Microsoft PowerPoint - 【HP用】造船コンテナ編(2014.7).pptx

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表 1 隻数ベースのコンテナ船隊構成 船型 ( 隻数 単位 : 隻 ) Total 1,000TEU 未満 1,000 以上 3,000 未満 パナマックス (3,000 以上 ) ポストパナマックス (3,000 以上 8,000TEU 未満 ) 8,000 以上 12,000 未満 12,000

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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

と船種によって異なる通航料が適用されている 05 年にはコンテナ船に関する通航料が TEU ベースに変更された コンテナ船通航料を見ると 05 年から 11 年までの間に 95.2%( 年当たり 11.8%) にのぼる値上げが行われており TEU 当たりの通航料は 05 年に 42 米ドルであったが

平成18年8月31日

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エコノミスト便り

平成18年8月31日

年 年 に設定した 世界合計 の輸出金額は 年 3 兆 2,310 億ドルから 年 6 兆 1,930 億ドル 年 14 兆 6,520 億ドルと 4.5 倍に拡大した後 年秋のリーマンショックを契機として 2009 年には前年の約 3/4 に急激に落ち込み その後 徐々に回復が進み 年 16 兆

日本 中国間コンテナ荷動きの動向について 掲載誌 掲載年月 : 日刊 CARGO1206 日本海事センター企画研究部研究員松田琢磨 はじめに ( 公財 ) 日本海事センターでは 日本 中国間コンテナ荷動き ( 以下日中航路 ) のトンベース荷動き量を算出し 11 年 5 月から毎月発表している 今回

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特集 平成 2 5 年 5 月 2 2 日東京税関調査部調査統計課 金の輸出入 2012 年の世界の金需要は 4,405 トン 2012 年に合金も含む金を日本は 132 トン輸出し 11 トン輸入しています 日本の 2006 年から 2010 年の平均年間金産出量は 10 トン足らずですが 200

輸送量 (kg) 海上分担率 図 1 に 07~14 年の日本発米国向けトランジスタ輸送の海上 航空輸送量と海上分担 率の推移を示す 800, , , , , , , ,

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

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1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

生産性 イノベーション関係指標の国際比較 平成 29 年 11 月 9 日 財務総合政策研究所酒巻哲朗 1

平成18年8月31日

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目 次 Ⅰ. 総括編 1. 世界各地域の人口, 面積, 人口密度の推移と予測およびGDP( 名目 ) の状況 ( 1) 2. 世界の自動車保有状況と予測 ( 5) 3. 世界の自動車販売状況と予測 ( 9) 4. 世界の自動車生産状況と予測 ( 12) 5. 自動車産業にとって将来魅力のある国々 (

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

別紙2

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日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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IT 人材需給に関する調査 ( 概要 ) 平成 31 年 4 月経済産業省情報技術利用促進課 1. 調査の目的 実施体制 未来投資戦略 2017 ( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) に基づき 第四次産業革命下で求められる人材の必要性やミスマッチの状況を明確化するため 経済産業省 厚生労働

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

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【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について 平成 30 年 11 月 6 日関税 外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局

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を, モデルの基本構造の策定に用い, さらに, 一部で, 年のデータにより, 最新のを反映させた. また, 船舶諸元は IHS-Fの諸元データを, 建造中のコンテナ船データは, データが比較的豊富な Clarksonデータを使用した. 2.2 航路の定義航路は, 寄港により表 1のとお

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日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

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2019 年 3 月期第 3 四半期決算 ご参考資料 2019 年 1 月 31 日日本通運株式会社経営企画部

第45回中期経済予測 要旨

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社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

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【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

共働きは 収入源の分散化や世帯所得の増加をもたらすことから 基本的には消費に対する自由度を高めるものと予想される つまり 配偶者収入も含めて 収入が消費に結びつきやすくなる可能性があるということだ しかし 実際には 共働き世帯が増加しているにも拘わらず 家計は消費に対して慎重になっているようだ 世帯

