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参考資料 JAJA457 LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス Leo Hendrawan 概要 このアプリケーション レポートでは 低コストのLaunchPad ベースMSP430 汎用非同期送受信回路 (UART) のブートストラップ ローダー (BSL) インターフェイスの実装について説明します 実装の目標は 2つより少ないシリアル インターフェイス モジュールを備えたMSP430バリュー ライン デバイスを BSL Scripterソフトウェア ツール~MSP430のターゲット デバイス間のブリッジとして配置することです 付随するプロジェクト ( 資料 ) およびこのアプリケーション レポートに付属するソース コードは 次の URL からダウンロード できます http://www.ti.com/lit/zip/slaa535. 1 はじめに 1.1 MSP430 ブートストラップ ローダー (BSL) MSP430 BSLはMSP430のメモリ内容の読み出しと修正用にMSP430デバイスに内蔵されたプログラムであり ファームウェアのアップデートに使用できます MSP430デバイスの大部分にはUARTインターフェイスを介して UART BSLへアクセスする機能が付いていますが USBインターフェイス付きのMSP430デバイスにはUSB BSLが内蔵されているため 例外となります MSP430 BSLの詳細については ウィキサイト ( wiki) BSL (MSP430) を参照してください 1.1.1 UART BSL UART BSLを起動するには RSTとTEST ( 共有 JTAGピンを持つデバイスの場合 ) およびTCK ( 専用 JTAGピンを持つデバイスの場合 ) で信号伝送を行う特定のBSLエントリ シーケンスを使用します MSP430デバイスのBSLエントリ シーケンスの種類は そのデバイスが共有 JTAGピンを持つか専用 JTAGピンを持つかによって異なります 両タイプのデバイスのBSLエントリ シーケンスの違いを図 1と図 2に記載します 図 1 BSL エントリ シーケンス ( 共有 JTAG ピンを持つデバイスの場合 ) LaunchPad は Texas Instruments の商標です それ以外の商標はすべて 各所有者の知的財産です この資料は Texas Instruments Incorporated(TI) が英文で記述した資料を 皆様のご理解の一助として頂くために日本テキサス インスツルメンツ ( 日本 TI) が英文から和文へ翻訳して作成したものです 資料によっては正規英語版資料の更新に対応していないものがあります 日本 TI による和文資料は あくまでも TI 正規英語版をご理解頂くための補助的参考資料としてご使用下さい 製品のご検討およびご採用にあたりましては必ず正規英語版の最新資料をご確認下さい TI および日本 TI は 正規英語版にて更新の情報を提供しているにもかかわらず 更新以前の情報に基づいて発生した問題や障害等につきましては如何なる責任も負いません 翻訳版 最新の英語版資料 http://www.ti.com/lit/slaa535

JAJA457 www.tij.co.jp 図 2 BSL エントリ シーケンス ( 専用 JTAG ピンを持つデバイスの場合 ) UART BSLのプロトコル データ フレームは ROMベースのBSLとフラッシュ ベースのBSLでは基本的に異なります ROM ベースのBSLは1xx 2xx 4xxの各デバイスで使用できますが フラッシュ ベースのBSLは5xxおよび6xxデバイスで使用されます 2つのBSLタイプでのBSLプロトコルに関する詳細については MSP430 Programming Via the Bootstrap Loader User's Guide (SLAU319) を参照してください 1.2 汎用非同期送受信回路 (UART: Universal Asynchronous Receiver/Transmitter) 汎用非同期送受信回路 (UART) はシリアル通信用の規格であり 組み込みシステムで一般的に使用されています データはシリアル方式で非同期的に ( クロック信号を使用せずに ) 転送されるため 送信側と受信側両方で データ転送速度 ( 通常はボー レートとして定義されます ) データ ビット数 パリティ ビット使用の有無について同じ設定を使用する必要があります 基本的なUARTフレームを図 3に示します 図 3 UART フレーム デフォルトでは UART 線路は論理 Highレベルでアイドル状態になっています STARTビット信号は基本的に 最初の論理変化の遷移 (Highレベル Lowレベル) として示されます STARTビットの後に データ ビットが転送されます 大部分のシステムではリトル-エンディアン形式で ( 最下位バイト (LSB) から順に ) データが送信され データ ビットが通常 7ビットまたは8ビットとなります STOPビットの前に 必要に応じてパリティ ビットをオプションで送信してフレームを検査することもできます 最後に STOPビット信号により論理 LowレベルからHighレベルへの遷移が1 回行われて UARTフレームの終了が示されます 1.3 MSP-EXP430G2 Launchpad 実験キット (Experimenter Kit) MSP-EXP430G2 開発キット ( 通称 Launchpad) は MSP430G2xxxバリュー ライン デバイス用の低コストの実験キット (experimenter kit) です 実験キットには ボー レート9600でUART (COM PORT) インターフェイスとしても使用できるUSB インターフェイスを備えたオンボード エミュレータが搭載されています Launchpad 実験キット (experimenter kit) の詳細については ウィキサイト ( wiki) MSP430 LaunchPad (MSP-EXP430G2) を参照してください 2 実装 このアプリケーション レポートでは MSP-EXP430G2 Launchpad 開発キットと併せて提供されるMSP430G2231デバイスを使用します MSP430-EXP430G2 Launchpad UART ( ボー レート9600 パリティ無し) と MSP430 UART BSL ( ボー レート9600 偶数パリティ(even parity)) の仕様ではパリティのサポート状況が異なるため MSP430G2231では PCから着信するバイトを検査して 必要があればMSP430のターゲット デバイスに偶数パリティを付加します Launchpad BSLインターフェイスは TI 開発キット上で1xx 2xx 4xx 5xxファミリのいくつかのデバイスを使用してテスト済みです 図 4 は Launchpad~MSPTS430DA38 開発ボード上の MSP430F2274 間のテスト セットアップ例です テスト対象デバイスの 完全なリストは 付録 A に記載されています 2 LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス

