図 2 マラッカ海峡付近の主要航路図 2. インドネシアの主な一般情報 ( 表 1 参照 ) 表 1 インドネシアの主な一般情報 正式国名及び国旗 インドネシア共和国 独立年 政体 首都 1949 年にオランダから独立 共和制 ジャカルタ 人口 2 億 4,450 万人 (2012 年統計 ) 公用

Similar documents
需要国へと変貌する東南アジアの需要国へと変貌する東南アジアの

2007年12月10日 初稿

2. ノルウェーの主な一般情報 ( 表 1 参照 ) 表 1 ノルウェーの主な一般情報通称国名ノルウェーノルウェー王国正式国名及び国旗 政体 立憲君主制 首都 オスロ 人口 510 万人 (2013 年 ) 公用語 ノルウェー語 通貨 クローネ (NOK) 名目 GDP 5,370 億ドル (201

【ロシア最新経済金融週報】

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

リムLNG年鑑2010

Banias Homs Haifa Ashdod Zarqa 図 1 地中海東岸地域の製油所の位置図 ( 印が製油所 ) 2. 地中海東岸地域のエネルギーインフラ 2.1. 概要地中海東部地域は戦略的な地理条件を備えている 中東の石油生産国と欧州市場の間に位置し 近くには原油と石油製品の国際航路の重

<4D F736F F F696E74202D B7B967B836C C668DDA2E B93C782DD8EE682E890EA97705D205B8CDD8AB B83685D>

Microsoft Word _out_h_NO_Carbon Capture Storage Snohvit Sargas.doc

北米からの原油供給量は 2011 年は前年比日量 +21 万バレル増であったが 2012 年は前年比 +158 万バレル増となり 2013 年は +130 万バレル増 2014 年は +92 万バレル増と見込まれている 北米を含めた OECD 先進諸国からの供給は 2011 年は +1 万バレル増

原稿メモ

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

RW ppt

(2) 主要シェール オイル鉱床シェール オイルの 3 大産地 ( テキサス州のパーミアン地域とイーグル フォード地域 ノース ダコタ州のバッケン地域 ) での生産量は 全体の約 50% を占めている 広い鉱床を有し 生産性 経済性に優れるテキサス州中西部パーミアン堆積盆地に開発が集中している 20

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

Paiton Energy によって所有され これは International Power 三井物産 東京電力 PT Batu Hitam Perkasa のコンソーシアムで構成されている 中央ジャワの Jepara にある PLTU Tangjung Jati B のユニット 3 とユニット 4

<4D F736F F D E937890AC96F18EC090D195F18D C A E646F63>

原稿メモ

untitled

GM OEM GM GM 24 GM 16 GM

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

ている 一方 ダーダネルス海峡はマルマラ海と地中海を繋ぐ長さ 68km 幅 1.2km の海峡である アジア側のアナトリア半島は中央の広大な高原と海沿いの狭小な平地からなり 高原の東部にはチグリス川 ユーフラテス川の源流がある トルコは数多くの断層を持つ地震国であり 近年 (1999 年 ) のイズ

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

(Microsoft Word \224N\203\215\203V\203A\213\311\223\214\223\212\216\221.doc)

原稿メモ

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

特定関連会社 関連会社及び関連公益法人等の概要 ( 平成 21 年度 ) ( 単位 : 千円 ) 1. ケージーウィリアガール石油開発株式会社 ( 特定関連会社 ) 業務の概要 インドネシア パプア州陸上における石油等の探鉱 開発事業 1993 年 12 月 石油公団で探鉱出資対象案件として採択 機

第2回アジア科学技術フォーラム

PowerPoint Presentation

Slide 1

TOPICs 世界の原油需給 by OPEC Oil Market Rerort 214 年 3 月号より 世界の原油需要 世界の原油需要 28 年 29 年 21 年 211 年前年比 212 年前年比 213 年 OPEC Oil Market Report 214 年 3 月号 前年比 28

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易

PowerPoint プレゼンテーション

原稿メモ

情勢分析_世界の石油需要の動向と中東産油国の対応,将来の石油価格の展望

2017 電波産業調査統計

3_2

見されたことは 同じく地中海であるアドリア海周辺地域における期待を呼び寄せることとなり アドリア海 周辺国が洋上探鉱に向けての動きを見せ始めている ( 出所 :JOGMEC 作成 ) 図 1 アドリア海周辺図 ( 出所 :Università degli Studi di Pavia Centro

Microsoft PowerPoint 伊原_HSE.ppt [互換モード]