2017年度 決算説明会資料

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

近畿圏における電気機器の貿易動向 平成 24 年 10 月 22 日大阪税関調査統計課 貿易額推移 近畿圏における電気機器の貿易額は 2000 年に初めて輸出額が 3 兆円を突破し 輸入額が 1 兆円を突破しました 輸出額は 2001 年に一旦減尐しますが その後は右肩上がりで増加し 2005 年に

2007年12月10日 初稿

< 目次 > Ⅰ. 基準シナリオ : 経済成長持続ケース 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅱ. シナリオ2: 中国とインド経済が急激にダウンしたら? 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅲ. シナリオ

Microsoft PowerPoint EU経済格差

特集 切花の輸入 平成 29 年 2 月 24 日東京税関 成田空港の輸入品にも春が来る! 輸入される切花は 菊 と カーネーション で 6 割を占める 毎年 3 月は ばら が輸入のピークを迎える 3 月が最初のピーク 春が近づき 花の話題が増える季節となりました 輸入品においても季節ごとの商品が

2. 造船業を取り巻く環境 (1) 主要造船三カ国のポジショニング 造船業界は日系造船企業の存在感が薄れ 韓国 中国企業が圧倒的な規模で台頭 世界の造船主要三カ国である日本 韓国 中国の状況は 2000 年代に大きく変化した 国別竣工量では 韓国 中国の台頭が著しく 日本は大きくポジションを落として

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< 図表 1> 米国の仕出し国 地域別自動車部品輸入実績 ( 単位 :100 万ドル ) 輸出国 シェア 1 メキシコ 11,740 13,692 16,045 17,056 19, % 2 カナダ 7,638 8,253 8,932

特集 :201 年度の日本産業動向 ( 海運 ) 201 年の運賃市況は 供給圧力が強く上値は重い見通し 2013 年の運賃市況は 荷動きの増加はあったものの 新造船 特に ULCS 1 の大量竣工を受け 需給悪化から軟調に推移した 減速航海の深化 アライアンス内での機動的な航路合理化等の船腹量調整

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2019年3月期決算説明会

第1章

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

2030年のアジア

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アジア近隣 5 カ国における牛乳乳製品の輸入動向 資料 5-2 各国とも輸入額全体に占める脱脂粉乳及び全脂粉乳の割合が高い 高付加価値商品の販売が見込めるチーズ 育児用粉乳等についても各国で一定の割合を輸入 中国の輸入市場は規模が大きく 最近伸びているが割合の小さい LL 牛乳 (2.6%) 市場で

る 韓国の大田には米国キンバリー クラーク社の製品である ハギーズ の工場があるため おもにそれが輸入されているものとみられる 07 年から 12 年までは韓国からの輸入量が日本からの輸入を上回る状況が続いてきた しかし 13 年と 14 年には日本からの輸入が急激に増加し 韓国を逆転した しかも

Dependent Variable: LOG(GDP00/(E*HOUR)) Date: 02/27/06 Time: 16:39 Sample (adjusted): 1994Q1 2005Q3 Included observations: 47 after adjustments C -1.5

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FRI フォーラム 99 物流業における規制緩和と その効果 1999 年 11 月 26 日 富士通総研経済研究所 木村達也

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

Microsoft Word - 第8回「国際不動産価格賃料指数」(2017年4月現在)

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2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

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我が国中小企業の課題と対応策

第6回 国際不動産価格賃料指数(2016年4月現在)

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経済・物価情勢の展望(2016年10月)

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摂南経済研究第 4 巻第 1 2 号 (2014) 較検討するのも興味深いことであるが ここではあくまでも 2011 年のデータの提示のみに終始し 分析 検討は改めて順次おこなってみたい 後者の目的にかかわる国際観光輸出 輸入 収支については 前掲の 国際観光論 において 2000 年から 2008

政策課題分析シリーズ16(付注)

東南アジア航路 韓中航路 日韓航路等において スペース交換 航路の合理化 新航路の共同開設などについて加盟船社同士が協調することで 競争力の回復を図ることを目的としている KSP は 2017 年 11 月の第 1 弾では東南アジア航路で 3 隻 釜山 - 博多 門司航路で 4 隻の撤退 2018


