4 合併を選択した理由 合併を選択した理由は 直面する財政危機への対応よりも 将来に向けた行政体制の充実 強化や行政サービスの維持 向上 合併を選択した理由 地方分権時代にふさわしい基礎自治体としての行政体制の充実 強化を図るため 20 市町村 効率的 効果的な行財政運営により 行政サービスを維持

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

H28秋_24地方税財源

P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

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第4次日田市行政改革に向けての方針

目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

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Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

PowerPoint プレゼンテーション

目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

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全自病協第 582 号 平成 27 年 2 月 13 日 地方会議担当支部長様 公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見公雄 平成 27 年度地方会議における共通議題について 日頃から支部活動にご尽力をいただき感謝申し上げます さて 平成 27 年度地方会議における共通議題について 常務理事会で

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1 地域主権改革 Q1-6 市町村の人口規模はどのぐらいが適正かについて どういう議論があるのですか A1-6. 市町村の適正な人口規模について 大阪府自治制度研究会 においては 次のような検証 とりまとめがされています 検証 効率的な行政運営 備えるべき組織体制 望ましい行政サービス提供の 3 つ

県と市町村の役割分担の基準


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イ類似団体の状況 法定上限数 抜粋 30 人 ( 人口 8~ 10 万人 ) 34 人 ( 人口 10~ 14 万人 ) 定数が定数を減員の状況法定市数法定上限人2人3人4人5人6人7人8人9人上限数数より減員1と同じ (14.8%) 9 (23.1%) 10 人11 人以上 23

スライド 1

資料1 第1回会議のポイントについて

下呂市は今後 市税の減収や地方交付税特例措置 の終了を見据え 大幅に支出をカットし 身の 丈に合った市政運営をしていかなければ なりません 広報紙 11月号参照 今月は支出をどう見直していく のか 予算規模縮減に向け たお話です 3 と 年度 は 前 下呂市の財政の弾力性を示す経 進む財政の硬直化

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

長期総合計画の計画的推進について < 部経営上の課題 取組方針 > H19 年度の各部の経営上の課題 取組方針の協議 < 行政改革 > 財政 人事など経営資源の現状分析 把握 課題についての対処方法の検討 行政改革実施計画の見直し <サマーレビュー > 懸案施策 事業の協議 < 実施計画 > 今後

01 【北海道】

浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

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1 課題出し 瀬戸内市まちづくり会議財政健全化部会経営改善計画策定作業の概要 事務局による課題出し ( 市長 担当の意見も反映 ) 部会委員から出された課題にも対応 課題に対する問題点の整理 わかりやすい記入用シートの作成 2 委員による改革案の作成 事務局提案の課題について 部会委員による改革案の

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(2) 第 3 段階ハローワーク徳島 ( 徳島市出来島本町 1 丁目 5 番地 ) 所管区域は 徳島市 名東郡 名西郡 4 具体的な業務内容 (1) 第 1 段階 駅のハローワーク で 国が直接実施しているサービスを 県の権限で実施する 具体的には 職業相談 職業紹介等の業務を 県の職員が執行できる

総括的事項について 推進プラン全体に関するもの (2 件 ) 1 行政改革の推進プランであるにもかかわらず コスト削減に関する推進項目やプログラムが少ないのではないか 本市では 過去数次にわたる行政改革のプラン実施において 取り組む必要があると考えられる取組については 可能な限り取り組んできたところ

1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

「平成の大合併」に伴う市町村行財政の変化と

2007財政健全化判断比率を公表いたします

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三沢市行政経営推進プラン

活動状況調査

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

市町村合併に関する法律・指針等

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,

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Microsoft Word - 合併要覧060605戻り最終.DOC

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

4-(1)-ウ①

0-1表紙

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用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

2 決算収支 実質収支は 59 億 63 百万円の黒字で 11 年連続で全団体黒字となった 単収支は 9 億 92 百万円の黒字となった また 赤字団体は35 団体中 15 団体となり 前と比べて8 団体減少した 実質単収支は 189 億 82 百万円の赤字となり 前と比べて41 億 47 百万円赤

平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

瑞穂市行政改革大綱

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

GPRIME 財務 公共施設マネジメントへの取り組み ~ 施設評価のシステム化構想について ~ 平成 25 年 11 月 日 日本電気株式会社

包括規定 案

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資料 1

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概算要求基準等の推移

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別添 2 地域医療再生計画作成指針 第 1 地域医療再生計画作成の趣旨 国としては 円高 デフレ対応のための緊急経済対策 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 ) において 都道府県に設置されている地域医療再生基金を拡充し 高度 専門医療や救命救急センターなど都道府県 ( 三次医療圏 ) の