Microsoft Word - 10 統計 参考.doc

扉〜目次

<4D F736F F F696E74202D F91E58AD15F B C D83582E B8CDD8AB B83685D>

海外における電力自由化動向

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主

インドネシア港(%) ラリア査対象とするが 一部の国については統計上の制約から部分的な言及にとどめている 2. 原油価格上昇の影響に関する理論的考察 (1) 油価上昇と交易条件 交易利得 / 損失本稿では 交易条件の変化により起こる国家間の所得移転を示す交易利得 / 損失を油価上昇の影響を測る手段と


MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

第2章_プラントコストインデックス

ガイアナ:深海Liza油田、発見から2年で最終投資決定(短報)

2 Ⅰ. 世界及びアジア 太平洋の石油製品需要の動向 世界及びアジア 太平洋の石油製品需要の伸び アジア 太平洋における油種別の需要伸長予測 アジア 太平洋域内での需給バランスと地域外からの輸出入 ( ガソリン 軽油 ) アジア 太平洋の需要伸長は大きく 域内及び域外との石油製品輸出入が多く 競争が

2. エネルギー政策推進の 3 本柱と MP3EI ここ 10 年のインドネシアの経済成長率は数パーセントで推移し この高い経済成長を背景に電力需要が急速に増加している 特に 電力需要は経済成長率よりも 1~2% 高く推移してきているため 電力エネルギーの安定供給は 官民一体となった国家事業として位

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

< 顧客配布資料 > ベトナムレポート 作成 :2014 年 7 月 7 日 ( 月 ) ベトナム Weekly レポート お問い合わせ フリータ イアル : ホームヘ ーシ アト レス : ベトナム最大の国営企業 ペトロベト

現代資本主義論

LNGチェーンにおける事業者の変化とわが国の課題に関する調査

<4D F736F F F696E74202D A F95BD90AC E31308C8E8AFA5F8C888E5A90E096BE89EF81408DC58F4994C530362E70707

化繊輸入は 近年上昇を続けており 2016 年は前年比 10% 増の 43 万トンとなりました 素材別には ポリエステル F 長繊維不織布が中心ですが 2016 年はポリエステル S の輸入も大幅増となりました 化学繊維輸出推移 化学繊維輸入推移 生産が微減 輸出が横ばい 輸

PowerPoint プレゼンテーション

GDP + subsektorer (kvartal)

(3) インドネシアインドネシアの電力供給は 石炭が 5 割 コンバインドサイクル 2 割 ディーゼル 1 割 水力 1 割 その他 1 割となっている 2015 年の総発電設備容量は PLN 3 が約 8 割 IPP が 2 割弱を 残り数 % を自家発電事業者 (PPU) が占めている 同国で

JBICtoday2013_10J

スライド 1

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

原稿メモ

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

Microsoft Word ミル消費報告2014

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

図 1 AEO2008 及び前回発表における1980~2030 年の米国液体燃料供給 消費及び純輸入 ( 百万バレル / 日 ) 前回発表 消費 純輸入 前回発表 生産 3.AEO2008 基準ケースの統計及び分析 (1) 石油価格 EIAの世界的石油価格は前年より高い数値となっているが 現在の記録

<4D F736F F D2095BD90AC E C838B834D815B8E D87979D89BB92B28DB895F18D908F F C966B936497CD814393FA8AF6816A2E646F63>

42

ポーランド インフラマップ ( エネルギー分野 ) 2014 年 3 月 ジェトロ ワルシャワ事務所

PISAPミニレポート

特集 平成 2 5 年 5 月 2 2 日東京税関調査部調査統計課 金の輸出入 2012 年の世界の金需要は 4,405 トン 2012 年に合金も含む金を日本は 132 トン輸出し 11 トン輸入しています 日本の 2006 年から 2010 年の平均年間金産出量は 10 トン足らずですが 200

地域別世界のエアコン需要の推定について 2018 年 4 月一般社団法人日本冷凍空調工業会日本冷凍空調工業会ではこのほど 2017 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので 今回は 2012 年から 20

目 次 Ⅰ. 総括編 1. 世界各地域の人口, 面積, 人口密度の推移と予測およびGDP( 名目 ) の状況 ( 1) 2. 世界の自動車保有状況と予測 ( 5) 3. 世界の自動車販売状況と予測 ( 9) 4. 世界の自動車生産状況と予測 ( 12) 5. 自動車産業にとって将来魅力のある国々 (

目次 年度第 3 四半期決算 (1) 概要 (2) セグメント別情報 年度業績予想 (1) 概要 (2) セグメント別情報 3. 参考資料 1

[000]目次.indd

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

03_2_oil

財務省貿易統計

ecuador

財務省貿易統計

財務省貿易統計

中国の対東南アジア戦略

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - N_ _2030年の各国GDP.doc

財務省貿易統計

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

別添 4 レファレンスアプローチと部門別アプローチの比較とエネルギー収支 A4.2. CO 2 排出量の差異について 1990~2012 年度における CO 2 排出量の差異の変動幅は -1.92%(2002 年度 )~1.96%(2008 年度 ) となっている なお エネルギーとして利用された廃

