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諸外国における情報通信分野の事業者間紛争処理に関する調査研究 の概要について (1) 各国の電気通信事業者間の紛争処理制度 資料 143-2 国 地域 州内通信 米国 州際 / 国際 カナダ英国仏国独国韓国豪州日本 固定 固定 BB 固定 BB 固定 BB 固定 BB 固定 BB 固定 BB 固定 BB ILEC( 旧ベル系 ):59% ベル カナダ :20% BT リテール :30% オレンジ :41% ドイツテレコム :45% KT:43% テレストラ :62% NTT 東西 :54% CLEC( 新規参入事業 ロジャース :15% Virgin Media:21% フリー :23% 新規参入事業者 :55% SK ブロードバンド :15% オプタス :13% KDDI:19% 市場環境 ( 事業者別回線数シェア ) 者 ):41% 移動 ビデオトロン :15% 移動 Sky:18% Talk Talk:17% 移動 SFR:21% 移動 移動 SK テレコム :9% LG U+:16% 移動 iinet:11% 移動 ソフトバンク :8% 移動 AT&T:33% ロジャース ワイヤレス : Everything オレンジ :35% ドイツテレコム :32% SK テレコム :50% テレストラ :48% NTT ドコモ :41% Verizon Wireless:29% 34% Everywhere:35% SFR:28% ボーダフォン :30% KT:30% オプタス :31% KDDI:26% Sprint Nextel:17% ベル モビリティ :28% O2:31% ブイグ テレコム :16% E プルス :21% LG U+:20% ボーダフォン :21% ソフトバンクモバイル : テラス モビリティ :28% Vodafone:23% テレフォニカ O2:17% 23% 紛争処理機関 州公益事業委員会 (PUC) 連邦通信委員会 (FCC) カナダラジオテレビ電気 通信委員会 (CRTC) 情報通信庁 (Ofcom) OTA2 及び CISAS 等 電子通信 郵便規制機関 (ARCEP) 連邦ネットワーク庁 (BNezA) 放送通信委員会 (KCC) オーストラリア競争消費 者委員会 (ACCC) 総務省 ( 電気通信紛争処 理委員会 ) カリフォルニア州 調停 スタッフ協力による調停 Ofcom: 裁定 裁定 調停 ( 当事者間において 調停 ( 当事者間での解決 調停 あっせん 紛争処理方法 調停 裁定 仲裁 OTA2: 仲裁 長期間にわたる業務上の が見込める場合や少額の 裁定 裁定 裁定 CISAS 等 : 調停 関係が存在する場合等 ) 損害賠償等 ) 仲裁 裁定 裁定 カリフォルニア州 通信事業者間の紛争 事業者間における双務的 Ofcom 相互接続に関する紛争 相互接続に関する紛争 設備提供に関する紛争 アクセス義務を課され 相互接続に関する紛争 通信事業者間の紛争 電柱架設 同料金 な紛争 規模の小さい利 相互接続等に関する紛 施設共有に関する紛争 相互接続に関する紛争 ている事業者 ( テルス 卸電気通信役務に関す 相互接続に関する紛争 PUC が措置しなかった州 害関係者にのみ影響を 争等 等 卸売提供に関する紛争 トラ 移動体分野につ る紛争 内通信の紛争 与える紛争等 OTA2 等 いてオプタス ボーダ 等 紛争対象事項 BT の市内網接続に関する紛争 ADR 小規模事業者との紛争等 フォン オーストラリア ) と通信事業者の間における相互接続等の紛争 非公表 紛争処理件数 CRTC 決定による仲裁 Ofcom ARCEP 決定による解 裁定室が裁定した件 紛争処理申請件数 公表された裁定決定の あっせん 裁定件数 件数 解決件数 決件数 数 件数 2010 年 :3 件 2010 年 :1 件 2010 年 :10 件 2010 年 :5 件 2010 年 :50 件 2010 年 :3 件 2010 年 :8 件 2010 年度 :1 件 2011 年 :7 件 2011 年 :1 件 2011 年 :4 件 2011 年 :4 件 2011 年 :4 件 2011 年 :3 件 2011 年 :0 件 2011 年度 :4 件 事例件数 2012 年 :6 件 2012 年 :2 件 2012 年 :3 件 2012 年 :0 件 2012 年 :0 件 2012 年 :1 件 2012 年 :1 件 2012 年度 :0 件 2013 年 :9 件 2013 年 :0 件 2013 年 :8 件 2013 年 :1 件 2013 年 :11 件 2013 年 :2 件 2013 年 :0 件 2013 年度 :1 件 OTA2 非公表

(2) 各国の放送事業者間の紛争処理制度 国 地域米国カナダ英国仏国独国韓国豪州日本 連邦通信委員会 (FCC) カナダラジオテレビ電気通 情報通信庁 (Ofcom) 視聴覚高等評議会 (CSA) 州内の紛争 : 州メディア庁 放送通信委員会 (KCC) オーストラリア競争消費者 総務省 ( 電気通信紛争処理委 紛争処理機関 信委員会 (CRTC) OTA-BTS(Office of the Adjudicator - Broadcast 州際の紛争 : 州メディア庁連 盟 (ALM) 委員会 (ACCC) 及びオース トラリア商業紛争センター 員会 ) Transmission Services) (ACDC) 裁定 スタッフ協力による調停 Ofcom: 裁定 裁定 紛争プロセスに応じ 調停 調停調停あっせん 紛争処理方法 仲裁 OTA-BTS: 仲裁 仲裁の二段階 裁定 仲裁 以下に関する紛争 事業者間において双務的な Ofcom 番組配信契約における料 プラットフォームへのアク 放送番組の供給および受給 独占事業者フォクステルが ケーブルテレビによる地上 商用ケーブル局の提供条件 紛争 規模の小さな利害関 放送インフラ網へのアクセ 金 技術条件に関する紛争 セス 料金 放送コンテンツ と関連した紛争 提供する衛星 ケーブルによ 波番組の再放送 商用ローカル局の伝送 係者にのみ影響を与える スに関する紛争 等 放送及び放送の送出に必要 る放送インフラの利用に関 非商用教育放送局の伝送 紛争 ( 料金を含む ) 等 周波数管理に関する紛争 な電気通信設備の利用と関 する紛争 紛争対象事項 ケーブルテレビ料金 等 OTA-BTS 独占的放送インフラ企業 連した紛争 放送事業区域と関連した紛 Arqiva との間における伝送 争 サービス 中継設備等に関す 中継放送権等財産権的利害 る紛争 と関連した紛争等 放送分野にかかる紛争 申 CRTC 決定による仲裁件 事例なし CSA 裁定件数 不明 KCC での放送紛争受付件 非公表 あっせん 裁定件数 し立て処理件数 数 数 2010 年 :5 件 2010 年 :1 件 2010 年 :2 件 2010 年 :5 件 事例件数 2011 年 :4 件 2011 年 :0 件 2011 年 :0 件 2011 年 :2 件 2011 年度 :3 件 2012 年 :12 件 2012 年 :2 件 2012 年 :0 件 2012 年 :5 件 2012 年度 :0 件 2013 年 :7 件 2013 年 :0 件 2013 年 :1 件 2013 年 :2 件 2013 年度 :3 件

