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m 日本産コフキコガネ族概説 ( ) 小 本裕和 はじめに 食葉性コガネムシの中にあって コフ 日本産種の研究史 日本から初めてこのグルーソ キコガネ ai 科 (Meoonthinae) は スジコガネ l を記録したのは BtlRMElsTER (855 H andb d 科 (Rutelinae) や ナムグリ亜科 (Cetoninae) Ent p 20) で この時にはコフキコガネ ( M などと共に 稱類数の多い大きなグループの つで jopomca) が他の多くの種類に混じって唯? 重我国 ある 我国では コフキコガネ ii[i 科は アシナ力 コ から記破されている c その後 MoTscHuLsKY (857 ガネ族 (HopIini) ビロウドコガネ族 (Sericini) 86) が2 属 2 極を WATERHOUSE (875) が と コフキコガネ族 (Meolonthini) の3 族に区別されている 斗世界的な分布を持ち Jt 常に 類数 種 さらに G LE ~Is (887 895 896) 力 3 5 \ を記 i 定している tl この間琉球列島からは Blt の豊富なビロウドコガネ族と同様 コフキコ力 ネ族 ENsKE (890) が 美大島からォキナワシロスジも数多くの種類が 東南アジア アフリカ 北アメコガネ (P schoenfieldti) を最初に記成している リカなどを中心に記般 ; されている 我国におけるこの族に含 世紀に入ってMO SER(92) が 属 重 ARROW (93) まれる種類は ヒケ J 2 属 2 種を記成し コガネ シロスジコカネ コフキコガネなどを含む いわゆるコフキコ力 ネのグループと カンショ て以降 外国人による我国における新の記 l は見られず本族の研究は新島木ド (923 927) コカーネ ナガチャコ fl (90 l950) カーネ クロコガネな 中根 (956 963) どを含む いわゆる 野付 (952 l959 クロコガネのグループとに大別することができる コフキコ力ネ IE 科の中では ビロウドコガネ族に 96 965 970 977) 等の日本人の研究者の手で進められ 現在までに lai 種を含め 9 種が記録さ ついては国内では れている この中で沢田 野付等によっ 895 年 G LEWIS がてよく研究され 特長崎県五島列島からに近年 野村 ( l972 記械した オオチ Aj)0goma major WATERHOt?E オオカンショコカネ l973 976) によっイロコガネ ( Mi ndiba castanea (WATERHol_F_) クリイロコガ てまとまった論文が ponensis) と 日本 出されており 種の検索ならびに検討が容易にでき から記 したニツポンカンショコカーネ ( A m o r n るようになった 方 コフキコガネ族については ca) の両種は 前種が朝意? 東シペリア 中国に 属程度の検討はされているものの 全体としてまと後者が台湾にそれぞれ分布することが確認されてはまった論文は 残念ながら見ることができない そいるものの mpon の名前が付けられた両種が 原こで 現在までに断片的に出された報文をまとめ 記載以降肝心の我国において採集例が見当らないこ再検討を加えてここに解説することにした とは 何とも皮肉な話である

第58号 (982年0月) 甲虫ニュース Il( チ jl ウセンキコ ガネ属 MetabOtuS 亜族の検索表 後胸後側板は狭く 長さは幅の3借以上 体表 面は毛がないかまたは軟毛を有し 稀に鱗片でお おわれる クロコガネ亜族 (Rhyzotrogina) Genus Apogoma KIRBY88カンショコガネ 後胸後側板は幅広く 長さは幅の3倍以下 体 表面は鱗毛または毛で覆われるが時として鱗片で おおわれるコフ キコガネiEi族 (Meloonthina) 亜族(場合によっては族)の扱い方については時代 著者によって話説があり 明確な結論がない部分が の中南部地域に分布しており 現在までに世界で約 250種ほどが知られている 我国では 九州 沖組 この属は 東洋熱帯地方を中心として日本 中国 ンド ヒマラヤなどを含む地域 およびアフリカ 地方を中心に亜種iを含め3種が分布している し かし 北海適からはまだ本属の分布記録はなく 本 多く 今後の検 課題の ホ つ となっているが ここ では il] i族や属の位 づけについては野村 (977) 野付 小林 (979) の扱いに従う こと と した 用においてさえヒメカンショコガネ(A amida) た だ 種が分布 しているにすぎない 日本産種の検索表 前胸背は前緑角の後方でえくられる 頭概は比 較的幅広く 前緑はほぼ直線状またはj入する Subt ribe Rhyzot rogina ク ロコガネ亜族 日本産属の検索表 前胸背前綠は膜状となる 前基節は円 状 爪 