の最初の4ヵ月間で3,009toe(35GWh) 増加した フィンランドでは バイオガス部門は完全に輸送部門の影響を受けている フィンランドのガス協会によれば 2013 年の輸送部門におけるバイオメタンの消費量は是前年から 168% 増加し 2,820toe(32.8GWh) に達した フランスでは バイオメタンの供給に対する特定の固定価格買取り制度 (FIT) が導入されており 未成熟なバイオメタンの供給部門の繁栄に対する期待を高めながら 入札システムを直ぐにでも開始すべきである バイオガス部門の野望の1つとして バイオメタンの生産 取引き 利用を活性化させるための欧州のバイオメタン市場を形成することである その最終用途までを通してバイオメタンのグリッド供給流量を追跡管理 ( トレーサビリティ ) する権利を与えることができる6つの国の登録機関 ( オーストリア デンマーク フランス ドイツ スイス 英国 ) は バイオメタン市場を確立するための共通の基準の設定と欧州の法的枠組みの強化のために協力している それらは 国の登録機関の調和および相互受入れと元々のバイオメタンの保証の認識のための条件作りを目指すものである 補足 1 欧州には1 万 4,000 以上のメタン化施設があるメタン化は廃棄物処理およびエネルギー回収プロセスである バイオガスとよばれるメタン (50% から 70%) と二酸化炭素 (CO2) で主に構成されるガスを生成する また その反応では 農業用肥料として回収することができる消化残さも生成する 嫌気性消化槽は さまざまな種類の有機系の原料 液状および固体の廃棄物 そして 処理と生成量を最適化する植物を処理する 欧州バイオガス協会 (EBA) のレポートによると 2012 年の欧州 (EUおよびスイス) には約 7,400MWの発電容量を持つ 1 万 3,800 基の嫌気性消化槽が稼働していた 2013 年末までの1 年間に ドイツ単独で335 基の追加の設備を設置したので 嫌気性消化槽は1 万 4,000 基のしきい値を大きく超えた 補足 2 問われるバイオガスの持続可能性の要件バイオガスとバイオメタンの生産条件はEUレベルで激しく議論されているところである 2014 年 7 月 28 日 欧州委員会は 電力 冷暖房に使用する固体および気体のバイオマスの持続可能性に関する作業用文書を公表した バイオガスの項目において その文書では エネルギー作物の使用から生じる環境問題を強調し バイオガス施設の温室効果ガス ( 以下 GHG) 排出性能を高めるために 肥やし スラリー その他の有機系廃棄物を高い割合で使用することを推奨している レポートの主要事項は バイオガスのようなバイオエネルギーからのGHG 排出量が化石燃料より少なくとも70% 低減されるべきであり 2018 年 1 月 1 日から発効となる 燃料品質指令 (2009/30/EC) で実際に定 46

義されている60% の低減目標 (2017 年 1 月に生産を開始する施設から適用 ) よりも厳しいものである バイオエネルギー部門はこの低減率の達成が非常に難しいと感じており 特に新しい欧州委員会が提案した方法を適用しながら バイオメタンの生産に対するGHG 排出性能レベルを天然ガスと比較して評価することになる しかし 文書に付随した共同研究センター (JRC) のレポートは この目標が100% の有機系廃棄物の経路または70% のスラリーと30% のトウモロコシを混ぜた混合消化を適用するような特定の生産条件によって達成可能であると評価している 欧州議会と欧州理事会に提案するために準備された指令案の文言上の利害関係者間の議論が激しいものになることが予想されている 欧州委員会は2020 年より前にこれらの持続可能基準に関する指令案の見込みがないことをすでに警告している 2.2 主要生産国について (1) ドイツ 2014 年 8 月 1 日にドイツでは新しい 再生可能エネルギー法 (EEG 2014) が発効され バイオガスに対する方向転換が行われている 将来の生産方法はエネルギー作物をほとんど使用しない方向に進む EEG 2014 の目的のひとつが 最もコストの高い発電部門の成長を遅らせることによってエネルギー転換の資金を減少させることにある 固形バイオマスやバイオガスも非難されている EEG 2014 の条件下では 8 月 1 日より前に運転開始された施設は改正前の法律 (EEG 2012) を通じて取得した権利を享受し続け そして 特別な協定が2014 年 1 月 24 日以降に資格が与えられた施設に提供されている バイオガスに影響する新しいEEGの主な措置の1つとして 有機系や農業系廃棄物の使用を奨励するため