通信 (3) 電気通信及び放送事業者間の紛争処理事例 : 抜粋一覧 : 申立人 ( 紛争処理申請者 ) : 相手方 ( 紛争対象者 ) 放送 銅線網光ファイバ網移動体通信網地上放送の再放送有料コンテンツ 英国 事例メタル接続回線の公正な条件での提供について 紛争当事者 TalkTalk(ISP) BT( 既存事業者 ) 審理開始 :2013/01/10 決定 :2013/08/15 紛争の主旨及び決定内容 TalkTalk は BT の市内回線卸売部門である Openreach がメタル接続回線を含むローカルループアンバンドリングの卸売サービスを公正な条件で提供していない ( サービス提供開始が遅い ) と主張し 紛争処理を申請 Ofcom は BT の主張を認める裁定 フランス 英国 フランス 審理開始 :2010/07/23 決定 :2010/11/16 事例光ファイバ回線の回線共有料金設定について 紛争当事者 ブイグテレコム ( 競争事業者 ) フランステレコム [FT]( 既存事業者 現オレンジ ) 紛争の主旨及び決定内容ブイグは FT との光ファイバ加入者回線の共有契約交渉において FT が十分に情報開示をせず 接続料金も妥当な水準にないと紛争処理を申請 ARCEP は FT に実際の投資及び費用の負担を反映した接続料金設定を行うべきと裁定 決定 :2013/08/15 事例既存事業者の標準相互接続協定について 紛争当事者 EE( 移動体事業者 ) BT( 既存事業者 ) 審理開始 :2012/02/14 紛争の主旨及び決定内容 EE は BT の標準相互接続協定 (SIA) は BT による料金変更は移動体通信事業者の同意を必要としないのに対し 移動体通信事業者の料金変更は BT の同意を必要とするのは不公平であるとし 紛争処理を申請 Ofcom は BT の影響力等を考慮した上 効率性の観点から SIA は不公平な協定ではないと裁定 審理開始 :2009/06/10 決定 :2009/12/17 事例地上デジタル放送の再送信におけるチャンネル番号について 紛争当事者 BMF TV( 地上放送事業者 ) Canal+Distribution( 衛星放送事業者 ) 紛争の主旨及び決定内容 BMF TV は Canal+ の衛星プラットフォームで提供されている自社の放送番組について 再送信とオプションチャンネル ( テーマ別放送 ) の双方で チャンネル番号の順番が地上放送での順番に準拠するという原則に反した割当となっていると紛争処理を申請 CSA は 地上放送の再送信チャンネルは割当られた番号の順番を順守すべきと決定 他方 オプションチャンネルにはその必要なしと裁定 米国 申立日 :2010/07/05 決定 :2012/07/24 事例ケーブルテレビにおける専門チャンネル配信の差別的取り扱いについて 紛争当事者 テニス チャンネル ( 放送チャンネル ) コムキャスト (CATV 事業者 ) 紛争の主旨及び決定内容テニスチャンネルは コムキャスト傘下のゴルフチャンネルが追加料金なしで試聴可能である一方 非傘下のチャンネルには視聴に追加料金が必要なことが差別的取り扱いであるとして FCC に紛争処理を申請 FCC はテニスチャンネルの主張を認め コムキャストに是正措置を求め 罰金を科すことを裁定 ドイツ 審理開始 :2012/11/21 決定 :2013/03/18 事例 ODR Technologie Service による ドイツテレコムの加入者回線網へのアクセスについて 紛争当事者 ODR Technologie Service(ISP) ドイツテレコム ( 既存事業者 ) 紛争の主旨及び決定内容 ODR は DT がその所有するストリートキャビネットへの接続について 高密度化を図りスペースを確保するか 大型のキャビネットに取り換えるかなど ODR にとってコスト負担増となる方法で新たな契約を結ぶことを要求したことから 紛争処理を申請 BNetzA は条件付きで従来の接続方法を認める裁定 韓国 審理開始 :- 決定 :2011/06 事例地上放送事業者による 衛星放送への再放送の中断について 紛争当事者 KT SkyLife( 衛星放送事業者 ) SBS( 地上放送事業者 ) 紛争の主旨及び決定内容 KT SkyLife は SBS が再放送料金交渉の不調を理由に 首都圏での KT SkyLife 向け地上 HD の再放送を中断したことについて紛争調停を申請 KCC の決定前に両者が合意し再放送再開

参考 諸外国の紛争処理制度について 平成 26 年 6 月電気通信紛争処理委員会事務局

1 目次 米国 2 カナダ 11 英国 17 フランス 26 ドイツ 34 韓国 42 オーストラリア 50 本資料は 各国の通信法及び放送法に規定される事業者間の紛争処理について調査した 諸外国における情報通信分野の事業者間紛争処理に関する調査研究 (2014 年 3 月 ) を要約した資料である ( ただし フランスは 通信法及び放送法に競争当局による紛争処理について一部規定されているので これについても調査した ( 本要約資料では記載を省略した ) また オーストラリアについては 通信法及び放送法に紛争処理の規定がなく 競争法において規定されているため 競争当局による紛争処理について調査している )