前胸背は前緑角の後方でえくられない 頭橋は あまり幅広くなく 前緑はほぽ直線状またはなだ i 先端で切り込みを有する 腹節は融合するが 明らかな縫合線を有する らかに円し 前胸背の側緑は 装 f に孤状に曲る 点刻はや やまばらで しわ状とならない 中央には通常l カンショコガネ属 A o go m a l 前胸背前緑はキチン化する 前基節は横長 ilti 節は融合し 機合線は細いかあるいは中央で消失 対のかすかな凹圧部を有する 体長l l ~2 mm する major WATERHOUSE 2 爪は内側に直立した歯を7 ロえ [ る 稀に雄では先 端に切れ込みを有する 2 前胸背の側緑は 中央より後方でゆるく曲る 3 2 爪は先端に切れ込みを有する この場合 限側 前胸背の点刻は 部を除いてしわ状とならな 3 の齒は背側の歯より も頭強ーーーーーー 5 3 頭頂には強い横の隆起を有する 上翅には会合 3 前胸背の点刻は 縦しわ状となり 光沢をほと 部の縦隆を除いて 縦隆を欠く ク リイロコ ガネ属 M i r i di ba んど欠く ishiha rai SAWADA a 前胸背の点刻は非常に強く 密である 体長 05~ 5mm subsp ishiharai SAwADA b 前胸背の点刻は やや浅く細かい 体長05~ m m subsp yakus himana NoMuRA 3 頭頂には隆起がないが 時として横の凸部を有 する 爪は雄雌と も 内側に直立 した歯を具えるー m クロコガネ属 体色は茶掲色で光沢が強い 前胸背の点刻は比 較的密であるが 小さく浅い 後系ヨ 角の前方に明 H otot rt ch i a 爪は雄では先端に切れ込みを有するが 雌で 順な平圧部を有する個体が多い 体長 9~0mm は内側に重直な歯を只 える IV ォォキイロコ ガネ属 PollaPtonyx shibuyai SAwADA i 体色は黒色~黑褐色で光沢がある 時としてl f 面は赤味を帶びる 前胸背の点刻は部で融合し 5 後胸板は白つぼく能消しで ほとんどの場合毛 がないが 時として短毛を生じるーーー 6 こ点刻を密に具える 後緑角の前方はえくられな いが 時と してかすかに凹む 体長 8~0mm 5 後胸板は光沢があり 長い毛を密に装うー bieaυa!a ARROw 6 触角は0節で 雄雌とも葉片部は3節 6 5 前脛節は2外歯を具える 5 前脛節は3外歯を具える力 時として第3歯は V ヒメ クロコガネ属 SoPh rops 6 触角は9節ないし0節で 雄の葉片部は6節で 柄部の長さの2倍以上 雌では または5節で 柄部よ り短し ヒケ ナガクロコ ガネ属 a e ataem 6 7 体長 am i da LEWIS 6 小柄板は小さな点刻をまばらに具える 体長6 7 触角葉片部は雄雌とも3節ーーーーー 7 触角葉片部は 雄では7節で柄部のほぼ2倍 雌では5節で短し Vl ナガチャコガネ属 Hej)toPhyl ia 触角は雄雌とも0節 8 ~ 7mm mporn ca LE wls 7 前胸背の点刻は 比較的大きいが密でない (A b bicanfata ではやや小さい) 8 8 7 前胸背の点刻は 小さく密である 前脛節には 雄雌とも明瞭な3外歯を具える 体長 9~ mm kamiyai SAwADA Viii ァ カチャコ ガネ属 Br ahm i na 8 触角は雄雌とも9節 小さ く日立たなし 小概板は大き く ほと んど点刻さ れなし 7 ~ 8 5mm S 2

No 58 (Oct 982) C0LEOPTERISTS NEWS 8 前尾節板及び尾節板には縦隆線がない 第 ~ 第2腹節の両側には不明瞭な縦稜が認められる 体長9 5~ 5mm cupreo υindis KoLBE 8 前尾節板及び尾節板の中央には縦隆線があるe 第 ~ 3腹節の両側には明瞭な縦稜がある に産することが多く その出現期も春から初冬にか けての長期間にi iる また 冬季や初春にはi:中よ り成虫を見出すことがある clea nnata LEWIS 分布 : 日本 ( 本州 四国 九州) 台湾 中国 a 前胸背の点刻はやや小さく 密でない 上超の点刻も 他の亜種と比べ小さい 体長 本種は LEWIS によって記 械されたが その産地 地は判らない LEWISは何種類ものコガネムシを日 本から記録記載しているが 大部分のものは明確 な産地が記されており この重のよう に漢然とした 形で産地を;iすようなことはほとんど例がない し かも 原記被;以降全く国内では採集された記録がな いことなどから考えても 本lfが本当に我国に分布 オオカ するかどうかについては疑間が多い 分布 : 日本 (? ) 台湾 7 Apogoma amiyai SAwADA 90 体色は黒色でかなり強い光沢がある 個体によっ ては 背面にわずかな金属緑色光沢を帶びるもの l ある 前脛節は2外歯を具える 分布 : 日本(九州) 本種は WATERHOUSE によって875年 ( Trans 分布: 琉球列島(宮古島石fii島与那国島)台湾 