社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会におけるこれまでの ( 目次 ) これまでの各回における議題の 特に議論いただきたい点 を基に整理 < 第 2 回部会関係 > (2-1) 自立相談支援のあり方について 1 1 自立相談支援のあり方全般 2 自立相談支援事業に生活困窮者をつなげる仕組み

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生活困窮者自立支援制度の全体像 自立相談支援事業 緊急に衣食住の確保が必要な人 一時生活支援事業 住居喪失者に対し一定期間 衣食住を提供 生活保護に至る前の段階から早期に支援 再就職のために居住の確保が必要な人 住居確保給付金 就職活動中の家賃費用を有期で支給 生活と就労に関する支援員を配置し 他施

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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一について人口密集地域であり 簡易宿所が密集する地域を抱えていることから 全国的に見てもいわゆるホームレスの数が多い地域であると推測される東京都(特別区の区域に限る ) 川崎市 横浜市 名古屋市及び大阪市における野宿生活者等の数について各地方公共団体に聴取したところ それぞれの地方公共団体で 野宿生

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いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

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目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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資料9

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

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制度 後期高齢者医療制度とは 3 資格 被保険者 4 被保険者証 保険証 5 保険料の算定 6 保険料の納付方法 7 保険料の軽減と納付相談 8 お医者さんにかかるときの自己負担割合 10 療養費 12 接骨院 整骨院 柔道整復 のかかり方 13 訪問看護療養費 移送費 13 高額療養費 14 特定

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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3 参加しやすい工夫 ( 効果的な周知や会議運営 ( 開催時間 委員の構成等 ) の工夫 ) 4 名柳田委員 猪瀬委員 庄司委員 小橋委員 2 名関口副会長 高柴委員 1 名櫻井委員 関口副会長 パブリックの後の説明会 意見交換会の開催検討の方向性は 担当課の工夫がある 高柴委員 このバスを望んでい

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( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

再生の見通しなどを記載した 貸付あっせん書 を作成し, 本人の家計の状況や家計再生プ ラン等を貸付期間と共有し, 貸付の円滑 迅速な審査につなげる 7 業務の具体的な実施方法家計相談支援事業と自立相談支援事業は, アセスメントの結果や相談者の状況変化等の必要な情報を常に共有し, 適切に連携を図りなが

平成 31 年度予算案 の概要について 平成 30 年 12 月 人材開発統括官

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問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

平成 28 年度の貸付決定件数 1 平成 27 年度貸付 決定件数 2 平成 28 年 度貸付決定件 数 ( 速報値 ) 3 貸付決定件 数の増減 2-1 (%) 4 2 のうち 自立を利用し た件数 (%) 件 5 2 のうち 家計を利用し た件数 (%) 全資金合計 29,782 28,386-

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看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

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高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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平成 29 年度第 1 回徳島県医療審議会 質疑 調整会議での議論を待たずしてかなりの病床の移動が起こりつつある それをコントロールできないと 調整会議そのものが意味をなさなくなるのではないか 1 当会議の運営要領を定めてはどうか 2 病床機能分化 連携推進体制整備事業について当会議の審議事項として

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

Transcription:

社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会 ( 第 6 回 ) 平成 29 年 8 月 30 日資料 1 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び 生活保護部会におけるこれまでの

社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会におけるこれまでの ( 目次 ) これまでの各回における議題の 特に議論いただきたい点 を基に整理 < 第 2 回部会関係 > (2-1) 自立相談支援のあり方について 1 1 自立相談支援のあり方全般 2 自立相談支援事業に生活困窮者をつなげる仕組み 3 支援における情報共有の仕組み 4 断らない 相談支援の実現 5 自立相談支援事業の体制 (2-2) 就労支援のあり方について 6 1 就労支援のあり方全般 2 就労準備支援事業 3 認定就労訓練事業 4 無料職業紹介事業 5 その他 < 第 3 回部会関係 > (3-1) 一時生活支援 居住支援のあり方について 9 1 一時生活支援事業 2 居住支援のあり方全般 3 無料低額宿泊所等 4 保護施設