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

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国民健康保険税率等の諮問 について 国立市健康福祉部健康増進課国民健康保険係 国立市富士見台 : ( 代表 ) 内線

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

Ⅳ 地方交付税

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

平成18年度標準調査票

道州制基本法案(骨子)


三浦市長 吉 田 英男 新年明けまして おめでとうございます 市民の皆様には 気持ちも新たに 素晴らしい新年をお 迎えになられたこととお喜び申し上げます 昨年は 消えた年金問題 薬害肝炎犠牲者への対応 安倍首相の突然の辞任 ねじれ国会 による審議の停滞など 国政においては 国民に目を向けているとは思

持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)

1. 行政運営の改革 町の現況と課題 厳しい財政事情や町民ニーズの複雑 多様化が進むなか 限られた行政経営資源 ( 人材 財源 情報 ) のもとで 町民が満足できるサービスを効率的 効果的に提供していくことが求められています 本町では 第 5 次松伏町行政改革大綱 に基づき協働によるまちづくりや 暮

⑴ 練馬区の予算規模はどのくらいですか? どんなことに予算が多く使われているのですか? 平成 27 年度の予算規模は約 2,500 億円で 児童 高齢者 障害者 生活困窮者などを支援するための経費の割合が増えています 平成 27 年度における予算額は約 2,500 億円で前年度より約 55 億円増加

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

Microsoft PowerPoint - □ks_J_J_日本の地方自治について2014_final.pptx

Transcription:

北海道の合併市町村 の概要 1 趣旨等 道内の合併市町村は 現在 新しいまちづくりに向け取り組んでおり その効果が現れるまでには 一定の期間が必要 しかしながら 比較的短期間で発現する効果もある 比較的短期間で発現する効果や現時点で発現している課題を 合併市町村や合併に取り組む市町村の参考に資することを目的として取りまとめ 調査は 短期的な視点からの整理を中心 個別市町村の調査は 旧合併特例法下で合併した 21 市町村を対象 2 調査の方法 合併市町村へのアンケート調査 ヒアリング調査 合併市町村職員へのアンケート調査等 3 道内市町村の合併状況 (1) 合併後の市町村数 212 市町村 ( 平成 11 年 3 月末 ) 179 市町村 ( 平成 22 年 3 月末 ) 市 34 35 町 154 129 村 24 15 (2) 人口規模 道内市町村の 65.4% が人口 1 万人未満 全国の人口 1 万人未満市町村の 1/4 以上が道内市町村 人口 1 万人未満市町村数 北海道 117 市町村 (H21.12.31 現在 ) 全国 458 市町村 (H22.3.5 総務省告示ベース ) (3) 平均人口 道内市町村の平均人口は全国市町村の平均人口の 1/2 以下 市町村の平均人口 ( 人口 :H17 国勢調査 ) 道内市町村の平均人口 31,439 人 全国市町村の平均人口 69,026 人 (4) 平均面積 道内市町村の平均面積は全国市町村の平均面積の約 2 倍 平成 11 年 3 月末時点では全国最大 平成 22 年 3 月末には秋田県 岩手県に次ぐ 3 番目 市町村の平均面積 ( 面積 :H21.4.1 現在 ) 道内市町村の平均面積 438km2 全国市町村の平均面積 215km2-1 -