Apogoma c 8 rocυl r i dis KoLBE l886 チ ョ ウセンカンシ ョ コ ガネ 原名_Ei種は 朝鮮 (釜山) を模式産地として記検 された その後 LEWIS が896年に長崎県五島列 島から本種を記録しているが 以来採集の報告はな 我国に産するカンショコガネ属の中で前胸背が強 類との区別は容易である 原名亜種は高知県足相岬 を模式産地とし 四国からのみ知られている また 屋久島およびトカラ列島中之島 ei石島には別ifi 重 f く 前述の A mpomca 同様に日本の分布には疑 問がある また 宮古島には別観の subsp mty a koana NoMuRA 965 ( ミヤコカンショコガネ)力: subsp yakushimana NoMuRA l959 (ヤクシマカ ンショ コ ガネ) が分布している 分布している 本E[ll細iはiti初 Abicarinataの 随 種として記般されたものであるが l973年野村は A cupreoυir idis の亜種とした なお 済州島に は別lIE種 subsp fusanta KoLBE が知 ら れ て い シ プーr 力 ンショ コガネ 体色は茶褐色で光沢が強く 頭部および前胸背で は部暗色となる 90年渋谷武士氏によって 美 る 大島名瀬で採集された 頭の雌によって記破された g A ogoma blca r f M fa LEWIS 896 フ タス ジカン ショ コガネ 九州南部から琉球列島のほぼ全域にFl る広い地域 リ ュ ウキ に分布しており 琉球列島では最も個体数の多い種 ュ ウ カ ン シ ョ コ ガネ 類である 原名亜種は f 美 ノ大島を模式産地とする 力 日本では以下の3_Ill細こ区別される 冲細本島において J E A LEWIS の採集した採 本に基づいて記破された 分布 : 琉球列島 (中之島 沖組本島) 本種は前述の mayor ishiharai および s加0 gva と外部形態が似かよっており 雄交尾器の形状もよ く似ている しかも 現在までに知られている分布 subsp bica rtnata LEWIS l896 s st 分布 : 日本 (九州 島) 琉球列島 (中之島 _;島 ォ石島 美大島 徳之島 沖永良部島) subsp okinaωana NoMuRA 96 オキナワ カ 域はいずれも重複することがない点から考えて 起 ン シ ョ コ ガネ 分布 : 琉球列島 (神細本島) 源を同じくする種がそれぞれの地域において特殊化 subsp yaeyamana NoMuRA 965 していった ものではなかろ うかと考 え ら れ る も し そうでなかったにしてもこの種は非常に類緑 ヤ ェ ヤマ カ ン シ ョ コ ガネ 分布 : 琉球列島 (石島 西表島) 上記の3亜種のほかに 台湾には別亜種の A b メ カンシ ョ 話島に分布することが確認されている く 縦しわ状になるものは本種だけであるので他の種 の近い種類であることは間違いがない 5 Aj)ogoma amida LEWIS 896 ヒ ー 集した2頭の雌を基に記破されたが 我国でも先島 ン シ ョ コ ガネ 分布 : 琉球列島 ( fill美大島) Apogoma bicaυata ARROW 93 ミ カンショ コ ガネ 域ではあまり個体数は多くないようである 2 Apogoma ishiharaisawada90 イシハラカ カ 本種は l927年に神谷男itが台湾の四重渓で採 ent Soc London 875) 長崎を模式産地 と して記 義 されている B 九州本土以外で ヘ 長崎県壱岐 7 月中旬 に多数の個体が得られているが 他の地 Apogoma shibuyai SAwADA 950 ツポン カ はただ単に Japan となっているだけで詳しい採集 分を有する 体長 9~ l lmm subsp ya ey a ma na N omura 3 ニ ン シ i コ ガネ b 前尾節板および尾節板にある縦隆線は 最も 明瞭である 体長9~ 0mm subsp okinaωana NoMuRA c 前胸背の中央には縦に点刻を欠く滑らかな部 WATERHOUSE875 Apog0加a mpornca LEWIS895 6 8 5~ mm subsp bica rinata LEWIS Apogoma major ン シ ョ コ ガネ ネ コ 現在のところ本属に含まれる種類のうち 本州に 分布するのは本種ただ種である 低地~低山地帯 3