仕出国別 中国来の知財侵害物品の差止件数は 1,131 件であり 仕出国別の構成比では 前年に続き全体の約 8 割 (78.7%) を占めるに至っています 一方 2 位のフィリピン来が構成比 9.7% 3 位の香港来が同 4.8% を占めるにとどまっており 中国来への一極化の傾向にあると言えます な

Transcription:

今月のトピックス No.214-1(214 年 6 月 23 日 ) 超大型船の竣工が及ぼす船舶需要回復時期への影響について造船 ( コンテナ編 ) 1. 海上コンテナ輸送のマーケット推移 今月のトピックス No.211 13 年度大量発注が与える船舶需要回復時期と日本の造船業に与える影響 ~ バルカー編 に続き コンテナ船編として コンテナのファンダメンタルズの回復時期を検証する 世界の海上コンテナ荷動き量は 2 年以降急速に増加し 2 年の 7 百万 TEU から 212 年には 169 百万 TEU まで約 2.4 倍に増加した 特に 域内はアジア域内の荷動き量が牽引し 3 倍近い伸びを示している ( 図表 1-1) 一方 供給面では 2 年から 年まで 1 百万 TEU 以内の竣工量であったものが 26 年以降は毎年 1 百万 TEU を超える竣工量が続き 2 年には過去最高の竣工量が計画されている また 発注される船型の大型化も急速に進み 積載量 8TEU 以上の大型船は 2 年には 8 に過ぎなかったものが 213 年には 7 にまで拡大している ( 図表 1-2) 足元の船価は 8 年最高値に比べ約 6 割程度という低船価の状況にあり このような高水準の新造船の供給圧力が 今後コンテナ船のファンダメンタルズにどのような影響を及ぼすのかについて次章以降で検証を行っていく ( 図表 1-3) ( 百万 TEU) 図表 1-1 航路別荷動き量推移 2 18 16 14 12 1 8 6 4 2 7 7 23 22 その他 域内 南北 東西 78 91 33 12 12 12 14 13 37 16 116 41 18 128 47 19 143 149 134 52 55 21 23 3 31 34 37 43 48 53 59 59 54 61 65 65 51 2 2 57 23 163 169 61 65 24 26 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 (TEU) 図表 1-2 新造船竣工量及び手持ち工事量推移 2, 1,8 1,6 1,4 1,2 1, 1-8-9999 5-7999 3-4999 -2999 944 ( 注 ) 航路分類東西手持ち工事 1,493 1,485 1,484 1,55 1,38 1,389 1,3 1,3 1,16 1,211 南アジア 欧州南北極東 オセアニア域内欧州域内その他(USD Mill) 14 12 1 図表 1-3 極東 欧州極東 北米極東 中東極東 南アジア北米 欧州中東 欧州 北米 中南米欧州 中南米欧州 アフリカ極東 中南米極東 アフリカ アジア域内 南北その他南南その他域内その他その他 船価と傭船料推移 635TEU 型新造船価 35TEU 型 1 年傭船量 (USD 1k/day) 5 4 3 8 6 4 2 623 644 649 566 8 2 46 57 6 1 4 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 ( 月次 )

