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目次 1. 概要...3 2. Seeed Fusion プリント基板仕様... 4 2.1 製造に必要なファイル... 4 2.2 プリント基板ガーバーファイル...4 2.3 プリント基板仕様 (FR4-TG130)...5 3. プリント基板の積層構造...8 3.1 レイヤ構造... 8 4. プリント基板サイズの仕様...9 4.1 プリント基板の仕上がりサイズ... 9 5. 表面処理...11 5.1 はんだレベラ (HASL)... 11 5.1.1 処理...11 5.1.2 用途...11 5.2 無電解ニッケル / 置換金メッキ (ENIG)...11 5.2.1 処理...11 5.2.2 用途...11 5.3 プリフラックス (Organic Solderability Preservatives / OSP)... 11 6. PCBA 組み立て...12 7. 銅箔パターン設計...13 7.1 推奨するパターン幅 間隔 配線...13 7.2 はんだパッドとパターンの接続...14 7.3 銅箔ベタの設計条件... 16 8. ソルダマスクの設計...17 8.1 銅箔パターンに対するソルダマスクの設計...17 8.2 ホールに対するソルダマスクの設計...17 8.2.1 ビアのホール...17 8.3 位置調整ホール... 17 8.3.1 位置決めホール...18 8.3.2 埋め込みビアとプラグ型ビア... 18 8.4 はんだパッドのソルダマスク設計...19 8.5 ゴールドフィンガーのソルダマスク設計...20 9. シルクスクリーンの設計...22 9.1 シルクスクリーン設計における検討項目...22 9.2 シルクスクリーンの内容... 22 10. ホールの設計...24 1

10.1 メッキドリルホールと非メッキドリルホール...24 10.1.1 一般的なホール間隔...24 10.1.2 ビアのホールのレイアウト禁止領域...24 10.2 メカニカルホールの設計... 25 10.2.1 ホールの種類... 25 10.2.2 スペース条件... 25 11. 基準マークの設計...26 11.1 分類... 26 11.2 基準マークの構成... 26 11.2.1 パネル基準マークと画像基準マーク...26 11.2.2 ローカル基準... 26 11.3 基準マークの位置... 27 11.3.1 パネル基準マーク...27 11.3.2 画像基準マーク... 27 11.3.3 ローカル基準マーク...28 12. パネライズとブリッジの設計...29 12.1 V カット加工... 29 12.2 ミシン目ホールの設計... 30 12.3 パネライズ... 30 12.4 変則的な形状のプリント基板のパネライズ...33 13. 部品配置の検討...35 13.1 一般的な部品配置の条件... 35 13.2 リフローはんだ付け... 36 13.2.1 SMD 部品の一般的な条件...36 13.2.2 SMD 部品配置条件... 36 13.2.3 リフローはんだ付けを行う場合のスルーホール部品のレイアウト条件... 39 13.3 ウェーブはんだ付け... 39 13.3.1 ウェープはんだ付けを行う場合の SMD 部品のレイアウト条件... 39 13.3.2 スルーホール部品の共通レイアウト条件...42 13.3.3 ウェーブはんだ付けスルーホール部品の一般的な条件... 42 2

1. 概要 "Seeed"は メーカーズの発想を独創的な製品に育て 高品質な数々のテクノロジーを確実に提供する 革新的 なハード ウエアプラ ットフォ ームです "Seeed Fusion Service"では PCB(Printed Circuit Board)サービス PCBA(プリント基板部品実装)サービスや その他エレクトロニクスやメカニカルなカ スタムサービス(CNC 加工 3D プリンティング プリント基板設計サービス)などの ワンストップ プ ロトタイピングサービスを提供しています Seeed はエレクトロニクス産業界において すでに 9 年以上活動しており 非常に多くの製造実績を積 んでいます 設計と実際の製造のギャップを埋めるため また弊社の理念である 独創性を育てる こ とを実現するために 9 年間の製造経験をこのマニュアルにまとめました なお 誤字脱字や曖昧な表現を見つけられましたら 是非ご連絡ください さまざまなコミュニティ にとって価値あるものにするためにも このマニュアルを更新していきますので アドバイスや提案な どございましたら fusion.jp@seeed.cc までご連絡ください また 最新のプロトタイプサービスの内 容や仕様については 弊社のウェブサイト www.seeedstudio.com (英語) fusionpcb.jp(日本語)にアク セスをお願いいたします このマニュアルには 形状 階層構造 設計基準 部品配置 配線パターン ドリルホール ソルダ マスク 表面処理 シルクスクリーンなど DFM に基づく PCB 設計パラメータの仕様を記載しています 3

2. Seeed Fusion プリント基板仕様 2.1 製造に必要なファイル [1] PCB(プリント基板)のみのサービス: 銅箔回路レイヤ ソルダマスクレイヤ(それぞれのレイヤ用) シルクスクリーンレイヤ(オプシ ョン) メカニカルレイヤ(1 設計あたり 1 ファイル) ドリルファイル(1 設計あたり 1 ファイル) [2] PCBA (プリント基板と組み立て) サービス: PCB サービスのファイルと 部品リスト(BOM) [3] ステンシルサービス: ソルダマスク/ソルダペーストレイヤ 1 枚のステンシルの有効領域内が十分な面積がある場合 おもて面と裏面のマスク/ペーストレイヤは 1 枚のステンシルに作成されます 2.2 プリント基板ガーバーファイル ガーバーフォーマット は オープンな 2D バイナリベクタイメージのファイルフォーマットです こ のフォーマットは プリント基板(PCB)産業で標準的に使用されているソフトウエアで プリント基板の 銅箔レイヤ ソルダマスク 凡例などのデータを記述するものです カーバーファイルは.rar や.zip な どの標準的な圧縮フォーマットで一つのファイルにまとめてください 拡張子 レイヤ pcbname.gtl 表面銅箔 pcbname.gts 表面ソルダマスク pcbname.gto 表面シルク印刷 pcbname.gbl 裏面銅箔 pcbname.gbs 裏面ソルダマスク pcbname.gbo 裏面シルク印刷 pcbname.txt ドリル pcbname.gml/gko 基板外形 pcbname.gl2 内部レイヤ 2 (4 層以上の場合) pcbname.gl3 内部レイヤ 3 (4 層以上の場合) 注意: 1. ガーバーファイルは RS-274X フォーマットにしてください 2. ドリルファイル(pcbnme.TXT)は Excellon フォーマットにしてください 3. ガーバーファイルとドリルファイル(pcbname.TXT)は 一つの圧縮ファイルにまとめてください 4. ボード(プリント基板)の外形データは必ず含めてください 4