エネルギー作物の使用に対するプレミアム価格 (NawaRo-Bonus) の撤回がある 他の大きな驚きは バイオガス施設の報酬を制限することであり 100キロワット (kw) を越えるバイオガス施設は公称施設能力の50% までしか資金援助の対象にならない 20 年間の固定価格での買取り (FIT) はそのままとなるが 四半期ごとに0.5% の低減率の適用が2016 年に開始される もう1つの大きな点は 毎年設置されるバイオマス ( バイオガスを含む ) 施設の追加容量が100メガワット (MW) に制限されることである 連続する12ヶ月の基準期間内にこの100MWの制限を越えた場合 四半期ごとに1.27% の低減率が適用される この四半期ごとの低減は基準期間内に100MWの上限に達するまで適用されない 新しい決済システム ( 買取り制度 ) は 農業廃棄物へ変更する小型の施設に対して寛大なままである 最も高いものは1kWhあたり0.2373ユーロで スラリーで運転する75kW 未満の施設にのみ適用される 有機系廃棄物から電力を生産する施設へ支払い可能な価格は 容量が500kWまでは1kWhあたり0.1526ユーロとなり 最大 20MWまでは1kWhあたり0.1338 ユーロである 一般的に バイオマス施設 ( 他の原料に加えて農業残さまたは有機系廃棄物を処理するバイオガス施設を含む ) は 150kW 未満の能力に対して1kWhあたり0.1366ユーロ 500kWまでは同 0.1178ユーロ 5MWまでは同 0.1055ユーロ 20MWまでは同 0.0585 ユーロの新しい買取り価格が支払われる 埋立て地ガスに対する買取り価格は2014 年にさらに引き下げられ 500kWまでの施設には1kWhあたり0.0834ユーロ 5MWまでは同 0.0571ユーロで1.5% の大きな年間低減率がある 下水処理施設のバイオガスに対しては 500kWまで1kWhあたり0.0659ユーロ 5MWまでは1.5% の年間低減率付きで1kWhあたり 0.0571ユーロの固定価格が支払われる 新しいバイオガス施設の100MWの上限の設定は 2015 年以降の施設数の急激な減少をも 47

たらすだろう ドイツバイオガス協会 (Fachverband Biogas) は 2014 年のバイオガス施設の追加の発電容量を262MWまたは147 施設の追加と設定しており 2014 年末までのバイオガス施設数は7,980 発電容量は3,840MWまでそれぞれ増加する 少し明るい話題を見れば 欧州の 廃棄物枠組み指令 (2008/98/EC) を国内法化した2012 年 2 月のドイツの新しい 循環経済法 (KrWG) は ドイツ全体で2015 年までに有機系廃棄物の選別収集を義務化しており メタン化部門にとってエネルギー作物から変更するための新しい原料が提供されることになる (2) イタリア 2013 年 1 月 1 日から適用された再生可能エネルギー由来の電力生産のための新しいインセンティブに関する2012 年 7 月 6 日の閣僚令によって イタリアのバイオガス政策が完全にシフトした ドイツの例を見習うことで イタリア政府は固定価格の大きな引き下げ ( 区分によって10% から30%) と割当て ( クォータ ) 制度の導入によってバイオガス部門の成長を抑制することを考えている 新しいバイオマス ( バイオガスだけではない ) 施設の累積発電容量が 2013 年には170MWに制限され 2014 年と2015 年には160MWまで引き下げられる また イタリア政府は新しい買取り価格政策を通じて小型の施設 ( 最大 600kW) の成長の促進とエネルギー作物の代わりに副生成物や農業廃棄物の利用の優遇を選択している 有機系廃棄物から生産されたバイオガスに対する固定価格は20 年間保証され 300kWまでの施設には 1kWhあたり最高で0.236ユーロが支払われる それは 600kWになると同 0.206ユーロに変更される そして 1MWまでの施設に対しては1kWhあたり0.178ユーロ 5MWまでは同 0.125ユーロ それより大きな施設に対しては同 0.101ユーロへとそれぞれ減少する ( エネルギー作物のような ) 農家で作られた製品からのバイオガスは魅力がかなり無くなり 300kWまでは1kWhあたり0.18ユーロ 600kWまでは同 0.16ユーロ 1MWまでは同 0.14ユーロ 5MWまでは同 0.102ユーロ それより大きい施設には0.091ユーロが適用される GHGの排出削減量と現地資源の利用に応じて高出力なコージェネシステムに対しては 追加の補助金が与えられる可能性はある この新しい政策の初期効果は 新しい施設の平均規模は 