2 米 国

米国の電気通信事業市場 3 1984 年 市内 長距離電話の大部分を担っていたAT&Tを分離分割 ( 長距離会社と市内会社の分離し 市内会社を7つに分割 ) 現状の市場 1983 年 AT&T 系事業者 25 社 独立系事業者 1,429 社が電話サービスを提供 収入は AT&T 系事業者 691 億ドル 独立系事業者が 149 億ドル ( 出典 : 欧米諸国における電信電話の動向 ( 昭和 60 年 3 月 )( 財 ) 電気通信総合研究所 ) 固定通信旧 AT&Tを母体とするなどの既存地域電話会社 (ILEC:incumbent local exchange carrier) のほかに 新規地域電話会社 (CLEC: competitive local exchange carrier ) も多数参入し 少数の大手事業者と多数の中小事業者が存在 なかでも 設備を有しないCLECは ILECの設備を利用してサービスを提供 会社数 ( 市内固定電話は2012 年 州間通信サービスは2008 年 ) 市内固定電話 州間通信サービス ILEC 753 1,297 CLEC 913 813 移動通信全国展開する4 社のほか 一地域で事業を行う事業者 再販事業者 MVNO 等が多く存在し多様なサービスを展開

米国の電気通信に関する紛争処理対象 4 州際通信及び国際通信 1 通信法違反の申立て ( 通信法第 208 条 ) 公衆電気通信事業者事業者 無線事業者 国際通信事業者が通信法に違反していると疑われる場合に 事業者等が連邦通信委員会 (FCC) に対して申立てができる * 通信法では すべての通信事業者間の相互接続義務 ILEC に対してアンバンドル ( 必要な設備だけを貸し出すこと ) して提供する義務等が課されている 2 電柱架設に関する紛争 ( 通信法第 224 条 ) ケーブル事業者 電気通信事業者等が 電柱架設に関する料金 条件に関して FCC に対して申立てができる 州内通信 通信事業者は 既存地域通信事業者と両者間の紛争について 調停及び裁定を各州の公益事業委員会に対して申立てできる 1 調停 ( 第 252 条 (a) 項 ) 通信事業者間で相互接続の交渉の過程においては 調停を要請することができる 2 裁定 ( 第 252 条 (b) 項 ) 通信事業者が交渉要請を受け取ってから一定の期間内に 未解決の問題点につき 裁定を申し立てることができる なお 州公益事業委員会が対応しなかった場合は FCC が措置を講じることできる

連邦通信委員会 (FCC) Federal Communications Commission 所掌事務 米国の電気通信に関する紛争処理機関 州際及び国際通信 委員会組織の独立規制機関であり 電気通信 放送分野における規則制定 行政処分の実施を所掌 有線による州際 国際通信に関する料金 ( 制度を含む ) の審理 設定 事業の拡大 縮小 廃業の認可 無線局の免許等 紛争処理対象事項 FCC 州内通信 公益事業委員会 通信法違反の申立て ー 電柱架設に関する紛争 ー 相互接続に関する紛争 州際及び国際通信 州の公益事業委員会 (PSC/PUC) Public Service Commission/Public Utilities Commission: 所掌事務 州法に基づき 電気通信事業のほか 電気 ガス 水道 陸運 水運 航空等を規制 組織構成は州によって異なるが 委員は最大 7 名により構成 職員数も 小規模なものは 20 名程度 大規模なものでは 1,000 名に上る 州内通信 紛争処理方法調停 裁定調停 裁定 機 関 5

米国の電気通信に関する紛争処理制度 6 事業者が通信法に違反州間通信 国際通信の紛争電柱架設に関する紛争 州内通信の相互接続に関する紛争 場合によって 公益事業委員会が措置を行わない場合 FCC の簡易調停 ( 非公式 ) 不調の場合 FCC への公式申立て FCC の裁定 不服の場合 FCC に再審査の申立を行うか 控訴裁判所に訴えを提起することが可能 州公益事業委員会の調停又は裁定 不服の場合 FCC の調停又は裁定 裁判所に訴えを提起することが可能

米国の放送事業市場 7 現状の市場 地上放送テレビ局の総数は1,781 局 (VHF 局が465 UHF 局が1,316) である 非商業放送と商業放送が存在するが サービスは商業放送を中心に行われている 商業放送については 地上テレビ放送事業者として 4 大ネットワークであるABC CBS NBC 及びFoxがそれぞれ所有 運営局やネットワーク系列局を傘下にしているほか 各地域に独立系の放送局が存在 CATV 放送 CATV 事業者のほか 通信事業者も動画配信サービスに参入し 多様なサービスを展開 再放送 小規模独立地方局の保護 育成を目的として CATV 事業者に対し その地域で視聴できる地上放送テレビ局のチャンネルを無料で再放送することを義務付け (CATV 事業者の規模により再放送する地上放送テレビ局のチャンネル数を規定 )

米国の放送に関する紛争処理対象及び機関 8 紛争処理対象事項 1 CATVネットワークの商用利用の料金や伝送等の条件に関する紛争 2 CATV 事業者が再放送を行わなければならない商用ローカル放送 非商用教育放送とのチャンネル番号に関する紛争 その他商用ローカル放送局 非商用教育放送局が再放送義務を履行していないと認める場合の紛争 3 CATV 事業者等の多チャンネル番組配信事業者が 番組提供事業者との間の番組伝送協定において 独占的権利の強要 番組提供事業者を差別的に取り扱うこと禁止義務を履行していないと認める場合の紛争 4 番組提供者が 多チャンネル配信事業者による加入者への配信 番組提供を著しく阻害することや 不公正な競争や詐欺的な行為 慣行を行うことの禁止義務に違反したことにより被った損害に関する紛争 紛争処理方法 調停 裁定 機 関 連邦通信委員会 (FCC) Federal Communications Commission

米国の放送に関する紛争処理制度 9 事業者が通信法に違反した場合 場合によって FCC の調停 ( 非公式 ) 不調の場合 FCC への公式の申出 命令

米国の紛争処理実績等 10 紛争処理件数 単位 : 件 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 電気通信 16 15 3 7 6 9 放送 2 5 5 4 12 7 上記の件数は FCC が裁定の命令を発出したものであり 調停や取り下げられた事例は含まれていない 紛争処理の例 電気通信 ILEC が長距離通信事業者との相互接続の場所を変更したため 長距離通信事業者の接続料が高くなったとの申請に対し 変更後の料金が通信法違反との裁定 放送 CATV 事業者が自社のコンテンツ配信と他社のコンテンツ配信を同一の条件で配信していないとの申請に対し 同一の条件で配信するよう裁定 * 本件については 最高裁で CATV 事業者の主張が認められ FCCの裁定は破棄された