2.3 プリント基板仕様 (FR4-TG130) 単位 : mm 項目内容仕様 基板サイズ レイヤ数 注文可能枚数 最小サイズ最大サイズ最小枚数最大枚数 10mm*10mm メモ : このサイズ以下の基板を製作したい場合 切り分けるための溝を入れ 大きいサイズの基板として設計すれば製作できます ( パネライズ ) 500*500mm 1-16 層 5 枚 8000 枚 誘電率 4.2-4.7 誘電体分離厚 0.075-5.0 基板厚 1-2 層 4 層 6-8 層 0.6 / 0.8 / 1.0 / 1.2 / 1.6 / 2.0 / 2.5 / 3.0 0.8 / 1.0 / 1.2 / 1.6 / 2.0 / 2.5 / 3.0 1.0 / 1.2 / 1.6 / 2.0 / 2.5 / 3.0 10 層 1.2 / 1.6 / 2 / 2.5 / 3.0 12 層 1.6 / 2.0 / 2.5 / 3.0 14 層 2.0 / 2.5 / 3.0 16 層 2.5 / 3.0 銅箔厚 1oz. 2oz. 3oz. 基板厚許容誤差 ± 10% 最小パターン幅 間隔 銅箔厚 1oz のとき 4 /4mil, 5/5mil, 6/6mil 銅箔厚 2oz のとき 10/10mil 銅箔厚 3oz のとき 15/15mil 5

内部レイヤの最小パターン幅 間隔 (4 層の場合 ) 6mil パターンとベタ領域の最小間隔 銅箔厚 1oz の場合銅箔厚 2oz の場合銅箔厚 3oz の場合 8mil 12mil 15mil ビア同士の最小間隔 12mil PTH( メッキスルーホール ) とパターンの最小間隔 12mil アニュラ リング ( ドリルホールの周囲のパターン幅 ) 0.15mm [6mil] 表面レイヤの銅箔厚 0.035-0.07mm (1oz - 2oz の場合 ) 内部レイヤの銅箔厚 0.017 (0.5oz の場合 ) ドリルホール径 ソルダマスクダムの幅 0.2-6.5mm 標準 : 0.32mm ( 緑色 ) 0.35mm ( その他の色 ) 制限 ( 追加料金が必要 ): 0.10mm ( 緑色 ) 0.13mm ( その他の色 ) 端面スルーホール径最小 0.6mm 6

BGA サイズ 6mil の場合 0.45mm 5mil の場合 0.35mm 4mil の場合 0.25mm プリント基板端と回路の間隔 0.3mm 内部レイヤ配線パターンとノンスルーホール間の距離 0.2mm [8mil] シルク印刷の最小高さと線幅 高さ : 線幅 : 0.5842mm /23mil 0.1016mm / 4mil シルク印刷の完全アスペクト比 シルク印刷色 ソルダマスクが緑 赤 黄 青 黒の場合 ソルダマスクが白の場合 1:5 白 黒 パッドとシルク印刷間距離 0.15mm [6mil] 切削溝の最小幅 0.8mm 溝幅許容誤差 V カット加工時の基板サイズ 最小 最大 切り離し基板の最小 ± 0.15mm 70 * 55mm 380 * 380mm 8 * 8mm PCB 製造日数基板設計条件により変動 3 14 営業日 7

3. プリント基板の積層構造 3.1 レイヤ構造 [4] プリント基板の積層は 一般的に 2 種類のタイプがあります 銅箔構造とコア基板構造で す コア基板のタイプは 特殊な多層基板や混在基板に使用されます 銅箔 プリプレグ コア プリプレグ 銅箔 コアの構造 箔構造 図 1: プリント基板積層タイプ [5] 一般的に 外部レイヤには 0.5oz の銅箔が使用され 内部レイヤには 1oz の銅箔が使用 されます 内部レイヤ同士の非対称の厚さのコア基板の使用は避けます [6] プリプレグレイヤ厚(補強材レイヤ厚) 使用するレジンのタイプ 銅箔の厚さ レイヤ割 当てタイプ(銅箔レイヤ 回路レイヤ)を含めて対称になるように考慮した設計を行います レイア ウトは対称軸を中心に できる限り対称になるようにします Hoz 10mil 1oz 12mil 1oz 1oz 12mil 1oz 10mil Hoz 図 2: 対称な基板レイヤ設計 8 対称軸

4. プリント基板サイズの仕様 4.1 プリント基板の仕上がりサイズ [7] 最大基板サイズは 500x500mm です 最小基板サイズは 10x10mm です [8] 最大基板厚は 3mm です 最小基板厚は 0.6mm(1 層または 2 層基板のみ)です X D Y Z 搬送方向 R 図 3: プリント基板サイズ [9] プリント基板の幅と厚さの比の推奨値は Y / Z 150 です [10] プリント基板の長さと幅の比の推奨値は X / Y 2 です [11] 基板厚が 0.8mm 以下の場合 基板の湾曲を防ぐために銅箔は均一にする必要があります 小さい基板が多い場合は 固定装置を使用することが推奨されます [12] 基板の主要となる辺が余白領域の条件を満たさない場合 搬送方向に 5mm 以上のマージン 幅を追加することが推奨されます マージン 5mm プリント基板の搬送方向 図 4: プリント基板の最小マージンサイズ [13] 部品本体はプリント基板からはみ出すことはできません 以下の条件を満たす必要があり ます はんだパッド端(あるいは部品本体)から基板の主要となる辺までの最小距離は 3mm です リフローはんだ付け以外では 部品がプリント基板からはみ出す場合 マージン幅は以 下のようになります 9

