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MERCEDES-BENZ SLK200 ROAD TEST このクラス初のフォールディングハードトップをひっさげて鳴り物入りで登場したメ ルセデス ベンツ S L K は きわめてシンプルな 方程式を用いて成功を収めてきたクルマであ る すなわち スタイリッシュなデザインを最大 のアピールポイントとして これに贅沢なキャビ ンを加え 扱いやすく仕立てたのである その 速さも人気にひと役買ってきた しかし 近頃 では SLK のようなファッション指向のロードス ターにも 優れた経済性が求められるようにな りつつある これらの要件を満たすべく開発された新型 S L K 2 0 0 は コンパクトなロードスターとしてと ても高い魅力を備えているはずである 184ps の 1. 8l4 気筒ターボエンジンを搭載した S L K 2 0 0 はエントリーモデルで ベーシックな スポーツ なら英国では 380 万円ほどで手に入る もっとも われわれが今回テストするのはAMGスポーツ仕様だから 価格は約 430 万円にまで跳ね上がる それでも SLK250( 同じ 1. 8 l エンジンの 2 0 4 p s 版 ) より 8 0 万円ほど安く 3.5lV6 のSLK350と比べれば 120 万円以上も安い設定だ そして重要なのは 新型 SLKシリーズのなかでもっとも期待されるのが この SLK200だということだ 450 万円以下クラスには手強いライバルが集中している S L K よりも安価なクルマや より経済的なクルマ もっとパワフルなクルマなどがひしめく価格帯だ そう ライバル達にとっても もっとも気合いが入っているのがこ HISTORY 量産初の成功車 1996 年 SLK がこのクラスにフォールディング ハードトップをもたらした 第 1 世代の SLK は 1996 年に登場し このクラスにフォールディングハードトップルーフを持ち込んで 市場の勢力図を書き換えた 異論はあるかもしれないが S L K はリトラクタブルメタルトップを持つ量産車では 初めて成功を収めたクルマである ただし 同様のルーフを持ったクルマが初めて市販されたのは 1935 年のプジョー 402 エクリプス デコタブルである それ以後 何台ものモデルが現れているが いずれも成功していない 第 2 世代の SLK は 2004 年に導入されたが このモデルも初代同様に人気を博した 5 7 8 6 5 ROOF ルーフ継ぎ目はA ピラーの上部とBピラー沿いにあって 明らかにそれとわかる ただし ルーフ自体のデザインはとても魅力的に見える 6 EXHAUST PIPES エグゾーストパイプ 4 気筒エンジン車で 2 本出しのエグゾーストは大げさに見えることが多いが このクローム製のエグゾーストパイプは SLK のキャラクターによく合っている 7 SMALL LIP 小さなリップ フェンダーに取り付けられたこの小さなリップによって スタイリングを印象づけ かつホイールアーチを法律の基準内に収めるべくホイールをカバーする 8 WHEELS ホイールこの18インチホイールは AMGスポーツパッケージに含まれるアイテム SLK200のベーシックな仕様では 1 7 インチとなる AUTOCAR 11/2011 65

1 GPS NAVIGATION GPS ナビゲーション 新しい G P S ナビとエンターテインメントシステムは少し使いやすくなったが 特定の機能 ( たとえばナビの音声ガイダンス ) を探すときには相変わらず厄介な場合がある 2 METER&CENTRAL INFO メーター類 メーター類は見た目が魅力的だし視認性もいいが 中央のディスプレイはできればカラーにしてほしい また スピードメーターは日常領域の目盛りを細かくしてほしい 1 2 4 3 3 ROOF OPERATE BUTTON ルーフ開閉ボタン ルーフを操作するボタンは センターコンソールのヒンジ付きのカバーの下に隠れている こうしたスイッチの位置としては これは少々違和感を感じる 66 AUTOCAR 11/2011 4 AIR VENTS エアコン吹き出し口 ブラシ仕上げアルミで ロータリースタイルのエアベントは使いやすい 見た目も魅力的で キャビンに視覚的なハイライトを提供している 5 ROOF ルーフガラス製パノラミックルーフは 8 万円のオプション マジックスカイコントロールと呼ばれる 透過率の切り替えが可能なルーフも用意され そちらは 25 万円だ いずれも日本仕様のSLK200スポーツでは選択できない