新しく設置されたバイオガス施設の容量の急激な減少と共に急落したことから 2013 年に自然と見られた イタリアの送電システム運営事業者であるTerna 社は 新しく設置されたバイオガス施設 ( 全ての原料ベース ) による追加容量が 2012 年の569.2MW( 新施設数は684) から2013 年の 45.7MW( 同 140) まで減少したと主張する 2013 年末時点で イタリアのバイオガスからの発電容量は1,388.4MWとなり 施設数は1,611を数える 農業系バイオガス ( 農業作物と家畜排せつ物 ) だけで1,299 施設あり 発電容量は945.7MW( 全体の68.1%) を占める 現在 政府はこのバイオガス政策をバイオメタンの生産に適応したいと考えている イタリアは天然ガス車両 (NGV) コージェネまたはガスグリッドへの供給用のバイオメタンの生産に対する固定価格を設定している (2013 年 12 月 5の法令 ) その詳細は公式に発表されていないが QualEnergia 社のウェブサイトでは 買取り価格が天然ガスの価格の約 2 倍で 20 年間の購買契約と組合せられるべきであると提案している 政府は この措置が支払い条件を完全に定義した後 年間のバイオメタンの生産量が期間内に50 億から80 億立方メートル (m3) に上昇することを期待している 48

(3) フランス英国とともに フランスはバイオガスの発展にとって最も有望な国である 監査統計サービス委員会 (SOeS) は バイオガスの生産量が2012 年の13% 増加から 2013 年には17% 増加の45 万 4,000toe( 速報値 ) に達したと述べている この成長は 熱基金 より魅力的な固定価格買取り制度 (FIT) と規制 そして 天然ガスグリッドに供給するバイオメタンに対する固定価格買取り制度の創出から構成される十分な公的支援メカニズムの導入に起因する 2013 年に電力生産量が1.5TWhまで上昇しているので 目下のところその大半は電力として得られている バイオガスに対するフランスの目標は グリーンな成長のためのエネルギー転換 の法案の中に何度も繰り返されている Segolene Royalエコロジー 持続可能開発 エネルギー大臣は 今後 3 年間で1,500のメタン化施設プロジェクトに着手する野心を持っている また 政府は天然ガスグリッドにバイオメタンを供給するための入札を行い 再生可能エネルギー由来のガスの割合を徐々に高めることも計画している 電力生産向けバイオガスの固定価格買取り制度 (FiT) は 2011 年に改正されている それらは 現在 施設容量によって1kWhあたり0.1119ユーロから0.1337ユーロの範囲の基本価格 1kWhあたり最大 0.04ユーロまで加算されるエネルギー効率性のプレミアム そして 1kWhあたり最大 0.1337ユーロまで加算される家畜廃水処理のプレミアムに分けられる スウェーデンの Scania 社のトラック小売業者は フランスのバイオフード小売りチェーンの Biocoop 社向けに 2 台のバイオメタン駆動のトラックを販売した この場合 最大価格は 1kWh あたり 0.20 ユーロの可能性がある 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 図 1-3 Scania 社のバイオメタン駆動のトラックの例 また フランスはガスグリッドに供給されたバイオメタンのための固定価格買取り制度も導入しており 非有害性廃棄物の貯蔵施設向けに施設規模に応じて1kWhあたり0.45ユーロから0.95ユーロの範囲である その他のメタン化施設も ガスグリッドに供給されたバイオメタンに対する固定価格買取り制度の対象となる 施設規模に応じて基本価格は1kWhあたり0.64ユーロから0.95ユーロおよび メタン化プロセスによって処理される物質の性質に 49

基づいて計算されるプレミアムに加算される このプレミアムは 原料が農業廃棄物または農業ビジネス製品からの廃棄物のみで構成される場合 1kWhあたり0.02ユーロから0.03 ユーロとなる 原料が家庭ごみだけで構成される場合は 1kWhあたり0.05ユーロのプレミアムとなる 混合した 原料の場合 このプレミアムは施設で使用される原料の量に比例して計算される 最後の重要なポイントは 2014 年 10 月 14 日の国会での第一読会 (first reading) で賛成されたエネルギー転換に関する法案において 議会はメタン化のための専用エネルギー作物を禁止し 中間作物の使用は現状のままとする修正案を採択した その法案は 2015 年の初旬に上院 (Senate) に提出されることが予定されている オランダ 英国 デンマークは バイオメタンの供給のために固定価格買取り制度を取り入れているその他の欧州諸国である 3. 