甲虫ニュース 第58号 (982年0月) sauteri MOSER 98 を産する lt Genus Mi r idiba REITTER 902 ル 中国 本種は最初 Hotot richia castanea と して記破さ れた その後 98年に ARROWが Neodontcnema ア ム ー ク リイ ロ コ ガネ属 触角は 9節で 葉片部は雄雌とも 3 節よ りなる 後述の Hoot richia 属 と非常に近緑のグループで 属を創設した際に 本種を含め9種類がこの属に移 されているので 本種には最近までこの属名が使用 されてきた また FREYが97年にインド シッ キム アッサム等のこのグループをまとめた際にも あるが 頭頂に強い横隆起を fl;えることがこの属の 大きな特徴となっている 現在までに東南アジア地 域を中心 と して約 l5種が知られているが 我国には 次の 種だけが分布している Mi r idiba c astanea (WATERHOUSE 875) ク Neodontcnema 属が使用されている しか し ネ ール 東南アジア 中国 台湾などに産する Neodontcnema 属に含められていた種は 中国の上海 を模式産地と して記破された Rhizot rogus t nchopho rus FAIRMAIRE l89を模式種としてreitter が902年に創設 した M n dioa 属の特徴と致す る このことから 本種を含め Neodontcnema属 と して取 り われてき た種は Miridiba 属に変え られるべきであると考える リ イ ロ コ ガネ 体長8~22mm 茶 色~ 色で光沢がある 頭 橢は密に点刻され 前綠は中央でえぐられる 前 iの点刻は小 さ く密である 上題は平 ]で縦隆がな く 点刻はやや大きく 組い 雄の尾節の基部には 横隆起を有する 分布 : 日本 (本州 四国 九州) 朝鮮 済州島 日 本産 ハ ン ミ ョ ウ類の 分 布 3 題 黒 沢 良 彦 本における分布はかなり詳しく判っているとばかり るのを見て 剣山にミヤマハンミ ョウを産するのは やはり確実であると思われるので 国立科学博物館 flu っ ていたが 私の手許に従来の分布上の常識を覆 に所蔵されている標本を正式に記録することに した ハン ミ ョ ウ類の様な人目を這 く顕著な甲虫類の日 す様な二つの記録がある そのつは かなり以前? 徳島県三好部束祖谷山村名頃~剣山見ノ越 から手許に標本がありながら 余 りに従来の常識か ら外れているためにその発表を路路 していた 四国 の ミヤマハン ミ ョ ウの記録であり 他のつは違山 は見られない 上野博士を通 して伺った語によると 雅夫氏より頂いた北海道渡島半島のマガタマハンミ 吉田氏は剣山の両剣谷で本種2頭を978年8月2日 ウの記録である そこで 以下にその詳細を記録 に採集 しておられるとのことである 本種の分布は中部地方まででそれから西には及ん でいなかったが 今回の記録で挙に紀伊半島を跳 v i 957 上野俊採集 ただ頭を検しただけであるが 本州産との差異 すると共に併せて以前から考えていたハンミ ウ類 の分布境界線について私の意見を述べてみたい 四国剣山のミヤマハンミ ョウ (Fig) び越して四国に及んだことになる 本種の様な寒地 ミヤマハン ミ ョウ Cicindela sachamnensis MoRAwlTz の本州亜極 mohozata BATES の分布西限 は 南アルプス 中央アルプス 北アルプスを結ぶ 性の種類が剣山に産することの意義は極めて大きい 線で それ以西では加賀白山 (石川県) に産するの を除けば他の記録は全くない 国立科学博物館には 957年6月日に上野俊 博士が徳島県三好部束祖谷山村名頃から剣山の見ノ 越に至る間で採集されたァイー ヌハンミョウ C gemma a arno LEWIS 2 ニ ワハン ミ ョ ウ C japalta MOTSCHULSKY l ハンミョウ C chinensis japonica THUNBERG などに混つて ミヤ マハン ミ ョ ウ がある この標本の存在は長い間 私を悩ませて来たもので 上野博士の採集品である ので間違いはないとは考えられるものの I日い採集 でもあり 当時の常識では ミヤマハン ミ ョ ウが四国 に産するなどとは到底考えられなかっ たので 次の 標本の採れるまでと考えて記録するのを保留して来 た しかし 正式な記録ではないが 今回徳島県農 業経済課の吉田正隆氏が982年 2月25日付の朝日新 間徳島版に本種が剣山に産することを記しておられ a c in dela sach alinensl s MORA Tz ミ ヤ ー ハ ン ミ ョ ウ 2 C 00t)ennis BATES マ力タマハン ミ ョ ウ