MERCEDES-BENZ SLK200 ROAD TEST HOW BIG IS IT? サイズはどれくらい? AMG スポーツパッケージでは横方向のサポート性に優れるシートが備わる VISIBILITY TEST 視認性テスト ルーフを閉じた状態では後方視界には制約がある フォールディングハードトップという制約があるにもかかわらず プロポーションは見事 幅 :1050mm 高さ :570mm 奥行き :610mm トランクはルーフオープン状態で 225l クローズ状態で 335l と悪くない数値だ の売れ筋価格帯のモデルなのである 果たし て SLK200 は こうしたライバルたちから勝ち 抜けられるだろうか? DESIGN&ENGINEERING 意匠と技術 この SLK はゼロから開発されたモデルであ る 確かにルックスについては従来型といった 印象が強いが われわれオートカーのテスター が言うにはとても出来がいい スタイリングは やや雑然としてるが プロポーションはとても 整っている フォールディングハードトップの採 用によって生じた厄介な技術的問題を考慮す れば なおさらである このクルマがターゲット としているイメージ優先のユーザーにとっては 間違いなく魅力的なクルマに思えるだろう 新型 SLKはフロントエンジン リアドライブを踏襲するが プラットフォームは一新され 前後ともマルチリンク式のサスペンションを用いている 減衰力非調整式のダンパーと金属製コイルスプリングが標準だが 今回のテスト車輌は ダイナミックハンドリングパック というオプション ( 約 13 万円 / 日本仕様はSLK200 A M G 以上に標準 ) が装着してあり これには減衰力調整が可能なアクティブダンパーが含まれる ダッシュボードのスイッチ操作でスポーツモードを選ぶとダンパーが硬くなり 同時にステアリングのレスポンスもシャープになるほか トルクベクタリングシステムが働いて 各ホイールのブレーキを個別に制御してコーナリングを助ける さらに テスト車輌は A M G スポーツ仕様だから 地上高が 1 0 m m 低い SLK200は ( 英国仕様の場合 ) シリーズで唯 一 6 段マニュアルギアボックスを装備する ( テスト車輌も 6 段 M/T) 250と350モデルに標準装備の7 段 A/Tは このエントリーモデルには約 2 0 万円のオプションとして用意されている とくに抜きん出ている というわけではないが このモデルの主要スペックは十分な競争力を持っている 最高出力 184ps 最大トルク 25.4kgm 0-100km/h 加速 7.3 秒 燃費 14.7km/l CO₂ 排出量 158g/kmという数値は 車重 1.4t 超の1.8l ターボエンジン搭載車にとって まずまずのである ただし 燃費と CO₂ 排出量に関しては 3.5lV6のSLK350 (14.1km/l 167g/km) を別にすれば ほかのグレードのほうが M/T 仕様のSLK200より優れている ここでのキーポイントはミッションで SLK200もA/T を選べば15.4km/l と151g/ kmに向上する AUTOCAR 11/2011 67

TRACK NOTES サーキットテスト もっとも これらの数値は 2 0 1 1 年後半に追 加されるであろう S L K 初のディーゼルモデル ドライサーキットメルセデス ベンツ SLK200 AMG スポーツラップタイム :1 分 20 秒 9 BMW120i コンバーティブル参考タイム :1 分 21 秒 3 この SLK はサーキットにおいては比較的素直で愉しく まずまずのパフォーマンスを示した ポルシェ ボクスターやマツダ ロードスターほど愉しくはないが ドライバーの要求に応えてくれて タチの悪い挙動は示さない T3 T4 ブレーキは連続したラップにも耐えた 公道で大型のブレーキを必要としない控えめなパワーのロードカーとしては文句なしだ T2 T5 T6 T1 Start/finish シャシーはヘアピンカーブのブレーキングでも安定している リアは少し滑るが制御はしやすかった T7 ( 2 5 0 C D I ) でさらに向上するはずだ またその 後 エコノミー性に関しては対極に位置してい る自然吸気 5.5lV8 の AMG の導入も予定され ている INTERIOR 室内 S L K 20 0 はこの領域においてきわめて優秀 ウェットサーキットメルセデス ベンツ SLK200 