財務省貿易統計

財務省貿易統計

Transcription:

JJPEC レポート 2014 年度第 6 回 平成 26 年 7 月 8 日 インドネシアの石油 エネルギー産業 米国 DOE エネルギー情報局 (EIA) のレポートを主なベースとして インドネシアの石油 エネルギー産業について紹介する 1. インドネシアの位置と地勢... 1 2. インドネシアの主な一般情報... 2 3. インドネシアの主なエネルギー情報... 3 4. 石油... 4 5. バイオ燃料... 9 1. インドネシアの位置と地勢 6. 天然ガス... 9 図 1 にインドネシアの概略地図を 7. 石炭... 15 示す インドネシアは 18,110 島と世 界で最も多くの島から構成されている島嶼国で これらの島々は赤道を挟んで散らばって いる 同国は太平洋 インド洋 南シナ海 アラフラ海 ティモール海などに囲まれ カリマンタン ( ボルネオ ) 島 ニューギニア ( パプア ) 島 ティモール島では夫々マレー シア パプアニューギニア 東ティモールと島内陸上部で国境を接している 世界で最も 船舶航行の多い海域の 1 つであるマラッカ海峡 ( 図 2) は スマトラ島とマレー半島の間 に位置する インドネシアとその周辺は 4 枚の地殻プレート ( ユーラシア インドオース トラリア 太平洋 フィリピン海 ) がせめぎあい 地震が絶えないと同時に 環太平洋火 山帯に属すため火山噴火が頻繁に起きている 図 1 インドネシアの概略地図 1

図 2 マラッカ海峡付近の主要航路図 2. インドネシアの主な一般情報 ( 表 1 参照 ) 表 1 インドネシアの主な一般情報 正式国名及び国旗 インドネシア共和国 独立年 政体 首都 1949 年にオランダから独立 共和制 ジャカルタ 人口 2 億 4,450 万人 (2012 年統計 ) 公用語 通貨 インドネシア語 ルピア (IDR) 名目 GDP 8,790 億ドル (2012 年実績 ) 2

3. インドネシアの主なエネルギー情報 3.1. エネルギー全般 ( 表 2 参照 ) 表 2 インドネシアの主なエネルギー情報非加盟石油輸出国機構 (OPEC) [1962 年に加盟 2009 年に脱退 ] 石油確認埋蔵量 石油の輸出入 原油精製能力 36 億バレル 純輸入国 110.7 万 BPD 製油所数 9 ガス輸出国フォーラム (GECF) 天然ガス確認埋蔵量 天然ガスの輸出入 特記事項 非加盟 2 兆 9,550 億 m3 ( 世界第 13 位 ) 純輸出国 (LNG の輸出量は世界第 4 位 ) 石炭の可採埋蔵量は 61 億トン 現在 世界最大の石炭輸出国となっている 石油と天然ガスの輸出額が 2012 年の商品輸出額合計の 1/5 を 石油と天然ガス分野の収入が同年の国家歳入の 24% を占めた 2013 年の LNG 輸出量が世界第 4 位にランクされている 2012 年に世界最大の石炭輸出国となった 3.2. エネルギー需給状況 2002~2012 年の間にインドネシアの一次エネルギー消費量は 44% 伸びた 一方 エネルギーミックスの面から見ると 石油のシェアは減少傾向にはあるが 2012 年もトップ (36%) を維持した 石炭の消費量 (20%) が天然ガス (17%) を凌いだのは過去 10 年間に石炭の消費量がほぼ 3 倍に増えたことが要因である インドネシアの住宅分野の主要なエネルギー資源は伝統的なバイオマスや廃棄物で 特に送電網を欠く遠隔地ではなおさらである 従って 図 3 に示すように エネルギーミックス上でのバイオマスや廃棄物など 図 3 インドネシアの費目別一次エネルギー消費比率 (2012 年 ) 3