No 58 (Oct 982) C0LEOPTERISTS NEWS 2 ヒ海道駒ヶ3のマガタマハンミョウ(Fi92) マガタマハン ミ ョ ウ Cicindela ooipennis BATES の既知分布域は青森県から石川県の能登半島に iる 主として英日本地域と佐渡島に限られ 表日本には ほとんど産地がない 要日本でもどこにでも産する わけではなく A山には産するのにその隣りのB山 には全く見当らないと言った有様で 極めて局地的 な分布をJすことが多い 後翅が退化して飛ぶこと ができなく ただ速かに歩行するだけであるので 海を越して佐渡島に多産するのはIt目に価する 同 様に以下に記す北海道からの本極の記録も 従来の 常識を破った極めて注目すべき記録と言える 6 北海道渡島支庁芽部部砂川町駒ヶill7 viii 969 島Ill正信採集 国立科学博物館所蔵 写真に示した通り この標本の翅端紋はかなり拡 大しているが 個体変異の中の極端なもので 地方 的な変化ではないであろう 3 尾池線批判 尾池清氏はl90年に 日本におけるハンミョウ 類の分布を調べた結果 本州中部の糸魚川静岡線 (Fossa magna) に沿って分布境界線が引けると 結論した (関西民虫学会会報 0() P 8) 野村 健博士もこの分:tfi境界線の有意義であることを認 め 尾池線と命名した 尾池氏がこの分布境界線を 捉l属 l するに当り その根拠としたのは それ以北 に発見されるもので 以南に発見されないもの が (新潟 立山) 以南に発見さ れるもので 以北に発見されないもの がハラビロ ハ ン ミ ョ ウ C sumat rensis HERBST (新潟) イカ リ モ ンハン ミ ョ ゥ C anchoratis Punctatissima マ ガタ マ ハン ミ ョ ウ 産地として 新潟 しか挙げられてないハラビロハ ンミ ョウがこの線の以南に限り産する種として挙げ られていると言った有様で 氏は立山は糸魚川の北 に 新潟は南にあると考えておられる様でもある これだけだったらまだ感違いで済まされるかも知れ ないが 次のトウキョウヒ メ ハン ミ ョ ウに至っ ては 全_く弁明の余地はない 横if:と東京が静岡より南に ある ( / ) など正に噴飯物である 当時尾池氏は満 州におられたが 満州あたりから見れば東京 横浜 静岡などはどこにあろうとたいした差ではなかった かも知れないが そうであったら糸魚川静岡線な そは引き合いに持出す必要はなかったであろう 体氏の頭の中にはどんな日本地図が画かれていたの であろうか 恐れ入ったものである また シロヘリハンミ ョウは当時すでに湯浅啓温 専 l 士によって神素川県三浦平 島の三崎海岸に産する ことが記録されていたはずである さらに 氏の示 された分布地図を見ると 糸魚川静岡 ラ イ ンの r北側 に C sachalinensis 南側 に C IeωIsl と記されている 従って この2種もこの線で分布 限られる種と考えておられるものと推定できる しかし 氏のミヤマハンミョウの解説を見ると 日本アルプス地方以北に楼息するが 以南の地に は来発見である と述べ 日本アルプス地方 に は産するのを確認したとある 日本アルプス地方 とは北 中 南のどの日本アルプスを指すのか詳か ではないが これらのどれもが糸魚川静岡線の西 (南/ ) 側にあり 北側にはない 従って 本種も 糸魚川静岡ライン を要付ける示標種とはなり 難い ましてや今回報告した様に四国にも産すると HORN (石川) シ ロ ヘ リ ン ミ ョ ウ C nt t ici ncta なるとなおさらである に挙げられている地名を見ていると 氏は果して糸 na) と言う余りにも有名な地質構造線が存在するた めに それで分布が限られる種類があるはずだと言 う先入観念にとらわれて そのあたりで分布が限定 される種類を拾い出して 無理矢理に地質構造線に CHEvRoLAT (静岡) およびトウキョウヒメハンミ ョ ゥ C kaleea yeioensis KANO (横浜 東京) の 5種の分布である ( ) 内に挙げた地名は尾池氏 が挙げた通りに記してあるが これら5種とその次 魚川静岡線が本州のどこを走っているのか正確に ご存知であったのか否かはなはだ疑間に思えて来るc この線の以北に限り分布するはずのマガタマハンミ ョ ゥの産地に 立山 が挙げられているかと思う と 0神奈川県からメダケヒゲナガゾウムシの記録 神J草下 ァ に産するヒケナ力ゾウ シ科甲虫に しては 平野(97)によって小田原箱根地方を中心 とした地域から20種が記録され さらに同氏(98) によって 神素川県の甲虫 にそれまでに県下から 結局 尾池氏は糸魚川静岡構造線(Fossa ma9 結びつけてしまったものと推定されるが その組雑 さには驚かされる また それをよく検討もせずに そのまま尾池線と命名した野村博士も全くお組末と (国立科学博物館) 言うよ り他はない 2頭 6 v l982 ゴンズイの枯木よりビィー ティング法で採集 ; l 頭 6 vi l982 コンズイの枯 木より採集 ; 頭 6 vi982 ガマズミの枯枝より 採集 ; l 頭 l8 vii i982 ちなみに本種はメダケを食害することが知られて 記録された3種が収録された 最近筆者は 再三に いる (行徳 967及び小田 l977) が 筆者も福岡 記録の Phoeobius stenus JORDAN 923 モ ドキと同時に本種を採集したことがある わたって前波鉄也氏より 法山で採集されたヒケ ナガゾウムシ類の御恵与を受けた その中に同県未 メ ダケ ヒゲナガゾウムシ (新称) が含まれているので分布 資料と して報告する なお下記のデータは全て弘法 山で前波鉄也氏によって採集されたものである 5 県大牟田市において冬期に枯れたメダケ中より ハ イイ ロヤ ズカ ミキリ及びニホンホホビロコ メ ツキ 末筆ながら常々貴重な標本を提供して下さる前波 鉄也氏に感謝中し上げる (東京農大 妹尾俊男)