カナダ 11

カナダの電気通信事業市場 12 1993 年 市内サービスをそれぞれの地域で独占して提供する地域通信事業者 州間サービスを提供する長距離通信事業者等が提供していたが 長距離通信は 1993 年に自由化 現状の市場 固定通信ベル カナダを含むBell Canada Enterprise(BCE) 傘下の地域通信事業者 テラス及び国内最大のケーブルテレビ事業者であるロジャース コミュニケーションズ (Rogers Communications) が全国レベルで固定通話サービスを展開している3 大事業者を含め設備を有する事業者が300 社以上いるほか 設備を有さず他事業者から設備を借りて事業を行う非設備事業者も1000 社程度いる 移動通信全国展開している3 大事業者が 概ね市場を三分し また 周波数オークションを契機として新規事業者が参入しているほか 3 大事業者の設備基盤を使用したMVNOも全国に約 30 社が存在

カナダの放送事業市場 13 現状の市場 地上放送地上テレビの全国放送は 公共放送のCBCと商業放送のCTVが提供 地域ネットワークには フランス語圏のケベック州をサービス地域とするフランス語放送のTVA 等があるほか どのネットワークにも属さない独立系商業放送事業者や州交付金で運営される州営放送事業者がある CATV 放送 / 衛星放送 ケーブルテレビ放送は ロジャース ショウ ビデオトロン及びコゲコの大手 4 社により提供 また 全国域で視聴可能である衛星放送については ショウによる Shaw Direct と BCE による Bell TV が 2 大事業者となっている 再放送 地上放送は 基本サービス (Basic Service) として CATV 事業者の免許要件上の放送区域において再放送の義務が課されている 有料放送事業者は 教育番組や天気情報など公共性の高い番組 ( カテゴリー Aサービス ) の再放送の義務が課されている

カナダの電気通信 放送に関する紛争処理対象及び機関 14 紛争処理対象事項 放送及び通信公告 (Broadcasting and Telecom Information Bulletin CRTC 2009-38) 第 5 条で CRTCが紛争処理に関与するケースを以下の通りに規定している 1 事業者間において双務的な紛争が生じた場合 あるいは 少ない関係者にのみ影響を与える紛争が生じた場合 2 紛争の当事者同士が その他の方法で紛争を解決できない場合 3 当該紛争の内容が カナダにおける通信及び放送の規制と関係する場合 特に CRTCによる決定 政策 規制の解釈や適用と関係する場合 4 紛争の解決が新たな政策を必要としたり 既存政策の変更を伴ったりしない場合 紛争処理方法 あっせん 仲裁 機 関 カナダ ラジオテレビ電気通信委員会 (CRTC) Canadian Radio-television and Telecommunications Commission 所掌事務 1985 年制定の カナダ ラジオテレビ電気通信委員会法 (CRTC 法 ) により 電気通信及び放送に関する独立規制機関として設置された 料金審査 通信及び放送の規則制定 免許付与 紛争調停等を所掌する

カナダの電気通信 放送に関する紛争処理制度 15 一方当事者による申請 スタッフによるあっせん 不調の場合 ( 委員会決定に従うことの両当事者の合意 ) 金銭的補償あり 最終提案仲裁 委員会の設置 金銭的補償なし 緊急聴聞会決定 ( 仲裁 ) 委員会の設置 両当事者から最終提案の提示 委員会による仲裁 両当事者からヒアリング 委員会による決定 ( 仲裁 ) このほか 紛争解決手続として Part 1 Application( 紛争内容を公表し一般から調停案を公募し 委員会で検討 決定する方法 ) があるが 事業者間紛争には一般的に適用されない

カナダの紛争処理実績等 16 紛争処理件数 (11 年度 ) 単位 : 件 申請数 スタッフあっせん 委員会決定 電気通信 30 29 1 放送 20 9 2 ( 注 ) 放送については Part 1 Application に基づく申請 処理を含む 紛争処理の例 放送 CATV 事業者連盟が コンテンツ事業者との再放送の料金の協議がまとまらなかったことから CRTC に対して 料金水準等の設定を求めた申請に対して CRTC は 市場ベースでの契約を推進してきた立場から 料金水準は設定せず 交渉が停滞しないようにする程度の介入に留めた

17 英 国

英国の国内電気通信事業市場 18 1984 年 市内 長距離通信サービスを独占していた BT の民営化及び独占の廃止 現状の市場 固定通信 BT のほか新規参入事業者がサービスを展開しているほか 多数の再販事業者等もサービスを提供 主要な固定通信事業者のサービス提供状況 事業者名 市内 長距離 ブロードバンド BT Group 〇 〇 〇 Cable & Wireless (UK) 〇 〇 〇 KCOM Group 〇 〇 〇 O2 UK 〇 〇 〇 TalkTalk 〇 〇 〇 移動通信 MNOとしては Vodafone O2 UK Hutchison 3G UK(3 UK) 及びEverything Everywhere(EE) の4 社がサービスを提供 MVNOとしては Virgin Mobileが1999 年 11 月よりT-Mobile( 現 EE) のネットワークを利用したサービスを提供しており 2003 年 9 月末から英国の大手スーパーマーケット チェーンのTescoとO2 UKが合弁により Tesco Mobileの名称でサービスを提供

英国の電気通信に関する紛争処理対象及び機関 19 紛争処理対象事項ネットワークの接続に関する以下の紛争 1 通信事業者間の紛争 2 通信事業者と通信用設備供用者の間の紛争 3 通信用設備供用者の間の紛争 紛争処理方法 裁定 仲裁 ADR 機 関 通信庁 (Ofcom) Office of Communications 所掌事務五つの規制機関 ( 電気通信事業 電波監理 商業ラジオ事業 放送番組内容 ) が統合し 幅広い権限を持つ合議制の新規制機関として2003 年 12 月に設立 コンテンツ規制から周波数管理 電気通信及び放送事業に対する経済的規制を所掌

英国の電気通信に関する紛争処理対象及び機関 20 OTA2(Office of Telecom Adjudicator 2) 所掌事務地域通信網 ( ローカル ループ ) を設備ごとに細分化 ( アンバンドル ) し, 通信事業者各社に開放すること (LLU:local loop unbundle) の促進を目的にOfcomが組織する団体 BTとその他の事業者のLLUに関する協議が合意されるように支援し対話を促進し 対話で解決しなかった場合は仲裁する CISAS(Communications and Internet Services Adjudication Scheme) と Ombudsman Service(ADR 機関 ) 所掌事務主として小規模事業者の紛争や消費者からの申告について処理する * 小規模事業者及び消費者に通信サービスを提供する事業者は ADRスキームに参加するようOfcomが義務づけている 紛争処理対象と処理機関( 例 ) 処理対象 Ofcom OTA2 CISAS 等 BTの市内網の接続 当事者が多数関与 一方当事者が支配的事業者である 当事者に支配的事業者がいない