今月のトピックス No.214-2(214 年 6 月 23 日 ) 2. 日本 中国 韓国の受注状況 国別の建造実績では これまでも韓国が他国を圧倒してきており 214 年以降の手持ち工事量でも その他国に分類されている韓進重工フィリピン造船所を加味すれば 実質韓国勢のシェアは 6 割近くに達しており 韓国が No1 であることに変わりはない ( 図表 2-1 2-2) ただし 中国もシェアを高めており これまでの 4999TEU 以下の小型船だけでなく 手持ち工事量では 5 超 ~7999 以下の中型船でも韓国を圧倒 8TEU 以上の大型船でもその存在感を高めている 他方 日本は 2999TEU 以下と 1 万超の一部で手持ち工事を積み上げるだけに留まり 中韓勢に大きく水を空けられている ( 図表 2-3) サイズ別の建造トレンドは 2 年まで順調に受注しているのは 8TEU 以上の大型船或いは 2999TE U 以下の小型船に限られ 中間に位置する 3-7999TEU は殆ど積み上がっていない これは ハブポートを繋ぐ基幹航路は大型船 ハブポートからローカルポートを繋ぐフィーダー船は 2999TEU 以下という役割分担的な要素もあるが 急激な大型化によるカスケードのしわ寄せが中間船型に出ている要因が大きいと推察される (TEU) 図表 2-1 国別竣工推移 (TEU ベース ) 2, 日本その他中国韓国 1,5 図表 2-2 国別シェア (TEU ベース ) 3 14 7 5 1, 5 32 17 内側 = 竣工実績 21~213 外側 = 手持工事 214~216 71 51 1 11 12 13 14 16 図表 2-3 国別 サイズ別竣工推移 ( 隻数ベース ) 韓国中国その他日本 ( 隻 ) -2999TEU 1 3-4999TEU 5-7999TEU 5 1 11 12 13 14 16 1 11 12 13 14 16 1 11 12 13 14 16 ( 隻 ) 8-9999TEU 1 1 万 -TEU 5 1 11 12 13 14 16 1 11 12 13 14 16

輸出今月のトピックス No.214-3(214 年 6 月 23 日 ) 3. 荷動き量の予測 コンテナ海上輸送量の将来推計は 被説明変数に地域別コンテナ輸出入実績 説明変数に GDP の構成要素である輸出及びサービスの支出額と輸入及びサービスの支出額を用い回帰分析を行った ( 図表 3-1) 先ず 揚げ地 出し地別に輸出入量の予測を行うために 地域を北米 中南米 欧州 アフリカ 中東 南アジア オセアニア 極東 その他に分類し それぞれ双方向に回帰分析を行った 決定係数は 中南米輸出 アフリカ輸出を除く全ての地域で 9 以上の高い数値 (R2) となった ( 図表 3-2) 次に 相対する航路別の輸出入数量 (E 地の輸出量と D 地の輸入量 ) の平仄をとるために 相対する輸入量と輸出量の平均成長率を求め これを当該航路の成長率とすることで 航路毎の将来予測とした ( 図表 3-3) 需給ギャップを検証するに際しては往路の荷動き量だけが対象となるため ラウンド輸送航路では荷動き量が多い輸送を 域内航路では 6 分を往航の荷動き量とした 試算結果は これまでの年平均 7.8 という高い成長率と比べれば鈍化するものの 2 年まで 6. 長期に亘っては 5.2 程度の成長率が見込めるという結果となった ( 図表 3-4) 図表 3-1 被説明変数説明変数輸入A 地域 B 地域 C 地域 D 地域コンテナ輸入実績 D 地域 GDP 内輸入額 D 地域コンテナ輸入予測 E 地域コンテナ輸出実績 A 地域 B 地域 C 地域 E 地域 GDP 内輸出額 E 地域コンテナ輸出予測 図表 3-2 地域 輸出決定率輸入決定率 説明変数地域分類 北米 95 93 NAFTA 中南米 88 95 Latin & Central America (exc Mexico) 欧州 91 98 Western Europe アフリカ 89 98 Africa 中東 93 97 Middle East 南アジア 98 97 Bangladesh/India/Pakistan/Sri Lanka オセアニア 92 93 Australia / New Zealand 極東 99 99 Asia-Pacific(exc S.Asia/Oceania) Other 91 World Total 図表 3-3 航路別実績 E 地域 D 地域 E 地域輸出 平均成長率 D 地域輸入 航路毎輸送量予測 ( 百万 TEU) 図表 3-4 往航コンテナ荷動き量予測 35 その他航路 36 3 212-233 域内航路 272 CAGR 5.2 南北航路 東西航路 217 212-2 122 2 2-212 CAGR 6. 41 91 95 96 12 111 117 1 134 142 9 167 CAGR 7.8 65 1 39 23 43 42 47 57 64 73 81 84 5 1 14 64 41 18 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 16 17 18 19 2 3 33 ( 備考 ) IHS World Industry Service: Macroeconomic Assumptions マリンネット 資料等より日本政策投資銀行作成