基板からはみ出す部品 3mm プリント基板の搬送方向 図 5: はみ出し部品のマージン条件 リフローはんだ付け以外では 部品がプリント基板からはみ出す場合 図 6 に示すよう に 0.5mm の空き領域を確保してマージンに収める必要があります 3mm 隙間はマージン部分の部品より 0.5mm 広くする プリント基板の搬送方向 図 6: はみ出し部品の隙間の条件 10

5. 表面処理 5.1 5.1.1 はんだレベラ (HASL) 処理 [14] プリント基板を溶融した銀スズ合金で多い 余分についた部分は熱風で取り除きます 銅箔上の合金コーティング厚は 1μm から 25μm です 5.1.2 用途 [15] HASL の場合 コーティング厚を調整することは難しく 銅箔パッドの形状を正確に維持 することも難しくなります ファインピッチ部品では平坦なパッドが必要なため このような部品 が必要なプリント基板には推奨されません さらに HASL 処理の熱の影響により プリント基板が 湾曲する可能性もあります 従って 基板厚が 0.7mm 未満の非常に薄いプリント基板ではこの表面 処理は推奨されません 5.2 無電解ニッケル/置換金メッキ(ENIG) 5.2.1 処理 [16] 無電解ニッケル/置換金メッキ(ENIG)は 銅箔パッドの酸化を防ぐために ニッケルでメ ッキ後 金で置換メッキする処理です ENIG で処理をしたプリント基板の銅箔表面は ニッケルの コーティング厚が 2.5μm から 5.0μm 置換金メッキ層厚は 0.08μm から 0.23μm です 5.2.2 適用 [17] フラットな表面になるため この処理はファインピッチ部品を使用するプリント基板に適 しています 5.3 プリフラックス(Organic Solderability Preservatives / OSP) [18] この処理は 露出した銅箔パッドをオーガニック材料で薄くコーティングするものです 現在 推奨されているオーガニック材料は Enthone Entek Plus Cu-106A で 0.2 µm-0.5µm の厚 さになります 非常にフラットなコーティングのため ファインピッチ部品を使用するプリント基 板では非常に人気があります 11

6. PCBA組み立て [19] プリント基板は 表面実装部品(SMT)のみ スルーホール部品のみ あるいは混在させ 基板の片面 あるいは両面に実装することが可能です 片面SMT実装 片面混在実装 両面SMT実装 両面混在ウェーブはんだ 図 7: PCB 組み立てタイプ 12

7. 銅箔パターン設計 7.1 推奨するパターン幅 間隔 配線 [20] 銅箔パターンの幅と間隔は銅箔厚とパターンを形成するレイヤによって変わります 銅箔 厚ごとの外部レイヤ 内部レイヤの推奨されるパターン幅と間隔を表 1 に示します 表 1: 幅と間隔の最小値 銅箔厚 (oz) 外部レイヤのパターン幅と間隔 (mil) 内部レイヤのパターン幅と間隔(mil) 1 4 6 2 6 6 3 8 6 [21] 外部レイヤでは パターンと銅箔パッドの間隔は図 8 に示す条件を満たす必要があります 2mil 2mil 図 8: 推奨されるパターンとパッドの間隔 [22] 外部レイヤのパターン 内部レイヤの電源/グラウンドベタ グラウンドバスのパターン の基板端までの距離は 20mil 以上必要です [23] 外装が金属の部品(ヒートシンクなど)の場所にはパターンを作成することは避けてくださ い 外装が金属の部品の外周は 1.5mm のスペースを空ける必要があります 1.5mm 1.5mm 図 9: 金属外装部品の周囲のスペース [24] パターンと非メッキスルーホール間の距離を表 2 に示します 13

表 2: パターンと非メッキスルーホール端までの距離 ホールサイズ NPTH < 80mil (NPTH: 非メッキスルーホール) 80mil < NPTH < 120mil NPTH > 120mil 7.2 パターンからホール円周までの距離 部品取付けホール NPTH < 80mil (NPTH: 非メッキスルーホール) それ以外 8mil 部品取付けホール 80mil < NPTH < 120mil それ以外 12mil 部品取付けホール NPTH > 120mil それ以外 16mil はんだパッドとパターンの接続 [25] はんだパッドに接続するパターンは対称にする必要があります 対称パターン 非対称パターン 図 10: 対称 非対称パターン [26] パターンは はんだパッド辺の中心から引く必要があります パターンを貫通させること は避けてください パターンがパッド と交差している 図 11: パターンのパッド引き始め位置 14

図 12: パターンとパッドのずれ [27] パターン幅がパッドより大きい場合 パターンをパッドに重ねて接続することは避けてく ださい 図 13 に示すように パッドとの接続部分でパターン幅を狭くする必要があります ファ インピッチ部品の隣り合うピンを接続する場合 それらのパッドを最短距離で直接接続することは 避けてください その場合は 図 14 に示すようにパッド列の外側を迂回するようにパターンを作 成してください 図 13:パターン幅がパッドより広い場合の接続 15

図 14: ファインピッチ部品の隣り合うパッドの接続 [28] パターンとホールの確実な接続のために 以下の設計が推奨されます 溝埋め型 コーナー接続型 鍵穴型 図 15: パターンとホールの接続 7.3 銅箔ベタの設計条件 [29] 同じレイヤの配線パターンの分布が一様でない場合 または異なるレイヤの銅箔の分布が 非対称の場合 銅箔ベタはハッチパターンで設計することが推奨されます [30] 基板上に銅箔がない大きな領域が存在する場合 銅箔分布を一様にするために銅箔ベタを 利用することが推奨されます [31] 銅箔のグリッドサイズの推奨値は約 25mil x 25mil です 個々の四角の大 きさ: 25mil x 25mil 図 16: 銅箔グリッドの設計 16