英国の電気通信に関する紛争処理制度 21 一方当事者による Ofcom への申請 小規模事業者が紛争当事者等 それ以外の場合 BT の市内網の接続が紛争対象 ADR Ofcom OTA2 受理 相手方へ写しを送付 公表 調停 裁定 意見の送付 決定内容に不服の場合 競争控訴裁判所上訴 仲裁

英国の放送事業市場 22 放送のハードとソフトの分離が制度化され ハード事業者であるマルチプレックス事業の免許とソフト事業者であるデジタル番組事業の免許を並存させる制度となっている 現状の市場 地上放送 公共放送の BBC と 広告収入などを財源とする商業放送の併存体制となっている この枠組みに基づき 公共放送 BBC のみならず 非営利法人の運営の Channel 4 や 株式会社である ITV や Five も 公共サービス放送 (Public Service Broadcasting) 事業者として事業運営が行われている 放送 通信インフラ事業は Arqiva が行っており テレビ局とラジオ局は同社の放送網を利用して 放送事業を行っている CATV 放送 資本の統合が進んだ結果 Virgin Media1 社のみがケーブルテレビサービス事業者として存続 再放送 BBC ITV Channel 4 Five S4C デジタル デジタル公衆文字放送サービスを再放送する義務を ケーブルテレビ事業者である Virgin Media と 衛星放送事業者の BSkyB に課している

英国の放送に関する紛争処理対象及び機関 23 紛争処理対象事項 情報通信ネットワーク ( 通信及び放送分野を含む ) のアクセスの紛争を Ofcom が裁定 Arqiva のネットワークの利用 トランスミッション設備の売却を巡る紛争を TA-BTS が仲裁 紛争処理方法 仲裁 機 関 通信庁 (Ofcom:Office of Communications) 所掌事務 (P19のとおり) OTA ー BTS(Office of The Adjudicator Broadcast Transmission Services) 所掌事務放送 通信インフラ事業者のArqivaとの同社のインフラを利用する放送事業者との間の紛争を解決するため 競争委員会 ( 公正取引委員会 ) が主導し組織された団体 *2008 年 3 月 11 日 大手放送インフラ会社のArqivaとNational Grid Wireless(NGW) の合併を 競争委員会が承認した際 競争を阻害しないようArqivaが競争委員会に提出した公約を履行させ Arqivaとその利用者である放送事業者との間の紛争を終結させる役割を担う組織として設立

英国の放送に関する紛争処理制度 24 一方当事者による Ofcom への申請 右記以外 ( 現在はないものと考えられる ) Ofcom Arqiva との紛争 OTA BTS 3 営業日以内 仲裁するか確認 7 営業日以内 Ofcom の裁定 決定内容に不服の場合 競争控訴裁判所上訴 ステートメントの発表 10 営業日以内 回答の通知 20 営業日以内 仲裁 通知

英国の紛争処理実績等 25 紛争処理件数 *OTA2 による紛争解決は件数 概要とも公表されていない また 放送に関する紛争処理は公式には取り扱われた実例はない Ofcomの紛争処理件数 (2009-2013 年において公表されたもの ) 単位 : 件 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年電気通信 7 10 4 3 8 ( 注 ) いずれも決定時の年 紛争処理の例 多くは BT( グループ会社を含む ) に対して新規参入事業者が申請した紛争である 新規事業者が Openreach(BTの市内回線卸売事業部門 ) に対して申し込んだ市内回線の卸売りの提供について遅延があったとして賠償金の請求を申請したが Of comは棄却 新規事業者が BTから通知された卸売りの提供に係る料金変更について 不公平で合理的でないとして撤回を求める申請をし Ofcomはこの申請を認め BTに対して料金変更の撤回を求めた

フランス 26

フランスの電気通信事業市場 27 1998 年 市内 長距離通信サービスを独占していたフランステレコムの民営化及び独占の廃止 ( 市内サービスは 2001 年から実質自由化 ) 現状の市場 固定通信 移動通信とも 大手 4 社が提供しているほか 移動通信における MVNO のほか 1500 者を超える事業者がサービスを提供 事業者名 固定電話サービス (PSTN) 固定電話サービス 移動通信 市内 長距離 ブロードバンド オレンジ ( 旧フランステレコム ) SFR - イリヤッドグループ - (FREE) ブイグ テレコム - -

フランスの電気通信に関する紛争処理対象及び機関 28 紛争処理対象事項 1 相互接続の拒否 相互接続又は通信網へのアクセスに関する協定の締結と履行に関する紛争 2 CATVネットワークの共同利用に関する技術的 財政的条件に関する紛争 3 公有地又は私有地に設置された施設の共同利用の是非又は条件に関する紛争 ( 注 ) 紛争内容が市場支配的事業者による支配権の濫用にかかわる場合 産業界全体の競争環境を調整する競争委員会 (Autorite de la concurrence) に付託される 紛争処理方法 裁定 機 関 電子通信 郵便規制機関 (ARCEP) Electronic Communications and Postal Regulatory Authority 所掌事務 1997 年 1 月 5 日 電気通信分野の独立規制機関として 設立 電気通信分野における主な所掌は以下のとおりである 公衆電子通信網の運用及びサービス提供に関する届出の受理 SMP 事業者規制 料金規制 事業者間紛争処理 通信関連規定に違反した事業者の処罰 ユニバーサル サービス管理等

フランスの電気通信に関する紛争処理制度 29 ARCEP に対して申請 相手方答弁 予審 和解等による取下げ 公聴会 ( 裁定案通知 当事者の意見表明 ) ARCEP 委員による協議 当事者間再協議指示 ARCEP の裁定 裁定内容に不服の場合 パリ控訴院へ上訴