今月のトピックス No.214-4(214 年 6 月 23 日 ) 4. 船腹量の予測 船腹量の予測はバルカー同様 前期末船腹量に増加要素として手持ち工事量 減少要因として解撤量とキャンセル量を加減し 当期末船腹量とした推計を行った 手持ち工事量は 213 年末時点の工事量のみを反映し キャンセル量は 212 年のキャンセル率 8.4 を 解撤量も足元実績である 467( 千 )TEU を横置きし 船腹量を試算した 足元の船舶過剰感は 往路の荷動き量の年平均成長率 7.8 を上回る 1.4 の船舶供給によるものと思料されるが 今後の供給圧力は 2 年までの往路の荷動き量の年間予想成長率 6. を下回る 5.7 と試算され 船舶過剰感は僅かながら弱まることが期待される ( 図表 4-1) 他方で 船舶の大型化が更に進み 217 年時点で 1 万 TEU 超が最も構成比が高くなるなど相対的に船齢の若い 8TEU 以上の大型船の構成比が 45 まで高まることで 当面は解轍が需給ギャップ解消の有効なツールとならない可能性が懸念される ( 図表 4-2) 図表 4-1 船腹量推移 図表 4-2 船型比率 2 1 5 ( 百万 TEU) 4.9 2-212 CAGR 1.4 5.5 6.1 6.6 7.3-2999TEU 3-4999 5-7999 8-9999 1-8.2 212-2 CAGR 5.7 18.1 18.9 18.9 18.4 17.3 16.. 13.8 12.7 11.9 1.8 9.5 29 24 21 14 2 2 年 4,91 217 年 18,41 17 2 55 18 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 16 17 USD (M) 16 14 12 1 図表 4-3 船価推移 (1 隻当たり ) 8,TEU-NB 6,35TEU-NB 5,1TEU-NB USD (K) 8. 6 3,5TEU-NB 1. 4 2,75TEU-NB 2 ( ギア無 ) 5. 1,75TEU-NB ( ギア無 ). 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 ( 月次 ) ( 月次 ) 3.. 2. 図表 4-4 船価推移 (1TEU 当たり )

今月のトピックス No.214-5(214 年 6 月 23 日 ) 5. 需給ギャップ 需給ギャップを検証するに際し コンテナがバルカーやタンカーと大きく異なるのは カスケードにより航路毎の船腹量が固定されず 航路毎の荷動き量と船腹量を比較できないことにある しかしながら サイズ毎に船価は大きく異なるものの 1TEU 当たりに換算した船価は概ね同一価格帯に収斂され サイズ別においても船価は略連動 ( 図表 4-3 4-4) していることから 全往路の荷動き量と全船腹量を比較することで 大まかなファンダメンタルズの把握を行う 全往路の荷動き量と全船腹量の比較を行うに際し 指標として消席率を用いた 消席率は 全往航の荷動き量 を 船腹量 年間平均回転数 で除して求め これを 船価の決定指標である傭船料と比較した ( 図表 5-1) 海運好況期であった 23 年から 27 年までの消席率は 5 以上を保ち 傭船料も高水準で推移してきたが 8 年のリーマンショック以降荷動き量の低迷によって消席率が 44 まで低下すると 傭船料も大きく下落 21 年に消席率が 48 に改善すると傭船料も回復したが 供給圧力により再び消席率が低下すると傭船料も下落し 足元の消席率はリーマンショック時を下回る 41 に低迷している このように消席率は傭船料との相関が強く 消席率がファンダメンタルズを示す指標であるとともに 船腹過剰感の解消となる目安は 5 内外であることが推察された 往路の荷動き量と全船腹量の将来予測からファンダメンタルズを予想すると 船舶過剰は減速航海の深化等も期待されることで 213 年にはボトムを脱し 217 年には船舶過剰感が解消されるとの結果になった (USD/DAY) 図表 5-1 消席率と傭船料 5 65 4,4TEU-TC 1YR 4 3 2 傭船料 up 6 55 5 3,5TEU-TC 1YR 2,5TEU-TC 1YR ( ギア付 ) 1,7TEU-TC 1YR ( ギア付 ) 消席率 1 51 傭船料 down 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 ( 百万 TEU) 図表 5-2 需給予測 35 3 供給 投入船腹量 需要 荷動き量消席率新造船発注が無いと仮定 45 46 5 52 52 52 5 49 44 48 43 41 41 42 45 44 46 49 ( 備考 ) マリンネット 資料より 4 日本政策投資銀行作成 52 55 58 7 6 5 2 4 3 1 2 5 1 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 16 17 18 19 2 ( 備考 ) 日本政策投資銀行作成