8. ソルダマスクの設計 8.1 銅箔パターンに対するソルダマスクの設計 [32] 一般的にソルダマスクは銅箔パターンを覆いますが 特別なケースでは特定の条件により パターンを露出させる場合があります 8.2 8.2.1 ホールに対するソルダマスクの設計 ビアのホール [33] 図 17 に示すように 基板の両面において ビアのホールではホールの中心から一定距離 のソルダマスク開口部が必要です 開口部の直径は メッキ穴の中心から直径 D に対し D + 5mil 必要です D + 5mil ソルダマスク D 図 17: ビアのホールのソルダマスク開口部 8.3 位置調整ホール [34] 金属のリベットホールでは ソルダマスク開口部は メッキホールの基板両面でリベット ホールの中心から直径に対し+6mil 必要です D + 6mil D 図 18: 金属のリベットホールにおけるソルダマスク開口部 [35] 非メッキのリベットホールの場合 ソルダマスク開口部はネジ頭が占有する領域より大き くする必要があります 17

D D ネジ頭取り付け領域 図 19: 非メッキリベットホールのソルダマスク開口部 [36] タイプ A のウェーブはんだ付け穴に対するソルダマスクの開口部は以下を満たす必要があ ります d + 5mil D d うら面 おもて面 D ねじ頭占有領域 図 20: Type A メカニカルホールのソルダマスク開口部 8.3.1 位置決めホール [37] 図 21 に示すように 非メッキホールの表面と裏面のソルダマスク開口部は 穴の同心円 で D + 10mil 必要です(D は非メッキホールの直径) D + 10mil D 図21: 非メッキメカニカルホールのソルダマスク開口部 8.3.2 埋め込みビアとプラグ型ビア [38] 内部レイヤのビア(埋め込みビア)は 基板のどちらの面に対してもソルダマスクの開口部 は必要ありません [39] ウェーブはんだ付けが必要 またはピッチが 1.0mm 未満の BGA(または CSP)を設置するプ 18

リント基板では BGA ビアのホールはプラグ型にする必要があります [40] インサーキットテスト(ICT)端子を BGA の下に追加する場合 図 22 に示すようにテストパ ッドをビア穴から引き出すことを推奨します テストパッドの直径は 32mil ソルダマスク開口部 の直径は 40mil 必要です 図 22: BGA テストパッド [41] プリント基板をウェーブはんだ付けせず BGA 部品のピッチが 1.00mm を超える場合 ビ アはプラグ型にする必要はありません BGA のビア自体はテスト端子として使用できます 表面の ソルダマスク開口部は 穴の直径より 5mil 大きくする必要があります 裏面のテストパッドは[40] に記載内容と同じです 8.4 はんだパッドのソルダマスク設計 [42] 銅箔パッドのソルダマスクデザインは図 23 に示すとおりです はんだパッド はんだなしパッド 図 23: 銅箔パッドのソルダマスク開口部 [43] プリント基板製造では 精度の限界と最小ソルダマスク開口部の制限があるため ソルダ マスク開口部はパッドサイズより少なくとも 6mil(両側 3mil ずつ)大きくする必要があり 最小の ソルダマスクブリッジ幅は 3mil です はんだブリッジによる回路のショートを避けるために ソ ルダマスクによるパッドとホールの分離が必要です 19

A = 3mil 四角形の パッド ビア A A A A 円形パッド 図 24: さまざまなパッドに対するソルダマスク開口部と間隔 [44] SMD のパッド群の間隔が 0.5mm(20mil)未満 またはパッド端の隙間が 10mil 未満の場合 図 25 に示すように それぞれのパッドを分離するソルダマスクは必要なく パッドのまとまりと A B してソルダマスクの開口部を設けることができます A 0.5mm または B 10mil 図 25: ファインピッチ SMD 部品のソルダマスク開口部 [45] 8.5 ヒートシンクに接する部分はソルダマスク開口部を設けることが推奨されます ゴールドフィンガーのソルダマスク設計 [46] ゴールドフィンガーコネクタ(基板エッジコネクタ)の銅箔パッドは ソルダマスク開口部 にしてください 図 26 に示すように (パターンと接する)パッド上側からソルダマスク開口部と し ソルダマスク開口部の下側は 基板端を超えるようにします 20

パターンとパッドの接合部からソルダマ スク開口部を作成します 基板端 パネル マージン ソルダマスク開口部は基板端より広くします 図 26: ゴールドフィンガーのソルダマスク開口部 21

9. シルクスクリーンの設計 9.1 シルクスクリーン設計における検討項目 [47] 一般的な条件 シルクスクリーンの線幅は 5mil より大きくする必要があります シルクスクリーン文字は 肉眼で確認できる程度以上の大きさにする必要があります(推奨は 50mil 以上) シルクスクリーン間の推奨間隔は 8mi 以上です シルクスクリーンは はんだパッドと基準マークが重ならないようにしてください それ らは 最低 6mil 空けてください デフォルトのインク色は白です 特別な条件については プリント基板のドリルレイヤに 記述してくだい 高密度のプリント基板設計の場合 シルクスクリーンの内容は特別な条件に合わせる必要 があります シルクスクリーン文字は左から右 上から下の慣習で書く必要があります 9.2 シルクスクリーンの内容 [48] シルクスクリーンの内容は プリント基板名 バージョン 部品番号 極性や方向の印 バーコード 基板取付ホール位置番号 部品のフットプリント 基板搬送方向 帯電防止ラベル ヒートシンクラベルなどです [49] プリント基板名とバージョン: 基板名とバージョンはプリント基板の上方に配置します また 容易に識別できるフォントを選択 します 基板の表面と裏面は T B (またはその他記号)を書きます [50] バーコード(オプション) バーコード方向は基板に対して水平または垂直です 他の角度の方向は避けてください 典型的な基板のバーコード推奨位置を以下の図に示します その他の基板については 以 下の図を参考にしてください 順番 図 27: バーコードの推奨位置 22