のシェア (27%) が大きい 今後 政府は自国に豊富に存在する再生可能エネルギー資源 ( 水力 地熱 ソーラーエネルギーなど ) の利用を望んでいる 経済成長と人口増加および燃料補助金制度がともに作用し 石油の国内需要は供給量を超えた インドネシアの石油消費量は 2007 年の 130 万 BPD から着実に伸び 2013 年には 160 万 BPD となり 近年石油輸入量が増加している 2013 年 ガソリン需要量が 38% ディーゼル燃料需要量が36% 増えている 発電分野と産業分野での石油使用量が減る一方 輸送分野と家庭用の使用量は増えている インドネシアのガソリン需要量は 2005 年以降およそ 20 万 BPD まで伸び ディーゼル燃料需要量は 2005 年から 9% 伸びている さらに 政府の補助金交付と価格統制により 過去 10 年間において LPG の消費量 ( 特に家庭用 ) が伸びている 2007 年から 2012 年までに 80% 伸び 2012 年の LPG 消費量は 12.4 万 BPD に達した 2005 年から 2013 年の間 燃料補助金は年間の公共支出額の 7%~25% を費やしている 政府予算への圧迫を低減するため 2008 年以降初めて 2013 年 6 月に燃料補助金を削減した その結果として ガソリン価格が 44% ディーゼル燃料価格が 22% それぞれ上昇した 補助金削減により 9.5% の物価上昇が生じており 政府はこのインフレの影響を低減するため最貧困層に対し現金を配る計画である 4. 石油 4.1. 製油所インドネシア国内には 9 ヶ所の製油所があり 2013 年後半時点での原油精製能力合計は 110.7 万 BPD である インドネシアの製油所別原油精製能力を表 3 に示す Damai 製油所の増強 (11.4 万 BPD 17.0 万 BPD) と Musi(Plaju) 製油所の増強 (10.9 万 BPD 13.5 万 BPD) により 全体の精製能力は以前に比べ増えている インドネシア国営石油プルタミナ ) は今後 5 製油所 (Balikpapan Cilacap Damai Musi Balongan) をさらにアップグレードすべきだとしている インドネシアの製油所が作り出す石油製品のほとんどは国内市場向けであるが 現在の精製能力は成長している内需に対し不十分である 2012 年実績では 国内の製油所からの石油製品は内需の約 64% を満たしたに過ぎず 残りの不足分は輸入に依存している インドネシアでは 1994 年に Balongan 製油所が建設されて以来 製油所が 1 つも建設されていない 精製分野における外国投資を呼び込むためのインセンティブの欠如が現在の精製能力不足の一因でもある エネルギー鉱物資源大臣はカリマンタン島東部の Bontang 市に 2 つの製油所 ( 精製能力は各々 30 万 BPD) を新設する計画を発表し 2012 年 8 月に当該計画は承認された 又 同省はスマトラ島に製油所 (30 万 BPD) を建設し 2018 年内に稼動させる実現可能性を検討してきている 政府は もしも何 10 億ドル規模のプロジェクトに資金供給する民間投資家を見つけることができないなら これらの製油所を完成するため政府基金を充当する計画である その他 プルタミナはカリマンタン島東部に 4

国内原油と輸入原油とのブレンド及び国家石油備蓄を目的とした原油ターミナルを 4.5 億ドルかけて建設する計画を持っている 表 3 インドネシアの製油所別原油精製能力 立地製油所名原油精製能力 スマトラ島 : 中部 Damai 製油所 17.0 万 BPD : 中部 Sungai Pakning 製油所 5.0 万 BPD : 南部 Musi(Plaju) 製油所 13.5 万 BPD : 北部 Pangkalan Brandan 製油所 0.5 万 BPD ジャワ島 : 中部 Cilacap 製油所 34.8 万 BPD : 東部 Cepu 製油所 0.4 万 BPD : 西部 Balongan 製油所 12.5 万 BPD カリマンタン ( ボルネオ ) 島 : 東部 Balikpapan 製油所 26.0 万 BPD ニューギニア ( パプア ) 島 : 西部 Kasim 製油所 1.0 万 BPD 9 製油所合計 :110.7 万 BPD 4.2. 石油のセクターシェブロンがインドネシア最大の原油生産企業で 2013 年には同国の全原油生産量の約 39% を占有した 2 番目に大きい原油生産企業はインドネシアの国営石油会社プルタミナで約 17% を占めている 以下 3 番目にトタル 4 番目にコノコフィリップスと続く プルタミナは上流側の活動に加えインドネシアの製油所のほとんど全てを運営し 且つ原油の調達 石油製品の輸入 国内市場への石油製品の供給を行っている 又 同社の国内石油小売市場の独占は 2004 年に終わったが 2010 年初頭まで助成金を支給された燃料に対する独占販売業者であり続けた 2001 年に制定された石油ガス法 (2001 Oil and Gas Law) によって 石油と天然ガスの上流側を規制する役割はプルタミナからエネルギー & 鉱物資源省の石油 ガス規制局 (BPMigas) へ移行された 現在 BPMigas は生産物分与契約 (PSC) を管轄している 4.3. 石油の生産と消費 1885 年にスマトラ島北部でインドネシア初の石油が発見された後 炭化水素分野がインドネシア経済の重要な部分となってきた 嘗て 同国は石油の純輸出国で 1962 年から石油輸出国機構 (OPEC) に加盟していたが 成熟油田からの石油生産量の減衰と石油増産への限られた投資および石油の国内需要の増加により 石油の純輸入国に転落 2009 年 1 月に OPEC を脱退した 石油生産量は減衰し続ける一方で内需量が増えている 現在 内需を満たすため 原油および石油製品ともに輸入している 2014 年 1 月時点のインドネシアの石油確認埋蔵量は 36 億バレルで 前年同月時点の 40 5