4 合併を選択した理由 合併を選択した理由は 直面する財政危機への対応よりも 将来に向けた行政体制の充実 強化や行政サービスの維持 向上 合併を選択した理由 地方分権時代にふさわしい基礎自治体としての行政体制の充実 強化を図るため 20 市町村 効率的 効果的な行財政運営により 行政サービスを維持 向上するため 19 市町村 将来に向けた財政基盤を確立するため 19 市町村 直面する財政危機に対応するため 3 市町村 その他 1 市町村 5 合併の効果 (1) 行政体制 組織の専門化 充実 専任 専門職員の配置による住民サービスの向上 様々な施策を展開する体制の充実 強化 民生部門や商工部門の職員の重点的な配置による 住民サービス充実の取組の実施 合併後 充実 専門化された組織 総務企画財政部門 地域振興や情報政策 行財政改革 税の収納部門など産業振興部門 観光や水産部門など保健福祉部門 子育て支援部門など教育文化部門 社会教育施設課など (2) 市町村の広域化 一部旧市町村において実施されていた行政サービスが全区域へ拡大 旧市町村の区域を越えた公共施設の広域的利用など 日常生活圏の拡がりに応じたまちづくりや住民サービスを提供 蔵書の一元管理 データベース化により広域での貸出が可能となった図書館など 公共施設のネットワーク化の取組を実施 旧市町村が持つ観光資源を連携 連動させた広域的な観光ルートの構築など 地域資源を活かした新たな広域的な地域活性化への取組を実施 具体的な取組事例 旧市町村が持つ観光資源を連携 連動させ, 広域的な観光ルートを確立 旧市町村が持つそれぞれの産業や特産品を連携させ 新たな特産品の開発や産業連携 コミュニティバス等の運行 自然体験学習などにおける学校間交流の取組 図書室蔵書のデータベース化によるインターネット検索システムを導入 情報通信基盤の整備により 市民生活の利便性の向上や情報格差の是正など - 2 -

(3) 住民参加 地域コミュニティ 地域審議会 地域自治区及び合併特例区など地域自治組織の制度を活用し 地域住民の利便性の確保や行政へ地域の意見の反映などの対策を実施 地域のアイデンティティの保持 振興のため 地域単位のイベント 祭の実施 支援 地域の伝統 文化の保存 継承 住民組織等への支援など地域コミュニティの維持振興への取組による 住民参加のまちづくりの気運の高まり 地域コミュニティ活動の活発化 住民の側においても 合併を契機に住民参画の意識が高まり 住民の主体的な地域活動が活発化 (4) 行財政運営の効率化と基盤強化 特別職などの減による人件費の減少 組織 機構の見直し 統廃合や適切な職員配置による職員総数の削減などの取組により 合併前後の人口当たりの職員数や人件費 歳出総額の減少など行財政の効率化が促進 市町村合併推進体制整備費補助金や合併特例債等の財政支援措置の有効活用により 合併後の新たなまちづくりへの取組 特に 合併前は財源見込みが立たず懸案となっていた事業が実施可能となった事例もある 歳入の中枢をなす普通交付税は 三位一体改革の影響により大きく減少し 合併後も厳しい財政運営を強いられているが その後の推移は 未合併市町村に比べ影響は少なく 合併算定替えなどによる一定の効果が伺われる 小規模市町村 ( 人口 1 万人未満 ) は より人口規模の大きい市町村と合併するほど スケールメリットが働き 行財政の効率化 基盤強化が図られている 行財政の効率化や財政基盤強化の内容 特別職 議員の定数 人件費の削減 首長などの特別職や議会議員など 463 人 人件費 約 24 億円 職員数 職員給の削減等 職員数 1,196 人 人件費 約 113 億円 人口千人当たり職員数 10.3 人 9.4 人 0.9 人 人口 1 人当たりの人件費 97.3 千円 87.3 千円 10.0 千円 人口 1 人当たり歳出総額 545 千円 504 千円 41 千円 その他の効率化 組織の統合により効率化や 事務事業の見直しなどによる行政経費の削減 財政優遇措置により実施可能となった事業 平成 20 年度までに合併特例債 53,359.8 百万円 合併補助金 4,374 百万円の活用 普通交付税 平成 15 年度を100とした場合 平成 16 年度の三位一体改革による交付税の削減以降 合 併市町村が未合併市町村を上回って推移 合併算定替えや合併補正などによる一定の効果 職員数 人件費 歳出総額 財政力指数 人口 1 万人未満であった小規模市町村が より人口規模が大きい市町村と合併するほどスケ ールメリットが働き 人口千人当たり職員数 人口 1 人当たり人件費 人口 1 人当たり歳 出総額 財政力指数 が改善 集中改革プラン 職員削減目標 合併市町村 12.3% 未合併市町村 9.4% ( 全国 8.5%) - 3 -