AMG スポーツラップタイム :1 分 20 秒 1 BMW120i コンバーティブル参考タイム :1 分 25 秒 0 ラップタイムにはあまり注目しないでほしい このサーキットは遅くなりつつあるからだ だが S L K はウェットサーキットにおいて安全で 挙動も読みやすく 少しだが愉しい T2 ESP をオンにした状態でこのコースを走ると SLK は多少のスライドを許容してくれた ヘアピンの立ち上がりでさえそうだ そこそこ愉しい T3 T1 T4 Start/finish T5 T6 T8 ESP をオフにするとスリップアングルが大きくなるが T 7 でスライドを保ち続けられるほどの大きさではなかった T7 なクルマである こぢんまりとしたコクピットに 座ると ブラシ仕上げアルミのスイッチ類とベ ント レザー張りのダッシュボードが目に入る このメルセデスがプレミアムカーであることを 誰もが完全に納得するキャビンである テスト車輌には 8 万円のオプションであるガ ラス製のパノラミックルーフが装着されていた 電動フォールディングルーフにはめ込まれた透 発進加速テストトラック条件 : 天候晴 / 乾燥路面 / 気温 23 0-402m 発進加速 :15.7 秒 ( 到達速度 :146.7km/h) 0-1000m 発進加速 :28.3 秒 ( 到達速度 :189.1km/h) 明なガラスパネルである 一見 たいして意味 のない装備に思えるかもしれないが これが キャビンの雰囲気向上に大きな貢献を果たし ている ほかのライバルにはない SLK 独自の MERCEDES-BENZ SLK200 装備でもある AMG スポーツパッケージ (63 万円のオプショ ン ) を選ぶと 適度なスポーツシートが付いてく BMW 120i CONVERTIBLE る これにはわれわれテスターの誰もが不満を 抱かなかった 横方向のサポートは良好であ り シート同様 ステアリングホイールの調整 制動距離 幅も広い 肘まわりの余裕さえある ただし こ 乾燥路面 のメルセデスはキャビンの幅に関しては少々窮 屈に感じられる ラゲッジ収容能力も乗員スペース同様に優 湿潤路面 れている ルーフをオープンにした状態でも 335l のトランクスペースのうち 225l が残る こ れは 310l のうち 180l しか使えない BM W Z4 68 AUTOCAR 11/2011

MERCEDES-BENZ SLK200 ROAD TEST に比べると優秀だし 実際になかなか使いや すいトランクである ルーフをたたむ前に安全 カバーを引き出さなければならず これが深さ を制限するため使いにくい形のスペースとなる が トップがクローズ状態のときは トランクは このクラスの基準からすると使いやすいサイズ と形状をしている 視界も比較的良好である ボンネットの先 端の位置が把握しやすいし 交差点ではドア ミラーは前方視界の妨げになることがあるも のの 全般的には前方 後方ともに視界は良 好である 唯一不満なのは 洗練度である がっしりと して 作りもしっかりしているように見えるルーフ だが 風切り音がかなり発生する A M G アル ミホイールに組み合わせられた 18 インチタイヤ のノイズも同様だ このクルマの本質を考える と ユーザーの多くは気にしないと思われるが もっと静かなキャビンを持つライバルもいる PERFORMANCE 動力性能 1.8l のSLKが記録した 0-97km/h7.5 秒のタイムは 現代の過給エンジンのポテンシャルの高さを示すものだ より長い直線路を用意できたら 公称最高速度の 240km/hも実証できたかもしれない 控えめに見えるパワートレインにもかかわらず この SLKは絶対的な速さが不足しているわ ON THE LIMIT 限界時の挙動 公道では SLK は限界に近づくとややラフな挙動を示すが 大胆に操作すればうまく乗りこなせる ブレーキング時のノーズダイブはわずかで 減速度は良好だ サスペンションに荷重がかかっている状況で路面のバンプに乗り上げると突き上げが明確にキャビンに伝わるが それはとても薄い形状のゴムブッシュを使用しているためである 直線からターンインしていく際の初期の動きは 兄貴分の UNDER THE SKIN 風の巻き込み対策 メルセデスは風の巻き込み防止の技術をこのモデルでさらに発展させた 旧モデルでは固定式だったプラスティックの仕切りが 新型ではロールバーの後方に取り付けられた ピボットで可動する透明なプラスティック製のスクリーンになったのだ 可動といっても手動だが 