継続するメタン化業界の再編欧州のバイオガスにとって最大の成長要因であったドイツとイタリア市場の成長の低迷は 欧州のバイオガス部門を大きな再編の動きへと導いた かなりの嫌気性消化槽メーカーが 数年前にこの困難な時期の収益源の多様化と自身の施設の運転に投資することを決定し また 彼らは最も有望な欧州市場ならびにアジアやアメリカ市場のような欧州域外への事業進出を展開してきた しかし 彼らの努力にもかかわらず 多くのメーカーが破産せずにいることが難しくなっている 市場関係者の多くは財政的に困難な状況にあり その他は市場から追い出されている 最もよく知られた事例は 2013 年 9 月のドイツメーカー大手の1つであったBiogas Nord AGの破産であった MT Energie 社とその他の4つのドイツ企業は未だに事業をしているが リストラを進めている ( 表 1-4 参照 ) 2014 年 6 月 30 日に公表された2013 年の最初の財務結果では 2,330 万ユーロの損失が報告されており これは同社の売上高 ( 暫定値 ) である8,770 万ユーロの25% 以上に相当する このような状況から アメリカ カナダ オーストリアにある事務所の閉鎖を余儀なくされ 結果的にそれらの市場へ拡大するいかなる可能性が失われた 2014 年 9 月 25 日 ドイツ再生可能エネルギー法 ( 以下 EEG) の改革によって 同社グループはドイツ北部のZevenにある主要工場で65 名の人員削減を公表した 同年 7 月 財政的に依然として不十分な状態である同社は 財政面でのパートナーとの合意に至った フランスと英国で示した強さによって 2014 年上半期 (1 月から6 月 ) のその改善された財務結果は その合意を容易にするかもしれない 同グループのもう1つの成長要因は バイオガス精製施設の建設である バイオメタン施設の生産のために特別子会社のMT BioMethan 社を設立したMT Energie 社は 2016 年までにフランスのChampagne- Ardenne 地域に8プロジェクトの建設を発表した また MT Energie 社は ドイツの砂糖精製会社のSud Zucker 向けに自社最大のバイオメタン生産施設を建設している この施設で生産されるエネルギーは 約 6,000 世帯分の電力と2,000 世帯分の熱を供給する もう1つのドイツからの大手のプレーヤーであるEnvitec Biogas 社は 2014 年の上半期 (1 月から6 月 ) で明らかにその財務状況が改善された その売上高は9.5% 増の7,530 万ユーロ EBIT( 営業利益に金利以外に発生する営業外損益を加え 50

た利益額 ) は前年の170 万ユーロの赤字と比較して530 万ユーロであった 同社は 2014 年の税込みの収入が1 億 4,500 万ユーロから1 億 6,500 万ユーロになる可能性があり プラスの EBITを貯めていると主張している Envitec Biogas 社は 他の投資パートナーと共に管理する57MWの施設のポートフォリオを持っているので この成果は運営事業が大きく寄与していると説明する また この結果は 2013 年の520 万ユーロの損失を被った後 最初の半年間に60 万ユーロの収益を計上した生産活動の再調整のよるもので 同社は事業を国際的に拡大することも決定している 2014 年 6 月末時点での輸出の注文量は 5,570 万ユーロの合計のうち 55.7% 増の3,410 万ユーロであった Envitec Biogas 社は フランス 英国 中国のような最も魅力的な市場に注目するが 新しい市場が日本やフィリピンで生まれつつあることも評価している 表 1-4 欧州のメタン化部門の主要メーカー (2013 年末時点 ) 発電容量会社名国名施設数 (MWe) 従業員数 ( 人 ) AB Energy (Gruppo AB) Italy 650 700 500 MT Energie Germany 600 356 650 Envitec Biogas AG* Germany 456 335 350 Biogas Weser-Ems Germany 360 データ無し 100 PlanET Biogastechnik Germany 330 134 < 200 Schmack Biogas GmbH Germany < 300 130 376 Weltec Biopower GmbH Germany 300 76 80 UTS Biogastechnik(Anaergia Group) Germany 