(5) 職員や職場の変化 組織が大きくなったことにより互いに緊張感を持ちながら切磋琢磨したり 業務の執行体制が充実 強化されたことにより 専門性がより高まり 専念して業務を遂行できるようになったなど モチベーションが向上 長期固定的な配置から定期的な人事異動が行われたり より質の高い研修や専門研修の受講の機会が拡大されるなど 適切な人事管理が可能となった (6) 住民サービス 少子高齢化に対応する保健 福祉分野での住民サービスの拡充 ( 国保税 ( 料 ) や介護保険料などの引き下げや乳幼児医療への助成などの取り組み事例 ) 合併前は財政力が弱く取り掛かれなかった事業に着手できたり 病院の再建 歯科診療所の継続など 旧市町村がそのまま単独でいた場合には廃止 縮小が避けられなかったと思われる住民サービスが 合併により維持されているという意見もある 6 合併市町村の課題と対応策 (1) 行政体制 本道の特徴である面積の広大さにより 本庁と支所間の距離や支所における決裁権の関係から 事務手続きや意志決定の遅延が課題 支所職員の減員による 防災体制や地域住民の利便性の低下に対する懸念 対応策 IT 環境の整備などによる 情報の共有や事務処理の迅速化 組織 機構の見直し 本庁 支庁の連携 連絡調整方法の改善など (2) 市町村の区域の拡大 市町村の区域が広がったことにより なかなか住民の一体感の醸成が図られない 住民の声が届きにくくなるといった課題 対応策 住民や職員の一体感の醸成については 人事交流も含め 更なる地域間の交流を実施 住民の声が届きにくくなるという声に対しては 意見箱を設置 首長の支所勤務日を設定など 一部の地域への施設整備 事業実施やイベントの偏りへの不安に対しては 住民への理解を求めるための説明機会の増加など (3) 行財政の効率化 思ったほど改善されない財政状況 本庁 支所間において 意志決定や事務手続きなどに時間を要するなど 事務の効率化が図られない 重複する公共施設について 地域の事情から施設の統廃合が困難 合併市町村は 集中改革プランなどに基づき 更なる行財政改革に努め 効率的 効果 的な行財政運営を目指している - 4 -

(4) 職員や職場の変化 新たな組織体制に伴う 環境の変化に対応できない職員やメンタル面での長期療養者の発生 新たに生じた本庁と支所という関係から発生する 本庁 支所間の人事異動や業務上の連携に関する課題 合併後の職員数の適正化に係る課題など 市町村の行政運営の水準は それを担う職員の資質やモチベーションにより大きく影響を受けることから これらの課題への適切な対応が必要 (5) 住民サービス 厳しい地方財政状況を踏まえ 合併を契機に住民サービスの取捨選択や水準の見直しが行われ 廃止となった住民サービスがある 特に 小規模市町村において実施されていた出産祝金や乳幼児医療の独自拡大分などは 対象者が急増することから廃止される事例がある 公共料金が 合併協議による調整の結果 一部の市町村について引き上げとなる場合や逆に引き下げとなる場合があり 住民にとっては行政サービスの低下あるいは向上と受け止められる場合がある 見直しは 住民負担の適正化や財政健全化などの観点から行われたものであり 合併を要因とするものではないという意見もある 一部の公共料金について 急激な変化を避けるため 合併後の一定期間は旧市町村の料金水準等を維持し その後に見直しを行うこととしている事例もある 住民負担水準の適正化等は 各地域の実情も十分に勘案し 住民との十分な議論を行い 統一に向けた努力をしていくことが必要 7 新しいまちづくりの推進 合併の効果でも触れているが 合併市町村においては 旧市町村の持つ様々な地域資源を活用した取組 住民の一体感の醸成や住民サービスの向上のための取組など 新しいまちづくりに向けた取組を推進しており その取組は 観光 産業 交通 教育など多岐の分野にわたる 観光資源を連携 連動させた広域的な観光ルートの確立に向けた取組 産業 特産品を連携させた新たな特産品の開発や産業連携などの取組 コミュニティバスの運行や自然体験学習を通じた学校間交流の取組 各地域の図書館蔵書のデータベース化によるインターネット検索の導入 情報通信基盤の整備による情報格差の是正に向けた取組など 8 より一層の合併効果の発現に向けて 合併市町村においては 今後 さらに 住民の一体感の醸成に向けた取組や行財政基盤の充実 強化に向けた取組 現在の抱えている課題への適切な対応などを図ることにより より一層の合併の効果が現れてくることが期待される 道としても 合併市町村の課題解決に向けた取組を着実に支援していく 併せて 今後とも 地域の将来を見据え 自主的な市町村合併に取り組もうとする地域に対して必要な支援を行う - 5 -