[51] 部品のシルクスクリーン : 部品のラベル 基板取付けホール 位置決めホールはシルクスクリーンでクリアに明示し 目立つ場所に配置してください シルクスクリーンの文字 極性や方向の印は部品実装時に覆われないようにします 水平に実装する部品 ( 寝かせて実装する電解コンデンサなど ) では シルクスクリーンに部品位置を示す部品外形を含めます [52] 搬送方向 : ウェーブはんだ装置など 何らかの装置により処理が必要なプリント基板は 特定の方向があれば基板上に搬送方向を明示します これは 捨てはんだパッドやティアドロップはんだパッドにも適します [53] ヒートシンク : ヒートシンクを実装するプリント基板では ヒートシンクの取付け位置が実際の部品サイズより大きい場合 シルクスクリーンにより実際のサイズも明示しておきます [54] 帯電防止ラベル : 帯電防止のシルクスクリーンは 優先してプリント基板のおもて面に配置します 23

10. ホールの設計 10.1 メッキドリルホールと非メッキドリルホール 10.1.1 一般的なホール間隔 ドリルホール メッキホール D D 6mi l 12mil 12mil おもて面パターン 内部層パターン おもて面パターン 6mil 図 28: ホール間隔条件 [55] D は プリント基板に最終的に設けられたドリルホールの壁面間の最小距離と定義し ます ただし壁面とは 図 28 に示すようにプリント基板自体の壁面 またはメッキ部分を含むメ ッキ壁面を意味します ドリルホールの最小直径は 0.2mm です メッキホールでは メッキ後の直 径はこれより小さくなります [56] 2 個のホール端の間隔は メッキ 非メッキによらず 12mil より大きくする必要がありま す メッキホールでは 間隔にはメッキ材料の厚みは算入しません 特にイオンマイグレーション (メッキ材料がレイヤ内に漏れ出すこと)を避けることが重要です [57] メッキホールでは 表面銅箔パターン端から少なくとも 12mil の距離を確保する必要があ ります [58] 内部銅箔レイヤを持つ基板では 内部レイヤパターンはメッキホールの銅箔パッド端から 6mil の距離を確保する必要があります 10.1.2 ビアのホールのレイアウト禁止領域 [59] ビアのホールははんだパッドと重ならないようにしてください [60] ビアのホールは メタルパッケージ部品の周囲 1.5mm の領域に入らないようにする必要が あります 24

10.2 メカニカルホールの設計 10.2.1 ホールの種類 表 3: 種類別の穴の推奨設計 はんだ処理 金属固定ホール 非金属ホール 金属メッキリベットホール 非金属リベットホール 基板位置 ( 基準ホール ) ウェーブはんだ タイプ A ウェーブはんだ以外 タイプ B タイプ C タイプ B タイプ C 非メッキホール メッキホール 非メッキホール ( パッドなし ) 大きいパッド 小さいメッキホール タイプ A タイプ B タイプ C 図 29: メカニカルホールの構造 10.2.2 スペース条件 表 4: メカニカルホールの種類別スペース条件 種類必要直径 (mm) 表面の確保スペース直径 (mm) ネジ リベット 2 7.1 2.5 7.6 3 8.6 4 10.6 5 12 4 7.6 2.8 6 2.5 6 位置合わせ ( 工具 ) 固定穴 その他 2 設置する金属部品の最大余裕領域 + A* *'A' は 内部レイヤの最小銅箔領域を考慮した穴とパターン間の最小距離 25

11. 基準マークの設計 11.1 分類 [61] 基準マークは 位置と目的により 3 種類に分類されます パネル基準 画像基準 ローカ ル基準です パネル基準 ローカル基準 画像基準 図 30: 基準マークの分類 11.2 基準マークの構成 11.2.1 パネル基準マークと画像基準マーク [62] サイズと形状: 直径 1.0mm の塗りつぶし円 ソルダマスク開口部: 基準マーク中心に合わせた直径 2.00mm の円 銅箔: 基準マークと余白領域中心に合わせた直径 3.00mm の 8 角形 d D L d = 1.0mm D = 2.0mm L = 3.0mm 図 31: パネル基準と画像基準の構成 11.2.2 ローカル基準 [63] サイズと形状: 直径 1.0mm の塗りつぶし円 直径 1.0mm の塗りつぶし円 銅箔: 必要なし d D d = 1.0mm D = 2.0mm 図 32: ローカル基準の構成 26

11.3 基準マークの位置 [64] 一般的に SMT 自動実装が必要なプリント基板は 必要なレイヤに基準マークをつける必 要があります 手はんだのみのプリント基板では 基準マークは必要ありません 片面基板では SMD 部品を実装する場合のみ基準マークが必要です 両面基板では 両方の面で基準マークが必要です 基準マークの位置は一致する必要があります 図 33: 両面基板の表面と裏面の基準は一般的に一致させる 11.3.1 パネル基準マーク [65] パネル基準と画像基準は パネルのマージン領域と個別のサブ基板上それぞれに配置する 必要があります 1 枚の基板あたり 3 個のパネル基準 1 枚のサブ基板あたり 3 個のローカル基準 が必要で 図 34 に示すように 3 個の基準はなるべく L 字になるように配置します 6.0mm L A A A A A A H H L + 6.0mm 図 34: パネルマージン領域と個別基板の基準の位置条件 11.3.2 画像基準マーク [66] サブ基板あたり 3 個の基準マークが必要で お互いになるべく離して L 字に配置する必要 があります 基準マークの原点とサブ基板端の距離は 6.00mm 以上とします 基板の四辺について この条件を満たすことができない場合 少なくともこの条件は主要な基板面について満たす必要が あります 27