(2-1) 自立相談支援のあり方について 1 自立相談支援のあり方全般 縦割り行政を分野横断的に対応できる相談窓口ができたことに意義があり 今後も大いに期待する 相談支援については 相談者を断らず 広く受け止めるという方向にすべき 相談員の専門性の位置づけ 評価をしっかりしていくことがよりよい自立相談支援につながっていく 2 自立相談支援事業に生活困窮者をつなげる仕組み 連携の頻度が多い税金を始めとする滞納情報を持つ部署から相談窓口につなげる仕組みが必要 子どもについては 子どもの不登校や問題行動ばかりでなく 学校に納付する費用の支払いの遅れ等家庭の課題も拾い上げながら どういうルート ( 組織又は人 ) での情報の伝達 集約がよいのかに着目し 学校や教育委員会との連携をベースに 議論していくことが必要 自立相談支援事業と他の制度との連携が重要 食料費 交通費 病院代 携帯電話費用などの支援が自立相談支援事業にあるとつながりやすくなるので 場合によっては検討する必要 自立相談支援の仕組みは入口のところであるので そこにつながるよう広報活動等 周知の方法と内容を考える必要 1

3 支援における情報共有の仕組み (2-1) 自立相談支援のあり方について 支援調整会議 を法律に設置根拠を持つものとし 構成員や守秘義務についても定めを置くべき 支援調整会議 を個人情報を共有できる仕組みとして 守秘義務を含めた法律上の枠組みを整備することによって 自立相談支援機関がコーディネート役を担い 関係機関を収集して情報共有の場ができるので 一つの支援機関では止まっていた支援が動き出し 世帯丸ごとの支援が可能となる 個人の命に関わるものや子どもに関わるものなど いくつかの条件に該当すれば個人の同意がなくても段階を踏んで介入することが必要 法律による法定協議会の設置や 生命の危険が予想される場合など 一定の条件を設定した上での情報共有や守秘義務についての法的枠組みが考えられないか 本人同意がない中で とりわけ納税情報については 地方税法第 22 条の規定で守られるべき法益を考えると 情報収集 情報提供の範囲は慎重に検討すべき 生活困窮者自立支援制度の実施主体は自治体であり たとえば税の滞納者等について自立相談支援事業につないでいく働きかけは あくまでも自治体が個人情報取り扱いの原則のなかでどのように工夫していくかということになる 自立相談支援の対人援助においては信頼関係が基盤となるので 本人同意なく得られた情報を本人との関係で使っていくことは考えにくい 安易に個人情報を共有することは 逆に困窮者にとっての脅威となることもあるので 少し慎重に考えるべき 2

(2-1) 自立相談支援のあり方について 3 支援における情報共有の仕組み 地域のつながりのある方にも 支援される困窮者の支援方法や関わり方の共有をしていくような場面を作ることが必要 相談者の生活をどう支えていくかといった視点と 一方で 自己決定という視点についてそれぞれの兼ね合いをどうとっていくのかが重要 生活困窮者自立支援の窓口から始まり 結果として生活保護の活用に至った場合に 横断的に同じ支援者が関わっていくような仕組みづくり 支援の連続性が必要 要保護児童対策協議会のようなチーム支援が理想的ではあるが 個別の一つ一つの課題に対して丁寧に対応していくということが実態ではないか いかに多くのセクションが情報共有しながらやっていくかが重要 情報の収集に当たってのワンストップ的な担当部署が必要 それには専門的な総合相談をできる人材の配置が必要 情報の提供については 法改正という手法もあるが 現行制度の中でガイドライン的なものを示すことも必要 3

(2-1) 自立相談支援のあり方について 4 断らない 相談支援の実現 困窮法第 2 条の定義規定とも関連するが 社会的な孤立という概念を法律に盛り込むべき 困窮法第 2 条の定義規定等を見直すかどうかが 生活困窮の定義や対象について 制度が本格実施されてからの状況を踏まえてもう一度捉え直し 置き直して 理解を広げることが必要 スーパーバイズ フォローアップ等 相談員のサポート バーンアウトさせないための体制づくりが必要 自立相談支援の相談をバックアップしていくために 我が事 丸ごとの地域の包括的相談支援体制が必要 アウトリーチをしっかりやっていく体制を考えるべき 断らない ということがプレッシャーになって 相談員のメンタル面の問題につながってきているのではないか 断らない という理念には賛同するが 人材の育成 確保 スーパービジョン 組織の理解などの条件を整えていく観点が必要 相談をそこで受け止めることをどれだけできるか 他の制度につなげるならば つなげるためにどういう手法を取ったほうがよいかを検討すべき 相談には 2 つの機能があり 一つは問題解決をする機能 もう一つは 今日 困窮 孤立が進んでいる中で相談自体が支援という機能 関係の保持などを通じて相談そのものが支援になることを理解しておかないと 出口がないから相談を受け付けませんという逆転現象になりかねない 4