2 第58号 (982年0月) 甲虫ニュー ス 台湾産 Microserica 属についての知見 小 林 裕 和 な語点を利用すればかなりはっきりとした同定が行 えるものと考える しかしながら 雌については各 を比較するための們体数が多少刷わないと同定が 台湾産のビロウ ドコガネについては 97年に野 付 鎮氏によってまとめられた労作があり属およ ぴ についての検索が割合容易にで きるようになって いる しかしながら 部の 類を除いて検視個体 難しい ところで 中虫ニュース56号頁に 石田正明氏 J比較的少数であるために 変異の多いグループに ついては 充分な検討がなされないまま和こついて の検索表が作られている 台湾には現在までに inornata NoMuRA mtidiy ga NoMuRA cistgmta NoMuRAの3種類のMfcroser ica 属のコカネムシが記録されている 者 は近年 台湾産の本属に含まれる多数の個体につい て検討する機会を得た その結果 このグループに は今まで知られていなかったかなりの変異があるこ とが判った そこで 手許にある 3種30頭余の個 体について 変異があまり見られず同定の助けとな るいくつかの点について比較した結果を ここに紹 介しておきたいと思う Jl r台湾産 Sericini の産地の追加 という報文を 成せ ら れて い る その中で 台湾産 Microserica属 に含まれる3種のコガネムシの区別点について触れ 次のように記された商所がある 2) 前胸背に暗色紋をもたない inc nata 2() 前胸背上に対の暗色紋をもつ 時に全面 暗色と なる 3() 頭橋前緑は丸く刻まれるーmtidii)y9a (3) 頭概 前緑は角ばって刻まれるbiSi9nata 上記の検索表にある通り inornata と他の2?l を区別する根拠として 前胸背の斑紋の有無をあげ ている しかしながら 者の手許にある南投県梅 (Meifeng) 南投県南山渓 (Nanshanchi) 南 雄 ) 触角片状部 a 柄部の約 5倍の長さを持つ i nornata 投県蘆山温泉 (Lushanspa)で採集された inornata と断定できる86個体の標本について調べてみると そのうち個体には はっきりとした対の暗色斑 紋または前胸i全体に大きく拡がった暗色部を有す る個体が見られる このことから石田氏のいうよう NOMURA b 柄部の約 l 8倍の長さを持つ nttidip:vga NOMURA な区別点は この3種を区別するポイントと しては c 柄部の約 2 3 倍の長さを持つ bisignata 甚だ不適当であると言わざるを得ない また mfi NOMURA dipyga bisignata 両種を区別する点としてあげ (以下 a= inornata b=nt lidipyga c= bislgnata と略記することにする) ている文の中で 頭析前緑は~刻まれる という表 現が見られる これも恐らく野村氏 (l97年) の 2) 後脛節端剌 Mtcroser ica 属の検索表にある anter ior mar9in of clypeus ~ emarginate という 表現を和訳され a 第 l 部i節のほぼ /2の長さ b 第 l E節の i / よ り明らかに長い たものと推察される もしそうだとするならば こ の英文の表現は頭統の前縁が内側に向って落ち込ん だ状態あるいはえぐられた状態を示すものであり 野付氏の日本語で書かれた他の論文を読めば この c 第 l 附節の 2 より短い 3) 置 更節 a 第 ~ 6 節の中央には明らかな縦関線を 有する ような状態については emarginate という語は?j 入した という言いまわしが用いられていることが 判るはずである 者によって表現のしかたにそれ それ特徴があり 違いが見られることは事実ではあ るが そもそも 刻みこむ あるいは 刻みこまれ る という表現は 例えば図2の頭輔前緑に見られ るような形状 すなわち中央部分においてのみえぐ られた状態について使われる表現であり このよう な状態については notch という語が用いられて いることは周知の事実である しかるに 台湾産の Mcrosenca 属に含まれるコガネの頭概前緑の形状 b 第6服節は中央で明らかな縦凹線を有する 第 5腹節は中央がかすかに平圧される c 第 ~ 6腹節は 平 flで中央の凹線を欠く 雌 ) 触角片状部 ab 柄部 とほぼ等長 c 柄部よ り明らかに長い 2) 尾節板 a 中央より後方で中高となり ほとんど光沢 がない b なだらかに中高と なり 光沢を持つ (中央 は多少の変異があるものの おおむね図に示すよ には縦にわずかな平圧部を持つものが多い) うな形をしている 図で見て明らかなように これ c ほとんど平坦で 光沢を持つ は中央部だけがえく られるまたは 入 している状態 雌雄別に比較的判り易い主だった区別点となるも のを掲げてみた いずれにせよ 従来同定に利用さ れてきた色彩や頭概の形態などには変異が多く 明 確な区別点とはなり得ないと思われる 上記のよう ではなく 両側から全体に弯入していると考えた方 が極めて自然である このよ う な状態は典型的な emar ginate すなわち 弯入する という表現を用 6