11.3.3 ローカル基準マーク [67] ピンピッチが 0.4mm 以下のガルウイング型の部品 ピンピッチが 0.8mm 以下の表面実装の アレイ部品では 局所的な基準マークが必要です Y B O X A 図 35: ローカル基準マークは部品の原点に対し対称にする 28

12. パネライズとブリッジの設計 12.1 V カット加工 [68] V カット加工は 1 枚のプリント基板から複数のプリント基板として切り分ける際に利用 されます V カットラインは元の基板外形の辺と平行に パネルの端から端まで作成し 基板上の 配置部品に干渉がないようにしてください [69] V カット加工をするプリント基板設計では 基板厚を 3.0mm 以上にすることが推奨され ます [70] 機械による自動パネルカットをする場合 部品保護のため V カットラインの両側に 1mm の空き領域が必要です(おもて面 うら面ともに) Vカット ライン 1mm 図 36: 機械による自動パネルカットをする場合の必要な空き領域 上記制限と同時に V カット加工に使用されるブレードの刃型構造も考慮する必要があります 図 37 に 示すように V カットラインから 5mm 以内の領域は 高さ 25mm を超える部品の配置はできません 自動パネルカット機の刃先 25mm 空き領域 V カット断面 5mm 5mm 図 37: 自動パネルカット機による V カットをする場合の必要な空き領域 V カット加工を行う設計の場合 断裁加工時に部品を保護し プリント基板を確実に分割できるようにす るために これらの条件に適合する必要があります 29

30 ~ 45 H 0.8mm, T = 0.35 ± 0.1mm 0.8 < H < 1.6mm, T = 0.4 ± 0.1mm T H 1.6mm, T = 0. 5 ± 0.1mm H 図 38: V カット加工のサイズ 図 39 に示すように 銅箔パターンの損傷を避けるため V カットラインと銅箔パターン間には安全 距離 S を確保してください 通常は S 0.3mm です S T H 図 39: V カットの溝と銅箔パターン間の安全距離(S) 12.2 ミシン目ホールの設計 [71] 切削溝の推奨幅は 2mm です 切削溝は 1 枚の基板上のパネライズした個々の基板間に一 定の距離を確保するためによく用いられます 一般的に V カット加工とミシン目ホールは併せて 用いられます [72] 隣り合うミシン目ホールの中心間の距離は 1.5mm にしてください また図 40 に示すよう に ミシン目ホールのグループ同士の間隔は 5mm が推奨されます 2.0mm 0.3mm ホール直径 = 1.0mm 1.5mm 2.0mm 1.5mm 0.3mm 0.3mm 6.0mm 6.0mm 図 40: ミシン目ホールの設計条件 12.3 パネライズ [73] パネライズは プリント基板が 80mm x 80mm より小さい場合に推奨されます [74] 設計者は プリント基板材料を選択する際に プリント基板の利用可能率を考慮する必要 30

があります これはプリント基板のコストに影響する主な要因になります 注: いくつかの変則的な基板外形(例えば L 型の基板など)では 図 41 に示すように 適切なパネラ イズ方法を選択すると プリント基板の利用率が劇的に向上し 生産コストを下げることができま す スリット溝 回転させた 同じ基板 メカニカル マージン 図 41: 1 枚の基板上の L 型プリント基板のレイアウト [75] 完成したプリント基板をリフローはんだ付けやウェーブはんだ付けで処理する場合で か つ切り出し基板サイズが 60.0mm 以下の場合 1 枚の基板上の切り出し基板は 1 列あたり 2 枚以下に してください(つまり 切り出し基板は高さ方向で 2 枚以下にする必要があります) 幅方向は2枚以下に する 図 42: パネライズ幅の説明 [76] 小さい基板の場合 長辺方向の基板は 3 枚以上 幅は 150.0mm を超えないようにしてくだ さい プリント基板の製造過程では基板の歪みを避けるために 基板の長辺方向にマージンまたは 機械送りの領域が追加されます [77] シングル基板のパネライズ 通常形状の基板 [12.1]記載の空き領域条件を満たすための V カット溝のマージンは必要ありません 31

A Vカット A A マージン Vカットライン 図 43: 通常形状の繰り返しパネライズのレイアウト例 変則的な形状の基板 変則的な形状の基板や部品を基板端に取り付ける場合は V カットラインと切削溝を組み合わせます 切削溝 基板端取付 部品 切削溝 幅 2mm Vカット 図 44: 変則的な形状の基板のパネライズ [78] 中央パネライズ 中央パネライズは 変則的な形のプリント基板に利用されます 変則的な形を組み合わせた 外形が通常の形になるようにします 2 つの基板を完全に組み合わせることができない場合 切削により余剰部分を取り除き基板 を分割します 余剰部分が大きくなってしまう場合 ミシン目ホールを設けることにより余剰部分を分離で きるようにプリント基板を設計します(図 45 参照) 切削溝 余剰部分 マージン 図 45: ミシン目ホールによる余剰部分を設けた 2 つの変則的な形の基板 ゴールドフィンガーコネクタ(エッジコネクタ)を設ける場合 図 46 に示すようにコネクタ 部分は基板の外側に面するように配置する必要があります これは 金メッキ処理時に必 32