特に高速走行では効果的にキャビンへの風の巻き込みを軽減する S L K をオープントップモードに切り替えるルーフメカニズムは 旧モデルから変わっていない 11 個のモーターが各パーツを 20 秒以内にトランクに収納する ルーフの開閉は停車して行う必要がある 透明なプラスティック製スクリーンを手で引き出して キャビンへの風の巻き込みを軽減させる オプションのアダプティブダンパー ( 英国価格 : 約 13 万円 / 日本仕様ではダイナミックハンドリングパッケージに含まれる ) は投資に見合う装備である けではない 情熱あふれる走りではないが 一般道では必要十分なパフォーマンスに感じられる もうひとつ 4 気筒エンジンから最大限の能力を引き出すために マニュアルギアボックスを駆使しなければならないのが それ自体は悪いことではない このレベルのパワーの後輪駆動車を6 段 M/Tで乗るのは われわれテス S L S A M G ほど あるいはポルシェ ボクスターほどシャープではないものの リニアで良好だ ロールもよく抑えられている 姿勢が決まればバランスよく立ち上がっていける ステアリングの手応えとレスポンスは一貫している 前後のグリップレベルは高く 限界に達するとフロントから滑り始める その動きは ESP をオンにしていると効果的に抑えられ うまくやりすごせる その際にもリアのスライドはわずかに許容されている ターにとって 理想的なセットアップである 限られたポテンシャルから多くのものを引き出す快感を得られるし 公道で限界走行を試すチャンスもそこそこあるからだ しかし残念なのは このパワートレインが客観的に見れば優れていても 十分愉しいとはいえないことだ 低いエンジン音は運転を鼓舞してくれるというよりはイライラさせられるし 期 E S P をオフにすると シャシーのポテンシャルがいっそう際立つ 基本的にはアンダーステア特性なのだが ウェット路面や低速からフルパワーを掛けたとき あるいは高速ではリフトが発生したりブレーキを残すターンインをしたときには不安定な動きを見せる もっとも そういう状況でもバランスそのものはよく コントロールはしやすい また 過度に姿勢が乱れると E S P が自動的に割り込んでくる AUTOCAR 11/2011 69

CRUNCHING NUMBERS 計測テストデータ 待しているほど回らない もっとも ギアボックスは正確であり スロットルレスポンスはシャープだからスピードをコン エンジン形式 : 直列 4 気筒, 1796cc ターボ最高出力 :184ps/5250rpm 最大トルク :25.4kgm/1800-4600rpm 許容回転数 :6500rpm 比出力 :102ps/l 比トルク :17.7kgm/l 馬力荷重比 :128ps/t 駆動方式 : 縦置き後輪駆動ブロック : アルミ軽合金 / ヘッド : アルミ軽合金ボア ストローク :φ82.0 85.0mm バルブ配置 :4 バルブ DOHC 圧縮比 :9.3:1 各ギア最高速度 シャシー / ボディ車輌重量 :1435/1485kg( 実測 ) 抗力係数 :0.30 ホイール :8.5J 18in/ アルミ軽合金タイヤ :( 前 )225/40R18, ( 後 )245/35R18 コンチネンタル スポーツコンタクト 3 スペアタイヤ : なし ( 補修キット ) トロールしやすい この特徴は S L Kをタウンカーとして使うときに非常に重要になってくる 標準装備のストップスタートシステムにも助けられて燃費も良好だ このシステムはスムーズに働いてくれ 市街地でギクシャクしたりもしない 燃費は今回のすべてのテストを通じた総合で10.7km/l で 公称値の 14.7km/l にはまるでおよばないが さまざまなコースを使ったテスト ではなく 主として幹線道路を走るのなら 燃料消費率メーカー公表値市街地 / 郊外 / 混合モード 10.76/18.87/14.69km/l オートカー実測値総平均 / 動力性能計測時 / ツーリング 10.66/4.99/14.48km/l 燃料タンク容量 :60l 現実的な航続距離 :646km CO₂ 排出量 :158g/km サスペンション前 : マルチリンク / コイル + スタビライザー後 : マルチリンク / コイル + スタビライザー ステアリング形式 : ラック & ピニオン ( 油圧アシスト ) ロック トゥ ロック :2.20 回転最小回転半径 :5.26m ブレーキ前 :φ300mmv ディスク後 :φ300mm ディスク 静粛性アイドリング :45dB 3 速最高回転時 :65dB 3 速 48km/h 走行時 :67dB 3 速 80km/h 走行時 :71dB 3 速 113km/h 走行時 :78dB 安全装備 ABS, BA, ESP, ASR Euro N CAP/ na 13km/l 台後半には近づくはずである RIDE&HANDLING 乗り心地と操縦安定性 この領域において極端に劣っている部分はないが SLKの走りはつまらない テスト車はオプションのアダプティブダンパーを備えてい たが 標準サスペンションとスポーツサスペン 発進加速 乾燥路面 実測車速 mph(km/h) 秒 30 (48) 2.6 40 (64) 4.1 50 (80) 5.5 60 (97) 7.5 70 (113) 9.6 80 (129) 11.9 90 (145) 15.2 100 (161) 18.9 110 (177) 23.4 120 (193) 29.9 130 (209) - 140 (225) - 150 (241) - 160 (257) - 中間加速 秒 mph (km/h) 2nd 3rd 4th 5th 6th 20-40(32-64) 2.8 4.1 7.2 12.1-30-50(40-80) 2.7 3.8 5.6 8.4 13.6 40-60(64-97) - 3.9 5.4 7.2 10.1 50-70(80-113) - 4.0 5.7 7.2 9.9 60-80(97-129) - 4.3 6.1 7.7 10.3 70-90(113-145) - 5.3 6.5 8.5 11.5 80-100(129-161) - - 6.9 9.8 13.7 90-110(145-177) - - 8.0 10.8-100-120(161-193) - - 10.2 - - 110-130(177-209) - - - - - 120-140(193-225) - - - - - 130-150(209-241) - - - - - 140-160(193-257) - - - - - 各ギア最高速度 ションのクルマも試乗した経験から判断するなら アダプティブダンパーは約 1 3 万円の価格に見合ったオプションだ 1 8 インチホイールを履いた今回のテスト車輌は路面の轍や凹凸がキャビンに伝わってくるが 初期の吸収は十分で リバウンドはきちんと抑制され 全体的にはこの手のクルマとして特に乗り心地が悪いというわけではない このように許容範囲に収まる乗り心地より 失望させられるのはステアリングに正確さと 70 AUTOCAR 11/2011

MERCEDES-BENZ SLK200 ROAD TEST フィードバックが欠けている点である 残念な のはオプションのアダプティブダンパーが ディ レクトステア システムとセットでしか装着でき ないことだ このバリアブルシステムは ステアリングの重さと不自然にシャープすぎるレスポンスに改善の余地がある 現状では感度も低すぎる またロック トゥ ロックが 2. 2 回転しかないため動きが神経質で 不自然に敏捷に感じられる場面があり ハンドリングはリニアさに欠けている ステアリングがプログレッシブになれば より走らせ甲斐のあるクルマになるだろう そうした欠点もあるが 新型のシャシーは良好なグリップを提供し ドライバーの入力に対するレスポンスも優れている サーキットでの走りも優秀だが コーナリングフォースがかかっているときに路面の不整に遭遇すると 多少の振動や衝撃が伝わってくることがある 乗り心地とハンドリング関連でいちばん残念だったのは 活気のないパワートレインと平均的なダイナミクス能力のために 走らせ甲斐のあるスポーツロードスターにも あるいは GT カーにも感じられないことだ キャラクターが曖昧で 魅力に欠けているのだ 全体的に見れば大きな欠点はないが 何かに秀でたクルマでもない テスターのひとりはこのクルマについてどう思うかと訊かれて 悪くない とだけ答えた BUYING&OWNING 購入と維持 SLK 2 0 0 は最大にして最強のライバルであ るBMW Z4 sdrive23iと比べると 競争力のある値付けがされている だが フォールディングトップがメタルではなくキャンバストップでもかまわないと考えるなら S L Kは高く感じられる 前輪駆動のアウディ T T ロードスターは 2.0TFSI Sラインモデルを選んでもSLK より約 40 万円安く 1.8TFSIなら 80 万円近くも安い ROAD TEST No 5022 MERCEDES-BENZ SLK200 