C0LEOPTERISTS NEWS Microsenca inornata NoMuRA 2 Adoretus e0 0 nal us BllRMEISTER No 58 (Oct 982) いなければならない状態である もし 石田氏が野村氏の検索表を和訳して 刻まれる という語をあてたとするならば それは大きな誤解であるといえるし またそうではなく 刻まれる という語を用いたとするならば 般的な分類用語の明らかな誤用といわなければならない いずれにせよ 石田氏のこの表現は その種を認識しているものにとっては甚だ疑間の多い表現であるし またその種を知らないものにとっては誤った理解を与えてしまう恐れがあるといわざるを得ない ( 東京都練馬区 ) 0 北海道渡島半島の食実性コガネムシ類 函館市にお住いの長尾康氏から たくさんのコ カネムシ類の標本をいただいた その中に渡島 ( お しま ) 支庁七飯 ( ななえ ) 町仁山 ( にやま ) の 牧場で牛英から採集された食英性コガネムシ類が数 百頭入っていた 検鏡したところ つぎのような l を含んでいることがわかったので記録しておく 採集年月日は 98 年 9 月 l l ~ l2 日 採集者はすべ て長尾日紙である コ ホンダイコクコガネ Copns ac t ide%s MOTSCHU LSKY 2 ッノコ力 ネ Liatongus phanaeoides (WEST WOOD) 3 マェカドコェンマコガネCaccobius jessoensis HAltOLD j シナノェンマコガネOnthoPhagus blυertex HE DEN 5 オオフタホシマグソコガネAPhodius elegans ALLIBERT 6 ョツポシマグソコガネA sordidus (FAnRI CIUS) 7 オオマグソコガネ A haroldianus BALTHA S A R 8 ェゾマグソコガネ A uniformis WATERHO USE 徴をもっていない 標本を意与して下さった長尾願氏に深くお礼を中し上げる ( 東京都杉並区 石田正明 ) 0 アオムネスジタマムシの琉球列島における分布記録ァオムネスジタマムシ Chrysodema jucundacastelnau et GORY は美大島以南 沖繩本島 八 ll 山話島 台湾 フィリピンまで広く分布しているが 琉球列島の小さな島々からの報告はあまり聞かない 筆者は下記の島々において採集しているので記録しておきたい 採集者はすべて筆者である 3 渡嘉数島 9 viii 975 ; 座間味島 l5 viii 975 ; 宮古講 i 島水納島 29 viii 979 ; 宮古島平良市 3 viii 979 渡嘉数島と座間味島は慶良間列島に属し 沖細本島西約 0km の海上に lf かぶ面積 20km2 に満たない島嶼である 水納島は宮古島と石 ill 島の中間に位置する面積約 22km2 で 標高 8m に過ぎない隆起サンゴ礁の島である これらの島々では本種の食樹とされるモモタマナがよく民家の庭に植えられていて 採集は村内の路上等で行った 宮古島の個体は市内の公国の木より得た なお 翅軸基部近くに鏡紋の現れる個体はなかった ( 新潟県上越市 楠井善久 ) 0 神奈川県におけるムネァカセンチコガネの記録ムネァカセンチコガネ B000ce 0SOma m 9 0 plagiatumwaterhouse の神条川県における採集 口に北海道といつても 渡島半島の甲虫相は適央や道東道北とはかなりちがうことが J; 想される 今回記録した 8 種は 本州の東北から関東甲信地記録は少なく 筆者の知るところでは補根仙石 ( 平域の山地 ~ 低地帯の牛馬の放牧場にみられる表虫相野 l957 神 : な川虫報 No 2 : 7) の記録のみとよく似ている そして北海道の高地や北部のものである 先基 l: i 筆者は横浜市内で採集されたムネァとはややちがうようである カセンチコガネを意与されたのでここに報告する この中でシナノェンマコガネは本州では中央高地 ) 6 v i 982 ij 市中区間門町 細川建に限られて分布しているようで 海外では朝鮮半島採集 ( 筆者所蔵 ) 中国東北地方および東シベリアが知られている 2) l 7vi982 横浜市瀬谷区善部町 和田山地性北方性を示す種といえる 本州中央高地産泰士採集 ( 筆者所蔵 ) のものに対しては subsp minokuchianus MATsu いずれも燈火に飛来したものである MuRA を適用する人もあるが 仁山産の個体は本州上記の地域は都市部に近いにもかかわらず横浜市中央高地および大陸産のものと明瞭に区別される標内では比較的良く自然環境が保存されており 本種