要な対応です 図 46: ゴールドフィンガー(エッジコネクタ)の推奨レイアウト 12.4 変則的な形状のプリント基板のパネライズ [79] 一般的な条件 組み合わせたプリント基板が基板の辺に沿って 5mm の余白がない場合 基板境界にマージ ン/機械送りの領域を追加する必要があります 例えば角欠けや一部の領域がないような変則的な形状のプリント基板の場合 製造しやす いようにより四角形に近い外形にするために 欠けている領域を埋めるような領域が必要 です マージン 切削溝 ミシン目ホー ルによる接続 欠け領域を埋める ことにより より 四角形に近い外形 にした基板 図 47: 変則的な形状をマージン追加などにより整形したプリント基板外形 [80] SMT とウェーブはんだ付け処理は 35mm x 35mm 超える追加の領域がある変則的な形状の 場合に推奨されます 追加の領域が長さ 50mm を超える場合は 2 組のミシン目ホールが必要です 超えない場合は 1 セットのミシン目ホールで十分です 33

a a 搬送方向 図 48: 長さ 50mm を超える追加領域のミシン目ホール (a は追加領域の長さ ) 34

13. 部品配置の検討 13.1 一般的な部品配置の条件 [81] 極性や配置方向の条件があるスルーホール部品は できるだけ部品全体で一貫性を持たせ る必要があります 例えばタンタルコンデンサなどの 方向を揃えることができない SMD 部品の場 合 X 方向と Y 方向それぞれに対して一貫性を持たせてください [82] 接着する部品の場合は 部品周りに 3mm のスペースを確保してください [83] ヒートシンクを設置するプリント基板の場合 ヒートシンクの設置場所と方向を考慮する 必要があります ヒートシンクが他の部品に触れないように ヒートシンク周りに十分なスペース が必要で 少なくとも 0.5mm は確保してください 補足 1: 温度特性のある部品(例えば抵抗性を持つコンデンサや水晶など)は 熱を発する部品から 十分に離す必要があります 補足 2: 温度特性のある部品は 換気口近くに配置する必要があります 高さのある部品は 空気 の流れを促すために 高さの低い部品の後ろに配置する必要があります 大きい部品 空気の流れ 温度特性のある部品 図49: 温度特性のある部品の配置 [84] 例えばメモリカードソケットの場合にように 通常のアクセスができるように部品間のス ペースが必要です ブロックされた メモリカードソケット 図 50: ブロックされたソケット 35

[85] 特性の異なる金属の部品や金属ケースの部品は触れないようにします このような部品間 の最低距離は 1.0mm です 13.2 リフローはんだ付け 13.2.1 SMD 部品の一般的な条件 [86] ファインピッチ部品はプリント基板の同じ面に設置すること インダクタなどの大きい部 品は表面に接することが推奨されます [87] 極性のある部品は 可能な限りプラス側をプリント基板の片側方向に揃え マイナス側の その反対側に揃えます また 検査の妨げになりますので 背の高い部品は背の低い部品のすぐ隣 に設置することは避けてください はんだ付けの手動確認検査を容易にするため レイアウト全体 で小さい部品から大きい部品を見た際の仰角は 45 度を超えないようにしてください α α 45 図 51: はんだ付け検査確認のための確保が必要な仰角条件 [88] CSP BGA などの表面実装アレイ部品は最低 2mm 可能であれば 5mm の余白領域が必要です [89] 一般的に 表面実装アレイ部品は基板の裏面には配置しません もし裏面に配置する場合 表面実装アレイデバイスの周囲 8.00mmm を追加した領域には他の表面実装アレイデバイスを配置す ることはできません またその場合には表面の配置している表面実装アレイ部品の周囲 8mm につい ても他の表面実装アレイ部品を配置することはできません (図 52 参照) 8.0mm BGA 8.0mm 表面実装アレイ部品の余白領域 図52: 表面実装アレイデバイスのレイアウト条件 13.2.2 SMD 部品配置条件 [90] SMD 部品の少なくとも片側の大きさは 50mm 未満にしてください [91] 図 53 に示すように SOP パッケージなどの表面実装のガルウイング型ピンを持つ部品を 2 36

個重ねることは推奨されません 非推奨 図 53: 不適切な 2 個の SOP フットプリントレイアウト [92] 2 個の SMD 部品がパッドを共有する場合 図 54 に示すように それらのパッケージは同 一である必要があります 共有パッド A A B B チップ部品のオーバーラップ 図 54: SMD 部品のパッドの共有 [93] スルーホール部品と SMD 部品は SMD のパッドとパッドにのせるクリームはんだがスルー ホール部品のはんだ付けに影響がない場合に限り オーバーラップさせることができます(図 55 参 照) スルーホール部品とSMD部品がオー バーラップできる場合 図 55: スルーホール部品と SMD 部品の可能なレイアウト設計 [94] SMD 部品間の必要な距離は以下になります 同じ種類の部品: 0.3mm 異なる種類の部品: 0.13 h + 0.3mm (h は隣り合う部品との高さの差の最大値) 37

吸引ノズル X Y h 異なる種類の部品 同じ種類の部品 図 56: 部品間の必要な距離 [95] プリント基板のリフローはんだ付けでは SMT 部品間の必要な距離は表 5 に示すように条 件により異なります 見積り値は パッドか部品本体のどちらかの値の大きい方になります カッ コ内の数字は最低限の値を意味しています 表 5: 部品間必要距離 (単位:mm) STC3528 ~ 7343 SOT / SOP SOJ / PLCC QFP BGA 0.55 0.70 0.65 0.70 0.45 5.00 (3.00) 0.45 0.65 0.50 0.60 0.45 5.00 (3.00) 0.50 0.55 0.60 0.45 5.00 (3.00) 0.45 0.50 0.45 5.00 0.30 0.45 5.00 0.30 5.00 0402 ~ 0805 1206 ~ 1810 0402 ~ 0805 1206 ~ 1810 0.40 STC3528 ~ 7343 SOT / SOP SOJ / PLCC QFP BGA [96] 8.00 ファインピッチの部品と基板端との距離は プリント基板の品質悪影響がないように 10mm 以上とる必要があります 理想的には はんだ付け品質を確保するために バーコード領域と表面実装部品間の距離 は理想的には表 6 に示す条件を満たすことが望まれます 38