www.tij.co.jp JAJA457 図 4 Launchpad UART BSL インターフェイス - MSP-TS430DA38 上の MSP430F2274 間のテスト セットアップ 2.1 ハードウェアの接続 MSP430 Launchpad MSP430 UART BSLインターフェイスの実装には MSP430G2231のポート1 (P1) のピンがすべて必要になります BSL Scripterでは本来 MSP430ターゲット デバイス上でDTRピンとRTSピンを使用してBSLエントリ シーケンスを生成していましたが これらのピンはMSP-EXP430G2 Launchpad 実験キットのUART 接続では使用できません そのため オンボードのS2プッシュ ボタンを代替の入力として使用して Launchpad 上のMSP430G2231でMSP430ターゲット デバイスへのBSLエントリ シーケンスが生成されるようにする必要があります 表 1は MSP430G2231の汎用入出力 (GPIO) ピンの割り当ての一覧です 表 1 MSP430G2231ピンの割り当て GPIO ピン 説明 P1.0 BSL エントリ シーケンス生成用の MSP430 ターゲットへの TCK ピン接続 ( 専用 JTAG ピンを使用 ) P1.1 PC への UART 送信ピン (PC の UART RX ピンに接続 ) P1.2 PC からの UART 受信ピン (PC の UART TX ピンに接続 ) P1.3 BSL エントリ シーケンス生成用のプッシュ ボタン入力 P1.4 BSL エントリ シーケンス生成用の MSP430 ターゲットへの RST ピン接続 P1.5 BSL エントリ シーケンス生成用の MSP430 ターゲットへの TEST ピン接続 ( 共有 JTAG ピンを使用 ) P1.6 MSP430 ターゲットからの UART 受信ピン (MSP430 ターゲットの BSL 送信 (TX) ピンに接続 ) P1.7 MSP430 ターゲットへの UART 送信ピン (MSP430 ターゲットの BSL 受信 (RX) ピンに接続 ) 図 5 に BSL Scripter と BSLDEMO2 ソフトウェアを実行している PC~MSP-EXP430G2 Launchpad~MSP430 ターゲット デ バイス間のハードウェア的な接続の一例を示します LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス 3