176 350 125 Bioconstruct France 219 123 > 100 BTS Italia Denmark 178 145 125 特記 * は 建設中の施設を含む 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 4.2020 年および2030 年のバイオガスの貢献量現在 メタン化は廃棄物処理およびエネルギー回収のための模範的なプロセスとして完全に理解され 天然ガスへのエネルギー依存を低減できるものである しかし バイオガス部門が発展する可能性は 農業系のメタン化に対する主要国の生産量における急速な成長がエネルギー作物への卸売りの依存によって達成されてきたので 予断を許さない状況である 近年の成長のパターンでは バイオガスの生産は副生成物と有機系廃棄物を主に使用すべきであると主張する欧州委員会からの課題が与えられてきた 必然的に バイオマスの持続可能性とエネルギー作物の使用の制限に関する今後の欧州の法律についての現在の不確実性があり バイオガス部門の成長の可能性に影響を与える 一方で EU 加盟国は EU の 廃棄物枠組み指令 (2008/98/EC) を通じて 多種多様な有機系廃棄物に対する回収 ( リカバリー ) システムの体系化ならびにそれらを収集するための選別システムを整備する義務がある この指令の適用は 新たな発酵可能な廃棄物をエネルギー作物の使用量低下を補う必要があるこの部門に寄与させることになり 現在 そ 51

の基準を強化するための議論が行われている 以前の状態を取戻すために バイオガス部門はGHG 排出量に関するバイオガスとバイオメタンに対する環境面の要求レベルについて素早く決断する必要がある そうすることで それらは欧州の再生可能エネルギー目標の計算に含めることが可能となる つまり バイオガス部門の将来の発展は基本的に政治的な問題である したがって 2020 年に向けた最良の推定値としては 各 EU 加盟国によって定義された 国家再生可能エネルギー行動計画 ( 以下 NREAP) があり バイオガス部門は最大 445 万 6,000toeの熱生産量と64.2TWh(542 万 3,000toe) の電力生産量によって 合計 987 万 9,000toe 分が最終エネルギー消費量に貢献すると予測している ( 図 1-4 図 1-5 参照 ) 欧州バイオガス協会 ( 以下 EBA) では 280 億 m 3 のバイオガス ( 天然ガス等価量 ) が NREAP の目標を達成するために生産される必要があると推算しており これはEUの一次エネルギー構成の 1.5% および天然ガス消費量の5% に相当する量である 2030 年に向けて EBAは可能なバイオガス生産量を500 億 m3( 天然ガス等価量 ) に設定している 電力の生産量 (GWh) 最新の傾向 NREAP ロードマップ 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 図 1-4 バイオガス由来の電力生産の NREAP ロードマップと最新の傾向の比較 年 熱の消費量 (ktoe) 最新の傾向 NREAP ロードマップ 年 出典 :Biogas barometer EUROBSERV ER November 2015 EurObserv'ER 図 1-5 バイオガス由来の熱消費量の NREAP ロードマップと最新の傾向の比較 52

したがって 適切な政策が導入されれば 2030 年に欧州のバイオガス業界はEUの電力需要量の2% から4% そして メタン市場の15% から30% の量を供給することが可能である 欧州グリーン ガス グリッド プロジェクトによれば 嫌気性消化によるバイオガス生産を固体バイオマスから主に生産される合成バイオガス (bio-sng) の生産に加えることができれば バイオメタンに関する欧州の技術的可能性はさらに高まるという EU の 27 ヵ国に対して 理論上可能な最大量はバイオメタンベースで年間に 1,510 億 m3n から 2,460 億 m3n の範囲にあり 1 億 3,080 万 toe から 2 億 1,220 万 toe のエネルギー量に相当する 欧州における天然ガスへの依存性はさらに低下するだろうが 一方で バイオメタンの持続可能性はさらに大きな問題となる可能性がある ( 参考文献 ) Biogas barometer EUROBSERV ER November 2014 EurObserv'ER GreenGasGrids project ホームページ (http://www.greengasgrids.eu/about/project.html) 53