表 6: バーコード印刷と部品フットプリント間の推奨距離条件 部品タイプ 最小距離D ピッチ 1.27mmのガルウイングピン (SOP,やQFPなど) 表面実装アレイ部品 10mm 0603サイズ以上のSMDチ ップ部品や他のフットプ リント 5mm D D バーコード D 図 57: バーコード印刷と部品のレイアウト条件 13.2.3 リフローはんだ付けを行う場合のスルーホール部品のレイアウト条件 [97] 搬送側ではない側の大きさが 300mm を超えるプリント基板では 基板中央付近に重いスル ーホール部品は配置すべきではありません はんだ付けの際に部品の重さによる基板変形を軽減す るためです [98] プラグインソケットを利用する場合は ソケットは利便性の高い場所に設置してください [99] スルーホール部品間の距離は 10mm 以上必要です [100] スルーホール部品と搬送側の基板端間の距離は 10mm 以上 搬送側ではない側では 5mm 以 上必要です 13.3 ウェーブはんだ付け 13.3.1 ウェープはんだ付けを行う場合の SMD 部品のレイアウト条件 [101] ウェーブはんだ付けは以下の SMD 部品に適しています 0603 サイズ以上のチップ抵抗 コンデンサ インダクタで スタンドオフ値が 0.15mm 未満 のもの ピッチ間隔 1.27mm 以上 スタンドオフ値 0.15mm 以下の SOP パッケージ ピンが見えるのピッチ間隔 1.27mm 以上の SOT パッケージ 注: ウェーブはんだ付けを行う SMD 部品のピンは 2mm 以下である必要があります 他の部 品は高さが 4mm 未満である必要があります [102] SOP 部品の長辺軸は ウェーブはんだ付け処理のはんだウェーブの搬送方向と直角にする 39

必要があります さらに図 58 に示すように パッド列の最後には いわゆる 捨てはんだ のた めの追加のパッドが必要です 搬送方向 搬送方向 捨てはんだ用パッド 図 58: ウェーブはんだ付け処理を行う SOP パッケージの捨てはんだパッドの配置 [103] SOT-23 パッケージ部品の方向は ピンが搬送方向と平行になるようにする必要がありま す 搬送方向 図 59: ウェーブはんだ付けを行う SOT-23 パッケージの方向 [104] 一般的な部品のスペースの原則: ウェーブはんだ付けによるシャドー効果の問題を少なく するために 部品とそれぞれのパッド間にはある程度の距離が必要です 表 7 の同じ種類の部品の場合 L B B L L 図 60: 同じ種類の部品のレイアウト 40

表 7: 同じ種類の部品間の距離 パッドスペースL (mm/mil) 部品スペース B (mm/mil) フットプリント 最小スペース 推奨スペース 最小スペース 推奨スペース 0603 0.76/30 1.27/50 Type 0.76/30 1.27/50 0805 0.89/35 1.27/50 0.89/35 1.27/50 1206 1.02/40 1.27/50 1.02/40 1.27/50 SOT 1.02/40 1.27/50 1.02/40 1.27/50 タンタルコンデンサ 3216 and 3528 1.02/40 1.27/50 1.02/40 1.27/50 タンタルコンデンサ 6032 and 7343 1.27/50 1.52/60 2.03/80 2.54/100 SOP 1.27/50 1.52/60 --- --- 異なる種類の部品では はんだパッドの端からのスペースは 1.0mm 以上必要です 必要な 距離を図 61 と表 8 に示します B B B 図 61: 異なる種類の部品のレイアウトとプリント基板構成 表 8: 異なる種類の部品間距離とプリント基板構成 フットプリ ント (mm/mil) 0603 1810 SOT SOP 0603 1810 1.27/50 1.52/60 2.54/100 SOT 1.27/50 2.54/100 SOP 2.54/100 2.54/100 スルーホー ル 1.27/50 1.27/50 1.27/50 ビア 0.6/24 0.6/24 0.6/24 ICT Point 0.6/24 0.6/24 捨てはんだ パッド端 2.54/100 2.54/100 スルー ホール ビア ICT Point 捨てはんだ パッド端 1.27/50 0.6/24 0.6/24 2.54/100 1.27/50 0.6/24 0.6/24 2.54/100 1.27/50 0.6/24 0.6/24 2.54/100 0.6/24 0.6/24 2.54/100 0.6/24 0.3/12 0.3/12 0.6/24 0.6/24 0.6/24 0.3/12 0.6/24 0.6/24 2.54/100 2.54/100 0.6/24 0.6/24 0.6/24 41

13.3.2 スルーホール部品の共通レイアウト条件 [105] 部品特有の構造による特定の条件に加え スルーホール部品は基板おもて面に配置する必 要があります [106] 隣り合う部品間のスペースを図 62 に示します 最小値 = 0.5mm 図 62: スルーホール部品間の距離 [107] 手はんだやメンテナンス 修理を容易にするために 図 63 に示す条件を満たす必要があ ります メッキスルーホール α α X α 45 X 1mm 図 63: スルーホール部品の配置条件 13.3.3 ウェーブはんだ付けスルーホール部品の一般的な条件 [108] 最適な部品ピッチは 2.0mm 以上 図 64 に示すように はんだ付けパッド端間の距離は少 なくとも 1.0mm 必要です また 部品のボディはお互いに干渉がないようにしてください 最小値 1.0mm 図 64: ウェーブはんだ付けのスルーホール部品レイアウト 42

[109] スルーホール部品ホールの列が長い場合 その列がはんだウェーブの搬送方向と平行にな るように部品を配置する必要があります パッド列が搬送方向と垂直にする必要がある特別な状況 では パッド形状を楕円にするなどの適切な調整が必要です また 隣り合うパッドの端と端の間 隔が 0.6mm - 1.0mm の場合 パッド形状を楕円にするか 捨てはんだ用のパッドの追加を推奨しま す 楕円パッド 捨てはんだ用 パッド 搬送方向 図 65: ウェーブはんだ付け装置の基板搬送方向に対する相対的なはんだパッドの並び 43

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