JAJA457 www.tij.co.jp 図 5. Launchpad ベースの BSL インターフェイスと MSP430 ターゲットのハードウェア接続 A: J3 ジャンパは Launchpad に接続してください B: 共有 JTAG ピンのあるデバイス用 C: 専用 JTAG ピンのあるデバイス用 2.2 Launchpad MSP430 BSL インターフェイスを使用する MSP430 UART BSLインターフェイスとしてLaunchpadを使用するための手順を以下に説明します 1. このアプリケーション レポートの関連 zipファイルに入っているlaunchpad BSLインターフェイスのコードをコンパイルします またこのアプリケーション レポートにはソース コードの他に CCSTUDIO (Code Composer Studio) とIARプロジェクト ファイルも付属しており 無償のコード サイズ制限版 CCSTUDIO (http://www.ti.com/tool/ccstudio) とIAR キックスタート (http://www.ti.com/tool/iar-kickstart) IDEを使用してオープンできます Code Composer Studioを使用してCCSTUDIOプロジェクトのインポートを試みる場合は [Copy projects into workspace] チェック ボタンをクリックしないでください ソース コードはCode Composer Studioプロジェクトに静的にリンクされているため Code Composer Studioプロジェクトを別のワークスペース ディレクトリに直接コピーしようとしてもソース コードはコピーされません 試みた場合は コンパイル障害 (compilation fail) が発生します 2. コンパイルされたファームウェアを MSP430G2231のフラッシュに書き込みます このアプリケーション レポートの関連 zipファイルには コンパイル済みのTI-TXTまたはIntel-HEXバイナリ ファイルも含まれており これらのファイルを MSP430 Flasher (http://processors.wiki.ti.com/index.php/msp430_flasher_-_command_line_programmer) で使用することが可能です 3. LaunchpadのUSB 接続を切断して セクション2.1の説明のようにLaunchpadをMSP430 ターゲット デバイスと接続します また LaunchpadのJ3およびJ5ジャンパすべてが接続されていることを確認してください MSP430ターゲット ボードにLaunchpadから直接 ( 例 : J6コネクタで ) 給電することも可能です ただしMSP430ターゲットが独自の電源で動作している場合は Launchpad 上のMSP430G2231により供給される信号レベルが 各 MSP430ターゲット デバイス固有のデータ シートで定義されている 任意のピンに印加される電圧 の指定パラメータを超えないようにすることが重要になります 4. USBを再度接続して Launchpadに電源を再投入します 約 1 秒後 Launchpad 上のMSP430G2231が自動的にBSLエントリ シーケンスを生成します ターゲットのBSLが正常に起動されると Launchpadの赤いLEDと緑のLEDが両方点灯するはずです 赤いLEDはMSP430G2231がTCKピンをプルアップしていることを示し 緑のLED はターゲットのBSLが UART TXピンをHigh( アイドル状態 ) にプルアップしていることを示します BSLの起動が正常に行われなかった場合は 赤と緑のLEDが連続して交互に点滅します Launchpad 上のMSP430G2231は リセット直後に1 回だけBSLエントリ シーケンスを生成できます したがって BSLエントリ シーケンスを再度生成するには S1リセット ボタンを押してLaunchpad 上のMSP430G2231をリセットする必要があります 5. 前述のように Launchpad 上のMSP430G2231はデフォルトでは PCからMSP430ターゲットに送信される各バイトにパリティ ビットを付加します ただし MSP430F54xx (A 以外 ) ファミリ デバイスのBSLのようにパリティ ビットが想定されない場合は 起動中にLaunchpad 上のS2ボタンを押すことでパリティ ビットの付加をディセーブルにできます これは赤いLEDの点滅 1 回で示されます この赤の点滅後に入力が確定され パリティ ビットの付加がディセーブルになります 6. BSL_ScripterまたはBSLDEMO2プログラムを実行して BSLとの通信を行います BSL_ScripterまたはBSLDEMO2は 正しいシリアルCOM PORTを使用して実行する必要があります PCによりLaunchpadに割り当てられているシリアル COM PORTを MSP430アプリケーションのUART と呼びます 4 LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス

www.tij.co.jp JAJA457 3 参考文献 BSL (MSP430) wiki: BSL (MSP430) wiki MSP430 Programming Via the Bootstrap Loader User's Guide (SLAU319) MSP430x5xx/MSP430x6xx Family User's Guide (SLAU208) LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス 5