(2-1) 自立相談支援のあり方について 5 自立相談支援事業の体制 相談体制の強化が不可欠 具体的には 1 支援員等の専門性の確保 2 必要な職員配置 3 対人援助業務に従事する上での理念 倫理形成 4 相談員の育成 スーパービジョンの確保 5 連携体制の確保 特に配置基準の設定をすべき 広域自治体の立場としては 広域自治体における管内実施機関の広域支援について 法律上の位置づけやガイドラインの作成 広域支援した際の費用に関する補助率の予算措置が有効 体制の確保や人材 ケースワーカーのスキルの向上が重要であり 質と量 支援員のスキル 十分な配置のための財政的な措置も引き続き検討する必要 支援員に関する基準や予算措置も必要 単に相談するだけでなく 相談給付のようなものも必要 人口別の算定基準については 検討する必要 相談支援員の数を増やすべき 人員配置基準を明らかにすべき 5

1 就労支援のあり方全般 2 就労準備支援事業 (2-2) 就労支援のあり方について 本人に見合った多様な雇用 労働の場の創出が必要 日常生活と社会生活と就労を一体的に考え かつ雇用についても意欲 能力や 本人に適した雇用環境の問題を考えて行っていく必要 また そのために それに対応する人員配置 質と量の両面から検討する必要 多様な働き方を目指すことで社会的孤立を解消することができるが 生活保護受給を開始して 就労不可ということになると社会参加の道が途切れてしまう ケースワークでうまくつなぐことができないか 就労に結びつくまでに一年以上かかる方もおり 期間延長についても検討が必要 就労準備支援については 必須化する方向で進めてほしい 断らない支援が一つの到達点とすれば その出口のツールとして 就労準備支援事業の必須化は検討されるべき 就労準備支援事業の必須化は 全国どの地域 自治体においても雇用 労働の機会を提供するという意義があり 賛成 就労準備支援事業を実施する上でのノウハウ等には 自治体間で差があるので 広域的な県からの支援が重要 規模の小さい自治体では 1 需要が少ない 2 補助金交付の対象外となっている 3 マンパワーの不足や委託事業者が少ないといった問題点があるため こうした問題点を解決する仕組み作りが必要 交通費について 実費負担ができずに支援をあきらめている現状があるため この交通費の実費負担の原則を変えられないか 就労準備支援事業の最長 1 年間という期間について 状況に応じて その例外を検討していく必要があるのではないか 6

(2-2) 就労支援のあり方について 2 就労準備支援事業 - 就労準備支援事業の対象者 ( 年齢や資産収入要件 ) 3 認定就労訓練事業 ( 次ページに続く ) 65 歳以上の者に就労機会を提供するということで賛成 65 歳以上の者にも就労準備支援事業を広げていくべき 認定就労訓練事業を実施する事業主がなかなか見つからないという状況があるので 事業の実施促進に何らかの工夫が必要 一般市や町村がこの認定に関わるようなことができれば さらに普及するのではないか 認定就労訓練事業者に対する自立相談支援機関による支援の向上が必要 働く先等出口となる企業や民間団体への支援が重要 財源的な措置も含めて バックアップの方策を検討してほしい 障害者雇用アドバイザーのこれまでのノウハウも取り入れながら 技術的支援のあり方をもう少し整理して ガイドライン的なものを作っていくことが重要 労災が適用にならない場合の保険にかかる費用や交通費等を公費で賄っていくことも必要 交通費等必要経費の認定が必要 交通費等の実費負担は検討する必要 7

(2-2) 就労支援のあり方について 3 認定就労訓練事業 支援つきの就労 ( 中間就労 ) について これまでの障害分野のものだけではなく 企業が受け皿になれるようにする さらに 誰でも働ける社会的企業を育成する仕組みや支援が必要 他の事業をしている場合の配置基準に関連した 兼務に関する法人内での柔軟性の確保が必要 4 無料職業紹介事業 5 その他 現状においても 柔軟な就労形態はあるので 就労というものを意図せず緩めてしまわないような形で検討すべき 労働の専門部署が職業紹介を行うことは労基法が守られた職場であるのか等の確認の視点から非常に重要であり 慎重であるべき 生活保護の相談のところにハローワークが出ていくような方向も併せて考える必要 最低生活保障以外に自立の助長という考え方から就労自立給付金が創設されているが 生活保護の勤労控除の在り方については 期間限定で 最初の期間は通常よりも多く手元に残るような幅を持たせてインセンティブを強化することは許容されるのではないか 8