今月のトピックス No.214-6(214 年 6 月 23 日 ) 6. 航路別推移 全体の消席率が 5 前後という低い水準になっているが これは係船 停船しているような船舶をその他航路に集めて加算しているためであり 航路別ではそれぞれ水準は大きく異なる ( 図表 6-4) 東西航路は 2 年代前半は常時 9 前後の消席率を保っていたが 船舶の大型化とともに低下し 211 年 213 年と超大型船が投入されたことによるループ全体の船腹量の増加により 213 年の消席率は 67 となっている 今後とも 超大型船の投入が予想されるが 需要の絶対量が大きく 今後とも需要の高い伸びが期待されることから 船舶の供給圧力が低下するのに反比例して需給ギャップは解消していくと予想される ( 図表 6-1) 南北航路は南米やアフリカなどの旺盛な需要の伸びによって高水準の消席率を保っていたが 211 年 213 年に中型船 大型船がカスケード投入されたことで 足元の消席率は 64 に低迷している 需要の絶対量が東西航路の半分にも満たず 需要の伸びも予測も東西航路ほどの成長は期待出来ないことから 需給ギャップ解消はより長期間を有することになると予想する ( 図表 6-2) アジア域内航路は 消席率は安定的に推移しており 212 年の中型船のカスケード投入の影響も限定的である これは 港湾事情等により投入船舶のサイズが制限されることで 需要の絶対量や成長率に比較して ループ全体の船腹量が伸びていないことが奏功しているためと思料される ( 図表 6-3) ( 百万 TEU) 図表 6-1 東西航路 7 6 5 4 3 2 1 7 6 5 4 3 2 1 14 49 91 91 48 72 75 88 67 2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2-2999 3-4999 5-7999 8-9999 1- 需要 消席率 ( 右軸 ) ( 百万 TEU) 図表 6-3 アジア域内航路 78 24 22 6 3 213 年 27 24 12 1 8 6 4 2 1 8 6 4 ( 百万 TEU) 3 ( 百万 TEU) 図表 6-4 その他航路 14 12 1 213 年 2 4 79 2 2 2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2 2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2-2999 3-4999 -2999 3-4999 5-7999 8-9999 1- 需要 5-7999 8-9999 消席率 ( 右軸 ) 1- 需要 消席率 ( 右軸 ) ( 備考 ) 日本政策投資銀行作成 2 1 5 8 6 4 83 65 13 83 12 図表 6-2 9 11 南北航路 64 2 2 4 6 8 1 12 14 16 18 2-2999 3-4999 5-7999 8-9999 1- 需要 消席率 ( 右軸 ) 9 29 12 1 22 213 年 4 22 36 213 年 24 1 8 6 4 2 18 16 14 12 1 産業調査部大久保康三 森賢次 8 6

今月のトピックス No.214-7(214 年 6 月 23 日 ) 本資料は 著作物であり 著作権法に基づき保護されています 著作権法の定めに従い 引用する際は 必ず出所 : 日本政策投資銀行と明記して下さい 本資料の全文または一部を転載 複製する際は著作権者の許諾が必要ですので 当行までご連絡下さい お問い合わせ先株式会社日本政策投資銀行産業調査部 Tel: 3-3244-184 E-mail: report@dbj.jp