JAJA457 www.tij.co.jp 付録 A テスト対象のデバイス 表 2 テスト対象のデバイス デバイス 製品 Ver. ターゲット ボード 接続 (Launchpad ターゲット ボード ) CC430F6137 Rev E EM430F6137RF900 J6.1 (VCC) - CON11.2 (VCC) J6.3 (GND) - CON11.9 (GND) J2.14 (P1.6) - CON10.1 (BSLTX) J2.15 (P1.7) - CON10.3 (BSLRX) J1.6 (P1.4) - CON10.4 (/RST) J1.7 (P1.5) - CON10.7 (TEST) MSP430F5172 Rev C MSP-TS430RSB40 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J4.36 (P3.7) J2.15 (P1.7) J4.35 (P3.6) J1.6 (P1.4) - J4.33 (/RST) J1.7 (P1.5) - J4.32 (TEST) MSP430F5342 Rev F MSP-TS430RGZ48B J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J2.14 (P1.1) J2.15 (P1.7) J2.15 (P1.2) J1.6 (P1.4) - J4.46 (/RST) J1.7 (P1.5) - J4.41 (TEST) MSP430F5438 Rev L MSP-TS430PZ5x100 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J1.18 (P1.1) J2.15 (P1.7) - J1.19 (P1.2) J1.6 (P1.4) - J4.96 (/RST) J1.7 (P1.5) - J4.91 (TEST) MSP430F5438A Rev E MSP-TS430PZ5x100 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J1.18 (P1.1) J2.15 (P1.7) J1.19 (P1.2) J1.6 (P1.4) - J4.96 (/RST) J1.7 (P1.5) - J4.91 (TEST) MSP430F149 Rev S MSP-TS430PM64 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J1.13 (P1.1) J2.15 (P1.7) - J2.22 (P2.2) J1.6 (P1.4) - J4.58 (/RST) J1.2 (P1.0) - J4.57 (TCK) MSP430F249 Rev D MSP-TS430PM64 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J1.13 (P1.1) J2.15 (P1.7) - J2.22 (P2.2) J1.6 (P1.4) - J4.58 (/RST) J1.2 (P1.0) - J4.57 (TCK) MSP430F1612 Rev B MSP-TS430PM64 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J1.13 (P1.1) J2.15 (P1.7) - J2.22 (P2.2) J1.6 (P1.4) - J4.58 (/RST) 6 LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス

www.tij.co.jp JAJA457 デバイス 製品 Ver. ターゲット ボード 接続 (Launchpad ターゲット ボード ) J1.2 (P1.0) - J4.57 (TCK) MSP430F1232 Rev F MSP-TS430PW28 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J2.14 (P1.6) - J2.22 (P1.1) J2.15 (P1.7) J1.10 (P2.2) J1.6 (P1.4) J1.7 (/RST) J1.7 (P1.5) J1.1 (TEST) MSP430F2274 Rev E MSP-TS430DA38 J6.3 (GND) J3.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J2.32 (P1.1) J2.15 (P1.7) J1.10 (P2.2) J1.6 (P1.4) J1.7 (/RST) J1.7 (P1.5) J1.1 (TEST) MSP430F2619 Rev E MSP-TS430PN80 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J6.3 (GND) J5.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J1.13 (P1.1) J2.15 (P1.7) J2.22 (P2.2) J1.6 (P1.4) J4.74 (/RST) J1.2 (P1.0) J4.73 (TCK) MSP430G2553 Rev A MSP-EXP430G2 J6.1 (VCC) - J6.1 (VCC) J6.3 (GND) J6.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J1.3 (P1.1) J2.15 (P1.7) J1.7 (P1.5) J1.6 (P1.4) J2.16 (/RST) J1.7 (P1.5) J2.17 (TEST) MSP430F449 Rev G MSP-TS430PZ100 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J6.3 (GND) J5.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J4.87 (P1.1) J2.15 (P1.7) J4.86 (P1.5) J1.6 (P1.4) J4.94 (/RST) J1.2 (P1.0) J4.93 (TCK) MSP430FG4619 Rev F MSP-TS430PZ100 J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J6.3 (GND) J5.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J4.87 (P1.0) J2.15 (P1.7) J4.86 (P1.1) J1.6 (P1.4) J4.94 (/RST) J1.2 (P1.0) J4.93 (TCK) MSP430F47187 Rev A MSP-TS430PZ100A J6.1 (VCC) - J5.1 (VCC) J6.3 (GND) J5.3 (GND) J2.14 (P1.6) - J4.91 (P1.0) J2.15 (P1.7) J4.90 (P1.1) J1.6 (P1.4) J4.100 (/RST) J1.2 (P1.0) J4.99 (TCK) MSP430FR5739 Rev D MSP-EXP430FR5739 J6.1 (VCC) - J6.1 (VCC) J6.3 (GND) J6.3 (GND) J2.14 (P1.6) - SV2.11 (P2.0) J2.15 (P1.7) SV2.8 (P2.1) J1.6 (P1.4) J3.7 (/RST) J1.7 (P1.5) J3.9 (TEST) LaunchPad ベースの MSP430 UART BSL インターフェイス 7

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