億バレルから 4 億バレル減っている 石油および他の液体燃料の生産量は 1991 年のピーク (170 万 BPD) から下がり続け 2013 年には 92.8 万 BPD となった 図 4 にインドネシアの石油生産量と消費量の推移を示す 2009 年以降 政府は原油生産年間目標値を過大に主張してきた しかし 2014 年の目標値を 87 万 BPD に設定していたが このたび政府は 82 万 BPD に下げると発表した 毎年 いくつかの要素がインドネシアの石油生産量を押し下げている 地方レベルでの探査認可や土地買収 油田とインフラの老朽化 未探査堆積層への不十分な投資 スマトラ島南部地域での石油泥棒などが要因である インドネシア最古で最大の 2 つの油田 即ち ドゥリ油田とミナス油田はスマトラ島東部沿岸の南スマトラ盆地に位置している ドゥリ油田は 1952 年から生産開始し現在およそ 14 万 BPD 生産している 一方 ミナス油田は 1955 年から生産開始し現在およそ 19 万 BPD 生産している 両油田の操業者であるシェブロンは石油増進回収法 (EOR) を採用しているものの 生産量は減少傾向にある 2001 年にジャワ島東部で発見されたチェプ鉱区の石油はインドネシアの石油生産量の減衰にいくらかの歯止めをかける可能性がある 当該鉱区は3 つの主要な油田 (Banyu Urip Jambaran Cendana) で構成され 可採埋蔵量は 6 億バレル ピーク生産量は 16.5 万 BPD と見積もられている 2005 年にエクソンモービルがプルタミナと生産物分与契約 (PSC) を締結し 2011 年 8 月にチェプ鉱区に探査井を掘り石油を発見した チェプ鉱区の生産物分与契約 (PSC) の権益はエクソンモービルとプルタミナが各々 45% 残りの 10% はインドネシアの地方自治体所有の企業 4 社が保有している 現在 唯一 Banyu Urip 油田が生産中で 2013 年 4 月に約 2.6 万 BPD に達した 2015 年の第 1 四半期までにチェプ鉱区全体をフル生産 (16.5 万 BPD) する計画である プルタミナは現在 石油生産量の減衰を食い止め且つ内需を満たすべく難局に直面している 同社の支配下にある油田の多くは国内企業の所有技術よりも高度な石油増進回収 (EOR) 技術を必要としている 又 国内の遠隔地における基本インフラの開発も必要となっている 国内企業を支援する規制と対策が不確定なため これらの油田から石油を回収するための外国投資は僅かなままとなっている 加えて インドネシアの石油プロジェクトは 同国内で操業している国際石油企業間の不和によっても制限されてきた 6

図 4 インドネシアの石油生産量と消費量 (2002~2013 年 ) 4.4. 石油の探査 2012 年に新しく開発された油井数は 840 箇所で前年に比べ 12% 減った 特に深海鉱区の石油探査にかける投資が減少した結果 インドネシアの石油埋蔵量の置換率 (Reserve Replacement Ratio: RRR) は 52% に低下している 因みに RRR は単年度に生産した石油と同量の石油を回収できる埋蔵量が発見された場合が 100% で 52% では将来の生産継続に支障を来たすことになる 4.5. 石油の輸出入インドネシアでは船舶による海上交易が重要で 国際石油パイプラインは全くなく少数の国内石油パイプラインが存在するのみである 原油は輸出も輸入も行っているが 製油所と発電分野における原油需要の増大により輸入超過となっている 2013 年は 50.6 万 BPD 超の原油を輸入した インドネシアの原油輸入元を図 5 に示す 原油の輸入元は サウジアラビアが 1/4 超 (26%) ナイジェリアとアゼルバイジャンが各々 15% アラブ首長国連邦 5% カタールとアンゴラが各々 4% その他 27% となっている 7