フランスの放送事業市場 30 現状の市場 地上放送におけるハード ソフトの分離が確立しており 地上放送のハード部分 ( 放送電波の送信 ) については 通信の一部と位置付けられている 地上放送全国向け放送は 公共放送のフランス テレビジョンのほか 商業放送としてTF1 Can al+とm6の3 社がサービスを提供 ローカル放送は 地上デジタル放送で43 局 ケーブル等での配信を含めると100を超えるチャンネルが視聴可能 CATV 放送 大手事業者としてはニュメリカブルが唯一の事業者であり 230 チャンネル以上を提供 衛星放送 CanalsatがAstra 衛星を利用して300チャンネル以上を提供しているほか Eutelsat 衛星を利用して放送する事業者もある 再放送 地上デジタルの無料全国放送を行う事業者は 当該のチャンネルの無料での再放送について 他のネットワーク ( 衛星以外 ) から番組提供の要請があった場合 それに反対することはできない

フランスの放送に関する紛争処理対象及び機関 31 紛争処理対象事項 放送番組制作 配信あるいはアクセス システムにかかわる事業者は ラジオ テレビ番組配信に関する他事業者との契約において 料金上のあるいは技術的な条件で係争が生じた場合 * 放送分野における紛争は主に事業者間の地上波以外のプラットフォームにおける番組配信契約内容に関するものである 紛争処理方法 裁定 機 関 視聴覚高等評議会 (CSA:Conseil superieur de l'audiovisuel) 所掌事務放送分野の独立規制機関で 1989 年 1 月 視聴覚通信の自由の保障を目的として設置 具体的な所掌内容は以下のとおりである 放送事業者 ( 衛星放送 ケーブルテレビ IPTV 等を含む ) に対する許可及び番組規制 政府の放送関連法案に対する諮問 番組受信に関する問題への対処 公共放送事業者が制作する選挙キャンペーン番組に関する規則の策定 放送事業者の法令の遵守に関する監督 ( 違反者への処罰を含む ) 未成年等社会的弱者の保護

フランスの放送に関する紛争処理制度 32 CSA に対して申請 相手方への関係書類送付 予審 和解等による取下げ 公聴会 ( 裁定案通知 当事者の意見表明 ) CSA 委員による協議 CSA の裁定 裁定内容に不服の場合 国務院へ上訴

フランスの紛争処理実績等 33 紛争処理件数 (09 年 ~13 年 ) 単位 : 件件数電気通信 10 放送 4 紛争処理の例 電気通信 新規参入事業者がフランステレコムに対して求めた光ファイバ加入者回線の共有に関する料金等の条件の提示に対して フランステレコムが十分な開示を行わなかったことに対し ARCEP が 現実の投資と利用に見合った料金設定を行うよう裁定 放送 コンテンツ事業者が Canal+ の衛星プラットフォームで提供されている自社の放送番組について 再送信とオプションチャンネル ( テーマ別放送 ) の双方で チャンネル番号を地上放送での順番に準拠するよう要求したことに対し CSA は 地上放送の再送信チャンネルは割当られた番号の順番を順守 他方 オプションチャンネルにはその必要なしと裁定

ドイツ 34

ドイツの電気通信事業市場 35 1998 年 市内 長距離通信サービスを独占していたドイツテレコムの独占の廃止 ( ドイツテレコムは 1995 年に政府出資 100% の株式会社となり 1996 年から株式の売却 ) 現状の市場 固定通信 ドイツテレコム以外の事業者による市場への参入が進んでおり およそ 190 の事業者 (2013 年末 ) が自社ネットワーク あるいはドイツ テレコムの市内網を通じて 音声 データ等の固定通信サービスを提供 しかし 依然としてドイツ テレコムは従来の固定回線インフラの 82% を保有 移動通信主要移動体通信事業者は Tモバイル ( ドイツテレコム ) ボーダフォンD2 Eプラス テレフォニカ ドイツの4 社である 現在 各社の市場シェアは順番に 33.6% 29.4% 19.4% 17.6%(2013 年 3 月 ) このほかに 50 社を超える MVNO が参入

ドイツの電気通信に関する紛争処理対象及び機関 36 紛争処理対象事項 電気通信事業者間で 相互接続の条件 ( 料金を含む ) に関する協議が整わない場合 紛争処理方法 調停 裁定 機 関 電気 ガス 電気通信 郵便 鉄道連邦ネットワーク庁 (BNetzA) Bundesnetzagentur für Elektrizität, Gas, Telekommunikation, Post und Eisenbahnen 所掌事務 1998 年 1 月 電気通信分野の自由化の推進等を目的に発足した独立規制機関 電気通信 電気 ガス 郵便 鉄道を含む社会基盤全般を所掌 なお 電気通信分野に関する中心的な所掌事務は以下のとおり 公正で能率的な競争の実現 ユニバーサル サービスの実現 電気通信サービスの促進 技術標準の調整 電話番号の管理等

ドイツの電気通信に関する紛争処理制度 37 BNetzA に対して申請 当事者 利害関係者等からの意見聴取 審議 当事者間において長期間にわたる業務上の関係が存在する場合 又は特別の利害関係に加え共通かつ重要な利害関係が存在する場合 BNetzA の調停 BNetzA の裁定 合意できず 合意 裁定内容に不服の場合 行政裁判所 ( 第一審裁判所 ) へ提訴

ドイツの放送事業市場 38 現状の市場 放送事業については 送信設備 ( ケーブルテレビ設備及び放送衛星 通信衛星 ( 地上放送は除く )) は 電気通信分野に区分され 電気通信分野の法制度が適用される 番組制作 配信事業については 各州の所掌とされ 各州において 公共放送を規定する 州公共放送法 商業放送を規定する 州商業放送法 を制定し 州内の放送事業を監督 地上放送 公共放送 2 者 (ARD は地域公共放送の連合体 ZDF は全州が共同設立 ) が 全国放送と地域放送を提供 そのほか 地域放送は全国に約 250 社あるが CATV 網を利用して提供 CATV 放送 幹線網から地域網までの網を有する大手事業者が 2 社 この大手事業者の網に接続して集合住宅等に信号を小売りする多数の小規模事業者がサービスを提供 再放送 CATV 設備運営者は 公共放送のための伝送容量を確保しなければならないとされている

ドイツの放送に関する紛争処理対象及び機関 39 紛争処理対象事項と処理方法 紛争内容紛争処理機関紛争処理方法 放送の送信システムに関すること連邦ネットワーク庁調停 プラットフォーム事業に関すること 州メディア庁州メディア庁連盟 あっせん 調停 裁定 放送分野における紛争は主に事業者間の地上波以外のプラットフォームにおける番組配信契約内容に関するものである 機 関 ( 州内の紛争 ) 州メディア庁 ( 州間の紛争 ) 州メディア庁連盟放送認可 監督委員会 (ZAK) 所掌事務放送事業は州が所掌し 各州が設置するメディア監督機関 ( 州メディア庁 ) が商業放送の許認可及び放送技術の開発などを支援 そのほか 番組基準や広告基準等の遵守に関する規制監督も行う また 14の州メディア監督機関の連合体として 州メディア監督機関連盟が 規制監督等に関して全国共通の方針を規定 この内部機関として 放送に関する認可 監督する委員会 (ZAK) を設置