第58号 (982年0月) 甲虫ニ ュース の生息は横浜地区の本来の 典相を推察する上でll : アリ ガタ ハネカ クシおよびその近緑極の分布につ 常に興味深いものと思われる 末筆ながら本種を採集してくださった細川建ト い て 渡辺泰 明 (東京 大) 第 回例会 昭和56 年2月20目 於国立科学博物館 講演 : イギリス ヨーロッハのt専物館所蔵タイプ標本見て:tき佐藤 と和m 上f t 文献を御教示いただいた石田正明先 生に深く感謝する (神空川県海老名市 和田 業) 正奉(名古屋女子大学) なお 談話会終 後 有志 によって恒例の忘年会が ;fi正 で行われましたが その折 会 からの寄賠文献のオークショ ンが開か 0 茨城県におけるウ ミ ミズギワゴミムシの記録 ウ ミ ミ ズキ ワ ゴ ミ ムシSa ag fia man a SU tno は海浜性の珍 しいミズキワコ ミムシで 関束地方か らは笠原 (977 ll l虫= ユース No 38) による神 れ 売:金のすべてが本会に寄附されま した ご協 力いただいた会ll語氏に心から御礼中し上げます 川 セ県真鶴由 甲における n l 頭が記録されている 著a56 年度会計報告 である 筆者は970年 月 7 日に茨域県大洗海岸を 訪れた際に多数の個体を得ることが出来たので そ 般 会計の部 の際知 り得た若干の知見を もあゎせて報告する 3頭 978年月7 日 茨城県大洗海fl 田尾採集 収 入 の 部 前年度線越金 595 705 会 at 280500 ッ クナ ンバ [ 売上 90200 広 告 I t 0 000 願 金 利 f5 836 附 : _ 9 600 本細 i 渡打ち際よ り数メ ートル以上離れた砂上の イ流木木片等の下より採集した 石下の場合多 くは大きさ0数セ ンチの下面がわずかに黒く湿って いる程度の所よ り得られた なお本種の見られた所はすべて岩確地帶に限られ 渡が直接浜辺に打ちよせるよう な場所にはま った く 見られなかった これは渡が岩礁に当っ て弱められ 支 出 の 部 中虫ニ ュース 85 996 (53号) 印刷費 通信 郵送費 62 30 送金手数料 (5~ 56 号) 生息環境が他の場所より安定しているためではない かと思われる 同口 同所よ り 2 km程離れた那同川 次年度線越金 553 05 計 03 8 合 計 038 合 ことは出来なかった またこの時 砂上を歩行 している個体は 頭のみ 280 000 印刷l:t引当金 同上郵送費引 50000 当金 河口付近においても採集を試みたが本種を見いだす 00 甲虫ニ ュー ス 特 別 会計 の 部 であったので その行動はかなりすばやかったが 支出 の 部 収 人 の 部 まだ越冬状態にあったものと思われ 広く分散する 前年度線越金 IP虫目録売上 買 f 金利 子 直前であったために 多数の個体を得ることが出来 たものと思われる なお他の地域でも 冬期 lf春 等に同 マの i 採集を試みれば 各所で発見できるもの と思われる (神索 川県川崎市 田尾美野留) = <連 絡 報 告> = 談話会 昨年開催されました談話会の演題および 講演者は下記の通りです 第回例会 (特別集会) 昭和56年3月目 機 械振興会館 諾演 : ) 甲虫の収 現象について n沢良彦 (科学博物館) 2 ) ニ ューギー ア の ヵ ミ キ リ ムシ革間慶 (静同大学) この集会は日本 神 目学会と 合同で行われた 第 2 回例会 昭和56 年 7 月 日 於国立科学f専物館 第3回例会 (特別 集会) 昭和56年月5日 於機械振興会館 語ail 合 計 220 60 l 58 000 63 次年度繰越金 380 27 380 27 合 計 380 27 甲虫談話会 会費 ( ーカ年) 2000円 次号は月30口発行子定 発行人 普沢良彦 A 発行所 甲虫談話会 束; 都台東区上野公関 国立科学博物館動物研究部内 電話 (36) 23 振 ff東京 0 6066 製 市 地製 識 9 さ 個 合 つ 3を 綱 に 第ど ( 5 い 所 5 2 2 文 京振 話 ) ~ ー 社 ) 2 作 島 0 湯 3 0器 6 0 0極 f if 製 区 : 5各? ミ 下 T m 中個 地 8 大 板 ~ 具 製 集 ( 集 採 器 木 す6 そ 0 8 日 及 ー 普 虫 9 m 志 東 採 補 箱 3 2 0タ 東 虫 本 本 :第 0 ー 5ヵ ツ 3 n 昆 標 標帶 す の 型型地 ま ) ) ミ ッ て 8 タ ツ イロ 第 し 7 ータ ド ン 及 売 イ内 電 ( 阪 繼 たあ シ 0 6 ( )0京 賀 3 へ し て ム まえ谷 ( 頭 離 器 都 東 (も も 谷 5 種 各 3頭 お 本 電 振 虫 号 揃 渋 昆た各 で取区 賀 き て じ な標 で号 は め ) 具 器 の で 有理 話 替 虫 本 2 整 昆 日 8