図 5 インドネシアの原油輸入元 (2013 年 ) 石油製品の内需の増加を満たすには石油精製能力が不十分なため 石油製品の純輸入量は高止まりしている 2012 年における石油製品の輸入量は 43.5 万 BPD であった 2013 年は 46.6 万 BPD と見積もられている 輸入品種は主としてガソリン (66%) および輸送分野と発電分野で使用するディーゼル燃料である インドネシアは石油の純輸入国に陥ったが 原油とコンデンセートの輸出を継続している 特に国際石油価格が高い時の市場参入と石油収益を維持する狙いが一つの理由となっている 2013 年実績では約 45.5 万 BPD の原油を輸出した 図 6 にインドネシア原油の輸出先を示す 輸出先は日本が最大で 28% 次いでタイ(17%) オーストラリア(14%) シンガポール (10%) 韓国(8%) 中国(7%) 米国(5%) マレーシア(4%) の順で その他の諸国が 7% となっている 8

図 6 インドネシア原油の輸出先 (2013 年 ) 5. バイオ燃料政府はバイオ燃料の生産を促進し ガソリンとディーゼル燃料におけるバイオ燃料混合比率を上向きに改訂することによって 石油製品の輸入量を減らそうと計画している 以前 政府は公用車のエタノール混合率を 3% 私有車には 7% を義務化した しかし エタノールの原料価格と生産コストが高くなったため 2010 年以降はエタノール燃料の生産は停止している 現在 インドネシアはアジア最大のバイオディーゼル生産国である 2012 年の生産量は約 3.7 万 BPD で その 30% 超を国内消費し 残りを輸出している 2012 年の国内消費量は 1.2 万 BPD 超であった しかし バイオディーゼルの消費量の伸びは国内の離島間の高い輸送コストに妨げられ頭打ちとなっている それにも拘らず 政府は 2014 年までに産業用と輸送用に 10% 発電用に 20% のバイオディーゼルの混合を義務化したため 今後はバイオディーゼルの消費量は増えると予想されている 6. 天然ガス 6.1. 天然ガスの確認埋蔵量 2014 年時点のインドネシアの天然ガス確認埋蔵量は前年の 3 兆 680 億 m3 から 1,130 億 m3 減って 2 兆 9,550 億 m3 である これは世界で第 13 位 アジア太平洋地域では中国に 9

次いで第 2 位である 6.2. 天然ガスの生産と探査インドネシアの乾性天然ガス生産量と消費量の推移を図 7 に示す インドネシアは 2012 年に乾性天然ガスを740 億 m3 生産した そのほとんどが石油生産時の随伴ガスではなく オフショアのガス田からの乾性ガスであった インドネシア最大級のガス田はスマトラ島南部とカリマンタン島東部に位置している 1970 年以来トタルが操業しているカリマンタン島東部沖の Mahakam 鉱区は現在 インドネシアの乾性天然ガス生産量の約 1/5 を生産している 同国の天然ガス年間生産量は 2002 年から 2010 年にかけて約 4% 伸びたが 2011 年と 2012 年は前年に比べ約 5% 減少した それにも拘らず インドネシアの 2012 年の天然ガス生産量は世界第 10 位を維持している 近年 企業は新しい未発見のオフショア領域に関心をシフトしている シェブロンはカリマンタン島東部沖の深海域のいくつかのガス田を開発中で 2015 年には最大で年間 113 億 m3 の天然ガスと 5.5 万 BPD のコンデンセートを生産する見通しである インドネシアの地形が資源開発に課題を呈している 最も豊富な天然ガス鉱区は主要な市場から遠く離れている 又 規制の曖昧さが開発に必要な投資を遅らせている そのため 2012 年における外国投資は落ち込んでいる 2013 年には エクソンモービルとスタットオイルは経済的に実行可能なガス田を発見できなかったため深海鉱区の権益を放棄した 図 7 インドネシアの乾性天然ガス生産量と消費量 (2002~2012 年 ) 10