AUTOCAR VERDICT オートカーの結論 アピールはやや弱いが有能なオールラウンダー メルセデスの新型 SLK は旧型の進化形として非常によく仕上げられており その点には敬意を表したい 価格や経済性 装備 リセールバリューについては 多くのバイヤーが納得できるはずだ スタイル優先のひと通りなんでもこなせるロードスターとしては シャープだという意味ではなくハンドリングについてだが ドライビングもいい だが それにはドライバーの的確な判断 が必要だし ドライバーとクルマのコミュニケーション性 快適さと正確なレスポンスの適切なバランス感覚も望まれる だが メルセデスの指標からすると それらは簡単に得られるものではない 客観的にはとてもいいクルマだが S L K をドライブして感動したり異彩を感じたりはしない 特別な満足感があるクルマであると認めるほどではないのが惜しまれる A TESTERS NOTES テスターのひと言コメント ルーフの機構はとてもよく考えられているが ライバルのものに比べると開閉時間が遅いように思える マット プライアー メルセデスのクルマに限ったことではないが オーディオシステムに最近のiPodしか接続できないのは不満 古い ipodをつなぐとエラーメッセージが出る マット ソーンダーズ 標準装備の DAB 製ラジオはテスト車輌では受信が途切れることが多かった ヴィッキー パロット JOBS FOR THE FACELIFT マイナーチェンジ時に望むこと 現実的な総好条件下での経済性をもっと向上させてほしい 見た目だけでなく 刺激的なドライビングにも焦点を当ててほしい 高速道路の走りの洗練度を高めてほしい SLK200の10.7km/l という混合燃費はこの手のロードスターとして悪くない数字である リセールバリューはライバルを上回るだろうと推測できる フィニッシュや見た目の高級感も秀でているから オーナーの満足度は高いはずである A TOP FIVE 1st 2nd 3rd 4th 5th 車輌価格最高出力最大トルク 0-97km/h 加速最高速度燃料消費率 ( 混合 ) 車輌重量 ( 公称値 ) CO₂ 排出量 われわれはこう考える BMW Z4 sdrive23i M sport BMW Z4 sdrive23i M スポーツ 523.0 万円 204ps/6300rpm 25.5kgm/2750-3000rpm 6.6 秒 (0-100km/h) 250km/h 12.2km/l 1480kg 199g/km このクラスではドライビングがもっとも愉しいプレミアムカー キャビンの雰囲気も素晴らしいが 乗り心地は硬い NISSAN 370Z Roadster GT 日産フェアレディ Z ロードスターバージョン ST 498.75 万円 336ps/7000rpm 37.2kgm/5200rpm 5.5 秒 (0-100km/h) 250km/h 8.9km/l 1570kg 262g/km エンジンは見事なパフォーマンスを持ち ハンドリングも良好 ノイジーなことと ハンドリングが若干鈍感な点がマイナス MERCEDES-BENZ SLK200 AMG Sport メルセデス ベンツ SLK200 AMG スポーツパッケージ 邦貨換算約 430 万円 184ps/5250rpm 25.4kgm/1800-4600rpm 7.5 秒 240km/h 14.7km/l 1435kg 158g/km スタイリッシュでフィニッシュも素晴らしく トータルでの商品的な魅力は高いが 運転が愉しいクルマではない AUDI TT Roadster 2.0 S-line アウディ T T ロードスター 2.0TFSI S ライン 552.0 万円 211ps/4300-6000rpm 35.7kgm/1600-4200rpm 6.2 秒 (0-100km/h) 243km/h 14.9km/l 1295kg 156g/km メルセデス SLK 同様 スタイリッシュでクオリティも高いが 運転が愉しいクルマではない 英国では SLK より価格は安い SAAB 9-3 Convertible Aero 2.0T 9-3 コンバーティブルエアロ 2.0T 654.0 万円 209ps/5300rpm 30.6kgm/2500rpm 7.1 秒 (0-100km/h) 235km/h 13.5km/l 1660kg 173g/km このなかで唯一の 4 シーターであり 上品な雰囲気も持つが ライバルと比べるとドライビングパフォーマンスが劣る 結論 AUTOCAR 11/2011 71