ドイツの放送に関する紛争処理制度 40 両当事者での和解に向けた協議が不成立 州メディア庁に対して申請 受理 州メディア庁 ( 又は ZAK) において調停 調停による取下げ 州メディア庁 ( 又は ZAK) における審議 州メディア庁 ( 又は ZAK) の決定 決定内容に不服の場合 行政裁判所 ( 第一審裁判所 ) へ提訴へ上訴

ドイツの紛争処理実績等 41 紛争処理件数 単位 : 件 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年電気通信 50 4 0 11 紛争処理の例 電気通信 通信事業者からのドイツ鉄道の100% 子会社であるDBネッツのインフラ共同利用の申し込みに対し DBネッツに見積もりの提出の命令及びキャパシティの調査を要請できる通信事業者の権利を認める命令 ドイツテレコムが相互接続の方法をコストが増大する方法に変更することを通告した通信事業者からの申請に対し 従来どおりの接続方法を認める決定 放送 CATV 運営事業者が 公共放送局の放送の条件を 民間のニュース専門局に対して適用しなかったことに対し 機会均等 等に配慮した条件をこのニュース専門局に提示するよう要請

42 韓 国

韓国の電気通信事業市場 43 1991 年 市内 長距離通信サービスを独占していた韓国電気通信公社を民営化し 順次独占の廃止 ( 国際サービスは 1991 年 長距離サービスは 1996 年 市内サービスは 1999 年に自由化 ) 現状の市場 固定通信 回線設備を持つ基幹通信事業者が市内 長距離サービスを提供しているほか 基幹通信事業者から回線設備を借りる多数の事業者がサービスを提供 市内電話市場で KT が 80% 以上のシェアを占めている 事業者 / サービス分類 市内電話 市外電話 KT SKブロードバンド LG U+ SK Telink - オンセテレコム - 移動通信 SKテレコム KT 及びLG U+の3 社が全国展開しているほか 再販事業者 MVN O 等が多く存在し多様なサービスを展開

韓国の電気通信に関する紛争処理対象及び機関 44 紛争処理対象事項支配的事業者には接続義務が課されているほか 基幹通信事業者は当事者間協議により設備提供や相互接続を行っている * 市場支配的事業者として 市内電話分野では KT が 移動通信分野では SK テレコムが指定されている 区分通信設備の提供卸売提供相互接続設備の共同利用情報の提供 紛争処理方法 内容 管路 電柱 ケーブル等の設備は当事者間協議により提供 市場支配的事業者は設備提供義務 再販売事業のための卸売提供は当事者間協議により協定締結 市場支配的事業者は卸売提供義務 当事者間協議により提供 市場支配的事業者は接続義務 設備 施設の立ち入りや共同利用は当事者間協議により提供 市場支配的事業者は共同利用許容義務 設備提供や相互接続等のために必要な情報は当事者間協議により提供 市場支配的事業者は情報提供義務 裁定 あっせん 機 関 放送通信委員会 (KCC:Korea Communications Commission) 所掌事務大統領所属の独立した行政機関 地上放送免許付与等の放送規制及び通信 放送分野の利用者保護 個人情報保護 通信 放送事業者の違反調査及び制裁 通信 放送分野の紛争処理機能等

韓国の電気通信に関する紛争処理制度 45 設備の提供 共同利用 卸売提供 相互接続や情報提供等について 90 日以内に当事者間での協定締結協議が調わない場合 協定内容の履行 損害賠償 裁定申請書提出 KCC 当事者間の自主的解決が見込める場合や少額の損害賠償等 裁定 あっせん 当事者の意見陳述機会 あっせん分科委員会で検討 申請から 90 日以内 ( 裁定期間は 1 回に限り 90 日間延長可能 ) 裁定 あっせん 分科委員会設立から 30 日以内 不服 同意 不服 同意 裁判所へ提訴 解決 あっせん中断 解決

韓国の放送事業市場 46 現状の市場 地上テレビ全国ネットワークのチャンネルを持つ地上放送事業者は韓国放送公社 (KBS: 政府出資の特殊法人 ) MBS( 公営放送事業者 ) の2 社 民間放送では SBSが 地方の民間放送事業者とネットワークを結成して実質的な全国放送を提供 地域放送事業者は11 社 衛星放送通信 放送事業者及びメーカーがコンソーシアムを結成して韓国デジタル衛星放送株式会社 ( 現 KT Skylife) を設立し 2002 年 3 月 スカイライフ のサービス名で 国内初のデジタル衛星放送を開始 最大株主はKTである ケーブルテレビ有線放送事業者は92 社 (2014 年 4 月末現在の韓国ケーブルTV 放送協会 (KCTA) に加盟 うち非加盟 1 社を含む ) 再放送 CATVはこれまで地上波再放送に対価を支払っていなかったが 後に参入した衛星放送とIPTVが再放送料金を支払うこととなったため 2009 年から地上放送事業者とケーブル放送事業者間の再放送有料化と料金水準をめぐる紛争が頻発

韓国の放送に関する紛争処理対象及び機関 47 紛争処理対象事項 1 放送番組の供給および受給と関連した紛争調停 2 放送及びIPTVの送出に必要な電気通信設備の利用と関連した紛争調停 3 放送事業区域と関連した紛争調停 4 中継放送権等財産権的利害と関連した紛争調停等 紛争処理方法 調停 機 関 放送通信委員会 (KCC:Korea Communications Commission) KCCの中に判事等経験者の委員から成る 放送紛争調停委員会 を設け処理 放送紛争調停委員会 委員長を含めて5 名以上 7 名以下の委員で構成 委員は KCC 委員長がKCCの同意を得て以下の1つに該当する者から委嘱 1. 判事 検事又は弁護士として5 年以上在職した者 2. 公認会計士として5 年以上在職した者 3. 法律 行政 経営 会計 新聞放送関連学科の大学教授として5 年以上在職した者 4. それ以外に放送に関する知識と経験が豊富な者