6.3. 天然ガスの消費従来 インドネシア産天然ガスの多くは輸出されていたが 石油生産量の減衰により代替として天然ガスを内需に向けるようシフトされてきた 天然ガスの内需が 2005 年以降に倍増している 2012 年 インドネシアは同国の乾性天然ガス生産量合計の半分を超える 376 億 m3 を国内消費した 内需の大部分は産業分野が占めている 業界のアナリストは将来の伸びの最も大きな分野は発電分野だと見ている エネルギー & 鉱物資源省は天然ガスの供給はいかなる分野にも先立って 石油増進回収 肥料産業 発電分野に割り当てられるべきだと定めている 6.4. 天然ガスのパイプライン輸出インドネシアの天然ガス輸出の大部分は LNG として出荷されているが 約 1/4 は 2 本のパイプラインを経由してシンガポールとマレーシアへ輸出されている パイプライン経路を図 8 に示す 1 本はナツナ海のガス田から もう 1 本はスマトラ島南部の Grissik ガス処理施設から送られている 2012 年 インドネシアはパイプライン経由で年間およそ 102 億 m3 の天然ガスを輸出した その 79 億 m3 はシンガポール 23 億 m3 はマレーシア向けであった 2020 年にシンガポールとの売買契約が切れる その時点でシンガポールは天然ガスの購入を停止する計画であるため インドネシアは内需向けにより多くの天然ガスを確保できることになる 図 8 インドネシア産天然ガスの輸出パイプライン経路 6.5. LNG インドネシアにおける LNG 輸出量とシェアの変遷を図 9 及び図 10 に示す 1990 年代 インドネシアの LNG 輸出量は世界の LNG 輸出量合計の 1/3 超を占めていたが 現在は 7% に止まっており 同国の LNG 輸出市場占有率はカタール マレーシア オーストラリアに抜かれ世界第 4 位に落ちた 2012 年の LNG 輸出実績はガス換算で 246 億 m3 2013 年 11

には 231 億 m3 に減っている インドネシアの LNG 輸出先を図 11 に示す 主な輸出先は日本 (37%) 韓国(35%) 中国(16%) 台湾(11%) であった 2010 年から 2013 年にかけて 日本向けが 50% 超も減少した これは日本との売買契約が切れ インドネシアが LNG の輸出市場を多様化したためである 図 9 世界の LNG 輸出市場におけるインドネシアのシェアの変遷 (1987~2013 年 ) 図 10 インドネシアの LNG 輸出量の変遷 (1977~2013 年 ) 12

図 11 2013 年におけるインドネシアの LNG 輸出先 インドネシアの LNG プラントの立地図を図 12 に示す インドネシアの LNG プラントはスマトラ島北部の Arun カリマンタン島東部のボンタン(Bontang) ニューギニア島西部の Tangguh に位置している これらのプラントの合計能力はガス換算で年間およそ 425 億 m3 である カリマンタン島東部のボンタン (Bontang)LNG 基地はインドネシア最大かつ世界最大級の基地であり 処理能力は年間 311 億 m3 である 現在 スラウェシ島で 2 つの LNG プラント (Donggi Senoro Sengkang) を建設中である Donggi Senoro LNG プラントは 2015 年初頭までに Sengkang LNG プラントは 2017 年までに稼動する予定で 各プラントの能力は同一の年間 28 億 m3 である 13

図 12 インドネシアの LNG プラントの立地図 近年 インドネシアは天然ガスの生産量の低下と国内消費量の増加により 輸出契約義務を果たすため LNG のスポット買いを強いられている 少なくとも 2018 年までにインドネシアは他国から LNG を輸入する計画で 政府は国内需要に対処するため LNG 受入れ基地と天然ガス移送パイプラインの新設に踏み切った このように 天然ガス内需の予想される伸びは 政府に内需向けの国産天然ガスを確保する政策を取らせている 6.6. 天然ガスのフレア燃焼その現場にガスを使用するインフラがない場合 石油生産時に随伴する天然ガスはしばしばフレアスタックで焼却される インドネシアは天然ガスのフレア燃焼量で世界第 10 位にランクされている 近年 同国の天然ガスのフレア燃焼量は減少傾向にある 米国海洋大気局 (NOAA) の衛星データによると 1997 年には年間 50 億 m3 であったものが 2011 年は23 億 m3 まで減少した 政府は小規模のLNG プロジェクトと石油増進回収技術 (EOR) および改良されたガス処理インフラの採用によってフレア燃焼量を減らし大気中への CO2 排出量を削減すると公約している 6.7. 炭層メタンとシェールガス政府は原油および天然ガスプロジェクトと並び 非在来型天然ガスである炭層メタン 14