韓国の放送に関する紛争処理制度 48 紛争調停申請 紛争調停申請事実を被申請人に通知 事実関係調査 ( 調停に応じない場合 ) あっせん期間 調停手続き中止 合意勧告 ( 受諾 ) 合意成立 ( 受取日から 30 日以内 ) ( 受諾拒否 ) 放送紛争調停委員会に回付 ( 調停回付日から 60 日以内 30 日の延長が可能 ) 調停案提示 ( 受諾拒否 ) 調停不成立 ( 調停案受取日から 10 日以内に受諾 ) 調停成立

韓国の紛争処理実績等 49 紛争処理件数 単位 : 件 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 電気通信 3 3 1 2 放送 5 2 5 2 * 件数は KCC における事業者間紛争の受付件数 紛争処理の例 電気通信 支配的事業者に対する相互接続の協定の履行 ( 裁定 ) 非支配的事業者同士の電気通信設備提供の協定 ( あっせん ) 放送チャンネル提供者 ( ケーブルテレビ 衛星放送 ) とチャンネル使用事業者 (Program Provider) 間の番組供給契約に関する内容が紛争の6 割以上を占め そのほか 地上放送事業者とCATV 事業者の間の地上波再放送の料金に関する紛争がある

オーストラリア 50

オーストラリアの電気通信事業市場 51 1997 年 市内 長距離通信サービスの完全自由化 国有会社テルストラの株式の一部売却 現状の市場 電気通信事業は 通信事業者 と 通信サービス事業者 に分類 通信事業者 はネットワーク設備を所有している事業者で 通信事業者免許 の取得が必要 通信サービス事業者 はISPや再販事業者を含む 搬送サービス事業者 と コンテンツ サービス事業者 に分類され 免許は不要 通信事業者 : 205 社 -2014 年 5 月 8 日 移動通信サービスを含む 固定通信主な固定通信事業者はテルストラ オプタス (Optus) の2 社であり その他の中小規模の事業者が多く存在 移動通信 テルストラ オプタス及び ボーダフォン ハチソン オーストラリア (VHA) の 3 社が設備を有する移動体通信事業を提供 また MVNO が数多く事業を行っている

オーストラリアの電気通信に関する紛争処理対象及び機関 52 紛争処理対象事項 ACCCにより指定されるサービスについて アクセス義務を課されているネットワーク設備所有事業者と通信事業者 ( ネットワーク設備所有事業者の設備を利用して通信サービスを提供する者 ) の間で 接続要件について合意できない場合 [ACCCにより指定されるサービス] 移動体着信アクセス ラインシェアリング ローカル ループ アンバンドリング 国内回線容量サービス PSTN 発着信 市内搬送 卸売回線レンタル 等 紛争処理方法 調停 裁定 機 関 オーストラリア競争 消費者委員会 (ACCC) Australian Competition and Consumer Commission 所掌事務 1995 年に独立行政組織として設立し 競争規則の執行面での責務を負う 電気通信分野の競争に関しては 公正競争の観点からの料金規制 相互接続 番号ポータビリティ 公正なブロードバンド環境整備等にかかわる事業者の規制 監督を所掌

オーストラリアの電気通信に関する紛争処理制度 53 ACCC に対して申請 受理 ACCC 内に個別事案部会の設置 個別事案委員と紛争当事者の合議 裁定委員会による紛争当事者の聴聞 合意 不調の場合 裁定委員会の決定 裁定委員会による調停会議 裁定内容に不服の場合 裁判所へ提訴が可能 合意

オーストラリアの放送事業市場 54 現状の市場 地上放送 公共放送 2 局と商業放送 3 局が全国放送を提供 CATV 放送フォクステル (Foxtel) と オースター (Austar) の2 社が 衛星とケーブルテレビによる有料放送を提供 2011 年 6 月 FoxtelはAustarとの合併案を発表し FoxtelがAusterの株式をすべて買い取ることで合意したと発表 現在は フォクステルによる独占状態にある 再放送義務 地上放送の再放送義務に関する一般的な条項は存在しない ただし オーストラリアの有料放送市場はフォクステルによる独占状態にあるため 同社に対して 他のコンテンツ配信事業者 ( 放送チャンネル ) へのアクセス開放を義務付け なお 地上放送がデジタル放送による難視聴地域を主な対象に 政府による衛星配信プラットフォーム 視聴者アクセス衛星テレビサービス (Viewer Access Satellite Television:VAST) が提供されることになり 地上放送を全国一律で再放送し 地域報道についても公共放送を各州個別のチャンネルで放送できる

オーストラリアの放送に関する紛争処理対象及び機関 55 紛争処理対象事項 衛星 ケーブルの有料放送市場は実質的にフォクステルによる独占市場であり 放送分野の事業者間紛争処理に関しては 一般的な枠組みではなく フォクステルに対し フォクステル特別接続約款 (special access undertaking: SAU) を適用し 同社の放送配信プラットフォームを他のコンテンツ配信事業者に同条件で開放する制度を構築することで対処 フォクステルとコンテンツ配信事業者間での協議が整わない場合に 調停を実施 紛争処理方法 調停 機 関 オーストラリア競争 消費者委員会 (ACCC) Australian Competition and Consumer Commission 調停事務は 非営利団体である紛争処理機関 オーストラリア商業紛争センター (Australian Commercial Disputes Centre: ACDC) に委託され 実施

オーストラリアの放送に関する紛争処理制度 56 ACDC に対して独立調停者の指名を要請 独立調停者は 有料放送や電気通信産業に関する有識者 競争法及び政策に関する有識者 及び 電気通信事業者あるいは利害関係企業に勤務していない者 から選出される ACDC 調停ガイドラインに従って独立調整者による調停 調停内容に不服の場合 裁判所へ提訴が可能 合意

オーストラリアの紛争処理実績等 57 紛争処理件数 * 放送に関する紛争処理は件数 概要とも公表されていない 電気通信分野の紛争処理件数 (2009-2012 年において公表されたもの ) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年電気通信 0 8 0 1 ( 注 ) いずれも決定時の年 紛争処理の例 単位 : 件 いずれもテルストラ ( 旧国営電気通信事業者 市内 長距離 国際 移動通信等を提供する国内最大の通信事業者 ) に関する紛争である テレストラと同社の市内電話網を利用する再販サービス事業者との間の料金について具体的な額を決定 テルストラと同社の未使用の電話加入線を利用するインターネット事業者との間の利用条件について 従来のインターフェイスを維持することの義務づけ