(CBM) とシェールガスの探査を促している エネルギー & 鉱物資源省は予備調査において インドネシアの炭層メタンの埋蔵量を 12 兆 8,200 億 m3 と見積もった 2007 年から政府はスマトラ島の南部および中部の盆地 カリマンタン島東部の Kutel 盆地と Barito 盆地に炭層メタン鉱区の開発権の授与を始めた 2013 年 カリマンタン島東部でシンガポール拠点の Dart Energy 社とインドネシア拠点の PT Energi Pasir Hitam 社がボンタン (Bontang) の発電所と LNG プラントに供給する炭層メタンの探査活動を始めた 政府は 2020 年までに炭層メタンの生産量が年間 52 億 m3 に達すると予測している 現在 インドネシアではシェールガスの生産は行われていない しかし 政策立案者たちはシェールオイルとシェールガスの潜在性に関心を寄せている 2012 年 4 月に政府は 4 件のシェールガス研究プロジェクトを立ち上げ 2018 年までにシェールガスの商業生産を開始したいとしている 2013 年 12 月現在 政府はスマトラ島北部の Sumbagut 鉱区に対しインドネシア国営石油会社プルタミナと 2 件のシェールガス生産物分与契約 (PSC) を締結した 当該鉱区のシェールガスの推定埋蔵量は約 5,380 億 m3 である 一方 EIA はインドネシア全体のシェールガスの可採埋蔵量を 1 兆 3,020 億 m3 と推定している インドネシアのシェールガス産業が成長するための大きな課題は探査コストである シェールガス堆積層が需要地から遥か遠く且つガスを輸送する長大なインフラが必要となるため 北米での掘削コストの 4 倍ほどかかると見られている 7. 石炭 7.1. 石炭の埋蔵量世界エネルギー会議 (World Energy Council) によれば インドネシアの石炭の可採埋蔵量は 61 億トンで 主にスマトラ島およびカリマンタン島の東部と南部に埋蔵されている 石炭のグレードは主として瀝青炭で 少量の褐炭も産出する 7.2. 石炭の生産と消費インドネシアの石炭生産量は 2002 年から 2012 年の間に 4 倍に増え 約 4 億 5,900 万トンに達した その約 2/3 はカリマンタン島東部で産出されている インドネシアの石炭生産量と消費量推移を図 13 に示す 2012 年のインドネシアの石炭の国内消費量は 7,600 万トンであった 2010 年に国内石炭販売量合計の約 2/3 を発電プラントが買い占めた 現在 インドネシアの国営電力会社は国内供給義務 (DMO) の石炭の 70% を購入しており 発電分野が国内炭の最大の消費者である 今後数年 石炭火力発電能力が増える結果として発電分野の石炭需要はさらに増え続けるであろう 石炭の使用量の増加により高価なディーゼル燃料や重油の使用量を減らすことができるため 政府は発電プラントで豊富に産する国内炭を使用するよう奨励している 政府は石炭生産者に対し 24% の国内供給義務 (DMO) を設定しているため 石炭の全生産量の約 3/4(75%) が輸出されている 15

図 13 インドネシアの石炭生産量と消費量 (2002~2012 年 ) 7.3. 石炭の輸出世界の石炭輸出量の上位国を図 14 に示す 2012 年 インドネシアは 3 億 8,300 万トン ( 全生産量の約 83%) の石炭を輸出し 重量ベースで世界最大の石炭輸出国となった インドネシアの石炭の輸出先を図 15 に示す 輸出先のほとんどがアジア市場で 2012 年実績ではインド (27%) 中国(24%) 韓国(11%) 日本(10%) 台湾(8%) の順で 残りは他の諸国向けであった 因みに 2012 年にインドは中国を抜いてインドネシア炭の最大の輸入国となった 16

図 14 世界の石炭輸出量の上位国 ( 百万トン 2012 年 ) 図 15 インドネシアの石炭の輸出先 (2012 年 ) 17

< 出典および参考資料 > (1) 米国 DOE エネルギー情報局 (EIA) レポート, Indonesia Country Analysis Brief http://www.eia.gov/countries/cab.cfm?fips=id (2) 米国 DOE エネルギー情報局 (EIA) レポート, TODAY IN ENERGY http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=15331 (3) A Barrel Full, Dumai Refinery http://abarrelfull.wikidot.com/dumai-refinery (4) A Barrel Full, Plaju Refinery http://abarrelfull.wikidot.com/plaju-refinery (5) eurasiareview, indonesia energy profile http://www.eurasiareview.com/05032014-indonesia-energy-profile-reorienting-energy-productio n-serve-growing-domestic-consumption-analysis/ (6) energy pedia news http://www.energy-pedia.com/news/indonesia/pertamina-is-looking-to-take-over-conocophillipsassets (7) Wikipedia, Indonesia http://en.wikipedia.org/wiki/indonesia (8) Wikipedia, マラッカ海峡 http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%ab%e6% B5%B7%E5%B3%A1 (9) 外務省ホームページ 各国情勢 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html (10) AsiaBiomassOffice http://www.asiabiomass.jp/topics/1309_01.html 以上 本資料は 一般財団法人石油エネルギー技術センターの情報探査で得られた情報を 整理 分析したものです 無断転載 複製を禁止します 本資料に関するお問い合わせは pisap@pecj.or.jp までお願いします Copyright 2014 Japan Petroleum Energy Center all rights reserved 次回の JPEC レポート (2014 年度第 7 回 ) は 欧州の第二世代バイオリファイナリーの最新状況 を予定しています 18